JP2010031855A - エンジンの動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブタイミングの変更に関し動作特性が安定化し、且つ応答性が良好で、装置の大型化及び製造コストの上昇を回避できること。
【解決手段】動弁装置のカムシャフト位相可変装置42は、クランクシャフトの回転が伝達され、吸気側カムシャフト37に対して回転方向に相対変位可能で軸方向に相対変位不能な従動部材45と、吸気側カムシャフトと回転一体に設けられ、従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位可能なガイド部材46と、従動部材とガイド部材間に配設された遠心ウェイト47と、従動部材及びガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢部材48とを有し、ガイド部材46は、遠心ウェイト47が遠心力の作用で付勢部材48の付勢力に抗して移動することで、従動部材45に対して回転方向及び軸方向に相対変位し、クランクシャフトに対する吸気側カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転方向の位相を変化させるカムシャフト位相可変装置を備えて、吸気バルブ、排気バルブのバルブタイミングを変更可能なエンジンの動弁装置に関する。
一般に、エンジンには吸、排気バルブを、クランクシャフトの回転と同期したタイミング(即ち、クランクシャフトと回転方向の位相が同一のタイミング)で開閉させる動弁装置が設置されている。しかしながら、このような動弁装置を備えたエンジンでは、吸気バルブ及び排気バルブの最適なバルブタイミングが、エンジンの運転状態(例えばエンジン回転数やエンジン負荷)などによって変化することが知られている。そこで、近年、エンジンの運転状態などに応じて吸気バルブ、排気バルブのバルブタイミングを変化させるバルブタイミング可変装置を備えた動弁装置を有するエンジンが提案されている。
上述のバルブタイミング可変装置は、そのほとんどが高圧の作動油を用いるものであり、例えば特許文献1に記載のように、カムシャフトに油路が形成されている。この特許文献1の可変バルブタイミング制御装置では、作動油圧を制御する油圧制御弁を廃止し、カムシャフトに配置されたシャッタバルブを、当該カムシャフトの回転時に生ずる遠心力の作用で作動させて上記油路を開閉し、カムシャフトのクランクシャフトに対する回転方向の位相を変化させて、吸気バルブのバルブタイミングを変更している。
また、機械式のバルブタイミング可変装置も提案されている。このような機械式のバルブタイミング可変装置は、油圧式の場合よりも応答性が優れ、また、オイルポンプが不要なためメカニカルロスを低減でき、更に、作動油の油温や粘度による動作特性の不安定を解消できる等の利点がある。
例えば、特許文献2のバルブタイミング可変制御装置では、カムシャフトが高回転すると端部が拡開するウェイト部を設け、このウェイト部の拡開端部の反対側に爪部を設け、この爪部がカムシャフトの凹部に係止することで、このカムシャフトを軸方向にスライドさせる。カムシャフトには軸方向に2つのカムプロフィールが設けられているので、これらのカムプロフィールが選択されることで吸気バルブ、排気バルブのバルブタイミングが変更される。
また、特許文献3のバルブタイミング制御装置では、カムシャフトが高回転するときに低速用カムシャフトに作用する遠心力によって低速用ウェイトが開いて低速ロックピンが引き抜かれ、ドリブンスプロケット(クランクシャフト)に対してカムシャフトが相対回転した後、高速用ウェイトが開いて高速ロックピンがカムシャフトに挿入され、当該カムシャフトが高速用位相に変更され、これにより吸気バルブのバルブタイミングが変更される。
特開平6−185316号公報 実開昭62−156108号公報 特開2006−170117号公報
ところが、特許文献1を含めた油圧式のバルブタイミング可変装置では、作動油の温度や粘度によって動作特性が不安定になり、また、オイルポンプの駆動により油圧を生じさせて動作させるため応答性が低く、更に、カムシャフトに油路が形成されるためカムシャフトが大型化したり、高精度な油路が必要となることから製造コストが上昇してしまう。
また、特許文献2のバルブタイミング可変制御装置では、カムシャフトが軸方向にスライドする方式であるため、このカムシャフトを収容するシリンダヘッド周りの寸法が大きくなり、エンジンの小型化の妨げとなる。
更に、特許文献3のバルブタイミング制御装置では、バルブスプリングの付勢力が吸気カムに作用することで、カムシャフトがドリブンスプロケット(クランクシャフト)に対して相対回転する構成であり、ドリブンスプロケットに対するカムシャフトの相対回転の禁止/許容を切り替えるだけであって、これらに積極的に相対回転を生じさせるものではない。従って、バルブタイミングが能動的に変更されるものではないので、バルブタイミングの切り換えに際し応答遅れが生じやすい。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、バルブタイミングの変更に関し動作特性が安定化し、且つ応答性が良好であると共に、装置の大型化及び製造コストの上昇を回避できるエンジンの動弁装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、カムシャフト位相可変装置の作動時(バルブタイミング変更時)における摺動抵抗等のメカニカルロスを低減して、同装置の作動性を向上させることができるエンジンの動弁装置を提供することにある。
本発明に係るエンジンの動弁装置は、請求項1に記載したように、クランクシャフトと、このクランクシャフトに同期して回転し、エンジンのバルブを開閉させるカムシャフトと、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるカムシャフト位相可変装置とを有するエンジンの動弁装置であって、前記カムシャフト位相可変装置は、前記クランクシャフトの回転が伝達され、前記カムシャフトに対して回転方向に相対変位可能で軸方向に相対変位不能な従動部材と、前記カムシャフトと回転一体に設けられ、前記従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位可能なガイド部材と、前記従動部材とガイド部材間に配設された遠心ウェイトと、前記従動部材及びガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを有し、前記ガイド部材は、前記遠心ウェイトが遠心力の作用で前記付勢部材の付勢力に抗して移動することで、前記従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位し、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係るエンジンの動弁装置は、請求項9に記載したように、クランクシャフトと、このクランクシャフトにより駆動されてエンジンのバルブを開閉するカムを備えたカムシャフトと、このカムシャフトに設けられ、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるカムシャフト位相可変装置とを有するエンジンの動弁装置において、前記カムシャフト位相可変装置は、前記クランクシャフトにより駆動されて、このクランクシャフトに対する回転方向の位相が一定に設けられた従動部材と、前記カムシャフトと一体に回転すると共に、前記従動部材に対して相対回転可能に設けられたガイド部材と、前記従動部材及びガイド部材の相互に対向する面にそれぞれ形成された放射状のガイド溝間に保持されて、前記従動部材の回転を前記ガイド部材へ伝達する遠心ウェイトと、前記従動部材とガイド部材の少なくとも一方に、これらの従動部材及びガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢力を与える付勢部材とを有し、前記従動部材とガイド部材のガイド溝は、径方向外方に向かうに従って互いのガイド溝の底部が近づくように形成されると共に、少なくとも一方のガイド溝が径方向に対して周方向一方側に傾斜して形成され、前記遠心ウェイトに遠心力が作用してこの遠心ウェイトが前記ガイド溝内を径方向外方へ移動することにより、前記ガイド部材が、前記付勢部材の付勢力に抗して軸方向に移動すると共に前記従動部材に対して回転方向に相対変位して、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、遠心ウェイトが遠心力の作用で付勢部材の付勢力に抗して移動することで、ガイド部材が従動部材に対して回転方向に相対変位して、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるため、簡単な構造で確実にバルブタイミングを変更でき、バルブタイミングの変更に関し動作特性が安定化して信頼性が向上すると共に、応答性も向上する。また、ガイド部材を従動部材に対して相対回転させることで、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させる構造であり、カムシャフトを軸方向にスライドさせる構造ではないので、シリンダヘッド周りを含めた装置の小型化を実現できる。更に、作動油を一切用いない機械式のカムシャフト位相可変装置であるため、カムシャフトに油室や油路を形成するスペースが不要となり、カムシャフトの大型化に伴う装置の大型化を回避できると共に、油路形成などの機械加工を省略できるので製造コストの上昇を回避できる。
また、クランクシャフトの動力が伝達される従動部材がカムシャフトの軸方向に移動せず、クランクシャフトの動力が直接伝達されないガイド部材がカムシャフトの軸方向に移動してバルブタイミングを変更するので、カムシャフト位相可変装置の作動時に摺動抵抗等のメカニカルロスを低減でき、この結果、カムシャフト位相可変装置の作動性が向上して、高精度な制御を実現できる。
本発明に係るエンジンの動弁装置における一実施の形態が適用されたエンジンを搭載する自動二輪車を示す左側面図。 図1のエンジンを示す縦断面図。 図2におけるエンジンの動弁装置の一部であるカムシャフト位相可変装置の周囲を拡大して示す断面図。 (A)は図3の従動部材を示す正面図、(B)は図4(A)のIV部の部分拡大図。 (A)は図3のガイド部材を示す正面図、(B)は図5(A)のV−V線に沿う断面図、(C)は図4(B)の模式図。 図3のカムシャフト位相可変装置におけるエンジン低回転時の遠心ウェイトの位置を示す動作説明図。 図3のカムシャフト位相可変装置におけるエンジン高回転時の遠心ウェイトの位置を示す動作説明図。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るエンジンの動弁装置における一実施の形態が適用されたエンジンを搭載する自動二輪車を示す左側面図である。図2は、図1のエンジンを示す縦断面図である。図3は、図2におけるエンジンの動弁装置の一部であるカムシャフト位相可変装置の周囲を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、自動二輪車1は車体フレーム2を有し、その前方にヘッドパイプ3が設けられる。ヘッドパイプ3には、図示しないサスペンション機構を内装し、前輪4を回動自在に支持する左右一対のフロントフォーク5やハンドルバー6等から構成されるステアリング機構7が設けられ、ハンドルバー6により前輪4が左右に回動自在に操舵される。
一方、車体フレーム2は、例えばツインチューブ型のもので、ヘッドパイプ3の直後で左右方向に拡開された後、互いに平行に後斜下方に延びる左右一対のタンクレールを兼ねたメインフレーム8と、これらのメインフレーム8の後端部に接続され、略上下方へ向かって延びる左右一対のセンターフレーム9と、これらのセンターフレーム9の後上端から後方に延びる左右一対のシートレール10とから構成される。
メインフレーム8の上方には燃料タンク11が配置され、シートレール10の上方には運転シート12が配置される。また、センターフレーム9の略中央下部にはピボット軸13が架設され、このピボット軸13にスイングアーム14がピボット軸13廻りにスイング自在に枢着されると共に、このスイングアーム14の後端に後輪15が回動自在に軸支される。そして、前輪4と後輪15間の車体中央下部で、燃料タンク11下方にエンジン16が配置される。
さらに、この自動二輪車1は車体の前部が流線形のカウリング17で覆われており、走行中の空気抵抗低減と、走行風圧からのライダの保護とが図られている。また、車両の進行方向に向かって左側のセンターフレーム9下部にはサイドスタンド18が設けられる。
図2に示すように、エンジン16は4サイクル並列四気筒エンジンであり、主にヘッドカバー19、シリンダヘッド20、シリンダブロック21、そしてエンジンケース22から外形が構成される。このエンジンケース22は分割式であり、例えば図における上下方向に三分割され、シリンダブロック21が一体に形成されたアッパーエンジンケース22Aと、センターエンジンケース22Bと、ロアーエンジンケース22Cとから構成される。
シリンダブロック21は直立よりやや前傾して配置され、アッパーエンジンケース22Aとセンターエンジンケース22Bとの合わせ面内側に軸受部24がそれぞれ上下に分割して形成される。これらの軸受部24に、エンジン16の幅方向に延びるクランクシャフト25が回転自在に支持される。
クランクシャフト25には、コンロッド26の大端部26Aが連結され、また、コンロッド26の小端部26Bにはピストン27が連結される。そして、シリンダブロック21内にはピストン27が、図における略上下方向に摺動自在に収納される。また、シリンダヘッド20とピストン27との間の空間には燃焼室28が形成され、その中央部には外方から点火プラグ29がねじ結合される。
ピストン27の往復ストロークはクランクシャフト25により回転運動に変換され、センターエンジンケース22Bとロアーエンジンケース22Cとによって形成される空間内の図示しないクラッチ機構およびミッション機構を経てドライブチェーン30(図1参照)を介して駆動輪である後輪15に伝達される。
上記エンジン16は、また、シリンダヘッド20の内部に配設された吸気バルブ31、排気バルブ32を開閉駆動する動弁装置33を備える。この動弁装置33は、本実施の形態ではDOHC(Double OverHead Camshaft)型式である。
この動弁装置33は、カムドライブスプロケット34を回転一体に備えた前述のクランクシャフト25と、シリンダヘッド20及びヘッドカバー19間に配設されると共に、吸気カム35が一体に形成され、吸気側カムドリブンスプロケット36を備える吸気側カムシャフト37と、シリンダヘッド20及びヘッドカバー19間に配設されると共に、排気カム38が一体に形成され、図示しない排気側カムドリブンスプロケットを回転一体に備えた排気側カムシャフト40と、カムドライブスプロケット34と吸気側カムドリブンスプロケット36及び排気側カムドリブンスプロケット(不図示)とに巻き回されて、クランクシャフト25の回転駆動力を吸気側カムシャフト37及び排気側カムシャフト40へ伝達し、これらのカムシャフト37及び40をクランクシャフト25に同期して回転させるカムチェーン41と、吸気側カムシャフト37と吸気側カムドリブンスプロケット36との間に配設されたカムシャフト位相可変装置42とを有して構成される。
吸気側カムシャフト37及び排気側カムシャフト40は、車両幅方向に延びると共に、それぞれが車両前後方向に離間して平行に配置される。これらの吸気側カムシャフト37及び排気側カムシャフト40は、シリンダヘッド20の図示しない軸受部と、この軸受部に取り付けられたカムハウジング43により回転自在に軸支される。また、シリンダヘッド20及びシリンダブロック21には、車両の進行方向へ向かって右側、即ちサイドスタンド18とは反対側の端部に、カムチェーン41を収容するカムチェーン室44が形成される。
カムチェーン41が巻き回される排気側カムドリブンスプロケット(不図示)が排気側カムシャフト40と回転一体に設けられることから、この排気側カムシャフト40の排気カム38は、クランクシャフト25により駆動されて、このクランクシャフト25と回転方向に同一の位相で回転駆動され、排気バルブ32を開閉駆動する。
また、吸気側カムシャフト37と吸気側カムドリブンスプロケット36との間に設けられた前記カムシャフト位相可変装置42は、クランクシャフト25に対する吸気側カムシャフト37の回転方向の位相を相対的に変化させるものである。従って、吸気側カムシャフト37の吸気カム35は、クランクシャフト25により駆動されて、このクランクシャフト25と回転方向に同一の位相または異なった位相で回転駆動され、吸気バルブ31を開閉駆動する。尚、カムチェーン41は、チェーンガイド(不図示)に案内されると共に、チェーンテンショナ(不図示)によりその緩みが抑制される。
さて、図3に示すカムシャフト位相可変装置42は、エンジン16の運転状態に応じて、吸気バルブ31と排気バルブ32の少なくとも一方(本実施の形態では吸気バルブ31)のバルブタイミングを制御して、吸気バルブ31の開時期と排気バルブ32の開時期とが重なるバルブオーバーラップを調整するものである。例えば、エンジン16の高回転時には、バルブオーバーラップを小さく設定して吸気の吹き抜けを防止し、トルク及び燃費を向上させると共に、排気中への有害物質の排出を抑制する。また、エンジン16の低回転時にはバルブオーバーラップを大きく設定して、吸気の慣性を利用して吸気効率を高め、エンジン16の出力を向上させる。
このカムシャフト位相可変装置42は、従動部材45、ガイド部材46、遠心ウェイト47、付勢部材48及び筒状部材49を有して構成され、これらの筒状部材49、付勢部材48、ガイド部材46、遠心ウェイト47、従動部材45が吸気側カムシャフト37の軸端側から順次配設される。
従動部材45は、図3及び図4に示すように、外周面に動力受部としての前記吸気側カムドリブンスプロケット36が形成され、カムチェーン41を介してクランクシャフト25の回転が伝達されて駆動され、このクランクシャフト25に対する回転方向の位相が一定(つまり同一)に設けられる。更にこの従動部材45は、吸気側カムシャフト37に対して回転方向に相対変位可能で、軸方向に相対変位不能に設けられる。
また、ガイド部材46は、図3及び図5に示すように、その内周全面に形成されたスプライン溝50Bが、吸気側カムシャフト37のスプラインキー50Aにスプライン結合され、これにより吸気側カムシャフト37と回転一体で軸方向にスライド自在に設けられる。スプラインキー50Aは、吸気側カムシャフト37の外周面にその軸方向に延在して形成される。更にこのガイド部材46は、従動部材45に対して回転方向及び軸方向に相対変位可能に設けられる。
遠心ウェイト47は、図3に示すように、従動部材45とガイド部材46のそれぞれのガイド溝51、52(後述)間に保持されて、従動部材45の回転をガイド部材46へ伝達する。また付勢部材48は、従動部材45とガイド部材46の少なくとも一方(本実施の形態ではガイド部材46)に、これらの従動部材45及びガイド部材46を互いに接近する方向に付勢する付勢力を与える。更に筒状部材49は、吸気側カムシャフト37の軸端に取り付けられて、保持部53及びストッパ部54を備える。
更に詳説すると、従動部材45は、図3及び図4に示すように、吸気側カムドリブンスプロケット36の内周側に周壁部55が形成され、この周壁部55の内壁面56にガイド部材46の外周面が軸方向に摺接可能に設けられる。また、この従動部材45には、周壁部55の内側部分でガイド部材46に対向する面に、放射状のガイド溝51が複数形成される。このガイド溝51は、遠心ウェイト47を案内するものであり、溝深さが一定に形成されると共に、従動部材45の径方向に対し周方向一方側に角度θ(図4(B))だけ傾斜して形成される。
ガイド部材46は、図3及び図5に示すように、従動部材45と対向する面に放射状のガイド溝52が複数形成される。このガイド溝52は、遠心ウェイト47を案内するものであり、ガイド部材46の径方向に沿って形成される。また、このガイド溝52には、ガイド部材46の径方向外方へ向かうに従って溝深さが浅くなる勾配が設けられると共に、この勾配は、ガイド部材46の径方向外方へ向かうに従って急峻になるように構成される。つまり、ガイド溝52の溝深さの勾配は、ガイド部材46の径方向内側が勾配αであり、外側が勾配β(β>α)に設定される。勾配αと勾配βは、ガイド溝52の底部のある一点(図5(B)の点X)付近を滑らかに変化するように構成されている。このガイド溝52の勾配α及びβによって、従動部材45のガイド溝51とガイド部材46のガイド溝52とは、径方向外側へ向かうに従って互いの溝底部が接近するように構成される。
具体的には、ガイド部材46のガイド溝52は、径方向内側の勾配αの平面が径方向外側の勾配βの平面に所要の曲率Rの曲面を介して滑らかに連続している。図5(C)に示すように、ある点Xを通る曲面が所要の曲率Rで形成される曲面形状となっており、この曲面の両側(径方向内側と径方向外側)が勾配αと勾配βの平面状に構成されている。
図3に示す遠心ウェイト47は、鋼やタングステンなどのように比重の大きな材料にて構成され、ボール形状に形成される。また、付勢部材48は、本実施の形態では皿ばねが用いられているが、波板ばね、渦巻ばね(竹の子ばね)等であってもよい。
筒状部材49は、ボルト57を用いて吸気側カムシャフト37の軸端に結合され、この吸気側カムシャフト37から離れる外方側にストッパ部54、保持部53が順次設けられる。保持部53は、付勢部材48の座面58を支持して、ガイド部材46との間で付勢部材48を保持する。これにより、付勢部材48の付勢力がガイド部材46に付与される。また、ストッパ部54は、スプラインキー50Aに沿って移動するガイド部材46を当接可能とする。このストッパ部54によってガイド部材46の摺動範囲が規定される。
このように構成されたカムシャフト位相可変装置42では、遠心ウェイト47に遠心力が作用して、この遠心ウェイト47が従動部材45、ガイド部材46のそれぞれのガイド溝51、52内を径方向外方へ移動する。これにより、ガイド部材46は、付勢部材48の付勢力に抗して、吸気側カムシャフト37の軸方向に沿って従動部材45から離反する方向に移動すると共に、従動部材45のガイド溝51の傾斜(角度θ)の作用で、従動部材45に対して回転方向に相対変位する。この結果、クランクシャフト25に対する吸気側カムシャフト37の回転方向の位相が相対的に変化して、吸気側カムシャフト37の吸気カム35による吸気バルブ31のバルブタイミングが変更される。
次に、作用を説明する。
図6に示すように、エンジン16が低回転域にあるときには、遠心ウェイト47に作用する遠心力が小さく、この遠心ウェイト47はガイド部材46のガイド溝52の勾配αと付勢部材48の付勢力との作用で、ガイド溝51及び52の径方向内側端の初期位置に留まる。このため、吸気側カムシャフト37は、吸気側カムドリブンスプロケット36つまりクランクシャフト25と回転方向の位相が同一となり、この吸気側カムシャフト37に一体に形成された吸気カム35は、組み付け時の位相で吸気バルブ31を駆動する。これにより、吸気バルブ31と排気バルブ32は、バルブオーバーラップの大きな低中速用バルブタイミングとなり、中速トルクが向上する。
図7に示すように、エンジン16が高回転域に至ると、遠心ウェイト47に作用する遠心力が大きくなり、この遠心ウェイト47は従動部材45のガイド溝51とガイド部材46のガイド溝52内を径方向外方へ向かって移動する。これにより、ガイド部材46は、ガイド溝52の勾配α及びβの作用で、付勢部材48の付勢力に抗して、吸気側カムシャフト37の軸方向外方側(矢印A方向)へ移動する。このとき、従動部材45のガイド溝51には径方向に対して周方向一方側に角度θ(図4)の傾斜が設けられているので、ガイド部材46は、ガイド溝51の傾斜方向(図7(B)及び(C)の矢印B方向)に従動部材45に対して上記角度θだけ相対回転する。なお、図7(B)及び(C)の矢印B方向の反対方向が、吸気側カムシャフト37の回転方向Rである。
これにより、吸気側カムシャフト37は、ガイド部材46とのスプライン結合(スプラインキー50A、スプライン溝50B)の作用で、クランクシャフト25に対して回転方向の位相が変化する。このときの吸気側カムシャフト37の位相の変化は、吸気側カムシャフト37の回転方向Rの反対方向(遅角側)である。従って、この吸気側カムシャフト37に一体に形成された吸気カム35は、組み付け時の位相よりも遅角側へ変化した位相で吸気バルブ31を駆動する。この結果、吸気バルブ31と排気バルブ32は、バルブオーバーラップが小さな高速用バルブタイミングとなり、エンジン16の出力及び燃費が向上し、有害物質の排出が抑制される。
エンジン16の回転数が低下すると、遠心ウェイト47に作用する遠心力が小さくなるため、遠心力によってガイド部材46を矢印A方向に移動させる力よりも付勢部材48による付勢力の方が勝り、付勢部材48の付勢力の作用でガイド部材46が従動部材45側へ移動し、遠心ウェイト47がガイド溝51及び52の径方向内側へ移動して、ガイド部材46及び遠心ウェイト47は、やがて図6に示す原位置に復帰する。遠心ウェイト47の原位置への復帰に伴い、ガイド部材46は、従動部材45に対して進角側(図7(B)及び(C)の矢印B方向の反対方向)に相対回転し、スプライン結合の作用で、吸気側カムシャフト37はクランクシャフト25に対して進角側へ位相を変化させる。この結果、吸気バルブ31と排気バルブ32は、バルブオーバーラップが大きな低中速用バルブタイミングとなり、前述のごとく中速トルクが向上する。
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、次の効果(1)〜(13)を奏する。
(1)カムシャフト位相可変装置42は、遠心ウェイト47が遠心力の作用で付勢部材48の付勢力に抗して移動することで、ガイド部材46が従動部材45に対して回転方向に変位して、クランクシャフト25に対する吸気側カムシャフト37の回転方向の位相を相対的に変化させる。このため、簡単な構造で確実に吸気バルブ31のバルブタイミングを変更でき、バルブタイミングの変更に関し動作特性が安定化して信頼性が向上すると共に、応答性も向上する。
(2)ガイド部材46を従動部材45に対して相対回転させることで、クランクシャフト25に対する吸気側カムシャフト37の回転方向の位相を相対的に変化させる構造であり、吸気側カムシャフト37を軸方向にスライドさせる構造ではないので、シリンダヘッド20周りを含めた動弁装置33ひいてはエンジン16の小型化を実現できる。
(3)作動油を一切用いない機械式のカムシャフト位相可変装置42であるため、吸気側カムシャフト37に油室や油路を形成するスペースが不要となり、この吸気側カムシャフト37の大型化に伴う動弁装置33ひいてはエンジン16の大型化を回避できる。更に、油路形成などの機械加工を省略できるので、製造コストの上昇を回避できる。
(4)クランクシャフト25の動力が直接伝達される従動部材45が吸気側カムシャフト37の軸方向に移動せず、クランクシャフト25の動力が直接伝達されないガイド部材46が吸気側カムシャフト37の軸方向に移動して、吸気バルブ31のバルブタイミングを変更する。吸気バルブ31のバルブタイミングを変更するために上記従動部材45を吸気側カムシャフト37の軸方向に移動させると、この従動部材45においてクランクシャフト25の動力が直接伝達される箇所に傾きが生じて、メカニカルロスが大きく発生してしまう。これに対し、本実施の形態では、クランクシャフト25の動力が直接伝達されないガイド部材46が吸気側カムシャフト37の軸方向に移動することに加え、このガイド部材46の内周全面が吸気側カムシャフト37とスプライン結合(スプラインキー50A、スプライン溝50B)されることから、カムシャフト位相可変装置42の作動時(バルブタイミング変更時)に上述の傾きが生じ難くなってメカニカルロスを低減でき、この結果、カムシャフト位相可変装置42の作動性が向上して、高精度な制御を実現できる。
(5)カムシャフト位相可変装置42の従動部材45が吸気側カムシャフト37の軸方向に移動しない構成であることから、クランクシャフト25の動力を吸気側カムシャフト37及び排気側カムシャフト40へ伝達する方式として、クランクシャフト25に設けられたカムドライブスプロケット34と、吸気側カムシャフト37に設けられた吸気側カムドリブンスプロケット36と、排気側カムシャフト40に設けられた排気側カムドリブンスプロケット(不図示)とにカムチェーン41を巻き回して動力を伝達するカムチェーン方式を採用できる。このため、動力伝達方式としてギアトレイン方式を用いる場合に比べ、カムシャフト位相可変装置42の軽量化を達成できる共に、メカニカルロスの低減も実現できる。
(6)カムシャフト位相可変装置42では、吸気側カムシャフト37の軸端側から付勢部材48、ガイド部材46、遠心ウェイト47及び従動部材45が順次配設されている。このうちの従動部材45にカムチェーン41を介してクランクシャフト25の動力が伝達されるが、この従動部材45が吸気側カムシャフト37の軸方向内方側に配置されることで、従動部材45の吸気側カムドリブンスプロケット36及びカムチェーン41等を含む動力伝達系をエンジン16の中心に寄せて配設できる。このため、上記動力伝達系がエンジン16の外方へ膨出することを防止でき、エンジン16の小型化を実現できると共に、このエンジン16の重量をエンジン16の中心側に集中させることができる。
(7)従動部材45、ガイド部材46のそれぞれに放射状に形成されたガイド溝51、52は、径方向外方へ向かうに従って互いのガイド溝底部が近づくように形成されると共に、ガイド部材46のガイド溝52が径方向に形成され、従動部材45のガイド溝51が径方向に対して周方向一方側に傾斜(角度θ)して形成されている。そして、これらのガイド溝51、52間に保持される遠心ウェイト47が遠心力の作用で移動することで、ガイド部材46の相対回転を介して、吸気側カムシャフト37の回転方向の位相をクランクシャフト25に対して相対的に変化させている。
このため、吸気側カムシャフト37の回転方向の位相をクランクシャフト25に対して相対的に変化させるために、ガイド部材46と吸気側カムシャフト37との係合部に送りねじ機構(後述)を設ける場合に比べて構造を簡素化でき、従って、信頼性及び耐久性を向上させることができる。
(8)従動部材45の外周に動力受部として吸気側カムドリブンスプロケット36が形成されたので、この吸気側カムドリブンスプロケット36の内周側に、遠心ウェイト47の最大位置を位置決めするための周壁部55を形成できる。仮に、ガイド部材46に周壁部を形成すると、遠心ウェイト47のストロークを確保する必要上、ガイド部材46自体が径方向に大型化する。更に、このガイド部材46には従動部材45が外嵌されるため、従動部材45の外形寸法が大きくなり、カムシャフト位相可変装置42が大型化してしまう。これに対し、従動部材45に周壁部55を形成することで、ガイド部材46側に周壁部を形成する場合に比べて従動部材45の外形寸法を抑制でき、カムシャフト位相可変装置42を小型化できる。
(9)従動部材45の周壁部55の内壁面56に沿ってガイド部材46が摺動するので、この従動部材45のガイド溝51とガイド部材46のガイド溝52との間に異物の侵入を防止でき、遠心ウェイト47の摺動抵抗の増大を回避できる。その結果、吸気バルブ31のバルブタイミング切替特性の変化や、カムシャフト位相可変装置42の性能劣化を未然に防止できる。
(10)従動部材45には、遠心ウェイト47の受部となる周壁部55が形成されており、この周壁部55の軸方向寸法は、遠心ウェイト47の径よりも長尺に形成する必要がある。従って、仮に従動部材45のガイド溝51に勾配α、βを設けると、その分だけ従動部材45の軸方向寸法が増大することになり、カムシャフト位相可変装置42が大型化してしまう。これに対し、ガイド部材46のガイド溝52に勾配α、βが設けられたことで、従動部材45の軸方向寸法の増大を防止でき、カムシャフト位相可変装置42を小型化できる。
(11)エンジン16の高回転時における吸気バルブ31のバルブタイミングは、吸気側カムシャフト37(つまり吸気カム35)の位相をエンジン16の低回転時に比べて遅角側へ変化させて得られる。従って、エンジン高回転時のバルブタイミングからエンジン低回転時のバルブタイミングへ復帰させる際には吸気側カムシャフト37を進角側へ位相変化させることとなり、吸気側カムシャフト37を回転方向の慣性力に抗して増速させる必要がある。このためには、遠心ウェイト47をガイド溝51及び52内で従動部材45及びガイド部材46の径方向内側へ速く押し戻さなければならない。
本実施の形態のごとく、ガイド部材46のガイド溝52の溝底部の勾配が、ガイド部材46の径方向外側へ向かうに従って急峻になるように構成されたので(勾配α<勾配β)、遠心ウェイト47の上述の戻りを速くすることができる。また、付勢部材48の付勢力が作用するガイド部材46に、径方向外方へ向かって溝深さが浅くなる勾配を有するガイド溝52が形成されているので、付勢部材48の付勢力が強く作用して遠心ウェイト47の上述の戻りを更に速くすることができる。
(12)吸気側カムシャフト37の一端部に筒状部材49がボルト57にて結合され、この筒状部材49の保持部53とガイド部材46との間に付勢部材48が介在されたので、ヘッドカバー19を取り外し、筒状部材49を取り外すだけで付勢部材48を交換できる。この結果、イニシャル荷重の異なる付勢部材48に交換することで、吸気バルブ31のバルブタイミング切替特性を容易に変更できる。
(13)筒状部材49に形成されたストッパ部54によりガイド部材46の摺動範囲が規定されるので、遠心ウェイト47が、従動部材45のガイド溝51とガイド部材46のガイド溝52との間でガタツクことを防止できる。更に、遠心ウェイト47がガイド溝51やガイド溝52から飛び出して、従動部材45とガイド部材46との間に噛み込まれることを防止でき、これにより、カムシャフト位相可変装置42のロック(動作不良)を回避できる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、従動部材45のガイド溝51が、径方向に対して周方向一方側に角度θで傾斜して形成されず、径方向に平行に形成され、且つガイド部材46の内周面と吸気側カムシャフト37とがスプライン結合されず、これらの両者間に送りねじ機構が設けられた構成でもよい。この場合、従動部材45の周壁部55の内壁面56とガイド部材46の外周面との間にセレーションなどが設けられて、従動部材45とガイド部材46とが相対回転不能に構成される。従って、この構成によれば、遠心ウェイト47が遠心力の作用でガイド溝51、52間を径方向外方へ移動すると、ガイド部材46が付勢力48の付勢力に抗して吸気側カムシャフト37の軸方向に移動し、このとき送りねじ機構の作用で、吸気側カムシャフト37が従動部材45及びガイド部材46に対して相対回転する。これにより、クランクシャフト25に対する吸気側カムシャフト37の回転方向の位相が相対的に変化して、吸気バルブ31のバルブタイミングが変更されるようにしてもよい。
また、従動部材45のガイド溝51に、溝深さの勾配α及びβを設け、ガイド部材46のガイド溝52を角度θだけ傾斜して形成してもよい。または、ガイド溝51とガイド溝52のいずれか一方に、溝深さの勾配α及びβを設け、且つ角度θの傾斜を設けてもよい。更に、従動部材45に形成された動力受部はスプロケットに限らず、ベルトプーリまたはギアであってもよい。
更に、上述の実施の形態では、吸気側カムシャフト37にカムシャフト位相可変装置42が設置されて、エンジン高回転時に吸気側カムシャフト37の回転方向の位相をクランクシャフト25に対し遅角側に変化させ、吸気バルブ31と排気バルブ32とのバルブタイミングを、バルブオーバーラップの小さな高速用バルブタイミングに変更するものを述べた。これに対し、排気側カムシャフト40に、カムシャフト位相可変装置42と同様なカムシャフト位相可変装置を設置し、エンジン高回転時に排気側カムシャフト40の回転方向の位相をクランクシャフト25に対し進角側に変化させて、吸気バルブ31と排気バルブ32のバルブタイミングを、バルブオーバーラップの小さな高速用バルブタイミングに変更するように構成してもよい。また、これらの吸気側カムシャフト37と排気側カムシャフト40の両者にカムシャフト位相可変装置を設置して、エンジン高回転時に吸気バルブ31と排気バルブ32のバルブタイミングを、バルブオーバーラップの小さな高速用バルブタイミングに変更するように構成してもよい。
16 エンジン
25 クランクシャフト
31 吸気バルブ
32 排気バルブ
33 動弁装置
35 吸気カム
36 吸気側カムドリブンスプロケット
37 吸気側カムシャフト
40 排気側カムシャフト
41 カムチェーン
42 カムシャフト位相可変装置
45 従動部材
46 ガイド部材
47 遠心ウェイト
48 付勢部材
49 筒状部材
50A スプラインキー
50B スプライン溝
51、52 ガイド溝
53 保持部
55 周壁部
56 内壁面

Claims (9)

  1. クランクシャフトと、
    このクランクシャフトに同期して回転し、エンジンのバルブを開閉させるカムシャフトと、
    前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるカムシャフト位相可変装置とを有するエンジンの動弁装置であって、
    前記カムシャフト位相可変装置は、
    前記クランクシャフトの回転が伝達され、前記カムシャフトに対して回転方向に相対変位可能で軸方向に相対変位不能な従動部材と、
    前記カムシャフトと回転一体に設けられ、前記従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位可能なガイド部材と、
    前記従動部材とガイド部材間に配設された遠心ウェイトと、
    前記従動部材及びガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを有し、
    前記ガイド部材は、前記遠心ウェイトが遠心力の作用で前記付勢部材の付勢力に抗して移動することで、前記従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位し、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするエンジンの動弁装置。
  2. 前記従動部材及びガイド部材は、相互に対向する面に放射状のガイド溝をそれぞれ備え、
    これらのガイド溝は、径方向外方に向かうに従って互いのガイド溝の底部が近づくように形成されると共に、一方の前記ガイド溝が径方向に形成され、他方の前記ガイド溝が径方向に対して周方向一方側に傾斜して形成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  3. 前記従動部材は、その外周面に形成された動力受部と、この動力受部の内周側に形成された周壁部とを備え、この周壁部の壁面に沿ってガイド部材の外周面が摺接可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  4. 前記従動部材のガイド溝は一定の溝深さに形成されると共に、前記ガイド部材のガイド溝は、径方向外方へ向かうに従って溝深さが浅くなる勾配を有して形成されたことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの動弁装置。
  5. 前記ガイド部材のガイド溝は、径方向外方に向かうに従って溝底部の勾配が急峻になるように構成されたことを特徴とする請求項4に記載のエンジンの動弁装置。
  6. 前記従動部材の動力受部は、その外周部にカムチェーンが巻き回されるカムドリブンスプロケットであることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの動弁装置。
  7. 前記カムシャフト位相可変装置は、カムシャフトの軸端から付勢部材、ガイド部材、遠心ウェイト及び従動部材が順次配設されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  8. 前記カムシャフト位相可変装置は、カムシャフトの軸端に取り付けられる筒状部材を備え、この筒状部材には、ガイド部材との間で付勢部材を保持する保持部が設けられたことを特徴とする請求項7に記載のエンジンの動弁装置。
  9. クランクシャフトと、
    このクランクシャフトにより駆動されてエンジンのバルブを開閉するカムを備えたカムシャフトと、
    このカムシャフトに設けられ、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるカムシャフト位相可変装置とを有するエンジンの動弁装置において、
    前記カムシャフト位相可変装置は、
    前記クランクシャフトにより駆動されて、このクランクシャフトに対する回転方向の位相が一定に設けられた従動部材と、
    前記カムシャフトと一体に回転すると共に、前記従動部材に対して相対回転可能に設けられたガイド部材と、
    前記従動部材及びガイド部材の相互に対向する面にそれぞれ形成された放射状のガイド溝間に保持されて、前記従動部材の回転を前記ガイド部材へ伝達する遠心ウェイトと、
    前記従動部材とガイド部材の少なくとも一方に、これらの従動部材及びガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢力を与える付勢部材とを有し、
    前記従動部材とガイド部材のガイド溝は、径方向外方に向かうに従って互いのガイド溝の底部が近づくように形成されると共に、少なくとも一方のガイド溝が径方向に対して周方向一方側に傾斜して形成され、
    前記遠心ウェイトに遠心力が作用してこの遠心ウェイトが前記ガイド溝内を径方向外方へ移動することにより、前記ガイド部材が、前記付勢部材の付勢力に抗して軸方向に移動すると共に前記従動部材に対して回転方向に相対変位して、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするエンジンの動弁装置。
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