JP2010036792A - 自動車のドアトリム構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドアトリムにおける乗員の着座位置側方部分に車室内方に突出して設けられた棚部を有する自動車のドアトリム構造において、通常時におけるドアトリムの棚部の形状維持と、側突時における衝撃吸収性能とを両立することができるドアトリム構造を提供する。
【解決手段】棚部11bに、上下に貫通する開口11dを設けると共に、該開口11dの左右の縁部11e,11f間を連結する橋渡し部11h,11iを前後に間隔を開けて複数設け、かつ、これらの橋渡し部11h,11iのうちの一部の橋渡し部11hを、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜させ、残りの橋渡し部11iを、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車のドアの内面を構成するドアトリムの構造に関し、自動車の内装の技術分野に属する。
自動車のドアの内面を構成するドアトリムには、一般に、乗員の腕を載置するアームレストが車室内方に突出して設けられているが、このように突出した構造故、側突時等に乗員がアームレストから衝撃を受ける虞があり、この衝撃を吸収するための構造として、例えば特許文献1に開示されたものがある。
すなわち、特許文献1には、図10に示すように、ドアトリム110が、車室内方に突出すると共にアームレスト110aの基部を構成する棚部111aを有するドアトリム本体111(文献1のドアライニング本体)と、ドアトリム本体111における棚部111a周辺を車室内側から装飾する被覆材112(文献1のセンターパッド)とで構成されている場合に、ドアトリム本体111の棚部111aの後部(図10における左側)に、棚部111aの全長の3分の1ほどの長さを有する比較的大きな抜き穴111bを形成し、アームレスト110aと乗員とが当接したときに、ドアトリム110におけるアームレスト110a周辺部分の変形が容易となるように構成したものが開示されている。また、特許文献1には、被覆材112に抜き穴を設けてもよいことも開示されている。
なお、特許文献2には、図11に示すように、ドア201の側方のシートS′に、ドア本体202の内側に取り付けられたドアトリム210の車内側の面に沿って上方へ展開するエアバッグ220が設けられていると共に、ドアトリム210の基面部210aを段差状に車室内方へ膨出させることによりアームレスト210b(棚部)が構成されており、かつアームレスト210bの車幅方向内端から下方に延びる縦面部210cとドア本体202の内側の面との間に、アームレスト210bの形状を維持するための車幅方向に延びる棒状支持部212が設けられたものにおいて、車室内方へ突出するアームレスト210bによりエアバッグ220の上方への展開が阻害されるのを防止するために、アームレスト210bに下方からエアバッグ220の展開圧力が作用したときに、仮想線で示すように前記棒状支持部212がエアバッグ220の展開圧力により破断して、アームレスト210bが車幅方向外方へ変形するように構成したものが開示されている。
実開平6−87018号公報 特開2003−220915号公報
ところで、特許文献1に記載のものにおいては、ドアトリム本体111に比較的大きな抜き穴111bを形成しているので、ドアトリム110のアームレスト110a周辺部分の強度が低下し、通常時におけるアームレスト110a周辺部分の形状維持が困難となる虞がある。
ここで、特許文献2に記載の棒状支持部212の破断によりドアトリム210のアームレスト210b(棚部)を変形可能とする構造を、前記エアバッグ220を有していない自動車において適用することが考えられる。この場合、乗員が側突等によりドアトリム210に当接すると、車幅方向からの衝撃荷重が棒状支持部212に作用することとなるが、該棒状支持部212は車幅方向に延びているので、該棒状支持部212が突っ張り、側突時における衝撃吸収を十分に行えない虞がある。
そこで、本発明は、通常時におけるドアトリムの棚部の形状維持と、側突時における衝撃吸収性能とを両立することができるドアトリム構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、ドアトリムにおける乗員の着座位置側方部分に車室内方に突出して設けられた棚部を有する自動車のドアトリム構造であって、前記棚部に、上下に貫通する開口が設けられていると共に、該開口の車幅方向左右の縁部間を連結する橋渡し部が前後に間隔を開けて複数設けられており、かつ、これらの橋渡し部のうちの一部の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜し、残りの橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜していることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の自動車のドアトリム構造において、前記橋渡し部は、前後に間隔を開けて2個設けられており、前側の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜し、後側の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜していることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の自動車のドアトリム構造において、前記棚部は、アームレストを構成していることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自動車のドアトリム構造において、前記橋渡し部に、車幅方向外方からの衝撃荷重の入力時に該橋渡し部を折曲または破断させる脆弱部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の自動車のドアトリム構造において、前記棚部の上面を覆う被覆材が設けられており、該被覆材に、上面が開口し、下方に凹む開口凹部が前記橋渡し部を避けて形成されていると共に、該開口凹部は、側壁部が前記棚部の開口の少なくとも車幅方向一方の縁部に対して所定量離間し、かつ該側壁部が前記橋渡し部に近接するように設けられていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の自動車のドアトリム構造において、前記棚部の上面を覆う被覆材が設けられており、該被覆材に、前後に延び、車幅方向外方からの衝撃荷重の入力時に該被覆材の車幅方向への変形を促進するスリットが形成されていることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、ドアトリムにおける乗員の着座位置側方部分に車室内方に突出して設けられた棚部に上下に貫通する開口が設けられているから、側突等により乗員が棚部に当接して該棚部に車幅方向から衝撃荷重が入力されたときに、該棚部の変形が可能となる。
その場合に、開口の車幅方向左右の縁部間を連結する橋渡し部が前後に間隔を開けて複数設けられていると共に、これらの橋渡し部のうちの一部の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜し、残りの橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜しているから、開口を設けた場合でも、通常時におけるドアトリムの棚部の形状維持に必要な強度を傾斜方向の異なる複数の橋渡し部により前後の複数点で良好に確保することができる。また、前述のように各橋渡し部は車幅方向に対して傾斜していることにより、棚部に車幅方向から衝撃荷重が入力されたときに、橋渡し部が倒れやすくなる。すなわち突っ張りにくくなる。したがって、橋渡し部を設けても、側突時に棚部が車幅方向に圧潰しやすくなり、側突時における衝撃吸収性能が十分に確保されることとなる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記橋渡し部は、前後に間隔を開けて2個設けられており、前側の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜し、後側の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜しているから、できるだけ少ない数の橋渡し部で、通常時におけるドアトリムの棚部の形状維持と、側突時における衝撃吸収性能とを両立することができる。
ここで、前記棚部としては、アームレストや、物置、デザイン上の突部等様々なものを含むが、請求項3に記載の発明によれば、前記棚部が、多くの自動車のドアトリムに設けられるアームレストを構成している場合に前述の作用、効果が得られることとなる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記橋渡し部に、車幅方向からの衝撃荷重の入力時に該橋渡し部を折曲または破断させる脆弱部が設けられているから、通常時における形状維持に必要な強度を確保しつつ、側突時における衝撃吸収が行われやすくなる。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記棚部の上面を覆う被覆材に、上面が開口し、下方に凹む開口凹部が形成されているので、該開口凹部を小物入れとして利用することができる。
加えて、この開口凹部は、該開口凹部は、側壁部が前記棚部の開口の少なくとも車幅方向一方の縁部に対して所定量離間し、かつ該側壁部が前記橋渡し部に近接するように設けられているので、車幅方向からの衝撃荷重により棚部の開口の車幅方向左右の縁部同士が接近する際、前記側壁部と橋渡し部とが当接し、側突時における橋渡し部の変形が促進されることとなる。したがって、側突時における衝撃吸収が確実に行われることとなる。
また、請求項6に記載の発明によれば、前記棚部の上面を覆う被覆材に、前後に延び、車幅方向外方からの衝撃荷重の入力時に該被覆材の車幅方向への変形を促進するスリットが形成されているから、被覆材自体も変形が生じやすくなる。したがって、側突時における衝撃吸収性能が向上することとなる。
以下、本発明の実施の形態に係る自動車のドアトリム構造について説明する。
図1(a)、(b)に示すように、本発明に係るドアトリム構造が適用された自動車のフロントドア1の側方には、フロントシートSが配置されている。フロントドア1のドア本体2の車室側には、ドアトリム10が設けられている。ドアトリム10には、フロントシートSに着座する乗員Pの側方において、乗員Pの腕を載置するアームレスト10aが設けられている。
図2に示すように、ドアトリム10は、ドア本体2の車内側の面を覆うドアトリム本体11と、車室内方に突出して設けられたアームレスト10aの上面を装飾する被覆材12と、アームレスト10aの上面に弾性を付与する弾性材13と、アシストグリップ14とを有している。
ドアトリム本体11は、熱可塑性樹脂を金型を用いて射出成形することにより形成されており、撓み変形可能な柔軟性を有している。また、ドア本体1の車内側の面と略平行に形成された基面部11aの中央高さ付近から下部側を、車室内方に段差状に膨出(突出)させることにより、図3にもあわせて示すように、基面部11aにおける膨出されていない部分11a1の下端と膨出された部分11a2の上端との間に略横向きの面でなる棚部11bが形成されている。図2に示されているように、この棚部11bの前部側には、ウインドガラス開閉操作用スイッチ配設用の凹部11c等が設けられ、棚部11bの後部側(前記アシストグリップ14よりも後部側)は、アームレスト10aの基部を構成している。
図4に示すように、棚部11bの後部側(前記アシストグリップ14よりも後部側)、すなわちアームレスト10aの基部を構成する部分には、上下に貫通し、前後に長い略矩形状の開口11dが設けられている(なお、後述する橋渡し部11h、11iにより前後に3分割されている)。
被覆材12は、比較的硬質の樹脂により構成され、図3、図5に示すように、前記棚部11bの開口11dを覆う形状とされていると共に、基面部12aの裏面には、下方に延び、開口11dの車幅方向外方側の縁部11eに係合する複数の係合爪部12c…12cと、下方に延び、開口11dの車幅方向内側の縁部11fの下方に形成されたボス部11gに螺子Nで固定される複数の固定爪部12d,12dとが設けられている。
また、被覆材12は、ドアトリム本体11の棚部11bに固定された状態において上面の高さが車幅方向内側よりも車幅方向外側の方が若干高くなっている。これは、例えばデザイン上の理由による。
弾性材13は、柔軟性を有する例えばスポンジ状のクッション材等により構成され、被覆材12の上面に固着されている。
アシストグリップ14は、比較的硬質の樹脂により構成され、図1、図2からわかるように、アームレスト10aの前部側と前記ドアトリム本体11の基面部11aの上端部近傍との間で前傾状態で延びており、ドアトリム本体11と被覆材12と弾性材13とが組み合わされた後、上端部がドアトリム本体11の基面部11aの上端部近傍に螺子止めされ、下端部が、被覆材12及びドアトリム本体11の棚部11bに形成された螺子孔12b,11c(図3、図4参照)を介して螺子止めされるようになっている。
ここで、図5に示すように、棚部11bの開口11dの前部側及び後部側には、該開口11dの車幅方向左右の縁部11e,11fを連結する棒状の橋渡し部11h,11iが、前後に間隔を開けて設けられている。この橋渡し部11h,11iは、前述のような開口11dが形成された棚部11bの形状維持のために設けられている。
その場合に、前側の橋渡し部11hは、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜し、後側の橋渡し部11iは、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜している。
また、図5、図6に示すように、橋渡し部11h,11iには、車幅方向の中間付近に、上下方向にZ字状に折れ曲がるZ字状折曲部11jがそれぞれ設けられている。このZ字状折曲部11jは、基面部11aから橋渡し部11h,11iに車幅方向の衝撃荷重が入力されたときに、該Z字状折曲部11jの上側折曲部11j1及び下側折曲部11j2にそれぞれ応力集中を起させ、これらの折曲部11j2間の応力集中の大小関係にしたがって橋渡し部11h,11iを上方または下方に折曲させるものである。なお、Z字状折曲部11jは、請求項4における脆弱部を構成する。
また、後側の橋渡し部11iは、前側の橋渡し部11hよりも細くされ、すなわち断面積が小さくされている。これは、乗員Pの胴体が、後側の橋渡し部11iの方に近いので、乗員Pの胴体が棚部11bに当接したときに、前側の橋渡し部11hよりも速やかに変形可能とさせることを目的としている。
なお、橋渡し部11h,11iのZ字状折曲部11jの上端11jtは、被覆材12の底面に当接して、被覆材12を下方から支持しており、これにより、乗員Pの腕が載置された状態における被覆材12の下方への撓み等が防止されるようになっている。
また、図4からわかるように、開口11dの車幅方向内側の縁部11における前記前側橋渡し部11hの前側及び後側橋渡し部11iの後側、並びに、開口11dの車幅方向外側の縁部11eにおける前側橋渡し部11hの後側及び後側橋渡し部11iの前側にはそれぞれ切欠11k…11kが形成されている。
また、図5、図6に示されているように、前記被覆材12には、車幅方向の中間付近において、直線状に前後に断続的に延びる複数のスリット12e…12eが形成されている。ここで、このようにスリット12e…12eが形成された被覆材12の強度は、乗員Pが腕を載置しただけでは変形することはないが、車幅方向からの衝撃荷重の入力時には該スリット12e…12e位置において折曲して車幅方向に折り畳まれるように設定されている。
次に、本実施の形態の作用、効果について説明する。
まず、ドアトリム10における乗員Pの着座位置側方部分に車室内方に突出して設けられた棚部11bに上下に貫通する開口11dが設けられているから、側突等により乗員が棚部11bに当接して該棚部11bに車幅方向から衝撃荷重が入力されたときに、該棚部11bの変形が可能となる。
その場合に、開口11dの車幅方向左右の縁部11e,11f間を連結する橋渡し部11h,11iが前後に間隔を開けて設けられていると共に、前側の橋渡し部11hは、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜し、後側の橋渡し部11iは、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜しているから、開口11dを設けた場合でも、通常時におけるドアトリム11の棚部11bの形状維持に必要な強度を傾斜方向の異なる2つの橋渡し部11h,11iにより前後の2点で良好に確保することができる。また、前述のように橋渡し部11h,11iは車幅方向に対して傾斜していることにより、棚部11bに車幅方向から衝撃荷重が入力されたときに、橋渡し部11h,11iが図4に仮想線で示すように前後に撓みながら倒れることとなる。すなわち橋渡し部11h,11iが突っ張りにくくなる。したがって、橋渡し部11h,11iを設けても、側突時に棚部11bが車幅方向に圧潰しやすくなり、側突時における衝撃吸収性能が十分に確保されることとなる。このように、本実施の形態によれば、できるだけ少ない数の橋渡し部11h,11iで、通常時におけるドアトリム11の棚部11bの形状維持と、側突時における衝撃吸収性能とを両立することができる。
また、前記橋渡し部11h,11iにはそれぞれZ字状折曲部11jが設けられているから、図6にαで示すように車幅方向から衝撃荷重が入力されたときに、Z字状折曲部11j,11jの上側折曲部11j1及び下側折曲部11j2に応力集中が生じ、橋渡し部11h,11iが矢印β及び仮想線で示すように上下方向にも折曲することとなる。したがって、通常時における形状維持に必要な強度を確保しつつ、側突時における衝撃吸収を一層良好に行うことができる。なお、上下のいずれの方向に折曲するかは、衝撃荷重の入力方向等によって上側折曲部11j1及び下側折曲部11j2のどちらに大きな応力集中が生じるか等により決まることとなる。
また、前記棚部11bの上面を覆う被覆材12に、前後に延びるスリット12e…12eが形成されているから、車幅方向から衝撃荷重が入力されたときに、図6に矢印γ及び仮想線で示すように、被覆材12がスリット12e…12eにおいて折曲して車幅方向への変形が促進されることとなる。したがって、比較的硬質の被覆材12が設けられている場合でも側突時における衝撃吸収性能を十分に確保することができる。
また、アームレスト10aはほとんどの自動車に設けられているので、前述の作用、効果をほとんどの自動車において得ることができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については説明を省略するものとするが、説明に際して、同一の構成要素を引用する必要があるときは同一の符号を用いる。
図7〜図9に示すように、第2の実施の形態に係るドアトリム10′においては、被覆材12′の基面部12aに、上面が開口し、下方に凹む開口凹部12mが、ドアトリム本体11の前後の橋渡し部11h,11i間にこれらを避けて設けられている。また、開口凹部12mは、車幅方向内側の側壁部12qが棚部11bの開口11dの車幅方向内側の縁部11fに対して所定量離間し、かつ該側壁部12qに連続する角部12nが前側の橋渡し部11hに近接するように設けられている。そして、車幅方向からの衝撃荷重により棚部11bの開口11dの車幅方向左右の縁部11e,11f同士が接近する際、前記角部12nと前側との橋渡し部11hとが当接するようになっている。なお、スリット12e…12は、開口凹部12mの前後に設けられている。
また、弾性材13′には、開口凹部12mの上方において、該開口凹部12mの開口とほぼ同形状の開口13aが設けられている。
この第2の実施の形態によれば、前記棚部11bの上面を覆う被覆材12′に、上面が開口し、下方に凹む開口凹部12mが形成されていると共に、弾性材13′に開口凹部12mの上方において開口13aが設けられているので、開口凹部12mを小物入れとして利用することができる。
加えて、開口凹部12mは、車幅方向からの衝撃荷重により棚部11bの開口11dの車幅方向左右の縁部11e,11f同士が接近する際、前記角部12nと前側との橋渡し部11hとが当接するようになっているので、図9に仮想線で示すように側突時における橋渡し部11hの折れ曲がり変形が促進されることとなる。したがって、側突時における衝撃吸収が確実に行われることとなる。
なお、前記各実施の形態においては、前側の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜し、後側の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜しているが、これとは逆に、前側の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜し、後側の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜するようにしてもよい。
また、前記各実施の形態においては、棚部がアームレストを構成している場合について説明したが、請求項1における棚部は、物置や、デザイン上の突部等様々なものを含み、これらについても前述した衝撃吸収効果が得られることとなる。
また、前記各実施の形態においては、橋渡し部の脆弱部は、Z字状折曲部により構成されているが、例えば橋渡し部の車幅方向中間付近に切欠を形成してもよい。そして、この切欠の深さや形状を調整することにより、車幅方向からの衝撃荷重の入力時に橋渡し部を折曲させ、あるいは破断させることが可能となる。
また、前記各実施の形態においては、フロントドア用のドアトリムに本発明に係るドアトリム構造を適用したが、リヤドア用のドアトリムにも適用可能である。
また、前記各実施の形態においては、棚部は、ドアトリム本体を車室内方に膨出させることにより形成されているが、例えば、ドアトリム本体は膨出させることなく、プレート状の別部材の車幅方向外端部をドアトリム本体に固定することにより車室内方に突出するように構成された棚部にも適用可能である。
また、前記各実施の形態においては、橋渡し部が前後に2個設けられているものについて説明したが、本発明は、橋渡し部が前後に3個以上設けられているものに対しても適用可能である。その場合に、これら複数の橋渡し部のうちの一部の橋渡し部については、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜させ、残りの橋渡し部については、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜させればよい。例えば、前後に間隔をあけて3個の橋渡し部を設けてもよく、その場合、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜している橋渡し部と、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜している橋渡し部とを交互に設けることができる。なお、本発明は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜している橋渡し部と、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜している橋渡し部とが交互に設けられている場合と、交互に設けられていない場合との両方を含む。
本発明によれば、通常時におけるドアトリムの形状維持及び強度確保と、側突時における衝撃吸収性能とを両立することができるドアトリム構造を提供することができ、自動車産業に広く利用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る自動車のドアトリム構造が適用されたドア、及びシートを車室内から見た図(a図)、並びにドア及びシートを後方から見た図(b図)である。 ドアトリムの車室内方斜め後方からの単体斜視図である。 図1のA矢視図である。 被覆材及びクッション材を取り外した状態における図3相当の図である。 図3のB−B断面図である。 図3のC−C断面図である。 本発明の第2の実施の形態についての図3相当の図である。 被覆材及びクッション材を取り外した状態における図7相当の図である。 図7のD−D断面図である。 背景技術の説明図である(その1)。 背景技術の説明図である(その2)。
符号の説明
1 フロントドア
10,10′ ドアトリム
10a アームレスト
11 ドアトリム本体
11b 棚部
11d 開口
11h 橋渡し部(複数の橋渡し部のうちの一部の橋渡し部、前側の橋渡し部)
11i 橋渡し部(複数の橋渡し部のうちの残りの橋渡し部、後側の橋渡し部)
11j Z字状折曲部(脆弱部)
12,12′ 被覆材
12e スリット
12m 開口凹部
12q 側壁部
S フロントシート

Claims (6)

  1. ドアトリムにおける乗員の着座位置側方部分に車室内方に突出して設けられた棚部を有する自動車のドアトリム構造であって、
    前記棚部に、上下に貫通する開口が設けられていると共に、
    該開口の車幅方向左右の縁部間を連結する橋渡し部が前後に間隔を開けて複数設けられており、
    かつ、これらの橋渡し部のうちの一部の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜し、残りの橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜していることを特徴とする自動車のドアトリム構造。
  2. 前記請求項1に記載の自動車のドアトリム構造において、
    前記橋渡し部は、前後に間隔を開けて2個設けられており、
    前側の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも前方に位置するように車幅方向に対して傾斜し、
    後側の橋渡し部は、車幅方向外端部が車幅方向内端部よりも後方に位置するように車幅方向に対して傾斜していることを特徴とする自動車のドアトリム構造。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載の自動車のドアトリム構造において、
    前記棚部は、アームレストを構成していることを特徴とする自動車のドアトリム構造。
  4. 前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自動車のドアトリム構造において、
    前記橋渡し部に、車幅方向外方からの衝撃荷重の入力時に該橋渡し部を折曲または破断させる脆弱部が設けられていることを特徴とする自動車のドアトリム構造。
  5. 前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の自動車のドアトリム構造において、
    前記棚部の上面を覆う被覆材が設けられており、
    該被覆材に、上面が開口し、下方に凹む開口凹部が前記橋渡し部を避けて形成されていると共に、
    該開口凹部は、側壁部が前記棚部の開口の少なくとも車幅方向一方の縁部に対して所定量離間し、かつ該側壁部が前記橋渡し部に近接するように設けられていることを特徴とする自動車のドアトリム構造。
  6. 前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の自動車のドアトリム構造において、
    前記棚部の上面を覆う被覆材が設けられており、
    該被覆材に、前後に延び、車幅方向外方からの衝撃荷重の入力時に該被覆材の車幅方向への変形を促進するスリットが形成されていることを特徴とする自動車のドアトリム構造。
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