JP2010033005A - 感光性組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子 - Google Patents
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一方、高耐熱性、高透明性、高耐薬品性といった特性を有する他の材料として、ポリシロキサンが知られており、これにポジ型の感光性を付与するためにキノンジアジド化合物を組み合わせた材料(特許文献5参照)が公知である。この材料は透明性が高く、基板の高温処理によっても透明性は低下すること無く、高透明の硬化膜を得ることができる。しかしながら、この材料に於いても、感度、解像度は十分とは言えず、より高感度、高解像度のポジ型感光性材料が強く求められている。
一般式(2)で表されるオルガノシランの具体例としては、メチルシリケート51(扶桑化学工業株式会社製)、Mシリケート51、シリケート40、シリケート45(多摩化学工業株式会社製)、メチルシリケート51、メチルシリケート53A、エチルシリケート40、エチルシリケート48(コルコート株式会社製)などが挙げられる。
界面活性剤の含有量は、感光性組成物中、0.0001〜1重量%とするのが一般的である。
架橋剤の添加量は特に制限されないが、好ましくは樹脂(ポリシロキサン+アクリル樹脂)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲である。架橋剤の添加量が0.1重量部より少ないと、樹脂の架橋が不十分で効果が少ない。一方、架橋剤の添加量が10重量部より多いと、硬化膜の無色透明性が低下したり、組成物の貯蔵安定性が低下する。
また、架橋促進剤として、上述した熱酸発生剤と光酸発生剤とを併用して用いることも可能である。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
GBL:γ−ブチロラクトン
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
また、ポリシロキサン溶液、アクリル樹脂溶液の固形分濃度、およびポリシロキサン、アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、以下の通り求めた。
アルミカップにポリシロキサン溶液またはアクリル樹脂溶液を1g秤取し、ホットプレートを用いて250℃で30分間加熱して液分を蒸発させた。加熱後のアルミカップに残った固形分を秤量して、アクリル樹脂またはポリシロキサン溶液の固形分濃度を求めた。
重量平均分子量はGPC(Waters社製410型RI検出器、流動層:テトラヒドロフラン)にてポリスチレン換算により求めた。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを49.03g(0.36mol)、フェニルトリメトキシシランを130.88g(0.66mol)、シリケート40(多摩化学工業株式会社製)を26.82g(0.18mol)、DAAを190g仕込み、室温で攪拌しながら水62.9gにリン酸0.62g(仕込みモノマーに対して0.3重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液(a)を得た。なお、加熱攪拌中、窒素を0.05l(リットル)/min流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計145g留出した。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを35.41g(0.26mol)、フェニルトリメトキシシランを141.78g(0.715mol)、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを14.78g(0.065mol)、Mシリケート51(多摩化学工業株式会社製)を28.20g(0.18mol)、PGMEAを205g仕込み、室温で攪拌しながら水63.7gにリン酸1.1g(仕込みモノマーに対して0.5重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液(b)を得た。なお、加熱攪拌中、窒素を0.05l(リットル)/min流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計194g留出した。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを40.86g(0.30mol)、フェニルトリメトキシシランを99.15g(0.50mol)、Mシリケート51(多摩化学工業株式会社製)を11.75g(0.10mol)、シリカゾル粒子分散液“クォートロン”PL−2L(扶桑化学工業株式会社製、分散媒:水 シリカ粒子含有量19.7w%)30.50g(0.10mol)、DAA190gを仕込み、室温で攪拌しながら水23.21gにリン酸0.47g(仕込みモノマーに対して0.3重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液(c)を得た。なお、加熱攪拌中、窒素を0.05l(リットル)/min流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計230g留出した。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを52.30g(0.38mol)、フェニルトリメトキシシランを142.78g(0.72mol)、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを14.78g(0.06mol)、Mシリケート51(多摩化学工業株式会社製)を4.23g(0.04mol)、PGMEAを195g仕込み、室温で攪拌しながら水65.6gにリン酸0.65g(仕込みモノマーに対して0.3重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液(d)を得た。なお、加熱攪拌中、窒素を0.05l(リットル)/min流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計151g留出した。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを24.52g(0.18mol)、フェニルトリメトキシシランを118.98g(0.60mol)、Mシリケート51(多摩化学工業株式会社製)を49.35g(0.42mol)、DAAを174g仕込み、室温で攪拌しながら水61.0gにリン酸0.58g(仕込みモノマーに対して0.3重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液(e)を得た。なお、加熱攪拌中、窒素を0.05l(リットル)/min流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計177g留出した。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを57.20g(0.35mol)、フェニルトリメトキシシランを95.18g(0.40mol)、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを14.78g(0.05mol)、Mシリケート51(多摩化学工業株式会社製)を28.20g(0.20mol)、PGMEAを174g仕込み、室温で攪拌しながら水63.8gにリン酸0.59g(仕込みモノマーに対して0.3重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液(f)を得た。なお、加熱攪拌中、窒素を0.05l(リットル)/min流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計151g留出した。
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを54.48g(0.40mol)、フェニルトリメトキシシランを109.07g(0.55mol)、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを14.78g(0.05mol)、PGMEAを151g仕込み、室温で攪拌しながら水65.9gにリン酸0.54g(仕込みモノマーに対して0.3重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液(f)を得た。なお、加熱攪拌中、窒素を0.05l(リットル)/min流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計156g留出した。
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を5g、t−ドデカンチオールを5g、PGMEAを180g仕込んだ。その後、メタクリル酸を30g、ベンジルメタクリレートを35g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレートを35g仕込み、室温で攪拌してフラスコ内を窒素置換した後、70℃で5時間加熱攪拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを15g、ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.2g添加し、90℃で4時間加熱攪拌し、アクリル樹脂溶液(a)を得た。
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.23g(0.05mol)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド37.62g(0.14mol)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.58g(0.154mol)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入させた。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記構造のキノンジアジド化合物(a)を得た。
乾燥窒素気流下、TrisP−HAP(商品名、本州化学工業(株)製)15.32g(0.05mol)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド26.87g(0.1mol)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン11.13g(0.11mol)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入させた。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記構造のキノンジアジド化合物(b)を得た。
乾燥窒素気流下、Ph−cc−AP−MF(商品名、本州化学工業(株)製)15.32g(0.05mol)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド37.62g(0.14mol)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.58g(0.154mol)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入させた。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記構造のキノンジアジド化合物(c)を得た。
5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリドの添加量を33.59g(0.125mol)に変更する以外は合成例10と同様に、下記構造のキノンジアジド化合物(d)を得た。
5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリドの添加量を26.87g(0.10mol)に変更する以外は合成例8と同様に、下記構造のキノンジアジド化合物(e)を得た。
合成例1で得られたポリシロキサン溶液(a)21.88g、合成例9で得られたキノンジアジド化合物(a)0.98g、溶剤としてDAA2.92g、GBL3.96gを黄色灯下で混合、攪拌して均一溶液とした後、0.45μmのフィルターで濾過して組成物1を調製した。
ラムダエースSTM−602(商品名、大日本スクリーン製)を用いて、屈折率1.50で測定を行った。
残膜率は以下の式に従って算出した。
残膜率(%)=現像後の未露光部膜厚÷プリベーク後の膜厚×100
(5)感度の算出
露光、現像後、10μmのライン・アンド・スペースパターンを1対1の幅に形成する露光量(以下、これを最適露光量という)を感度とした。
最適露光量における現像後の最小パターン寸法を現像後解像度、キュア後の最小パターン寸法をキュア後解像度とした。
実施例1記載の方法で作成した硬化膜を基板から削りとり、アルミセルに約10mg入れ、熱重量測定装置(TGA−50、(株)島津製作所製)を用い、窒素雰囲気中、昇温速度10℃/分で150℃まで加熱し150℃で1時間温度保持した後、昇温速度10℃/分で400℃まで昇温した。この際に重量減少が1%となる温度Td1%を測定し、比較した。Td1%が高いほど、耐熱性は良好である。
MultiSpec−1500(商品名、(株)島津製作所)を用いて、まずOA−10ガラス板のみを測定し、その紫外可視吸収スペクトルをリファレンスとした。次にOA−10ガラス板上に組成物の硬化膜を形成(パターン露光は行わない)し、このサンプルをシングルビームで測定し、3μmあたりの波長400nmでの光透過率を求め、リファレンスとの差異を硬化膜の光透過率とした。
組成物1と同様に、組成物2〜13を表1に記載の組成にて調製した。なお、シランカップリング剤として用いたKBM303は信越化学工業(株)製の(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。架橋剤として用いたニカラックMX−270、ニカラックMW−30HM(商品名、三和ケミカル(株)製)は下記に示した構造の化合物である。また、架橋促進剤として用いたWPAG−469(商品名、和光純薬工業(株)製)は4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホナート20%PGMEA溶液、増感剤として用いたDPA(商品名、川崎化成工業(株)製)は9,10−ジプロポキシアントラセンである。
結果を表2に示す。
Claims (5)
- (a)下記一般式(1)で表されるオルガノシランの1種以上と下記一般式(2)で表されるオルガノシランの1種以上を加水分解し縮合させることによって合成されるポリシロキサンと(b)ナフトキノンジアジド化合物、(c)溶剤を含有するポジ型感光性組成物。
- (a)のポリシロキサンにおける一般式(2)で表されるオルガノシランの含有比が、ポリシロキサン全体のSi原子モル数に対するSi原子モル比で5%以上30%以下であることを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載のポジ型感光性組成物から形成された硬化膜であって、波長400nmにおける膜厚3μmあたりの光透過率が90%以上である硬化膜。
- 請求項4記載の硬化膜を具備する素子。
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