JP2000327335A - 磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末及びその製造法並びに磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末及びその製造法並びに磁気記録媒体Info
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Abstract
久性に優れ、且つ、磁気記録層中に分散されている鉄を
主成分とする針状金属磁性粒子粉末の腐蝕に伴う磁気特
性の劣化が抑制された磁気記録媒体の非磁性下地層用非
磁性粒子粉末として好適な針状ヘマタイト粒子粉末を提
供する。 【解決手段】 非磁性下地層用非磁性粒子粉末として好
適な針状ヘマタイト粒子粉末とは、粒子内部にAl換算
で0.05〜50重量%のアルミニウムを含有し、長軸
径の幾何標準偏差値が1.50以下であって短軸径の幾
何標準偏差値が1.30以下であり、BET比表面積値
が40〜180m2/gであり、且つ、粉体pH値が
8.0以上、可溶性ナトリウム塩の含有量がNa換算で
300ppm以下、可溶性硫酸塩の含有量がSO4換算
で150ppm以下である平均長軸径が0.01〜0.
2μmのアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末から
なる。
Description
きく、耐久性に優れ、且つ、磁気記録層中に分散されて
いる鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の腐蝕に伴
う磁気特性の劣化が抑制された磁気記録媒体の非磁性下
地層用非磁性粒子粉末として好適なアルミニウム含有針
状ヘマタイト粒子粉末を提供する。
録再生用機器の長時間記録化、小型軽量化が進むにつれ
て、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対す
る高性能化、即ち、高密度記録化、高出力特性、殊に周
波数特性の向上、低ノイズ化の要求が益々強まってい
る。
めに、磁性層に用いる磁性粒子粉末の高性能化及び磁気
記録層の薄層化の両面から種々の試みがなされている。
えば、上記諸特性を満たすような磁性粒子粉末として
は、高い保磁力値と大きな飽和磁化値を有することが必
要である。
磁性粒子粉末として、近年、鉄を主成分とする針状金属
磁性粒子粉末が広く使用されている。
は、高い保磁力値と大きな飽和磁化値とを有するもので
あるが、磁気記録媒体用の粒子粉末は1μm以下、殊
に、0.01〜0.3μm程度の非常に微細な粒子粉末
であるため、腐蝕しやすく、磁気特性が劣化し、殊に保
磁力値と飽和磁化値の減少を引き起こすという欠点があ
る。
する針状金属磁性粒子粉末を使用している磁気記録媒体
の特性を長期に亘って維持するためには、鉄を主成分と
する針状金属磁性粒子粉末の腐蝕を極力抑制することが
強く要求される。
る。
化に対する要求は益々強まっており、従来のビデオテー
プに比べ、記録されるキャリアー信号の周波数が短波長
領域に移行しており、その結果、磁気テープの表面から
の磁化深度が著しく浅くなっている。
力特性、殊に、S/N比を向上させるためには、磁気記
録層の薄層化が強く要求されている。この事実は、例え
ば、株式会社総合技術センター発行「磁性材料の開発と
磁粉の高分散化技術」(1982年)第312頁の「‥
‥塗布型テープにおける高密度記録のための条件は、短
波長信号に対して、低ノイズで高出力特性を保持できる
ことであるが、その為には保磁力Hcと残留磁化Brが
‥‥共に大きいことと塗布膜の厚みがより薄いことが必
要である。‥‥」なる記載の通りである。
層の平滑化と厚みむらの問題が生じている。周知の通
り、磁気記録層を平滑で厚みむらがないものとするため
には、ベースフィルムの表面もまた平滑でなければなら
ない。この事実は、例えば、工学情報センター出版部発
行「磁気テープ−ヘッド走行系の摩擦摩耗発生要因とト
ラブル対策−総合技術資料集(−以下、総合技術資料集
という−)」(昭和62年)第180及び181頁の
「‥‥硬化後の磁性層表面粗さは、ベースの表面粗さ
(バック面粗さ)に強く依存し両者はほぼ比例関係にあ
り、‥‥磁性層はベースの上に塗布されているからベー
スの表面を平滑にすればするほど均一で大きなヘッド出
力が得られS/Nが向上する。‥‥」なる記載の通りで
ある。
また磁性層の薄層化と同様に薄層化が進んでおり、その
結果、ベースフィルムの強度が問題となってきている。
この事実は、例えば、前出「磁性材料の開発と磁粉の高
分散化技術」第77頁の「‥‥高密度記録化が今の磁気
テープに課せられた大きなテーマであるが、このこと
は、テープの長さを短くしてカセットを小型化していく
上でも、また長時間記録に対しても重要となってくる。
このためにはフィルムベースの厚さを減らすことが必要
な訳である。‥‥このように薄くなるにつれてテープの
スティフネスが急激に減少してしまうためレコーダーで
のスムーズな走行がむずかしくなる。ビデオテープの薄
型化にともない長手方向、幅方向両方向に渡ってのこの
スティフネスの向上が大いに望まれている。‥‥」なる
記載の通りである。
化の要求はとどまるところがなく、上述した磁気記録層
の薄層化に伴って磁気記録媒体自体の耐久性が低下する
こととなるため、磁気記録媒体自体の耐久性を向上させ
ることが強く要求されている。
報の「…近年、磁気記録の発展と共に高画質、高音質の
要求がますます高まっており、電磁変換特性の改良、特
に強磁性粉末の微粒子化、高密度化が進められ、更に磁
気テープの表面を平滑化することでノイズを下げ、C/
Nを上げることが要求されている。…しかしながら、磁
気テープの走行中において磁性層と装置系との接触の摩
擦係数が増大する結果、短時間の使用で磁気記録媒体の
磁性層が損傷を受け、あるいは磁性層が剥離する傾向が
ある。特にビデオテープではビデオヘッドと磁気記録媒
体が高速で接触しながら走行するため、磁性層から強磁
性粉末が脱落しやすく、磁気ヘッドの目詰まりの原因と
もなる。従って、磁気記録媒体の磁性層の走行耐久性の
向上が望まれている。…」なる記載から明らかである。
ィルム等の非磁性支持体上に針状へマタイト粒子粉末等
の非磁性粒子粉末を結合剤樹脂中に分散させてなる下地
層(以下、非磁性下地層という。)を少なくとも一層設
けることにより、磁気記録層の表面性の悪化や電磁変換
特性を劣化させる等の問題を解決することが提案され、
実用化されている(特公平6−93297号公報、特開
昭62−159338号公報、特開昭63−18741
8号公報、特開平4−167225号公報、特開平4−
325915公報、特開平5−73882号公報、特開
平5−182177号公報、特開平9−170003号
公報等)。
ており、これまで長軸径の粒度に注目して、非磁性粒子
粉末である針状ヘマタイト粒子粉末の分散性を向上させ
ることが試みられてきた。(特開平9−170003号
公報、特開平10−198948号公報、特開平10−
273325号公報等)。
に、針状へマタイト粒子粉末の分散性を改善することが
望まれており、本発明者は、アルミニウム含有針状ヘマ
タイト粒子粉末中のヘマタイト超微粒子を除去したアル
ミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末に係る発明を出願
している(特願平10−116046号)。
きく、耐久性に優れ、且つ、磁気記録層中に分散されて
いる鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の腐蝕に伴
う磁気特性の劣化が抑制された磁気記録媒体の非磁性下
地層用非磁性粒子粉末として好適である、均斉な粒度を
有する、殊に短軸径の粒度が均斉である針状ヘマタイト
粒子粉末は現在最も要求されているところであるが、未
だ得られていない。
報には、針状ゲータイト粒子粉末又は該針状ゲータイト
粒子粉末を加熱脱水して得られた針状へマタイト粒子粉
末を550℃以上の温度で加熱して高密度化された針状
へマタイト粒子粉末を得る方法が記載されているが、後
出比較例に示す通り、短軸径の幾何標準偏差値が高く、
短軸径の粒度が十分に均斉といえるものではない。
は、アルミニウム含有針状へマタイト粒子粉末を酸溶解
することにより、アルミニウム含有針状ヘマタイト粒子
粉末中に存在するアルミニウム含有針状ヘマタイト微粒
子成分を溶解し、粒子径の粒度分布を改善したものであ
るが、後出比較例に示す通り、短軸径の幾何標準偏差値
が高く、短軸径の粒度が十分に均斉であるとは言い難い
ものである。
きく、耐久性に優れ、且つ、磁気記録層中に分散されて
いる鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の腐蝕に伴
う磁気特性の劣化が抑制された磁気記録媒体の非磁性下
地層用非磁性粒子粉末として好適な、均斉な粒度を有す
る、殊に短軸径の粒度が均斉である針状ヘマタイト粒子
粉末を得ることを技術的課題とする。
りの本発明によって達成できる。
0.05〜50重量%のアルミニウムを含有し、長軸径
の幾何標準偏差値が1.50以下であって短軸径の幾何
標準偏差値が1.30以下であり、BET比表面積値が
40〜180m2/gであり、且つ、粉体pH値が8.
0以上、可溶性ナトリウム塩の含有量がNa換算で30
0ppm以下、可溶性硫酸塩の含有量がSO4換算で1
50ppm以下である、平均長軸径が0.01〜0.2
μmのアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末からな
ることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁
性粒子粉末である(本発明1)。
ニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末の粒子表面が、アル
ミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の
水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも一
種からなる表面被覆物によって被覆されていることを特
徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末
である(本発明2)。
0.05〜50重量%のアルミニウムを含有しているア
ルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末を550〜85
0℃の温度範囲で加熱脱水処理してアルミニウム含有針
状ヘマタイト粒子粉末とするに当って、前記加熱脱水処
理に先立ってあらかじめ、前記アルミニウム含有針状ゲ
ータイト粒子粉末を100〜200℃の温度範囲で加熱
処理して該アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末に
含まれているアルミニウム含有ゲータイト超微粒子をア
ルミニウム含有針状ゲータイト粒子に吸収させておき、
550〜850℃の温度範囲で加熱脱水してアルミニウ
ム含有針状ヘマタイト粒子粉末を得、次いで、該アルミ
ニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末を水溶液中へ分散さ
せた水性懸濁液にアルカリ水溶液を添加してpH値を1
3.0以上に調製し、80〜103℃の温度範囲で加熱
処理した後、濾過、水洗、乾燥することを特徴とする上
記記載の磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末
の製造法である。
支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とか
らなる非磁性下地層及び該非磁性下地層の上に形成され
る磁性粒子粉末と結合剤樹脂とからなる磁気記録層から
なる磁気記録媒体において、前記非磁性粒子粉末が上記
本発明1及び本発明2に係る各非磁性下地層用非磁性粒
子粉末であることを特徴とする磁気記録媒体である。
ば次の通りである。
ヘマタイト粒子粉末について述べる。
粒子粉末の粒子形状は、針状である。ここで「針状」と
は、文字どおりの針状はもちろん、紡錘状や米粒状など
を含む意味である。
イト粒子粉末は、粒子内部にAl換算で0.05〜50
重量%のアルミニウムを粒子内部にほぼ均一に含有して
いる。
アルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末に対してAl
換算で0.05重量%未満の場合には、得られる非磁性
下地層を有する磁気記録媒体は十分な耐久性向上効果を
得ることが困難である。50重量%を超える場合には、
効果が飽和するため必要以上に添加する意味がない。
イト粒子粉末は、長軸径の幾何標準偏差値が1.50以
下であって短軸径の幾何標準偏差値が1.30以下であ
る。
る場合又は短軸径の幾何標準偏差値が1.30を超える
場合には、存在する粗大粒子が塗膜の表面平滑性に悪影
響を与えるために好ましくない。塗膜の表面平滑性を考
慮すれば、長軸径の幾何標準偏差値は、好ましくは1.
45以下、より好ましくは1.40以下である。また、
短軸径の幾何標準偏差値は、好ましくは1.29以下、
より好ましくは1.28以下である。工業的な生産性を
考慮すれば、得られるアルミニウム含有針状ヘマタイト
粒子粉末の長軸径及び短軸径の幾何標準偏差値の下限値
は、1.01である。
イト粒子粉末の平均長軸径は、0.01〜0.2μmで
ある。平均長軸径が0.01μm未満の場合には、粒子
の微粒子化による分子間力の増大により、ビヒクル中に
おける分散が困難となる。0.2μmを超える場合に
は、粒子サイズが大きすぎるため、塗膜の表面平滑性を
害するので好ましくない。ビヒクル中における分散性及
び塗膜の表面平滑性を考慮すれば平均長軸径は0.01
〜0.1μmが好ましい。
イト粒子粉末の平均短軸径は0.005〜0.1μmが
好ましい。
イト粒子粉末の平均短軸径の下限値及び上限値を定めた
理由は、上記平均長軸径の場合と同様である。ビヒクル
中における分散性及び塗膜の表面平滑性を考慮すれば平
均短軸径は0.005〜0.05μmが好ましい。
イト粒子粉末はBET比表面積値が40〜180m2/
gである。
めた理由は、上記平均長軸径の上限値及び下限値と同様
である。ビヒクル中における分散性及び塗膜の表面平滑
性を考慮すれば、BET比表面積値は45〜175m2
/gが好ましく、より好ましくは48〜160m2/g
である。
体pH値は8.0以上である。粉体pH値が8.0未満
の場合には、非磁性下地層の上に形成されている磁気記
録層中に含まれる鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉
末を徐々に腐蝕させ、磁気特性の劣化を引き起こす。鉄
を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の腐蝕防止効果を
考慮すると、粉体pH値は8.5〜11.0が好まし
く、より好ましくは9.0〜10.5である。
イト粒子粉末の可溶性ナトリウム塩の含有量はNa換算
で300ppm以下である。300ppmを超える場合
には、非磁性下地層の上に形成されている磁気記録層中
に含まれる鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末を徐
々に腐蝕させ、磁気特性の劣化を引き起こす。また、ビ
ヒクル中におけるアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子
粉末の分散性が害されやすくなったり、磁気記録媒体の
保存状態、特に湿度の高い環境下においては白華現象を
生じる場合がある。鉄を主成分とする針状金属磁性粒子
粉末の腐蝕防止効果を考慮すると、好ましくは250p
pm以下、より好ましくは200ppm以下、更により
好ましくは150ppm以下である。工業的な生産性を
考慮すれば、その下限値は0.01ppmである。
イト粒子粉末の可溶性硫酸塩の含有量はSO4換算で1
50ppm以下である。150ppmを超える場合に
は、非磁性下地層の上に形成されている磁気記録層中に
含まれる鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末を徐々
に腐蝕させ、磁気特性の劣化を引き起こす。また、ビヒ
クル中におけるアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉
末の分散性が害されやすくなったり、磁気記録媒体の保
存状態、特に湿度の高い環境下においては白華現象を生
じる場合がある。鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉
末の腐蝕防止効果を考慮すると、好ましくは100pp
m以下、より好ましくは70ppm以下、更により好ま
しくは50ppm以下である。工業的な生産性を考慮す
れば、その下限値は0.01ppmである。
イト粒子粉末の軸比(平均長軸径と平均短軸径の比)
(以下、「軸比」という。)が2〜20が好ましく、よ
り好ましくは2.5〜18、更により好ましくは3〜1
5である。軸比が2未満の場合には、十分な強度を有す
る塗膜が得られ難い。軸比が20を超える場合には、ビ
ヒクル中での粒子の絡み合いが多くなり、分散性が悪く
なったり、粘度が増加したりすることがある。
イト粒子粉末の密度化の程度は、0.5〜2.5が好ま
しい。密度化の程度はBET法により測定した比表面積
SB ET値と電子顕微鏡写真に示されている粒子から計
測された長軸径及び短軸径から算出した表面積STEM
値との比(SBET/STEM値)で示した。
には、アルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末の高密
度化が達成されてはいるが、粒子及び粒子相互間の焼結
により、粒子径が増大しており、十分な表面平滑性を有
する塗膜が得られない。SB ET/STEM値が2.5
を超える場合には、高密度化が十分ではなく、粒子内部
及び粒子表面に多数の脱水孔が存在するため、ビヒクル
中における分散が不十分となる。ビヒクル中における分
散性及び塗膜の表面平滑性を考慮するとSBE T/S
TEM値は0.7〜2.0が好ましく、より好ましくは
0.8〜1.6である。
イト粒子粉末は、樹脂吸着強度が65%以上であり、好
ましくは68%以上であり、より好ましくは70%以上
である。
イト粒子粉末は、必要により、粒子表面がアルミニウム
の水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物
及びケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも1種からな
る表面被覆物によって被覆されていてもよい。粒子表面
が表面被覆物で被覆されているアルミニウム含有針状ヘ
マタイト粒子粉末は、ビヒクル中に分散させた場合に、
結合剤樹脂とのなじみがよく、容易に所望の分散度が得
られ易い。
針状へマタイト粒子粉末に対しアルミニウムの水酸化物
やアルミニウムの酸化物はAl換算で、ケイ素の水酸化
物やケイ素の酸化物はSiO2換算で、それぞれ0.0
1〜50重量%が好ましい。0.01重量%未満である
場合には、被覆による分散性向上効果がほとんどなく、
50重量%を超える場合には、被覆効果が飽和するた
め、必要以上に被覆する意味がない。ビヒクル中におけ
る分散性向上効果及び工業的な生産性を考慮すれば、
0.05〜20重量%がより好ましい。
せて使用する場合には、アルミニウム含有針状ヘマタイ
ト粒子粉末に対し、Al換算量とSiO2換算量との総
和で0.01〜50重量%が好ましい。
アルミニウム含有針状へマタイト粒子粉末は、表面被覆
物で被覆されていない本発明に係るアルミニウム含有針
状へマタイト粒子粉末とほぼ同程度の粒子サイズ、幾何
標準偏差値、軸比、BET比表面積値及びSBET/S
TEM値を有している。また、粉体pH値、可溶性ナト
リウム塩及び可溶性硫酸塩の含有量についてもほぼ同程
度である。
アルミニウム含有針状へマタイト粒子粉末は、樹脂吸着
強度が68%以上であり、好ましくは70%以上であ
り、より好ましくは72%以上である。
へマタイト粒子粉末の製造法について述べる。
イト粒子粉末は、第一鉄塩と水酸化アルカリ水溶液、炭
酸アルカリ水溶液又は水酸化アルカリ・炭酸アルカリ水
溶液のいずれかの水溶液を用いて反応して得られる鉄含
有沈殿物を含む懸濁液に空気等の酸素含有ガスを通気し
ゲータイト粒子粉末を生成させるにあたり、空気等の酸
素含有ガスを通気する前にアルミニウム化合物を存在さ
せておくことにより、粒子内部にアルミニウムを実質的
に均一に含有している針状ゲータイト粒子粉末を得、該
針状ゲータイト粒子粉末を100〜200℃の温度範囲
で加熱処理した後、更に550〜850℃の温度範囲で
加熱脱水処理し、次いで、該アルミニウム含有針状ヘマ
タイト粒子粉末を水溶液中へ分散させた水性懸濁液にア
ルカリ水溶液を添加してpH値を13.0以上のアルカ
リ性懸濁液とし、80℃〜103℃の温度範囲で加熱処
理した後、濾過、水洗、乾燥して得ることができる。
イト粒子粉末を得る通常の方法において空気等の酸素含
有ガスを通気する前に存在させておくことが肝要であ
り、具体的には、第一鉄塩水溶液、水酸化アルカリ水溶
液や炭酸アルカリ水溶液、鉄含有沈殿物を含む懸濁液の
いずれの溶液に添加してもよく、最も好ましくは第一鉄
塩水溶液である。
ルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝
酸アルミニウム等のアルミニウム塩やアルミン酸ソーダ
等のアルミン酸アルカリ塩、アルミナゾル、水酸化アル
ミニウム等を用いることができる。
アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末は、粒子内部
にAl換算で0.05〜50重量%のアルミニウムを含
有し、長軸径の幾何標準偏差値が1.70以下、短軸径
の幾何標準偏差値が1.50以下、BET比表面積値が
50〜250m2/g、平均長軸径が0.01〜0.2
5μm、粉体pH値が2.0〜8.0、可溶性ナトリウ
ム塩がNa換算で300〜1500ppm、可溶性硫酸
塩がSO4換算で150〜3000ppmである。好ま
しくは平均短軸径が0.005〜0.125μmであ
り、軸比が2〜20である。
に、粒子の長軸径、短軸径、軸比等の諸特性向上のため
に通常添加されているNi、Zn、P、Si等の異種元
素が添加されていても支障はない。
タイト超微粒子を十分に針状ゲータイト粒子に吸収させ
ることが困難であり、粒度が均斉な粒子を得ることがで
きない。200℃を超える場合、ゲータイト超微粒子成
分が存在したまま針状ゲータイト粒子の脱水反応が始ま
るため、粒子間で焼結が起こり、粒度が均斉な粒子を得
ることができない。工業的な生産性等を考慮すれば、加
熱処理温度は好ましくは、120〜200℃である。
い。
たアルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末は、粒子内
部にAl換算で0.05〜50重量%のアルミニウムを
含有し、長軸径の幾何標準偏差値が1.50以下、短軸
径の幾何標準偏差値が1.30以下、BET比表面積値
が50〜250m2/g、平均長軸径が0.011〜
0.26μm、粉体pH値が3.0〜8.0、可溶性ナ
トリウム塩がNa換算で300〜1500ppm、可溶
性硫酸塩がSO4換算で150〜3000ppmであ
る。好ましくは、平均短軸径が0.0055〜0.13
μm、軸比が2〜20である。
には、焼きしめによる高密度化が不十分であるためアル
ミニウム含有針状ヘマタイト粒子の粒子内部及び粒子表
面に脱水孔が多数存在しており、その結果、ビヒクル中
における分散が不十分となり、非磁性下地層を形成した
時、表面平滑な塗膜が得られにくい。850℃を超える
場合には、アルミニウム含有針状ヘマタイト粒子の高密
度化は十分なされているが、粒子及び粒子相互間の焼結
が生じるため、粒子径が増大し、同様に表面平滑な塗膜
は得られにくい。加熱温度の上限値は好ましくは800
℃である。
へマタイト粒子粉末としては、100〜200℃の温度
範囲で加熱処理したアルミニウム含有ゲータイト粒子粉
末を、あらかじめ250〜500℃の温度範囲で加熱脱
水処理を行い低密度アルミニウム含有針状ヘマタイト粒
子粉末を得、次いで、該低密度アルミニウム含有針状ヘ
マタイト粒子粉末を550〜850℃の温度範囲で焼き
しめを行うことにより得られるアルミニウム含有高密度
針状へマタイト粒子粉末であることが好ましい。
0℃未満の場合には、脱水反応に長時間を要するため好
ましくない。加熱脱水温度が500℃を超える場合に
は、脱水反応が急激に生起し、粒子の形状が崩れやすく
なったり、粒子相互間の焼結を引き起こす可能性があ
る。加熱脱水処理して得られるアルミニウム含有針状ヘ
マタイト粒子は、アルミニウム含有針状ゲータイト粒子
からH2Oが脱水され、脱水孔を多数有する低密度粒子
であり、BET比表面積値がアルミニウム含有針状ゲー
タイト粒子粉末の1.2〜2倍程度となる。
には、高密度化が不十分であるためアルミニウム含有針
状ヘマタイト粒子の粒子内部及び粒子表面に脱水孔が多
数存在しており、その結果、ビヒクル中における分散が
不十分となり、非磁性下地層を形成した時、表面平滑な
塗膜が得られにくい。850℃を超える場合には、アル
ミニウム含有針状へマタイト粒子の高密度化は十分なさ
れているが、粒子及び粒子相互間の焼結が生じるため、
粒子径が増大し、同様に表面平滑な塗膜は得られにく
い。加熱温度の上限値は好ましくは800℃である。
イト粒子粉末は、550〜850℃の加熱脱水処理又は
焼きしめ処理に先立って、あらかじめ粒子表面を焼結防
止剤で被覆処理しておくことが好ましい。焼結防止剤に
よる被覆処理は、出発原料粒子粉末であるアルミニウム
含有針状ゲータイト粒子粉末、100〜200℃で加熱
処理後のアルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末、又
は該アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末を250
〜500℃の温度範囲で加熱脱水処理して得られる低密
度アルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末を含む水懸
濁液中に焼結防止剤を添加し、混合攪拌した後、濾別、
水洗、乾燥すればよい。
サメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸、オルトリン酸等
のリン化合物、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、コロイダルシリカ等のケイ
素化合物、ホウ酸等のホウ素化合物、酢酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミ
ニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ソーダ等のア
ルミン酸アルカリ塩、アルミナゾル等のアルミニウム化
合物、硫酸チタニル等のチタン化合物を使用することが
できる。
を水性懸濁液とするに当って、あらかじめ乾式で粗粉砕
をして粗粒をほぐした後、懸濁液とし、次いで、湿式粉
砕することにより更に粗粒をほぐしておくことが好まし
い。湿式粉砕は、少なくとも44μm以上の粗粒が無く
なるようにボールミル、サンドグラインダー、コロイド
ミル等を用いて行えばよい。湿式粉砕の程度は44μm
以上の粗粒が10%以下、好ましくは5%以下、より好
ましくは0%である。44μm以上の粗粒が10%を超
えて残存していると、次工程におけるアルカリ性懸濁液
中での加熱処理の効果が得られ難い。
を含有する水性懸濁液中におけるアルミニウム含有針状
ヘマタイト粒子粉末の濃度は、50〜250g/lが好
ましい。
ヘマタイト粒子粉末を水中へ分散させたアルミニウム含
有針状ヘマタイト粒子粉末を含有する水性懸濁液へ添加
する。
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水
酸化アルカリ水溶液を用いることができる。
を含有するアルカリ性懸濁液中のpH値は13.0以上
である。pH13.0未満の場合には、アルミニウム含
有針状ヘマタイト粒子粉末の粒子表面に存在する焼結防
止剤に起因する固体架橋を効果的に取りはずすことがで
きず、粒子内部及び粒子表面に存在する可溶性ナトリウ
ム塩、可溶性硫酸塩等の効果的な洗い出しができない。
pH値の上限は14である。アルミニウム含有針状ヘマ
タイト粒子表面に存在する焼結防止剤に起因する固体架
橋の取りはずしや可溶性ナトリウム塩、可溶性硫酸塩等
の洗い出しの効果、更には、アルカリ性懸濁液中の加熱
処理においてアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子表面
に付着したナトリウム等のアルカリを除去するための洗
浄効果を考慮すれば、pH値は13.1〜13.8の範
囲が好ましい。
粉末を含有するアルカリ性懸濁液の加熱温度は、80〜
103℃である。80℃未満の場合には、アルミニウム
含有針状ヘマタイト粒子表面に存在する焼結防止剤に起
因する固体架橋を効果的に取りはずすことが困難とな
る。103℃を超える場合には、固体架橋は効果的に取
りはずすことはできるが、オートクレーブ等が必要とな
ったり、常圧下においては被処理液が沸騰するなど工業
的に不利となる。より好ましくは90〜100℃であ
る。
ニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末は、常法によって、
濾別、水洗することにより、粒子内部及び粒子表面から
洗い出した可溶性ナトリウム塩及び可溶性硫酸塩やアル
カリ性懸濁液処理中にアルミニウム含有針状ヘマタイト
粒子表面に付着したナトリウム等のアルカリを除去し、
次いで、乾燥する。
る方法、フィルターシックナーを使用して希釈法で洗浄
する方法、フィルタープレスに通水して洗浄する方法等
の工業的に通常使用されている方法を行えばよい。
子粉末の粒子内部に含有されている可溶性ナトリウム塩
や可溶性硫酸塩を洗い出しておけば、それ以降の工程、
例えば、後出する被覆処理工程においてアルミニウム含
有針状ヘマタイト粒子粉末の粒子表面に可溶性ナトリウ
ム塩や可溶性硫酸塩が付着しても水洗により容易に除去
することができる。
ているアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末の表面
被覆処理は、本発明に係るアルミニウム含有針状ヘマタ
イト粒子粉末を水溶液中に分散して得られる水懸濁液
に、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合
物を添加して混合攪拌することにより、または、必要に
より、混合攪拌後にpH値を調整することにより、前記
アルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末の粒子表面
に、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、
ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物を被覆すればよ
く、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要によ
り、更に、脱気・圧密処理等を行ってもよい。
及びケイ素化合物としては、前出焼結防止剤として用い
ているアルミニウム化合物及びケイ素化合物と同じもの
が使用できる。
述べる。
体、該非磁性支持体上に形成された非磁性下地層及び該
非磁性下地層上に形成された磁気記録層とからなる。
録媒体に汎用されているポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリイミド等の合成樹脂フィルム、アルミニウム、
ステンレス等金属の箔や板および各種の紙を使用するこ
とができる。その厚みは、その材質により種々異なる
が、通常好ましくは1.0〜300μm、より好ましく
は2.0〜200μmである。磁気ディスクの場合、非
磁性支持体としてはポリエチレンテレフタレートが通常
用いられ、その厚みは、通常50〜300μm、好まし
くは60〜200μmである。磁気テープの場合は、ポ
リエチレンテレフタレートの場合、その厚みは、通常3
〜100μm、好ましくは4〜20μm、ポリエチレン
ナフタレートの場合、その厚みは、通常3〜50μm、
好ましくは4〜20μm、ポリアミドの場合、その厚み
は、通常2〜10μm、好ましくは3〜7μmである。
係るアルミニウム含有針状へマタイト粒子粉末又は本発
明に係る表面被覆物で被覆されているアルミニウム含有
針状へマタイト粒子粉末と結合剤樹脂とからなる。
の製造にあたって汎用されている塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸共重合体、ウレタンエラストマー、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルブチラー
ル、ニトロセルロース等セルロース誘導体、ポリエステ
ル樹脂、ポリブタジエン等の合成ゴム系樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイソシアネート、電子線硬
化型アクリルウレタン樹脂等とその混合物を使用するこ
とができる。また、各結合剤樹脂には−OH、−COO
H、−SO3M、−OPO2M2、−NH2等の極性基
(但し、MはH、Na、Kである。)が含まれていても
よい。本発明に係るアルミニウム含有針状ヘマタイト粒
子粉末のビヒクル中における分散性を考慮すれば、極性
基として−COOH、−SO3Mが含まれている結合剤
樹脂が好ましい。
イト粒子粉末又は本発明に係る表面被覆物で被覆されて
いるアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末と結合剤
樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100重量部に対し、
アルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末が5〜200
0重量部、好ましくは100〜1000重量部である。
の塗膜厚さは、0.2〜10μmである。0.2μm未
満の場合には、非磁性支持体の表面粗さを改善すること
が困難となり、強度も不十分となりやすい。磁気記録媒
体の薄層化及び塗膜の強度を考慮すれば、塗膜厚さはよ
り好ましくは0.5〜5μmである。
体の製造に用いられる潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等
を、必要により、添加してもよい。
れていない本発明に係るアルミニウム含有針状ヘマタイ
ト粒子粉末を用いた非磁性下地層は、塗膜の光沢度が1
98〜300%、好ましくは202〜300%、より好
ましくは206〜300%であって、塗膜表面粗度Ra
が0.5〜8.0nm、好ましくは0.5〜7.5nm
であって、より好ましくは0.5〜7.0nm、塗膜の
強度は、ヤング率(相対値)が124〜160、好まし
くは128〜160である。
れている本発明に係るアルミニウム含有針状ヘマタイト
粒子粉末を用いた非磁性下地層は、塗膜の光沢度が20
0〜300%、好ましくは204〜300%、より好ま
しくは208〜300%であって、塗膜表面粗度Raが
0.5〜7.8nm、好ましくは0.5〜7.3nm、
より好ましくは0.5〜6.8nmであって、塗膜の強
度は、ヤング率(相対値)が126〜160、好ましく
は130〜160である。
とする針状金属磁性粒子粉末と結合剤樹脂とからなる。
磁性粒子粉末は、鉄を50〜99重量%、好ましくは6
0〜95重量%含有している粒子粉末であり、必要によ
り、鉄以外のAl、Co、Ni、P、Si、B、Nd、
La、Y等を0.05〜10重量%程度含有していても
よい。
とする針状金属磁性粒子粉末を使用して本発明に係る磁
気記録媒体を製造した場合には、より耐久性に優れた磁
気記録層や磁気記録媒体を得ることができる。アルミニ
ウムの含有量はFeに対してAl換算で0.05〜10
重量%が好ましい。
上のアルミニウムを含有する鉄を主成分とする針状金属
磁性粒子粉末を使用して本発明に係る磁気記録媒体を製
造した場合には、アルミニウムを含有する鉄を主成分と
する針状金属磁性粒子粉末の樹脂吸着強度が向上するた
め、耐久性がより向上する。10重量%を超える場合に
は、磁気記録媒体は十分な耐久性を有しており、必要以
上に存在させる意味がない。また、非磁性成分であるア
ルミニウムの増加により鉄を主成分とする針状金属磁性
粒子粉末の磁気特性が損なわれる。
属とを含有している鉄を主成分とする針状金属磁性粒子
粉末を使用して、磁気記録媒体を製造した場合には、よ
り耐久性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。殊
に、AlとNdとを含有している鉄を主成分とする針状
金属磁性粒子粉末がより好ましい。
は、平均長軸径が0.01〜0.5μm、好ましくは
0.03〜0.3μmである。該粒子粉末の粒子の形状
は針状が好ましい。ここで「針状」とは、文字通りの針
状はもちろん、紡錘状や米粒状などを含む意味である。
軸比は3以上、好ましくは5以上であり、ビヒクル中に
おける分散性を考慮すれば、その上限値は15であり、
好ましくは10である。
とする針状金属磁性粒子粉末の樹脂吸着強度は65%以
上であり、好ましくは68%以上であり、より好ましく
は70%以上である。
合金磁性粒子粉末を用いた場合の磁気特性は、保磁力値
が800〜3500Oe、好ましくは900〜3500
Oe、飽和磁化値が90〜170emu/g、好ましく
は100〜170emu/gである。
形成するために用いた結合剤樹脂を使用することができ
る。
塗膜厚さは、0.01〜5μmの範囲である。0.01
μm未満の場合には、均一な塗布が困難であり、塗りむ
ら等の現象が出やすくなるため好ましくない。5μmを
超える場合には、反磁界の影響のため、所望の電磁変換
特性が得られにくくなる。好ましくは0.05〜1μm
の範囲である。
は、結合剤樹脂100重量部に対し、磁性粒子粉末が2
00〜2000重量部、好ましくは300〜1500重
量部である。
剤、研磨剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
層用非磁性粒子粉末として表面被覆物によって被覆され
ていない本発明に係るアルミニウム含有針状ヘマタイト
粒子粉末を用いた場合には、保磁力値が800〜350
0Oe、好ましくは900〜3500Oe、角形比(残
留磁束密度Br/飽和磁束密度Bm)が0.87〜0.
95、好ましくは0.88〜0.95、塗膜の光沢度が
200〜300%、好ましくは205〜300%、塗膜
表面粗度Raが8.0nm以下、好ましくは2.0〜
7.7nm、より好ましくは2.0〜7.2nm、塗膜
の線吸収係数が1.20〜2.00μm−1、好ましく
は1.25〜2.00μm−1、ヤング率が128〜1
60、好ましくは130〜160、耐久性のうち走行耐
久性は24分以上、好ましくは26分以上、すり傷特性
はB又はA、好ましくはA、耐腐蝕性のうち、保磁力値
の変化率(%)で示す耐腐蝕性が10.0%以下、好ま
しくは9.5%以下、飽和磁束密度値の変化率(%)で
示す耐腐蝕性が10.0%以下、好ましくは9.5%以
下である。
層用非磁性粒子粉末として表面被覆物によって被覆され
ている本発明に係るアルミニウム含有針状ヘマタイト粒
子粉末を用いた場合には、保磁力値が800〜3500
Oe、好ましくは900〜3500Oe、角形比(残留
磁束密度Br/飽和磁束密度Bm)が0.87〜0.9
5、好ましくは0.88〜0.95、塗膜の光沢度が2
02〜300%、好ましくは207〜300%、塗膜表
面粗度Raが7.8nm以下、好ましくは2.0〜7.
5nm、より好ましくは2.0〜7.0nm、塗膜の線
吸収係数が1.20〜2.00μm−1、好ましくは
1.25〜2.00μm−1、ヤング率が130〜16
0、好ましくは132〜160、耐久性のうち走行耐久
性は25分以上、好ましくは27分以上、すり傷特性は
B又はA、好ましくはA、耐腐蝕性のうち、保磁力値の
変化率(%)で示す耐腐蝕性が10.0%以下、好まし
くは9.5%以下、飽和磁束密度値の変化率(%)で示
す耐腐蝕性が10.0%以下、好ましくは9.5%以下
である。
子粉末としてアルミニウムを含有した鉄を主成分とする
針状金属磁性粒子粉末を用い、非磁性下地層用非磁性粒
子粉末として表面被覆物によって被覆されていない本発
明に係るアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末を用
いた場合には、保磁力値が800〜3500Oe、好ま
しくは900〜3500Oe、角形比(残留磁束密度B
r/飽和磁束密度Bm)が0.87〜0.95、好まし
くは0.88〜0.95、塗膜の光沢度が202〜30
0%、好ましくは207〜300%、塗膜表面粗度Ra
が7.8nm以下、好ましくは2.0〜7.5nm、よ
り好ましくは2.0〜7.0nm、塗膜の線吸収係数が
1.20〜2.00μm−1、好ましくは1.25〜
2.00μm−1、ヤング率が130〜160、好まし
くは132〜160であり、耐久性のうち走行耐久性は
25分以上、好ましくは27分以上、すり傷特性はB又
はA、好ましくはA、耐腐蝕性のうち、保磁力値の変化
率(%)で示す耐腐蝕性が10.0%以下、好ましくは
9.5%以下、飽和磁束密度値の変化率(%)で示す耐
腐蝕性が10.0%以下、好ましくは9.5%以下であ
る。
る鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末を用い、非磁
性下地層用非磁性粒子粉末として表面被覆物によって被
覆されている本発明に係るアルミニウム含有針状ヘマタ
イト粒子粉末を用いた場合には、保磁力値が800〜3
500Oe、好ましくは900〜3500Oe、角形比
(残留磁束密度Br/飽和磁束密度Bm)が0.87〜
0.95、好ましくは0.88〜0.95、塗膜の光沢
度が204〜300%、好ましくは209〜300%、
塗膜表面粗度Raが7.6nm以下、好ましくは2.0
〜7.2nm、より好ましくは2.0〜6.8nm、塗
膜の線吸収係数が1.20〜2.00μm−1、好まし
くは1.25〜2.00μm−1、ヤング率が132〜
160、好ましくは134〜160であり、耐久性のう
ち走行耐久性は26分以上、好ましくは28分以上、す
り傷特性はB又はA、好ましくはA、耐腐蝕性のうち、
保磁力値の変化率(%)で示す耐腐蝕性が10.0%以
下、好ましくは9.5%以下、飽和磁束密度値の変化率
(%)で示す耐腐蝕性が10.0%以下、好ましくは
9.5%以下である。
層の形成に当って用いる溶剤としては、磁気記録媒体に
汎用されているメチルエチルケトン、トルエン、シクロ
ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフ
ラン及びその混合物等を使用することができる。
対しその総量で65〜1000重量部である。65重量
部未満では塗料とした場合に粘度が高くなりすぎ塗布が
困難となる。1000重量部を超える場合には、塗膜を
形成する際の溶剤の揮発量が多くなりすぎ工業的に不利
となる。
次の通りである。
微鏡写真(×30,000)を縦方向及び横方向にそれ
ぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約350個につ
いて長軸径、短軸径をそれぞれ測定し、その平均値で示
した。
示した。
径」という。)の粒度分布は、下記の方法により求めた
幾何標準偏差値で示した。
径を測定した値を、その測定値から計算して求めた粒子
の実際の粒子径と個数から統計学的手法に従って対数正
規確率紙上に横軸に粒子径を、縦軸に所定の粒子径区間
のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フルイ下)を
百分率でプロットする。そして、このグラフから粒子の
個数が50%及び84.13%のそれぞれに相当する粒
子径の値を読みとり、幾何標準偏差値=積算フルイ下8
4.13%における粒子径/積算フルイ下50%におけ
る粒子径(幾何平均径)に従って算出した値で示した。
幾何標準偏差値が1に近いほど、粒子の粒度分布が優れ
ていることを意味する。
示した。
及び鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の粒子内部
や粒子表面に存在するAl量、Si量及びP量のそれぞ
れは「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業
(株)製)を使用し、JISK0119の「けい光X線
分析通則」に従って測定した。
角フラスコに秤り取り、煮沸した純水100mlを加
え、加熱して煮沸状態を約5分間保持した後、栓をして
常温まで放冷し、減量に相当する水を加えて再び栓をし
て1分間振り混ぜ、5分間静置した後、得られた上澄み
液のpH値をJIS Z 8802−7に従って測定
し、得られた値を粉体pH値とした。
有量は、上記粉体pH値の測定用に作製した上澄み液を
No.5Cの濾紙を用いて濾過し、濾液中のNa+及び
SO 4 2−を「誘導結合プラズマ発光分光分析装置(セ
イコー電子工業株式会社製)」を用いて測定した。
の密度化の程度は、前述した通り、SBET/STEM
値で示した。ここで、SBET値は、上記BET法によ
り測定した比表面積の値である。STEM値は、前記電
子顕微鏡写真から測定した粒子の平均長軸径lcm、平
均短軸径wcmを用いて粒子を直方体と仮定して数1に
従って算出した値である。
w2)/(lw2・ρp)〕×10−4 (但し、ρpはへマタイト粒子粉末の真比重であり、
5.2g/cm3を用いた。)
れる程度を示すものであり、下記の方法により求めた値
(%)が100に近いほど、樹脂が粒子粉末の粒子表面
に強く吸着されていることを示す。
子粉末20gとスルホン酸ナトリウム基を有する塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合樹脂2gを溶解させた混合溶剤
とを3mmφスチールビーズ120gとともに100m
lポリビンに入れ、60分間ペイントシェーカーで混合
分散する。
0mlの沈降管に入れ回転数10000rpmで15分
間遠心分離を行い、固形部分と溶剤部分とを分離する。
そして、溶剤部分に含まれる樹脂固形分濃度を重量法に
よって定量し、仕込みの樹脂量との差し引きにより、固
形部分に存在する樹脂量を求め、これを粒子に対する樹
脂吸着量Wa(mg/g)とする。
mlトールビーカーに全量取り出し、これに混合溶剤
(メチルエチルケトン25g、トルエン15g、シクロ
ヘキサノン10g)50gを加え、15分間超音波分散
を行って懸濁状態とした後、50ml沈降管に入れ回転
数10000rpmで15分間遠心分離を行い、固形部
分と溶剤部分とを分離する。そして、溶剤部分の樹脂固
形分濃度を測定することによって、粒子表面に吸着して
いた樹脂のうち溶剤相に抽出された樹脂量を定量する。
ルビーカーへの全量取り出しから溶剤相に溶け出した樹
脂量の定量までの操作を2回繰り返し、合計3回の溶剤
相中における樹脂の抽出量の総和We(mg/g)を求
め、数2に従って求めた値を樹脂吸着強度(%)とし
た。
a〕×100
る塗料粘度を、「E型粘度計EMD−R」(株式会社東
京計器製)を用いて測定し、ずり速度D=1.92se
c− 1における値で示した。
光沢度は、「グロスメーターUGV−5D」(スガ試験
機株式会社製)を用いて塗膜の45°光沢度を測定して
求めた。
5A」(東京精密株式会社製)を用いて塗布膜の中心線
平均粗さを測定した。
は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工
業株式会社製)を使用し、外部磁場10KOeまでかけ
て測定した。
す走行耐久性とすり傷特性を評価した。
ility Tester MDT−3000」(St
einberg Associates社製)を用い
て、負荷200gw、ヘッドとテープとの相対速度16
m/sにおける実可動時間で評価した。実可動時間が長
い程走行耐久性が良いことを示す。
微鏡で観察し、すり傷の有無を目視で評価し、下記の4
段階の評価を行った。
社島津製作所製)を用いて塗膜のヤング率を測定して求
めた。ヤング率は市販ビデオテープ「AV T−12
0」(日本ビクター株式会社製)との相対値で表した。
相対値が高いほど塗膜の強度が良好であることを示す。
磁性粒子粉末の腐蝕に伴う磁気記録媒体の磁気特性の経
時変化は、磁気記録媒体を温度60℃、相対湿度90%
の環境下に14日間放置し、放置前後の保磁力値及び飽
和磁束密度値を測定し、その変化量を放置前の値で除し
た値を変化率として百分率で示した。
2100」(株式会社島津製作所製)を用いて磁気記録
媒体について測定した光透過率の値を下記式に挿入して
算出した線吸収係数で示した。線吸収係数は、その値が
大きいほど、光を透しにくいことを示す。光透過率の値
を測定するにあたっては、上記磁気記録媒体に用いた非
磁性支持体と同一の非磁性支持体をブランクとして用い
た。
膜厚と磁気記録層の膜厚との総和)の厚み(μm)
磁性下地層及び磁気記録層の各層の厚みは、次の通りの
測定手法によって測定した。
C」(安立電気株式会社製)を用いて、先ず、非磁性支
持体の膜厚(A)を測定する。次に、非磁性支持体と該
非磁性支持体上に形成された非磁性下地層との厚み
(B)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みとの
総和)を同様にして測定する。更に、非磁性下地層上に
磁気記録層を形成することにより得られた磁気記録媒体
の厚み(C)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚
みと磁気記録層の厚みとの総和)を同様にして測定す
る。そして、非磁性下地層の厚みは(B)−(A)で示
し、磁気記録層の厚みは(C)−(B)で示した。
第一鉄水溶液、炭酸ナトリウム水溶液及び硫酸アルミニ
ウム水溶液を用いて得られた粒子内部にアルミニウムを
均一に含有しているアルミニウム含有紡錘状ゲータイト
粒子粉末(平均長軸径0.0846μm、長軸径の幾何
標準偏差値1.49、平均短軸径0.0115μm、短
軸径の幾何標準偏差値1.37、軸比7.4、BET比
表面積値161.6m2/g、アルミニウム含有量(A
l換算)2.12重量%、粉体pH値6.0、可溶性ナ
トリウム塩(Na換算)1168ppm及び可溶性硫酸
塩(SO4換算)1712ppm)1200gを水中に
懸濁させて懸濁液とし、固形分濃度を8g/lに調整し
た。この懸濁液150lを加熱し、温度を60℃とし、
0.1NのNaOH水溶液を加えて懸濁液のpH値を1
0.0に調整した。
止剤として3号水ガラス42.0gを徐々に加え、添加
が終わった後、60分間熟成を行った。次に、この懸濁
液に0.1Nの酢酸溶液を加え、懸濁液のpH値を6.
0に調整した。その後、常法により、濾別、水洗、乾
燥、粉砕を行い、ケイ素の酸化物が粒子表面に被覆され
ているアルミニウム含有紡錘状ゲータイト粒子粉末を得
た。ケイ素の含有量はSiO2換算で0.90重量%で
あった。
ト粒子粉末を金属製の熱処理炉に入れ、140℃で30
分間加熱処理を行い、アルミニウム含有紡錘状ゲータイ
ト粒子粉末中に含まれるゲータイト超微粒子をアルミニ
ウム含有紡錘状ゲータイト粒子に吸収させた。
ト粒子粉末は平均長軸径0.0846μm、長軸径の幾
何標準偏差値1.37、平均短軸径0.0116μm、
短軸径の幾何標準偏差値1.22、軸比7.3、BET
比表面積値162.9m2/g、粉体pH値7.2、可
溶性ナトリウム塩(Na換算)792ppm及び可溶性
硫酸塩(SO4換算)408ppm及びアルミニウム含
有量(Al換算)2.12重量%であった。
ゲータイト粒子粉末を再度、金属製の熱処理炉に入れ、
340℃で30分間加熱脱水処理を行い、低密度アルミ
ニウム含有紡錘状ヘマタイト粒子粉末を得た。得られた
低密度アルミニウム含有紡錘状ヘマタイト粒子粉末は、
平均長軸径0.0793μm、長軸径の幾何標準偏差値
1.37、平均短軸径0.0119μm、短軸径の幾何
標準偏差値1.23、軸比6.7、BET比表面積値1
81.0m2/g、SBET/STEM値2.60、粉
体pH値5.9、可溶性ナトリウム塩(Na換算)14
65ppm及び可溶性硫酸塩(SO4換算)1965p
pmであった。アルミニウム含有量(Al換算)2.3
5重量%、ケイ素含有量(SiO2換算)0.99重量
%であった。
ヘマタイト粒子粉末850gをセラミック製の回転炉に
投入し、回転駆動させながら空気中650℃で30分間
熱処理を行い、脱水孔の封孔処理を行った。高密度化さ
れたアルミニウム含有紡錘状ヘマタイト粒子粉末は、平
均長軸径が0.0753μm、長軸径の幾何標準偏差値
が1.37、平均短軸径が0.0122μm、短軸径の
幾何標準偏差値が1.24、軸比が6.2、BET比表
面積値が83.8m2/g、SBET/STE M値が
1.23、粉体pH値5.7、可溶性ナトリウム塩(N
a換算)1612ppm及び可溶性硫酸塩(SO4換
算)2101ppmであった。アルミニウム含有量(A
l換算)2.35重量%、ケイ素含有量(SiO2換
算)1.00重量%であった。
粉末のアルカリ性懸濁液の加熱処理>得られたアルミニ
ウム含有高密度紡錘状ヘマタイト粒子粉末800gを奈
良式粉砕機で粗粉砕した後、純水4.7lに投入し、ホ
モミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて60分
間解膠した。
錘状ヘマタイト粒子粉末の懸濁液を横型SGM(ディス
パマットSL:エスシー・アディケム株式会社製)で循
環しながら、軸回転数2000rpmのもとで3時間混
合・分散した。得られた懸濁液中のアルミニウム含有紡
錘状ヘマタイト粒子粉末の325mesh(目開き44
μm)における篩残分は0%であった。
ト粒子粉末の懸濁液に水を添加して濃度を50g/lと
し、懸濁液を5lを採取した。この懸濁液を攪拌しなが
ら、6NのNaOH水溶液を加えて懸濁液のpH値を1
3.8に調整した。次に、この懸濁液を攪拌しながら加
熱して95℃まで昇温し、その温度で3時間保持した。
より水洗し、pH値が10.5の懸濁液とした。正確を
期すため、この時点での懸濁液の濃度を確認したところ
98g/lであった。
トを用いて濾別し、純水を通水して濾液の電導度が30
μs以下になるまで水洗し、その後、常法によって乾燥
させた後、粉砕して、目的とするアルミニウム含有紡錘
状ヘマタイト粒子粉末を得た。得られたアルミニウム含
有紡錘状ヘマタイト粒子粉末は、平均長軸径0.075
2μm、長軸径の幾何標準偏差値1.37、平均短軸径
0.0122μm、短軸径の幾何標準偏差値1.24、
軸比6.2、BET比表面積値(SBET)83.4m
2/g、SBET/STEM値1.22、粉体pH値
9.1、可溶性ナトリウム塩(Na換算)63ppm、
可溶性硫酸塩(SO4換算)21ppm及び樹脂吸着強
度が79.6%であった。
ルミニウム含有紡錘状ヘマタイト粒子粉末と結合剤樹脂
及び溶剤とを混合し、固形分率72重量%でプラストミ
ルを用いて30分間混練した。しかる後、所定量の混練
物を取り出し、140mlガラスビンに1.5mmφガ
ラスビーズ95g及び溶剤とともに添加し、ペイントコ
ンディショナーで6時間混合・分散を行った。
である。 アルミニウム含有紡錘状ヘマタイト粒子粉末: 100重量部、 スルホン酸ナトリウム基を有する 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂: 10重量部、 スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂: 10重量部、 シクロヘキサノン: 44.6重量部、 メチルエチルケトン: 111.4重量部、 トルエン: 66.9重量部。
ポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケータ
ーを用いて55μmの厚さに塗布し、次いで、乾燥させ
ることにより非磁性下地層を形成した。
m、光沢は218%、表面粗度Raは6.2nm、ヤン
グ率は135であった。
状金属磁性粒子粉末(平均長軸径0.110μm、平均
短軸径0.0146μm、軸比7.5、長軸径の幾何標
準偏差値1.38、保磁力値1943Oe、飽和磁化値
132emu/g)と結合剤樹脂及び溶剤とを混合し、
固形分率78重量%でプラストミルを用いて30分間混
練して混練物を得た。この混練物を140mlガラスビ
ンに1.5mmφガラスビーズ95g及び溶剤とともに
添加し、ペイントコンディショナーで6時間混合・分散
を行った。
え、更に、15分間混合・分散した。
った。 鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末: 100重量部、 スルホン酸ナトリウム基を有する 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂: 10重量部、 スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂: 10重量部、 研磨剤(AKP−30): 10重量部、 カーボンブラック #3250B: 1.0重量部、 潤滑剤(ミリスチン酸:ステアリン酸ブチル=1:2): 3.0重量部 、 硬化剤(ポリイソシアネート): 5重量部 、 シクロヘキサノン: 64.9重量部、 メチルエチルケトン: 162.2重量部、 トルエン: 97.3重量部。
にアプリケーターを用いて15μmの厚さに塗布した
後、磁場中において配向・乾燥し、次いで、カレンダー
処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行い0.
5インチ幅にスリットして磁気テープを得た。
Oe、角型比(Br/Bm)は0.88、光沢度は23
8%、表面粗度Raは5.8nm、塗膜の線吸収係数は
1.27μm、ヤング率は136、耐久性のうち走行耐
久性は30分以上、すり傷耐久性はAであった。
力値については2.8%、飽和磁束密度値は2.1%で
あった。
立って、アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末を1
00〜200℃の温度範囲で加熱処理し、該ゲータイト
粒子粉末を加熱脱水処理又は250〜500℃の加熱脱
水処理及び焼きしめ処理を行ってアルミニウム含有針状
ヘマタイト粒子粉末とした後、該アルミニウム含有針状
ヘマタイト粒子粉末をアルカリ性懸濁液中で加熱処理す
ることにより、粒子内部にアルミニウムを含有し、長軸
径の幾何標準偏差値が1.50以下であって、短軸径の
幾何標準偏差値が1.30以下である粒度が均斉な、殊
に短軸径の粒度が均斉であって、且つ、粉体pH値が
8.0以上、可溶性ナトリウム塩の含有量がNa換算で
300ppm以下、可溶性硫酸塩の含有量がSO4換算
で150ppm以下であるアルミニウム含有針状へマタ
イト粒子粉末を得ることができるという事実である。
有針状ヘマタイト粒子粉末が得られる理由について、本
発明者は、アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末
を、100〜200℃の温度範囲で加熱処理することに
より、アルミニウム含有ゲータイト超微粒子が針状ゲー
タイト粒子に吸収されるため、超微粒子成分が少なく、
長軸径の粒度が均斉であるとともに短軸径の粒度も均斉
であるアルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末が得ら
れるとともに、アルミニウム含有ゲータイト超微粒子成
分が減少することによって、その後の加熱脱水処理にお
いてアルミニウム含有ゲータイト超微粒子に起因する粒
子間の焼結が起こりにくいことにより、アルミニウム含
有針状ゲータイト粒子の均斉な粒度を保持したアルミニ
ウム含有針状ヘマタイト粒子粉末を得ることができるた
めと考えている。
層用非磁性粒子粉末として本発明に係るアルミニウム含
有針状ヘマタイト粒子粉末を用いた場合、表面平滑であ
って、強度が大きく、耐久性に優れ、且つ、磁気記録層
中に分散されている鉄を主成分とする針状金属磁性粒子
粉末の腐蝕に伴う磁気特性の劣化を抑制することができ
る。
向上する理由について、本発明者は、本発明に係るアル
ミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末の長軸径の幾何標
準偏差値が1.50以下、短軸径の幾何標準偏差値が
1.30以下であり、粗大な粒子や微細な粒子の存在が
少ない均斉な粒子であること、BET比表面積値が40
〜180m2/gであり、粒子内部及び粒子表面に脱水
孔が少ない粒子であること及びアルミニウム含有針状ヘ
マタイト粒子相互を強固に架橋して凝集させる原因とな
っている可溶性ナトリウム塩や可溶性硫酸塩を十分水洗
除去することができたことに起因して、凝集物が解きほ
ぐされて、実質的に独立した粒子とすることができるこ
との相乗効果により、得られる非磁性下地層の表面平滑
性が更に向上したものと考えている。そのため、非磁性
下地層の上に形成される磁気記録層の表面平滑性も向上
し、その結果、磁気記録媒体の表面平滑性がより向上し
たものと考えている。
下地層の強度を向上させ、磁気記録媒体の耐久性が向上
した理由については未だ明らかではないが、本発明者
は、針状へマタイト粒子粉末の粒子内部にアルミニウム
が含有されていることに起因して、非磁性下地層中に含
有されているアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末
と結合剤樹脂との樹脂吸着強度が向上し、その結果、非
磁性下地層と非磁性支持体及び磁気記録層との密着度が
高まったことによるものと考えている。
録層中に分散されている鉄を主成分とする針状金属磁性
粒子粉末の腐蝕に伴う磁気特性の劣化が抑制されている
理由として、本発明者は、金属の腐蝕を促進する可溶性
ナトリウム塩や可溶性硫酸塩等の可溶性分がアルミニウ
ム含有針状ヘマタイト粒子粉末中に少ないこと及びアル
ミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末自体の粉体pH値
が8.0以上と高いことに起因して、鉄を主成分とする
針状金属磁性粒子粉末の腐蝕の進行が抑制できたものと
考えている。
ミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末1及び2を準備し
た。
々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にし
て焼結防止処理を行ったアルミニウム含有針状ゲータイ
ト粒子粉末を得た。
粒子粉末の諸特性を表2に示す。
時間を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態と同
様にしてアルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末6〜
9を得た。
アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末の諸特性を表
4に示す。
粒子粉末の製造> ヘマタイト粒子1〜4 ゲータイト粒子粉末の種類及び加熱脱水処理における温
度及び時間を種々変化させた以外は前記発明の実施の形
態と同様にして低密度アルミニウム含有針状ヘマタイト
粒子粉末1〜4を得た。
低密度アルミニウム含有針状へマタイト粒子粉末の諸特
性を表6に示す。
粒子粉末の製造> 実施例1〜4及び比較例1〜5 被処理粒子粉末の種類、高温加熱処理における温度及び
時間を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態と同
様にしてアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末を得
た。
アルミニウム含有針状へマタイト粒子粉末の諸特性を表
8に示す。
pH値、温度及び時間を種々変化させた以外は前記発明
の実施の形態と同様にしてアルミニウム含有針状ヘマタ
イト粒子粉末を得た。
アルミニウム含有針状へマタイト粒子粉末の諸特性を表
10に示す。
公報の追試実験例) <高密度アルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末の製
造>ゲータイト粒子粉末5(出発原料粒子粉末)100
0gを、ステンレス製回転炉に投入し、回転駆動させな
がら空気中で320℃で30分間熱処理を行って加熱脱
水し、低密度アルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末
を得た。
タイト粒子粉末は、平均長軸径が0.0851μm、長
軸径の幾何標準偏差値が1.51、平均短軸径が0.0
132μm、短軸径の幾何標準偏差値が1.41、軸比
が6.4、BET比表面積値が206.5m2/g、S
BET/STEM値が3.29、粉体pH値5.6、可
溶性ナトリウム塩(Na換算)1021ppm及び可溶
性硫酸塩(SO4換算)314ppmであった。アルミ
ニウム含有量(Al換算)1.44重量%、ケイ素含有
量(SiO2換算)1.21重量%であった。
マタイト粒子粉末850gをセラミック製の回転炉に投
入し、回転駆動させながら空気中610℃で30分間熱
処理を行い、脱水孔の封孔処理を行った。
タイト粒子粉末は、平均長軸径が0.0835μm、長
軸径の幾何標準偏差値が1.51、平均短軸径が0.0
134μm、短軸径の幾何標準偏差値が1.41、軸比
が6.2、BET比表面積値が71.6m2/g、S
BET/STEM値が1.15、粉体pH値4.3、可
溶性ナトリウム塩(Na換算)1283ppm及び可溶
性硫酸塩(SO4換算)1865ppmであった。アル
ミニウム含有量(Al換算)1.45重量%、ケイ素含
有量(SiO2換算)1.23重量%であった。
タイト粒子粉末800gを奈良式粉砕機で粗粉砕した
後、純水4.7lに投入し、ホモミキサー(特殊機化工
業株式会社製)を用いて60分間解膠し、懸濁液を横型
SGM(ディスパマットSL:エスシー・アディケム株
式会社製)で循環しながら、軸回転数2000rpmの
もとで3時間分散した。得られた懸濁液中の高密度アル
ミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末の325mesh
(目開き44μm)における篩残分は0%であった。
粒子粉末の酸による溶解処理>得られた高密度アルミニ
ウム含有針状ヘマタイト粒子粉末の懸濁液に水を添加し
て該懸濁液の濃度を100g/lとした後、当該懸濁液
を7l採取した。採取した懸濁液を攪拌しながら、70
重量%の硫酸水溶液を加えて硫酸濃度を1.3Nとし、
懸濁液のpH値を0.59に調整した。次に、この懸濁
液を攪拌しながら加熱して80℃まで昇温し、その温度
で3時間保持して溶解処理を行って、液中に存在してい
る高密度アルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末全体
量の20.8重量%を溶解させた。
の酸性水溶液)を分離した後、デカンテーション法によ
り水洗し、pH値が5.0の懸濁液とした。この時点で
の懸濁液の濃度を確認したところ79g/lであった。
トを用いて濾別し、純水を通水して濾液の電導度が30
μs以下になるまで水洗し、その後、常法によって乾燥
させた後、粉砕して、高密度針状ヘマタイト粒子粉末を
得た。
は、平均長軸径が0.0791μm、長軸径の幾何標準
偏差値が1.46、平均短軸径が0.0131μm、短
軸径の幾何標準偏差値が1.33、軸比が6.0、BE
T比表面積値が74.2m2/g、SBET/STEM
値が1.17、粉体pH値4.6、可溶性ナトリウム塩
(Na換算)158ppm及び可溶性硫酸塩(SO4換
算)516ppmであった。アルミニウム含有量(Al
換算)1.40重量%、ケイ素含有量(SiO2換算)
1.24重量%であった。
による溶解処理後のアルミニウム含有紡錘状ヘマタイト
粒子粉末の懸濁液に水を添加して濃度を50g/lと
し、懸濁液5lを採取した。この懸濁液を攪拌しなが
ら、6NのNaOH水溶液を加えて懸濁液のpH値を1
3.6に調整した。次に、この懸濁液を攪拌しながら加
熱して95℃まで昇温し、その温度で3時間保持した。
より水洗し、pH値が10.5の懸濁液とした。正確を
期すため、この時点での懸濁液の濃度を確認したところ
98g/lであった。
トを用いて濾別し、純水を通水して濾液の電導度が30
μs以下になるまで水洗し、その後、常法によって乾燥
させた後、粉砕して、目的とするアルミニウム含有紡錘
状ヘマタイト粒子粉末を得た。
ト粒子粉末は、平均長軸径が0.0791μm、長軸径
の幾何標準偏差値が1.46、平均短軸径が0.013
0μm、短軸径の幾何標準偏差値が1.33、軸比が
6.1、BET比表面積値が74.0m2/g、S
BET/STEM値が1.16、粉体pH値が9.1、
可溶性ナトリウム塩の含有量(Na換算)112pp
m、可溶性硫酸塩の含有量(SO 4換算)24ppmで
あった。アルミニウム含有量(Al換算)1.40重量
%、ケイ素含有量(SiO2換算)1.23重量%であ
った。
子粉末700gを奈良式自由粉砕機で粗粉砕した後、純
水7lに投入し、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社
製)を用いて60分間邂逅した。次に、得られたアルミ
ニウム含有針状へマタイト粒子粉末の懸濁液を横形サン
ドグラインダー「ディスパマットSL」(エスシー・ア
ディケム株式会社製)を用いて軸回転数2000rpm
のもとで6時間混合・分散して、アルミニウム含有針状
へマタイト粒子粉末の懸濁液を得た。該懸濁液のpH値
を、0.1N酢酸水溶液を用いて4.0に調製した。次
に、当該懸濁液に水を加え懸濁液の濃度を45g/lに
調製した。この懸濁液10lを加熱して60℃とし、こ
の懸濁液中に1.0mol/lの酢酸アルミニウム溶液
500ml(針状へマタイト粒子粉末に対してAl換算
で3.0重量%に相当する)を加え、30分間保持した
後、0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpH値を
7.0に調製した。この状態で30分間保持した後、濾
過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がAlの水酸化物に
よって被覆されているアルミニウム含有針状へマタイト
粒子粉末を得た。
たアルミニウム含有針状へマタイト粒子の諸特性を表1
2に示す。
物種類、添加量及び最終pH値を種々変化させた以外は
前記実施例9と同様にして表面被覆物によって被覆され
たアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子粉末を得た。
た表面被覆物によって被覆されたアルミニウム含有針状
へマタイト粒子粉末の諸特性を表12に示す。
れた各粒子粉末を用いて前記発明の実施の形態と同様に
して非磁性下地層を形成した。
下地層の諸特性を表13に示す。
を用意した。
に示す。
た以外は前記発明の実施の形態と同様にして磁気記録媒
体を得た。
録媒体の諸特性を表15及び表16に示す。
タイト粒子粉末は、非磁性下地層用非磁性粒子粉末とし
て用いた場合、表面平滑で、強度が大きく、耐久性に優
れた非磁性下地層を得ることができ、該非磁性下地層を
用いて磁気記録媒体とした場合、表面平滑で強度が大き
く、耐久性に優れ、且つ、磁気記録層中に分散されてい
る鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の腐蝕に伴う
磁気特性の劣化が抑制された磁気記録媒体を得ることが
できるため、高密度磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁
性粒子粉末として好適である。
した通り、表面平滑で強度が大きく、耐久性に優れてい
るとともに、磁気記録層中に分散されている鉄を主成分
とする針状金属磁性粒子粉末の腐蝕に伴う磁気特性の劣
化が抑制されているので高密度磁気記録媒体として好適
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 粒子内部にAl換算で0.05〜50重
量%のアルミニウムを含有し、長軸径の幾何標準偏差値
が1.50以下であって短軸径の幾何標準偏差値が1.
30以下であり、BET比表面積値が40〜180m2
/gであり、且つ、粉体pH値が8.0以上、可溶性ナ
トリウム塩の含有量がNa換算で300ppm以下、可
溶性硫酸塩の含有量がSO4換算で150ppm以下で
ある、平均長軸径が0.01〜0.2μmのアルミニウ
ム含有針状ヘマタイト粒子粉末からなることを特徴とす
る磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末。 - 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウム含有針状ヘ
マタイト粒子粉末の粒子表面が、アルミニウムの水酸化
物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ
素の酸化物から選ばれる少なくとも一種からなる表面被
覆物によって被覆されていることを特徴とする磁気記録
媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末。 - 【請求項3】 粒子内部にAl換算で0.05〜50重
量%のアルミニウムを含有しているアルミニウム含有針
状ゲータイト粒子粉末を550〜850℃の温度範囲で
加熱脱水処理してアルミニウム含有針状ヘマタイト粒子
粉末とするに当って、前記加熱脱水処理に先立ってあら
かじめ、前記アルミニウム含有針状ゲータイト粒子粉末
を100〜200℃の温度範囲で加熱処理して該アルミ
ニウム含有針状ゲータイト粒子粉末に含まれているアル
ミニウム含有ゲータイト超微粒子をアルミニウム含有針
状ゲータイト粒子に吸収させておき、550〜850℃
の温度範囲で加熱脱水してアルミニウム含有針状ヘマタ
イト粒子粉末を得、次いで、該アルミニウム含有針状ヘ
マタイト粒子粉末を水溶液中へ分散させた水性懸濁液に
アルカリ水溶液を添加してpH値を13.0以上に調製
し、80〜103℃の温度範囲で加熱処理した後、濾
過、水洗、乾燥することを特徴とする請求項1記載の磁
気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造法。 - 【請求項4】 非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成
される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とからなる非磁性下
地層及び該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末
と結合剤樹脂とからなる磁気記録層からなる磁気記録媒
体において、前記非磁性粒子粉末が請求項1又は請求項
2記載の非磁性下地層用非磁性粒子粉末であることを特
徴とする磁気記録媒体。
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