JP2010042733A - 駆動車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内輪の押込み量を確保すると共に、揺動加締時に伴う内輪の変形を抑えて耐久性の向上を図った駆動車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部13により内輪5が固定され、加締部13の端面にフェイススプライン13aが形成された駆動車輪用軸受装置において、小径段部1bの加締前の端部が中空状の円筒部22として形成され、この外周面に内輪5の内側転走面5aの大径端から面取り部5cにかかり、大端面5bを越える範囲に所定の深さの環状溝23が形成されると共に、この両側に曲率半径Ri、Roからなる円弧面23a、23bが形成され、円弧面23aの曲率半径Riが円弧面23bの曲率半径Roよりも小さく、R1〜10の範囲に設定され、環状溝23の一部が内輪5の面取り部5cに密着され、残りの部分が内輪5と接触せず空間が残存する。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車等の車両の駆動車輪を回転自在に支承する駆動車輪用軸受装置に関するもので、特に、軸受部と等速自在継手とを着脱自在にユニット化した駆動車輪用軸受装置に関する。
自動車等の車両のエンジン動力を車輪に伝達する動力伝達装置は、エンジンから車輪へ動力を伝達すると共に、悪路走行時における車両のバウンドや車両の旋回時に生じる車輪からの径方向や軸方向変位、およびモーメント変位を許容する必要があるため、エンジン側と駆動車輪側との間に介装されるドライブシャフトの一端を摺動型の等速自在継手を介してディファレンシャルに連結し、他端を固定型の等速自在継手を含む駆動車輪用軸受装置を介して車輪に連結している。
近年、省資源あるいは公害等の面から燃費向上に対する要求は厳しいものがある。自動車部品において、中でも車輪用軸受装置の軽量化はこうした要求に応える要因として注目され、強く望まれて久しい。従来から軽量化を図った車輪用軸受装置に関する提案は種々のものがあるが、それと共に自動車等の組立現場あるいは補修市場において、組立・分解作業を簡略化して低コスト化を図ることも重要な要因となっている。
図8に示す駆動車輪用軸受装置は、こうした要求を満たした代表的な一例である。この駆動車輪用軸受装置は、複列の転がり軸受51と等速自在継手52とを着脱自在にユニット化して構成されている。複列の転がり軸受51は、車体に取り付けるための車体取付フランジ53bを一体に有し、内周に複列の外側転走面53a、53aが形成された外方部材53と、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ54bを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面53a、53aの一方に対向する内側転走面54aと、この内側転走面54aから軸方向に延びる円筒状の小径段部54cが形成されたハブ輪54、およびこのハブ輪54の小径段部54cに圧入され、外周に前記複列の外側転走面53a、53aの他方に対向する内側転走面55aが形成された内輪55からなる内方部材56と、両転走面間に保持器57を介して転動自在に収容された複列の転動体58、58とを備えている。そして、内輪55は、小径段部54cの端部を塑性変形させて形成した加締部59によってハブ輪54に対して軸方向に固定されている。さらに、この加締部59の端面にフェイススプライン59aが形成されている。ここで、加締部59のフェイススプライン59aは加締加工時に同時に形成されている。
また、外方部材53と内方部材56との間に形成される環状空間の開口部にはシール60、61が装着され、軸受内部に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
等速自在継手52は、外側継手部材62と継手内輪63、ケージ64、およびトルク伝達ボール65とを備え、外側継手部材62は、カップ状のマウス部66と、このマウス部66の底部をなす肩部67と、この肩部67から軸方向に延びる中空状の軸部68を一体に有し、軸部68の内周には雌ねじ68aが形成されている。また、肩部67の端面にフェイススプライン67aが形成されている。このフェイススプライン67aは、加締部59の端面に形成されたフェイススプライン59aに係合し、ドライブシャフト(図示せず)からの回転トルクが等速自在継手52および内方部材56を介して車輪取付フランジ54bに伝達される。
ここで、軸部68の雌ねじ68aに締結ボルト69が螺着され、この締結ボルト69によって、外側継手部材62と内方部材56の対向する両フェイススプライン67a、59aが圧接支持され、複列の転がり軸受51と等速自在継手52とが着脱自在にユニット化されている。これにより、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、分解・組立作業が簡素化される。
特開昭63−184501号公報
こうした駆動車輪用軸受装置は、加締部59と同時にフェイススプライン59aが揺動加締時に形成されているので作業性が向上すると共に、加工工数を削減させて低コスト化を図ることができる。また、フェイススプライン59a、67aによってトルクを伝達するようにしたので、軽量・コンパクト化が達成できると共に、分解・組立作業が簡素化できると言う特徴を備えている。然しながら、フェイススプライン59aが揺動加締時に同時に形成されることにより、内輪55の端部は外向きの力を受けて拡径し、内輪55には周方向の引張応力、所謂フープ応力が発生する。このフープ応力が大きいと揺動加締時に内輪55が割損する恐れがある。例え、内輪55が割損しなくても、過大なフープ応力は軸受の耐久性に悪影響を及ぼすと共に、このような状況下でこの部位の腐食が進展すると、環境下に存在する拡散性水素が内輪55の組織内に侵入して金属粒界が破壊する、所謂遅れ破壊が発生し易くなって好ましくない。
そこで、フープ応力を転動疲労寿命の低下や遅れ破壊の発生に影響しない程度、例えば、250MPa程度の水準以下に抑えることが望ましいが、このフープ応力は、内輪55の押込み量(フェイススプライン59aの加工量)と相関関係があり、押込み量が大きくなるとフープ応力が大きくなる。したがって、過大なフープ応力を抑制するためには、内輪55の押込み量を小さくする必要があるが、単に押込み量を小さくするだけでは内輪55の固定力が確保できず、内輪55にクリープが発生したり、また、フェイススプライン59aの歯形が充分に成形されず、外側継手部材62側のフェイススプライン67aとの係合にガタが発生する恐れがある。ここで、クリープとは、嵌合シメシロ不足や嵌合面の加工精度不良等により軸受が周方向に微動し、嵌合面が鏡面化し、場合によっては、かじりを伴い焼付きや溶着する現象をいう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、内輪の押込み量を確保すると共に、揺動加締時に伴う内輪の変形を抑えて耐久性の向上を図った駆動車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、複列の転がり軸受と等速自在継手が着脱自在にユニット化された駆動車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が前記ハブ輪に固定されると共に、前記等速自在継手が、カップ状のマウス部と、このマウス部の底部をなす肩部と、この肩部から軸方向に延び、雌ねじが形成された円筒状の軸部とを一体に有する外側継手部材を備え、この外側継手部材の肩部と前記加締部の端面にそれぞれフェイススプラインが形成され、前記ハブ輪のアウター側の端面に当接して前記軸部の雌ねじに螺着された締結ボルトによって前記両フェイススプラインが圧接支持され、前記複列の転がり軸受と等速自在継手とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に分離可能に結合された駆動車輪用軸受装置において、前記小径段部の加締前の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に前記内輪の内側転走面の大径端に対応する位置から前記内輪の大端面を越えて所定の深さの環状溝が形成されると共に、当該環状溝の一部が前記内輪の面取り部に密着され、残りの部分が前記内輪と接触せず空間が残存するように前記円筒部の端部が塑性変形されている。
このように、ハブ輪の小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により内輪がハブ輪に固定されると共に、外側継手部材の肩部と加締部の端面にそれぞれフェイススプラインが形成され、ハブ輪のアウター側の端面に当接して軸部の雌ねじに螺着された締結ボルトによって両フェイススプラインが圧接支持され、複列の転がり軸受と等速自在継手とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に分離可能に結合された駆動車輪用軸受装置において、小径段部の加締前の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に内輪の内側転走面の大径端に対応する位置から内輪の大端面を越えて所定の深さの環状溝が形成されると共に、当該環状溝の一部が内輪の面取り部に密着され、残りの部分が内輪と接触せず空間が残存するように円筒部の端部が塑性変形されているので、加締加工時に円筒部が変形し易くなり、所望のフェイススプラインの形状・寸法と内輪の押込み量を確保すると共に、揺動加締時に伴う内輪の変形を抑えて耐久性の向上を図った駆動車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記加締部のフェイススプラインが、当該加締部と同時に塑性加工によって形成されていれば、加工工数が削減でき、低コスト化を図ることができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記環状溝が、前記内輪の内側転走面の大径端に対応する位置から大端面側の面取り部にかかり、前記大端面を僅かに越える範囲に形成されていれば、揺動加締により環状溝の一部が内輪の面取り部に密着され、残りの部分が内輪と接触せず空間が残存する状態となり、所定の内輪押込み量を確保しつつ揺動加締による内輪の変形を抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記環状溝の底面が前記円筒部の先端に向って漸次縮径するテーパ面に形成され、このテーパ面の傾斜角が15°以下に設定されていていれば、揺動加締時の内輪に発生するフープ応力をさらに抑えることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記環状溝の両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面が形成され、これら円弧面のうちインナー側の円弧面の曲率半径Riがアウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく(Ri≦Ro)、R1〜10の範囲に設定されていても良い。
また、請求項6に記載の発明のように、前記内輪の大端面側の内径端部に曲率半径からなる円弧面を有する面取り部が形成され、この面取り部の曲率半径がR1.0〜2.5の範囲に設定されていれば、車両の運転中に曲げモーメント荷重が装置に負荷された時、加締部の根元部分に応力集中が起こるのを防止すると共に、揺動加締により内輪に過大なフープ応力が発生するのを防止することができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記環状溝の深さが0.5〜2.0mmの深さに設定されていれば、内輪の変形を抑えつつ、所望の内輪押込み量を確保することができる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記ハブ輪の小径段部に高周波焼入れによって表面硬さを50〜64HRCの範囲に硬化層が形成され、この硬化層のインナー側の端が、前記環状溝におけるアウター側の起点から、アウター側は0〜4.0mm、インナー側は前記環状溝のアウター側円弧面の範囲内で0〜3.0mmの範囲で止められていれば、小径段部における円筒部の加工性を向上させ、塑性変形によるクラック等の発生を防止することができる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記ハブ輪の小径段部に2つの内輪が圧入され、これら2つの内輪の内側転走面の位置は同じで、加締側の内輪の内側転走面の大径端から大端面までの寸法が、他方の内輪の内側転走面の大径端から大端面までの寸法よりも長く設定されていれば、揺動加締時に伴う加締側の内輪の変形を抑えることができる。
本発明に係る駆動車輪用軸受装置は、複列の転がり軸受と等速自在継手が着脱自在にユニット化された駆動車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が前記ハブ輪に固定されると共に、前記等速自在継手が、カップ状のマウス部と、このマウス部の底部をなす肩部と、この肩部から軸方向に延び、雌ねじが形成された円筒状の軸部とを一体に有する外側継手部材を備え、この外側継手部材の肩部と前記加締部の端面にそれぞれフェイススプラインが形成され、前記ハブ輪のアウター側の端面に当接して前記軸部の雌ねじに螺着された締結ボルトによって前記両フェイススプラインが圧接支持され、前記複列の転がり軸受と等速自在継手とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に分離可能に結合された駆動車輪用軸受装置において、前記小径段部の加締前の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に前記内輪の内側転走面の大径端に対応する位置から前記内輪の大端面を越えて所定の深さの環状溝が形成されると共に、当該環状溝の一部が前記内輪の面取り部に密着され、残りの部分が前記内輪と接触せず空間が残存するように前記円筒部の端部が塑性変形されているので、加締加工時に円筒部が変形し易くなり、所望のフェイススプラインの形状・寸法と内輪の押込み量を確保すると共に、揺動加締時に伴う内輪の変形を抑えて耐久性の向上を図った駆動車輪用軸受装置を提供することができる。
複列の転がり軸受と等速自在継手が着脱自在にユニット化された駆動車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が前記ハブ輪に固定されると共に、前記等速自在継手が、カップ状のマウス部と、このマウス部の底部をなす肩部と、この肩部から軸方向に延び、雌ねじが形成された円筒状の軸部とを一体に有する外側継手部材を備え、この外側継手部材の肩部と前記加締部の端面にそれぞれフェイススプラインが形成され、前記ハブ輪のアウター側の端面に当接して前記軸部の雌ねじに螺着された締結ボルトによって前記両フェイススプラインが圧接支持され、前記複列の転がり軸受と等速自在継手とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に分離可能に結合された駆動車輪用軸受装置において、前記小径段部の加締前の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に前記内輪の内側転走面の大径端に対応する位置から前記内輪の大端面側の面取り部にかかり、前記大端面を僅かに越える範囲に所定の深さの環状溝が形成されると共に、この環状溝の両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面が形成され、これら円弧面のうちインナー側の円弧面の曲率半径Riがアウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく(Ri≦Ro)、R1〜10の範囲に設定され、当該環状溝の一部が前記内輪の面取り部に密着され、残りの部分が前記内輪と接触せず空間が残存するように前記円筒部の端部が塑性変形されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の軸受部を示す縦断面図、図3は、等速自在継手部を示す縦断面図、図4は、図2の揺動加締前の軸受部を示す縦断面図、図5は、図4の要部拡大図、図6は、図5の変形例を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の転がり軸受2がユニット化された所謂第3世代と称される構成を備え、これに等速自在継手3が着脱自在に軸方向に連結されている。複列の転がり軸受2は、外方部材7と内方部材8と複列の転動体(ボール)9、9とを備えている。
外方部材7はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ7bを一体に有し、内周には複列の外側転走面7a、7aが一体に形成されている。そして、少なくとも複列の外側転走面7a、7aは高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されている(図4にクロスハッチングにて示す)。
一方、内方部材8は、前記した外方部材7の外側転走面7a、7aに対向する複列の内側転走面1a、5aが形成されている。これら複列の内側転走面1a、5aのうち一方(アウター側)の内側転走面1aがハブ輪1の外周に直接形成されると共に、他方(インナー側)の内側転走面5aが内輪5の外周に形成されている。この場合、内方部材8はハブ輪1と内輪5を指す。そして、複列の転動体9、9がこれら両転走面間にそれぞれ収容され、保持器10、10によって転動自在に保持されている。また、外方部材7と内方部材8との間に形成される環状空間の開口部にはシール11、12が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
ハブ輪1は、図2に拡大して示すように、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、外周に内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成されている。ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、アウター側のシール11のシールランド部となる車輪取付フランジ4のインナー側の基部4aから小径段部1bに亙る外周面に高周波焼入れによって表面硬さを50〜64HRCの範囲に硬化層24が形成されている(図4にクロスハッチングにて示す)。なお、内側転走面1aは表面硬さを58〜64HRCの範囲に設定されると共に、後述する加締部13は、鍛造加工後の硬さ(13〜30HRC)のままとされている。これにより、シールランド部の耐摩耗性が向上するばかりでなく、車輪取付フランジ4に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性が一層向上する。なお、内輪5および転動体9はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
内輪5はハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入され、小径段部1bの端部を塑性変形(揺動加締)させて形成した加締部13によって所望の軸受予圧が付与された状態で軸方向に固定されている。そして、加締部13の端面には、揺動加締時にフェイススプライン13aが塑性加工によって形成されている。なお、ここでは、転動体9にボールを使用した複列のアンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず、転動体9に円錐ころを使用した複列の円錐ころ軸受であっても良い。
等速自在継手3は、図3に拡大して示すように、外側継手部材14と継手内輪15とケージ16およびトルク伝達ボール17からなる。外側継手部材14は、カップ状のマウス部18と、このマウス部18の底部をなす肩部19と、この肩部19から軸方向に延びる円筒状の軸部20とを有し、マウス部18の内周および継手内輪15の外周には軸方向に延びる曲線状のトラック溝18a、15aがそれぞれ形成されている。また、肩部19の端面には加締部13のフェイススプライン13aに係合するフェイススプライン19aが鍛造加工により形成されると共に、軸部20には雌ねじ20aが形成されている。外側継手部材14はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、トラック溝18aは高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。
これらの複列の転がり軸受2および等速自在継手3は、図1に示すように、軸部20の雌ねじ20aに締結ボルト21が螺着されることによって、外側継手部材14の肩部19とハブ輪1の加締部13との対向する両フェイススプライン19a、13aが圧接支持され、着脱自在にユニット化されている。
ここで、図4に示すように、ハブ輪1の小径段部1bは、塑性加工前に予め略均一な肉厚からなる円筒部22として形成されている。この円筒部22の端部には円弧状の面取り部22a、22bがそれぞれ形成されている。そして、図5に拡大して示すように、内輪5の大端面5b側(加締部側)の内径端部に曲率半径riがR1.0〜2.5からなる円弧面を有する面取り部5cが形成されている。この面取り部5cの曲率半径riを1.0mmよりも小さく設定すると、車両の運転中に曲げモーメント荷重が装置に負荷された時、加締部13の根元部分に応力集中が起こり、微小クラック等の損傷が発生する恐れがある。逆に、曲率半径riが2.5mmを超えると、円筒部22を塑性変形する際、内輪5を径方向外方に押し広げることになり、内輪5の外径に過大なフープ応力が発生して好ましくない。
また、円筒部22の外周面に深さtからなる環状溝(アンダーカット)23が形成されている。この環状溝23は、内輪5における内側転走面5aの大径端に対応する位置から内輪5の面取り部5cにかかり、大端面5bを僅かに越える範囲に形成されている。そして、この環状溝23の両側にはそれぞれ曲率半径Ri、Roからなる円弧面23a、23bが形成されている。
本実施形態では、環状溝23の深さtは0.5〜2.0mm、インナー側の円弧面23aの曲率半径Riは、内輪5の面取り部5cの曲率半径riよりも大きく、アウター側の円弧面23bの曲率半径Roよりも小さく設定され(ri≦Ri≦Ro)、Ri=R1〜10の範囲に形成されている。このように、円筒部22の外周面に環状溝23を形成することにより、加締加工時に円筒部22が変形し易くなり、内輪5の変形を抑えることができる。ただし、環状溝23の深さtが0.5mmよりも小さいとその効果が薄れ、また、深さtが2.0mmを超えると、内輪押込み量が不足して所望の内輪5の固定力が得られない。すなわち、加締後は、環状溝23の一部が内輪5の面取り部5cに密着されるが、この環状溝23の空間が残存する状態となる。
また、ハブ輪1の外周に形成される硬化層24のインナー側の端は、この環状溝23におけるアウター側の円弧面23bの起点から、アウター側は4.0mmまで、インナー側は環状溝23に掛かり円弧面23bの範囲内で3.0mmまでの範囲で止められている。硬化層24のインナー側の端の位置を前記の範囲とすることで、小径段部1bの内輪嵌合部の加締加工による拡径量が小さくなり、内輪5のフープ応力を小さくすることができる。更に、拡径部分の開始位置を加締部13側に近づけることができ、小径段部1bにおける円筒部22の加締加工性を向上させることができる。また、硬化層24のインナー側の端を円弧面23bの範囲内までとすることで、硬化層24の塑性変形によるクラック等の発生を防止することができる。
このように、本実施形態では、加締前のハブ輪1における小径段部1bの端部が中空状の円筒部22として形成され、この円筒部22の外周面に所定の深さtの環状溝23が形成されると共に、この環状溝23の両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面23a、23bが形成され、環状溝23の幅が所定の範囲に設定されているので、加締加工時に円筒部22が変形し易くなり、所望のフェイススプライン13aの形状・寸法と内輪5の押込み量を確保すると共に、揺動加締時に伴う内輪5の変形を抑えて耐久性の向上を図った駆動車輪用軸受装置を提供することができる。
図6は、図5に示した円筒部22の変形例である。なお、この実施形態は前述したものと基本的には環状溝の形状だけが異なるだけで、その他同一部品や部位には同じ符号を付して重複した説明を省く。
ハブ輪1の小径段部1bは、塑性加工前に予め略均一な肉厚からなる円筒部22として形成されている。この円筒部22の外周面に深さtからなる環状溝23’が形成されている。この環状溝23’は、内輪5における内側転走面5aの大径端に対応する位置から内輪5の面取り部5cにかかり、大端面5bを僅かに越える範囲に形成されている。そして、この環状溝23’の両側にはそれぞれ曲率半径Ri、Roからなる円弧面23a、23bが形成されている。
ここで、環状溝23’の底面は円筒部22の先端に向って漸次縮径するテーパ面に形成され、このテーパ面の傾斜角θは15°以下、好ましくは10°以下に設定されている。これにより、揺動加締時の内輪5に発生するフープ応力がさらに抑えられる。なお、この傾斜角θが15°を超えると円筒部22の肉厚が薄くなって強度低下を招き好ましくない。
図7は、本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。なお、この実施形態は前述した第1の実施形態と基本的には複列の転がり軸受の構成が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪25と、このハブ輪25に外嵌固定された複列の転がり軸受からなる車輪用軸受26からなる、所謂第2世代と称される構成を備えている。車輪用軸受26は、外周に車体取付フランジ7bを一体に有し、内周に複列の外側転走面7a、7aが一体に形成された外方部材7と、外周に複列の外側転走面7a、7aに対向する内側転走面5a、5aが形成された2つの内輪27、5と、両転走面間に保持器10、10を介して転動自在に収容された複列の転動体9、9とを備えている。外方部材7と2つの内輪27、5との間に形成される環状空間の開口部にはシール28、12が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
ハブ輪25は、アウター側の端部に車輪取付フランジ4を一体に有し、この車輪取付フランジ4から肩部25aを介して軸方向に延びる円筒状の小径段部25bが形成されている。そして、車輪用軸受26がハブ輪25の小径段部25bに所定のシメシロを介して肩部25aに衝合するまで圧入され、小径段部25bの端部を塑性変形させて形成した加締部30によって所望の軸受予圧が付与された状態で軸方向に固定されている。そして、加締部30の端面には、揺動加締後にフェイススプライン30aが切削加工によって形成されている。
ハブ輪25はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、車輪取付フランジ4の肩部25aから小径段部25bに亙る外周面に高周波焼入れによって表面硬さを50〜64HRCの範囲に硬化層29が形成されている(図中クロスハッチングにて示す)。なお、加締部30は、鍛造加工後の硬さのままとされている。これにより、車輪取付フランジ4に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪25の耐久性が向上すると共に、加締部30の塑性加工とフェイススプライン30aの切削加工が容易にできる。
ここで、本実施形態では、前述した実施形態と同様、加締前のハブ輪25における小径段部25bの端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に環状溝23が形成されると共に、この環状溝23の幅が所定の範囲に設定されているので、加締加工時に円筒部が変形し易くなり、内輪5の押込み量を確保すると共に、揺動加締時に伴う内輪5の変形を抑えることができる。
さらに、2つの内輪27、5のうち加締側(インナー側)の内輪5の幅寸法がアウター側の内輪27の幅寸法よりも長く設定されている。具体的には、内側転走面5aの位置は同じで、内側転走面5aの大径端から大端面5bまでの寸法Wiが、内輪27の内側転走面5aの大径端から大端面5bまでの寸法Woよりも長く設定されている。これにより、揺動加締時に伴う加締側の内輪5の変形を抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受とが加締部によってユニット化された第1世代乃至第3世代構造の軸受部と等速自在継手とがフェイススプラインを介して着脱自在に連結された駆動車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1の軸受部を示す縦断面図である。 図1の等速自在継手を示す縦断面図である。 図2の揺動加締前の軸受部を示す縦断面図である。 図4の要部拡大図である。 図5の変形例を示す要部拡大図である。 本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 従来の駆動車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1、25・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、5a・・・・・・・・・・・・内側転走面
1b、25b・・・・・・・・・・・小径段部
2・・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
4a・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジのインナー側の基部
5、27・・・・・・・・・・・・・内輪
5b・・・・・・・・・・・・・・・大端面
5c、22a、22b・・・・・・・面取り部
7・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
7a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
7b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
8・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
9・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
10・・・・・・・・・・・・・・・保持器
11、28・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
12・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
13、30・・・・・・・・・・・・加締部
13a、19a、30a・・・・・・フェイススプライン
14・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
15a、18a・・・・・・・・・・トラック溝
16・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
17・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
18・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
19、25a・・・・・・・・・・・肩部
20・・・・・・・・・・・・・・・軸部
20a・・・・・・・・・・・・・・雌ねじ
21・・・・・・・・・・・・・・・締結ボルト
22・・・・・・・・・・・・・・・円筒部
23、23’・・・・・・・・・・・環状溝
23a、23b・・・・・・・・・・円弧面
24、29・・・・・・・・・・・・硬化層
26・・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
51・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
52・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
53・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
53a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
53b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
54・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
54a、55a・・・・・・・・・・内側転走面
54b・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
54c・・・・・・・・・・・・・・小径段部
55・・・・・・・・・・・・・・・内輪
56・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
57・・・・・・・・・・・・・・・保持器
58・・・・・・・・・・・・・・・転動体
59・・・・・・・・・・・・・・・加締部
59a、67a・・・・・・・・・・フェイススプライン
60、61・・・・・・・・・・・・シール
62・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
63・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
64・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
65・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
66・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
67・・・・・・・・・・・・・・・肩部
68・・・・・・・・・・・・・・・軸部
68a・・・・・・・・・・・・・・雌ねじ
69・・・・・・・・・・・・・・・締結ボルト
ri・・・・・・・・・・・・・・・内輪の面取り部の曲率半径
Ri、Ro・・・・・・・・・・・・環状溝の円弧面の曲率半径
Wi、Wo・・・・・・・・・・・・内側転走面の大径端から大端面までの寸法
t・・・・・・・・・・・・・・・・環状溝の深さ
θ・・・・・・・・・・・・・・・・環状溝の底面の傾斜角

Claims (9)

  1. 複列の転がり軸受と等速自在継手が着脱自在にユニット化された駆動車輪用軸受装置であって、
    前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が前記ハブ輪に固定されると共に、
    前記等速自在継手が、カップ状のマウス部と、このマウス部の底部をなす肩部と、この肩部から軸方向に延び、雌ねじが形成された円筒状の軸部とを一体に有する外側継手部材を備え、
    この外側継手部材の肩部と前記加締部の端面にそれぞれフェイススプラインが形成され、前記ハブ輪のアウター側の端面に当接して前記軸部の雌ねじに螺着された締結ボルトによって前記両フェイススプラインが圧接支持され、前記複列の転がり軸受と等速自在継手とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に分離可能に結合された駆動車輪用軸受装置において、
    前記小径段部の加締前の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に前記内輪の内側転走面の大径端に対応する位置から前記内輪の大端面を越えて所定の深さの環状溝が形成されると共に、当該環状溝の一部が前記内輪の面取り部に密着され、残りの部分が前記内輪と接触せず空間が残存するように前記円筒部の端部が塑性変形されていることを特徴とする駆動車輪用軸受装置。
  2. 前記加締部のフェイススプラインが、当該加締部と同時に塑性加工によって形成されている請求項1に記載の駆動車輪用軸受装置。
  3. 前記環状溝が、前記内輪の内側転走面の大径端に対応する位置から大端面側の面取り部にかかり、前記大端面を僅かに越える範囲に形成されている請求項1または2に記載の駆動車輪用軸受装置。
  4. 前記環状溝の底面が前記円筒部の先端に向って漸次縮径するテーパ面に形成され、このテーパ面の傾斜角が15°以下に設定されている請求項1乃至3いずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
  5. 前記環状溝の両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面が形成され、これら円弧面のうちインナー側の円弧面の曲率半径Riがアウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく(Ri≦Ro)、R1〜10の範囲に設定されている請求項1乃至4いずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
  6. 前記内輪の大端面側の内径端部に曲率半径からなる円弧面を有する面取り部が形成され、この面取り部の曲率半径がR1.0〜2.5の範囲に設定されている請求項1乃至5いずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
  7. 前記環状溝の深さが0.5〜2.0mmの深さに設定されている請求項1乃至6いずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
  8. 前記ハブ輪の小径段部に高周波焼入れによって表面硬さを50〜64HRCの範囲に硬化層が形成され、この硬化層のインナー側の端が、前記環状溝におけるアウター側の起点から、アウター側は0〜4.0mm、インナー側は前記環状溝のアウター側円弧面の範囲内で0〜3.0mmの範囲で止められている請求項1乃至7いずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
  9. 前記ハブ輪の小径段部に2つの内輪が圧入され、これら2つの内輪の内側転走面の位置は同じで、加締側の内輪の内側転走面の大径端から大端面までの寸法が、他方の内輪の内側転走面の大径端から大端面までの寸法よりも長く設定されている請求項1乃至8いずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
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