以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は可能な限り省略するようにしている。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1の半導体装置が有する不揮発性メモリセルの構造を、図1を用いて詳しく説明する。図1は、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1の要部断面図である。本実施の形態1の半導体装置は、シリコン基板(半導体基板)1に形成された複数の不揮発性メモリセルNVM1を有する。
シリコン基板1は、単結晶のシリコン(Si)からなる薄板状の半導体材料p型導電型であってもn型導電型であっても良い。本実施の形態1では、シリコン基板1の導電型はp型とする。シリコン基板1や以下で説明する種々の半導体領域において、p型導電型とは、ドナー不純物よりもアクセプタ不純物を多く含み、多数キャリアが正孔(ホール)であるような半導体材料の導電型を表す。一方、n型導電型とは、アクセプタ不純物よりもドナー不純物を多く含み、多数キャリアが電子であるような半導体材料の導電型を表す。このように、p型導電型とn型導電型とは互いに逆の極性(互いに逆の導電型)である。以下では、第1導電型をp型導電型と表し、第1導電型とは逆導電型の第2導電型をn型導電型と表す。ただし、以下の説明において、これらの関係は逆であっても良い。
本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1は、以下で詳しく説明する構成要素を有する。シリコン基板1の主面s1には、p型の半導体領域p1が形成されている。更に、シリコン基板1の主面s1であり、半導体領域p1よりも浅く、pウェル(第1半導体領域)pw1が形成されている。pウェルpw1はp型の半導体領域であり、不揮発性メモリセルNVM1を形成するための素子形成領域である。
また、シリコン基板1の主面s1上には、電荷蓄積膜MI1を隔てて、メモリゲート電極MG1が形成されている。電荷蓄積膜MI1およびメモリゲート電極MG1は、シリコン基板1の主面s1上において、pウェルpw1に平面的に含まれる位置に配置されている。
電荷蓄積膜MI1は、電子や正孔などの電荷を蓄積する機能を有する膜である。例えば、絶縁膜に囲まれた導体膜(フローティング状態の導体膜)であっても良いし、ONO構造の絶縁膜であっても良い。ただし、本実施の形態1の不揮発性メモリNVM1においては、電荷蓄積膜MI1はONO構造の絶縁膜である方が、より好ましい。なぜなら、ONO構造の絶縁膜に対して電荷を授受するためのゲート電圧は、フローティング状態の導体膜に対して電荷を授受するためのゲート電圧よりも低くできるからである。これにより、メモリ面積の縮小や、信頼性の向上などの効果がもたらされる。以下では、本実施の形態1の不揮発性メモリNVM1における電荷蓄積膜MI1の構造を、より詳しく説明する。
電荷蓄積膜MI1は、シリコン基板1に近い方から順に配置された、下部バリア膜(第1絶縁膜)Bb1、電荷ストレージ膜(第2絶縁膜)ST1、および、上部バリア膜(第3絶縁膜)Bt1を有している。即ち、電荷蓄積膜MI1は、電荷ストレージ膜(第2絶縁膜)ST1の上下を両バリア膜Bb1,Bt1で挟んだ構造となっている。
電荷ストレージ膜ST1は、電荷を捕獲する機能を有する絶縁膜である。このような絶縁膜としては、膜中に多数の電荷捕獲中心(単にトラップとも言う)を有する絶縁膜が適している。例えば、窒化シリコン(SiN)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、ハフニウムアルミネート(HfAlO)、酸化ハフニウム(HfO2)、または、酸化アルミニウム(Al2O3)などを主体とする絶縁膜などがある。この中でも、本実施の形態1の電荷ストレージ膜ST1としては、窒化シリコンを主体とする絶縁膜(以下、単に窒化シリコン膜)を適用する。
また、電荷ストレージ膜ST1を挟む上下部バリア膜Bb1,Bt1は、電荷ストレージ膜ST1に捕獲された電荷が外部へ漏出するのを防ぐ機能を有する絶縁膜である。このような絶縁膜としては、電荷ストレージ膜ST1中のトラップに捕獲された電荷から見て、十分エネルギー障壁(バリア)が高い絶縁膜が適している。言い換えれば、窒化シリコン膜よりもバンドギャップが広く、窒化シリコン膜との間で、導電帯側にも価電子帯側にも十分高いバンドオフセットを有する絶縁膜が適している。このような絶縁膜として、本実施の形態1の上下部バリア膜Bb1,Bt1は、酸化シリコン(SiO2)を主体とする絶縁膜(以下、単に酸化シリコン膜)を適用する。
以上のように、本実施の形態1の電荷蓄積膜MI1は、トラップ性の窒化シリコン膜をバリア性の酸化シリコン膜で挟んだONO構造となっている。
また、メモリゲート電極MG1は、多結晶シリコン(または、ポリシリコンとも言う)を主体とする導体膜からなる。
以上の構成により、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1は、導体領域であるメモリゲート電極MG1、ONO構造の絶縁体領域である電荷蓄積膜MI1、および、半導体領域であるpウェルpw1からなる、MONOS構造を有している。これは、ONO構造を一つの絶縁体領域と見れば、MIS構造を有しているとも言える。更に、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1は、以下のような電荷供給機構を有している。
本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1は、メモリゲート電極MG1の側方下部のシリコン基板1の主面s1に、メモリエクステンション領域(第2半導体領域)ex1およびメモリソース・ドレイン領域(第3半導体領域)sd1からなる電荷供給機構を有している。メモリエクステンション領域ex1およびメモリソース・ドレイン領域sd1は、pウェルpw1内のシリコン基板1の主面s1に形成されている。特に、メモリエクステンション領域ex1はメモリゲート電極MG1の側方下部に配置され、平面的に見て、その外側に、メモリソース・ドレイン領域sd1が配置されている。メモリエクステンション領域ex1とメモリソース・ドレイン領域sd1とは同じ導電型であり、電気的に接続している。
メモリエクステンション領域ex1は、上記のMONOS構造に電荷を供給するためのn型半導体領域である。従って、メモリエクステンション領域ex1は、不揮発性メモリセルNVM1のMISトランジスタとしての特性(メモリ動作時の電流)によって、その不純物濃度や深さなどの構造パラメータが決められる。
また、メモリソース・ドレイン領域sd1は、上記のメモリエクステンション領域ex1に対して、外部との電荷の授受を円滑に行うためのn型半導体領域である。従って、メモリソース・ドレイン領域sd1の抵抗率は低いほど望ましい。この理由から、メモリソース・ドレイン領域sd1の不純物濃度はメモリエクステンション領域ex1よりも高く、その深さはメモリエクステンション領域ex1よりも深い。
本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1は、上記のようなメモリエクステンション領域ex1およびメモリソース・ドレイン領域sd1からなる電荷供給機構を有することで、pウェルpw1などに電荷を供給する。
また、メモリゲート電極MG1の側壁を覆うようにして、例えば酸化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサswが形成されている。これは、例えばコンタクトプラグ(図示しない)など、他の導電部とメモリゲート電極とを隔離するための構成要素である。サイドウォールスペーサswは、メモリゲート電極MG1の側壁から、その側方下部のシリコン基板1の主面s1のうち、少なくともメモリエクステンション領域ex1の表面に渡るまでを覆うようにして形成されている。
ここで、基板(特にチャネル領域など)に対して応力を作用させることで、MISトランジスタとしての特性を向上させる技術がある。これを目的として、シリコン基板1に対する応力作用の大きい材料を用いて、サイドウォールスペーサswを形成しても良い。この場合、例えば、シリコン基板1に近い方から順に、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、および、酸化シリコン膜の3層構造を、サイドウォールスペーサswとして適用して効果的である。以下では、サイドウォールスペーサswは、酸化シリコン膜のみからなるとして説明する。
以上が本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1の基本的な構造である。本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1は、上記の構成の他に、以下のような構成を有する。即ち、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1は、シリコン基板1の主面s1のうち、メモリチャネル領域(チャネル領域)ch1aにおいて、フッ素(F)を含んでいる。
一般的に、チャネル領域とは、MISトランジスタにおいて、半導体領域の表面のうち、ゲート絶縁膜下に位置する領域であり、ゲート電極からの電界効果によって反転層が形成される領域である。同様に、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1においても、メモリチャネル領域ch1aとは、pウェルpwの表面のうち、MONOS構造をMIS構造と見たときのゲート絶縁膜に該当する電荷蓄積膜MI1下に位置する領域である。
本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1では、上記のようにメモリチャネル領域ch1aにフッ素を含むことで、以下のような効果を有する。
通常、p型シリコンのpウェルpw1の一部であるメモリチャネル領域ch1aには、多数のダングリングボンドや他の欠陥が含まれている。このようなダングリングボンドや欠陥は電荷を捕獲し易く、通常の不揮発性メモリセルにおいて、電荷蓄積膜に捕獲された電荷のシリコン基板への漏出をアシストする一原因となっている。これに対し、本実施の形態1のメモリチャネル領域ch1aにおいては、フッ素の導入によってこれらのダングリングボンドや他の欠陥を不活性化することができる。この観点から、本実施の形態1のメモリチャネル領域ch1aにはハロゲン元素のフッ素を導入することで、ダングリングボンドや欠陥を不活性化し、電荷蓄積膜MI1に捕獲された電荷を漏出し難くすることができる。これにより、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1によれば、リテンション特性を向上できる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を向上させることができる。
その効果をより詳しく説明するために、以下では、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1の動作方式を説明する。
図2には、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1の書き込み動作を説明するための要部断面図を示している。書き込み動作では、メモリゲート電極MG1に印加するメモリゲート電圧Vgmとして、正の電圧を印加する。正のメモリゲート電圧Vgmを高くしていくと、メモリチャネル領域ch1aには反転層が形成され、電子eが生じる。更に正のメモリゲート電圧Vgmを高くしていくと、メモリチャネル領域ch1aの反転層内の電子e、または、pウェルpw内の少数キャリアとしての電子eが正のメモリゲート電圧Vgmに引かれ、下部バリア膜Bb1を透過して、電荷ストレージ膜ST1に注入される。このように、所謂FN(Fowler-Nordheim)トンネル効果によって、電荷蓄積膜MI1に電子eを注入する。
電荷蓄積膜MI1に電子eを注入することで、MISトランジスタとしてのMONOS型不揮発性メモリセルNVM1の閾値電圧は上昇する。このようにして、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1を書き込み状態とすることができる。
図3には、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1の消去動作を説明するための要部断面図を示している。消去動作では、メモリゲート電圧Vgmとして、負の電圧を印加する。負のメモリゲート電圧Vgmを高くしていくと、書き込み動作によって電荷蓄積膜MI1に注入された電子eが、FNトンネル効果によって下部バリア膜Bb1を透過して、pウェルpw1に放出される。また、この状況では、pウェルpw1内の多数キャリアである正孔(ホール)hが、FNトンネル効果によって下部バリア膜Bb1を透過して、電荷蓄積膜pw1に注入される。
これら電子eと正孔hとではそれぞれの挙動は異なるものの、電荷蓄積膜MI1が帯電する極性は同じである。即ち、上記のような電荷蓄積膜MI1への電荷の授受によって、電子eが放出され、または、正孔hが注入され、電荷蓄積膜MI1は正に帯電する。電荷蓄積膜MI1が正に帯電することで、MISトランジスタとしてのMONOS型不揮発性メモリセルNVM1の閾値電圧は低下する。このようにして、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1を消去状態とすることができる。
上記のようにして不揮発性メモリセルNVM1に設定した書き込み状態と消去状態とは、以下のようにして読み出す。
図4には、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1の読み出し動作を説明するための要部断面図を示している。読み出し動作では、2つのメモリソース・ドレイン領域sd1に異なる電圧を印加する。例えば、低電圧側をソース電圧Vsとし、高電圧側をドレイン電圧Vdとする。このとき、通常のMISトランジスタであれば、ゲート電圧に応じたソース・ドレイン電流Idsが流れる。特に、閾値電圧以上のゲート電圧を印加することで、十分なソース・ドレイン電流Idsが流れ、オン状態となる。
ここで、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1では、電荷蓄積膜MI1の帯電状態によって閾値電圧が変化する。従って、所定のメモリゲート電圧Vgmを印加していても、当該メモリセルが書き込み状態であるか、消去状態であるかによって、ソース・ドレイン電流Idsの大きさは異なる。例えば、書き込み状態に比べて消去状態では閾値電圧が下がっているから、同じメモリゲート電圧Vgmを印加した場合でも、より大きいソース・ドレイン電流Idsが流れる。このようなソース・ドレイン電流Idsの大小を検出することで、不揮発性メモリセルNVM1の記憶状態を読み出すことができる。
以上のように、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1は、電荷蓄積膜MI1に対して電荷を授受することで、書き込み、消去、読み出し動作といった、記憶動作を実現する。
ここで、図5には、上記の書き込み状態、または、消去状態における閾値電圧の時間変化を表すグラフ図を示している。即ち、本発明者が検討したメモリセルにおいて、書き込みまたは消去動作によって閾値電圧を変化させ、その状態で放置した場合の閾値電圧の時間変化を表したグラフである。図中では、書き込み状態における閾値電圧の変化を書き込み特性wr1と表し、消去状態における閾値電圧の変化を消去特性er1と表す。なお、これらの特性は、説明のため、通常の不揮発性メモリセルの特性を示しており、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1の特性ではない。
上述のように、書き込み動作を受けたメモリセルの閾値電圧は正の値に上昇する。これは、電荷蓄積膜MI1に負電荷である電子eが注入されたことによる(上記図2参照)。また、消去動作を受けたメモリセルの閾値電圧は負の値に低下する。これは、電荷蓄積膜MI1に正電荷である正孔hが注入(または、電荷蓄積膜MI1から負電荷である電子eが放出)されたことによる(上記図3参照)。
そして、これらの書き込みまたは消去状態の閾値電圧は、時間経過とともに、元の値に戻ろうとする。これは、上記のように閾値電圧を変化させる元になっていた電荷蓄積膜MI1中の電荷が、時間経過とともに、メモリゲート電極MG1やpウェルpw1に抜けていくからである。
ここで、上述のように、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1の読み出し動作では、所定のメモリゲート電圧Vgmを印加したときのソース・ドレイン電流Idsの大きさによって、記憶状態を判別する(上記図4参照)。このとき、メモリゲート電圧Vgmは、図5における消去特性er1と書き込み特性wr1との間の電圧値に設定する。これにより、消去状態にあるメモリセルでは、閾値電圧は消去特性er1の値であるから、読み出し動作でそれよりも高いメモリゲート電圧Vgmが印加された場合、ソース・ドレイン電流Idsとしてオン電流が検出される。一方、書き込み状態にあるメモリセルでは、閾値電圧は書き込み特性wr1の値であるから、読み出し動作でそれよりも低いメモリゲート電圧Vgmが印加された場合、ソース・ドレイン電流Idsとしてオフ電流が検出される。このようなメモリゲート電圧Vgmの印加条件とすることで、不揮発性メモリセルNVM1のオン/オフ電流によって、記憶状態を読み出すことができる。一般的にMISトランジスタのオン/オフ電流の差は大きく、記憶状態の判別には好適である。
上記の観点から、不揮発性メモリセルNVM1の記憶状態を正常に読み出すには、書き込み状態と消去状態とで、閾値電圧の差(ウィンドウ)が大きいほど望ましい。即ち、図5において、書き込み特性wr1と消去特性er1とは、より離れている(ウィンドウが広い)方が望ましい。なぜなら、書き込み状態と消去状態とで閾値電圧の差が小さい(ウィンドウが狭い)ことは、メモリゲート電圧Vgmの揺らぎやばらつきに対して、記憶状態を正常に読み出せる許容範囲が小さいことと同義であり、誤動作を引き起こす一原因となるからである。このような問題は、特に、書き込みまたは消去動作時から時間が経過するに従って顕著になる。従って、不揮発性メモリセルNVM1の記憶状態を、時間経過後も正常に読み出すには、書き込み、消去特性wr1,er1の傾きが小さい方が、より好ましい特性であると言える。
本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1は、上記図1を用いて説明したように、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を含んでいる。これにより、pウェルpw1のダングリングボンドや欠陥がフッ素により不活性化され、電荷蓄積膜MI1の電荷(電子eや正孔h)が漏出し難くなることを上述した。その効果を本発明者が検証したところ、図5の書き込み特性wr2が得られた。即ち、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1の書き込み状態における閾値電圧の時間変化を測定したところ、書き込み特性wr2のようになった。
通常の不揮発性メモリセルの書き込み特性wr1と比較して、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1の書き込み特性wr1は傾きがより小さく、時間経過に対しての閾値電圧の低下率がより小さい。これは、不揮発性メモリセルNVM1の閾値電圧の時間変化において、ウィンドウをより広く取れることを意味する。即ち、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を含ませ、電荷蓄積膜MI1がより漏出し難くなる効果が検証された。これにより、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1によれば、リテンション特性を向上できる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を向上させることができる。
以下では、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1を有する半導体装置の製造方法について、詳しく説明する。特に、シリコン基板1上に、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1と、周辺回路を構成するn,p両型のMISトランジスタとを形成する工程を図6〜図19を用いて説明する。各図は、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1を有する半導体装置の製造工程中を示す、要部断面図である。シリコン基板1のメモリ領域Rmに不揮発性メモリNVM1を形成し、周辺領域RpにMISトランジスタを形成する。なお、以下で説明する各工程によって形成する構成要素において、その構造、用途および機能について上記で説明したものに関しては、その重複した説明は省略する。
図6に示すように、シリコン基板1の主面s1側に、p型の半導体領域p1を形成する。半導体領域p1は、例えば、エピタキシャル成長などによってシリコン基板1上に単結晶成長させることで形成する。通常、シリコン基板1上の半導体領域p1を含めてシリコン基板1として扱う。従って、以下では、p型の半導体領域p1の表面をシリコン基板1の主面s1と記述する。
続いて、シリコン基板1の主面s1上に素子を形成する領域を規定するために、分離部2を形成する。分離部2としては、浅い溝型の絶縁膜である、所謂STI(Shallow Trench Isolation)構造の分離部2を適用する。これには、一連のフォトリソグラフィ法および異方性エッチング法によって浅い溝を形成し、その中に、例えば酸化シリコンを主体とする絶縁膜を埋め込むことで、STI構造の分離部2を形成する。なお、分離部2は、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法で形成したものであっても良い。
次に、図7に示すように、シリコン基板1のうち、メモリ領域Rmの主面s1にpウェルpw1を形成する。ここでは、まず、シリコン基板1のメモリ領域Rmの主面s1に、イオン注入法などによってp型となる不純物を注入する。その後、熱処理(アニール)を施すことで、注入した不純物を所望の深さまで拡散させると同時に活性化させ、pウェルpw1を形成する。
ここで、pウェルpw1は素子を形成するための半導体領域であり、素子特性によって不純物の導電型や不純物濃度は異なる。従って、pウェルpw1を形成するためのイオン注入を施す際には、周辺領域Rpは、フォトリソグラフィ法によってパターニングしたフォトレジスト膜3によって覆っておく。そして、フォトレジスト膜3をイオン注入マスクとして、上記のイオン注入を施す。これにより、周辺領域Rpに影響を及ぼすことなく、メモリ領域Rmのpウェルpw1を形成するためのイオン注入を施すことができる。
続いて、メモリチャネル領域ch1aを所望の不純物濃度とするために、イオン注入を施す。メモリチャネル領域ch1aとは、上記図1で説明したように、シリコン基板1の主面s1のうち、後に形成する電荷蓄積膜MI1の下に位置し、反転層が形成される領域である。本工程の段階では、まだ電荷蓄積膜MI1は形成しておらず、他のシリコン基板1の主面s1付近の領域との区別が無い。即ち、本工程では、後にメモリチャネル領域ch1aとなる部分以外の領域にも、チャネル濃度調整用のイオン注入を施すことになる。図中には、メモリ領域Rmのシリコン基板1の主面s1付近の領域を、メモリチャネル領域ch1aとして表記している。
メモリチャネル領域ch1aの不純物濃度は、MIS型素子の閾値電圧を決める一要素となり、要求される素子特性によって濃度が設定される。また、メモリチャネル領域ch1aの不純物濃度を調整するために注入する不純物種と濃度とは、対象となるpウェルpw1の不純物濃度によって異なる。例えば、ホウ素(B)、リン(P)、または、ヒ素(As)などをイオン注入する。このとき、pウェルpw1を形成する際に用いたフォトレジスト膜3を同様に用いれば、工程数を削減できる。
ここで、本実施の形態1の製造方法では、続く工程として、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入する工程を有する。メモリ領域Rmのシリコン基板1の主面s1のうちのメモリチャネル領域ch1aに、第1イオン注入dp1aによってフッ素を注入する。その後、800〜1100℃程度の熱処理(第1熱処理)を施すことで、チャネル領域に注入したフッ素を活性化する。これにより、メモリチャネル領域ch1aに含まれ、電荷トラップとなるダングリングボンドや他の欠陥などを、フッ素により不活性化させることができる。このようにして、上記図1〜図5を用いて説明したような効果を発現する不揮発性メモリセルNVM1の構成を形成することができる。
本発明者の検証によれば、本工程では、第1イオン注入dp1aとして1×1013〜1×1015cm−2程度のドーズ量でフッ素を導入することが、より効果的である。また、注入したフッ素の濃度分布のピークが、シリコン基板1の主面s1から50nm以内の位置にくるような加速エネルギーで第1イオン注入dp1aを施すことが、より効果的である。
次に、図8に示すように、周辺領域Rpのうち、後にn型MISトランジスタを形成するn型周辺領域Rpnのシリコン基板1の主面s1に、周辺pウェルpw2を形成する。周辺pウェルpw2はp型の半導体領域であり、半導体領域p1よりも高い不純物濃度を有する。これには、例えば、n型周辺領域Rpnに対して、イオン注入dp2によってp型となる不純物を導入し、熱処理を施すことで、周辺pウェルpw2を形成する。
なお、周辺領域Rpのうち、後にp型MISトランジスタを形成するp型周辺領域Rppや、異なる特性のMISトランジスタを形成する領域、および、メモリ領域Rmには、このイオン注入dp2は施さない。そのために、イオン注入dp2を施す際には、メモリ領域Rmおよびp型周辺領域Rppなどのシリコン基板1の主面s1を、フォトリソグラフィ法によってパターニングしたフォトレジスト膜4で覆い、これをイオン注入マスクとしてイオン注入dp2を施す。
また、本工程によって、n型周辺領域Rpnの周辺チャネル領域ch2に、チャネル濃度を調整するためのイオン注入を施しても良い。その場合、上記のイオン注入dp2と同様に、フォトレジスト膜4をイオン注入マスクとして用いることで、新たにイオン注入マスクを形成する必要が無く、工程数を削減できる。
次に、図9に示すように、p型周辺領域Rppのシリコン基板1の主面s1に、周辺nウェルnw1を形成する。周辺nウェルnw1はn型の半導体領域である。これには、例えば、p型周辺領域Rppに対して、イオン注入dp3によってn型となる不純物を導入し、熱処理を施すことで、周辺nウェルnw1を形成する。
なお、周辺領域Rpのうちの周辺n型領域Rpnおよびメモリ領域Rmには、このイオン注入dp3は施さない。そのために、イオン注入dp3を施す際には、メモリ領域Rmおよびn型周辺領域Rpnなどのシリコン基板1の主面s1を、フォトリソグラフィ法によってパターニングしたフォトレジスト膜5で覆い、これをイオン注入マスクとしてイオン注入dp3を施す。
また、本工程によって、p型周辺領域Rppの周辺チャネル領域ch3に、チャネル濃度を調整するためのイオン注入を施しても良い。その場合、上記のイオン注入dp3と同様に、フォトレジスト膜5をイオン注入マスクとして用いることで、新たにイオン注入マスクを形成する必要が無く、工程数を削減できる。
次に、図10に示すように、シリコン基板1の主面s1を覆うようにして、順に、酸化シリコン膜6および多結晶シリコン膜7を形成する。酸化シリコン膜6は、酸化シリコンを主体とする絶縁膜であり、例えば、熱酸化法によって形成する。また、多結晶シリコン膜7は、多結晶シリコンを主体とする導体膜であり、例えば、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法によって形成する。これらの酸化シリコン膜6および多結晶シリコン膜7は、後の工程で加工して、周辺回路としてのMISトランジスタのゲート絶縁膜およびゲート電極となる(後に詳しく説明する)。従って、続く工程では、メモリ領域Rmの酸化シリコン膜6および多結晶シリコン膜7を除去する。
図11に示すように、周辺領域Rpn,Rppの多結晶シリコン膜7を覆うようにして、フォトレジスト膜8を形成する。フォトレジスト膜8は、フォトリソグラフィ法などによって、上記のようにパターニングする。そして、このフォトレジスト膜8をエッチングマスクとして、多結晶シリコン膜7および酸化シリコン膜6に対して、順に異方性エッチングを施す。このようにして、メモリ領域Rmの多結晶シリコン膜7および酸化シリコン膜6を除去する。その後、フォトレジスト膜8を除去する。
次に、図12に示すように、メモリ領域Rmのシリコン基板1の主面s1に、電荷蓄積膜MI1として、下部バリア膜Bb1、電荷ストレージ膜ST1、および、上部バリア膜Bt1を形成し、その上に、メモリゲート導体膜Em1を形成する。即ち、電荷蓄積膜MI1を隔てて、メモリゲート導体膜Em1を形成する。
下部バリア膜Bb1および上部バリア膜Bt1は、電荷の漏出を防ぐ機能を有する絶縁膜であり、例えば、上述のように、酸化シリコンを主体とする絶縁膜を形成する。これらは、熱酸化法によって形成する。また、電荷ストレージ膜ST1は、電荷を捕獲する機能を有する絶縁膜であり、例えば、上述のように、窒化シリコン、ハフニウムシリケート、ハフニウムアルミネート、酸化ハフニウム、または、酸化アルミニウムなどを主体とする絶縁膜などを形成する。ここでは、電荷ストレージ膜ST1として、窒化シリコンを主体とする絶縁膜を、CVD法によって形成する。
また、メモリゲート導体膜Em1として、多結晶シリコンからなる導体膜を、CVD法によって形成する。メモリゲート導体膜Em1は、後の加工でメモリゲート電極MG1となる導体膜である。メモリゲート電極MG1は、所望の電気特性となるように、所定の不純物濃度の不純物を含んでいる。そこで、本工程では、当該不純物を予め含む多結晶シリコン膜をメモリゲート導体膜Em1として堆積しても良いし、堆積後、イオン注入を施して所定の不純物を導入しても良い。
本工程では、周辺回路領域Rpn,Rppにはマスク等を形成せずに、上記の電荷蓄積膜MI1およびメモリゲート導体膜Em1を形成する。従って、同様の膜は、周辺領域Rpn,Rppの多結晶シリコンン膜7上にも形成されるが、これは、後の工程で除去するので差し支え無い。
続く工程では、上記のメモリゲート導体膜Em1を加工することで、メモリゲート電極を形成する。図13に示すように、メモリ領域Rmのメモリゲート導体膜Em1のうち、メモリゲート電極MG1として残す部分を覆うようにして、フォトレジスト膜9を形成する。そして、このフォトレジスト膜9をエッチングマスクとして、メモリゲート導体膜Em1に対して異方性エッチングを施す。これにより、メモリゲート導体膜Em1からなるメモリゲート電極MG1が形成される。続けて、電荷蓄積膜MI1に対しても異方性エッチングを施す。これにより、メモリゲート電極MG1とシリコン基板1との間に配置するように、電荷蓄積膜MI1が加工される。本工程では、シリコン基板1の主面s1のうち、pウェルpw1に平面的に含まれる位置に、電荷蓄積膜MI1を隔てて、メモリゲート電極MG1を形成したことになる。
なお、本工程では、周辺領域Rpn,Rppにはフォトレジと膜9を形成しないため、周辺領域Rpn,Rppのメモリゲート導体膜Em1および電荷蓄積膜MI1は、全面的に除去される。
また、本実施の形態1の製造方法では、電荷蓄積膜MI1として、ONO構造の絶縁膜を形成した。このほか、絶縁膜で挟んでフローティング状にした導体膜も、電荷を捕獲する機能を有し、これを電荷蓄積膜MI1として形成しても良い。ただし、本実施の形態1の製造方法では、上記のようなONO構造の電荷蓄積膜MI1とした方が、より好ましい。その理由は、上記図1を用いて説明した通りである。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
次に、図14に示すように、多結晶シリコン膜7が所望の電気特性となるように、周辺領域Rpn,Rppの多結晶シリコン膜7に対して、イオン注入dp4によって不純物を注入する。例えば、n型周辺領域Rpnの多結晶シリコン膜7にはn型となる不純物を注入し、p型周辺領域Rppの多結晶シリコン膜7にはp型となる不純物を注入する。
これには、まず、メモリ領域Rmおよびp型周辺領域Rppをフォトレジスト膜10で覆い、これをイオン注入マスクとしてイオン注入dp4を施す。これにより、n型周辺領域Rpnの多結晶シリコン膜7にn型の不純物を導入することで、n型多結晶シリコン膜7nを形成する。また、同様にして、メモリ領域Rmおよびn型周辺領域Rpnにフォトレジスト膜を形成し、これをイオン注入マスクとしてイオン注入を施す(図示しない)。これにより、p型周辺領域Rppの多結晶シリコン膜7にp型の不純物を導入することで、p型多結晶シリコン膜7pを形成する。その後、熱処理を施すことで、導入した各不純物を拡散および活性化させる。なお、n型多結晶シリコン膜7nとp型シリコン膜7pとは、どちらを先に形成しても良い。
次に、図15に示すように、メモリ領域Rm全体と、周辺領域Rpn,Rppのうち、ゲート電極として残したい部分の多結晶シリコン膜7n,7pとを覆うようにして、フォトレジスト膜11を形成する。ここでは、フォトリソグラフィ法によってパターニングすることで、上記のような形状のフォトレジスト膜11を形成する。
その後、上記のフォトレジスト膜11をエッチングマスクとして、多結晶シリコン膜7n,7pに対して異方性エッチングを施す。これにより、露出した部分の多結晶シリコン膜7n,7pを除去することで、n型周辺領域Rnには、n型多結晶シリコン膜7nからなるn型周辺ゲート電極Gnを形成する。また、p型周辺領域Rpには、p型多結晶シリコン膜7pからなるp型周辺ゲート電極Gpを形成する。n型およびp型周辺ゲート電極Gn,Gpは、酸化シリコン膜6を隔てて、シリコン基板1の主面s1上に配置されるようにして形成する。
続いて、同様のフォトレジスト膜11をエッチングマスクとして、酸化シリコン膜6に対して異方性エッチングを施すことで、露出した部分の酸化シリコン膜6を除去する。これにより、n型およびp型周辺ゲート電極Gn,Gpとシリコン基板1との間に配置するような、酸化シリコン膜6からなる周辺ゲート絶縁膜IGを形成する。
次に、図16に示すように、メモリ領域Rmにおいて、メモリゲート電極MG1の側方下部のうち、pウェルpw1内のシリコン基板1の主面s1に、n型のメモリエクステンション領域ex1を形成する。ここでは、シリコン基板1上のうち、周辺領域Rpはフォトレジスト膜12で覆っておく。そして、フォトレジスト膜12をイオン注入マスクとして、イオン注入dp5を施す。
このとき、メモリ領域Rmにおいては、メモリゲート電極MG1が、イオン注入dp5に対するイオン注入マスクとなる。従って、シリコン基板1の主面s1のうち、メモリゲート電極MG1の側方下部の領域に、イオン注入dp5によって不純物を導入することができる。その後、熱処理を施すことで、導入した不純物を拡散および活性化させ、メモリエクステンション領域ex1を形成する。
次に、図17に示すように、周辺領域Rpn,Rppのシリコン基板1の主面s1において、n型周辺ゲート電極Gnの側方下部にはn型周辺エクステンション領域ex2を形成し、p型周辺ゲート電極Gpの側方下部にはp型周辺エクステンション領域ep3を形成する。n型周辺エクステンション領域ex2はn型の半導体領域であり、p型周辺エクステンション領域ex3はp型の半導体領域である。
これらは、メモリ領域Rmにメモリエクステンション領域ex1を形成した方法と同様にして形成する。即ち、フォトレジスト膜13をイオン注入マスクとして、イオン注入dp6を施し、その後、拡散および活性化を目的とした熱処理を施すことで、両周辺エクステンション領域ex2,ex3を形成する。図には、一例として、p型周辺領域Rppにp型周辺エクステンション領域ex3を形成している様子を示している。
次に、図18に示すように、シリコン基板1の主面s1上のうち、メモリ領域Rmにおけるメモリゲート電極MG1の側壁を覆う位置、および、周辺領域Rpn,Rppにおけるn型およびp型周辺ゲート電極Gn,Gpの側壁を覆う位置に、サイドウォールスペーサswを形成する。サイドウォールスペーサswは、酸化シリコンを主体とする絶縁膜を用いて形成する。例えば、CVD法によってシリコン基板1上に酸化シリコン膜を堆積し、全面的に異方性エッチングを施す(エッチバックを施す)ことで、上記のようなサイドウォールスペーサswが形成できる。
なお、上記図1を用いて説明したように、サイドウォールスペーサswに応力作用を持たせるためには、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、および、酸化シリコン膜の3層構造からなるサイドウォールスペーサswとしても良い。この場合、上記の3層をCVD法などによって形成した後に、エッチバックを施すことで、上記3層構造のサイドウォールスペーサswを形成できる。本工程では、酸化シリコン膜のみからなるサイドウォールスペーサswを形成したとして、続く工程を説明する。
続いて、メモリ領域Rmにおいて、メモリゲート電極MG1の側方下部のうち、pウェルpw1内のシリコン基板1の主面s1であって、かつ、平面的に見て、メモリエクステンション領域ex1の外側の位置に、n型のメモリソース・ドレイン領域sd1を形成する。ここでは、シリコン基板1上のうち、周辺領域Rpはフォトレジスト膜14で覆っておく。そして、フォトレジスト膜14をイオン注入マスクとして、イオン注入dp7を施す。
このとき、メモリ領域Rmにおいては、メモリゲート電極MG1およびサイドウォールスペーサswが、イオン注入dp7に対するイオン注入マスクとなる。従って、シリコン基板1の主面s1のうち、サイドウォールスペーサswの側方下部の領域に、イオン注入dp7によって不純物を導入することができる。結果的に、この領域は、平面的に見て、メモリエクステンション領域ex1の外側となる。その後、熱処理を施すことで、導入した不純物を拡散および活性化させ、メモリソース・ドレイン領域sd1を形成する。ここでは、メモリソース・ドレイン領域sd1は、メモリエクステンション領域ex1よりもn型不純物濃度が高く、かつ、メモリエクステンション領域ex1の深さよりも深くなるようにして形成する。
次に、図19に示すように、n型周辺領域Rpnのシリコン基板1の主面s1において、n型周辺ゲート電極Gnの側方下部であって、かつ、平面的に見て、n型周辺エクステンション領域ex2の外側の位置に、n型周辺ソース・ドレイン領域sd2を形成する。また、p型周辺領域Rppのシリコン基板1の主面s1において、p型周辺ゲート電極Gpの側方下部であって、かつ、平面的に見て、p型周辺エクステンション領域ex3の外側の位置に、p型周辺ソース・ドレイン領域sd3を形成する。n型周辺ソース・ドレイン領域sd2はn型の半導体領域であり、p型周辺ソース・ドレイン領域sd3はp型の半導体領域である。
これらは、メモリ領域Rmにメモリソース・ドレイン領域sd1を形成した方法と同様にして、イオン注入法および熱処理によって形成する。ここでは、n型周辺ソース・ドレイン領域sd2は、n型周辺エクステンション領域ex2よりもn型不純物濃度が高く、かつ、n型周辺エクステンション領域ex2の深さよりも深くなるようにして形成する。また、p型周辺ソース・ドレイン領域sd3は、p型周辺エクステンション領域ex3よりもp型不純物濃度が高く、かつ、p型周辺エクステンション領域ex3の深さよりも深くなるようにして形成する。
以上のようにして、シリコン基板1のメモリ領域Rmに本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1を形成することができる。また、シリコン基板1のn型周辺領域Rpnにn型MISトランジスタQnを形成し、p型周辺領域Rppにp型MISトランジスタQpを形成することができる。
特に、上記図7を用いて説明した工程では、第1イオン注入dp1aによってメモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入し、第1熱処理によってそのフッ素を活性化することで、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入している。このようにして、メモリチャネル領域ch1aのダングリングボンドや欠陥を不活性化することができる。これにより、本実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1では、電荷蓄積膜MI1に蓄積された電荷がより漏出し難くなり、リテンション特性が向上する。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
本実施の形態1の製造方法において、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入するための第1イオン注入dp1aおよび第1熱処理は、少なくとも、メモリ領域Rmのシリコン基板1の主面s1にpウェルpw1を形成した後に施せば、そのタイミングによらず、上記と同様の効果が得られる。
また、p型周辺領域Rppに形成したp型MISトランジスタQpの閾値電圧を調整することなどを目的として、周辺チャネル領域ch3にフッ素を導入しても良い。この場合、上記の製造方法は、更に、周辺チャネル領域ch3に対してフッ素をイオン注入する工程と、拡散および活性化のための熱処理を施す工程とを有する。周辺チャネル領域ch3に対してフッ素をイオン注入するタイミングは、例えば、上記図9のイオン注入dp3のように、p型周辺領域Rppにイオン注入する工程の前後が好適である。これにより、p型周辺領域Rppを開口するフォトレジスト膜5などをイオン注入マスクとして併用することで、工程数を削減できる。この場合のフッ素のドーズ量は、1×1015cm−2程度である。また、拡散および活性化のための熱処理は、他の工程で施す熱処理(例えば、周辺ゲート絶縁膜IGを形成するための熱酸化工程)と共有させても良い。これにより、工程数を削減できる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、上記実施の形態1の半導体装置が有する不揮発性メモリセルNVM1において、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入する方法に関して、種々の方法を説明する。以下では、不揮発性メモリセルNVM1を形成する工程の途中の工程として、本実施の形態2の製造方法を説明するが、それ以外の工程は、上記実施の形態1で説明したものと同様であり、重複した説明は省略する。
まず、上記実施の形態1の製造方法で説明したフッ素の導入方法に関して、別の観点からより詳しく説明する。上記実施の形態1の製造方法で説明したように、第1イオン注入dp1aおよび第1熱処理は、少なくとも、pウェルpw1を形成した後に施せば、メモリチャネル領域ch1aのダングリングボンドを不活性化させ、リテンション特性を向上させるという点で効果的である。
ただし、上記実施の形態1で説明したように、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入するための第1イオン注入dp1aは、pウェルpw1を形成した後、電荷蓄積膜MI1およびメモリゲート電極MG1を形成する前に施した方が、より好ましい。なぜなら、電荷蓄積膜MI1などに第1イオン注入dp1aのダメージを与えることなく、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入できるからである。これにより、より高品質な電荷蓄積膜MI1を、不揮発性メモリセルNVM1に適用できる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
更に、電荷蓄積膜MI1などにダメージを与えることがないから、より大きいドーズ量で第1イオン注入dp1aを施すことができる。これにより、より効率的にメモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入することができ、不揮発性メモリセルNVM1のリテンション特性をより向上させることができる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
また、この場合、メモリチャネル領域ch1aに注入したフッ素を活性化するための第1熱処理は、その後のいずれかの工程で必要となる熱処理を併用して施す方が、より好ましい。その理由を以下で説明する。
上記実施の形態1では、上記図7の工程で第1イオン注入dp1aを施した後に、酸化シリコン膜6(上記図10)、下部バリア膜Bb1(上記図12)、または、上部バリア膜Bt1(上記図12)を形成するために、熱酸化工程を施す。これらの熱酸化工程では、上記で説明した、メモリチャネル領域ch1aのフッ素を活性化するための第1熱処理の温度(800〜1100℃程度)と同様の温度での加熱を要する。従って、本実施の形態1の第1熱処理は、上記の各酸化シリコン膜を形成するための熱酸化工程と同一の工程で施すことができる。これにより、本実施の形態1でメモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入する構成とした場合でも、特別な熱処理を追加することなく同様の効果が得られ、結果として工程数をより削減できる。
なお、上記実施の形態1のように、メモリ領域Rmにpウェルpw1を形成した後に、メモリチャネル領域ch1aに第1イオン注入ch1aを施した場合、第1熱処理として作用し得る既存の熱処理は、上記に限られない。例えば、上記図16のメモリエクステンション領域ex1を形成する工程や、上記図18のメモリソース・ドレイン領域sd1を形成する工程においても、導入した不純物の拡散および活性化のための熱処理工程を要する。これらの熱処理工程においても、第1熱処理と同様の作用を有する。
次に、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入する他の方法として、図20を用いて説明する。ただし、この方法では、上記図7の工程では、第1イオン注入dp1aおよび第1熱処理は施していない。
図20は、上記図12に続く工程を示している。ここでは、上記図12の工程でメモリゲート導体膜Em1を形成した後、上記図13の工程でメモリゲート電極MG1として加工する前に、第1イオン注入dp1bを施す。これにより、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入する。これには、まず、周辺領域Rpのメモリゲート導体膜Em1を覆い、メモリ領域Rmを開口するようにパターニングしたフォトレジスト膜15を形成する。その後、フォトレジスト膜15をイオン注入マスクとして、第1イオン注入dp1bを施す。ここでは、メモリゲート導体膜Em1および電荷蓄積膜MI1を透過させるようにして、第1イオン注入dp1bを施すことで、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入できる。その後、上記実施の形態1の第1熱処理と同様の第1熱処理を施して、導入したフッ素を活性化する。
以上のような方法によっても、上記実施の形態1で説明したような、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入することの効果を同様に得られる。
本発明者の検証によれば、本工程では、第1イオン注入dp1bとして1×1013〜1×1015cm−2程度のドーズ量でフッ素を導入することが、より効果的である。また、注入したフッ素の濃度分布のピークが、シリコン基板1の主面s1から50nm以内の位置にくるような加速エネルギーで第1イオン注入dp1bを施すことが、より効果的である。
以下では、本実施の形態2の製造方法において、上記実施の形態1の製造方法とは異なる上記のタイミングで第1イオン注入dp1bを施して、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入することの効果を説明する。
メモリチャネル領域ch1aのダングリングボンドを不活性化させるという目的から、注入したフッ素が、電荷蓄積膜MI1直下のシリコン基板1の主面s1付近から離れてしまうのは望ましくない。ただし、メモリチャネル領域ch1aに注入されたフッ素は、種々の熱処理によって拡散されてしまう。従って、メモリチャネル領域ch1aにフッ素イオンを注入した後は、それを活性化するために十分な第1熱処理を施し、他の過度の熱処理は施さない方が、より好ましい。
ここで、下部バリア膜Bb1や上部バリア膜Bt1などの酸化シリコン膜を形成するための熱酸化工程は、より高い温度での熱処理を要する。この観点から、上記図20の工程によれば、少なくとも、電荷蓄積膜MI1を形成した後に、第1イオン注入dp1bを施すことができる。即ち、上記の酸化シリコン膜を形成するための熱酸化工程を回避して、フッ素の第1イオン注入dp1bを施すことができる。従って、メモリチャネル領域ch1aに注入したフッ素における、所望の領域を越えた拡散を抑制できる。これにより、より効率的に、メモリチャネル領域ch1aのダングリングボンド等を不活性化でき、不揮発性メモリセルNVM1のリテンション特性をより向上させことができる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
次に、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入する更に他の方法として、図21を用いて説明する。ただし、この方法では、上記図7または上記図20の工程では、第1イオン注入dp1a,dp1bおよび第1熱処理は施していない。
図21は、上記図16に続く工程を示している。ここでは、上記図16の工程でメモリエクステンション領域ex1を形成するためのイオン注入dp5を施した直後に、第1イオン注入dp1cを施す。これにより、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入する。ここでは、メモリゲート電極MG1および電荷蓄積膜MI1を透過させるようにして、第1イオン注入dp1cを施すことで、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入できる。その後、上記実施の形態1の第1熱処理と同様の第1熱処理を施して、導入したフッ素を活性化する。
以上のような方法によっても、上記実施の形態1で説明したような、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入することの効果を同様に得られる。
本発明者の検証によれば、本工程では、第1イオン注入dp1cとして1×1013〜1×1015cm−2程度のドーズ量でフッ素を導入することが、より効果的である。また、注入したフッ素の濃度分布のピークが、シリコン基板1の主面s1から50nm以内の位置にくるような加速エネルギーで第1イオン注入dp1cを施すことが、より効果的である。
以下では、本実施の形態2の製造方法において、上記実施の形態1の製造方法、および、上記図20を用いて説明した方法とは異なる上記のタイミングで第1イオン注入dp1cを施して、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入することの効果を説明する。
上述のように、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入した後は、過度の熱処理を施さない方が、より好ましい。この観点から、本工程によれば、上記実施の形態1および上記図20の第1イオン注入dp1a,dp1bと比較して、より後の工程によって第1イオン注入dp1cを施すことができる。これにより、高温を要する熱酸化工程に加え、多結晶シリコン膜7に注入した不純物の活性化および拡散のための熱処理工程(上記図14)などをも回避することができる。従って、メモリチャネル領域ch1aに注入したフッ素における、所望の領域を越えた拡散を、より抑制できる。これにより、より効率的に、メモリチャネル領域ch1aのダングリングボンド等を不活性化でき、不揮発性メモリセルNVM1のリテンション特性をより向上させることができる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
また、本工程でフッ素を注入する第1イオン注入dp1cは、メモリエクステンション領域ex1を形成するためのイオン注入dp5と同様の領域に対してイオン注入を施す。従って、イオン注入マスクとして既に形成しているフォトレジスト膜12を併用できる。これにより、工程数を削減できる。この観点から、上記では、イオン注入dp5の直後に第1イオン注入dp1cを施すと説明したが、フォトレジスト膜12を形成した後、イオン注入dp5の直前に第1イオン注入dp1cを施しても良い。
また、本工程の第1イオン注入dp1cによって注入したフッ素を活性化するための第1熱処理は、メモリエクステンション領域ex1を形成するための熱処理と同一の工程で施す方が、より好ましい。なぜなら、これにより、フッ素を活性化することに特化した第1熱処理を新たに追加する必要が無く、工程数を削減できるからである。なお、本発明者の検証によれば、メモリエクステンション領域ex1を形成するための熱処理は、メモリチャネル領域ch1aに注入したフッ素を活性化させる第1熱処理と同様の温度帯で施すため、これらは問題なく併用できる。
次に、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入する更に他の方法として、図22を用いて説明する。ただし、この方法では、上記図7、上記図20または上記図21の工程では、第1イオン注入dp1a,dp1b,dp1cおよび第1熱処理は施していない。
図22は、上記図18に続く工程を示している。ここでは、上記図18の工程でメモリソース・ドレイン領域sd1を形成するためのイオン注入dp7を施した直後に、第1イオン注入dp1dを施す。これにより、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入する。ここでは、メモリゲート電極MG1および電荷蓄積膜MI1を透過させるようにして、第1イオン注入dp1dを施すことで、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入できる。その後、上記実施の形態1の第1熱処理と同様の第1熱処理を施して、導入したフッ素を活性化する。
以上のような方法によっても、上記実施の形態1で説明したような、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入することの効果を同様に得られる。
本発明者の検証によれば、本工程では、第1イオン注入dp1dとして1×1013〜1×1015cm−2程度のドーズ量でフッ素を導入することが、より効果的である。また、注入したフッ素の濃度分布のピークが、シリコン基板1の主面s1から50nm以内の位置にくるような加速エネルギーで第1イオン注入dp1dを施すことが、より効果的である。
以下では、本実施の形態2の製造方法において、上記実施の形態1の製造方法、上記図20を用いて説明した方法、および、上記図21を用いて説明した方法とは異なる上記のタイミングで第1イオン注入dp1dを施して、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を注入することの効果を説明する。
上述のように、メモリチャネル領域ch1aにフッ素を導入した後は、過度の熱処理を施さない方が、より好ましい。この観点から、本工程によれば、上記実施の形態1、上記図20、および、上記図21の第1イオン注入dp1a,dp1b,dp1cと比較して、より後の工程によって第1イオン注入dp1cを施すことができる。これにより、高温を要する熱酸化工程に加え、メモリエクステンション領域ex1として注入した不純物の拡散および活性化のための熱処理工程(上記図16)などをも回避することができる。従って、メモリチャネル領域ch1aに注入したフッ素における、所望の領域を越えた拡散を、より抑制できる。これにより、より効率的に、メモリチャネル領域ch1aのダングリングボンド等を不活性化でき、不揮発性メモリセルNVM1のリテンション特性をより向上させることができる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
また、本工程でフッ素を注入する第1イオン注入dp1dは、メモリソース・ドレイン領域sd1を形成するためのイオン注入dp7と同様の領域に対してイオン注入を施す。従って、イオン注入マスクとして既に形成しているフォトレジスト膜14を併用できる。これにより、工程数を削減できる。この観点から、上記では、イオン注入dp7の直後に第1イオン注入dp1dを施すと説明したが、フォトレジスト膜14を形成した後、イオン注入dp7の直前に第1イオン注入dp1dを施しても良い。
また、本工程の第1イオン注入dp1dによって注入したフッ素を活性化するための第1熱処理は、メモリソース・ドレイン領域sd1を形成するための熱処理と同一の工程で施す方が、より好ましい。なぜなら、これにより、フッ素を活性化することに特化した第1熱処理を新たに追加する必要が無く、工程数を削減できるからである。なお、本発明者の検証によれば、メモリソース・ドレイン領域sd1を形成するための熱処理は、メモリチャネル領域ch1aに注入したフッ素を活性化させる第1熱処理と同様の温度帯で施すため、これらは問題なく併用できる。
(実施の形態3)
本実施の形態3の半導体装置が有する不揮発性メモリセルの構造を、図23を用いて詳しく説明する。図23は、本実施の形態3の不揮発性メモリセルNVM2の要部断面図である。本実施の形態3の不揮発性メモリセルNVM2は、上記実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1と比較して、以下の異なる構成を有する。
本実施の形態3の不揮発性メモリセルNVM2は、シリコン基板1の主面上のうち、pウェルpw1に平面的に含まれる位置に、制御ゲート絶縁膜CI1を隔てて配置された制御ゲート電極CG1を有している。制御ゲート絶縁膜CI1は酸化シリコンを主体とする絶縁膜からなり、制御ゲート電極CG1は多結晶シリコンを主体とする導体膜からなる。
そして、メモリゲート電極MG1は、電荷蓄積膜MI1を隔てて、制御ゲート電極CG1に隣り合うようにして配置されている。言い換えれば、メモリゲート電極MG1と制御ゲート電極CG1とは互いに隣り合い、電荷蓄積膜MI1は、シリコン基板1とメモリゲート電極MG1との間から、制御ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1との間に渡って、一体的に配置されている。
また、メモリエクステンション領域ex1およびメモリソース・ドレイン領域sd1は、メモリゲート電極MG1と制御ゲート電極CG1との側方下部のシリコン基板1の主面s1のうち、互いに隣接しない方の側方下部に配置されている。言い換えれば、互いに隣り合うメモリゲート電極MG1と制御ゲート電極CG1とは、平面的に見て、pウェルpw1内において、メモリエクステンション領域ex1およびメモリソース・ドレイン領域sd1に挟まれるようにして配置されている。
また、サイドウォールスペーサswは、シリコン基板1の主面s1上において、メモリゲート電極MG1と制御ゲート電極CG1との側壁のうち、互いに隣接しない方の側壁を覆うようにして配置されている。
以上が、本実施の形態3の不揮発性メモリセルNVM2の構成において、上記実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1と相違する構成である。上記で言及しなかった構成およびそれらの機能に関しては、上記実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1と同様である。
以上のような構造の不揮発性メモリセルNVM2では、メモリゲート電極MG1と制御ゲート電極CG1とを一つのゲート電極と見れば、通常のMISトランジスタと見なせる。言い換えれば、本実施の形態3の不揮発性メモリセルNVM2は、MISトランジスタのゲート電極が2つに分裂され(スプリットゲート)、それぞれ独立して電圧を印加できるような構成である。更に、一方のゲート(メモリゲート電極MG1および電荷蓄積膜MI1)は電荷を蓄積してメモリ動作を行えるようになっており、もう一方のゲート電極はその電荷の授受をより複雑に制御できるようになっている。
特に、本実施の形態3の不揮発性メモリセルNVM2は、書き込み、消去動作に関しては、上記図2、図3を用いて説明したFNトンネリング方式による動作と異なり、ホットキャリアを用いた動作が可能となる。これらに関しては、スプリットゲートタイプのMONOS型メモリにおいて、SSI(Source Side Injection)方式の書き込み動作、および、BTBT(Band To Band Tunneling)方式の消去動作として知られている。ここでの詳細な説明は省略する。本実施の形態3の不揮発性メモリセルNVM2では、これらの方式によるメモリ動作が可能になることで、より高速で、より消費電力の低いMONOS型メモリを構成することができる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
このような効果を有する本実施の形態2の不揮発性メモリセルNVM2に関して、更に、以下のような構成を有する。即ち、電荷蓄積膜MI1の直下のシリコン基板1の主面s1の領域であるメモリチャネル領域ch1bにおいて、フッ素を含んでいる。これは、上記実施の形態1の不揮発性メモリセルNVM1のメモリチャネル領域ch1aの構成と同様であり、その特徴、効果も同様である。即ち、電荷蓄積膜MI1に捕獲されている電荷が、シリコン基板1により漏出し難い構造とすることができる。これにより、本実施の形態2の不揮発性メモリセルNVM2のリテンション特性を向上させることができる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
なお、制御ゲート絶縁膜CI1の直下のシリコン基板1の主面s1の領域である、制御チャネル領域ch4においても、同様にフッ素を含んでいても良い。ただし、上記の効果を得るためには、メモリチャネル領域ch1bがフッ素を含んでいれば十分である。
以下では、本実施の形態3の不揮発性メモリセルNVM2を有する半導体装置の製造方法を説明する。ここでは、シリコン基板1上に2セル分の不揮発性メモリセルNVM2を形成する工程を説明する。なお、同一シリコン基板1上においては、周辺回路を構成するMISトランジスタを形成することになるが、その方法は上記実施の形態1で説明した方法と同様であるので、ここでの重複した説明は省略する。
まず、図24に示すように、シリコン基板1の主面s1上にp型の半導体領域p1を形成し、更に、不揮発性メモリセルNVM2を形成するためのpウェルpw1を形成する。これらは、上記実施の形態1の上記図6、図7で説明した工程と同様にして形成する。
次に、図25に示すように、制御チャネル領域ch4を所望の不純物濃度とするために、イオン注入を施す。制御チャネル領域ch4とは、上記図23で説明したように、シリコン基板1の主面s1のうち、後に形成する制御ゲート絶縁膜CI1の下に位置し、反転層が形成される領域である。本工程の段階では、まだ制御ゲート絶縁膜CI1は形成しておらず、他のシリコン基板1の主面s1との区別が無い。即ち、本工程では、後に制御チャネル領域ch4となる部分だけでなく、例えば、後にメモリチャネル領域ch1bとなる部分にも、チャネル濃度調整用のイオン注入を施すことになる。図中は、シリコン基板1の主面s1付近の領域を、制御チャネル領域ch4またはメモリチャネル領域ch1bとして表記している。ここでは、上記実施の形態1の上記図7で説明した工程と同様にして、チャネル濃度を調整する。
ここで、本実施の形態3の製造方法では、続く工程として、メモリチャネル領域ch1bにフッ素を導入する工程を有する。これには、シリコン基板1の主面s1のメモリチャネル領域ch1bに対して、第1イオン注入dp1eによってフッ素を注入する。その後、800〜1100℃程度の熱処理(第1熱処理)を施すことで、チャネル領域に注入したフッ素を活性化する。これにより、メモリチャネル領域ch1bに含まれ、電荷とラップとなるダングリングボンドや他の欠陥などを、フッ素により不活性化させることができる。このようにして、上記図23を用いて説明したような効果を発現する不揮発性メモリセルNVM2の構成を形成することができる。なお、本工程では、後にメモリチャネル領域ch1bとなる領域のほかに、制御チャネル領域ch4に対してもフッ素を導入したことになる。
本発明者の検証によれば、本工程では、第1イオン注入dp1eとして1×1013〜1×1015cm−2程度のドーズ量でフッ素を導入することが、より効果的である。また、注入したフッ素の濃度分布のピークが、シリコン基板1の主面s1から50nm以内の位置にくるような加速エネルギーで第1イオン注入dp1eを施すことが、より効果的である。
このような効果を有するフッ素の導入工程(第1イオン注入dp1eおよび第1熱処理)は、少なくとも、pウェルpw1を形成した後に施せば、同様の効果が得られる。ただし、上記のように、第1イオン注入dp1eは、電荷蓄積膜MI1やメモリゲート電極MG1を形成する前に施す方が、より好ましい。これは、上記実施の形態2の説明と同様の効果を有する。即ち、電荷蓄積膜MI1にダメージを与えることなく、第1イオン注入dp1eを施すことができる。これにより、より高品質な電荷蓄積膜MI1を、不揮発性メモリセルNVM2に適用できる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
次に、図26に示すように、シリコン基板1の主面s1上に、順に、制御ゲート絶縁膜CI1および制御ゲート導体膜Ec1を形成する。制御ゲート導体膜Ec1は、後の工程で加工して、制御ゲート電極CG1となる要素である。ここでは、熱酸化法によってシリコン基板1の主面s1を表面酸化することで、酸化シリコン膜からなる制御ゲート絶縁膜CI1を形成する。その後、CVD法によって、多結晶シリコン膜からなる制御ゲート導体膜Ec1を形成する。このとき、制御ゲート導体膜Ec1には、制御ゲート電極CG1として要求される濃度の不純物を含んだ多結晶シリコン膜を形成しても良いし、多結晶シリコン膜を形成後にイオン注入および熱処理によって不純物を導入しても良い。
ここで、上記図25の工程で説明した、フッ素を活性化するための第1熱処理は、上記の制御ゲート絶縁膜CI1を熱酸化によって形成する際に要する熱処理と同一の工程で施す方が、より好ましい。なぜなら、これにより、フッ素を活性化することに特化した第1熱処理を新たに追加する必要が無く、工程数を削減できるからである。なお、本発明者の検証によれば、制御ゲート絶縁膜CI1を形成するための熱酸化は、メモリチャネル領域ch1bに注入したフッ素を活性化させる第1熱処理と同様の温度帯で施すため、これらは問題なく併用できる。
次に、図27に示すように、制御ゲート導体膜Ec1を加工して、制御ゲート電極CG1を形成する。これには、まず、制御ゲート電極CG1として残す部分の制御ゲート導体膜Ec1を覆うようにパターニングしたフォトレジスト膜15を形成する。その後、フォトレジスト膜15をエッチングマスクとして、制御ゲート導体膜Ec1に異方性エッチングを施すことにより、露出した部分の制御ゲート導体膜Ec1を除去する。このようにして、制御ゲート導体膜Ec1からなる制御ゲート電極CG1を形成する。
続いて、同様にして、フォトレジスト膜15をエッチングマスクとして、制御ゲート絶縁膜CI1にエッチングを施す。このようにして、シリコン基板1と制御ゲート電極CG1との間に配置するように、制御ゲート絶縁膜CI1を加工する。
次に、図28に示すように、メモリチャネル領域ch1bのチャネル濃度を調整するためのイオン注入dp8を施す。これは、例えば、上記図7を用いて説明したチャネル濃度調整と同様の方法を用いる。ただし、不純物種、濃度は所望の条件とする。
ここで、制御チャネル領域ch4に対しては、先の工程でチャネル濃度を調整しているから、イオン注入dp8を施さない方が良い。この点、制御ゲート電極CG1がイオン注入マスクとして機能し、制御チャネル領域ch4に対しては、イオン注入dp8の影響は及ばない。また、制御ゲート電極CG1に覆われていない部分のシリコン基板1の主面s1付近は、その全てがメモリチャネル領域ch1bとなるものでは無いが、ここでは、その部分も含めてイオン注入dp8を施しても差し支え無い。なぜなら、メモリチャネル領域ch1bとならない部分には、後の工程によって他の構成が形成されるからである。
また、本実施の形態3の製造方法では、上記図25の工程で施した第1イオン注入dp1eを、本工程のチャネル濃度調整用のイオン注入dp8の直前または直後に施しても良い。これにより、例えば制御ゲート絶縁膜CI1を形成するための熱酸化に要する熱処理を回避して、第1イオン注入dp1eを施すことができる。メモリチャネル領域ch1bにフッ素を注入するための第1イオン注入dp1eを施した後には、過度の熱処理を施さない方がより好ましい理由に関しては、上記実施の形態2で説明した通りである。即ち、本工程で、イオン注入dp8の直前または直後に第1イオン注入dp1eを施し、熱処理を回避することで、所望の領域を越えた拡散を、より抑制できる。これにより、より効率的に、メモリチャネル領域ch1bのダングリングボンド等を不活性化でき、不揮発性メモリセルNVM2のリテンション特性をより向上させることができる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
次に、図29に示すように、制御ゲート電極CG1を含むシリコン基板1の主面を覆うようにして、順に、下部バリア膜Bb1、電荷ストレージ膜ST1、および、上部バリア膜Bt1からなる電荷蓄積膜MI1を形成する。続いて、電荷蓄積膜MI1を覆うようにして、メモリゲート導体膜Em1を形成する。これらのより詳しい構成および方法は、上記実施の形態1の製造方法で上記図12を用いて説明した工程と同様である。
その後、メモリゲート導体膜Em1をエッチバックすることで、制御ゲート電極CG1の側壁を、電荷蓄積膜MI1を介して覆うような形状に、メモリゲート導体膜Em1を加工する。
次に、図30に示すように、制御ゲート電極CG1の一対の側壁を覆うメモリゲート導体膜Em1のうち、いずれか一方を除去することで、メモリゲート電極MG1を形成する。これには、まず、除去せずに残すメモリゲート導体膜Em1を覆うように、フォトレジスト膜16を形成する。その後、フォトレジスト膜16をエッチングマスクとして、メモリゲート導体膜Em1に対してエッチングを施す。これにより、フォトレジスト膜16に覆われていないメモリゲート導体膜Em1を除去することで、残ったメモリゲート導体膜Em1からなるメモリゲート電極MG1を形成する。本工程により、制御ゲート電極CG1に対して、電荷蓄積膜MI1を隔てて隣り合うような、メモリゲート電極MG1を形成できる。
次に、図31に示すように、メモリゲート電極MG1に覆われていない部分の電荷蓄積膜MI1を除去する。これには、メモリゲート電極MG1をエッチングマスクとして、電荷蓄積膜MI1に異方性エッチングを施す。本工程により、シリコン基板1とメモリゲート電極MG1との間から、制御ゲート電極CG1とメモリゲート電極MG1との間に渡って、一体的に配置されるような形状の電荷蓄積膜MI1を形成できる。
その後、メモリゲート電極MG1および制御ゲート電極CG1の側方下部のシリコン基板1の主面s1に、メモリエクステンション領域ex1を形成する。これには、まず、メモリゲート電極MG1および制御ゲート電極CG1をイオン注入マスクとして、イオン注入dp9を施して、所望の不純物を注入する。その後、注入した不純物を拡散および活性化させるための熱処理を施すことで、上記の領域に、メモリエクステンション領域ex1を形成できる。
なお、メモリエクステンション領域ex1は、メモリゲート電極MG1側と、制御ゲート電極CG側とで、要求される不純物濃度が異なる場合がある。この場合には、イオン注入マスクとしてのフォトレジスト膜を形成し(図示しない)、それぞれの領域に対して選択的に、異なる条件でイオン注入dp9を施す。
また、本実施の形態3の製造方法では、上記図25の工程で施した第1イオン注入dp1eを、本工程のメモリエクステンション領域ex1形成用のイオン注入dp9の直前または直後に施しても良い。これにより、例えば電荷蓄積膜MI1を形成するための熱酸化に要する熱処理を回避して、第1イオン注入dp1eを施すことができる。メモリチャネル領域ch1bにフッ素を注入するための第1イオン注入dp1eを施した後には、過度の熱処理を施さない方がより好ましい理由に関しては、上記実施の形態2で説明した通りである。即ち、本工程で、イオン注入dp9の直前または直後に第1イオン注入dp1eを施し、熱処理を回避することで、所望の領域を越えた拡散を、より抑制できる。これにより、より効率的に、メモリチャネル領域ch1bのダングリングボンド等を不活性化でき、不揮発性メモリセルNVM2のリテンション特性をより向上させることができる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
次に、図32に示すように、シリコン基板1の主面s1のうち、メモリゲート電極MG1および制御ゲート電極CG1の側壁を覆うようにして、サイドウォールスペーサswを形成する。サイドウォールスペーサswのより詳しい構成および方法は、上記実施の形態1の製造方法で上記図18を用いて説明した工程と同様である。
続いて、上記図18を用いて説明した工程と同様にして、メモリソース・ドレイン領域sd1を形成する。
また、本実施の形態3の製造方法では、上記図25の工程で施した第1イオン注入dp1eを、本工程のメモリソース・ドレイン領域sd1形成用のイオン注入の直前または直後に施しても良い。これにより、例えば電荷蓄積膜MI1などを形成するための熱酸化に要する熱処理に加え、メモリエクステンション領域ex1を形成するための熱処理をも回避して、第1イオン注入dp1eを施すことができる。メモリチャネル領域ch1bにフッ素を注入するための第1イオン注入dp1eを施した後には、過度の熱処理を施さない方がより好ましい理由に関しては、上記実施の形態2で説明した通りである。即ち、本工程で、メモリソース・ドレイン領域sd1を形成するためのイオン注入の直前または直後に第1イオン注入dp1eを施し、熱処理を回避することで、所望の領域を越えた拡散を、より抑制できる。これにより、より効率的に、メモリチャネル領域ch1bのダングリングボンド等を不活性化でき、不揮発性メモリセルNVM2のリテンション特性をより向上させることができる。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
以上のようにして、シリコン基板1上に本実施の形態3の不揮発性メモリセルNVN2を形成することができる。
特に、上記図25などを用いて説明した工程では、第1イオン注入dp1eによってメモリチャネル領域ch1bにフッ素を注入し、第1熱処理によってそのフッ素を活性化することで、メモリチャネル領域ch1bにフッ素を導入している。このようにして、メモリチャネル領域ch1bのダングリングボンドや欠陥を不活性化することができる。これにより、本実施の形態3の不揮発性メモリセルNVM2では、電荷蓄積膜MI1に蓄積された電荷がより漏出し難くなり、リテンション特性が向上する。結果として、不揮発性メモリを有する半導体装置の特性を、より向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施の形態1では、不揮発性メモリセルNVM1の動作方法として、FNトンネリング方式によって書き込み、消去動作を施す方法を説明したが、この限りではない。他にも、チャネルホットキャリア方式やBTBT方式などで、書き込みまたは消去動作を施すことができる。同様に、上記実施の形態3では、不揮発性メモリセルNVM3の動作方法として、SSI方式によって書き込み動作を施し、BTBT方式によって消去動作を施す方法を説明したが、この限りではない。他にも、FNトンネリング方式やチャネルホットキャリア方式などで、書き込みまたは消去動作を施すことができる。