JP5353465B2 - エンジンの動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるカムシャフト位相可変装置を備えて、吸気バルブ、排気バルブのバルブタイミングを変更可能なエンジンの動弁装置に関する。
一般に、エンジンには吸、排気バルブを、クランクシャフトの回転と同期したタイミング(即ち、クランクシャフトと回転方向の位相が同一のタイミング)で開閉させる動弁装置が設置されている。しかしながら、このような動弁装置を備えたエンジンでは、吸気バルブ及び排気バルブの最適なバルブタイミングが、エンジンの運転状態(例えばエンジン回転数やエンジン負荷)などによって変化することが知られている。そこで、近年、エンジンの運転状態などに応じて吸気バルブ、排気バルブのバルブタイミングを変化させるバルブタイミング可変装置を備えた動弁装置を有するエンジンが提案されている。
上述のバルブタイミング可変装置は、そのほとんどが高圧の作動油を用いるものであり、例えば特許文献1に記載のように、カムシャフトに油路が形成されている。この特許文献1の可変バルブタイミング制御装置では、作動油圧を制御する油圧制御弁を廃止し、カムシャフトに配置されたシャッタバルブを、当該カムシャフトの回転時に生ずる遠心力の作用で作動させて上記油路を開閉し、カムシャフトのクランクシャフトに対する回転方向の位相を変化させて、吸気バルブのバルブタイミングを変更している。
また、機械式のバルブタイミング可変装置も提案されている。このような機械式のバルブタイミング可変装置は、油圧式の場合よりも応答性が優れ、また、オイルポンプが不要なためメカニカルロスを低減でき、更に、作動油の温度が変化して粘度が変化することによる動作特性の不安定を解消できる等の利点がある。
例えば、特許文献2のバルブタイミング可変制御装置では、カムシャフトが高回転すると端部が拡開するウェイト部を設け、このウェイト部の拡開端部の反対側に爪部を設け、この爪部がカムシャフトの凹部に係止することで、このカムシャフトを軸方向にスライドさせる。カムシャフトには軸方向に2つのカムプロフィールが設けられているので、これらのカムプロフィールが選択されることで吸気バルブ、排気バルブのバルブタイミングが変更される。
また、特許文献3のバルブタイミング制御装置では、カムシャフトが高回転するときに低速用カムシャフトに作用する遠心力によって低速用ウェイトが開いて低速ロックピンが引き抜かれ、ドリブンスプロケット(クランクシャフト)に対してカムシャフトが相対回転した後、高速用ウェイトが開いて高速ロックピンがカムシャフトに挿入され、当該カムシャフトが高速用位相に変更され、これにより吸気バルブのバルブタイミングが変更される。
特開平6−185316号公報 実開昭62−156108号公報 特開2006−170117号公報
ところが、特許文献1を含めた油圧式のバルブタイミング可変装置では、作動油の温度による粘度変化によって動作特性が不安定になり、また、オイルポンプの駆動により油圧を生じさせて動作させるため応答性が低く、更に、カムシャフトに油路が形成されるためカムシャフトが大型化したり、高精度な油路が必要となることから製造コストが上昇してしまう。
また、特許文献2のバルブタイミング可変制御装置では、カムシャフトが軸方向にスライドする方式であるため、このカムシャフトを収容するシリンダヘッド周りの寸法が大きくなり、エンジンの小型化の妨げとなる。
更に、特許文献3のバルブタイミング制御装置では、バルブスプリングの付勢力が吸気カムに作用することで、カムシャフトがドリブンスプロケット(クランクシャフト)に対して相対回転する構成であり、ドリブンスプロケットに対するカムシャフトの相対回転の禁止/許容を切り替えるだけであって、これらに積極的に相対回転を生じさせるものではない。従って、バルブタイミングが能動的に変更されるものではないので、バルブタイミングの切り替えに際し応答遅れが生じやすい。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、エンジンの低回転、中回転、高回転に応じた最適なバルブタイミングに切り替えて、バルブオーバーラップを適切に調整できるエンジンの動弁装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、バルブタイミングの切り替えに関し動作特性が安定化し、且つ応答性が良好であると共に、装置の大型化及び製造コストの上昇を回避できるエンジンの動弁装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、カムシャフト位相可変装置の作動時(バルブタイミング切替時)における摺動抵抗等のメカニカルロスを低減して、同装置の作動性を向上させることができるエンジンの動弁装置を提供することにある。
本発明は、クランクシャフトと、このクランクシャフトにより回転駆動され、エンジンのバルブを開閉させるカムシャフトと、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるカムシャフト位相可変装置とを有するエンジンの動弁装置であって、前記カムシャフト位相可変装置は、前記クランクシャフトの回転が伝達され、前記カムシャフトに対して回転方向に相対変位可能で軸方向に相対変位不能な第1従動部材と、前記第1従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位可能な第2従動部材と、前記カムシャフトと回転一体に設けられ、前記第2従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位可能なガイド部材と、前記第1従動部材と前記第2従動部材の間に配設された第1遠心ウェイトと、前記第2従動部材と前記ガイド部材の間に配設された第2遠心ウェイトと、前記第1従動部材、前記第2従動部材及び前記ガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを有し、前記第2従動部材と前記ガイド部材のぞれぞれは、前記第1遠心ウェイト、前記第2遠心ウェイトにそれぞれ作用する遠心力により前記付勢部材の付勢力に抗して移動することで、前記第1従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位し、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、エンジンが低回転域から中回転域へ移行する過程で、第2遠心ウェイトが遠心力の作用で付勢部材の付勢力に抗して移動して、ガイド部材が第2従動部材及び第1従動部材に対して回転方向に相対変位し、また、エンジンが中回転域から高回転域へ移行する過程で、第1遠心ウェイトが遠心力の作用で付勢部材の付勢力に抗して移動して、第2従動部材が第1従動部材に対して回転方向に相対変位し、いずれの場合もクランクシャフトに対するカムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させる。この結果、エンジンの低回転、中回転、高回転に応じた最適なバルブタイミングに切り替えることができ、バルブオーバーラップを適切に調整できる。
また、このように第1または第2遠心ウェイトが遠心力の作用で付勢部材の付勢力に抗して移動することで、第2従動部材またはガイド部材が第1従動部材に対して回転方向に相対変位して、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるため、簡単な構造で確実にバルブタイミングを変更できる。この結果、バルブタイミングの変更に関し動作特性が安定化して信頼性が向上すると共に、応答性も向上する。また、第2従動部材とガイド部材を第1従動部材に対して相対回転させることで、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させる構造であり、カムシャフトを軸方向にスライドさせる構造ではないので、シリンダヘッド周りを含めた装置の小型化を実現できる。更に、作動油を一切用いない機械式のカムシャフト位相可変装置であるため、カムシャフトに油室や油路を形成するスペースが不要となり、カムシャフトの大型化に伴う装置の大型化を回避できると共に、油路形成などの機械加工を省略できるので製造コストの上昇を回避できる。
また、クランクシャフトの動力が伝達される第1従動部材がカムシャフトの軸方向に移動せず、クランクシャフトの動力が直接伝達されない第2従動部材、ガイド部材がカムシャフトの軸方向に移動してバルブタイミングを変更するので、カムシャフト位相可変装置の作動時に摺動抵抗等のメカニカルロスを低減でき、この結果、カムシャフト位相可変装置の作動性が向上して、高精度な制御を実現できる。
本発明に係るエンジンの動弁装置における一実施の形態が適用されたエンジンを搭載する自動二輪車を示す右側面図。 図1のエンジンの上部を示す部分右側面図。 図2のIII−III線に沿う断面図。 図3におけるカムシャフト位相可変装置を示す図3の部分拡大側断面図。 図4の第1従動部材を示し、(A)が側断面図、(B)が図5(A)のVB矢視図、(C)が図5(B)のガイド溝の拡大図。 図4の第2従動部材を示し、(A)が側断面図、(B)が図6(A)のVIB矢視図、(C)が図6(A)のVIC矢視図。 図6(A)のガイド溝を示す部分拡大断面図。 図4のガイド部材を示し、(A)が側断面図、(B)が図8(A)のVIIIB矢視図、(C)が図8(B)のガイド溝の拡大図。 図4のカムシャフト位相可変装置におけるエンジン低回転、中回転、高回転の各状態を示す側断面図。 エンジン低回転時における第1及び第2遠心ウェイトの位置を示す説明図。 エンジン中回転時における第1及び第2遠心ウェイトの位置を示す説明図。 エンジン高回転時における第1及び第2遠心ウェイトの位置を示す説明図。 本発明に係るエンジンの動弁装置における他の実施の形態のカムシャフト位相可変装置を示す図4に対応する側断面図。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
図1に示す自動二輪車1は、メインフレーム2とリヤフレーム3からなる車体フレーム4の前頭部に、前輪5を支持するフロントフォーク6が、ハンドルバー7やヘッドランプ(不図示)、フロントフェンダー9等と共に左右回動自在に軸支され、メインフレーム2の後下部に架設されたピボット軸11に、後輪12を支持するスイングアーム13が上下回動自在に軸支されている。フロントフォーク6の上部及びヘッドランプの前方にフロントカバー8が設けられている。
また、メインフレーム2に懸架されるようにしてエンジン10が搭載され、このエンジン10の上方に燃料タンク14が配置され、リヤフレーム3上にライダーシート15とピリオンシート16が載置され、これらのシート15、16の下方かつエンジン15の後方にサイドカバー17が設けられている。
エンジン10は、図2の示すように、クランクケース18に前後二つのシリンダ部19F、19Rが設置された4サイクルV型2気筒エンジンである。このエンジン10の動力は、クランクケース18に配置されたクランクシャフト21から、トランスミッション及びドライブチェーン(共に図示せず)を介して後輪12へ伝達される。
各シリンダ部19F、19Rは、図示しないピストンを収容するシリンダ22と、吸気バルブ及び排気バルブ(共に図示せず)を収容するシリンダヘッド23と、シリンダヘッド23の上部開口を覆うヘッドカバー24とが順次連設されて構成される。また、このエンジン10は、吸気バルブ及び排気バルブを駆動する動弁機構20を備える。この動弁装置20は、本実施の形態ではDOHC(Double Overhead Camshaft)型式である。
この動弁装置20は、クランクケース18に配設されて、シャフトドライブギア25を回転一体に備えたクランクシャフト21と、クランクケース18に配設されて、回転一体のシャフトドリブンギア26及びカムドライブスプロケット27を備えたカムドライブシャフト28と、シリンダヘッド23に配設されて、回転一体のアイドルドリブンスプロケット29及びアイドルドライブギア30を備えたアイドルシャフト31と、シリンダヘッド23及びヘッドカバー24間に配設されると共に、吸気カム32が一体に形成され、吸気側カムドリブンギア33を備える吸気側カムシャフト34と、シリンダヘッド23とヘッドカバー24間に配設されると共に、排気カム35が一体に形成され、排気側カムドリブンギア36を回転一体に備えた排気側カムシャフト37と、吸気側カムシャフト34と吸気側カムドリブンギア33との間に配設されたカムシャフト位相可変装置40(図3)と、を有して構成される。
図2に示すように、シャフトドライブギア25がシャフトドリブンギア26に噛み合って、クランクシャフト21の駆動力が、これらのシャフトドライブギア25及びシャフトドリブンギア26を介してカムドライブスプロケット27に伝達される。このカムドライブスプロケット27とアイドルドリブンスプロケット29間にカムチェーン38が巻き掛けられて、クランクシャフト21の駆動力が、これらのカムドライブスプロケット27、カムチェーン38及びアイドルドリブンスプロケット29を経てアイドルドライブギア30へ伝達される。このアイドルドライブギア30と吸気側カムドリブンギア33及び排気側カムドリブンギア36とが噛み合い、これらの吸気側カムドリブンギア33及び排気側カムドリブンギア36は、クランクシャフト21と回転方向に同一の位相で回転する。このうち、排気側カムドリブンギア36が排気側カムシャフト37と回転一体であることから、排気側カムシャフト37の排気カム35は、クランクシャフト21により駆動されて、このクランクシャフト21と回転方向に同一の位相で回転駆動され、排気バルブを開閉駆動する。
また、吸気側カムシャフト34と吸気側カムドリブンギア33との間に設けられた前記カムシャフト位相可変装置40は、クランクシャフト21に対する吸気側カムシャフト34の回転方向の位相を変化させるものである。従って、吸気側カムシャフト34の吸気カム32は、クランクシャフト21により駆動されて、このクランクシャフト21と回転方向に同一の位相または異なった位相で回転駆動され、吸気バルブを開閉駆動する。尚、カムチェーン38は、チェーンガイド39に案内されると共に、チェーンテンショナ39Aによりその緩みが抑制される。
さて、図3及び図4に示すカムシャフト位相可変装置40は、エンジン10の運転状態に応じて、吸気バルブと排気バルブの少なくとも一方(本実施の形態では吸気バルブ)のバルブタイミングを制御して、吸気バルブの開時期と排気バルブの開時期とが重なるバルブオーバーラップを調整するものである。例えば、エンジン10の低回転時または高回転時には、バルブオーバーラップを小さく設定して吸気の吹き抜けを防止し、更に排気特性を良好にして、エンジン10の燃費及び出力を向上させると共に、排気中への有害物質の排出を抑制する。また、エンジン10の中回転時にはバルブオーバーラップを大きく設定して、吸気の慣性を利用して吸気効率及び排気効率を高め、エンジン10のトルク及び出力を向上させる。
このカムシャフト位相可変装置40は、第1従動部材41、第2従動部材42、ガイド部材43、第1遠心ウェイト44、第2遠心ウェイト45、付勢部材46及び筒状部材47を有して構成され、これらの筒状部材47、付勢部材46、ガイド部材43、第2遠心ウェイト45、第2従動部材42、第1遠心ウェイト44、第1従動部材41が吸気側カムシャフト34の軸端側からエンジン10の内側に順次配設される。
第1従動部材41は、図4及び図5に示すように、外周面に動力受部としての前記吸気側カムドリブンギア33が形成され、前述の如く、アイドルドライブギア30及びカムチェーン38等を介してクランクシャフト21の回転が伝達されて駆動され、このクランクシャフト21に対する回転方向の位相が一定(つまり同一)に設けられる。この第1従動部材41には、吸気側カムドリブンギア33の内側に周壁部57が、この周壁部57の内側に内筒部48が、共に軸方向に延在して形成される。
この内筒部48が吸気側カムシャフト34に回転自在に嵌合されて、第1従動部材41は、吸気側カムシャフト34に対し回転方向に相対変位可能に設けられる。また、内筒部48が、吸気側カムシャフト34に回転一体に設けられたスプラインシャフト49(後述)により位置決めされることで、第1従動部材41は、吸気側カムシャフト34に対して軸方向に相対変位不能に設けられる。
第2従動部材42は、図4及び図6に示すように、内側から外側へ向かって内周部58、段部59及び周壁部60を有して構成される。内周部58が第1従動部材41の内筒部48に回転自在に嵌合され、段部59が第1従動部材41の周壁部57における内壁面61に摺接することで、第2従動部材42は第1従動部材41に対し、回転方向に相対変位可能(つまり相対回転可能)で、且つ軸方向に相対変位可能に設けられる。
ガイド部材43は、図4及び図8に示すように、その内周全面に形成されたスプライン溝50Bが、前記スプラインシャフト49のスプラインキ−50Aにスプライン結合され、これにより、スプラインシャフト49を介して吸気側カムシャフト34に回転一体に設けられる。更に、ガイド部材43は、外周面が第2従動部材42の周壁部60における内壁面62に摺接することで、第2従動部材42に対して回転方向に相対変位可能(つまり相対回転可能)で、且つ軸方向に相対変位可能に設けられる。
第1遠心ウェイト44は、図4に示すように、第1従動部材41と第2従動部材42の相互に対向する面にそれぞれ形成されたガイド溝51、ガイド溝52(共に後述)間に保持されて、第1従動部材41の回転を第2従動部材42へ伝達する。また、第2遠心ウェイト45は、第2従動部材42とガイド部材43の相互に対向する面にそれぞれ形成されたガイド溝53、ガイド溝54(共に後述)間に保持されて、第2従動部材42の回転をガイド部材43へ伝達する。
これらの第1遠心ウェイト44及び第2遠心ウェイト45は、鋼やタングステンなどのように比重の大きな材料にて構成され、ボール形状に形成される。尚、本実施の形態では、第1遠心ウェイト44と第2遠心ウェイト45は同一材料にて同一直径に形成されて、同一重量に構成される。
付勢部材46は、吸気側カムシャフト34の軸方向において、第1従動部材41、第2従動部材42及びガイド部材43を互いに接近する方向に付勢する付勢力をガイド部材43に付与する。この付勢部材46は、例えば皿ばね63及び64がばね保持部材65により直列に保持されて構成されるが、波板ばね、渦巻ばね(竹の子ばね)などであってもよい。
筒状部材47は、取付ボルト66を用いて吸気側カムシャフト34の端部に結合されると共に、この吸気側カムシャフト34とにより前記スプラインシャフト49を、吸気側カムシャフト34と回転一体に挟持する。このスプラインシャフト49には、外周全面にスプラインキー50Aが軸方向、つまり吸気側カムシャフト34の軸方向に延在して形成される。このスプラインキー50Aとガイド部材43のスプライン溝50Bとがスプライン結合されることで、ガイド部材43の回転がスプラインシャフト49を介して吸気側カムシャフト34へ伝達される。更にスプラインシャフト49には、第2従動部材42側の端部に、この第2従動部材42の軸方向変位を規制するストッパ面67が形成される。このストッパ面67により、第2従動部材42の摺動範囲が規定される。
筒状部材47には、吸気側カムシャフト34の端部から離れる外方側にストッパ部68、保持部69が順次一体に設けられる。保持部69は、皿ばね64を支持して、皿ばね63を支持するガイド部材43との間で付勢部材46を保持する。これにより、付勢部材46の付勢力がガイド部材43へ付与される。また、ストッパ部68は、スプラインシャフト49のガイドキー50Aに沿って移動するガイド部材43を当接可能とする。このストッパ部68によって、ガイド部材43の摺動範囲が規定される。
次に、前記ガイド溝51、52、53及び54について詳説する。
ガイド溝51は、図4及び図5に示すように、第1従動部材41において、内筒部48と周壁部57との間の領域で、且つ第2従動部材42に対向する面に放射状に形成される。このガイド溝51は、第1遠心ウェイト44を案内するものであり、深さが一定に形成されると共に、第1従動部材41の径方向に対して周方向一方側に角度θ(図5(C))だけ傾斜して形成される。この傾斜方向は、後述の如く、吸気側カムシャフト34の回転方向の位相を遅角側に変化させることに寄与する。
図4、図6及び図7に示すように、第2従動部材42において、ガイド溝52は第1従動部材41と対向する面に、ガイド溝53はガイド部材43と対向する面に、それぞれ放射状に複数形成される。
ガイド溝52は、第1従動部材41のガイド溝51と共に第1遠心ウェイト44を案内するものであり、第2従動部材42の径方向に沿って形成される。また、このガイド溝52には、第2従動部材42の径方向へ向かうに従って溝深さが浅くなる勾配が設けられると共に、この勾配は、第2従動部材42の径方向外方へ向かうに従って急峻になるように構成される。つまり、ガイド溝52の溝深さの勾配は、第2従動部材42の径方向内側が勾配βであり、外側が勾配α(α>β)に設定される。このガイド溝52の勾配α及びβによって、第1従動部材41のガイド溝51と第2従動部材42のガイド溝52とは、径方向外方へ向かうに従って互いの溝底部が接近するよう構成される。
ガイド溝53は、第2遠心ウェイト45を案内するものであり、第2従動部材42の径方向に沿って形成される。また、このガイド溝53には、第2従動部材42の径方向へ向かうに従って溝深さが浅くなる勾配が設けられると共に、この勾配は、第2従動部材42の径方向外方へ向かうに従って急峻になるように構成される。つまり、ガイド溝53の溝深さの勾配は、第2従動部材42の径方向内側が勾配δであり、外側が勾配γ(γ>δ)に設定される。このガイド溝53の勾配γ及びδによって、第2従動部材42のガイド溝53とガイド部材43のガイド溝54とは、径方向外方へ向かうに従って互いの溝底部が接近するよう構成される。
ガイド溝54は、図4及び図8に示すように、ガイド部材43において第2従動部材42と対向する面に放射状に複数形成される。このガイド溝54は、第2従動部材42のガイド溝53と共に第2遠心ウェイト45を案内するものである。更に、このガイド溝54は、溝深さが一定に形成されると共に、ガイド部材43の径方向に対し周方向一方側に角度ε(図8(C))だけ傾斜して形成される。この傾斜方向は、後述の如く、吸気側カムシャフト34の回転方向の位相を進角側へ変化させることに寄与する。
上述のガイド溝51及び52とガイド溝53及び54とは半径方向の位置及び数が異なる。つまり、ガイド溝53及び54は、ガイド溝51及び52よりも、吸気側カムシャフト34の半径方向において、この吸気側カムシャフト34の中心軸から遠い位置に形成される。従って、ガイド溝53及び54に保持される第2遠心ウェイト45は、ガイド溝51及び52に保持される第1遠心ガイド44よりも、作動前の状態において、吸気側カムシャフト34の半径方向においてこの吸気側カムシャフト34の中心軸からの距離が遠くなり、第2遠心ウェイト45には第1遠心ウェイト44よりも、第1従動部材41、第2従動部材42及びガイド部材43の同一回転数において大きな遠心力が作用する。
また、ガイド溝53及び54の数は、ガイド溝11及び52の数よりも多く形成される(例えばガイド溝53及び54がそれぞれ16本、ガイド溝51及び52がそれぞれ13本)。そして、全てのガイド溝53及び54に第2遠心ウェイト45が、全てのガイド溝51及び52に第1遠心ウェイト44がそれぞれ保持される。これにより、第2遠心ウェイト45の総数が第1遠心ウェイト44の総数よりも多くなり、第1従動部材41、第2従動部材42及びガイド部材43の同一回転数において、全ての第2遠心ウェイト45に生ずる遠心力の総和は、全ての第1遠心ウェイト44に生ずる遠心力の総和よりも大きくなる。
このように構成されたカムシャフト位相可変装置40では、第2遠心ウェイト45に遠心力が作用して、この第2遠心ウェイト45が第2従動部材42、ガイド部材43のそれぞれのガイド溝53、54内を径方向外方へ移動する。これにより、ガイド部材43は、付勢部材46の付勢力に抗して吸気側カムシャフト34の軸方向に沿って第2従動部材42から離反する方向に移動すると共に、ガイド部材43のガイド溝54の傾斜(角度ε)の作用で、第2従動部材42及び第1従動部材41に対し回転方向に変化する。この結果、クランクシャフト21に対する吸気側カムシャフト34の回転方向の位相が進角側に相対的に変化して、吸気側カムシャフト34の吸気カム32によるバルブタイミングが変更される。
また、第1遠心ウェイト44に遠心力が作用して、この第1遠心ウェイト44が第1従動部材41、第2従動部材42のそれぞれのガイド溝51、52内を径方向外方へ移動する。これにより、第2従動部材42は、付勢部材46の付勢力に抗して吸気側カムシャフト34の軸方向に沿って第1従動部材41から離反する方向に移動すると共に、第1従動部材41のガイド溝51の傾斜(角度θ)の作用で、第1従動部材41に対し回転方向に変化する。この結果、クランクシャフト21に対する吸気側カムシャフト34の回転方向の位相が遅角側に相対的に変化して、吸気側カムシャフト34の吸気カム32によるバルブタイミングが変更される。
次に作用を説明する。
図9(A)及び図10に示すように、エンジン10が低回転域にあるときには、第2遠心ウェイト45に作用する遠心力が小さく、この第2遠心ウェイト45は、第2従動部材42のガイド溝53の勾配γ及びδと付勢部材46の付勢力との作用で、ガイド溝53及び54の径方向内側端の初期位置に留まる(図10(C)及び(D))。更にこの低回転域では、第1遠心ウェイト44に作用する遠心力も小さく、この第1遠心ウェイト44は、第2従動部材42のガイド溝52の勾配α及びβと付勢部材46の付勢力との作用で、ガイド溝51及び52の径方向内側端の初期位置に留まる(図10(A)及び(B))。
従って、吸気側カムシャフト34は、吸気側カムドリブンギア33つまりクランクシャフト21と回転方向の位相が同一となり、この吸気側カムシャフト32に一体に形成された吸気カム32は、組付け時の位相で吸気バルブを駆動する。これにより、吸気バルブと排気バルブは、バルブオーバーラップの小さな低速用のバルブタイミングとなり、吸気の吹き抜けが防止され、更に排ガス特性が良好になって、エンジン10の燃費及び出力が向上する。
図9(B)及び図11に示すように、エンジン10が低回転域から中回転域に至ると、第2遠心ウェイト45に作用する遠心力が大きくなり、この第2遠心ウェイト45は、第2従動部材42のガイド溝53とガイド部材43のガイド溝54内を径方向外方へ向かって移動する。これにより、ガイド部材43は、ガイド溝53の勾配γ及びδの作用で、付勢部材46の付勢力に抗して吸気側カムシャフト34の軸方向外方(図9(B)の矢印A方向)へ移動する。このとき、ガイド部材43のガイド溝54には、径方向に対して周方向一方側に角度ε(図8)の傾斜が設定されているので、ガイド部材43は、ガイド溝54の傾斜方向(図11(C)及び(D)の矢印B方向)に第2従動部材42に対して上記角度εだけ相対回転する。
ここで、この中回転域では、第1遠心ウェイト44に作用する遠心力が小さく、この第1遠心ウェイト44は、低回転域の場合と同様に、ガイド溝51及び52の径方向内側端の初期位置に留まる(図11(A)及び(B))。
上述のように、第2従動部材42が第1従動部材41に対して相対回転せず、ガイド部材43が第2従動部材42に対して矢印B方向に角度εだけ相対回転することにより、吸気側カムシャフト34は、ガイド部材43とスプラインシャフト49とのスプライン結合(スプラインキー50A、スプライン溝50B)の作用で、第1従動部材41(つまりクランクシャフト21)に対して、吸気側カムシャフト34の回転方向における進角側に角度εだけ位相が変化する。従って、この吸気側カムシャフト34に一体に形成された吸気カム32は、組付け時の位相よりも進角側に角度εだけ変化した位相で吸気バルブを駆動する。この結果、吸気バルブと排気バルブはバルブオーバーラップの大きな中速用のバルブタイミングとなり、吸気の慣性を利用して吸気効率が高められ、更に排気効率が高められて、エンジン10のトルク及び出力が向上する。
図9(C)及び図12に示すように、エンジン10が中回転域から高回転域に至ると、第1遠心ウェイト44に作用する遠心力も大きくなり、この第1遠心ウェイト44は第1従動部材41のガイド溝51と第2従動部材42のガイド溝52内を径方向外方へ向かって移動する。これにより、第2従動部材42は、ガイド溝52の勾配α及びβの作用で、付勢部材46の付勢力に抗して吸気側カムシャフト34の軸方向外方側(図9(C)の矢印A方向)へ更に移動する。このとき、第1従動部材41のガイド溝51には、径方向に対して周方向一方側に角度θ(図5)の傾斜が設けられているので、第2従動部材42は、ガイド溝51の傾斜方向(図12(A)及び(B)の矢印C方向)に第1従動部材41に対して上記角度θだけ相対回転する。
ここで、この高回転域では、第2遠心ウェイト45に作用する遠心力も大きく、この第2遠心ウェイト45は、中回転域の場合と同様に、ガイド溝53及び54の径方向外側端に位置づけられた状態を維持する(図12(C)及び(D))。
この中回転域から高回転域にいて至る過程では、ガイド部材43が第2従動部材42に対して相対回転せず、第2従動部材42が第1従動部材41に対して矢印C方向に角度θだけ相対回転することにより、吸気側カムシャフト34は、ガイド部材43とスプラインシャフト49とのスプライン結合(スプラインキー50A、スプライン溝50B)の作用で、第1従動部材41(つまりクランクシャフト21)に対して、吸気側カムシャフト34の回転方向における遅角側に角度θだけ位相が変化する。従って、この吸気側カムシャフト34に一体に形成された吸気カム32は、中回転時の位相よりも遅角側に角度θだけ変化した位相で吸気バルブを駆動する。この結果、吸気バルブと排気バルブは、バルブオーバーラップの小さな高速用のバルブタイミングとなり、低速用バルブタイミングの場合と同様に、エンジン10の燃費及び出力が向上する。
尚、この高速用バルブタイミングのバルブオーバーラップは、低速用バルブタイミングのバルブオーバーラップよりも通常大きく設定されるが、ガイド溝51の角度θとガイド溝54の角度εを調整することで、低速用バルブタイミングのバルブオーバーラップと同等または小さく設定されてもよい。
エンジン10の回転数が高回転域から低下すると、まず第1遠心ウェイト44に作用する遠心力が小さくなるため、この遠心力によって第2従動部材42を矢印A方向に移動させる力によりも付勢部材46による付勢力が勝り、この付勢部材46の付勢力及び第2従動部材42のガイド溝52の勾配α及びβの作用で、第2従動部材42が第1従動部材41側へ移動し、第1遠心ウェイト44がガイド溝51及び52の径方向内側へ移動して、第2従動部材42及び第1遠心ウェイト44は、やがて図9(B)及び図11に示す初期位置に復帰する。第1遠心ウェイト44の初期位置への復帰に伴い、第2従動部材42は、第1従動部材41に対して進角側(図12(A)及び(B)の矢印Cと反対方向)へ角度θだけ相対回転するが、ガイド部材43が第2従動部材42に対して相対回転しないので、ガイド部材43とスプラインシャフト49とのスプライン結合の作用で、吸気側カムシャフト34は、第1従動部材41(つまりクランクシャフト21)に対して進角側に角度θだけ位相を変化する。この結果、吸気バルブ及び排気バルブは、バルブオーバーラップの大きな中速用のバルブタイミングになる。
エンジン10の回転数がさらに低下すると、第2遠心ウェイト45に作用する遠心力も小さくなるため、この遠心力によってガイド部材43を矢印A方向に移動させる力によりも付勢部材46による付勢力が勝り、この付勢部材46の付勢力及び第2従動部材42のガイド溝53の勾配γ及びδの作用で、ガイド部材43が第2従動部材42側へ移動し、第2遠心ウェイト45がガイド溝53及び54の径方向内側へ移動して、ガイド部材43及び第2遠心ウェイト45は、やがて図9(A)及び図10に示す初期位置に復帰する。第2遠心ウェイト45の初期位置への復帰に伴い、ガイド部材43は、第1従動部材41及び第2従動部材42に対して遅角側(図11(C)及び(D)の矢印Bと反対方向)へ角度εだけ相対回転するが、第2従動部材42が第1従動部材41に対して相対回転しないので、ガイド部材43とスプラインシャフト49とのスプライン結合の作用で、吸気側カムシャフト34は、第1従動部材41(つまりクランクシャフト21)に対して遅角側に角度εだけ位相を変化する。この結果、吸気バルブ及び排気バルブは、バルブオーバーラップの小さな低速用のバルブタイミングになる。
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、次の効果(1)〜(12)を奏する。
(1)エンジン10が低回転域から中回転域に移行する過程で、第2遠心ウェイト45が遠心力の作用で付勢力46の付勢力に抗して移動し、ガイド部材43が第2従動部材42及び第1従動部材41に対して回転方向に相対変位し、またエンジン10が中回転域から高回転域に移行する過程で、第1遠心ウェイト44が遠心力の作用で付勢部材46の付勢力に抗して移動して、第2従動部材42が第1従動部材41に対して回転方向に相対変位し、いずれの場合にもクランクシャフト21に対する吸気側カムシャフト34の回転方向の位相を相対的に変化させる。この結果、エンジン10の低回転、中回転、高回転に応じた最適なバルブタイミングに切り替えることができ、バルブオーバーラップを適切に調整して、エンジン10の出力等を向上させることができる。
(2)第1遠心ウェイト44または第2偏心ウェイト45が遠心力の作用で付勢部材46の付勢力に抗して移動することで、第2従動部材42またはガイド部材43が第1従動部材41に対して回転方向に相対変化して、クランクシャフト21に対する吸気側カムシャフト34の回転方向の位相を相対的に変化させるため、簡単な構造で確実にバルブタイミングを変更できる。この結果、バルブタイミングの変更に関し動作特性が安定化して信頼性が向上すると共に、応答性も向上する。
(3)第2従動部材42とガイド部材43を第1従動部材41に対して相対回転させることで、クランクシャフト21に対する吸気側カムシャフト34の回転方向の位相を相対的に変化させる構造であり、吸気側カムシャフト34を軸方向にスライドさせる構造ではないので、シリンダヘッド23周りを含めた動弁装置20ひいてはエンジン10の小型化を実現できる。
(4)作動油を一切用いない機械式のカムシャフト位相可変装置40であるため、吸気側カムシャフト34に油室や油路を形成するスペースが不要となり、この吸気側カムシャフト34の大型化に伴う動弁装置20ひいてはエンジン10の大型化を回避できる。さらに、油路形成などの機械加工を省略できるので製造コストの上昇を回避できる。
(5)クランクシャフト21の動力が直接伝達される第1従動部材41が吸気側カムシャフト34の軸方向に移動せず、クランクシャフト21の動力が直接伝達されない第2従動部材42及びガイド部材43が吸気側カムシャフト34の軸方向に移動して、吸気バルブのバルブタイミングを変更する。この吸気バルブのバルブタイミングを変更するために上記第1従動部材41を吸気側カムシャフト34の軸方向に移動させると、この第1従動部材41においてクランクシャフト21の動力が直接伝達される箇所に傾きが生じて、メカニカルロスが大きく発生してしまう。
これに対し、本実施の形態では、クランクシャフト21の動力が直接伝達されない第2従動部材42、ガイド部材43が吸気側カムシャフト34の軸方向に移動することに加え、このガイド部材43の内周全面がスプラインシャフト49とスプライン結合(スプラインキー50A、スプライン溝50B)されることから、カムシャフト位相可変装置40の作動時(バルブタイミング変更時)に上述の傾きが生じ難くなってメカニカルロスを低減でき、この結果、カムシャフト位相可変装置40の作動性が向上して、高精度な制御を実現できる。
(6)カムシャフト位相可変装置40では、吸気側カムシャフト34の軸端側から付勢部材46、ガイド部材43、第2遠心ウェイト45、第2従動部材42、第1遠心ウェイト44、及び第1従動部材41が順次配設されている。このうちの第1従動部材41に、吸気側カムドリブンギア33等を介してクランクシャフト21の動力が伝達されるが、この第1従動部材41が吸気側カムシャフト34の軸方向内方側に配置されることで、第1従動部材41の吸気側カムドリブンギア33、アイドルドライブギア30及びカムチェーン38等を含む動力伝達系をエンジン10の中心に寄せて配設できる。このため、上記動力伝達系がエンジン10の外方へ膨出することを防止でき、エンジン10の小型化を実現できると共に、このエンジン10の重量をエンジン10の中心側に集中させることができる。
(7)第1従動部材41の外周に動力受部として吸気側カムドリブンギア33が形成されたので、この吸気側カムドリブンギア33の内周側に、第1遠心ウェイト44の最大位置を位置決めするための周壁部57を形成できる。仮に、第2従動部材42の段部59に周壁部を形成すると、第1遠心ウェイト44の径方向ストロークを確保する必要上、第2従動部材42の段部59が径方向に大型化する。更に、この第2従動部材42の段部59には第1従動部材41が外嵌されるため、この第1従動部材41の外形寸法が大きくなり、カムシャフト位相可変装置40の重量が増大してしまう。これに対し、第1従動部材41に周壁部57を形成することで、第2従動部材42の段部59に周壁部を形成する場合に比べて第1従動部材41の外形寸法を抑制でき、カムシャフト位相可変装置40を軽量化できる。
(8)第1従動部材41の内壁部57の内壁面61(図5)に沿って第2従動部材42の段部59が摺動するので、この第1従動部材41のガイド溝51と第2従動部材42のガイド溝52との間に異物の侵入を防止でき、第1遠心ウェイト44の摺動抵抗の増大を回避できる。更に、第2従動部材42の周壁部60の内壁面62(図6)に沿ってガイド部材43の外周面が摺動するので、この第2従動部材42のガイド溝53とガイド部材43のガイド溝54との間に異物の侵入を防止でき、第2遠心ウェイト45の摺動抵抗の増大を回避できる。これらの結果、吸気バルブのバルブタイミング切替特性の変化や、カムシャフト位相可変装置40の性能劣化を未然に防止できる。
(9)第1従動部材41には、第1遠心ウェイト44の受部となる周壁部57が形成されており、この周壁部57の軸方向寸法は、第1遠心ウェイト44の径よりも長尺に形成する必要がある。従って、仮に第1従動部材41のガイド溝51に勾配α、βを設けると、その分だけ第1従動部材41の軸方向寸法が増大することになり、カムシャフト位相可変装置40が大型化してしまう。これに対し、第2従動部材42のガイド溝52に勾配α、βが設けられたことで、第1従動部材41の軸方向寸法の増大を防止でき、カムシャフト位相可変装置40を小型化できる。
(10)第2従動部材42のガイド溝52の溝底部の勾配が、第2従動部材42の径方向外側へ向かうに従って急峻になるように構成されたので(α>β)、第1遠心ウェイト44をガイド溝51及び52内で第1従動部材41及び第2従動部材42の径方向内側へ迅速に押し戻すことができる。同様に、第2従動部材42のガイド溝53の溝勾配が、第2従動部材42の径方向外側へ向かうに従って急峻になるように構成されたので(γ>β)、第2遠心ウェイト45をガイド溝53及び54内で第2従動部材42及びガイド溝53の径方向内側へ迅速に押し戻すことができる。
(11)吸気側カムシャフト34の一端部に筒状部材47が取付ボルト66にて結合され、この筒状部材47の保持部69とガイド部材43との間に付勢部材46が介在されたので、ヘッドカバー24を取り外し、筒状部材47を取り外すだけで付勢部材46を交換できる。この結果、イニシャル荷重の異なる付勢部材46に交換することで、吸気バルブのバルブタイミング切替特性を容易に変更できる。
(12)筒状部材47に形成されたストッパ部68によりガイド部材43の摺動範囲が規定されるので、第2遠心ウェイト45が、第2従動部材42のガイド溝53とガイド部材43のガイド溝54との間でガタツクことを防止でき、更にこれらのガイド溝53及び54から飛び出して第2従動部材42とガイド部材43との間に噛み込まれることを防止できる。同様に、スプラインシャフト49に設けられたストッパ面67により第2従動部材42の摺動範囲が規定されるので、第1遠心ウェイト44が、第1従動部材41のガイド溝51と第2従動部材42のガイド溝52との間でガタツクことを防止でき、更にこれらのガイド溝51及び52から飛び出して、第1従動部材41と第2従動部材42との間に噛み込まれることを防止できる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図13に示すように、付勢部材70は、第2従動部材42を第1従動部材41に接近する方向に付勢する第1付勢部材(例えば皿ばね)71と、ガイド部材43を第2従動部材42に接近する方向に付勢する第2付勢部材(例えば皿ばね)72と、を有して構成されてもよい。
つまり、第2従動部材42の周壁部60の内壁面62にサークリップ73を装着し、このサークリップ73にワッシャ74を介して第2付勢部材72の外周端部を支持させ、この第2付勢部材72の内周端部をガイド部材43に当接して支持させる。この第2付勢部材72が、ガイド部材43を第2従動部材42に接近させる付勢力をガイド部材43に付与する。また、第1付勢部材71の内周端部を筒状部材47の保持部69に支持させ、この第1付勢部材71の外周端部を第2従動部材42の周壁部60に当接支持させる。この第1付勢部材71が、第2従動部材42を第1従動部材41に接近させる付勢力を第2従動部材42に付与する。このように、第2従動部材42とガイド部材43にそれぞれ専用の付勢部材71、72を配置することで、第2従動部材42、ガイド部材43に作用する付勢力を部材42、43毎に独立して設定できる。この結果、第2従動部材42、ガイド部材43がそれぞれ付勢部材71、72の付勢力に抗して軸方向移動を開始するエンジン回転数の設定の自由度を高めることができ、この設定を最適化できる。
また、第1従動部材41のガイド溝51に溝深さの勾配α及びβを設け、第2従動部材42のガイド溝52を角度θだけ傾斜させてもよい。または、ガイド溝51とガイド溝52のいずれか一方に、溝深さの勾配α及びβを設け、且つ角度θの傾斜を設けてもよい。同様に、ガイド部材43のガイド溝54に溝深さの勾配γ及びδを設け、第2従動部材42のガイド溝53を角度εだけ傾斜させてもよい。または、ガイド溝53とガイド溝54のいずれか一方に、溝深さの勾配γ及びδを設け、且つ角度εの傾斜を設けてもよい。
更に、第2遠心ウェイト45の重量を第1遠心ウェイト44よりも大きくして、この重量差に基づき、第2遠心ウェイト45に作用する遠心力を第1遠心ウェイト44よりも更に増大させてもよい。
また、本実施の形態では、第1従動部材41とガイド部材43との間に、両面にガイド溝52、53が形成された第2従動部材42が1枚配置されて、バルブタイミングをエンジン10の低回転、中回転、高回転の3つの回転域で切り替えるものを述べたが、バルブタイミングの切替回数に応じて、この第2従動部材42を複数枚配置してもよい。
また、第1従動部材41に形成された動力受部はギアに限らず、チェーン用のスプロケットまたはベルトプーリであってもよい。更に、クランクシャフト21から吸気側カムシャフト34及び排気側カムシャフト37までをギア(吸気側カムドリブンギア33)のみにて動力伝達させるギアトレン方式を採用してもよい。
また、吸気側カムシャフト34に代えて排気側カムシャフト37に、カムシャフト位相可変装置40と同様なカムシャフト位相可変装置を設けてもよく、または、吸気側カムシャフト34と排気側カムシャフト37の両者にカムシャフト位相可変装置を設置してもよい。
10 エンジン
20 動弁装置
21 クランクシャフト
33 吸気側カムドリブンギア
34 吸気側カムシャフト
35 吸気カム
40 カムシャフト位相可変装置
41 第1従動部材
42 第2従動部材
43 ガイド部材
44 第1遠心ウェイト
45 第2遠心ウェイト
46 付勢部材
47 筒状部材
49 スプラインシャフト
51、52、53、54 ガイド溝
57 周壁部
69 保持部
70 付勢部材
71 第1付勢部材
72 第2付勢部材
θ、ε 角度
α、β、γ、δ 勾配

Claims (12)

  1. クランクシャフトと、
    このクランクシャフトにより回転駆動され、エンジンのバルブを開閉させるカムシャフトと、
    前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるカムシャフト位相可変装置とを有するエンジンの動弁装置であって、
    前記カムシャフト位相可変装置は、
    前記クランクシャフトの回転が伝達され、前記カムシャフトに対して回転方向に相対変位可能で軸方向に相対変位不能な第1従動部材と、
    前記第1従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位可能な第2従動部材と、
    前記カムシャフトと回転一体に設けられ、前記第2従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位可能なガイド部材と、
    前記第1従動部材と前記第2従動部材の間に配設された第1遠心ウェイトと、
    前記第2従動部材と前記ガイド部材の間に配設された第2遠心ウェイトと、
    前記第1従動部材、前記第2従動部材及び前記ガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを有し、
    前記第2従動部材と前記ガイド部材のぞれぞれは、前記第1遠心ウェイト、前記第2遠心ウェイトにそれぞれ作用する遠心力により前記付勢部材の付勢力に抗して移動することで、前記第1従動部材に対して回転方向及び軸方向に相対変位し、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするエンジンの動弁装置。
  2. 前記第1遠心ウェイトと第2遠心ウェイトは、作動前の状態において、前記カムシャフトの径方向において中心軸からの距離に差を有して構成されたことを特徴とする請求項1項に記載のエンジンの動弁装置。
  3. 前記第1従動部材、第2従動部材及びガイド部材は、相互に対向する面に放射状のガイド溝をそれぞれ備え、
    これらのガイド溝は、径方向外方に向かうに従って互いのガイド溝の底部が近づくように形成されると共に、互いに対向する一方の前記ガイド溝が径方向に沿って形成され、他方の前記ガイド溝が径方向に対して周方向一方側に傾斜して形成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  4. 前記第1従動部材は、その外周面に形成された動力受部と、この動力受部の内周側に形成された周壁部とを備え、この周壁部の壁面に沿って第2従動部材が摺接可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  5. 前記第1従動部材のガイド溝は一定の溝深さに形成され、前記第1従動部材に対向する第2従動部材のガイド溝は、径方向外方へ向かうに従って溝深さが浅くなる勾配を有して形成されたことを特徴とする請求項3に記載のエンジンの動弁装置。
  6. 前記ガイド部材のガイド溝は一定の溝深さに形成され、前記ガイド部材に対向する第2従動部材のガイド溝は、径方向外方へ向かうに従って溝深さが浅くなる勾配を有して形成されたことを特徴とする請求項3に記載のエンジンの動弁装置。
  7. 前記第2従動部材における第1従動部材とガイド部材にそれぞれ対向する両ガイド溝は、径方向外方に向かうに従って溝底部の勾配が急峻になるように構成されたことを特徴とする請求項5または6に記載のエンジンの動弁装置。
  8. 前記第1従動部材の動力受部は、クランクシャフトの回転駆動力が伝達されるカムドリブンギアであることを特徴とする請求項4に記載のエンジンの動弁装置。
  9. 前記カムシャフト位相可変装置は、カムシャフトの軸端から付勢部材、ガイド部材、第2遠心ウェイト、第2従動部材、第1遠心ウェイト、及び第1従動部材が順次配設されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  10. 前記カムシャフト位相可変装置は、カムシャフトの軸端に取り付けられる筒状部材を備え、この筒状部材には、ガイド部材との間で付勢部材を保持する保持部が設けられたことを特徴とする請求項7に記載のエンジンの動弁装置。
  11. 前記付勢部材は、前記第2従動部材を第1従動部材に接近する方向に付勢する第1付勢部材と、ガイド部材を第2従動部材に接近する方向に付勢する第2付勢部材と、を有して構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  12. クランクシャフトと、
    このクランクシャフトにより駆動されてエンジンのバルブを開閉するカムを備えたカムシャフトと、
    このカムシャフトに設けられ、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるカムシャフト位相可変装置とを有するエンジンの動弁装置であって、
    前記カムシャフト位相可変装置は、
    前記クランクシャフトにより駆動されて、このクランクシャフトに対する回転方向の位相が一定に設けられた第1従動部材と、
    前記第1従動部材に対して相対回転可能に設けられた第2従動部材と、
    前記カムシャフトと一体に回転すると共に、前記第2従動部材に対して相対回転可能に設けられたガイド部材と、
    前記第1従動部材及び前記第2従動部材の相互に対向する面にそれぞれ形成された放射状のガイド溝間に保持されて、前記第1従動部材の回転を前記第2従動部材へ伝達する第1遠心ウェイトと、
    前記第2従動部材及びガイド部材の相互に対向する面にそれぞれ形成された放射状のガイド溝間に保持されて、前記第2従動部材の回転を前記ガイド部材へ伝達する第2遠心ウェイトと、
    前記第1従動部材、第2従動部材及び前記ガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢力を与える付勢部材とを有し、
    前記第1従動部材と前記第2従動部材の両ガイド溝、前記第2従動部材とガイド部材の両ガイド溝は、それぞれ、径方向外方に向かうに従って互いのガイド溝の底部が近づくように形成されると共に、一方のガイド溝が径方向に対して周方向一方側に傾斜して形成され、
    前記第1または第2遠心ウェイトに遠心力が作用してこの第1または第2遠心ウェイトがそれぞれ前記両ガイド溝内を径方向外方へ移動することにより、前記第2従動部材または前記ガイド部材が、前記付勢部材の付勢力に抗して軸方向に移動すると共に、前記第1従動部材に対して回転方向に相対変位して、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするエンジンの動弁装置。
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