JP2010037252A - 難溶性薬物の静注用分散製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】水に難溶性の薬物を分散製剤化する。
【解決手段】水に難溶な薬物を分散製剤化するために、脂肪酸メグルミン塩系のイオン液体とエタノール、水を必須成分として含有する組成物に薬物を溶解すれば、この組成物(濃縮組成物)を希釈しても、良好な分散製剤化が行なえ、しかも安定な希釈製剤であることが見出された。このように本発明の注射用組成物(濃縮組成物)は、安定であると共に、希釈性が良好である、水難溶性医薬品の製剤品を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、難溶性薬物の注射用製剤に関するものであり、特に点滴用静注製剤に関するものである。
水に難溶性の薬物を注射用製剤化するためには、安定で、均質に分散した多相系の製剤にする必要がある。特に、水に難溶性の薬物を、サブミクロン粒子の安定な分散製剤(例えば、懸濁剤、エマルジョンまたはミセル分散剤)として処方することにより、優れた効果を発揮できる。また、この分散製剤の粒子径は、静脈注射により塞栓を生じることなく、毛細管を通って安全に通過できるためには、直径が7ミクロン未満でなければならない。このように、分散製剤の粒子径(粒子サイズ)の制御および長期の安定性が、水に難溶性の薬物を注射用製剤化するのに非常に重要になる。
従来、このような水に難溶な薬物の非経口投与製剤は、疎水性溶媒(例えば、油)、および、水性媒体(例えば、緩衝溶液または通常の生理食塩水溶液)内に分散された安定化された薬物から構成されるエマルジョンを用いて達成されている。エマルジョンは、脂溶性ビタミン(例えば、ビタミンA、DおよびE)、および疎水性医薬品(例えば、タキソール、プロポフォール等)のような水に難溶の薬物を送達するために使用されている。例えば、これらエマルジョン製剤の粒子径サイズは、100nmと700nmとの間の範囲であり、多くのエマルジョン製剤は、加熱滅菌することができる。そして、多くのエマルジョンに関して、滅菌濾過に適切な、小さな粒子径サイズ(200nm未満)を有するように設計されている。
しかし、エマルジョンの調製には、一般的にリン脂質(例えば、レシチン)、脂肪酸、長鎖アルコールもしくは胆汁酸塩のような乳化剤の使用が必要である。乳化剤は、各油滴をコーティングし、そして、少なくとも1種のイオン性成分が、液滴の表面付近に荷電した層(Stern層)を提供する。この電荷分離により生じた正の正電位バリアが、液滴のコアセルベーションを防止することになる。しかしながら、これらの乳化剤は注射や点滴により薬物と共に血中に投与されることになるので、血液内でその界面活性作用に起因した様々な副作用を生じることになる。従って、多くの場合、利用される乳化剤の量を、最小にすること、あるいはそれを排除することが求められている。
以上のことから、副作用の少ない乳化剤を検討し、適切な用量を適応することが多くの製剤において行われてきた。例えば、パクリタキセルの可溶化のためには、様々な処方が開発されており、代表的なものとしてタキソール(TaxolTM)が挙げられる。この他にも、特許文献1に示されるような脂肪乳剤、または特許文献2に示されるように水に分散させると透明なコロイド型分散系を形成する濃縮液等が作製されている。
しかしながら、乳化剤を削除することに関する検討は、まだ充分とは言えなかった。
以上のような背景から、乳化剤の削除された分散製剤の開発が望まれている状況であった。
US6391832 US6267985
本発明は、乳化剤がなく、それに基づく副作用が消失した、水に難溶性薬物の分散製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、水に難溶な薬物を分散製剤化するために、脂肪酸メグルミン塩系のイオン液体とエタノール、水を必須成分として含有する組成物に薬物を溶解すれば、安定な注射用組成物が作製できることを見出した。しかも、この組成物(濃縮組成物)を希釈しても、良好な分散製剤化が行なえ、しかも安定な希釈製剤ができることを見出した。即ち、脂肪酸、メグルミン、エタノールと水系の溶媒を使用することにより、水に難溶な薬物の溶解性を高めることができた。更には、生理食塩水や緩衝液等で希釈しても分散性の良好な製剤を作成することが出来た。一方、メグルミンや脂肪酸単体を添加しただけでは、難溶性の薬物を可溶化させることはできなかった。本発明者らは、これらの知見により本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)水に難溶な薬物とメグルミン、脂肪酸を必須成分として含有する注射用の組成物。
(2)薬物の溶解助剤としてエタノールが添加されている、上記(1)に記載の注射用の組成物。
(3)脂肪酸として、オレイン酸、デカン酸、イソステアリン酸の中から一つ以上のものが選択される、上記(1)又は(2)に記載の注射用の組成物。
(4)脂肪酸が、オレイン酸である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の注射用の組成物。
(5)メグルミンと脂肪酸が当モルの塩を形成している、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の注射用の組成物。
(6)メグルミンと脂肪酸が当モルの塩を形成し、その含量が4.5〜55重量%である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の注射用の組成物。
(7)組成物が、薬物の溶解した水溶液となっていることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の注射用の組成物。
(8)エタノールが、4〜50重量%である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の注射用の組成物。
(9)水に難溶な薬物が中性の物質である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の注射用の組成物。
(10)中性の物質がパクタキセル、サイクロスポリンA、ビタミンDの中から選択される、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の注射用の組成物。
(11)デカン酸又はオレイン酸とメグルミンの等モル塩。
メグルミンと脂肪酸、エタノールを組み合わせて水に難溶性な薬物を可溶化させた薬剤の濃縮溶液を作製することが出来る。また、この濃縮溶液を点滴用の生理食塩水に混和しても可溶化した状態が維持できる。
このように、本発明を用いて、水に難溶性な薬物の点滴用製剤等を提供することができる。
本発明は、水に難溶な薬物とメグルミン、脂肪酸、エタノール、水を必須成分として含有する注射用の組成物を提供する。
本発明において「水に難溶な薬物」とは、中性条件下で、水に難溶な疎水性の高い薬物のことを言う。例えばビタミンA、DおよびE等の脂溶性ビタミン、例えばパクリタキセル、タクロリムス、ミコナゾール、ラタノプロスト、ブリモニジン、プロポフォール、イトラコナゾール、アジトロマイシン、ベンザフィブレート、フェノフィブレート、シプロフロキサシン、プロゲステロン、エストラジオール、テストステロン、クラリスロマイシン、サイクロスポリンA、ナベルビン、タモキシフェン、エトポシド、カンポテシン等の疎水性薬物を挙げることができる。水に難溶な薬物として好ましいものは、酸性薬物や塩基性薬物ではなく、中性薬物が好ましい。例えば、パクリタキセル、タクロリムス、プロポフォールを挙げることができる。
水に難溶な薬物の含量としては、濃縮組成物として0.5〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜2重量%を挙げることができる。
本発明において「脂肪酸」とは、炭素数2〜20の有機カルボン酸を言う。例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、2-エチルヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸等の直鎖または分枝鎖状の飽和脂肪酸、例えばレブリン酸、アセチル酢酸等のカルボニル基が置換した飽和脂肪酸、例えばグリコール酸、乳酸、クエン酸等の水酸基が置換した飽和脂肪酸、例えばリンゴ酸、フマール酸、蓚酸等の複数のカルボン酸を有するもの、あるいは例えばオレイン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。
好ましいものとしては、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、2-エチルヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸等の直鎖または分枝鎖状の飽和脂肪酸と例えばオレイン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。より好ましくは、酢酸、デカン酸、ステアリン酸、オレイン酸を挙げることができる。
本発明において脂肪酸の含量は、2.5〜20重量%が好ましい。なお、脂肪酸はメグルミンと等モル量添加されることが好ましく、pHを中性もしくは血液のpH(約7.4)に維持できる範囲で、等モルから脂肪酸を追加又は削減することができる。好ましくは、メグルミンを1として、脂肪酸を0.8〜1.2倍モルの範囲で使用することができる。
本発明において、メグルミンに等モルの脂肪酸を反応させると粘稠な塩(イオン液体)が形成される。メグルミンは2級アミンであり、pKaは約9.4(N−メチルエタノールアミンのpKa9.40とほぼ類似と仮定)と考えられる。従って、脂肪酸(pKa約4.5〜4.9)とはpKaで約4の差があるため、平衡は塩に偏っていると考えられる。例えば、オレイン酸とメグルミンの粘稠な等モル塩では、IRも図1に示すように、オレイン酸のカルボン酸の吸収が消失して、新たにカルボキシルイオンの吸収が現れている。
脂肪酸のメグルミン塩の中で、脂肪酸が20以上の長鎖脂肪酸の場合、一般に脂肪酸石鹸として、乳化剤(界面活性剤)の働きをすることが知られている。しかし、本発明の場合、濃縮組成物を生理食塩水で希釈すると、通常、界面活性作用の強いステアリン酸メグルミン塩では、うまく分散が行なわれず、薬物の結晶が析出する。一方、ステアリン酸に比べて界面活性作用が弱いオレイン酸やイソステアリン酸の場合には、濃縮組成物を生理食塩水で希釈しても、薬物の結晶析出が見られない。このように、薬物の分散(界面活性作用)に関して、通常の界面活性剤の傾向とは異なる傾向が本発明において見出されている。これは、メグルミン塩の効果であると考えられ、その意味で、メグルミンの脂肪酸塩(オレイン酸塩、デカン酸塩、イソステアリン酸塩等)の新たな分散剤(乳化剤)としての効果であると考えられる。
脂肪酸のメグルミン塩の含量としては、4.5〜55重量%の範囲が好ましく、より好ましくは、5〜25重量%である。
本発明のエタノールは、薬物の濃縮組成物を作製する際に、溶解剤として使用されるものである。従って、水だけでなくエタノールにも溶解性の悪い薬剤は、溶解させるためにも多くの量を使用することになる。従って、溶解させ分散させる薬物量によって使用するエタノール量は変動する。例えばタキソールを0.6重量%を溶解させる場合には、40〜50重量%のエタノールが必要になる。一方、プロポフォールのようなエタノールに溶解しやすいものの場合には、1重量%のプロポフォールを溶解させるには、4重量%のエタノールがあれば充分である。
以上のことから、エタノールの含量は、4〜50重量%であることが好ましい。
本発明における「注射用の組成物」とは、点滴用に希釈して使用するための濃縮組成物(濃縮溶液)を言う。この注射用の組成物を生理食塩水、5%ブドウ糖水溶液に10倍、あるいは100倍希釈して、点滴用液剤として静注することができる。
そのため、希釈した点滴用液剤を静置して薬剤の結晶が析出することは問題であり、希釈された点滴用液剤での安定性(薬物の析出の有無)が重要になる。本発明の注射用の組成物においては、生理食塩水に10倍希釈して、少なくとも6時間以上の安定性を有する(薬物の結晶が析出しない)ものである。
本発明における「水」とは、医療用の蒸留水を言う。薬物やメグルミン、脂肪酸、エタノールと、それ以外のpH調節剤等の添加物を除いた残余が水である。
本発明においては、更に必要に応じてpH調節剤等の添加物を加えることができる。これら添加物としては、注射用液剤に使用する公知のものを必要に応じて適宜使用することができる。
以下、実施例および試験例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。
実施例1:パクリタキセルの濃縮組成物の作製
以下の表1の組成(重量%)で試剤を秤取し、まず、パクリタキセルをエタノールに溶解させた溶液にメグルミン、オレイン酸を加え、水を加えながら室温混合溶解させた。なお、メグルミンが溶けない場合は加熱もしくは超音波照射を行った。
パクリタキセルの溶解を確認し、その結果を併せて表1に記載した。
Figure 2010037252
[注記]
・×:溶液中にパクリタキセルが目視で残存する。
・○:溶液中にパクリタキセルが目視で完全に溶解している。
パクリタキセルのエタノールに対する溶解度が低いため、1.2重量%では50重量%エタノールでも完全に溶解させることができなかった。そこで、0.6重量%にパクリタキセル含量を低下させると、完全に溶解させることができた。エタノール含量を40重量%に低下させても、パクリタキセルを完全に溶解させることができたが、10倍量の生理食塩水で希釈すると、白濁し、薬物の析出がみられた。
以上のことから、パクリタキセルを溶解させ、10倍希釈溶液にして安定化させるためには、オレイン酸メグルミン塩を約25%以上の組成にするか、あるいはエタノールを50%以上の組成にするかであることが示された。
実施例2:パクリタキセル濃縮組成物における脂肪酸の影響
実施例1のオレイン酸を他の脂肪酸に換えて、その影響を評価した。実施例1に準じて、以下の表2の組成(重量%)の濃縮組成物を作製した。各濃縮組成物における薬物の溶解性と、各濃縮組成物を10倍量の生理食塩水に希釈した際の薬物の析出性(希釈の安定性)を評価した。その結果を、以下の表2に併せて示す。
Figure 2010037252
[注記]
・×:溶液中にパクリタキセルが目視で残存する。
・○:溶液中にパクリタキセルが目視で完全に溶解している。
以上の結果によれば、脂肪酸としてオレイン酸、デカン酸を使用した場合に、良好な薬物溶解性と濃縮組成物の希釈安定性が得られた。一方、脂肪酸が界面活性剤的な作用を示しやすいと考えられるステアリン酸の場合には、希釈安定性が良くなかった。また、酢酸の場合にも、希釈安定性が良くなかった。
実施例3:サイクロスポリンA濃縮組成物の作製
サイクロスポリンAを用いて、実施例1と同様にして、表3の組成(重量%)の濃縮組成物を作製した。
サイクロスポリンAの溶解を目視で確認し、更に、各濃縮組成物を100倍量の5%グルコース溶液に希釈した際の薬物の析出性(希釈の安定性)を評価した。これらの結果を併せて表1に記載した。
Figure 2010037252
[注記]
・○:溶液中にサイクロスポリンAが目視で完全に溶解する。
E664、E643は希釈時に透明溶液となる。E666は、希釈時に透明ではあるが、コロイド状の状態を見せ、6時間目にはやや白濁する。E665は初め透明だが、6時間目に極わずかに白濁した溶液になる。実施例1の場合と同様に、希釈時の白濁や結晶析出を回避するためには、エタノール量の含量増加か、あるいはオレイン酸メグルミン塩の含量を増加させることが必要であった。希釈安定性に対するエタノールの効果とオレイン酸メグルミン塩の効果を比較すると、E665とE666の対比から、オレイン酸メグルミン塩の効果の方が大きいことが分かった。
E664、E643、E665を比較すると、エタノール含量は30重量%と同じであるが、オレイン酸メグルミン塩の含量が異なる。重量比でサイクロスポリンAを1として、約5倍量のオレイン酸メグルミン塩の使用では、わずかに不足である。オレイン酸メグルミン塩量が、約11倍以上になれば100倍に希釈しても透明溶液のままである。
これらのことから、希釈して安定性の高い、0.05重量%の点滴静注用製剤を作るためには、難溶性の高い薬物は0.5重量%濃縮組成物、程々の薬物は5重量%の濃縮組成物をE640やE666の組成で作製することが望ましい。薬物の溶解性や希釈安定性を評価し、十分であれば、更に、エタノールの含量とオレイン酸メグルミン塩の含量を低減させることを行なう。このような作業を行なうことにより、使用薬物の溶解性に対応した、適切な点滴用静注製剤が作製可能となる。
実施例4:オレイン酸メグルミンの当モル塩
オレイン酸72 mg(256mM)とメグルミン50 mg(256 mM)を秤量し、メタノール溶媒に溶解させ、溶媒を蒸発させた。
橙色の粘稠液(プロトン性イオン液体)が得られた。この粘稠液を岩塩板に塗布し、IR測定装置(島津製作所製FTIR-8400S)により、オレイン酸のカルボキシル基のIR吸収(1709cm−1)の消失とカルボキシルアニオンの特性吸収(1559cm−1)の発現を観察した。
上記オレイン酸メグルミン塩の粘稠液のIRの結果を図1に示す。
本発明の水難溶性薬物の濃縮組成物は、保存安定性に優れ、生理食塩水等に希釈しても結晶の析出がなく、また希釈して点滴静注用の組成物にしても安定性に優れ、点滴中に結晶析出するような危険性はない。しかも、乳化剤(界面活性剤)を使用することがないので、乳化剤に基づく副作用が回避されている。従って、本発明の濃縮組成物は、これまでの乳化剤を使用した副作用の多い濃縮組成物に取って代り得る、より安全な組成物である。
オレイン酸のメグルミン等モル塩のIRチャート

Claims (11)

  1. 水に難溶な薬物とメグルミン、脂肪酸を必須成分として含有する注射用の組成物。
  2. 薬物の溶解助剤としてエタノールが添加されている、請求項1に記載の注射用の組成物。
  3. 脂肪酸として、オレイン酸、デカン酸、イソステアリン酸の中から一つ以上のものが選択される、請求項1または2に記載の注射用の組成物。
  4. 脂肪酸が、オレイン酸である、請求項1〜3のいずれかに記載の注射用の組成物。
  5. メグルミンと脂肪酸が当モルの塩を形成している、請求項1〜4に記載の注射用の組成物。
  6. メグルミンと脂肪酸が当モルの塩を形成し、その含量が4.5〜55重量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の注射用の組成物。
  7. 組成物が、薬物の溶解した水溶液となっていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の注射用の組成物。
  8. エタノールが、4〜50重量%である、請求項6に記載の注射用の組成物。
  9. 水に難溶な薬物が中性の物質である、請求項1〜6のいずれかに記載の注射用の組成物。
  10. 中性の物質がパクタキセル、サイクロスポリンA、ビタミンDの中から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の注射用の組成物。
  11. デカン酸又はオレイン酸とメグルミンの等モル塩。
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