JP2010033687A - 磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法、及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法、及び磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、表面平滑性が良好で、ドロップアウトが少ない磁気記録媒体を得ることのできる非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法を提供する。
【解決手段】 ゲータイト粒子を含む含液物を真空凍結乾燥した後に、該乾燥物を熱処理してヘマタイト粒子粉末とするか、必要により、ヘマタイト粒子粉末の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物などの表面被覆物によって被覆、もしくは更に真空凍結乾燥を行うことで、粒子同士の凝結が少なく、ビヒクル中で分散しやすい非磁性下地層用非磁性粒子粉末を得るための製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気記録媒体(テープ)の表面平滑性が良好で、ドロップアウトが少ない磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法を提供する。
従来、オーディオ用、ビデオ用、コンピューター用の磁気記録再生用機器の小型軽量化、長時間記録化、高密度記録化、及び記録容量の増大化が求められており、以前と比べ、記録されるキャリアー信号の周波数が短波長領域に移行し、磁気テープの表面からの磁化深度が著しく浅くなると共に、磁気記録媒体の高出力特性、殊に、S/N比を向上させるために、磁気記録層を薄層化する傾向にある。
しかしながら、上記磁気記録層が薄層化することによって、磁気記録層の表面平滑化が困難になること及び塗膜強度の低下が問題となってきており、現在、上記磁気記録層の薄層化に対しては、ベースフィルム等の非磁性支持体上にヘマタイト粒子粉末等の非磁性粒子粉末を結合剤樹脂中に分散させてなる下地層(以下、「非磁性下地層」という。)を少なくとも一層設けることにより、磁気記録媒体の表面平滑性及び強度向上を図っている。
近年、オーディオテープやビデオテープの更なる長時間記録化及びパーソナルコンピューターやオフィスコンピューターの普及から外部記憶媒体としてデータを記録するための磁気テープ(バックアップテープ)のより一層の記録容量向上が強く要求されているが、テープ1巻当たりの大きさが規定されているオーディオテープ、ビデオテープ及びバックアップテープの場合、長時間記録化や高記録容量化のためには、テープ全厚を薄くして1巻当たりのテープ長さを長くする必要がある。そのため、磁気記録層のみならず、非磁性下地層及び非磁性支持体の薄層化も強く要求されており、例えば、従来のバックアップテープは非磁性下地層厚みが3〜5μmであったものが、近年では1〜3μmまで薄層化してきている。
殊に、非磁性下地層用非磁性下地層を薄層化した場合、非磁性粒子粉末の分散レベルが磁気記録媒体の表面平滑性に大きく影響し、従来の膜厚では問題とならなかった非磁性下地層用非磁性粒子粉末の分散粒子径であっても、薄層化することにより非磁性下地層表面上に突起を生じ、該突起が磁気記録層表面上にまで影響することで、磁性層面の表面平滑性が悪くなり、ドロップアウトが発生しやすくなる。
従って、長時間記録化や高記録容量化に適した磁気記録媒体を実現するには、非磁性下地層の塗料において非磁性下地層用非磁性粒子粉末の個々の粒子が良好に分散した状態であり、非磁性下地層を形成した際に、その表面が平滑な状態になることが必要不可欠である。そのためには非磁性下地層用非磁性粒子粉末の粒子同士が強固に凝結していない、個々の粒子が結合剤樹脂で濡れやすく、分散しやすい粉末である必要がある。
テープの表面平滑性を向上させることを目的に、アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末を100〜200℃の温度範囲で加熱処理して該アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末に含まれているアルミニウム含有ゲータイト超微粒子をアルミニウム含有針状ゲータイト粒子に吸収させる方法(特許文献1)が開示されている。
また、水酸化第2鉄を加水分解することによって得られた紡錘型ヘマタイト粒子の沈殿物を乾燥するために、凍結乾燥を行うこと(特許文献2)が記載されている。
特開2000−182236号公報 特開平06−340426号公報
非磁性下地層を薄層化しても、テープの表面平滑性が良好である磁気記録媒体を得ることのできる非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法は、現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
即ち、前出特許文献1では、アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末を100〜200℃の温度範囲で加熱処理して該アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末に含まれているアルミニウム含有ゲータイト超微粒子をアルミニウム含有針状ゲータイト粒子に吸収させることで、ヘマタイト粒子粉末の分散性を向上させているが、100〜200℃の温度範囲で加熱処理した後に、550〜850℃の高い温度で加熱処理をするため、粒子同士の粒子間距離が短いことからヘマタイト粒子同士の焼結が生じてしまい、これを用いて非磁性塗料とした場合にヘマタイト粒子を非磁性塗料中で個々に分散させることが難しいため、非磁性下地層を薄層化した場合、十分な表面平滑性を有する磁気記録媒体を得ることが困難となる。
また、前出特許文献2では、水酸化第2鉄を加水分解することによって得られた紡錘型ヘマタイト粒子の沈殿物を乾燥するために、凍結乾燥を行うことが記載されているが、水酸化第2鉄のゲル懸濁液を得るために塩化第2鉄を用いており、この塩化第2鉄は腐食性物質であり、金属類を腐食してしまうため、工業的な生産設備においては使用が困難である。また、塩化第2鉄を出発原料として用いて得られたヘマタイト粒子は塩素イオンを含むため、磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末として該ヘマタイト粒子を用いた場合、磁気記録媒体を高温高湿度下で長期保存すると、ヘマタイト粒子に含まれる微量の塩素イオンが、磁気記録媒体中に潤滑剤として用いられている脂肪酸と反応し、磁性層表面に析出・結晶化することで保存性に悪影響を及ぼすと共に、磁気ヘッドの腐食なども引き起こすため好ましくない。
そこで、本発明は、非磁性下地層を薄層化しても、テープの表面平滑性が良好で、ドロップアウトの少ない磁気記録媒体を得ることのできる非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法を提供することを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、ゲータイト粒子を含む固形分濃度50重量%以下の含液物を真空凍結乾燥した後に、該乾燥物を熱処理してヘマタイト粒子粉末にすることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法である(本発明1)。
また、本発明は、ゲータイト粒子を含む固形分濃度50重量%以下の含液物を真空凍結乾燥し、該乾燥物を熱処理してヘマタイト粒子粉末にした後、該ヘマタイト粒子粉末を水に分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物及び/又はケイ素化合物を添加して、前記ヘマタイト粒子粉末の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる一種又は二種以上の表面被覆物によって被覆し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕することによりヘマタイト粒子粉末を得ることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法である(本発明2)。
また、本発明は、ゲータイト粒子を含む固形分濃度50重量%以下の含液物を真空凍結乾燥し、該乾燥物を熱処理してヘマタイト粒子粉末にした後、該ヘマタイト粒子粉末を水に分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物及び/又はケイ素化合物を添加して、前記ヘマタイト粒子粉末の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる一種又は二種以上の表面被覆物によって被覆し、次いで、該表面被覆したヘマタイト粒子を含む固形分濃度50重量%以下の含液物を真空凍結乾燥することを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法である(本発明3)。
また、本発明は、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層及び該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性粒子粉末が本発明1乃至本発明3のいずれかに記載された非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法によって得られた磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末であることを特徴とする磁気記録媒体である(本発明4)。
本発明に係る磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法により得られたヘマタイト粒子粉末は、粒子同士の凝結が少なく、分散しやすいため、高密度磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末として好適である。
また、本発明に係る磁気記録媒体は、上述のヘマタイト粒子粉末を磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末として用いることにより、非磁性下地層を薄層化しても、テープの表面平滑性が良好で、ドロップアウトが少ないため、高密度磁気記録媒体として好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
まず、本発明に係る磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法について述べる。
本発明におけるヘマタイト粒子粉末は、出発原料であるゲータイト粒子粉末を真空凍結乾燥した後に、200〜850℃の温度範囲で加熱脱水処理して得ることができる。
本発明におけるヘマタイト粒子粉末の前駆体であるゲータイト粒子粉末の一般的な製造法について述べる。
ゲータイト粒子粉末は、後に詳述する通り、第一鉄塩と、水酸化アルカリ又は炭酸アルカリ又は水酸化アルカリと炭酸アルカリの混合アルカリのいずれかとを用いて反応して得られる鉄の水酸化物や炭酸鉄等の第一鉄含有沈澱物を含む懸濁液に空気等の酸素含有ガスを通気してゲータイト粒子を生成させることによって得られる。
ゲータイト粒子の代表的な基本反応には、周知の通り、(1)第一鉄塩水溶液に当量以上の水酸化アルカリ水溶液を加えて得られる水酸化第一鉄コロイドを含む懸濁液をpH値11以上にて80℃以下の温度で酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト粒子を生成させる方法、(2)第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られるFeCOを含む懸濁液を、必要により熟成した後、酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより紡錘状を呈したゲータイト粒子を生成させる方法、(3)第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液及び水酸化アルカリとを反応させて得られる鉄含有沈澱物を含む懸濁液を、必要により熟成した後、酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより紡錘状を呈したゲータイト粒子を生成させる方法、(4)第一鉄塩水溶液に当量未満の水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、該針状ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩水溶液に、該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し当量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加した後、酸素含有ガスを通気して前記ゲータイト核粒子を成長させる方法、(5)第一鉄塩水溶液に当量未満の水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことによりゲータイト核粒子を生成させ、次いで、該ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩水溶液に、該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し当量以上の炭酸アルカリ水溶液を添加した後、酸素含有ガスを通気して前記ゲータイト核粒子を成長させる方法及び(6)第一鉄塩水溶液と当量未満の水酸化アルカリ又は炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことによりゲータイト核粒子を生成させ、次いで、酸性乃至中性領域で前記ゲータイト核粒子を成長させる方法等がある。
なお、ゲータイト粒子の生成反応中に、粒子の長軸径、短軸径、軸比等の諸特性向上のためにAl、Zr、Ti、P、Si、Sn、Sb、Y、Nb又はMn等の異種元素が添加されてもよい。殊に、得られる磁気記録媒体の塗膜強度向上を考慮した場合、粒子内部にアルミニウムを含有させることが好ましい。粒子内部に含有させる異種元素は、各元素換算の合計で0.05〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.10〜40重量%、更により好ましくは0.15〜30重量%である。
本発明におけるゲータイト粒子の粒子形状は、針状、紡錘状、米粒状、球状、粒状、多面体状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であってもよい。これにより得られるヘマタイト粒子粉末の軸比を考慮すれば、軸比(平均一次長軸径と平均一次短軸径の比)(以下、「軸比」という。)が2.0〜20.0の針状、紡錘状及び米粒状が好ましく、より好ましくは2.5〜18.0、更により好ましくは3.0〜15.0である。
本発明におけるゲータイト粒子の平均一次長軸径は0.005〜0.40μmであり、BET比表面積値は20〜250m/gであり、体積基準平均粒子径(D50)は通常下限値が2.70μmを超える値を有している。その上限値は、好ましくは5.00μmであり、より好ましくは4.50μmである。
前記製造法によって得られたゲータイト粒子は、反応溶液をそのまま用いて真空凍結乾燥をすることもできるが、通常、濾別、水洗等の処理を行って、未反応の原料や副生成物等を除去したものを用いることが好ましい。
本発明においては、真空凍結乾燥を行う前に、あらかじめゲータイト粒子粉末の粒子表面を焼結防止剤で被覆しておくことが好ましい。焼結防止剤による被覆処理は、出発原料であるゲータイト粒子粉末を含む水懸濁液中に焼結防止剤を添加し、均一になるように混合攪拌した後、ゲータイト粒子表面に焼結防止剤が被覆できるような適切なpH調整を行う。焼結防止剤による被覆処理をしたゲータイト粒子の水懸濁液は固形分濃度を調節して、そのまま真空凍結乾燥を行うこともできるが、通常、濾別、水洗等の処理を行って、未反応の原料や副生成物等を除去した水懸濁液を用いて、真空凍結乾燥を行えばよい。
前記焼結防止剤としては、通常使用されるヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸、オルトリン酸等のリン化合物、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、コロイダルシリカ等のケイ素化合物、ホウ酸等のホウ素化合物、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ソーダ等のアルミン酸アルカリ塩、アルミナゾル、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、オキシ硫酸チタン等のチタン化合物などの一種又は二種以上を使用することができる。特に、高温での焼成による粒子同士の焼結抑制を考慮すれば、イットリウム、ネオジウムなどの希土類元素を含む化合物の一種又は二種以上を焼結防止剤として使用するのがより好ましい。
ゲータイト粒子粉末の粒子表面に存在する焼結防止剤の量は、焼結防止剤の種類や量、アルカリ水溶液中におけるpH値や加熱処理温度等の諸条件により異なるが、ゲータイト粒子粉末の全重量に対して0.05〜20重量%である。
本発明においては、真空凍結乾燥する前のゲータイト粒子粉末は、水などの分散媒体に分散させ、固形分濃度を調整した後、真空凍結乾燥を行う。本発明においては、真空凍結乾燥する前のゲータイト粒子粉末を含む含液物の濃度(固形分換算)は50重量%以下に調整することが好ましい。含液物の固形分が50重量%を超える場合には、真空凍結乾燥後に粒子同士の凝結が生じるため好ましくない。また、含液物の固形分が低い場合には真空凍結乾燥後に粒子同士の凝結は生じないが、真空凍結乾燥に時間がかかり、且つ収量も少なく工業的に不利となるため、含液物の固形分は5重量%以上が好ましい。
なお、ゲータイト粒子粉末を含む含液物の固形分濃度は、ゲータイト粒子粉末を含む含液物100gを秤量し、乾燥機を用いて含液物を構成する液体の蒸発する温度以上で24時間乾燥し、液体を揮発させ、その後の乾燥物の重量を測定し、重量比から固形分濃度を算出した。
ゲータイト粒子粉末を含む含液物の真空凍結乾燥を行う際は、該ゲータイト粒子粉末を含む含液物を0℃以下で予備凍結させ、予備凍結後に真空度100Pa以下にした状態で、凍結温度から温度を徐々にあげ、0〜80℃の温度範囲内で水分が0.5%以下になるように乾燥する方法や、該ゲータイト粒子粉末を含む含液物の真空度を100Pa以下になるまで減圧して、ゲータイト粒子粉末に含まれる水分を気化させることで、ゲータイト粒子粉末を含む含液物の温度を0℃以下に下げて自己凍結させ、その凍結した状態から温度を徐々に上げていき、0〜80℃の温度範囲内で水分が3.0%以下になるように乾燥する方法の、いずれの方法をも用いることができる。
ゲータイト粒子粉末を含む含液物の予備凍結温度は0℃以下が好ましく、より好ましくは−30℃以下が好ましい。予備凍結温度が0℃を超えると、ゲータイト粒子粉末を含む含液物を構成する液体が完全に固体に変態できず、粒子間の距離が広がらないため、ヘマタイト粒子を作製するための熱処理を行う際に、粒子同士の焼結が生じやすいため好ましくない。
真空凍結乾燥を行う際には、容器内のゲータイト粒子粉末を含む含液物の層高を低くすることで処理時間が短縮できるため、工業的に有利である。
ゲータイト粒子粉末を含む含液物の予備凍結後、又は自己凍結を行う際の真空度は、100Pa以下が好ましく、80Pa以下がより好ましい。
ゲータイト粒子粉末を含む含液物の予備凍結後、又は自己凍結後の乾燥温度は、0℃〜80℃が好ましく、10℃〜60℃がより好ましい。
本発明における真空凍結乾燥を行ったゲータイト粒子粉末は、真空凍結乾燥を行う前のゲータイト粒子粉末とほぼ同程度の粒子サイズ及びBET比表面積値を有している。
本発明における真空凍結乾燥を行ったゲータイト粒子粉末の体積基準平均粒子径(D50)は、0.01〜2.70μmであり、好ましくは0.01〜2.65μm、より好ましくは0.01〜2.60μmである。体積基準平均粒子径(D50)が2.70μmを超える場合には、高温加熱処理を行うことで粒子同士の焼結が起こりやすいため好ましくない。
本発明におけるヘマタイト粒子粉末は、真空凍結乾燥を行ったゲータイト粒子粉末を200〜400℃の温度範囲で低温加熱脱水処理して低密度ヘマタイト粒子粉末を得、次いで、該低密度ヘマタイト粒子粉末を400〜850℃の温度範囲で高温加熱処理を行うことにより得られる高密度化されたヘマタイト粒子粉末であることが好ましい。
低温加熱脱水温度が200℃未満の場合には、脱水反応に長時間を要するために好ましくない。低温加熱脱水温度が400℃を超える場合には、脱水反応が急激に生起し、粒子の形状が崩れやすくなったり、粒子相互間の焼結を引き起こしたりする可能性がある。低温加熱脱水処理して得られる低密度ヘマタイト粒子粉末は、ゲータイト粒子粉末からHOが脱水され、脱水孔を多数有する低密度粒子からなり、BET比表面積値が出発原料であるゲータイト粒子粉末の1.2〜2倍程度となる。
また、低密度ヘマタイト粒子粉末を400〜850℃で高温加熱処理して高密度化されたヘマタイト粒子粉末とする場合、高温加熱処理温度が400℃未満の場合には、高密度化が不十分であるためヘマタイト粒子の粒子内部及び粒子表面に脱水孔が多数存在しており、ビヒクル中における分散性が難しく、非磁性下地層を形成した時、表面平滑な塗膜が得られにくい。850℃を超える場合には、ヘマタイト粒子の高密度化は十分なされているが、粒子及び粒子相互間の焼結が生じるため、粒子径が増大し、同様に表面平滑な塗膜は得られにくい。
本発明における非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末は、磁気記録媒体の耐腐食性を考慮した場合には、ヘマタイト粒子粉末中の可溶性ナトリウム塩、可溶性硫酸塩等の含有量を低減した高純度化したヘマタイト粒子粉末が好ましい。
高純度化したヘマタイト粒子粉末は、可溶性ナトリウム塩の含有量がNa換算で300ppm以下が好ましく、より好ましくは200ppmである。また、可溶性硫酸塩の含有量はSO換算で150ppm以下が好ましく、より好ましくは100ppm以下である。
高純度化されたヘマタイト粒子粉末は、ヘマタイト粒子粉末を湿式分散処理してスラリー化した後に、アルカリ水溶液中で加熱処理し、濾別、水洗することにより得ることができる。
ヘマタイト粒子粉末を湿式分散させるための分散機器としては、湿式ビーズレス連続分散機・乳化機、湿式媒体分散機及び、それらを組み合わせたものを用いることができる。
アルカリ水溶液のpH値は13.0以上が好ましい。加熱処理の温度は80℃以上が好ましく、より好ましくは90℃以上である。
本発明2における非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末は、ヘマタイト粒子粉末の表面がアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる一種又は二種以上の表面被覆物によって被覆することにより得ることができる。粒子表面が表面被覆物で被覆されているヘマタイト粒子粉末は、ビヒクル中に分散させた場合に、結合剤樹脂とのなじみがよく、所望の分散度がより得られ易い。
本発明2における表面被覆物により被覆されたヘマタイト粒子粉末は、ヘマタイト粒子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後にpH値を調整することにより、前記ヘマタイト粒子粉末の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる一種又は二種以上の表面被覆物で被覆し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処理等を施してもよい。
アルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が使用できる。
前記表面被覆物の添加量は、ヘマタイト粒子粉末に対してアルミニウムの水酸化物やアルミニウムの酸化物はAl換算で、ケイ素の水酸化物やケイ素の酸化物はSiO換算で、それぞれ0.01〜50重量%が好ましい。0.01重量%未満の場合には、被覆による分散性向上効果がほとんどなく、50重量%を超える場合には、被覆効果が飽和するため、必要以上に被覆する意味がない。ビヒクル中における分散性向上効果及び工業的な生産性を考慮すれば、0.05〜20重量%がより好ましい。
アルミニウム化合物とケイ素化合物とを併せて使用する場合には、ヘマタイト粒子粉末に対してAl換算量とSiO換算量との総和で0.01〜50重量%が好ましい。
本発明3における非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末は、上述の表面被覆物によって被覆されたヘマタイト粒子粉末を、水などの分散媒体に分散させ、固形分濃度を調整した含液物を、真空凍結乾燥することにより得ることができる。ヘマタイト粒子を真空凍結乾燥することによって、ビヒクル中に分散させた場合に、より分散性が向上し、表面平滑性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。
表面被覆物により被覆されたヘマタイト粒子粉末を含む含液物の真空凍結乾燥は、表面被覆物により被覆されたヘマタイト粒子粉末を含む含液物を0℃以下で予備凍結させ、予備凍結後に真空度100Pa以下にした状態で、凍結温度から温度を徐々にあげ、0〜80℃の温度範囲内で水分が0.5%以下になるように乾燥する方法や、表面被覆物により被覆されたヘマタイト粒子粉末を含む含液物の真空度を100Pa以下になるまで減圧して、ヘマタイト粒子粉末に含まれる水分を気化させることで、表面被覆物により被覆されたヘマタイト粒子粉末を含む含液物の温度を0℃以下に下げて自己凍結させ、その凍結した状態から温度を徐々に上げていき、0〜80℃の温度範囲内で水分が3.0%以下になるように乾燥する方法の、いずれの方法も行うことができる。
表面被覆物により被覆されたヘマタイト粒子粉末を含む含液物の真空凍結乾燥の処理条件は、前記ゲータイト粒子粉末の真空凍結乾燥を行う場合と同様の条件で行えばよい。
本発明2及び本発明3における表面被覆物で被覆されているヘマタイト粒子粉末は、表面被覆物で被覆されていない本発明1におけるヘマタイト粒子粉末とほぼ同程度の粒子サイズ及びBET比表面積値を有している。
次に、本発明に係る磁気記録媒体用の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法によって得られた非磁性下地層用非磁性粒子粉末の特性について述べる。
本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末の粒子形状は、針状、紡錘状、米粒状、球状、粒状、多面体状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であってもよい。
本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末の平均一次長軸径は0.005〜0.30μmであり、好ましくは0.010〜0.25μm、より好ましくは0.015〜0.20μmである。
本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末の平均一次長軸径が0.30μmを超える場合には、これを用いて非磁性下地層を形成した場合、塗膜の表面平滑性が損なわれやすい。平均一次長軸径が0.005μm未満の場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、ビヒクル中での分散が困難となる。
本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末の軸比は、2.0〜20.0が好ましく、より好ましくは2.5〜18.0、更により好ましくは3.0〜15.0である。
本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末のBET比表面積値は10〜200m/gが好ましく、より好ましくは15〜180m/g、更により好ましくは20〜160m/gである。BET比表面積値が10m/g未満の場合には、これを用いて磁気記録層を形成した場合に、塗膜の表面平滑性が損なわれやすい。BET比表面積値が200m/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、ビヒクル中での分散が困難となる。
本発明1及び本発明2における非磁性下地層用非磁性粒子粉末の体積基準平均粒子径(D50)は、0.01〜2.80μmであり、好ましくは0.01〜2.70μm、より好ましくは0.01〜2.60μmである。体積基準平均粒子径(D50)が2.80μmを超える場合には、非磁性下地層を薄層化した場合に、得られた磁気記録媒体の表面性が低下し、ドロップアウトが増加するため好ましくない。
本発明3における非磁性下地層用非磁性粒子粉末は、ヘマタイト粒子表面を表面被覆物で被覆した後、真空凍結乾燥を行うことにより、更に分散性を改善することができ、その体積基準平均粒子径(D50)は、0.01〜2.50μmであり、好ましくは0.01〜2.40μm、より好ましくは0.01〜2.30μmである。
本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末は、必要によりヘマタイト粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた一種又は二種以上の表面被覆物で被覆してもよく、表面被覆物で被覆していない場合に比べ、テープの表面平滑性を改善することができる。
表面被覆物による被覆量は、表面被覆物が被覆されたヘマタイト粒子粉末に対してAl換算、SiO換算又はAl換算量とSiO換算量との総和で0.01〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜20重量%である。0.01重量%未満である場合には、磁気記録媒体の表面平滑性の改良効果が得られない。0.01〜50重量%の被覆量により、磁気記録媒体テープの表面平滑性の改良効果が得られるので、50重量%を超えて必要以上に被覆する意味がない。
次に、本発明に係る磁気記録媒体について述べる。
本発明における磁気記録媒体は、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成された非磁性下地層及び該非磁性下地層上に形成された磁気記録層とからなる。また、必要に応じて、非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対し、非磁性支持体の他方の面にバックコート層を形成させてもよい。殊に、コンピューター記録用のバックアップテープの場合には、巻き乱れの防止や走行耐久性向上の点から、バックコート層を設けることが好ましい。
本発明における非磁性支持体としては、現在、磁気記録媒体に汎用されているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、ポリスルフォン、セルローストリアセテート、ポリベンゾオキサゾール等の合成樹脂フィルム、アルミニウム、ステンレス等金属の箔や板及び各種の紙を使用することができる。得られる磁気記録媒体の強度を考慮すれば、ポリエステル類、ポリアミド又は芳香族ポリアミドが好ましい。
非磁性支持体の厚みは、その材質及び用途により種々異なるが、通常好ましくは1.0〜300μm、より好ましくは2.0〜200μmである。殊に、記録容量を上げるために薄層化する傾向にあるコンピューター記録用のバックアップテープの場合、その厚みは、通常1.0〜7.0μmが好ましく、より好ましくは2.0〜6.0μmである。
次に、本発明における非磁性下地層について述べる。
本発明における非磁性下地層は、本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末、及び結合剤樹脂とからなる。また、必要に応じて、磁気記録媒体の製造に通常用いられている潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
結合剤樹脂としては、磁気記録媒体の製造にあたって汎用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化型樹脂等を単独又は組み合わせて用いることができる。具体的には、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコーン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアニド樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース等セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、クロロビニルエーテル−アクリル酸共重合体、アミノ樹脂、ポリブタジエン等の合成ゴム系樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂及び電子線硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、(不飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタンカーボネート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリイソシアネート、電子線硬化型アクリルウレタン樹脂等を用いることができる。また、各結合剤樹脂には極性基として、−COOM、−SOM及び−OPO(但し、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は炭化水素基である。)等の酸性基、リン酸エステル類及びアルキルベタイン型の両性類基、−OH、−NH等が含まれていてもよい。本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末のビヒクル中における分散性を考慮すれば、極性基として−COOM、−SOM又はアルキルベタイン型両性類基が含まれている結合剤樹脂が好ましく、特にテープの平滑性を考慮すれば、−SOMを含む結合剤樹脂が好ましい。
本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末と結合剤樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100重量部に対して非磁性下地層用非磁性粒子粉末が5〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。
非磁性支持体上に形成された非磁性下地層のカレンダー処理後の塗膜厚さは、0.1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜4.0μmであり、更により好ましくは0.3〜3.0μmである。殊に、記録容量を上げるために薄層化する傾向にあるコンピューターデータ記録用のバックアップテープの場合、その厚みは、通常0.1〜3.0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜2.5μm、更により好ましくは0.3〜2.0μmである。0.1μm未満の場合には、非磁性支持体の表面粗さを改善することが困難となると共に、得られる磁気記録媒体の強度も不十分となりやすい。5.0μmを超える場合には、磁気記録媒体の薄層化が困難となるため好ましくない。
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができる。帯電防止の他に、摩擦係数低減、磁気記録媒体の強度向上といった効果が期待できることから、帯電防止剤としては、カーボンブラックを用いることが好ましく、テープの保存性を考慮すれば、高純度化したカーボンブラックを用いることがより好ましい。
本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末を用いて得られた非磁性下地層は、塗膜の光沢度が175〜280%、好ましくは180〜280%、より好ましくは185〜280%であって、塗膜の表面粗度Raが2.0〜11.0nm、好ましくは2.0〜10.5nm、より好ましくは2.0〜10.0nmである。
次に、本発明における磁気記録層について述べる。
本発明における磁気記録層は、磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含んでいる。
磁性粒子粉末としては、マグヘマイト粒子粉末(γ−Fe)やマグネタイト粒子粉末(FeO ・Fe、0<x≦1)等の磁性酸化鉄粒子粉末にCo又はCo及びFeを被着させたCo被着型磁性酸化鉄粒子粉末、前記Co被着型磁性酸化鉄粒子粉末にFe以外のCo、Al、Ni、P、Zn、Si、B、希土類金属等の異種元素を含有させたCo被着型磁性酸化鉄粒子粉末、鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末、鉄以外のCo、Al、Ni、P、Zn、Si、B、希土類金属等を含有する鉄合金磁性粒子粉末、Ba、Sr、又はBa−Srを含有する板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末並びにこれらにCo、Ni、Zn、Mn、Mg、Ti、Sn、Zr、Nb、Cu、Mo等の2価及び4価の金属から選ばれた保磁力低減剤の一種又は二種以上を含有させた板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末や窒化鉄等のいずれをも用いることができる。
尚、近年の短波長記録、高密度記録を考慮すれば、鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末、鉄以外のCo、Al、Ni、P、Zn、Si、B、希土類金属等を含有する鉄合金磁性粒子粉末、板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末や窒化鉄等が好ましい。
磁性粒子粉末は、平均一次長軸径(板状粒子の場合は平均一次粒子径)が0.01〜0.50μmであることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.30μmである。該磁性粒子粉末の粒子の形状は針状もしくは板状が好ましい。ここで「針状」とは、文字通りの針状はもちろん、紡錘状や米粒状等を含む意味である。
また、磁性粒子粉末の粒子形状が針状の場合、軸比は2.0以上が好ましく、より好ましくは3.0以上であり、ビヒクル中における分散性を考慮すれば、その上限値は15.0が好ましく、より好ましくは10.0である。
磁性粒子粉末の粒子形状が板状の場合、板状比(粒子の平均一次粒子径と粒子の平均一次厚みの比)(以下、「板状比」という。)は1.0以上であることが好ましく、より好ましくは2.0以上であり、ビヒクル中における分散性を考慮すれば、その上限値は20.0が好ましく、より好ましくは15.0である。
磁性粒子粉末の磁気特性は、保磁力値が39.8〜318.3kA/m(500〜4000Oe)、好ましくは43.8〜318.3kA/m(550〜4000Oe)であって、飽和磁化値が40〜200Am/kg(40〜200emu/g)、好ましくは45〜180Am/kg(45〜180emu/g)である。
高密度記録化等を考慮して、磁性粒子粉末として鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末、鉄合金磁性粒子粉末、又は板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末や窒化鉄等を用いた場合の磁気特性は、保磁力値が63.7〜318.3kA/m(800〜4000Oe)、好ましくは71.6〜318.3kA/m(900〜4000Oe)、飽和磁化値が40〜200Am/kg(40〜200emu/g)、好ましくは45〜180Am/kg(45〜180emu/g)である。
結合剤樹脂としては、前記非磁性下地層を作製するために用いた結合剤樹脂を使用することができる。
非磁性下地層上に設けられた磁気記録層のカレンダー処理後の塗膜厚さは、0.01〜2.0μmが好ましく、より好ましくは0.02〜1.5μmであり、更により好ましくは0.02〜1.0μmである。殊に、記録容量を上げるために薄層化する傾向にあるコンピューターデータ記録用のバックアップテープの場合、その厚みは、通常0.01〜0.30μmが好ましく、より好ましくは0.02〜0.20μmである。0.01μm未満の場合には、均一な塗布が困難であり、塗りむら等の現象が出やすくなるため好ましくない。2.0μmを超える場合には、反磁界の影響により再生出力が小さくなるため好ましくない。
磁性粒子粉末と結合剤樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100重量部に対して磁性粒子粉末が100〜2000重量部、好ましくは200〜1500重量部である。
磁気記録層中には、通常用いられている潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができる。前記非磁性下地層を形成する場合と同じ理由で、帯電防止剤としては、カーボンブラックを用いることが好ましく、テープの保存性を考慮すれば、高純度化したカーボンブラックを用いることがより好ましい。
次に、本発明におけるバックコート層について述べる。
本発明におけるバックコート層中には、結合剤樹脂と共に、バックコート層の表面電気抵抗値及び光透過率低減、並びに強度向上を目的として、帯電防止剤及び無機粒子粉末を含有させることが好ましい。また、必要に応じて、通常の磁気記録媒体の製造に用いられる潤滑剤、研磨剤等が含まれていてもよい。
結合剤樹脂としては、前記非磁性下地層、及び磁気記録層を作製するために用いた結合剤樹脂を使用することができる。
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができる。前記非磁性下地層、及び磁気記録層を形成する場合と同じ理由で、帯電防止剤としては、カーボンブラックを用いることが好ましく、テープの保存性を考慮すれば、高純度化したカーボンブラックを用いることがより好ましい。
無機粉末としては、ヘマタイト、アルミナ、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、酸化セリウム、二酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛、窒化ホウ素及び硫酸バリウム等から選ばれる一種又は二種以上を用いることができる。
コンピューターデータ記録用のバックアップテープの中でも、高記録容量化のために記録トラック幅を狭くした場合には、オフトラックによる再生出力の低下が問題となるため、トラックサーボが必要となる。トラックサーボ方式には磁気記録層又はバックコート層にサーボトラックバンドを形成し、それを磁気的に読み取ってサーボトラッキングする磁気サーボ方式とバックコート層に凹部アレイからなるサーボトラックバンドをレーザー照射等で形成し、それを光学的に読み取ってサーボトラッキングする光学サーボ方式がある。
殊に、バックコート層にサーボトラックバンドを形成する磁気サーボ方式の場合には、帯電防止剤及び無機粒子粉末に加えて、磁性粒子粉末を含有させることが必須となる。磁性粒子粉末としては、前記磁性層に用いた磁性粒子粉末を使用することができる。
非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対し、非磁性支持体の他方の面に設けられたバックコート層のカレンダー処理後の塗膜厚さは、0.1〜4.0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0μmであり、更により好ましくは0.2〜1.5μmである。0.1μm未満の場合には、バックコート層の強度が不十分となり、また、塗りむら等の現象が出やすくなるため好ましくない。4.0μmを超える場合には、バックコート層の膜厚が厚すぎるため、テープ全厚が厚くなり、高記録容量化が困難となる。
本発明における磁性粒子粉末を用いて得られた磁気記録媒体は、保磁力値は39.8〜318.3kA/m(500〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは43.8〜318.3kA/m(550〜4000Oe)、塗膜の光沢度は130〜300%が好ましく、より好ましくは135〜300%、更により好ましくは140〜300%、塗膜の表面粗度Raは11.0nm以下が好ましく、より好ましくは2.0〜10.5nm、更により好ましくは2.0〜10.0nm、塗膜のドロップアウト(D/O)は18個/msec以下が好ましく、より好ましくは16個/msec以下である。
高記録容量化を考慮して、磁性粒子粉末として鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末、針状鉄合金磁性粒子粉末、又は板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末や窒化鉄等を用いた磁気記録媒体の場合には、保磁力値は63.7〜318.3kA/m(800〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは71.6〜318.3kA/m(900〜4000Oe)、塗膜の光沢度は185〜300%が好ましく、より好ましくは190〜300%、更により好ましくは195〜300%、塗膜の表面粗度Raは8.0nm以下が好ましく、より好ましくは2.0〜7.5nm、更により好ましくは2.0〜7.0nm、ドロップアウト(D/O)は17個/msec以下が好ましく、より好ましくは15個/msec以下である。
次に、本発明における磁気記録媒体の製造法について述べる。
前記非磁性下地層、磁気記録層、及びバックコート層の形成にあたって用いる溶剤としては、磁気記録媒体に汎用されているアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びテトラヒドロフラン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール及びイソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル及び酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル及びジオキサン等のグリコールエーテル類及びその混合物等を使用することができる。
溶剤の使用量は、本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉末100重量部に対してその総量で65〜1000重量部である。65重量部未満では塗料とした場合に粘度が高くなりすぎ塗布が困難となる。1000重量部を超える場合には、塗膜を形成する際の溶剤の揮発量が多くなりすぎ工業的に不利となる。
非磁性下地層、磁気記録層、バックコート層は、各層を構成する成分及び溶剤を一般に使用される混練機及び分散機により混練・分散処理を行い、各塗料を作製する。該各塗料を用いて、非磁性支持体上の一面に非磁性下地層、磁気記録層の順に塗布、乾燥後、カレンダー処理を行う。その際の塗布方法としては、磁性層と非磁性層をほぼ同時に塗布するWet on Wet法でも、非磁性下地層を塗布・乾燥後、その上に磁気記録層を塗布するWet on Dry法のどちらでもよい。また、必要により、バックコート層を設ける場合には、非磁性下地層及び磁気記録層とは反対面の非磁性支持体上にバックコート層用塗料を塗布、乾燥後、カレンダー処理を行い、磁気記録媒体を得る。
<作用>
本発明において最も重要な点は、ゲータイト粒子粉末を含む含液物を真空凍結乾燥した後に、該乾燥物を熱処理することによって得られた非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末は、粒子同士の焼結が少なく、これを用いて得られる磁気記録媒体は、非磁性下地層を薄層化しても、テープの表面平滑性が良好で、ドロップアウトが少ないという事実である。
本発明における非磁性下地層用非磁性粒子粉を用いて得られた磁気記録媒体が、非磁性下地層を薄層化しても表面平滑性が良好である理由として、本発明者は下記のように推定している。
即ち、ゲータイト粒子粉末を含む含液物に対して真空凍結乾燥を行うことで、含液物を構成する液体を、固体の状態から昇華により取り除くことができるため、高温度の熱処理による液体の蒸発による場合と比較して、ゲータイト粒子同士の粒子凝集が抑制でき、該乾燥物を高温度で熱処理してヘマタイト粒子にする際の粒子同士の焼結も抑制することができ、また、粒子表面の凹部など乾燥しにくいところの液体まで効率良く除去することができる。その結果、個々のヘマタイト粒子への溶剤や結合剤樹脂との濡れが効率良く行われるため、ビヒクル中でのヘマタイト粒子粉末の分散が良好となるためと、本発明者は考えている。
以下に、本発明における実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
粒子の平均一次長軸径、平均一次短軸径、平均一次粒子径、及び平均一次厚みは、以下の手順で測定を行った。まず、透過型電子顕微鏡を用いて粒子を観察し、個々の粒子が重ならず、ばらばらに分散している視野において、粒子約400個が存在するように倍率を調整し、写真を撮影した。次に得られた写真を縦横4倍に拡大した後に、粒子約350個について長軸径、短軸径、粒子径、又は厚みを、DIGITIZER(型式:KD 4620、グラフテック 株式会社製)を用いてそれぞれ測定し、その平均値で粒子の平均一次長軸径、平均一次短軸径、平均一次粒子径、及び平均一次厚みを示した。粒子径を測定する際は、長軸、短軸、粒子、厚みにおいて、それぞれ最も長い部分を測定した。また、写真上において、粒子の輪郭がはっきりしないものや、粒子同士が重なって個々の粒子を判別しにくいものは粒子径の測定から除外した。
軸比は平均一次長軸径と平均一次短軸径との比で示し、板状比は平均一次粒子径と平均一次厚みの比で示した。
比表面積値はBET法により測定した値で示した。
ゲータイト粒子粉末、ヘマタイト粒子粉末の粒子内部や粒子表面に存在するAl量、P量、SiO量、及びY量のそれぞれは、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。また、板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末のTi量、Ni量及びFe量は、上記と同様にして測定した。
ゲータイト粒子粉末、ヘマタイト粒子粉末の体積基準平均粒子径(D50)は、あらかじめ試料を60mesh(目開き 250μm)の篩に通し、篩を通過した該試料を乾燥機にて80℃で3時間乾燥した後、「レーザー回折式粒度分布測定装置 model HELOS LA/KA」(SYMPATEC社製)の乾式分散ユニットを用いて、分散圧0.5MPa(5bar)にて測定した。
ゲータイト粒子又はヘマタイト粒子を含む含液物の固形分濃度は、ゲータイト粒子又はヘマタイト粒子を含む含液物100gを秤量し、乾燥機を用いて含液物を構成する液体の蒸発する温度以上で24時間乾燥し、液体を揮発させた。その後の乾燥物の重量を測定し、重量比から固形分濃度を算出した。
磁性粒子粉末の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業株式会社製)を用いて外部磁場795.8kA/m(10kOe)の下で測定した値であり、磁気テープの諸特性は外部磁場795.8kA/m(10kOe)の下で測定した結果である。
塗膜の表面光沢度は、「グロスメーター UGV−5D」(スガ試験機株式会社製)を用いて入射角45°で測定した値であり、標準板光沢を86.3%とした時の値を%で示したものである。
表面粗度Raは、「Surfcom−575A」(東京精密株式会社製)を用いて塗膜の中心線平均粗さRaを測定した。
磁気記録媒体のドロップアウトは、磁気テープを「ドラムテスターBX−3168」(ベルデックス社製)にかけ、相対速度2.5m/secにおいて得られるエンベロープより、単位時間当たりのドロップアウトの個数をカウントすることにより求めた。
磁気記録媒体を構成する非磁性支持体、非磁性下地層及び磁気記録層の各層の厚みは、下記のようにして測定した。
「デジタル電子マイクロメーター K351C」(安立電気株式会社製)を用いて、先ず、非磁性支持体の膜厚(A)を測定する。次に、非磁性支持体と該非磁性支持体上に形成された非磁性下地層との厚み(B)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みとの総和)を同様にして測定する。更に、非磁性下地層上に磁気記録層を形成することにより得られた磁気記録媒体の厚み(C)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みと磁気記録層の厚みとの総和)を同様にして測定する。そして、非磁性下地層の厚みは(B)−(A)で示し、磁気記録層の厚みは(C)−(B)で示した。
また、非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対し、非磁性支持体の他方の面にバックコート層を設けた場合には、上記と同様に、「デジタル電子マイクロメーター K351C」(安立電気株式会社製)を用いて、先ず、非磁性支持体の膜厚(A)を測定する。次に、非磁性支持体と該非磁性支持体上に形成された非磁性下地層との厚み(B)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みとの総和)を同様にして測定する。更に、非磁性下地層上に磁気記録層を形成することにより得られた磁気記録媒体の厚み(C)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みと磁気記録層の厚みとの総和)を同様にして測定する。更に、磁気記録層とは反対の非磁性支持体面に設けたバックコート層との厚み(D)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みと磁気記録層の厚みとバックコート層の厚みとの総和)を同様にして測定する。そして、非磁性下地層の厚みは(B)−(A)で示し、磁気記録層の厚みは(C)−(B)で示し、バックコート層の厚みは(D)−(C)で示した。
<実施例1−1:非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造>
硫酸第一鉄水溶液と、水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合水溶液とを用いて得られた前駆体1(種類:ゲータイト粒子、粒子形状:紡錘状、平均一次長軸径:0.130μm、平均一次短軸径:0.0170μm、軸比:7.6、BET比表面積値:145.4m/g、体積基準平均粒子径D50:3.75μm、アルミニウムの含有量(Al換算):0.05重量%)17kgのスラリー(固形分濃度を31g/l)550lを加熱し、温度を60℃とし、0.1NのNaOH水溶液を加えてスラリーのpH値を10.0に調整した。
次に、上記スラリー中に、焼結防止剤としてヘキサメタリン酸ナトリウム400gを溶解した水溶液を徐々に加え、添加が終わった後、60分間熟成を行った。次に、このスラリーに0.1Nの酢酸溶液を加え、スラリーのpH値を6.5に調整した。その後、常法により、水洗、濾過を行い、ゲータイト粒子粉末を含む含水物(固形分濃度31重量%)を得た。
次に、上記焼結防止処理を行って得られたゲータイト粒子粉末を含む含水物を、−50℃にて凍結させた(予備凍結)。凍結後、真空度を50Paにまであげて、そのままの状態で、凍結温度−50℃の状態から徐々に温度をあげて50℃にし、水分が0.5%以下になるまで乾燥を行い、リンの化合物が粒子表面に被覆されているゲータイト粒子粉末を16kg得た。得られたゲータイト粒子(粒子1)はリンの含有量はP換算で0.70重量%、体積基準平均粒子径D50は2.10μmであった。
次いで、得られたゲータイト粒子粉末を、セラミック製の回転炉に入れ、回転駆動させながら空気中280℃で60分間加熱脱水処理を行い、ゲータイト粒子粉末を脱水して、低密度ヘマタイト粒子粉末を得た。
次に、上記低密度ヘマタイト粒子粉末13kgをセラミック製の回転炉に再度投入し、回転駆動させながら空気中570℃で30分間熱処理を行い、脱水孔の封孔処理をすることにより、実施例1−1の非磁性下地層用非磁性粒子粉末を得た。
得られた実施例1−1の非磁性下地層用非磁性粒子粉末は、粒子形状が紡錘状、平均一次長軸径が0.099μm、平均一次短軸径が0.0161μm、軸比が6.1、BET比表面積値が58.9m/g、体積基準平均粒子径D50が2.15であり、リンの含有量(P換算)が0.62重量%であった。
<実施例2−1:非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造>
上記実施例1−1で得られたヘマタイト粒子12kgを、凝集を解きほぐすために、純水70lに攪拌機を用いて邂逅し、更に、「TKパイプラインホモミクサー」(製品名、特殊機化工業株式会社製)を3回通して実施例1−1のヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを得た。
続いて、この実施例1−1のヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを横型サンドグラインダー「マイティーミルMHG−1.5L」(製品名、井上製作所株式会社製)を用いて、軸回転数2000rpmにおいて5回パスさせて、実施例1−1のヘマタイト粒子粉末を含む分散スラリーを得た。
得られた実施例1−1のヘマタイト粒子粉末を含む分散スラリー濃度を62g/lとし、スラリーを180l採取した。このスラリーを攪拌しながら、6NのNaOH水溶液を加えてスラリーのpH値を13.4に調整した。次に、このスラリーを攪拌しながら加熱して95℃まで昇温し、その温度で3時間保持した。
次に、このスラリーをデカンテーション法により水洗し、pH値が10.5のスラリーとした。この時点でのヘマタイト粒子粉末の重量は10.5kgであった。
次に、上記アルカリ性スラリー中に、アルミン酸ナトリウム346.5gを徐々に加え、20分間熟成を行った。次に、このスラリーに0.1Nの酢酸溶液を加え、スラリーのpH値を9.1に調整した。その後、常法により、濾別、水洗、乾燥を行い、実施例2−1の非磁性下地層用非磁性粒子粉末を得た。
得られた実施例2−1の非磁性下地層用非磁性粒子粉末は、粒子形状が紡錘状、平均一次長軸径が0.100μm、平均一次短軸径が0.0161μm、軸比が6.2、BET比表面積値が59.2m/g、体積基準平均粒子径D50が2.16であり、リンの含有量(P換算)が0.62重量%、アルミニウムの含有量(Al換算)が1.14重量%であった。
<実施例3−1:非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造>
次に、上記実施例2−1の濾別、水洗後(乾燥前)のヘマタイト粒子粉末を含む含水物(固形分濃度で29重量%)を、−50℃にて完全に凍結させ、凍結後、真空度を50Paにまであげて、その状態から徐々に温度を上げて60℃にした後に、水分が0.5%以下になるまで乾燥を行った。この乾燥粉末 10.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入して、392N/cmで20分間混合攪拌を行い、粒子の凝集を軽く解きほぐし、実施例3−1の非磁性下地層用非磁性粒子粉末を得た。
得られた実施例3−1の非磁性下地層用非磁性粒子粉末は、粒子形状が紡錘状、平均一次長軸径が0.099μm、平均一次短軸径が0.0160μm、軸比が6.2、BET比表面積値が59.1m/g、体積基準平均粒子径D50が1.86μmであり、リンの含有量(P換算)が0.61重量%、アルミニウムの含有量(Al換算)が1.13重量%であった。
<非磁性下地層1:非磁性下地層の製造>
前記実施例1−1の非磁性下地層用非磁性粒子粉末12gと結合剤樹脂溶液(スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを混合し、自動乳鉢を用いて30分間混練して混練物を得た。
この混練物を1.5mmφガラスビーズ95g、追加の結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエンと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行って塗料組成物を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、非磁性下地層用非磁性塗料を調整した。
得られた非磁性下地層用非磁性塗料の組成は、下記の通りであった。
非磁性下地層用非磁性粒子粉末 100.0重量部、
スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂 11.8重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 11.8重量部、
シクロヘキサノン 78.3重量部、
メチルエチルケトン 195.8重量部、
トルエン 117.5重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 3.0重量部、
潤滑剤(ブチルステアレート) 1.0重量部。
上記非磁性下地層用非磁性塗料を厚さ4.5μmの芳香族ポリアミドフィルム上に塗布し、次いで、乾燥させることにより非磁性下地層を形成した。非磁性下地層の特性を評価するために、得られた塗布片の半分に対してカレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行った。
得られた非磁性下地層1は、膜厚が1.3μm、塗膜の光沢度が200%、表面粗度Raが6.5nmであった。
<実施例4−1:磁気記録媒体の製造>
磁性粒子(1)(種類:鉄を主成分とする金属磁性粒子、粒子形状:針状、平均一次長軸径:0.063μm、平均一次短軸径:0.0116μm、軸比:5.4、保磁力値:187.0kA/m(2,350Oe)、飽和磁化値:131.8Am/kg(131.8emu/g))12g、研磨剤(商品名:AKP−50、住友化学株式会社製)1.2g、カーボンブラック1 0.12g、結合剤樹脂溶液(スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを混合し、自動乳鉢を用いて30分間混練して混練物を得た。
ここで、使用したカーボンブラック1は、以下に示す内容で高純度化を行った。市販されているカーボンブラック(粒子形状:粒状、平均一次粒子径:0.025μm、BET比表面積値:85.6m/g、DBP吸油量:55ml/100g、可溶性ナトリウム塩の含有量(Na換算):147ppm、可溶性硫酸塩の含有量(SO換算):1105ppm)をエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)により解砕した。解砕したカーボンブラック2kgに水を添加して濃度を98g/lとし、攪拌しながら、18NのNaOH水溶液を加えてスラリーのpH値を13.7に調整した。次に、このスラリーを攪拌しながら加熱して95℃まで昇温し、その温度で180分間保持した後に、デカンテーション法により純水を使用して水洗を行った。次に、得られた水洗スラリーを、ブフナーロートを用いて濾別し、純水を通水して濾液の電導度が60μS/cm以下になるまで水洗し、その後、常法によって乾燥させた後、粉砕して、高純度のカーボンブラック1を得た。
得られたカーボンブラック1は、平均一次粒子径が0.025μm、BET比表面積値が82.3m/g、DBP吸油量が49ml/100g、可溶性ナトリウム塩の含有量がNa換算で20ppm、可溶性硫酸塩の含有量がSO換算で42ppmであった。
この混練物を1.5mmφガラスビーズ95g、追加結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエンと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行って磁性塗料を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、磁気記録層用磁性塗料を調整した。
得られた磁気記録層用磁性塗料の組成は下記の通りであった。
鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末 100.0重量部、
スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂 10.0重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 10.0重量部、
研磨剤(AKP−50) 10.0重量部、
カーボンブラック1 1.0重量部、
潤滑剤(ミリスチン酸:ステアリン酸ブチル=1:2) 3.0重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 5.0重量部、
シクロヘキサノン 65.8重量部、
メチルエチルケトン 164.5重量部、
トルエン 98.7重量部。
磁気記録層用塗料を前記非磁性下地層の上に塗布した後、磁場中において配向・乾燥した。
<バックコート層の製造>
カーボンブラック1 12.0g、カーボンブラック2(平均一次粒子径:0.37μm)1.8g、酸化鉄1.8g、結合剤樹脂溶液(ニトロセルロース30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを混合し、自動乳鉢を用いて30分間混練して混練物を得た。なお、カーボンブラック2は平均一次粒子径が0.37μmのカーボンブラックをカーボンブラック1と同じ洗浄条件にて高純度化を行うことによって得た。得られたカーボンブラック2は可溶性ナトリウム塩の含有量がNa換算で18ppm、可溶性硫酸塩の含有量がSO換算で25ppmであった。
この混練物を1.5mmφガラスビーズ95g、追加結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエンと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行ってバックコート塗料を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、バックコート層用塗料を調整した。
得られたバックコート層用塗料の組成は下記の通りであった。
カーボンブラック1(平均一次粒子径 0.025μm) 100.0重量部、
カーボンブラック2(平均一次粒子径 0.37μm) 15.0重量部、
酸化鉄 15.0重量部、
ニトロセルロース樹脂 55.0重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 35.0重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 18.0重量部、
シクロヘキサノン 325.0重量部、
メチルエチルケトン 655.0重量部、
トルエン 325.0重量部。
上記で得られたバックコート層用塗料を磁気記録層とは反対面の非磁性支持体上に塗布した後、乾燥し、次いで、カレンダー処理を行った。バックコート層の厚みは0.5μmであった。その後、60℃で24時間硬化反応を行い、12.7mm幅にスリットして磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体は、磁気記録層の膜厚が0.27μm、保磁力値が194.2kA/m(2,440Oe)、光沢度が217%、表面粗度Raが5.8nm、D/Oが15個/msecであった。
前記実施例1−1、実施例2−1、実施例3−1、非磁性下地層1、及び実施例4−1に従って非磁性下地層用非磁性粒子粉末、非磁性下地層及び磁気記録媒体を作製した。各製造条件及び得られた非磁性下地層用非磁性粒子粉末、非磁性下地層及び磁気記録媒体の諸特性を示す。
前駆体2〜4:
ヘマタイト粒子を製造するための前駆体であるゲータイト粒子として前駆体2〜4を準備した。該ゲータイト粒子の諸特性を表1に示す。
Figure 2010033687
粒子2〜4:
前駆体であるゲータイト粒子の種類、焼結防止剤の種類及び被覆量、真空凍結乾燥処理の固形分濃度、凍結温度、真空度及び乾燥温度を種々変化させた以外は、粒子1と同様にしてゲータイト粒子を得た。
このときの製造条件及び得られたゲータイト粒子の体積基準平均粒子径D50を表2に示す。
粒子5:
焼結防止処理を行って得られたゲータイト粒子粉末を含む含水物に対し、予備凍結を行わずに、真空度を50Paにまであげて、ゲータイト粒子粉末を含む含水物を自己凍結させた。そのときの凍結温度は−40℃であった。次いで、−40℃の状態から徐々に温度をあげて50℃にし、水分が3%以下になるまで乾燥を行った以外は、粒子1と同様にしてゲータイト粒子を得た。
粒子6:
焼結防止処理後の乾燥を真空凍結乾燥で行わずに、通常の乾燥機により行った以外は、粒子1と同様にしてゲータイト粒子を得た。
粒子5及び粒子6の製造条件及び得られたゲータイト粒子の体積基準平均粒子径D50を表2に示す。
Figure 2010033687
実施例1−2〜1−5及び比較例1−1:
ゲータイト粒子の種類、低密度加熱処理の温度と時間、高密度加熱処理の温度と時間を種々変化させた以外は、実施例1−1と同様にして非磁性下地層用非磁性粒子粉末を得た。
このときの製造条件及び非磁性下地層用非磁性粒子粉末の諸特性を表3に示す。
Figure 2010033687
実施例2−2〜2−5及び比較例1−2:
ヘマタイト粒子の種類、表面処理添加物の種類及び量を種々変化させた以外は、実施例2−1と同様にして非磁性下地層用非磁性粒子粉末を得た。
このときの製造条件を表4に、得られた非磁性下地層用非磁性粒子粉末の諸特性を表5に示す。
Figure 2010033687
Figure 2010033687
実施例3−2〜3−5及び比較例1−3〜1−4:
ヘマタイト粒子の種類、真空凍結乾燥処理の固形分濃度、凍結温度、真空度、及び乾燥温度を種々変化させた以外は、実施例3−1と同様にして非磁性下地層用非磁性粒子粉末を得た。
このときの製造条件を表6に、得られた非磁性下地層用非磁性粒子粉末の諸特性を表7に示す。
Figure 2010033687
Figure 2010033687
<非磁性下地層の製造>
非磁性下地層2〜9、比較非磁性下地層1〜4:
非磁性下地層用非磁性粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、非磁性下地層1と同様にして非磁性下地層を得た。
このときの製造条件、及び得られた非磁性下地層の諸特性を表8に示す。
Figure 2010033687
<磁気記録媒体の製造>
実施例4−2〜4−9及び比較例2−1〜2−4:
非磁性下地層の種類及び磁性粒子の種類を種々変化させた以外は、前記実施例4−1と同様にして磁気記録媒体を製造した。
尚、使用した磁性粒子(1)〜(3)の諸特性を表9に示す。
Figure 2010033687
このときの製造条件及び得られた磁気記録媒体の諸特性を表10に示す。
Figure 2010033687
本発明に係る製造法により得られた磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末は、粒子同士の凝結が少なく、分散しやすいため、該非磁性粒子粉末を用いた磁気記録媒体は、非磁性下地層を薄層化しても、テープの表面平滑性が良好で、ドロップアウトが少なく、高密度磁気記録媒体として好適である。

Claims (4)

  1. ゲータイト粒子を含む固形分濃度50重量%以下の含液物を真空凍結乾燥した後に、該乾燥物を熱処理してヘマタイト粒子粉末にすることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法。
  2. ゲータイト粒子を含む固形分濃度50重量%以下の含液物を真空凍結乾燥し、該乾燥物を熱処理してヘマタイト粒子粉末にした後、該ヘマタイト粒子粉末を水に分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物及び/又はケイ素化合物を添加して、前記ヘマタイト粒子の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる一種又は二種以上の表面被覆物によって被覆し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕することによりヘマタイト粒子粉末を得ることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法。
  3. ゲータイト粒子を含む固形分濃度50重量%以下の含液物を真空凍結乾燥し、該乾燥物を熱処理してヘマタイト粒子粉末にした後、該ヘマタイト粒子粉末を水に分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物及び/又はケイ素化合物を添加して、該ヘマタイト粒子粉末の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる一種又は二種以上の表面被覆物によって被覆し、次いで、該表面被覆したヘマタイト粒子を含む固形分濃度50重量%以下の含液物を真空凍結乾燥することを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法。
  4. 非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層及び該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性粒子粉末が請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法によって得られた磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
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