JP2010037448A - 二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】
高温のクリープ特性が優れる二軸配向ポリエステルフィルムであって磁気記録媒体とした際に環境変化による寸法変化が少なく、特に保存安定性が優れた磁気記録媒体とすることができる二軸配向ポリエステルフィルムを提供すること。
【解決手段】
フィルム幅方向の湿度膨張係数が0〜6[ppm/%RH]であり、フィルム長手方向の70℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスが0.10〜0.40[GPa−1]である二軸配向ポリエステルフィルムとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気テープなどの磁気記録媒体に用いられる支持体と、該支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体とに関する。
二軸配向ポリエステルフィルムはその優れた熱特性、寸法安定性、機械特性および表面形態の制御のしやすさから各種用途に使用されており、特に延伸技術を用いて高強度化した磁気記録媒体などの支持体としての有用性がよく知られている。近年、磁気テープなどの磁気記録媒体は、機材の軽量化、小型化、大容量化のため高密度記録化が要求されている。高密度記録化のためには、記録波長を短くし、記録トラックを小さくすることが有用である。しかしながら、記録トラックを小さくすると、テープ走行時における熱やテープ保管時の温湿度変化による変形により、記録トラックのずれが起こりやすくなるという問題がある。したがって、テープの使用環境および保管環境での寸法安定性といった特性の改善に対する要求がますます強まっている。特に近年、高速化によるドライブ内の駆動部の排熱増加やシステムの密集化などで、高温に曝される場合もあり保存安定性がさらに重要になっており、今までのポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどを用いたポリエステルフィルムでは厳しい要求を満足することは困難である。
この観点から、支持体には、強度、寸法安定性の点で二軸配向ポリエステルフィルムよりも優れた剛性の高い芳香族ポリアミドが用いられることがある。しかしながら芳香族ポリアミドは高価格でコストがかかり、汎用記録媒体の支持体としては現実的ではない。
ポリエステルフィルムの保存安定性を向上する技術は種々開示されている(特許文献1〜3)。しかしながら、これらは50℃のクリープ特性のみに着目しており、さらに厳しい保存安定性向上に関する技術は何ら開示されていない。
また、保存安定性は長手方向の張力や厚み方向の圧縮力の影響が大きく、長手方向や厚み方向の寸法安定性が重要であるが、これらを高めようとすると、幅方向の寸法安定性が悪化する。現在求められる厳しい要求の幅方向の寸法安定性を維持したまま保存安定性を向上させることは困難であった。
そこで、鋭意検討した結果、二軸配向ポリエステルフィルムを製膜後、70℃と50℃で熱処理を行うことで、幅方向の湿度膨張係数を低減したまま、70℃のクリープ特性を向上させることができ、磁気テープとした際に寸法安定性・保存安定性の両立が可能となり、上記多くの課題を解決できることを見出した。
特開2002−11786号公報 特開2006−274112号公報 特開2000−141475号公報
本発明の目的は、上記の問題を解決し、優れた二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。詳しくは、高温のクリープ特性が優れる二軸配向ポリエステルフィルムであって磁気記録媒体とした際に環境変化による寸法変化が少なく、特に保存安定性が優れた磁気記録媒体とすることができる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(7)を特徴とするものである。
(1)フィルム幅方向の湿度膨張係数が0〜6[ppm/%RH]であり、フィルム長手方向の70℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスが0.10〜0.40[GPa−1]である二軸配向ポリエステルフィルム。
(2)フィルム幅方向の温度膨張係数が−10〜10[ppm/℃]である、上記(1)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(3)フィルム長手方向の50℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスが0.10〜0.40[GPa−1]である、上記(1)または(2)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(4)フィルム長手方向の50℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスと、フィルム長手方向の70℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスとの差が0〜0.15[GPa−1]である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(5)フィルム厚み方向の温度膨張係数50〜250[ppm/℃]である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(6)フィルム厚み方向の湿度膨張係数0〜30[ppm/%RH]である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(7)融点が200℃〜280℃であるポリエステルを50〜99質量部、ガラス転移温度が100〜300℃の非晶性熱可塑性樹脂を0.5〜50質量部、および融点が280℃〜400℃の結晶性熱可塑性樹脂を0.1〜4質量部の割合でそれぞれ含有する、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(8)結晶核剤を0.2〜1質量%含有する、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムに磁性層を設けた磁気記録媒体。
本発明は、高温のクリープ特性が優れる二軸配向ポリエステルフィルムであって磁気記録媒体とした際に環境変化による寸法変化が少なく、特に保存安定性が優れた磁気記録媒体とすることができる二軸配向ポリエステルフィルムを得ることができる。
本発明において、ポリエステルフィルムとは、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸などの酸成分やジオール成分を構成単位(重合単位)とするポリマーで構成されたものである。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることができる。これらの酸成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等を好ましく用いることができ、特に好ましくは、エチレングリコール等を用いることができる。これらのジオール成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ポリエステルには、ラウリルアルコール、イソシアン酸フェニル等の単官能化合物が共重合されていてもよいし、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトール、2,4−ジオキシ安息香酸、等の3官能化合物などが、過度に分枝や架橋をせずポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。さらに酸成分、ジオール成分以外に、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の効果が損なわれない程度の少量であればさらに共重合せしめることができる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(ポリエチレン−2,6−ナフタレート)が好ましい。また、これらの共重合体や変性体でもよく、他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイでもよい。ここでいうポリマーアロイとは高分子多成分系のことであり、共重合によるブロックコポリマーであってもよいし、混合などによるポリマーブレンドでもよい。
本発明のポリエステルフィルムは非晶性熱可塑性樹脂とのポリマーアロイとすることにより、その混合割合によって耐熱性(ガラス転移温度)を制御でき、使用条件に合わせたポリマー設計ができるため好ましく用いられる。特に70℃クリープ特性はガラス転移温度が高いほど良好であるため、ポリマーアロイは有用である。ポリマーの混合割合は顕微FT−IR法(フーリエ変換顕微赤外分光法)やNMR法を用いて調べることができる。非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度の好ましい範囲は、150〜300℃であり、さらに好ましい範囲は200〜250℃である。
非晶性熱可塑性樹脂の非晶性とは、示差走査熱量測定(DSC)などを用いて試料を測定した場合、ガラス転移温度だけが検出されて、融点や融解ピークが検出されない特性のことである。さらに、非晶性熱可塑性樹脂はイミド基またはスルホン基を有する樹脂であることがポリエステルと相溶させる上で好ましく、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホンおよびポリスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいることが好ましい。特に、イミド基を有するポリエーテルイミドがポリエステルとの相溶性が高まりやすいため好ましい。ポリエーテルイミドは、イミド基からなるポリイミド構成成分にエーテル結合を含有する樹脂であり、下記一般式で示される。
Figure 2010037448
(ただし、上記式中Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族または脂肪族残基、Rは6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、および2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基である。)
上記R、Rとしては、例えば、下記式群に示される芳香族残基を挙げることができる。
Figure 2010037448
本発明では、ポリエステルや後述する結晶性熱可塑性樹脂との親和性、コスト、溶融成形性等の観点から、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミン、またはp−フェニレンジアミンとの縮合物である、下記式で示される繰り返し単位を有するポリマーが好ましい。
Figure 2010037448
または
Figure 2010037448
(nは2以上の整数、好ましくは20〜50の整数)
このポリエーテルイミドは、“ウルテム”(登録商標)の商品名で、SABICイノベーティブプラスチック社より入手可能であり、「Ultem1000」、「Ultem1010」、「Ultem1040」、「Ultem5000」、「Ultem6000」および「UltemXH6050」シリーズや「Extem XH」および「Extem UH」の登録商標名等で知られているものである。
また、本発明における非晶性熱可塑性樹脂は温度350℃、せん断速度100(1/秒)における溶融粘度が100〜600(Pa・S)であることが好ましい。非晶製熱可塑性樹脂の溶融粘度が100〜600(Pa・S)であると、ポリエステルや結晶性熱可塑性樹脂との混和性の点で好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは結晶性熱可塑性樹脂の微結晶による拘束点を形成しやすく、延伸工程における分子鎖配向を高めやすくするために結晶性熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。結晶性熱可塑性樹脂は、融点が280〜400℃が好ましい。結晶性熱可塑性樹脂の融点をポリエステルの融点より高くすることにより、分子鎖配向が高まると、強力化や寸法安定性向上による本願の効果を得やすくなる。結晶性熱可塑性樹脂の好ましい融点は、300〜370℃であり、さらに好ましい融点は、320〜360℃である。結晶性熱可塑性樹脂の結晶性とは、示差走査熱量測定(DSC)などを用いて試料を測定した場合、融点や融解ピークが検出される特性のことである。さらに、結晶性熱可塑性樹脂はケトン基、イミド基およびアミド基を有する樹脂であることが、非晶性熱可塑性樹脂やポリエステルと混合する上で好ましく、特に、ケトン基およびイミド基を有する樹脂であることが好ましい。中でも、芳香族ポリエーテルケトンまたは熱可塑性結晶性ポリイミドであることが好ましい。
芳香族ポリエーテルケトンは、その構造単位に芳香族結合、エーテル結合およびケトン結合を含む熱可塑性樹脂であり、その代表例として、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトンなどがあるが、本発明において、下記式で示されるポリエーテルエーテルケトン(融点343℃)が特に好ましい。ポリエーテルエーテルケトンは、ビクトレックス社やデグッサ社、ソルベイアドバンストポリマーズ社から入手可能である。
Figure 2010037448
また、熱可塑性結晶性ポリイミドは、イミド基を有する構造単位を含有しており、かつ、結晶性を有するものである。
本発明では、下記式で示されるポリイミド(融点380℃)を用いることが特に好ましい。下記式で示されるポリイミドは三井化学社より“オーラム”(登録商標)が入手可能である。
Figure 2010037448
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステルと上記した非晶性熱可塑性樹脂と上記した結晶性熱可塑性樹脂とを含むことが好ましい。好ましい含有量比はポリエステル50〜99質量部、非晶性熱可塑性樹脂0.5〜50質量部、結晶性熱可塑性樹脂0.1〜4質量部である。ポリエステルのさらに好ましい含有量比は70〜97質量部であり、特に好ましい範囲は85〜95質量部である。また、非晶性熱可塑性樹脂のさらに好ましい含有量比は2〜30質量部であり、特に好ましい含有量は3〜15質量部である。非晶性熱可塑性樹脂の含有量比が0.5質量部未満であると、フィルムのガラス転移温度上昇が十分でないため、耐熱性、耐湿熱性や寸法安定性に十分でないことがある。また、50質量部を超えると、フィルムの製膜性が悪化し、生産コストが高くなる。また、結晶性熱可塑性樹脂のさらに好ましい含有量比は0.5〜3質量部であり、特に好ましい含有量比は0.8〜2質量部である。結晶性熱可塑性樹脂の含有量比が0.1質量部未満であると、ポリエステルフィルム中で拘束点となる部分が低減するため、本発明の高配向化の効果を得ることが十分ではないことがあり、また、結晶性熱可塑性樹脂の含有量比が10質量部を超えると、ポリエステルフィルムの二軸延伸において、十分な分子鎖配向を与えることができなかったり、フィルム表面が粗くなりやすくなったりして、例えば、磁気記録媒体用に使用する場合に電磁変換特性が低くなりやすく、本発明の効果が得られないことがある。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、結晶性熱可塑性樹脂が非晶性熱可塑性樹脂を介してポリエステル中に分散しており、結晶性熱可塑性樹脂を主成分とする拘束点が存在するため、ポリエステルの分子鎖配向を高めやすくなる。上記拘束点は、レーザーラマン分光による分子鎖配向解析や広角X線による結晶配向によりその存在を確認することができる。また、固体NMRによる緩和時間の解析や固体粘弾性解析によりその存在を確認することができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは結晶核剤を0.2〜1質量%含有することが好ましい。さらに好ましい含有量は0.2〜0.7質量%であり、より好ましい含有量は0.3〜0.5質量%である。この結晶核剤の含有量として、0.1質量%未満では効果が十分ではなく、一方、1質量%を超えると結晶化が進行しすぎて、フィルム延伸性が不良になったり、表面特性が不良となったりすることがある。ここで、結晶核剤とはポリエステルフィルムに用いられる樹脂組成物の溶融結晶化ピークを高温化することで、溶融状態からの結晶化が促進させる効果のある添加剤である。
結晶核剤として、例えば、モンタン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が挙げられる。また、4−第三ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウムなどのカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェートなどの酸性リン酸エステル金属塩、ジベンジルソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビドールなどの多価アルコール誘導体なども好ましく例示される。本発明のポリエステルに適用する場合、中でも、モンタン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が好ましく、特に、モンタン酸ナトリウムが相溶性や本発明の効果を発現する上で好ましい。
非晶製熱可塑性樹脂を含有しないポリエステルでは、結晶核剤を含むことで未延伸シーティング工程で溶融結晶化が起こりやすくなり、それとともに延伸工程で配向結晶化も起こるため、延伸工程で過度に結晶化が進みすぎてフィルム破れが生じたり、高倍率延伸による高ヤング率化や寸法安定性向上が困難である場合がある。本発明の二軸配向ポリエステルフィルムにおいては、結晶核剤が未延伸シーティング工程で溶融結晶化により拘束点を生成し、延伸工程ではすでに拘束点が生成されているため配向結晶化を抑制され効果的に分子鎖配向を高める効果を奏する。したがって、配向結晶化が進むのを抑制しながら非晶分子鎖の緊張を高めやすく、温度膨張係数・湿度膨張係数やクリープ特性のような分子鎖緊張に依存する特性を制御することができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、幅方向の湿度膨張係数が0〜6.0ppm/%RHである。湿度膨張係数が上記範囲内であることは、磁気記録媒体用に用いた場合に磁気記録媒体の記録再生時の湿度変化による寸法安定性や高湿条件での保存後の寸法安定性が良好となる。幅方向の湿度膨張係数の上限は、好ましくは5.0ppm/%RH、さらに好ましくは4.5ppm/%RHである。幅方向の湿度膨張係数の下限を0ppm/%RHより小さくするためには、幅方向の配向をかなり高める必要があり、実質的に二軸配向ポリエステルフィルムを得ることが困難であり、得ることができても長手方向のクリープ特性が悪化してしまう。より好ましい範囲としては、0〜5.0ppm/%RH、さらに好ましい範囲としては0〜4.5ppm/%RHである。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは長手方向の70℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスが0.10〜0.40[GPa−1]である。
最近の磁気材料用途においては、高容量化も要求されているが、さらに長時間保管での保存安定性が特に厳しくなっている。今まで50℃でのクリープコンプライアンスが注目されていた。これは磁気テープの記録再生時の磁気ヘッドとの摩擦等によって、テープ周辺の温度が上昇する時の温度であり、テープの使用環境を想定した条件であった。近年、さらなる高速化やドライブ内の可動部の排熱増加などさらに高温に曝される場合もあり、50℃だけでなく70℃でのクリープ特性が重要であることがわかった。
70℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスが0.10[GPa−1]未満であるとテープが破断しやすく、また幅方向の変形に対して弱くなる傾向にある。0.40[GPa−1]より大きくなると伸び変形しやすく、特に保存時の巻き取られた状態で変形が大きくなるため保存安定性が悪くなることがある。より好ましくは下限が0.12[GPa−1]、上限が0.35[GPa−1]、さらに好ましくは下限が0.15[GPa−1]、上限が0.30[GPa−1]である。より好ましい範囲は0.12〜0.35[GPa−1]であり、さらに好ましい範囲は0.15〜0.30[GPa−1]である。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは長手方向の50℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスも0.10〜0.35[GPa−1]であることが好ましい。
50℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスが0.10[GPa−1]未満であるとテープが破断しやすく、また幅方向の変形に対して弱くなる。0.35[GPa−1]より大きくなると伸び変形しやすく、走行耐久性が悪化したり、トラックずれをしたりする課題がある。より好ましくは下限が0.12[GPa−1]、上限が0.25[GPa−1]、さらに好ましくは下限が0.15[GPa−1]、上限が0.20[GPa−1]である。より好ましい範囲は0.12〜0.30[GPa−1]であり、さらに好ましい範囲は0.15〜0.27[GPa−1]である。
さらに、上記した条件における50℃と70℃のクリープコンプライアンスの差が0〜0.15[GPa−1]であることが好ましい。クリープコンプライアンスの差が小さいということは温度変化による物性の変化が小さいということであり、保存安定性が優れていることを示している。また、温度ムラなどで部分的に高温になった場合でも、そこだけが顕著に変形することを防ぐことができる。0.15[GPa−1]より大きくなると、温度変化により物性が大きく変わるため保存安定性が悪くなり、また局所的に温められた時に局所的な変形がおこるなどの問題がある。上記したクリープコンプライアンスの差は、より好ましくは0〜0.1、さらに好ましくは、0〜0.08である。上記したクリープコンプライアンスの差は加熱処理によって制御することができる。各温度のクリープコンプライアンスはポリエステルフィルムを製膜後に各温度で加熱処理することで小さくすることができる。上記したクリープコンプライアンスの差は各温度で加熱処理を行い、ともにクリープコンプライアンスを小さくすることで差も小さくなる。また、70℃のクリープコンプライアンスを50℃のクリープコンプライアンスに近づくような加熱処理条件を適宜設定し行うことでも上記したクリープコンプライアンスの差を小さくすることもできる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、幅方向の温度膨張係数が−10.0〜10.0ppm/℃であることが好ましい。温度膨張係数が上記範囲内であることは、例えば磁気記録媒体用に用いた場合に磁気記録媒体の記録再生時の温度変化による寸法安定性や高温条件での保存後の寸法安定性の観点から好ましい。幅方向の温度膨張係数の上限は、好ましくは7.0ppm/℃、さらに好ましくは5.0ppm/℃であり、下限は、好ましくは−5.0ppm/℃、さらに好ましくは−3.0ppm/℃である。幅方向の温度膨張係数を−10.0ppm/℃より小さくするためには、幅方向の配向をかなり高める必要があり、実質的に二軸配向ポリエステルフィルムを得ることが困難であり、得ることができても長手方向のクリープ特性が悪化してしまう。より好ましい範囲としては、−5.0〜7.0ppm/℃、さらに好ましい範囲としては−3.0〜5.0ppm/℃である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは厚み方向の温度膨張係数は50〜250[ppm/℃]であることが好ましい。250[ppm/℃]より大きい場合、磁気テープは巻き取られた状態で保管されるため、厚み方向に膨張すると特に巻き芯側で圧縮力が発生する。圧縮された磁気テープは幅方向に広げられるため、トラックずれが起こりやすくなる。厚み方向の温度膨張係数を50[ppm/℃]未満にするには、厚み方向の配向をかなり高める必要があり、実質的に二軸配向ポリエステルフィルムを得ることが困難である。厚み方向の温度膨張係数の上限は好ましくは200[ppm/℃]、さらに好ましくは150[ppm/℃]である。下限は好ましくは75[ppm/℃]、さらに好ましくは100[ppm/℃]である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは厚み方向の湿度膨張係数は0〜30[ppm/℃]であることが好ましい。30[ppm/%RH]より大きい場合、温度膨張係数と同様に厚み方向に膨張すると特に巻き芯側で圧縮力が発生する。圧縮された磁気テープは幅方向に広げられるため、トラックずれが起こりやすくなる。厚み方向の湿度膨張係数を0[ppm/℃]未満にするには、厚み方向の配向をかなり高める必要があり、実質的に二軸配向ポリエステルフィルムを得ることが困難である。厚み方向の湿度膨張係数の上限は好ましくは25[ppm/℃]、さらに好ましくは20[ppm/℃]である。厚み方向の温湿度膨張係数は長手方向、幅方向の延伸によって影響される。通常、長手方向、幅方向に延伸されればされるほど、厚み方向の温湿度膨張係数は大きくなる。これは分子鎖が面内方向に配向するため、厚み方向の配向が低下するためである。しかし、結晶性熱可塑性樹脂や結晶核剤による拘束点が存在すると厚み方向にも分子鎖が緊張しやすくなる。分子鎖が緊張すると温度や湿度の変化に対して分子鎖の運動が制限されるため、厚み方向の温湿度膨張係数は小さくなりやすい。厚み方向の温湿度膨張係数は拘束点が多いほど小さくすることができ、拘束点の数によって制御することができる。拘束点の数は結晶性熱可塑性樹脂の濃度や結晶核剤の添加量によって制御することができる。
本発明において、二軸配向ポリエステルフィルムは2層以上の積層構成であることが好ましい。特に、本発明の支持体は、磁気記録媒体に用いるため、一方の表面には、優れた電磁変換特性を得るための平滑さが求められ、他方の表面には、製膜・加工工程での搬送性や、磁気テープの走行性や走行耐久性を付与するための粗さが求められる。そのため、ポリエステルフィルムを2層以上の積層構成にすることが好ましい。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを磁気記録媒体用として用いる場合、磁性層を設ける側の表面(A)の中心線平均粗さRaAが0.5nm〜10nmであることが好ましい。磁性層を設ける側の表面(A)のRaAが0.5nmより小さい場合は、フィルム製造、加工工程などで、搬送ロールなどとの摩擦係数が大きくなり、工程トラブルを起こすことがあり、磁気テープとして用いる場合に、磁気ヘッドとの摩擦が大きくなり、磁気テープ特性が低下しやすい。また、RaAが10nmより大きい場合は、高密度記録の磁気テープとして用いる場合に、電磁変換特性が低下することがある。磁性層を設ける側の表面(A)のRaAの下限は、より好ましくは1nm、さらに好ましくは2nmであり、上限は8nm、さらに好ましくは6nmである。より好ましい範囲としては、1〜8nm、さらに好ましい範囲としては、2〜6nmである。
一方、バックコート層側の表面(B)の中心線平均粗さRaBは3〜30nmであることが好ましい。バックコート層側の表面(B)のRaBが3nmより小さい場合は、フィルム製造、加工工程などで、搬送ロールなどとの摩擦係数が大きくなり、工程トラブルを起こすことがあり、磁気テープとして用いる場合に、ガイドロールとの摩擦が大きくなり、テープ走行性が低下することがある。また、RaBが30nmより大きい場合は、フィルムロールやパンケーキとして保管する際に、表面突起が反対側の表面に転写し、電磁変換特性が低下する傾向がある。バックコート層側の表面(B)のRaBの下限は、より好ましくは5nm、さらに好ましくは7nmであり、上限は20nm、さらに好ましくは15nmである。より好ましい範囲としては、5〜20nm、さらに好ましい範囲としては7〜15nmである。
本発明において、二軸配向ポリエステルフィルムとしての厚みは、用途に応じて適宜決定できるが、通常磁気記録媒体用途では1〜7μmが好ましい。この厚みが1μmより小さい場合、磁気テープにした際に電磁変換特性が低下することがある。一方、この厚みが7μmより大きい場合は、テープ1巻あたりのテープ長さが短くなるため、磁気テープの小型化、高容量化が困難になる場合がある。したがって、高密度磁気記録媒体用途の場合、厚みの下限は、好ましくは2μm、より好ましくは3μmであり、上限は、好ましくは6.5μm、より好ましくは6μmである。より好ましい範囲としては2〜6.5μm、より好ましい範囲としては3〜6μmである。
上記したような本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、たとえば次のように製造される。
まず、二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムを製造する。ポリエステルフィルムを製造するには、たとえばポリエステルのペレットを、押出機を用いて溶融し、口金から吐出した後、冷却固化してシート状に成形する。このとき、繊維焼結ステンレス金属フィルターによりポリマーを濾過することが、ポリマー中の未溶融物を除去するために好ましい。また、ポリエステルフィルムの表面に易滑性や耐摩耗性、耐スクラッチ性などを付与するため、無機粒子、有機粒子、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カリオン、タルク、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、熱硬化樹脂、シリコーン、イミド系化合物等を構成成分とする有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)などを添加することも好ましい。さらに、本発明を阻害しない範囲内であれば、各種添加剤、例えば、相溶化剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、などが添加されてもよい。
続いて、上記シートを長手方向と幅方向の二軸に延伸した後、熱処理する。延伸工程は、特に限定されないが、各方向において2段階以上に分けることが好ましい。すなわち再縦、再横延伸を行う方法が高密度記録の磁気テープとして最適な高強度のフィルムが得られ易いために好ましい。
延伸形式としては、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行うなどの逐次二軸延伸法や、同時二軸テンター等を用いて長手方向と幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法、さらに、逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法を組み合わせた方法などが包含される。
特に同時二軸延伸法を用いることが好ましい。本発明では、ポリエステルフィルム中に均一に結節点を形成させることが重要であり、延伸工程においてその性能を用いて分子鎖緊張を増大させるには、逐次二軸延伸の各工程で徐々に分子鎖緊張させるより、同時二軸延伸を用いて、長手方向と幅方向に均一に分子鎖緊張させることが高倍率に延伸しやすくなり、特に有効である。また、同時二軸延伸は結節点が多数形成されている場合、厚み方向にも分子鎖が緊張しやすく、厚み方向の温度膨張係数・湿度膨張係数を低減するのに好ましい。なお、ここでいう同時二軸延伸とは、長手方向と幅方向の延伸が同時に行われる工程を含む延伸方式である。必ずしも、すべての区間で長手方向と幅方向が同時に延伸されている必要はなく、長手方向の延伸が先にはじまり、その途中から幅方向にも延伸を行い(同時延伸)、長手方向の延伸が先に終了し、残りを幅方向のみ延伸するような方式でもよい。延伸装置としては、例えば同時二軸延伸テンターなどが好ましく例示され、中でもリニアモータ駆動式の同時二軸テンターが破れなくフィルムを延伸する方法として特に好ましい。
以下、本発明の支持体の製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(PET)をポリエステルとして用いた例を代表例として説明する。もちろん、本願はPETフィルムを用いた支持体に限定されるものではなく、他のポリマーを用いたものものでもよい。例えば、ガラス転移温度や融点の高いポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどを用いてポリエステルフィルムを構成する場合は、以下に示す温度よりも高温で押出や延伸を行えばよい。
まず、ポリエチレンテレフタレートを準備する。ポリエチレンテレフタレートは、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低分子量のポリエチレンテレフタレートまたはオリゴマーを得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低分子量体を得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセスである。ここで、エステル化は無触媒でも反応は進行するが、エステル交換反応においては、通常、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム、チタン等の化合物を触媒に用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加する場合もある。
フィルムを構成するポリエステルに不活性粒子を含有させる場合には、エチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散させ、このエチレングリコールを重合時に添加する方法が好ましい。不活性粒子を添加する際には、例えば、不活性粒子の合成時に得られる水ゾルやアルコールゾル状態の粒子を一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性がよい。また、不活性粒子の水スラリーを直接PETペレットと混合し、ベント式二軸混練押出機を用いて、PETに練り込む方法も有効である。不活性粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高濃度の不活性粒子のマスターペレットを作っておき、それを製膜時に不活性粒子を実質的に含有しないPETで希釈して不活性粒子の含有量を調節する方法が有効である。
次に、得られたPETのペレットを、180℃で3時間以上減圧乾燥した後、固有粘度が低下しないように窒素気流下あるいは減圧下で、270〜320℃に加熱された押出機に供給し、スリット状のダイから押出し、キャスティングロール上で冷却して未延伸フィルムを得る。この際、異物や変質ポリマーを除去するために各種のフィルター、例えば、焼結金属、多孔性セラミック、サンド、金網などの素材からなるフィルターを用いることが好ましい。また、必要に応じて、定量供給性を向上させるためにギアポンプを設けてもよい。フィルムを積層する場合には、2台以上の押出機およびマニホールドまたは合流ブロックを用いて、複数の異なるポリマーを溶融積層する。
次に、この未延伸フィルムを同時二軸延伸テンターに導いて、長手および幅方向に同時に二軸延伸を行う。延伸速度は長手、幅方向ともに100〜20,000%/分の範囲で行うのが好ましい。より好ましくは、500〜10,000%/分、さらに好ましくは2,000〜7,000%/分である。延伸速度が100%/分よりも小さい場合には、フィルムが熱にさらされる時間が長くなるため、特にエッジ部分が結晶化して延伸破れの原因となり製膜性が低下したり、十分に分子配向が進まず、製造したフィルムのヤング率が低下したりすることがある。また、20,000%/分よりも大きい場合には、延伸時点で分子間の絡み合いが生成しやすくなり、延伸性が低下して、高倍率の延伸が困難となることがある。
また、1段目の延伸温度は、用いるポリマーの種類によって異なるが、未延伸フィルムのガラス転移温度Tgを目安として決めることができる。長手方向および幅方向それぞれの1段目の延伸工程における温度は、Tg〜Tg+30℃の範囲であることが好ましく、より好ましくはTg+5℃〜Tg+20℃である。上記範囲より延伸温度が低い場合には、フィルム破れが多発して生産性が低下したり、再延伸性が低下したりして、高倍率に安定して延伸することが困難となることがある。また、上記範囲よりも延伸温度が高い場合には、特にエッジ部分が結晶化して延伸破れの原因となり製膜性が低下したり、十分に分子配向が進まず、製造したフィルムのヤング率が低下したりすることがある。
延伸倍率は、用いるポリマーの種類や延伸温度によって異なり、また多段延伸の場合も異なるが、総面積延伸倍率(総縦延伸倍率×総横延伸倍率)が、20〜40倍の範囲になるようにすることが好ましい。より好ましくは25〜35倍である。長手方向、幅方向の一方向の総延伸倍率としては、2.5〜8倍が好ましく、より好ましくは、3〜7倍である。延伸倍率が上記範囲より小さい場合には、延伸ムラなどが発生しフィルムの加工適性が低下することがある。また、延伸倍率が上記範囲より大きい場合には、延伸破れが多発して、生産性が低下する場合がある。なお、各方向に関して延伸を多段で行う場合、1段目の長手、幅方向それぞれにおける延伸倍率は、3〜7倍が好ましく、より好ましくは4〜6倍である。また、1段目における好ましい面積延伸倍率は8〜16倍であり、より好ましくは、9〜14倍である。これらの延伸倍率の値は、特に同時二軸延伸法を採用する場合に好適な値であるが、逐次二軸延伸法でも適用できる。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法が多段延伸、すなわち再延伸工程を含む場合、2段目の延伸温度はTg+40℃〜Tg+120℃が好ましく、さらに好ましくはTg+60℃〜Tg+100℃である。(なお、3段の延伸を行う場合、2段目の延伸温度としては上記温度範囲の中でも比較的低い延伸温度とする方がよい)。延伸温度が上記範囲を外れる場合には、熱量不足や結晶化の進みすぎによって、フィルム破れが多発して生産性が低下したり、十分に配向を高めることができず、強度が低下する場合がある。さらに3段目の延伸を行う場合には、3段目の延伸温度は2段目の延伸温度よりも高く、後述する熱処理の温度よりも低いことが好ましい。なお、3段目の延伸を行うとはヤング率や熱的寸法安定性が向上し易い。
また、再延伸を行う場合の一方向における延伸倍率は、1.05〜2.5倍が好ましく、より好ましくは1.2〜1.8倍である。再延伸の面積延伸倍率としては、1.4〜4倍が好ましく、より好ましくは1.9〜3倍である。さらに3段目の延伸を行う場合には、3段目の延伸倍率(一方向)は、1.05〜1.2倍が好ましく、面積延伸倍率は1.1〜1.4が好ましい。続いて、この延伸フィルムを緊張下または幅方向に弛緩しながら熱処理する。熱処理条件は、ポリマーの種類によっても異なるが、熱処理温度は、150℃〜230℃が好ましく、熱処理時間は0.5〜10秒の範囲で行うのが好ましい
その後、フィルムエッジを除去し、ロールに巻き取る。そして、本発明の寸法安定性や保存安定性の効果をさらに高めるために、フィルムをコアに巻いた状態(ロール状フィルム)で、熱風オーブンなどで温度を変えて加熱処理することが必要である。加熱処理(1)の雰囲気温度は、65〜75℃で行い、一度巻き返して巻芯側と表層側を入れ替えてさらに65〜75℃で行う必要がある。巻き返すことでロールの巻き芯部分・表層部分での物性ムラを低減し、保存安定性をさらに高めることができる。加熱処理(1)の雰囲気温度は70℃がより好ましい。さらに雰囲気温度を45〜55℃に下げ、加熱処理(2)を行い、一度巻き返して巻芯側と表層側を入れ替えて45〜55℃で行うことが好ましい。加熱処理(2)の雰囲気温度は50℃がより好ましい。加熱処理(1)、(2)は分子鎖の歪みをとり、緊張度合いを高め、特にクリープ変形量を小さくさせる。2段階の温度で加熱処理をすると各温度で分子鎖の安定構造をとり、各温度近傍のクリープ変形量が小さくなりやすい。各熱処理時間は、10〜360時間の範囲が好ましく、より好ましくは24〜240時間の範囲、さらに好ましくは72〜168時間の範囲である。
また、結晶性熱可塑性樹脂や結晶核剤による拘束点が存在するとさらに分子鎖が緊張したまま安定するためクリープ変形量が小さくなりやすい。
クリープ変形や温湿度膨張係数はフィルムの配向が関与しており、高配向であるほど小さくなりやすい。フィルムの配向は延伸によって高めることができ、低温で延伸倍率が大きいほど配向は高くなる。フィルム長手方向のクリープ特性を向上させるには長手方向の延伸倍率を大きくすることが有効であり、幅方向の温湿度膨張係数を向上させるには幅方向の延伸倍率を大きくすることが有効である。しかし、ポリエステルフィルムは長手方向の延伸倍率を大きくすると幅方向に延伸しにくくなり、幅方向の延伸倍率を高めることができない。そこで、幅方向の延伸で幅方向の配向は維持しつつ、長手方向のクリープ変形は加熱処理(1)(2)で低減させる。ロールの状態では長手方向に若干張力がかかった状態であり加熱処理によって配向緩和がおこりにくく、特にクリープ変形量を小さくできる。
また、融点が200℃〜280℃であるポリエステルを50〜99質量部、ガラス転移温度が100〜300℃の非晶性熱可塑性樹脂を0.5〜50質量部、および融点が280℃〜400℃の結晶性熱可塑性樹脂を0.1〜4質量部の割合でそれぞれ含有する二軸配向ポリエステルフィルムは例えば次のように製造される。
PETと非晶性熱可塑性樹脂ポリエーテルイミドおよび結晶性熱可塑性樹脂芳香族ポリエーテルケトンを混合する方法としては、溶融押出前に、
(1)ポリエーテルイミドと芳香族ポリエーテルケトンの混合物を予備溶融混練(ペレタイズ)
(2)(1)で得られた組成物とPETとの混合物を予備溶融混練(ペレタイズ)してマスターチップ化する
2段階の溶融混練が好ましく例示される。その場合、二軸押出機などのせん断応力のかかる高せん断混合機を用いて予備混練してマスターチップ化する方法が好ましい。二軸押出機で混合する場合、分散不良物を低減させる観点から、3条二軸タイプまたは2条二軸タイプのスクリューを装備したものが好ましい。2段階の溶融混練を用いることで、本来はPETに混合できない芳香族ポリエーテルケトンを、ポリエーテルイミドを介して本発明の二軸配向ポリエステルフィルム中に混合しやすくなる。本発明では、1段目の混練において、ポリエーテルイミドと芳香族ポリエーテルケトンとを混合する。溶融温度300〜400℃の範囲で、好ましくは340〜400℃の範囲で、ポリエーテルイミドを高濃度に混合したマスターチップを作製することが好ましく、特に、ポリエーテルイミド/芳香族ポリエーテルケトンの混合質量比率を50/50〜90/10とするのが好ましく、より好ましい範囲は60/40〜80/20の範囲である。さらに、1段目の混練で得られた組成物を、2段目の混練でPETに混合する。1段目の混練で得られたブレンドチップを150℃で3時間減圧乾燥して、2段目の混練を行う。2段目の混練で使用するポリエステルとして、IVが0.8以上、好ましくは1.0以上の高粘度のPETを用いて、PET/(ポリエーテルイミドと芳香族ポリエーテルケトンのブレンド組成物)の混合質量比率を60/40〜90/10とするのが好ましく、より好ましい範囲は70/30〜80/20の範囲である。この方法は、高粘度PETによりせん断応力を高くして混合力を高めつつ、かつ、芳香族ポリエーテルケトンの混合量を調整して溶融粘度を極度に高くなりすぎないようにして、フィルム中における粗大異物を低減できて延伸性低下を抑制できたり、表面粗さが極度に大きくならないようにすることができるため、重要である。
また一方、PETとポリエーテルイミドとの混合物を予備溶融混練(ペレタイズ)してマスターチップ化した組成物原料も作製しておき、適宜ポリエーテルイミドの含有量を調整することができる。また、PETとポリエーテルイミドとを混合する場合、溶融粘度の差があるため、ポリイミド樹脂を高濃度に混合したマスターチップを作製することが好ましく、特に、PET/ポリエーテルイミドの混合質量比率を10/90〜70/30とするのが好ましく、より好ましい範囲は30/70〜60/40の範囲である。
フィルム化する場合、通常の一軸押出機に該混合されたマスターチップ原料を投入して溶融製膜してもよいし、高せん断を付加した状態でマスターチップ化せずに直接にシーティングしてもよい。
また、二軸押出機でペレタイズする場合、スクリュー回転数を100〜500回転/分とすることが好ましく、さらに好ましくは200〜400回転/分の範囲である。スクリュー回転数を好ましい範囲に設定することでも、高いせん断応力が付加され易く、分散不良物を低減しやすくなる。また、二軸押出機の(スクリュー軸長さ/スクリュー軸径)の比率は20〜60の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは30〜50の範囲である。
さらに、二軸スクリューにおいて、混練力を高めるためにニーディングパドルなどによる混練部を設けることが好ましく、その混練部を好ましくは2箇所以上、さらに好ましくは3箇所以上設けたスクリュー形状にするとよい。この際、原料の混合順序には特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、プラスチック成形加工学会誌「成形加工」第15巻第6号、382〜385頁(2003年)に記載された超臨界流体を利用する方法なども好ましく例示することができる。
次に、磁気記録媒体を製造する方法を説明する。上記のようにして得られた磁気記録媒体用支持体(二軸配向ポリエステルフィルム)を、たとえば0.1〜3m幅にスリットし、速度20〜300m/min、張力50〜300N/mで搬送しながら、一方の面(A)に磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布する。なお、上層に磁性塗料を厚み0.1〜0.3μmで塗布し、下層に非磁性塗料を厚み0.5〜1.5μmで塗布する。その後、磁性塗料および非磁性塗料が塗布された支持体を磁気配向させ、温度80〜130℃で乾燥させる。次いで、反対側の面(B)にバックコートを厚み0.3〜0.8μmで塗布し、カレンダー処理した後、巻き取る。なお、カレンダー処理は、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)を用い、温度70〜120℃、線圧0.5〜5kN/cmで行う。その後、60〜80℃にて24〜72時間エージング処理し、1/2インチ(1.27cm)幅にスリットし、パンケーキを作製する。次いで、このパンケーキから特定の長さ分をカセットに組み込んで、カセットテープ型磁気記録媒体とする。
ここで、磁性塗料などの組成は例えば以下のような組成が挙げられる。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100質量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 10質量部
・変成ポリウレタン : 10質量部
・ポリイソシアネート : 5質量部
・2−エチルヘキシルオレート : 1.5質量部
・パルミチン酸 : 1質量部
・カーボンブラック : 1質量部
・アルミナ : 10質量部
・メチルエチルケトン : 75質量部
・シクロヘキサノン : 75質量部
・トルエン : 75質量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95質量部
・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10質量部
・アルミナ : 0.1質量部
・変成ポリウレタン : 20質量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 30質量部
・シクロヘキサノン : 200質量部
・メチルエチルケトン : 300質量部
・トルエン : 100質量部
磁気記録媒体は、例えば、データ記録用途、具体的にはコンピュータデータのバックアップ用途(例えばリニアテープ式の記録媒体(LTO4やLTO5など))や映像などのデジタル画像の記録用途などに好適に用いることができる。
(物性の測定方法ならびに効果の評価方法)
本発明における特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りである。
(1)幅方向の温度膨張係数
フィルムの幅方向に対して、下記条件にて測定を行い、3回の測定結果の平均値を本発明における温度膨張係数とする。
・測定装置:島津製作所製熱機械分析装置TMA−50
・試料サイズ:フィルム長手方向10mm×フィルム幅方向12.6mm
・荷重:0.5g
・測定回数:3回
・測定温度:窒素をフローした状態で温度25℃から昇温速度2℃/分で温度50℃まで昇温して、5分間保持した後、温度25℃まで降温速度2℃/分で降温し、温度40〜30℃のフィルム幅方向の寸法変化量ΔL(mm)を測定する。次式から温度膨張係数(ppm/℃)を算出する。
・温度膨張係数(ppm/℃)=10×{(ΔL/12.6)/(40−30)}
(2)幅方向の湿度膨張係数
フィルムの幅方向に対して、下記条件にて測定を行い、3回の測定結果の平均値を本発明における湿度膨張係数とする。
・測定装置:島津製作所製熱機械分析装置TMA−50(湿度発生器:アルバック理工製湿度雰囲気調節装置HC−1)
・試料サイズ:フィルム長手方向10mm×フィルム幅方向12.6mm
・荷重:0.5g
・測定回数:3回
・測定温度:30℃
・測定湿度:40%RHで6時間保持し寸法を測定し時間40分で80%RHまで昇湿し、80%RHで6時間保持したあと支持体幅方向の寸法変化量ΔL(mm)を測定する。次式から湿度膨張係数(ppm/%RH)を算出する。
・湿度膨張係数(ppm/%RH)=10×{(ΔL/12.6)/(80−40)}
(3)ヤング率
ASTM−D882(1997年)に準拠してフィルムのヤング率を測定する。なお、インストロンタイプの引張試験機を用い、条件は下記のとおりとする。5回の測定結果の平均値を本発明におけるヤング率とする。
・測定装置:インストロン社製超精密材料試験機MODEL5848
・試料サイズ:
フィルム幅方向のヤング率測定の場合
フィルム長手方向2mm×フィルム幅方向12.6mm
(つかみ間隔はフィルム幅方向に8mm)
フィルム長手方向のヤング率測定の場合
フィルム幅方向2mm×フィルム長手方向12.6mm
(つかみ間隔はフィルム長手方向に8mm)
・引張り速度:1mm/分
・測定環境:温度23℃、湿度65%RH
・測定回数:5回測定し、平均値から算出する。
(4)中心線平均粗さRa
触針式表面粗さ計を用いて下記条件にてフィルムの中心線平均粗さRaを測定する。フィルム幅方向に20回走査して測定を行い、得られた結果の平均値を本発明における中心線平均粗さRaとする。
・測定装置 :小坂研究所製高精度薄膜段差測定器ET−10
・触針先端半径:0.5μm
・触針荷重 :5mg
・測定長 :1mm
・カットオフ値:0.08mm
・測定環境 :温度23℃湿度65%RH
(5)ガラス転移温度(Tg)
下記装置および条件で比熱測定を行い、JIS K7121(1987年)に従って決定する。
・装置 :TA Instrument社製温度変調DSC
・測定条件:
・加熱温度 :270〜570K(RCS冷却法)
・温度校正 :高純度インジウムおよびスズの融点
・温度変調振幅:±1K
・温度変調周期:60秒
・昇温ステップ:5K
・試料重量 :5mg
・試料容器 :アルミニウム製開放型容器(22mg)
・参照容器 :アルミニウム製開放型容器(18mg)
なお、ガラス転移温度は下記式により算出する。
ガラス転移温度=(補外ガラス転移開始温度+補外ガラス転移終了温度)/2
(6)融点(Tm)、溶融結晶化ピーク温度
示差走査熱量計としてセイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、サンプル約5mgをアルミニウム製受皿上300℃で5分間溶融保持し、急冷固化した後、室温から昇温速度20℃/分で昇温する。そのとき、観測される融解の吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とする。ポリエステル(A)の融点は上記方法で検出することができる。
続けて、300℃で5分間溶融保持した後、20℃/分の速度で温度低下させる。そのとき、観測される発熱ピークが溶融結晶化ピークであり、そのピーク温度を溶融結晶化ピーク温度とする。
なお、結晶性熱可塑性樹脂(C)の融点の検出方法として、マイクロ熱分析装置(T.A.Instruments製「μ−TA装置」)を使用した。この装置のセンサーは、先端がV字型に折返されたワイヤから成る検出部を備えている。測定は、基材フィルムを斜め切削法などにより露出させて、センサーのV字型検出部を接触させ、昇温速度10℃/秒、押し込み強さ20nAの条件下で常温から温度400℃まで上昇させて行なった。
(7)クリープコンプライアンス
クリープとは、一定応力のもとで歪みが時間と共に増大する現象のことであり、クリープコンプライアンスとは、この歪みと一定応力の比であり、「高分子化学序論(第2版)」((株)化学同人発行)p150に記載されたものである。
・測定装置 :真空理工(株)製TMA TM−3000
・加熱部 :加熱制御部TA−1500
・資料サイズ :試長15mm×幅4mm
・測定条件 :50℃、70℃
・荷重 :28MPa
・算出方法
無荷重時のフィルムの長さをL0(μm)と、その後28MPaの荷重をフィルムにかけて、30分間保持した時のフィルムの長さをL30(μm)とした。フィルム伸縮量の経時変化を測定し、次式で算出する。
クリープコンプライアンス(GPa−1)=(L30−L0)/15000/0.028
・50℃・70℃のクリープコンプライアンスの差
(70℃のクリープコンプライアンス)−(50℃のクリープコンプライアンス)で算出する。
(8)厚み方向の温度膨張係数
JISR3251(1990)に準拠し、フィルムの厚み方向に対して、下記条件にて測定を行い、3回の測定結果の平均値を本発明における厚み方向の温度膨張係数とする。
・測定装置:真空理工(株)製 レーザー熱膨張計LIX−I
・試料サイズ:フィルム長手方向7mm×フィルム幅方向7mm
・荷重:17g
・測定回数:3回
・測定雰囲気:ヘリウム中
・測定条件:温度20℃から昇温速度1℃/分で温度55℃まで昇温して、5分間保持した後、温度20℃まで降温速度1℃/分で降温し5分間保持後の試料の厚みをL0(mm)とし、さらに温度20℃から昇温速度1℃/分で温度55℃まで昇温した時の温度25〜50℃のフィルム厚み方向の寸法変化量ΔL(mm)を測定する。次式から温度膨張係数(ppm/℃)を算出する。
・温度膨張係数(ppm/℃)=10×{(ΔL/L0)/(50−25)}
(9)厚み方向の温度膨張係数
フィルムの厚み方向に対して、下記条件にて測定を行い、3回の測定結果の平均値を本発明における厚み方向の湿度膨張係数とする。
・測定装置:アンリツ(株)製K351C
・接触針:アンリツ(株)製K402B STAND
・針圧:30g
・恒温恒湿槽:(株)カトー社製SE−25VL−A
・試料サイズ:10mm×10mm 10枚重ね
・測定方法:接触針を恒温恒湿槽内に設置し、フィルムを10枚重ねて測定する。25℃40%RHで12時間保持したときの厚みをt40[μm]、そこから25℃80%RHへ2%RH/分で昇湿し、12時間保持させ厚みt80[μm]を測定する。次式から湿度膨張係数を算出する。
・湿度膨張係数(ppm/%RH)=10×{((t80−t40)/t40)/(80−40)}
(10)幅寸法安定性
1m幅にスリットしたフィルムを、張力200Nで搬送させ、支持体の一方の表面(A)に下記組成の磁性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーターにより重層塗布し(上層が磁性塗料で、塗布厚0.2μm、下層が非磁性塗料で塗布厚0.9μm)、磁気配向させ、乾燥温度100℃で乾燥させる。次いで反対側の表面(B)に下記組成のバックコートを塗布した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧2.0×10N/mでカレンダー処理した後、巻き取る。上記テープ原反を1/2インチ(12.65mm)幅にスリットし、パンケーキを作成する。次いで、このパンケーキから長さ200m分をカセットに組み込んで、カセットテープとする。
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 : 100質量部
〔Fe:Co:Ni:Al:Y:Ca=70:24:1:2:2:1(質量比)〕
〔長軸長:0.09μm、軸比:6、保磁力:153kA/m(1,922Oe)、飽和磁化:146Am /kg(146emu/g)、BET比表面積:53m /g、X線粒径:15nm〕
・変成塩化ビニル共重合体(結合剤) : 10質量部
(平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1質量%、スルホン酸基含有量:8×10−5当量/g)
・変成ポリウレタン(結合剤) : 10質量部
(数平均分子量:25,000,スルホン酸基含有量:1.2×10−4当量/g、ガラス転移点:45℃)
・ポリイソシアネート(硬化剤) : 5質量部
(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL(商品名))
・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) : 1.5質量部
・パルミチン酸(潤滑剤) : 1質量部
・カーボンブラック(帯電防止剤) : 1質量部
(平均一次粒子径:0.018μm)
・アルミナ(研磨剤) : 10質量部
(αアルミナ、平均粒子径:0.18μm)
・メチルエチルケトン : 75質量部
・シクロヘキサノン : 75質量部
・トルエン : 75質量部
(非磁性塗料の組成)
・変成ポリウレタン : 10質量部
(数平均分子量:25,000、スルホン酸基含有量:1.2×10−4当量/g、ガラス転移点:45℃)
・変成塩化ビニル共重合体 : 10質量部
(平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1質量%、スルホン酸基含有量:8×10−5当量/g)
・メチルエチルケトン : 75質量部
・シクロヘキサノン : 75質量部
・トルエン : 75質量部
・ポリイソシアネート : 5質量部
(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL(商品名))
・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) : 1.5質量部
・パルミチン酸(潤滑剤) : 1質量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック : 95質量部
(帯電防止剤、平均一次粒子径0.018μm)
・カーボンブラック : 10質量部
(帯電防止剤、平均一次粒子径0.3μm)
・アルミナ : 0.1質量部
(αアルミナ、平均粒子径:0.18μm)
・変成ポリウレタン : 20質量部
(数平均分子量:25,000、スルホン酸基含有量:1.2×10−4当量/g、ガラス転移点:45℃)
・変成塩化ビニル共重合体 : 30質量部
(平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1質量%、スルホン酸基含有量:8×10−5当量/g)
・シクロヘキサノン : 200質量部
・メチルエチルケトン : 300質量部
・トルエン : 100質量部
カセットテープのカートリッジからテープを取り出し、下記恒温恒湿槽内へ図1のように作製したシート幅測定装置を入れ、幅寸法測定を行う。なお、図1に示すシート幅測定装置は、レーザーを使って幅方向の寸法を測定する装置で、磁気テープ9をフリーロール5〜8上にセットしつつ荷重検出器3に固定し、端部に荷重となる分銅4を吊す。この磁気テープ9にレーザー光10を照射すると、レーザー発振器1から幅方向に線状に発振されたレーザー光10が磁気テープ9の部分だけ遮られ、受光部2に入り、その遮られたレーザーの幅が磁気テープの幅として測定される。3回の測定結果の平均値を本発明における幅とする。
・測定装置:(株)アヤハエンジニアリング社製シート幅測定装置
・レーザー発振器1、受光部2:レーザー寸法測定機 キーエンス社製LS−5040
・荷重検出器3:ロードセル NMB社製CBE1−10K
・恒温恒湿槽:(株)カトー社製SE−25VL−A
・荷重4:分銅(長手方向)
・試料サイズ:幅1/2inch×長さ250mm
・保持時間:5時間
・測定回数:3回測定する。
(幅寸法変化率:寸法安定性)
2つの条件でそれぞれ幅寸法(l、l)を測定し、次式にて寸法変化率を算出する。具体的には、次の基準で寸法安定性を評価する。
A条件で24時間経過後lを測定して、その後B条件で24時間経過後にlを測定する。テープカートリッジのはじめから30m地点から切り出したサンプル、100m地点から切り出したサンプル、170m地点から切り出したサンプルの3点を測定した。×を不合格とする。
A条件:10℃10%RH 張力0.85N
B条件:29℃80%RH 張力0.55N
幅寸法変化率(ppm)=10×((l−l)/l
◎:幅寸法変化率の最大値が500(ppm)未満
○:幅寸法変化率の最大値が500(ppm)以上600(ppm)未満
△:幅寸法変化率の最大値が600(ppm)以上700(ppm)未満
×:幅寸法変化率の最大値が700(ppm)以上
(11)保存安定性
上記(10)と同様に、作製したカセットテープのカートリッジからテープを取り出し、次の2つの条件でそれぞれ幅寸法(l、l)を測定し、次式にて寸法変化率を算出する。
具体的には、次の基準で寸法安定性を評価する。
23℃65%RHで24時間経過後lを測定して、40℃20%RHの環境下で10日間カートリッジを保管後、23℃65%RHで24時間経過後にlを測定する。テープカートリッジのはじめから30m地点から切り出したサンプル、100m地点から切り出したサンプル、170m地点から切り出したサンプルの3点を測定した。×を不合格とする。
幅寸法変化率(ppm)=10×(|l−l|/l
◎:幅寸法変化率の最大値が50(ppm)未満
○:幅寸法変化率の最大値が50(ppm)以上100(ppm)未満
△:幅寸法変化率の最大値が100(ppm)以上150(ppm)未満
×:幅寸法変化率の最大値が150(ppm)以上
(12)高温保存安定性
上記(10)と同様に、作製したカセットテープのカートリッジからテープを取り出し、次の2つの条件でそれぞれ幅寸法(l、l)を測定し、次式にて寸法変化率を算出する。
具体的には、次の基準で寸法安定性を評価する。
23℃65%RHで24時間経過後lを測定して、60℃20%RHの環境下で10日間カートリッジを保管後、23℃65%RHで24時間経過後にlを測定する。テープカートリッジのはじめから30m地点から切り出したサンプル、100m地点から切り出したサンプル、170m地点から切り出したサンプルの3点を測定した。×を不合格とする。
幅寸法変化率(ppm)=10×(|l−l|/l
◎:幅寸法変化率の最大値が50(ppm)未満
○:幅寸法変化率の最大値が50(ppm)以上100(ppm)未満
△:幅寸法変化率の最大値が100(ppm)以上150(ppm)未満
×:幅寸法変化率の最大値が150(ppm)以上
次の実施例に基づき、本発明の実施形態を説明する。なお、ここでポリエチレンテレフタレートをPET、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)をPEN、ポリエーテルイミドをPEI、ポリエーテルエーテルケトンをPEEKと表記する。
(参考例1)
テレフタル酸ジメチル194質量部とエチレングリコール124質量部とをエステル交換反応装置に仕込み、内容物を140℃に加熱して溶解した。その後、内容物を撹拌しながら酢酸マグネシウム4水塩0.1質量部および三酸化アンチモン0.05質量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチルの5質量部エチレングリコール溶液を1質量部(リン酸トリメチルとして0.05質量部)添加した。
トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液を添加すると反応内容物の温度が低下する。そこで余剰のエチレングリコールを留出させながら反応内容物の温度が230℃に復帰するまで撹拌を継続した。このようにしてエステル交換反応装置内の反応内容物の温度が230℃に達したら、反応内容物を重合装置へ移行した。
移行後、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。最終温度、最終圧力に到達した後、2時間(重合を始めて3時間)反応させたところ、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置にて固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートのPETペレットXを得た。
(参考例2)
参考例1で得られたPETペレットXを160℃4時間減圧乾燥した後、220℃、8時間、133Pa以下の減圧度で固相重合反応を行い、固有粘度1.00のPETペレットYを得た。
(参考例3)
280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、参考例1にて作製したPETペレットXを98質量部と平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子の10質量部水スラリーを20質量部(球状架橋ポリスチレンとして2質量部)供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2質量部含有する固有粘度0.62のPETペレットZ0.3を得た。
(参考例4)
平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子ではなく平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を用いたこと以外、参考例2と同様の方法にて、平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2質量部含有する固有粘度0.62のPETペレットZ0.8を得た。
(参考例5)
温度350℃に加熱されたニーディングパドル混練部を3箇所設けた同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に、SABICイノベーティブプラスチック社製のポリエーテルイミド(PEI)“Ultem1040”のペレット70質量部とビクトレックス社製のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)“Victrex 90G”のペレット30質量部を供給し、スクリュー回転数300回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度10℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてブレンドチップ(I)を作製した。
(参考例6)
温度300℃に加熱されたニーディングパドル混練部を3箇所設けた同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に、参考例2で得られたPETペレットYの70質量部と参考例5で作製したブレンドチップ(I)の30質量部を供給し、スクリュー回転数300回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてブレンドチップ(II)を作製した。
(参考例7)
温度300℃に加熱されたニーディングパドル混練部を3箇所設けた同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に、参考例1で得られたPETペレットXの50質量部とSABICイノベーティブプラスチック社製のPEI“Ultem1010”のペレット50質量部を供給し、スクリュー回転数300回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてブレンドチップ(III)を作製した。
(参考例8)
温度290℃に加熱されたニーディングパドル混練部を1箇所設けた同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機(日本製鋼所製、スクリュー直径30mm、スクリュー長さ/スクリュー直径=45.5)に、参考例1で得られたPETペレットXの98.5質量%とクリアントジャパン社製のモンタン酸ナトリウムからなる結晶核剤“リコモントNaV101”5質量%を供給し、スクリュー回転数200回転/分で溶融押出してストランド状に吐出し、温度25℃の水で冷却した後、直ちにカッティングしてブレンドチップ(IV)を作製した。
(参考例9)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100質量部とエチレングリコール60質量部の混合物に、酢酸マンガン・4水和物塩0.03質量部を添加し、150℃の温度から240℃の温度に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。途中、反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン0.024質量部を添加した。また、反応温度が220℃に達した時点で3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.042質量部(2mmol%に相当)を添加した。その後、引き続いてエステル交換反応を行い、トリメチルリン酸0.023質量部を添加した。次いで、反応生成物を重合装置に移し、290℃の温度まで昇温し、30Paの高減圧下にて重縮合反応を行い、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置にて固有粘度0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートペレットX’を得た。
(参考例10)
参考例9で得られたPENペレットX’を160℃4時間減圧乾燥した後、220℃、8時間、133Pa以下の減圧度で固相重合反応を行い、固有粘度0.85のPENペレットY’を得た。
(参考例11)
280℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に、参考例9にて作製したペレットX’を98質量部と平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子の10質量部水スラリーを20質量部(球状架橋ポリスチレンとして2質量部)供給し、ベント孔を1kPa以下の減圧度に保持し水分を除去し、平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2質量部含有する固有粘度0.65のPENペレットZ0.3’を得た。
(参考例12)
平均径0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子ではなく平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を用いたこと以外、参考例10と同様の方法にて、平均径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子を2質量部含有する固有粘度0.65のPENペレットZ0.8’を得た。
(実施例1)
押出機E、F2台を用い、295℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3、7で得られたPETペレットX88質量部、PETペレットZ0.32質量部と、ブレンドチップ(III)10質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4、7で得られたPETペレットX79.5質量部、PETペレットZ0.310質量部、PETペレットZ0.80.5質量部と、ブレンドチップ(III)10質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比E(A面側)/F(B面側)=7/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。
この未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度95℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度170℃で長手方向および幅方向に同時に1.3×1.7倍に再延伸した。さらに幅方向に1.05倍の延伸を行いながら温度200℃で1秒間熱処理後、幅方向に2%の弛緩処理を行い厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを作製した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムを熱風オーブンにて70℃で60時間、巻き返してさらに60時間、計120時間の加熱処理(1)を行い、さらに50℃で60時間、巻き返してさらに60時間、計120時間の加熱処理(2)を行った。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例2)
未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度95℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度170℃で長手方向および幅方向に同時に1.0×2.0倍に再延伸した。さらに幅方向に1.05倍の延伸を行いながら温度200℃で1秒間熱処理後、幅方向に2%の弛緩処理を行ったこと以外は実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例3)
押出機E、F2台を用い、295℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3、7で得られたPETペレットX78質量部、PETペレットZ0.32質量部と、ブレンドチップ(III)20質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4、7で得られたPETペレットX69.5質量部、PETペレットZ0.310質量部、PETペレットZ0.80.5質量部と、ブレンドチップ(III)20質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例4)
押出機E、Fの2台を用い、295℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3、6、7で得られたPETペレットX85.2質量部、PETペレットZ0.31.5質量部、ブレンドチップ(II)5.6質量部およびブレンドチップ(III)7.7質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4、6、7で得られたPETペレットX78.7質量部、PETペレットZ0.37質量部、PETペレットZ0.81質量部、ブレンドチップ(II)5.6質量部およびブレンドチップ(III)7.7質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比E(A面側)/F(B面側)=7/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、PEIを5質量部およびPEEKを0.5質量部含有する積層未延伸フィルムを作製した。この積層未延伸フィルムをリニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度100℃、延伸速度6,000%/分で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度180℃で長手方向および幅方向に同時に1.3×1.7倍に再延伸した。さらに幅方向に1.05倍の延伸を行いながら温度200℃で1秒間熱処理後、幅方向に2%の弛緩処理を行ったこと以外、実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例5)
押出機E、Fの2台を用い、295℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3、6、7で得られたPETペレットX82.1質量部、PETペレットZ0.31.5質量部、ブレンドチップ(II)11質量部およびブレンドチップ(III)5.4質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4、6、7で得られたPETペレットX75.6質量部、PETペレットZ0.37質量部、PETペレットZ0.81質量部、ブレンドチップ(II)11質量部およびブレンドチップ(III)5.4質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した以外、実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例6)
押出機E、Fの2台を用い、295℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3、6、7で得られたPETペレットX59.4質量部、PETペレットZ0.31.5質量部、ブレンドチップ(II)33質量部およびブレンドチップ(III)6.1質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4、6、7で得られたPETペレットX52.9質量部、PETペレットZ0.37質量部、PETペレットZ0.81質量部、ブレンドチップ(II)33質量部およびブレンドチップ(III)6.1質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した以外、実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例7)
未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度95℃、延伸速度6,000%で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度170℃で長手方向および幅方向に同時に1.0×2.0倍に再延伸した。さらに幅方向に1.05倍の延伸を行いながら温度200℃で1秒間熱処理後、幅方向に2%の弛緩処理を行ったこと以外は実施例5と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例8)
50℃で60時間、巻き返してさらに60時間、計120時間の加熱処理(2)を行わないこと以外は実施例5と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例9)
押出機E、Fの2台を用い、295℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3、7、8からで得られたPETペレットX82.5質量部、PETペレットZ0.31.5質量部、ブレンドチップ(III)10質量部およびブレンドチップ(IV)6質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4、7、8PETペレットX76質量部、PETペレットZ0.37質量部、PETペレットZ0.81質量部、ブレンドチップ(III)10質量部およびブレンドチップ(IV)6質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比E1(A面側)/E2(B面側)=7/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。この積層未延伸フィルムをリニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度105℃、延伸速度6,000%/分で3.5倍×3.5倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度180℃で長手方向および幅方向に同時に1.5×1.5倍に再延伸した。さらに幅方向に1.05倍の延伸を行いながら温度200℃で1秒間熱処理後、幅方向に2%の弛緩処理を行ったこと以外は実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例10)
押出機E、Fの2台を用い、295℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3、7、8からで得られたPETペレットX68.5質量部、PETペレットZ0.31.5質量部、ブレンドチップ(III)10質量部およびブレンドチップ(IV)20質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4、7、8PETペレットX62質量部、PETペレットZ0.37質量部、PETペレットZ0.81質量部、ブレンドチップ(III)10質量部およびブレンドチップ(IV)20質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は実施例9と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例11)
押出機E、Fの2台を用い、295℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3、7、8からで得られたPETペレットX86.5質量部、PETペレットZ0.31.5質量部、ブレンドチップ(III)10質量部およびブレンドチップ(IV)2質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4、7、8PETペレットX80質量部、PETペレットZ0.37質量部、PETペレットZ0.81質量部、ブレンドチップ(III)10質量部およびブレンドチップ(IV)2質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は実施例9と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例12)
押出機E、F2台を用い、280℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3で得られたPETペレットX98質量部、PETペレットZ0.32質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4で得られたPETペレットX89.5質量部、PETペレットZ0.310質量部、およびPETペレットZ0.80.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は実施例9と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(実施例13)
押出機E、F2台を用い、280℃に加熱された押出機Eには、参考例9、11で得られたPENペレットX’98重量部、PENペレットZ0.3’2重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機Fには、参考例9、11、12で得られたPENペレットX’89.5重量部、PENペレットZ0.3’10重量部、およびPENペレットZ0.8’0.5重量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で合流させ(積層比E(A面側)/F(B面側)=7/1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。
この積層未延伸フィルムを、リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸した。長手方向および幅方向に同時に、温度135℃、延伸速度6,000%で4.0倍×4.0倍延伸し、70℃まで冷却した。続いて、温度180℃で長手方向および幅方向に同時に1.2×1.2倍に再延伸した。さらに幅方向に1.05倍の延伸を行いながら温度210℃で1秒間熱処理後、幅方向に2%の弛緩処理を行ったこと以外は実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、表1、表2に示すように、磁気テープとして使用した際に寸法安定性や保存安定性に優れた特性を有していた。
(比較例1)
加熱処理(1)、加熱処理(2)を行わなかったこと以外は実施例12と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、本発明の範囲外であったため、磁気テープとして使用した際に大きく劣った特性を有していた。
(比較例2)
加熱処理(1)、加熱処理(2)を行わなかったこと以外は実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、本発明の範囲外であったため、磁気テープとして使用した際に大きく劣った特性を有していた。
(比較例3)
加熱処理(1)、加熱処理(2)を行わなかったこと以外は実施例2と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、本発明の範囲外であったため、磁気テープとして使用した際に大きく劣った特性を有していた。
(比較例4)
リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸するときに温度165℃で長手方向および幅方向に同時に1.7×1.3倍に再延伸し、加熱処理(1)、加熱処理(2)を行わなかったこと以外は実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、本発明の範囲外であったため、磁気テープとして使用した際に大きく劣った特性を有していた。
(比較例5)
リニアモータ式クリップを有する同時二軸テンターを用いて、二軸延伸するときに温度165℃で長手方向および幅方向に同時に1.5×1.5倍に再延伸し、加熱処理(2)、を行わなかったこと以外は実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、本発明の範囲外であったため、磁気テープとして使用した際に大きく劣った特性を有していた。
(比較例6)
加熱処理(1)、加熱処理(2)を行わなかったこと以外は実施例5と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、本発明の範囲外であったため、磁気テープとして使用した際に大きく劣った特性を有していた。
(比較例7)
加熱処理(1)を行わなかったこと以外は実施例5と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、本発明の範囲外であったため、磁気テープとして使用した際に大きく劣った特性を有していた。
(比較例8)
押出機E、Fの2台を用い、295℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3、6で得られたPETペレットX43.5質量部、PETペレットZ0.31.5質量部、ブレンドチップ(II)55質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4、6で得られたPETペレットX37質量部、PETペレットZ0.37質量部、PETペレットZ0.81質量部、ブレンドチップ(II)55質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した以外、実施例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、本発明の範囲外であったため、磁気テープとして使用した際に大きく劣った特性を有していた。
(比較例9)
押出機E、Fの2台を用い、295℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3、7、8からで得られたPETペレットX48.5質量部、PETペレットZ0.31.5質量部、ブレンドチップ(III)10質量部およびブレンドチップ(IV)40質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく295℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4、7、8PETペレットX42質量部、PETペレットZ0.37質量部、PETペレットZ0.81質量部、ブレンドチップ(III)10質量部およびブレンドチップ(IV)40質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は実施例9と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、本発明の範囲外であったため、磁気テープとして使用した際に大きく劣った特性を有していた。
(比較例10)
押出機E、F2台を用い、280℃に加熱された押出機Eには、参考例1、3で得られたPETペレットX97質量部、PETペレットZ0.32質量部とビクトレックス社製のPEEK“Victrex 90G”1質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給し、同じく280℃に加熱された押出機Fには、参考例1、3、4で得られたPETペレットX88.5質量部、PETペレットZ0.310質量部、およびPETペレットZ0.80.5質量部とビクトレックス社製のPEEK“Victrex 90G”1質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給したこと以外は実施例12と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを評価したところ、本発明の範囲外であったため、磁気テープとして使用した際に大きく劣った特性を有していた。
Figure 2010037448
Figure 2010037448
幅寸法を測定する際に用いるシート幅測定装置の模式図である。
符号の説明
1:レーザー発振器
2:受光部
3:荷重検出器
4:荷重
5:フリーロール
6:フリーロール
7:フリーロール
8:フリーロール
9:磁気テープ
10:レーザー光

Claims (9)

  1. フィルム幅方向の湿度膨張係数が0〜6[ppm/%RH]であり、フィルム長手方向の70℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスが0.10〜0.40[GPa−1]である二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. フィルム幅方向の温度膨張係数が−10〜10[ppm/℃]である、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. フィルム長手方向の50℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスが0.10〜0.35[GPa−1]である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. フィルム長手方向の50℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスと、フィルム長手方向の70℃、28MPa、30分のクリープコンプライアンスとの差が0〜0.15[GPa−1]である、請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. フィルム厚み方向の温度膨張係数が50〜250[ppm/℃]である、請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. フィルム厚み方向の湿度膨張係数が0〜30[ppm/%RH]である、請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 融点が200℃〜280℃であるポリエステルを50〜99質量部、ガラス転移温度が100〜300℃の非晶性熱可塑性樹脂を0.5〜50質量部、および融点が280℃〜400℃の結晶性熱可塑性樹脂を0.1〜4質量部の割合でそれぞれ含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. 結晶核剤を0.2〜1質量%含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムに磁性層を設けた磁気記録媒体。
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