JP5193659B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、一対の内輪が圧入固定される第1または第2世代構造において、軽量・コンパクト化を図ると共に、ハブ輪の強度・耐久性の向上を図った車輪用軸受装置に関するものである。
ハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入された第1世代あるいは第2世代構造の車輪用軸受装置には駆動輪用のものと従動輪用のものとがあるが、低コスト化は言うまでもなく、燃費向上のための軽量・コンパクト化が進んでいる。一方、こうした車輪用軸受装置では、内輪の大端面との突き当て部におけるハブ輪の隅部、すなわち、ハブ輪の肩部と小径段部との隅部は、単一の曲率半径からなる円弧面(単一R)で形成されているのが一般的である。ここで、軽量化を図るために低断面化が進むこうした車輪用軸受装置においては、内輪の剛性を確保するために、制約されたスペース内で内輪の大端面との突き当て部長さ(接触面積)を大きくする必要がある。然しながら、この突き当て部長さを大きくした場合、隅部が過小になり、特に、車両の旋回時に大きなモーメント荷重が繰り返し車輪取付フランジを介してハブ輪に負荷された場合、隅部に過大な応力が発生し、ハブ輪の機械的強度が著しく低下し、耐久性が減少する恐れがあった。
ここで、隅部に発生する応力を小さくするために単一Rの曲率半径を大きくした場合、隅部と内輪の面取り部とに干渉が生じる。この隅部と内輪の面取り部との干渉はミスアライメントを誘発し、内輪の耐久性が低下する恐れがある。したがって、隅部の加工においては寸法バラツキを極力抑える必要があるが、これは製造コストの高騰を招来すると共に、熱処理変形によるバラツキ等を考慮した場合、寸法バラツキの規制には限界があった。
このような課題を解決したものとして、本出願人は、図6に示すような車輪用軸受装置を提案している。この車輪用軸受装置は、ハブ輪51の肩部52と小径段部53の隅部Aが、複数の曲率半径b、cからなる複合Rで構成されると共に、曲率半径bが、単一Rとした場合の最大曲率半径aよりも小さく、かつ、曲率半径cは曲率半径aよりも大きく設定されていている(b<a<c)。これにより、制約されたスペース内で内輪54の大端面55との突き当て部長さXを確保して内輪54の剛性を高めることができると共に、隅部Aに発生する応力を抑制し、ハブ輪51の耐久性を向上させた車輪用軸受装置を提供することができる。また、隅部Aの加工において、寸法バラツキを必要以上に抑えることなく内輪54の面取り部56との干渉を防止することができ、低コスト化を図ることができる。
特開2007−210356号公報
然しながら、軽量化を図るための低断面化が進む中、ハブ輪51の隅部Aにおいて、曲率半径cと小径段部53および曲率半径bと肩部52の寸法自体が小さい場合、ハブ輪51の隅部Aをこのような複合Rに変更しても大幅な耐久性の向上には限界があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化を図ると共に、ハブ輪の強度・耐久性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された車輪用軸受とを備え、この車輪用軸受が、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールと、前記外方部材と内輪との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記一対の内輪の小端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受装置において、前記一対の内輪のうち少なくともアウター側の内輪が、その内側転走面の大径側から軸方向に延びる肩部が形成され、肉厚が全幅に亙って略均一に設定され、かつ、当該内輪の大端部の内径部の曲率半径の中心位置と前記ボールの曲率半径の中心位置とが略同じ位置に設定されると共に、前記内輪の接触角の作用線が前記ハブ輪と交差する位置で、前記内輪とハブ輪とは接触せず隙間が確保されている。
このように、ハブ輪に圧入固定された車輪用軸受が一対の内輪を備える背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置において、一対の内輪のうち少なくともアウター側の内輪が、その内側転走面の大径側から軸方向に延びる肩部が形成され、肉厚が全幅に亙って略均一に設定され、かつ、当該内輪の大端部の内径部の曲率半径の中心位置とボールの曲率半径の中心位置とが略同じ位置に設定されると共に、内輪の接触角の作用線がハブ輪と交差する位置で、内輪とハブ輪とは接触せず隙間が確保されているので、軽量・コンパクト化を図ると共に、ハブ輪の隅部の形状、寸法の設計自由度が拡大し、ハブ輪の強度・耐久性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記アウター側の内輪がパイプ材から冷間のローリング加工によって形成されていれば、生産性が向上して歩留まりが良く低コスト化ができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記ハブ輪の肩部と前記小径段部との隅部が、曲率半径Rb、Rcからなる複合Rで構成されると共に、前記肩部側の曲率半径Rbが、隅Rを単一Rとした場合の最大曲率半径Raよりも小さくRb<Raに設定され、かつ、前記小径段部側の曲率半径Rcが前記曲率半径Raよりも大きくRc>Raに設定されていれば、車両の旋回時に大きなモーメント荷重が車輪取付フランジを介してハブ輪に負荷されても、隅部に発生する応力を抑制し、軽量・コンパクト化を図ると共に、ハブ輪の強度・耐久性の向上を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記ハブ輪の肩部と前記小径段部との隅部が、曲率半径Rb、Rcからなる複合Rと、これら複合Rを滑らかに繋ぐ接線によって構成されると共に、前記ハブ輪のアウター側端部に軸方向に延びるすり鉢状の凹所が鍛造加工によって形成され、前記隅部の肉厚が略均一に設定されていれば、隅Rを単一Rとした時のハブ輪に比べその最小肉厚を大きくすることができ、ハブ輪の強度・耐久性の向上を図ることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記曲率半径Rcが前記曲率半径Rbの2倍以上に設定されていても良い。
また、請求項6に記載の発明のように、前記ハブ輪の隅部の軸方向寸法Laが径方向寸法Lrの1.5倍以上に設定されていても良い。
本発明に係る車輪用軸受装置は、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された車輪用軸受とを備え、この車輪用軸受が、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールと、前記外方部材と内輪との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記一対の内輪の小端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受装置において、前記一対の内輪のうち少なくともアウター側の内輪が、その内側転走面の大径側から軸方向に延びる肩部が形成され、肉厚が全幅に亙って略均一に設定され、かつ、当該内輪の大端部の内径部の曲率半径の中心位置と前記ボールの曲率半径の中心位置とが略同じ位置に設定されると共に、前記内輪の接触角の作用線が前記ハブ輪と交差する位置で、前記内輪とハブ輪とは接触せず隙間が確保されているので、軽量・コンパクト化を図ると共に、ハブ輪の隅部の形状、寸法の設計自由度が拡大し、ハブ輪の強度・耐久性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪と、このハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された車輪用軸受とを備え、この車輪用軸受が、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールと、前記外方部材と内輪との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記一対の内輪の小端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受装置において、前記一対の内輪のうち少なくともアウター側の内輪が、その内側転走面の大径側から軸方向に延びる肩部が形成され、肉厚が全幅に亙って略均一に設定され、かつ、当該内輪の大端部の内径部の曲率半径の中心位置と前記ボールの曲率半径の中心位置とが略同じ位置に設定され、かつ、前記内輪の接触角の作用線が前記ハブ輪と交差する位置で、前記内輪とハブ輪とは接触せず隙間が確保されると共に、前記ハブ輪の肩部と前記小径段部との隅部が、曲率半径Rb、Rcからなる複合Rで構成され、前記肩部側の曲率半径Rbが、隅Rを単一Rとした場合の最大曲率半径Raよりも小さくRb<Raに設定され、かつ、前記小径段部側の曲率半径Rcが前記曲率半径Raよりも大きくRc>Raに設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の車輪用軸受を示す縦断面図、図3は、図1の要部拡大図、図4(a)は、図3の内輪単体の要部拡大図、(b)は、図3のハブ輪単体の要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は駆動輪側の第1世代構造をなし、ハブ輪1と、このハブ輪1に装着される車輪用軸受2とを備えている。ハブ輪1には等速自在継手3がトルク伝達可能に内嵌され、固定ナット4を介してハブ輪1と等速自在継手3が軸方向に分離可能に結合されている。
ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ5を有し、外周にこの車輪取付フランジ5から肩部1aを介して軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。車輪取付フランジ5の周方向にはハブボルト5aが等配に植設されている。ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、鍛造加工後の組織・硬さのままである。また、モーメント荷重に対する疲労強度増加のために鍛造加工後に調質処理を行ったり、肩部1aから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを50〜64HRCの範囲に硬化処理をしても良い。
等速自在継手3は、外側継手部材14と、図示しない継手内輪とケージおよびトルク伝達ボールとを備えている。外側継手部材14はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、カップ状のマウス部15と、このマウス部15の底部となる肩部16と、この肩部16から軸方向に延びる軸部17を一体に有している。軸部17の外周にはハブ輪1のセレーション1cに係合するセレーション17aと、このセレーション17aの端部に雄ねじ17bが形成されている。
この車輪用軸受2は、外側継手部材14の肩部16が内輪8の大端面(背面側)8bと衝合するまでハブ輪1に外側継手部材14の軸部17がセレーション1c、17aを介して内嵌され、一対の内輪8、8がハブ輪1の肩部1aと外側継手部材14の肩部16に挟持された状態でハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、雄ねじ17bに固定ナット4を所定の締付トルクで緊締することにより、所定の軸受予圧が付与されている。この予圧付与により、軸受剛性が高くなると共に、軸受の転がり疲労寿命が向上する。
車輪用軸受2はナックル6に内嵌され、図2に拡大して示すように、内周に複列の円弧状の外側転走面7a、7aが一体に形成された外方部材7と、外周にこれら複列の外側転走面7a、7aに対向する円弧状の内側転走面8aが形成された一対の内輪8、8と、両転走面間に保持器9、9を介して転動自在に収容された複列のボール10、10と、外方部材7と内輪8との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシール11、12とを備えている。そして、内輪8、8の小端面(正面側)8c、8cが突合せ状態で衝合し、所謂背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成している。
ここで、外方部材7はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで54〜64HRCの範囲に硬化処理されている。一方、内輪8は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼やSCr420やSCM415等の浸炭鋼からなるパイプ材を焼鈍した後、冷間のローリング加工あるいはプレス加工からなる塑性加工によって形成されている。軸受鋼の場合はズブ焼入れや高周波焼入れ、浸炭鋼の場合は浸炭焼入れによって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化処理される。外方部材7と内輪8の材質としてこれ以外にも、SCM440や冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)やS50C〜S55C等の炭素鋼、あるいは炭素0.8wt%付近の共析鋼を例示することができる。炭素鋼の場合、内側転走面8aが高周波焼入れによって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化処理が施され、転がり疲労寿命を向上させている。そして、これらの転走面8aは、研削加工によって所定の寸法、精度に形成されている。なお、その後、必要に応じて超仕上げ加工が施される。
内輪8は、素材となる棒材を切断した後、熱間鍛造から旋削加工を経て熱処理、および研削加工の一般的な各工程によって形成されても良いが、本実施形態では、素材となるパイプ材からローリング加工により、円弧状の内側転走面8aと、この内側転走面8aの大径側から軸方向に延びる肩部13が形成され、その肉厚は略均一になるように設定されている。ここで、肩部13はアウター側のシール11のシールランド面、およびインナー側のシール12の嵌合面となるため、ローリング加工後に研削加工によって所定の寸法、精度に形成される。なお、ローリング加工でバリが発生し易い大端面8bおよび小端面8cは加工後に旋削加工される。また、必要に応じて研削加工が施される。
このように、本実施形態では、内輪8がパイプ材から冷間のローリング加工によって形成されているので、生産性が向上して歩留まりが良く、低コスト化ができると共に、内側転走面8aと肩部13が研削加工によって形成されているので、従来の軸受と同等の精度や密封性を確保することができる。なお、ここでは、内輪8を冷間のローリング加工によって形成したが、これに限らず、温間のローリング加工によって形成しても良く、また、ハブ輪1の嵌合面となる内輪8の内径面を研削加工によって形成しても良い。
ここで、図3に拡大して示すように、アウター側の内輪8における大端部の肉厚が従来の内輪に比べ薄肉に形成され、接触角αの作用線Lがハブ輪1と交差する位置では、内輪8とハブ輪1とは接触せず、ハブ輪1との間に隙間が確保されている。一方、ハブ輪1の隅部Bは、曲率半径Rb、Rcからなる複合Rで構成されている。
内輪8は、図4(a)に示すように、ボール10の曲率半径Rw(または内側転走面8aの曲率半径)の中心位置と、大端部における内径部18の曲率半径Riの中心位置とが略同じ位置になるようように設定されている。これにより、内輪8の肉厚を略均一に設定することができると共に、次に説明するハブ輪1の隅部Bの形状、寸法の設計自由度が拡大し、ハブ輪1の強度・耐久性を向上させることができる。
ハブ輪1の隅部Bは、図4(b)に示すように、曲率半径Rb、Rcからなる複合Rで構成され、肩部1a側の曲率半径Rbは、隅Rを単一Rとした場合の最大曲率半径Raよりも小さく設定されている。また、小径段部1b側の曲率半径Rcは、隅Rを単一Rとした場合の最大曲率半径Raよりも大きく設定され(Rb<Ra<Rc)、この曲率半径Rcは曲率半径Rbの2倍以上に設定されている(Rc≧2×Rb)。
さらに、隅部Bは、複合Rと、これら複合Rを滑らかに繋ぐ接線19によって構成されると共に、隅部Bの軸方向寸法Laが径方向寸法Lrの1.5倍以上に設定されている(La≧1.5×Lr)。これにより、車両の旋回時に大きなモーメント荷重が車輪取付フランジ5を介してこのハブ輪1に負荷されても、隅部Bに発生する応力を抑制し、軽量・コンパクト化を図ると共に、ハブ輪1の強度・耐久性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
図5は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。この実施形態は前述した実施形態(図1)を従動輪用に適用したもので、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部品、部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この車輪用軸受装置は従動輪側の第2世代構造をなし、ハブ輪20と、このハブ輪20に装着される車輪用軸受21とを備えている。ハブ輪20は、アウター側の端部に車輪取付フランジ5を有し、外周にこの車輪取付フランジ5から肩部1aを介して軸方向に延びる小径段部1bが形成されている。そして、小径段部1bに車輪用軸受21が所定のシメシロを介して圧入され、小径段部1bの端部を塑性変形させて形成した加締部20aによって軸受予圧が付与された状態で軸方向に固定されている。ハブ輪20はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、肩部1aから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを50〜64HRCの範囲に硬化層24が形成されている(図中下半分にクロスハッチングにて示す)。なお、加締部20aは鍛造加工後の組織・硬さのままとされている。
車輪用軸受21は、外周にナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ22aを一体に有し、内周に複列の円弧状の外側転走面7a、7aが一体に形成された外方部材22と、外周に複列の外側転走面7a、7aに対向する円弧状の内側転走面8a、8aが形成された内輪8、23と、両転走面間に保持器9、9を介して転動自在に収容された複列のボール10、10と、外方部材22と内輪8との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシール12、12とを備えている。
外方部材22はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面7a、7aが高周波焼入れによって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層26が形成されている(図中下半分にクロスハッチングにて示す)。一方、内輪23は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れによって芯部まで54〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
ハブ輪20の隅部Bは、前述した実施形態と同様、曲率半径Rb、Rcからなる複合Rで構成され、小径段部1b側の曲率半径Rcは、肩部1a側の曲率半径Rbよりも大きく、2倍以上に設定されている(Rc≧2×Rb)。さらに、複合Rと、これら複合Rを滑らかに繋ぐ接線19によって構成されると共に、隅部Bの軸方向寸法Laが径方向寸法Lrの1.5倍以上に設定されている(La≧1.5×Lr)。これにより、車両の旋回時に大きなモーメント荷重がハブ輪20に負荷されても、隅部Bに発生する応力を抑制し、軽量・コンパクト化を図ると共に、ハブ輪20の強度・耐久性の向上を図ることができる。
ここで、ハブ輪20のアウター側端部には軸方向に延びるすり鉢状の凹所25が形成されている。この凹所25は鍛造加工によって形成され、その深さは、少なくともアウター側のボール10付近までとされ、ハブ輪20のアウター側の肉厚が略均一となるように形成されている。
このように、本実施形態では、アウター側の内輪8における大端部の肉厚が従来の内輪に比べ薄肉に形成され、接触角αの作用線Lがハブ輪20と交差する位置で、ハブ輪20との間に隙間が確保されると共に、ハブ輪20のアウター側端部にすり鉢状の凹所25が形成されているので、ハブ輪20のアウター側の肉厚を均一化でき、隅Rを単一Rとしたハブ輪に比べその最小肉厚tを大きくすることができる。したがって、大きなモーメント荷重がハブ輪20に負荷されても、隅部Bに発生する応力を抑制し、軽量・コンパクト化を図ると共に、ハブ輪20の強度・耐久性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、一端部に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪と、このハブ輪に外嵌固定される一対の内輪を備えた第1世代または第2世代構造の車輪用軸受装置に適用できる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1の車輪用軸受を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 (a)は、図3の内輪単体の要部拡大図である。 (b)は、図3のハブ輪単体の要部拡大図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す要部拡大図である。
符号の説明
1、20・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、13、16・・・・・・・・・肩部
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、17a・・・・・・・・・・・セレーション
2、21・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
5・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
5a・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6・・・・・・・・・・・・・・・・ナックル
7、22・・・・・・・・・・・・・外方部材
7a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
8、23・・・・・・・・・・・・・内輪
8a・・・・・・・・・・・・・・・内側転走面
8b・・・・・・・・・・・・・・・大端面
8c・・・・・・・・・・・・・・・小端面
9・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・ボール
11、12・・・・・・・・・・・・シール
14・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
17・・・・・・・・・・・・・・・軸部
17b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
18・・・・・・・・・・・・・・・内輪の大端部の内径部
19・・・・・・・・・・・・・・・接線
20a・・・・・・・・・・・・・・加締部
22a・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
24、26・・・・・・・・・・・・硬化層
25・・・・・・・・・・・・・・・凹所
51・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
52・・・・・・・・・・・・・・・肩部
53・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
54・・・・・・・・・・・・・・・内輪
55・・・・・・・・・・・・・・・大端面
56・・・・・・・・・・・・・・・面取り部
A、B・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪の隅部
a、b、c・・・・・・・・・・・・隅部の曲率半径
L・・・・・・・・・・・・・・・・接触角の作用線
La・・・・・・・・・・・・・・・隅部の軸方向寸法
Lr・・・・・・・・・・・・・・・隅部の径方向寸法
Ra、Rb、Rc・・・・・・・・・隅部の曲率半径
Ri・・・・・・・・・・・・・・・内輪の大端部における内径部の曲率半径
Rw・・・・・・・・・・・・・・・ボールの曲率半径
t・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪の隅部の最小肉厚
X・・・・・・・・・・・・・・・・突き当て部長さ
α・・・・・・・・・・・・・・・・接触角

Claims (6)

  1. 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから肩部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪と、
    このハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された車輪用軸受とを備え、
    この車輪用軸受が、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する円弧状の内側転走面が形成された一対の内輪と、
    これら内輪と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールと、
    前記外方部材と内輪との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、
    前記一対の内輪の小端面が突合せ状態で衝合して背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受装置において、
    前記一対の内輪のうち少なくともアウター側の内輪が、その内側転走面の大径側から軸方向に延びる肩部が形成され、肉厚が全幅に亙って略均一に設定され、かつ、当該内輪の大端部の内径部の曲率半径の中心位置と前記ボールの曲率半径の中心位置とが略同じ位置に設定されると共に、前記内輪の接触角の作用線が前記ハブ輪と交差する位置で、前記内輪とハブ輪とは接触せず隙間が確保されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記アウター側の内輪がパイプ材から冷間のローリング加工によって形成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記ハブ輪の肩部と前記小径段部との隅部が、曲率半径Rb、Rcからなる複合Rで構成されると共に、前記肩部側の曲率半径Rbが、隅Rを単一Rとした場合の最大曲率半径Raよりも小さくRb<Raに設定され、かつ、前記小径段部側の曲率半径Rcが前記曲率半径Raよりも大きくRc>Raに設定されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記ハブ輪の肩部と前記小径段部との隅部が、曲率半径Rb、Rcからなる複合Rと、これら複合Rを滑らかに繋ぐ接線によって構成されると共に、前記ハブ輪のアウター側端部に軸方向に延びるすり鉢状の凹所が鍛造加工によって形成され、前記隅部の肉厚が略均一に設定されている請求項3に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記曲率半径Rcが前記曲率半径Rbの2倍以上に設定されている請求項3または4に記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記ハブ輪の隅部の軸方向寸法Laが径方向寸法Lrの1.5倍以上に設定されている請求項3乃至5いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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