JP2010040455A - 端子金具及びワイヤーハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤバレル部に導体を圧着する際に、導体の前端部が拡がるように変形するのを防止するとともに、連結部が変形するのを防止する。
【解決手段】導体11の前端部が、ワイヤバレル部26から前方へ突出して連結部22内に収容されており、連結部22には、導体11の前端部を覆う形態であって、導体22の前端部が拡がるのを規制可能な規制部30と、底壁23の剛性を高めるための補強部31とが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、端子金具及びワイヤーハーネスに関するものである。
特許文献1には、略前半部分が相手側端子との接続手段として機能する端子接続部となっており、略後半部分がオープンバレル状の電線圧着部となっている端子金具が開示されている。端子接続部の後端とワイヤバレル部の前端とは、連結部を介して連なっている。また、電線圧着部の前端側領域は、電線の導体を圧着するためのワイヤバレル部となっており、電線圧着部の後端側領域は、電線の被覆で覆われた部分を圧着するためのインシュレーションバレル部となっている。この端子金具では、導体が複数本の金属細線を撚り合わせた撚り線からなり、その導体の前端部がワイヤバレル部の前端よりも更に前方へ突出されている。
特開2005−222815公報
上記の端子金具において、導体をアルミニウム製とした場合、その酸化被膜を除去するためにワイヤバレル部に対する締付けを強くしなければならないが、締付けを強くすると、
ワイヤバレル部の前方では導体を構成する金属細線の撚りがばらけ、そのばらけた金属細線の前端部が拡がるように変形することになる。このようになると、拡がるように変形した金属細線とリテーナとが干渉する虞がある。
また、ワイヤバレル部に連なる連結部は、底面壁の左右両側縁から側壁を立ち上げた形態であって比較的剛性が低い。そのため、ワイヤバレル部に対する締付けが強くなった場合には、連結部が締付けの影響を受けて変形を来すことが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ワイヤバレル部に導体を圧着する際に、導体の前端部が拡がるように変形するのを防止するとともに、連結部が変形するのを防止することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、相手側端子に接続される端子接続部と、撚り線からなる導体を絶縁被覆で包囲した形態の電線を接続するためのオープンバレル状の電線圧着部と、底壁の左右両側縁から一対の側壁を立ち上げた形態であって、前記端子接続部の後端と前記電線圧着部の前端とを連結する連結部とを有しており、前記電線圧着部の前端側領域が、前記絶縁被覆を除去して露出させた前記導体を圧着するためのワイヤバレル部となっており、前記ワイヤバレル部に前記導体が圧着された状態では、前記導体の前端部が、前記ワイヤバレル部から前方へ突出して前記連結部内に収容されるようになっている端子金具において、前記連結部には、前記導体の前端部を覆う形態であって、前記導体の前端部が拡がるのを規制可能な規制部と、前記底壁と前記一対の側壁のうち少なくともいずれか1つの壁部の剛性を高めることを可能な補強部とが形成されているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記補強部は、リブ状に突出するように叩き出すことによって形成され、前記底壁から前記端子接続部を構成する壁部に亘って前後方向に延びた形態であるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記補強部が、前記一対の側壁の立ち上がり端縁から内側へ略L字形に延出してその対向面同士を突き当てた形態であるところに特徴を有する。
請求項4の発明は、撚り線からなる導体を絶縁被覆で包囲した形態の電線と、前記絶縁被覆を除去して露出させた前記導体が圧着により接続されているオープンバレル状のワイヤバレル部を有する端子金具とを備えたワイヤーハーネスにおいて、前記端子金具には、相手側端子に接続される端子接続部と、底壁の左右両側縁から一対の側壁を立ち上げた形態であって、前記端子接続部の後端と前記ワイヤバレル部の前端とを連結する連結部とが形成され、前記導体の前端部が、前記ワイヤバレル部から前方へ突出して前記連結部内に収容されており、前記連結部には、前記導体の前端部を覆う形態であって、前記導体の前端部が拡がるのを規制可能な規制部と、前記底壁と前記一対の側壁のうち少なくともいずれか1つの壁部の剛性を高めることを可能な補強部とが形成されているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記補強部は、リブ状に突出するように叩き出すことによって形成され、前記底壁から前記端子接続部を構成する壁部に亘って前後方向に延びた形態であるところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記補強部が、前記一対の側壁の立ち上がり端縁から内側へ略L字形に延出してその対向面同士を突き当てた形態であるところに特徴を有する。
<請求項1及び請求項4の発明>
連結部に規制部を形成したことにより、導体の前端部が拡がるように変形するのを防止できる。また、連結部に補強部を形成したことにより、連結部の変形を防止できる。
<請求項2及び請求項5の発明>
補強部を前後方向に亘って長く延びるように形成したので、連結部が端子接続部に対して相対変位するように変形することを規制できる。
<請求項3及び請求項6の発明>
一対の補強部がその延出端同士を突き当てた形態なので、側壁が内側へ倒れ込むように変形するのを防止できる。
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図3を参照して説明する。本実施形態のワイヤーハーネスは、電線10の前端部(図1における左側の端部)に端子金具20を導通可能に接続したものである。電線10は、複数本の金属細線を撚り合わせた撚り線からなる導体11と、導体11を包囲する絶縁被覆12とから構成されている。電線10の前端部においては、端子金具20との接続準備として、予め、絶縁被覆12が除去されることにより導体11の前端部が露出した状態となっている。導体11の材料としては、銅や、銅よりも剛性が高い材料(例えば、アルミニウム)や、銅よりも導電率の低い材料(例えば、アルミニウム)が用いられる。
端子金具20は、所定形状に打ち抜いた金属板材に曲げ加工等を施すことによって形成された雌形のものであり、前端側領域は角筒状をなす端子接続部21となっており、後端側領域はオープンバレル状の電線圧着部25となっている。端子接続部21は、雄形の相手端子に形成されている細長いタブ(図示せず)との接続手段として機能する周知形態のものである。
端子接続部21の後端と電線圧着部25の前端は、連結部22を介して連なっている。連結部22は、底壁23と底壁23の左右両側縁から上方へほぼ直角に立ち上がる左右対称な一対の側壁24とから構成され、連結部22の内部には、上方へ開放された空間が形成されている。
電線圧着部25は、連結部22の後端に連なるワイヤバレル部26と、ワイヤバレル部26よりも後方に位置するインシュレーションバレル部27とを備えて構成されている。インシュレーションバレル部27には、電線10の前端部のうち導体11を包囲する絶縁被覆12が残っている部分が、圧着により接続されている。圧着の際には、アプリケータと称される自動機(図示せず)が用いられ、ワイヤバレル部26における導体11の圧着と同時に、インシュレーションバレル部27において電線10が圧着される。圧着された状態では、電線10がインシュレーションバレル部27により全周に亘って包囲されて加圧された状態となり、この加圧により生じた固着力により、電線10がインシュレーションバレル部27に固着される。
ワイヤバレル部26は、連結部22の底壁23に連なる基板部28と、基板部28の左右両側縁から延出する左右対称な一対のカシメ片29とから構成される。このワイヤバレル部26には、電線10の前端部において絶縁被覆12が除去されて剥き出しになった導体11が、圧着により電気的導通可能に固着されている。圧着に際しては、自動機のアンビル(図示せず)に電線圧着部25をセットし、導体11を基板部28に載置するようにセットし状態で、クリンパ(図示せず)が下降して一対のカシメ片29を導体11に巻き付かせるように変形させる。これにより、基板部28と一対のカシメ片29が、導体11に対して加圧した状態で包囲するように圧着される。
圧着状態では、導体11の前端部はカシメ片29の前端縁よりも更に前方へ突出するように位置し、連結部22の底壁23及び両側壁24で囲まれた空間内に収容されている。ワイヤバレル部26に対する締付けを強くした場合、ワイヤバレル部26の前方(連結部22内)では、導体11を構成する金属細線の撚りがばらけ、そのばらけた金属細線の前端部が拡がるように変形することになる。
そこで、本実施形態では、導体11の前端部が拡がるのを防止する手段として、連結部22に左右対称な一対の規制部30が形成されている。一対の規制部30は、夫々、対応する側壁24の立ち上がり端縁から内側へ底壁23と略平行に延出した形態であり、ワイヤバレル部26の前方へ突出している導体11の前端部を上から覆っている。この規制部30の高さは、圧着状態におけるワイヤバレル部26のカシメ片29の最上端とほぼ同じ高さである。
ワイヤバレル部26に導体11が圧着された状態において、導体11の前端部がワイヤバレル部26よりも前方に配置されているため、圧着時に導体11の前端部が拡開変形することが懸念されるのであるが、連結部22には、導体11の前端部を上から押さえ付けるような庇状の規制部30を形成しているので、導体11の前端部の拡がりを規制することができる。
また、ワイヤバレル部26を強く締め付けた場合、ワイヤバレル部26に直接連なっている連結部22は、締付けの影響を受けて変形を来すことが懸念される。特に、連結部22は、底壁23から側壁24を立ち上げた上下開放の箱状をなしているので剛性が低く、ワイヤバレル部26側からの締付けの影響を受け易い。そこで、本実施形態では、連結部22に補強部31を形成している。補強部31は、底壁23の幅方向における中央部分を上方へ叩き出すことにより、上方へリブ状に突出した形態となっている。この補強部31は、前後方向において導体11の前端よりも少し前方の位置から、端子接続部21を構成する下面壁に亘って直線的に連続した形態で前後方向に延びている。
このように補強部31により、底壁23の曲げ剛性が高められているので、連結部22がワイヤバレル部26への締付けの影響を受けて変形する、という事態を回避できる。尚、本実施形態では補強部を底壁のみに形成したが、補強部は、底壁と側壁の両方に形成してもよく、側壁のみに形成してもよい。
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図4乃至図6を参照して説明する。本実施形態2のワイヤーハーネスは、端子金具40を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
本実施形態2の端子金具40は、実施形態1と同様、端子接続部41と電線圧着部45の間に連結部42を形成し、この連結部42に左右対称な一対の規制部52と同じく左右対称な一対の補強部51とを形成したものである。連結部42の左右両側壁44の立ち上がり端縁には、内側へ底壁43と略平行に延出する一対の水平延出部46が形成されている。水平延出部46の延出端縁における前端側領域には、側壁44と略平行に底壁43に向かって下向きに延出する一対の下向き延出部47が形成され、この一対の下向き延出部47はその対向面同士をほぼ密着させた状態(左右に重ね合わされた状態)となっている。この下向き延出部47の延出端部(下端部)には、側壁44側へ曲げることによって係止突起48が形成されている。
底壁43の幅方向中央位置には、前後方向に長い係止孔49が上下に貫通して形成されている。底壁43における係止孔49の左右両側縁部は、側壁44に近い部分に比べて段差状に高くなるように上方へ立ち上げられており、この段差状の曲げ加工により、底壁43の底面(下面)には、係止孔49の左右両側を凹ませた形態の凹部50が形成されている。
係止孔49には、上記一対の下向き延出部47の下端部が嵌合され、係止突起48が凹部50内に収容された状態となっている。尚、連結部42を成形する際には、係止突起48を形成しない状態で下向き延出部47を係止孔49に挿し込み、その後に、係止突起48を曲げ形成すればよい。水平延出部46の前端側領域と下向き延出部47と係止孔49と係止突起48と凹部50は、補強部51を構成している。
この補強部51においては、係止孔49と下向き延出部47との嵌合により、下向き延出部47の底壁43に対する前後左右への相対変位が規制され、係止突起48と凹部50との係止により、下向き延出部47の底壁43に対する上方への相対変位が規制され、下向き延出部47同士の当接により、側壁44の左右方向への相対変位が規制されている。以上の規制構造により、連結部42の曲げ剛性が高められているので、連結部42の変形が防止されている。
また、水平延出部46の後端側領域は、規制部52となっている。この規制部52は、実施形態1と同様、ワイヤバレル部よりも前方へ突出して連結部42内に収容されている電線10の導体11を、上から覆うように位置しており、この規制部52により、導体11の拡がるような変形が防止されている。
実施形態1の断面図 図1のA−A線断面図 図1のB−B線断面図 実施形態2の平面図 図4のX−X線断面図 図4のY−Y線断面図
符号の説明
10…電線
11…導体
12…絶縁被覆
20…端子金具
21…端子接続部
22…連結部
23…底壁
24…側壁
26…ワイヤバレル部
30…規制部
31…補強部
40…端子金具
41…端子接続部
42…連結部
43…底壁
44…側壁
51…補強部
52…規制部

Claims (6)

  1. 相手側端子に接続される端子接続部と、
    撚り線からなる導体を絶縁被覆で包囲した形態の電線を接続するためのオープンバレル状の電線圧着部と、
    底壁の左右両側縁から一対の側壁を立ち上げた形態であって、前記端子接続部の後端と前記電線圧着部の前端とを連結する連結部とを有しており、
    前記電線圧着部の前端側領域が、前記絶縁被覆を除去して露出させた前記導体を圧着するためのワイヤバレル部となっており、
    前記ワイヤバレル部に前記導体が圧着された状態では、前記導体の前端部が、前記ワイヤバレル部から前方へ突出して前記連結部内に収容されるようになっている端子金具において、
    前記連結部には、
    前記導体の前端部を覆う形態であって、前記導体の前端部が拡がるのを規制可能な規制部と、
    前記底壁と前記一対の側壁のうち少なくともいずれか1つの壁部の剛性を高めることが可能な補強部とが形成されていることを特徴とする端子金具。
  2. 前記補強部は、リブ状に突出するように叩き出すことによって形成され、前記底壁から前記端子接続部を構成する壁部に亘って前後方向に延びた形態であることを特徴とする請求項1記載の端子金具。
  3. 前記補強部が、前記一対の側壁の立ち上がり端縁から内側へ略L字形に延出してその対向面同士を突き当てた形態であることを特徴とする請求項1記載の端子金具。
  4. 撚り線からなる導体を絶縁被覆で包囲した形態の電線と、
    前記絶縁被覆を除去して露出させた前記導体が圧着により接続されているオープンバレル状のワイヤバレル部を有する端子金具とを備えたワイヤーハーネスにおいて、
    前記端子金具には、
    相手側端子に接続される端子接続部と、
    底壁の左右両側縁から一対の側壁を立ち上げた形態であって、前記端子接続部の後端と前記ワイヤバレル部の前端とを連結する連結部とが形成され、
    前記導体の前端部が、前記ワイヤバレル部から前方へ突出して前記連結部内に収容されており、
    前記連結部には、
    前記導体の前端部を覆う形態であって、前記導体の前端部が拡がるのを規制可能な規制部と、
    前記底壁と前記一対の側壁のうち少なくともいずれか1つの壁部の剛性を高めることが可能な補強部とが形成されていることを特徴とするワイヤーハーネス。
  5. 前記補強部は、リブ状に突出するように叩き出すことによって形成され、前記底壁から前記端子接続部を構成する壁部に亘って前後方向に延びた形態であることを特徴とする請求項4記載のワイヤーハーネス。
  6. 前記補強部が、前記一対の側壁の立ち上がり端縁から内側へ略L字形に延出してその対向面同士を突き当てた形態であることを特徴とする請求項4記載のワイヤーハーネス。
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