JP4747159B2 - 位相制御手段を備える動弁装置 - Google Patents

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    • F01L2001/34486Location and number of the means for changing the angular relationship
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Description

本発明は、内燃機関に備えられる動弁装置に関し、詳細には、機関弁を開閉する動弁カムを有するカム軸と、該カム軸の位相を変更する位相制御手段とを備える動弁装置に関する。
内燃機関の動弁装置が、クランク軸により駆動されて回転中心線を中心に回転する1つのカム軸を備え、該カム軸は前記回転中心線を共有する第1,第2カム軸から構成され、該第1,第2カム軸が機関弁を開閉する第1,第2動弁カムを有するものは知られている。(例えば、特許文献1,2参照)
このような動弁装置において、第1,第2カム軸の一方のカム軸は、位相制御機構により回動させられて、クランク軸により設定される基準位相(すなわちクランク角)に対して該一方のカム軸の位相またはその動弁カムの位相が変更され、該一方のカム軸の動弁カムにより開閉される機関弁の開時期および閉時期の少なくとも一方(以下、「バルブタイミング」という。)が変更される。
特開2002−54410号公報 特開7−224617号公報
1つのカム軸が回転中心線を共有する第1,第2カム軸から構成される動弁装置では、SOHC型の動弁装置のように、例えば第1カム軸に排気カム(例えば第1動弁カムに相当)が設けられ、第2カム軸に吸気カム(例えば第2動弁カムに相当)が設けられる場合に、機関運転状態に応じて制御される位相制御機構が、例えば第2カム軸を回動させることで、吸気カムの位相が排気カムに対して(したがって、クランク角に対して)変更される一方、第1カム軸(したがって排気カム)の位相はクランク角に対して変更されない。このため、このような動弁装置では、排気弁および吸気弁が同時に開弁しているバルブオーバラップにおいて、該バルブオーバラップの開始時期やバルブオーバラップの期間(以下、「バルブオーバラップ角度」という。)は変更されるものの、排気弁の閉時期の変更を要するバルブオーバラップの終了時期を変更することはできない。
なお、以下では、説明の便宜上、バルブオーバラップ角度、バルブオーバラップの開始時期およびバルブオーバラップの終了時期をそれぞれバルブオーバラップ特性ということにする。
また、DOHC型の動弁装置のように、吸気カムが設けられる1つの吸気カム軸および排気カムが設けられる1つの排気カム軸を備え、吸気カム軸または排気カム軸に位相制御機構が設けられる場合、例えば1つの燃焼室に対して同種の複数の機関弁、例えば第1,第2吸気弁をそれぞれ開閉する第1,第2吸気カム(第1,第2動弁カムに相当)を有する吸気カム軸に位相制御機構が設けられるものにおいては、該位相制御機構が吸気カム軸を回動させてその位相を変更することにより、第1,第2吸気カムの位相(したがって第1,第2吸気弁のバルブタイミング)を互いに独立に変更することはできず、また、第1,第2吸気弁毎にバルブオーバラップ特性を互いに独立に変更することはできない。
さらに、1つのカム軸が回転中心線を共有する第1,第2カム軸から構成される動弁装置において、第1,第2カム軸がそれぞれ有する第1,第2動弁カムが、共通の1つの機関弁(吸気弁または排気弁)を開閉する場合、位相制御機構が第1,第2カム軸の一方のカム軸のみを回動させてその位相を変更することにより、該機関弁の開時期および閉時期の一方のみを変更するのでは、該機関弁のバルブタイミングの変更態様が制限される。例えば、吸気弁の閉時期のみが変更される場合には、バルブオーバラップの終了時期の変更ができず、バルブオーバラップ特性の変更態様が制限される。
ところで、内燃機関において、バルブオーバラップまたはバルブタイミングは、体積効率、内部EGRおよび燃焼性などに影響を与えることから、バルブオーバラップ特性またはバルブタイミングの変更態様の多様化を可能とすることで、バルブオーバラップまたはバルブタイミングの様々な設定が可能になって、機関トルク性能、燃費性能または排気浄化性能などを向上させることができる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜3記載の発明は、内燃機関の動弁装置において、1つのカム軸を構成すると共に機関弁を開閉する第1,第2動弁カムをそれぞれ有する第1,第2カム軸を互いに独立に回動させることにより、バルブタイミングまたはバルブオーバラップ特性の変更態様を多様化して、機関トルク性能、燃費性能または排気浄化性能などの機関性能の向上を図ること、および1つの位相制御機構で第1,第2動弁カム間の相対的な位相の変更を伴うことなく第1,第2動弁カムの位相の変更を可能とすることにより、第1,第2動弁カムの位相変更の応答性の向上を図ることを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、内燃機関の1つの燃焼室に対して設けられる同種の機関弁である第1,第2機関弁のバルブタイミングまたはバルブオーバラップ特性の変更態様を多様化することを目的とし、請求項3記載の発明は、さらに、第1,第2カム軸を回動させる位相制御手段が設けられる1つのカム軸の重量バランスを良好にすることを目的とする。
請求項1記載の発明は、内燃機関に備えられる動弁装置であって、駆動装置により駆動されて回転中心線を中心に回転するカム軸と、前記駆動装置により設定される基準位相に対する前記カム軸の位相を変更する位相制御手段とを備え、前記カム軸は機関弁を開閉する第1動弁カムおよび第2動弁カムを有する動弁装置において、前記カム軸は、前記回転中心線を共有すると共に互いに前記回転中心線の周りに回動可能な第1カム軸および第2カム軸から構成され、前記第1カム軸は前記第1動弁カムを有し、前記第2カム軸は前記第2動弁カムを有し、前記位相制御手段は、前記第1カム軸および前記第2カム軸を一体に回動させることにより、前記基準位相に対する前記第1動弁カムの位相および前記第2動弁カムの位相を一体的に変更可能な第1位相制御機構と、前記第1カム軸および前記第2カム軸を相対的に回動させることにより、前記第1動弁カムの位相および前記第2動弁カムの位相を相対的に変更可能な第2位相制御機構とから構成される動弁装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の動弁装置において、前記機関弁は、前記第1動弁カムにより開閉される第1機関弁および前記第2動弁カムにより開閉される第2機関弁であり、前記第1機関弁および前記第2機関弁は、前記内燃機関の1つの燃焼室に開口する第1吸気口および第2吸気口をそれぞれ開閉する第1吸気弁および第2吸気弁、または前記燃焼室に開口する第1排気口および第2排気口をそれぞれ開閉する第1排気弁および第2排気弁であるものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の動弁装置において、前記第1カム軸は、アウタカム軸および前記アウタカム軸内に挿入されたインナカム軸の一方のカム軸であり、前記第2カム軸は、前記アウタカム軸および前記インナカム軸の他方のカム軸であり、前記第1位相制御機構および前記第2位相制御機構のいずれか一方が、前記カム軸の端部に設けられ前記第1位相制御機構および前記第2位相制御機構の他方が、前記カム軸の他端部に設けられ、第1位相制御機構および第2位相制御機構のそれぞれは、第1部材と、前記第1部材に対して相対回動可能な第2部材とを備え、前記第1位相制御機構の前記第1部材は前記駆動装置の駆動軸と一体に回転し、前記第1位相制御機構の前記第2部材は前記第1カム軸と一体に回動し、前記第2位相制御機構の前記第1部材は前記第1カム軸と一体に回動し、前記第2位相制御機構の前記第2部材は前記第2カム軸と一体に回動するものである。
請求項1記載の発明によれば、位相制御手段は、1つのカム軸を構成する第1,第2カム軸をそれぞれ互いに独立に回動させることができるので、第1,第2動弁カムを有する1つのカム軸のみで、基準位相に対して第1,第2動弁カムを異なる位相に変更することや、一方の動弁カムのみの位相を変更することが可能になるなど、第1,第2動弁カムの位相の変更態様を多様化できる。この結果、1つのカム軸が有する第1,第2動弁カムにより開閉される機関弁のバルブタイミングまたはバルブオーバラップ特性の変更態様を多様化できるので、機関運転状態に応じて、体積効率、内部EGRおよび燃焼性などに影響を与えるバルブタイミングまたはバルブオーバラップ特性の様々な設定が可能になって、機関トルク性能、燃費性能または排気浄化性能などの機関性能の向上が可能になる。
第1位相制御機構は、第1,第2カム軸を一体に回動させて第1動弁カムの位相および第2動弁カムの位相を一体的に変更可能であり、第2位相制御機構は第1,第2カム軸を相対的に回動させることにより、第1動弁カムの位相および第2動弁カムの位相を相対的に変更可能であるので、第1位相制御機構により第1,第2カム軸を一体に回動させて、第1,第2動弁カム33,43間の相対的な位相の変更を伴うことなく第1,第2動弁カムの位相を同じ方向に一体的に変更することが容易にできる一方、第2位相制御機構により第1,第2カム軸を互いに独立に回動させて、第1,第2動弁カム間の相対的な位相を変更することができる。
この結果、第1,第2動弁カムの位相を同じ方向に変更する場合には、第1位相制御機構のみで第1,第2カム軸を一体に回動させ、必要に応じて第2位相制御機構により第2カム軸を回動させることにより第2動弁カムの位相を所望の相位に変更することができるので、第2位相制御機構の作動を不要とすること、または第2位相制御機構の作動量を減少させることが可能になり、第1,第2吸気カム33,43の位相変更の応答性を向上させることができる。
請求項2記載の事項によれば、位相制御機構により、1つの燃焼室に対して設けられる同種の第1,第2機関弁のバルブタイミングまたはバルブオーバラップ特性の変更態様が多様化されるので、体積効率または内部EGR量などを第1,第2機関弁毎に変更することが可能になって、機関トルク性能、燃費性能または排気浄化性能などの機関性能の向上の観点から、好適なバルブタイミングまたはバルブオーバラップの設定が可能になる。
請求項3記載の事項によれば、第1,第2位相制御機構が、アウタカム軸およびインナカム軸から構成される1つのカム軸において、該カム軸の両軸端部に設けられるので、カム軸の重量バランスが向上して、動弁装置による機関弁の開閉精度の向上に寄与する。
また、第2位相制御機構の第1部材は第1カム軸と一体に回動可能であるので、第1位相制御機構により、第1カム軸と、該第1カム軸および第2位相制御機構を介して第2カム軸とを一体に回動させて、第1,第2動弁カム間の相対的な位相の変更を伴うことなく第1,第2動弁カムの位相を同じ方向に変更することが容易にできる一方、第2位相制御機構により、第1,第2カム軸を互いに独立に回動させて、第1,第2動弁カム間の相対的な位相を変更することができる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図10を参照して説明する。
図1〜図6は第1実施形態を説明する図である。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された動弁装置Vを備える内燃機関Eは、多気筒4ストローク内燃機関であり、そのクランク軸5(図2参照)が車幅方向を指向する横置き配置で車両に搭載される。
内燃機関Eは、直列に配列された複数の、ここでは3つのシリンダ1aが一体成形されたシリンダブロック1と、シリンダブロック1の上端部に結合されるシリンダヘッド2と、シリンダヘッド2の上端部に結合されるヘッドカバー3とから構成される機関本体を備える。
なお、この明細書において、シリンダ1aのシリンダ軸線Lcの方向(以下、「シリンダ軸線方向」という。)を、便宜上、上下方向とする。また、軸方向は、動弁装置のカム軸の回転中心線の方向であり、径方向および周方向は、該回転中心線を中心とする径方向および周方向である。
各シリンダ1aのシリンダボア1bにはピストン4が往復動可能に嵌合し、該ピストン4は、シリンダブロック1に回転可能に支持されるクランク軸5にコンロッドを介して連結される。シリンダヘッド2には、各シリンダ1aに対応して、燃焼室6に開口する複数の、ここでは1対の第1,第2吸気口7a(図1には第2吸気口7aが示されている。)を有する吸気ポート7と、該燃焼室6に開口する複数の、ここでは1対の第1,第2排気口8a(図1には第2排気口8aが示されている。)を有する排気ポート8とが設けられ、さらに燃焼室6に臨む点火栓9が取り付けられる。
この明細書において、内燃機関Eの燃焼室6は、シリンダ軸線方向でシリンダボア1bに対向してシリンダヘッド2に設けられた凹部空間と、シリンダボア1bにおけるピストン4とシリンダヘッド2との間の部分とにより構成される可変容積空間であり、シリンダ軸線方向でピストン4とシリンダヘッド2との間に形成される。
シリンダヘッド2には、吸気弁11a,11bおよび排気弁12が弁バネ13より閉弁方向に常時付勢されて往復動可能に設けられる。1つの燃焼室6(または1つのシリンダ1a)毎に設けられる1または複数の吸気弁および1または複数の排気弁、この実施形態では、1対の第1,第2吸気弁11a,11bおよび1対の排気弁12(図1には一方の排気弁12が示されている。)は、動弁装置Vにより駆動されて、弁口である第1,第2吸気口7aおよび第1,第2排気口8aをそれぞれ開閉する。第1,第2弁としての第1,第2吸気弁11a,11bは、内燃機関Eに備えられる機関弁としての吸気弁および排気弁のうちで同種の機関弁である吸気弁のみにより構成される第1,第2機関弁である。
そして、吸気ポート7の入口が開口するシリンダヘッド2の側部2iに取り付けられる吸気装置を通った吸入空気は、シリンダヘッド2または該吸気装置に設けられる燃料噴射弁から噴射された燃料と混合して混合気を形成し、さらに吸気行程において吸気ポート7および開弁した吸気弁11a,11bを経て燃焼室6に吸入され、圧縮行程において圧縮される。該圧縮行程の終期に燃焼室6内の混合気が点火栓9により点火されて燃焼し、膨張行程において燃焼ガスの圧力により駆動されるピストン4がクランク軸5を回転駆動する。燃焼ガスは、排気行程において開弁した排気弁12を経て、排気ガスとして燃焼室6から排気ポート8に流出した後、排気ポート8の出口が開口するシリンダヘッド2の側部2eに取り付けられる排気装置を通って内燃機関Eの外部に排出される。
シリンダヘッド2とヘッドカバー3とで形成される動弁室10内に配置されるDOHC型の動弁装置Vは、1つの吸気カム軸Cを備えると共に第1,第2吸気弁11a,11bを開閉する吸気側動弁装置Viと、1つの排気カム軸21を備えると共に排気弁12を開閉する排気側動弁装置Veとから構成される。吸気側動弁装置Viは、第1,第2吸気弁11a,11bの弁作動特性であるバルブタイミングを内燃機関Eの運転状態(以下、「機関運転状態」という。)に応じて変更可能な可変動弁装置である。それゆえ、動弁装置Vは、少なくとも1つのカム軸である吸気カム軸Cを備える。
クランク軸5の回転中心線に平行であると共に互いに平行な回転中心線Li,Leをそれぞれ有する両カム軸C,21は、シリンダヘッド2に一体に結合して設けられたカムホルダ15を介してシリンダヘッド2に回転可能に支持される。
カムホルダ15は、シリンダヘッド2に各カム軸C,21の軸方向に間隔をおいて配列された複数である所定数、ここでは4つの軸受部15a〜15c、具体的には、配列された前記所定数の軸受部15a〜15cのうちで、両方の端に位置する1対の端部軸受部15a,15bと、軸方向で両端部軸受部15a,15bの間に配置される1以上の、ここでは複数である2つの中間軸受部15cとを有する。シリンダヘッド2にボルト18により結合される各軸受部15a〜15cは、半割型の下軸受部16および上軸受部17から構成される。
動弁装置Vの両カム軸C,21は、動弁用伝動機構20を介して伝達されるクランク軸5の駆動トルクにより回転方向Rに回転駆動される。該駆動トルクを両カム軸C,21に伝達する巻掛け伝動機構である伝動機構20は、内燃機関Eの出力軸であるクランク軸5に設けられる駆動回転体としての駆動スプロケット20aと、吸気カム軸Cに設けられた第1位相制御機構60に設けられる被動回転体としての吸気側被動スプロケット20bと、排気カム軸21に設けられる被動回転体としての排気側被動スプロケット(図示されず)と、両スプロケット20a,20bおよび該排気側被動スプロケットに掛け渡される無端伝動帯としての無端のチェーン20cとを備える。そして、クランク軸5は、伝動機構20を介して両カム軸C,21をその1/2の回転速度で回転駆動する。それゆえ、駆動軸としてのクランク軸5および伝動機構20は、各カム軸C,21を回転駆動する駆動装置を構成する。
吸気側動弁装置Viは、1つの燃焼室6毎に1対の動弁カムとしての第1,第2吸気カム33,43を有すると共に回転中心線Liを中心に回転する吸気カム軸Cと、第1,第2吸気カム33,43によりそれぞれ駆動されるカムフォロアとしての第1,第2吸気ロッカアーム23a,23bと、各吸気ロッカアーム23a,23bをシリンダヘッド2に移動可能、ここでは揺動可能に支持する支持部としてのロッカ軸25と、第1,第2吸気弁11a,11bのバルブタイミングを機関運転状態に応じて変更する位相制御手段(以下、「位相制御手段」という。)である位相制御機構60,70とを備える。
排気側動弁装置Veは、1つの燃焼室6毎に1対の動弁カムとしての排気カム22を有すると共に回転中心線Leを中心に回転する排気カム軸21と、1対の排気カム22によりそれぞれ駆動されて1対の排気弁12を開閉するカムフォロアとしての1対の排気ロッカアーム24と、各排気ロッカアーム24をシリンダヘッド2に移動可能、ここでは揺動可能に支持する支持部としてのロッカ軸26とを備える。排気カム22は、排気弁12を閉弁状態にするベース円部22aと、排気弁12を開弁状態にするリフト部22bとを有する
各ロッカ軸25,26は、下軸受部16に設けられた貫通孔に挿入されて、ボルト18により回り止めされた状態で、下軸受部16に支持される。
吸気カム軸Cおよび排気カム軸21の回転により、第1,第2吸気カム33,43は、それぞれ第1,第2吸気ロッカアーム23a,23bを介して第1,第2吸気弁11a,11bを開閉し、1対の排気カム22は、それぞれ1対の排気ロッカアーム24を介して1対の排気弁12を開閉する。
図1〜図4を参照すると、吸気カム軸Cは、それぞれ回動中心線L3,L4を中心に互いに独立に回動可能な第1カム軸としてのアウタカム軸30および第2カム軸としてのインナカム軸40から構成される。アウタカム軸30と該アウタカム軸30の内周側(すなわち径方向内方)に配置されるインナカム軸40とは、回転中心線Liを共有すると共に、互いに回転中心線Liの周りに回動可能であり、この実施形態では該回転中心線Liと一致する各回動中心線L3,L4を中心に回動する。同様に、第1,第2吸気カム33,43は、回転中心線Liを共有すると共に互いに回動中心線L3,L4を中心に回動可能である。それゆえ、吸気カム軸Cは、アウタカム軸30とインナカム軸40とが同軸状に配置される二重カム軸である。第1,第2吸気カム33,43は、それぞれ、第1,第2吸気弁11a,11bを閉弁状態にするベース円部33a,44aと、第1,第2吸気弁11a,11bを開弁状態にするリフト部33b,44bとを有する。
なお、図2および後述する図7,図10,図11では、図示の便宜上、すべてのシリンダ1aに関しての第1,第2吸気カム33,43および排気カム22は、その各リフト部33b,44b,22bの頂点が同一平面上に位置するように記載されているが、実際は、シリンダ1a毎に、内燃機関Eの点火順序に対応した位相になっている。
吸気カム軸Cは、各端部軸受部15a,15bから軸方向に突出していて自由端を有すると共に同一の外径を有する両軸端部Ca,Cbと、軸方向で両端部軸受部15a,15bの間に位置する中間部Ccとを有する。吸気カム軸Cにおいて、軸端部Caは伝動機構20が配置される側の軸端部であり、軸端部Cbはクランク軸5に連結される変速機が配置される側の軸端部である。
中間部Ccは、各軸受部15a〜15cに回転可能に支持される前記所定数、ここでは4つのジャーナル32と、第1,第2吸気カム33,43とを有する。軸方向に配列された前記所定数のジャーナル32は、両方の端にそれぞれ位置する端部ジャーナル32a,32bと、軸方向で両端部ジャーナル32a,32bの間に配置される1以上の、ここでは複数である2つの中間ジャーナル32c,32cである。燃焼室6毎の第1,第2吸気カム33,43は、軸方向で隣接するジャーナル32a,32c;32c,32c;32c,32bの間に配置される。
それゆえ、端部軸受部15aおよび端部ジャーナル32aは、それぞれ軸方向で軸端部Caに隣接する軸受部およびジャーナルであり、端部軸受部15bおよび端部ジャーナル32bは、それぞれ軸方向で軸端部Cbに隣接する軸受部およびジャーナルである。
また、吸気カム軸Cの、カムホルダ15に対する軸方向での移動は、アウタカム軸30またはインナカム軸40に設けられるスラスト規制部(図示されず)がカムホルダ15に当接することにより規制される。
アウタカム軸30は、小径部31aと該小径部31bよりも外径が大きい大径部31bとから構成される軸本体31と、軸本体31に一体成形されたジャーナル32と、軸本体31に一体成形されて設けられる第1吸気カム33と、カム支持部34とを有する。軸本体31は、各端部ジャーナル32a,32bから軸方向に突出する両端部30a,30bを有する。一方の端部30bは、その取付部30b1にて第2位相制御機構70の本体71に一体に回動するようにボルト(図示されず。)で結合され、他方の端部30aは軸端部Caを構成する。
また、アウタカム軸30には、端部30bで軸方向に開口すると共に端部ジャーナル32aを除くすべてのジャーナル32b,32c,32cに渡って軸方向に延びる有底の中空部36が設けられる。
インナカム軸40は、アウタカム軸30の端部30bからアウタカム軸30内で中空部36に挿入されて、アウタカム軸30の内周側に配置される。インナカム軸40は、アウタカム軸30に対して摺動可能、かつ回動可能であり、軸方向での移動が規制された状態で、アウタカム軸30に嵌合する。
インナカム軸40は、小径部41aと該小径部41aよりも外径が大きい大径部41bとから構成される軸本体41と、軸本体41に一体成形されたジャーナル42と、軸本体41と一体に回転する第2吸気カム43とを有する。軸本体41は、軸方向での両端部40a,40bを有する。アウタカム軸30の端部30bおよび該端部30bから左方に突出する一方の端部40bは、端部ジャーナル32bから左方に突出する部分であり、軸端部Cbを構成する。端部40bは、端部30bの内周側に摺動可能に位置し、大径部41bは、大径部31bの内周側に摺動可能に位置する。
一方、中空部36内に位置する他方の端部40aは、最も右方に位置する第2吸気カム43の内周側にある。各ジャーナル42は、ジャーナル32b,32c,32cの内周側に位置してアウタカム軸30の内周面を軸受面とする内側軸受部37に摺動可能、かつ回動可能に支持される。
第2吸気カム43は、結合手段としての柱状の結合具であるネジ46により軸本体41に一体に回転するように結合されると共に、アウタカム軸30の外周側(すなわち、径方向外方)に回動可能に、そして軸方向に移動不能に設けられる。
円筒状の部材である第2吸気カム43は、軸本体31の外周に一体成形されて設けられる円筒状の隆起部であるカム支持部34に、摺動可能に、かつ回転中心線Liを中心に回動可能に支持される。第2吸気カム43は、第2吸気ロッカアーム23aに接触するカム面44cが形成されたカム部44と、ネジ46が着脱可能に設けられる取付部45とを有し、カム部44および取付部45が軸方向に並んで一体成形された部材である。
第2吸気カム43がアウタカム軸30の外周側に配置される際に、第2吸気カム43は、アウタカム軸30に設けられた第1吸気カム33が軸方向に挿通可能(図4参照)で、かつカム支持部34に摺動可能に嵌合するように、カム支持部34の外径d1よりも僅かに大きく該外径d1にほぼ等しい内径d2の内周面43iを有する。内周面43iは、回転中心線Liを中心軸線とする円柱面である。この実施形態では、第1吸気カム33の最大外径d3は外径d1に等しい。したがって、第2吸気カム43は、端部30aからアウタカム軸30に挿入されて、ジャーナル32a,32cや第1吸気カム33を挿通させて、カム支持部34に嵌合される。第2吸気カム43とカム支持部34とは、後述する長孔47を除く全面で、かつ全周に渡って接触しているので、カム支持部34により第2吸気カム43の剛性が全周に渡って高められている。
カム部44は、第2吸気弁11bを閉弁状態にするベース円部44aと、第2吸気弁11bを開弁状態にするリフト部44bとを有する。取付部45は、ベース円部44aの外径と等しい外径を有する円筒状部分である。カム部44および取付部45が軸方向に並んでおり、かつ取付部45がリフト部44bに対して径方向で低い段部を形成する(図2参照)ことにより、第2吸気カム43において研削によるカム面44cの加工面積を減少させることができるので、その加工が容易になり、そのうえ、ネジ46と第2吸気ロッカアーム23bとの接触が防止される。
ネジ46は、軸本体41にねじ込まれるネジ部46aと、軸本体41と第2吸気カム43との位相を等しくするための円柱状部分である位置決め部46bとを有する。位置決め部46bは、取付部45および軸本体41に径方向に挿入されて嵌合する。
カム支持部34には、位置決め部46bが径方向に貫通すると共に両カム軸30,40の相対的な回動を許容する空間である長孔47が設けられる。この実施形態では、周方向での長孔47の形成範囲は、位置決め部46bとカム支持部34とが周方向で当接することにより、アウタカム軸30およびインナカム軸40の相対的回動の範囲S(図3参照)を規定するように設けられるが、該範囲Sを越えて設けられてもよい。そのため、長孔47と位置決め部46aとの間には、周方向または回動方向での空隙が形成され、さらに軸方向での僅かな空隙が形成されている。
図2,図5を参照すると、各中間軸受部15cの軸受面には、シリンダヘッド2に設けられた油路(図示されず)および下軸受部16に設けられた油路(図示されず)を通じて導かれたオイルが流入する円環状溝からなる環状の油路51が設けられ(図2,図5には下軸受部16に設けられた油路51が示されている。)、該油路51のオイルが、吸気カム軸Cの潤滑箇所に供給される。
具体的には、各油路51のオイルは、軸受部15cとジャーナル32cとの接触部を潤滑すると共に、一部はジャーナル32cを径方向に貫通して中空部36に開口する孔からなる油路52を経て、中空部36内に流入する。中空部36内で、油路52のオイルは、インナカム軸40のジャーナル42の外周に全周に渡って設けられた円環状溝からなる環状の油路53に流入し、ジャーナル42と内側軸受部37との接触部を潤滑し、その後、軸本体31の内周面と軸本体41の外周面との間に形成される僅かな空隙からなる油路54に流入する。油路54のオイルの一部は、長孔47に流入して、位置決め部46bとカム支持部34との接触部、カム支持部34と第2吸気カム43との接触部、および位置決め部46bと取付部45との接触部を潤滑し、さらに位置決め部46bと取付部45との接触部を潤滑した後のオイルがカム面44cに流出して、カム部44と第2吸気ロッカアーム23bとの接触部を潤滑する。図5にはオイルの流れが矢印で示されている。
また、油路54のオイルの別の一部は、アウタカム軸30およびインナカム軸40の、軸方向で対向する対向面同士により形成される軸方向空間55,56に流入する。空間55は、中空部56の底壁面31cおよび端部40aの端面41cである軸方向での対向面同士により形成され、空間56は、小径部31aと大径部31bとの段差面31dおよび小径部41aと大径部41bとの段差面41dである軸方向での対向面同士により形成される。
空間55,56内のオイルは、アウタカム軸30に設けられて空間55,56と動弁室10(図1参照)とを連通する排出油路57を通じて、動弁室10内に排出される。このため、排出油路57がない場合には、空間55,56内に貯留したオイルの油圧によりアウタカム軸30およびインナカム軸40が相対的に軸方向に移動して、アウタカム軸30およびインナカム軸40がそれぞれ第1,第2位相制御機構60,70の回動部材62,72を本体61,71に押し付け、本体61,71に対して回動部材62,72が回動するときの摺動抵抗が大きくなる。しかしながら、排出油路57が設けられることにより、前述のように空間55,56内のオイルに起因する本体61,71に対する回動部材62,72の摺動抵抗の増加が防止されて、本体61,71に対する回動部材62,72の回動が円滑になり、位相制御機構60,70による位相の制御精度が向上する。
図2を参照すると、位相制御手段は、アウタカム軸30を回動させる第1位相制御機構60と、インナカム軸40を回動させる第2位相制御機構70とから構成される。カム軸を回動させる様々な構造の位相制御機構が知られているが、ここでは各位相制御機構60,70は油圧式のものである。
第1,第2位相制御機構60,70から構成される位相制御手段は、アウタカム軸30およびインナカム軸40を、したがって第1吸気カム33および第2吸気カム43を、それぞれ、機関運転状態に応じて互いに独立に回動させて、基準位相に対して、アウタカム軸30、インナカム軸40および第1,第2吸気カム33,43の位相を互いに独立に変更可能であり、第1吸気弁11aおよび第2吸気弁11bのバルブタイミングを互いに独立に変更可能である。この実施形態では、バルブタイミングが変更されるとき、各吸気弁11a,11bの開時期および閉時期が同時に変更されるので、第1,第2吸気弁11a,11bの弁作動特性であるリフト量特性および開弁期間(または開弁角度)が変更されない(図6参照)。
ここで、基準位相とは、前記駆動装置のクランク軸5または被動スプロケット20bにより設定される位相であり、この実施形態ではクランク軸5の位相であるクランク角である。
両位相制御機構60,70は共通の基本構造を有する。
アウタカム軸30の端部30a(したがって軸端部Ca)に設けられる第1位相制御機構60は、被動スプロケット20bが一体成形により一体に設けられる第1部材としての本体61と、本体61に対して相対回動可能に組み付けられて収容されると共に端部30aに一体に回動するようにボルト63で結合される第2部材としての回動部材62と、ロック部材64とを備える。本体61はクランク軸5および伝動機構20と一体に回転し、回動部材62はアウタカム軸30および第1吸気カム33と一体に回動する。
このため、被動スプロケット20bに巻き掛けられるチェーン20cは、被動スプロケット20b、第1位相制御機構60の本体61および回動部材62を介して、端部30aに巻き掛けられる。そして、該端部30a、すなわち軸端部Caは、吸気カム軸Cにおいて、チェーン20cを介して伝達されたクランク軸5の駆動トルクが入力される駆動トルク入力部Tdであると共に、アウタカム軸30を回動させるために第1位相制御機構60が発生する回動トルクが入力される第1回動トルク入力部T1でもある。
アウタカム軸30の端部30bおよびインナカム軸40の端部40b(したがって軸端部Cb)に設けられる第2位相制御機構70は、アウタカム軸30と一体に設けられる第1部材としての本体71と、本体71に対して相対回動可能に組み付けられて収容されると共に端部40bに一体に回転するようにボルト73で結合される第2部材としての回動部材72と、ロック部材74とを備える。本体71はアウタカム軸30と一体に回動し、回動部材72はインナカム軸40および第2吸気カム43と一体に回動する。
このため、第1位相制御機構60は、アウタカム軸30およびインナカム軸40を一体に回動させることにより、基準位相に対する第1吸気カム33の位相および第2吸気カム43の位相を一体的に変更可能であり、第2位相制御機構70は、両カム軸30,40を相対的に回動させることにより、第1吸気カム33の位相および第2吸気カム43の位相を相対的に変更可能である。
第2位相制御機構70が設けられる端部30bおよび端部40b(したがって軸端部Cb)は、吸気カム軸Cにおいて、アウタカム軸30およびインナカム軸40を相対回動させるために第2位相制御機構70が発生する回動トルクが入力される第2回動トルク入力部T2である。そして、吸気カム軸Cにおいて、第2回動トルク入力部T2は、駆動トルク入力部Td(第1回動トルク入力部T1でもある。)とは別個の部位である回動トルク入力部であり、第2回動トルク入力部T2と駆動トルク入力部Tdとが、軸方向で隣接する1対のジャーナル32間の第1,第2吸気カム33,43および該1対のジャーナル32を少なくとも挟んで、ここでは吸気カム軸Cが有するすべての第1,第2吸気カム33,43およびすべてのジャーナル32を挟んで配置される。
各位相制御機構60,70において、回動部材62,72は、本体61,71の内周に設けられた複数である所定数の凹部(図示されず)内にそれぞれ配置される前記所定数のベーン(図示されず)を有する。そして、前記各ベーンは、前記凹部と協働して、回動方向での両側に作動油が給排される遅角室および進角室を形成する。
各ロック部材64,74は、内燃機関Eの停止時に、油路(図示されず)を通じて給排されるロック解除用油圧室64a,74a内の作動油が低圧になるときに、バネに付勢されて油圧室64a,74a内に進出した位置を占めて、本体61,71と回動部材62,72との相対回動を規制する一方、油圧室64a,74a内の作動油が高圧になるとき、該バネの付勢力に打ち勝って、図示されるように油圧室64a,74a内から後退して、本体61,71と回動部材62,72との相対回動を許容する。
両位相制御機構60,70の動作を制御する制御装置80は、各位相制御機構60,70に対して作動油の給排を行うことにより、各位相制御機構60,70の回動部材62,72の動作を制御する。該制御装置80は、各位相制御機構60,70の前記遅角室および前記進角室の油圧を制御する油圧制御弁66,76と、各油圧制御弁66,76を介して作動油を導く油路系統と、油圧制御弁66,76を制御する制御部81とから構成される。作動油は、内燃機関Eの潤滑系統を構成するオイルポンプ82から供給されるオイルである。
制御部81は、機関運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段からの信号に基づいて油圧制御弁66,76を制御する駆動信号を出力する電子制御ユニットとを備える。前記運転状態検出手段は、内燃機関Eの機関負荷を検出する負荷検出手段および機関回転速度を検出する回転速度検出手段などから構成される。
前記油路系統は、作動油源としてのオイルポンプ82から吐出された高圧の作動油が導かれる給油路83と、前記遅角室および前記進角室から作動油を排出する排油路69,79と、前記遅角室に常時連通すると共に油圧制御弁66,76を介して給油路83および排油路69,79に択一的に連通する遅角用油路67,77と、前記進角室に常時連通すると共に油圧制御弁66,76を介して給油路83および排油路69,79に択一的に連通する進角用油路68,78とから構成される。
第1位相制御機構60については、遅角用油路67および進角用油路68は、端部軸受部15a,アウタカム軸30および回動部材62に設けられる。第2位相制御機構70については、遅角用油路77および進角用油路78は、端部軸受部15b,インナカム軸40および回動部材72に設けられる。そして、給油路83が遅角用油路67,77または進角用油路68,78と連通するときに、各油路67,68;77,78の作動油の一部が端部ジャーナル32a,32bと端部軸受部15a,15bとの接触部を潤滑する。
第1位相制御機構60について、油圧制御弁66が給油路83を遅角用油路67に連通させると同時に排油路69を進角用油路68に連通させることにより、前記遅角室に作動油が供給されると同時に前記進角室の作動油が排出されて、アウタカム軸30、インナカム軸40および第1,第2吸気カム33,43が吸気カム軸Cの回転方向R(図1参照)とは逆方向に回動して、クランク角に対してアウタカム軸30、インナカム軸40および第1,第2吸気カム33,43の位相が遅角され、第1,第2吸気弁11a,11bのバルブタイミングが遅角される。
一方、第2位相制御機構70について、油圧制御弁76が給油路83を遅角用油路77に連通させると同時に排油路79を進角用油路78に連通させることにより、前記遅角室に作動油が供給されると同時に前記進角室の作動油が排出されて、インナカム軸40および第2吸気カム43が吸気カム軸Cの回転方向R(図1参照)とは逆方向に回動して、クランク角に対してインナカム軸40および第2吸気カム43の位相が遅角され、第1,第2吸気弁11a,11bのバルブタイミングが遅角される。
また、第1位相制御機構60について、油圧制御弁66が給油路83を進角用油路68に連通させると同時に排油路69を遅角用油路67に連通させることにより、前記進角室に作動油が供給されると同時に前記遅角室の作動油が排出されて、アウタカム軸30、インナカム軸40および第1,第2吸気カム33,43が回転方向Rと同じ方向に回動して、クランク角に対してアウタカム軸30、インナカム軸40および第1,第2吸気カム33,43の位相が進角され、第1,第2吸気弁11a,11bのバルブタイミングが進角される。
一方、第2位相制御機構70について、油圧制御弁76が給油路83を進角用油路78に連通させると同時に排油路79を遅角用油路77に連通させることにより、前記進角室に作動油が供給されると同時に前記遅角室の作動油が排出されて、インナカム軸40および第2吸気カム43が回転方向Rと同じ方向に回動して、クランク角に対してインナカム軸40および第2吸気カム43の位相が進角され、第2吸気弁11bのバルブタイミングが進角される。
そして、本体61,71および回動部材62,72の相対回動により各カム軸30,40および各吸気カム33,43の所望の位相が設定された時点で、油圧制御弁66,76が遅角用油路67,77および進角用油路68,78を閉塞し、クランク角に対する両カム軸30,40および両吸気カム33,43の位相が維持される。このとき、本体61および回動部材62は一体に動作し、本体71および回動部材72は一体に動作する。このため、第1位相制御機構60の全体および第2位相制御機構70の全体は、それぞれ一体回動可能である。
このように、位相制御手段である位相制御機構60,70は、制御装置80により機関運転状態に応じて制御されて、各カム軸および各吸気カム33,43の位相を、したがって各吸気弁11a,11bのバルブタイミングを、連続的に変更すると共に、互いに独立して変更可能である。
そして、この位相の変更過程で、第1位相制御機構60の回動部材61は、アウタカム軸30と、該アウタカム軸30および第2位相制御機構70の本体1および回動部材71を介してインナカム軸40とを一体に回動させることにより、基準位相に対する第1吸気カム33の位相および第2吸気カム43の位相を一体的に変更可能である。また、第2位相制御機構70は、互いに相対回動可能な本体71と回動部材72とにより、アウタカム軸30およびインナカム軸40を相対的に回動させることで、第1吸気カム33の位相および第2吸気カム43の位相を相対的に変更可能である。
図1,図2,図6を参照して、動弁装置Vi,Veの動作について説明する。
内燃機関Eの運転時、図6(A)に示されるように、動弁装置Vにおいて、アウタカム軸30、インナカム軸40および排気カム軸21、したがって第1,第2吸気カム33,43および排気カム22が、クランク角に対してそれぞれ所定の位相(以下、「基本位相」という。)にあり、バルブオーバラップ角度θ1,θ2がそれぞれ所定の角度θ1,θ2となるバルブタイミングで第1,第2吸気弁11a,11bおよび排気弁12が開閉される状態を基本状態とする。
この基本状態で、アウタカム軸30、インナカム軸40および第1,第2吸気カム33,43は、第1,第2位相制御機構60,70により制御されて、周方向または回動方向で図1,図2に示される位置を占める。そして、基本状態において、第1吸気弁11aと排気弁12とのバルブオーバラップ角度θ1および第2吸気弁11bと排気弁12とのバルブオーバラップ角度θ2は等しく、第1,第2吸気弁11a,11bのバルブタイミングは開時期および閉時期について同じであり、第1,第2吸気弁11a,11bのリフト量特性は同一である。なお、別の形態では、角度θ1,θ2が異なっていてもよい。
基本状態は、内燃機関Eの低速回転・高負荷運転時での状態であり、吸入空気の吹き抜けおよび内部EGR量が抑制されるバルブオーバラップ角度θ1,θ2となるバルブタイミングで第1,第2吸気弁11a,11bが開閉される。このため、体積効率が増加して、機関トルク性能が向上するので、低速回転からの良好な加速運転が可能になる。
図6(B)を参照すると、内燃機関Eの始動時およびアイドル運転時には、第1位相制御機構60の回動部材62が、アウタカム軸30および第1吸気カム33を回動させることなく、基本位相に維持する。一方、第2位相制御機構70の回動部材72は、インナカム軸40および第2吸気カム43を回転方向Rとは逆方向に回動させて、基本位相に対して遅角させる。
このため、第1吸気弁11aが第2吸気弁11bよりも早い時期に開弁することから、第1,第2吸気弁11a,11bが同時に開弁する場合に比べて吸入空気が絞られた状態で第1吸気弁11aを通って燃焼室6に流入するので、燃焼室6に流入する吸入空気の流速が大きくなる。この結果、燃焼室6での吸入空気または混合気の流動性が高められるので、燃焼性が向上して、機関トルク性能が向上し、良好な始動およびアイドル運転が可能になる。
また、第2吸気弁11bの開時期が遅角されるので、第2吸気弁11bおよび排気弁12によるバルブオーバラップの開始時期が遅角され、バルブオーバラップ角度θ2が角度θ2に比べて減少する。そして、第2吸気弁11bの開時期が遅れることにより、吹き抜けが抑制されて、体積効率が増加し、機関トルク性能が向上する。
図6(C)を参照すると、運転頻度が比較的高い運転時、すなわち低,中速回転・低負荷運転時には、第1位相制御機構60が、アウタカム軸30および第1吸気カム33を長孔47で規定される最大値まで回動させ、アウタカム軸30および第1吸気カム33の位相が最大値まで進角する。そして、第1位相制御機構60によるアウタカム軸30および第1吸気カム33の回動と同時に、本体71がアウタカム軸30に固定されている第2位相制御機構70が、インナカム軸40および第2吸気カム43を、回転方向Rとは逆方向に回動させて、基本位相に維持する。
このため、第1,第2吸気カム33,43の開閉時期の位相差が最大になり、第1吸気カム33が最大進角位置を占めて、第1吸気弁11aによるバルブオーバラップの開始時期が進角され、バルブオーバラップ角度θ1が増加して最大になる。この結果、内部EGR量が大きくなって、ポンピング損失の減少により燃費性能が向上し、さらに燃焼温度の低下によりNOxが減少して排気浄化性能が向上する。しかも、第1,第2吸気弁11a,11bの開時期の位相差が最大になって、第1吸気弁11aのみが開弁している期間が長くなるので第1吸気弁11aを通って燃焼室6に流入する吸入空気の流速が大きくなり、燃焼室6での吸入空気または混合気の流動性が高められて、EGR量が多い状態において、燃焼性が向上し、機関トルク性能が向上する。
図6(D)を参照すると、内燃機関Eの中速回転・高負荷運転時には、第1位相制御機構60が、アウタカム軸30および第1吸気カム33を回動させることなく、基本位相に維持する。一方、第2位相制御機構70は、インナカム軸40および第2吸気カム43を基本位相に対して遅角させる。
このとき、第2吸気カム43の遅角量は比較的小さく、第2吸気弁11bによるバルブオーバラップの開始時期が遅角され、バルブオーバラップ角度θ2が減少するので、高速回転時での第2吸気弁11bを通じての吹き抜けが抑制されて、燃費性能が向上する。
図6(E)を参照すると、内燃機関Eの高速回転・高負荷運転時には、第1位相制御機構60が、アウタカム軸30および第1吸気カム33を基本位相に対して比較的大きい進角量で進角させる。そして、第1位相制御機構60によるアウタカム軸30および第1吸気カム33の回動と同時に、第2位相制御機構70が、インナカム軸40および第2吸気カム43を基本位相に対して比較的小さい遅角量で遅角させる。
このため、第1吸気弁11aの開時期が早まり、第1吸気弁11aによるバルブオーバラップの開始時期が進角されてバルブオーバラップ角度θ1が増加して、掃気効果による体積効率の増加および第1,第2吸気弁11bの開時期の位相差による燃焼室6への吸入空気の流速の増加による燃焼性向上により、機関トルク性能が向上する。また、第1吸気弁11bによるバルブオーバラップの開始時期が遅角されて、そのバルブオーバラップ角度θ1が減少する。そして、第2吸気弁11bの閉時期を遅くすることにより、吸入空気の慣性による体積効率が向上する。
そして、図6(E)に示される高速回転・高負荷運転時の位相と図6(C)に示される低,中速回転・低負荷運転時の位相との間での移行は、第1位相制御機構60のみを作動させて、回動部材61によりアウタカム軸30を回転方向R(または回転方向Rとは逆方向)に所定量だけ回動させることにより、アウタカム軸30およびインナカム軸40を一体に回動させて、第1,第2吸気カム33,43間の位相の相対的な変更を伴うことなく、したがって第2位相制御機構70を作動させることなく第1,第2吸気カム33,43の位相を同じ方向としての進角方向(または遅角方向)に変更することができて、両運転時の間での第1,第2吸気カム33,43の位相変更の応答性が向上する。
また、例えば、図6(E)に示される高速回転・高負荷運転時の位相から、第1吸気カム33の位相を20°進角させ、第2吸気カム43の位相を30°進角させる場合には、第1位相制御機構60の回動部材61によりアウタカム軸30およびインナカム軸40を一体に20°回動させて進角させる一方、第2位相制御機構70の回動部材71によりインナカム軸40を10°だけ進角させることにより、第1,第2吸気カム33,43の位相を所望の位相に設定できるので、第2位相制御機構70の動作量を減少することができて、第1,第2吸気カム33,43の位相変更の応答性が向上する。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
前記位相制御手段は、アウタカム軸30およびインナカム軸40を一体に回動させることにより、基準位相に対する第1吸気カム33の位相および第2吸気カム43の位相を一体的に変更可能な第1位相制御機構60と、アウタカム軸30およびインナカム軸40を相対的に回動させることにより、第1吸気カム33の位相および第2吸気カム43の位相を相対的に変更可能な第2位相制御機構70とから構成される。これにより、第1,第2位相制御機構60,70から構成される位相制御手段は、1つの吸気カム軸Cを構成するアウタカム軸30およびインナカム軸40をそれぞれ互いに独立に回動させることができるので、第1,第2吸気カム33,43を有する1つの吸気カム軸Cのみで、基準位相に対して第1,第2吸気カム33,43を異なる位相に変更することや、一方の吸気カムのみの位相を変更することが可能になるなど、第1,第2吸気カム33,43の位相の変更態様を多様化できる。この結果、1つの吸気カム軸Cが有する第1,第2吸気カム33,43により開閉される第1,第2吸気弁11a,11bのバルブタイミングまたはバルブオーバラップ特性の変更態様を多様化できるので、機関運転状態に応じて、体積効率、内部EGRおよび燃焼性などに影響を与えるバルブタイミングまたはバルブオーバラップ特性の様々な設定が可能になって、機関トルク性能、燃費性能または排気浄化性能などの機関性能の向上が可能になる。
そして、第1位相制御機構60において、本体61はクランク軸5と一体に回転し、回動部材62はアウタカム軸30と一体に回動し、第2位相制御機構70において、本体71はアウタカム軸30と一体に回動し、回動部材72はインナカム軸40と一体に回動することにより、第2位相制御機構70の本体71は、さらには第2位相制御機構70の全体は、アウタカム軸30と一体に回動可能であるので、第1位相制御機構60により、アウタカム軸30と、該アウタカム軸30および第2位相制御機構70を介してインナカム軸40とを一体に回動させて、第1,第2吸気カム33,43間の相対的な位相の変更を伴うことなく第1,第2吸気カム33,43の位相を同じ方向に一体的に変更することが容易にできる一方、第2位相制御機構70により、アウタカム軸30およびインナカム軸40を互いに独立に回動させて、第1,第2吸気カム33,43間の相対的な位相を変更することができる。
この結果、第1,第2吸気カム33,43の位相を同じ方向に変更する場合には、第1位相制御機構60のみでアウタカム軸30およびインナカム軸40を一体に回動させ、必要に応じて第2位相制御機構70によりインナカム軸40を回動させることにより第2吸気カム43の位相を所望の相位に変更することができるので、第2位相制御機構70の作動を不要とすること、または第2位相制御機構70の作動量を減少させることが可能になり、第1,第2吸気カム33,43の位相変更の応答性を向上させることができる。
しかも、1つの吸気カム軸Cが有するすべての第1吸気カム33の位相が1つの第1位相制御機構60により変更され、同様にすべての第2吸気カム43の位相が第2位相制御機構70により変更されるので、第1,第2吸気カム33,43毎の位相のバラツキを抑制でき、しかも各第1,第2吸気カム33,43の位相変更が容易になる。
第1,第2吸気カム33,43により開閉される機関弁は、第1吸気カム33により開閉される第1吸気弁11aおよび第2吸気カム43により開閉される第2吸気弁11bであり、第1吸気弁11aおよび第2吸気弁11bは、1つの燃焼室6に開口する第1,第2吸気口7aをそれぞれ開閉することにより、第1,第2位相制御機構70により、1つの燃焼室6に対して設けられる同種の機関弁である第1,第2吸気弁11a,11bのバルブタイミングまたはバルブオーバラップ特性の変更態様が多様化され、また第2位相制御機構70のみによっても第1,第2吸気弁11a,11bのバルブタイミングまたはバルブオーバラップ特性が変更されるので、体積効率または内部EGR量などを第1,第2吸気弁11a,11b毎に変更することが可能になって、機関トルク性能、燃費性能または排気浄化性能などの機関性能の向上の観点から、好適なバルブタイミングまたはバルブオーバラップ特性の設定が可能になる。
吸気カム軸Cは、第1,第2吸気カム33,43と、軸受部15a〜15cにそれぞれ回転可能に支持されるジャーナル32と、チェーン20cが巻き掛けられると共にチェーン20cを介して伝達された駆動トルクが入力される駆動トルク入力部Tdと、位相制御手段を構成する第1,第2位相制御機構60,70が設けられると共に第1,第2位相制御機構60,70の回動トルクがそれぞれ入力される回動トルク入力部T1,T2とを有し、第2位相制御機構70は、駆動トルク入力部Tdとは別個の回動トルク入力部T2に設けられて該回動トルク入力部T2に回動トルクを入力し、回動トルク入力部T2と駆動トルク入力部Tdとが、吸気カム軸Cが有するすべての第1,第2吸気カム33,43およびすべてのジャーナル32を挟んで配置される。これにより、第2位相制御機構70が発生する回動トルクの回動トルク入力部T2とクランク軸5が発生する駆動トルクの駆動トルク入力部Tdとが、軸方向で第1,第2吸気カム33,43および2以上のジャーナル32を挟んで配置されるので、吸気カム軸Cにおいて回動トルク入力部T2と駆動トルク入力部Tdとを同じ部位とする必要がない。この結果、第2位相制御機構72の配置の自由度が大きくなり、第2位相制御機構70の小型・軽量化が可能になるなど、動弁装置Vの設計の自由度が大きくなる。
また、第2位相制御機構70の重量およびチェーン20cからの荷重が、それぞれ軸方向で回動トルク入力部T2に隣接する端部ジャーナル32bを支持する端部軸受部15bおよび軸方向で駆動トルク入力部Tdに隣接する端部ジャーナル32aを支持する端部軸受部15aに振り分けられるので、第2位相制御機構70の重量およびチェーン20cからの荷重が同じ隣接軸受部、例えば端部軸受部15aにより支えられる場合に比べて、該隣接軸受部15aの負荷が小さくなる。この結果、隣接軸受部15a、および軸端部Caを含む吸気カム軸Cの剛性を大幅に高める必要がないので、隣接軸受部15aおよび吸気カム軸Cの小型・軽量化が可能になる。
吸気カム軸Cは、アウタカム軸30と、該アウタカム軸30の一方の端部30bからアウタカム軸30内に挿入されたインナカム軸40とから構成され、第1,第2位相制御機構60,70は、吸気カム軸Cの軸端部Caを構成するアウタカム軸30の端部30aと、吸気カム軸Cの軸端部Cbを構成するアウタカム軸30の端部30bおよびインナカム軸40の端部40bとにそれぞれ設けられることにより、第1,第2位相制御機構60,70が、アウタカム軸30およびインナカム軸40から構成される1つの吸気カム軸Cにおいて、端部30aおよび両端部30b,40bを利用して該カム軸Cの両軸端部Ca,Cbにそれぞれ設けられる。この結果、回動トルク入力部T1を兼ねる駆動トルク入力部Tdが軸端部Caであり、回動トルク入力部T2が軸端部Cbであることから、駆動トルク入力部Tdとなる軸端部が回動トルク入力部T2を兼ねる場合に比べて、該軸端部に作用する重量が減少するので、吸気カム軸Cの重量バランスが向上して、動弁装置Vによる第1,第2吸気弁11a,11bの開閉精度の向上に寄与する。また、第2位相制御機構70は前記変速機の上方に形成されるスペースを利用して配置することができるので、吸気カム軸Cへの着脱が容易である。
吸気カム軸Cは、回転中心線Liを共有すると共に回転中心線Liの周りに回動可能なアウタカム軸30およびインナカム軸40から構成され、第2位相制御機構70は、アウタカム軸30およびインナカム軸40を相対的に回動させて両カム軸30,40間の相対的な位相を変更可能であることにより、両カム軸30,40間の相対的な位相を変更する第2位相制御機構70を、吸気カム軸Cにおいて駆動トルク入力部Td以外の部位に設けることができるので、アウタカム軸30およびインナカム軸40の互いの配置や形状の自由度が大きくなり、アウタカム軸30およびインナカム軸40の設計の自由度が大きくなる。
第2位相制御機構70は、本体71と、該本体71に対して相対回動可能な回動部材72とを備え、本体71はアウタカム軸30の端部30bに設けられ、回動部材72はインナカム軸40の端部40bに設けられることにより、同軸状に配置されるアウタカム軸30およびインナカム軸40間の相対的な位相を変更する第2位相制御機構70には、チェーン20cからの荷重が作用しないので、第2位相制御機構70において相対回動する本体71および回動部材72間での摩擦力が減少し、さらには両カム軸30,40間での摩擦力が減少して、円滑な位相変更が可能になる。
次に、図7〜図9を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態において、第1実施形態と同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態の部材と同一の部材または対応する部材については、必要に応じて同一の符号を使用した。
図7〜図9は、第2実施形態を説明する図である。
図7を参照すると、SOHC型の動弁装置は、吸気側動弁装置および排気側動弁装置に共通の唯一のカム軸Csを備え、該カム軸Csは、1つの燃焼室6(図1参照)毎に、軸方向で第1吸気カム33と第2吸気カム43との間に、1対の排気弁を開閉する1つの排気カム22sを有する。
第1位相制御機構60は、アウタカム軸30の端部30aから構成される軸端部Caに設けられ、第2位相制御機構70は、アウタカム軸30の端部30bおよびインナカム軸40の端部40bから構成される軸端部Cbに設けられる。
併せて図8,図9を参照すると、第2吸気カム43がアウタカム軸30の外周側に配置される際に、第2吸気カム43は、第1吸気カム33および排気カム22sが軸方向に挿通可能で、かつカム支持部34に摺動可能に嵌合する形状の内周面43iを有する。内周面43iは、カム支持部34の外径d1よりも僅かに大きく該外径d1にほぼ等しい内径を有する円柱面部分43aと、周方向でリフト部44bが位置する範囲において径方向外方に窪んだ凹空間49を形成する凹面部43bとから構成される。凹面部43bは第2吸気カム43の最大内径d4を規定し、該最大内径d4は、第1吸気カム33の最大外径d3および排気カム22sの最大外径よりも僅かに大きく設定され、それらカム33,22sのリフト部33b,22sbが凹空間49を挿通するようにして、第2吸気カム43にアウタカム軸30を挿通させる。したがって、第2吸気カム43は、アウタカム軸30に対して、端部30aから挿入されて、ジャーナル32c,32c、第1吸気カム33および排気カム22sを挿通させて、カム支持部34に嵌合される。第2吸気カム43とカム支持部34とは、凹面部43bを除いて、円柱面部43aの全面に渡って接触する。したがって、凹空間49が吸気カム43において肉厚が大きいリフト部44bに対応する部分に設けられるので、凹空間49の形成による吸気カム43の剛性の低下の影響を最小限にとどめながら、円柱面部43aの内径d2を小さくできるため、カム支持部34および第2吸気カム43を径方向で小型化できて、両カム軸30,40を軽量化できる。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用および効果が奏されるほか、次の作用および効果が奏される。
すなわち、アウタカム軸30に第1吸気カム33および排気カム22sが設けられるので、第1吸気弁11aと排気弁とのバルブオーバラップ角度を一定に保ちながら、該排気弁と第2吸気弁11bとのバルブオーバラップ角度を増減できる。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した形態について、変更した構成に関して説明する。
第1動弁カムおよび第2動弁カムは、共通の1つの機関弁である1つの吸気弁または1つの排気弁を開閉するものであってもよい。
図10に示されるように、インナカム軸40を摺動可能に支持する内側軸受部37が、径方向内方に隆起する隆起部により形成されてもよい。これにより、内側軸受部37が径方向内方に突出しているので、内側軸受部37の軸受面37bの研削が容易になる。
図3,図5に二点鎖線で示されるように、周方向での位置が、ネジ46の位置決め部46bと同じ位置であって、アウタカム軸30の内周面とインナカム軸40の外周面との間に、内周面および外周面の少なくとも一方に、ジャーナル42から軸方向に平行に延びる溝59(例えば、図にはインナカム軸40の外周面に設けられた溝が示されている。)が設けられてもよい。これにより、より多くのオイルを長孔47に流入させることができる。この結果、位置決め部46bおよびカム支持部34、カム支持部34および第2吸気カム43、位置決め部46bおよび取付部45、さらに、カム部44および第2吸気ロッカアーム23bなどの各接触部により多くの潤滑油を供給することができるので、それら接触部の潤滑性が向上する。
アウタカム軸およびインナカム軸において、位相制御機構70および回動トルク入力部T2が、カム軸Cの中間軸Ccを構成する部分、または両端部軸受部15a,15bの間に設けられてもよい。また、クランク軸の駆動トルクをカム軸に伝達する伝動機構および駆動トルク入力部が、中間軸Ccを構成する部分、または両端部軸受部15a,15bの間に設けられてもよい。
位相制御機構が、油圧により軸方向に駆動されると共に内周面(または外周面)にヘリカルスプラインが設けられた円筒状の駆動ピストンを備え、該駆動ピストンを油圧により軸方向に移動させて、該スプラインと噛合するヘリカルスプラインが外周面(または内周面)に設けられたアウタカム軸およびインナカム軸を回動させてもよい。
排気側動弁装置が、前記実施形態での吸気側動弁装置Viと同様の可変動弁装置であり、カム軸が排気カム軸であり、第1,第2動弁カムが第1,第2排気カムであり、第1機関弁および第2機関弁は、内燃機関Eの同種の機関弁である排気弁であり、それぞれ1つの燃焼室に開口する第1,第2排気口を開閉する第1,第2排気弁であってもよい。
同軸状に配置される第1,第2カム軸において、両回動中心線L3,L4は互いに平行で、かつ、両回動中心線L3,L4の一方が回転中心線Liに一致しているか、または両回動中心線L3,L4がいずれも回転中心線Liに一致していなくてもよい。
ネジ46の代わりに軸本体41に圧入されるピンが使用されてもよい。
前記基本状態において、第1,第2吸気カム33,43の間で、バルブタイミングおよび最大リフト量の少なくとも一方が異なっていてもよい。
第1カム軸がインナカム軸であり、第2カム軸がアウタカム軸であってもよい。具体的には、第1位相制御機構の回動部材にインナカム軸が一体に回転するように結合され、第2位相制御機構の本体にインナカム軸が一体に回転するように結合され、第2位相制御機構の回動部材にアウタカム軸が一体に回転するように結合されてもよい。この場合、例えば第2位相制御機構において、径方向内方に本体が配置され、該本体の径方向外方に回動部材が配置される。
第1動弁カムまたは第2動弁カムが、リフト部の高さが異なる2つのカムから構成され、第1ロッカアームまたは第2ロッカアームが連結切換機構により、連結状態および連結解除状態に切換られる2つのロッカアームから構成されてもよい。
前記巻掛け伝動機構は、無端伝動帯としての無端のベルトと、駆動回転体および被動回転体としての駆動プーリおよび被動プーリとを備える伝動機構であってもよい。
位相制御手段は、位相制御機構70のみにより構成されてもよく、この場合には、軸端部Caに一体回転可能に被動スプロケットが設けられる。
図11,図12を参照して、本発明の実施形態と部分的に共通する構造を有し、バルブオーバラップ特性またはバルブタイミングの変更態様の多様化が可能な形態を説明する。なお、図11,図12に示される形態おいて、第1実施形態と同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態の部材と同一の部材または対応する部材については、必要に応じて同一の符号を使用した。
図11に示される動弁装置は、第1実施形態と同様にDOHC型の動弁装置である。この動弁装置の吸気カム軸C3は、アウタカム軸30と、インナカム軸40と、アウタカム軸30の外周側に配置される第3カム軸としての支持カム軸90とから構成され、これらカム軸30,40,90が回転中心線Liを中心に同軸状に配置された三重カム軸である。
第1,第2位相制御機構60,70の本体61,71は、いずれも支持カム軸90の両端部90a,90bにおいて、各端部90a,90bの一部である取付部としてのフランジ90a1,90b1に一体に回転するようにボルトで結合されて取り付けられる。このため、両本体61,71は、連結部材でもある支持カム軸90により一体に回転するように結合されるので、クランク軸5に同期して回転し、第2位相制御機構70の回動部材72は、回動部材62によるアウタカム軸30および第1吸気カム38の回動とは無関係にインナカム軸40および第2吸気カム43を回動させることができる。
そして、第1位相制御機構60は、アウタカム軸30の端部30aおよび支持カム軸90の端部90aから構成される軸端部Caに設けられ、第2位相制御機構70は、インナカム軸40の端部40bおよび支持カム軸90の端部90bから構成される軸端部Cbに設けられる。
支持カム軸90は、フランジ90a1,90b1を除いて円筒状の軸本体91を有し、該軸本体91に設けられたカム支持部93,94に第1,第2吸気カム38,43が回動可能に支持される。円筒状の部材である第1,第2吸気カム38,43が支持カム軸90の外周側に配置される際に、第1,第2吸気カム38,43は、フランジ90a1が軸本体41に固定される前に、軸本体91の端部91aから軸本体91に挿入される。
第2吸気カム43と同様にカム部38cおよび取付部38dを有する第1吸気カム38は、結合手段としての柱状の結合具であるピン97によりアウタカム軸30の軸本体31に一体に回転するように結合されると共に、支持カム軸90の外周側に回動可能に、そして軸方向に移動不能に設けられる。
軸本体31に圧入されるピン97は、軸本体31と第1吸気カム38との位相を等しくするために、取付部38dに嵌合する。カム支持部93には、ピン97が径方向に貫通すると共にアウタカム軸30と支持カム軸90との相対的な回動を許容する空間である長孔98が設けられる。
第2吸気カム43は、ネジ46によりインナカム軸40の軸本体41に一体に結合されると共に、アウタカム軸30および支持カム軸90の外周側に回動可能に設けられる。軸本体31には、ネジ46が径方に貫通すると共にインナカム軸40とアウタカム軸30との相対的な回動を許容する空間である長孔47が設けられ、カム支持部94には、ネジ46が径方向に貫通すると共にインナカム軸40と支持カム軸90との相対的な回動を許容する空間である長孔98が設けられる。
中間軸受部15cの油路51のオイルは、支持カム軸90のジャーナル92に設けられた径方向孔からなる油路58aを通って支持カム軸90の中空部99内に導かれる。アウタカム軸30において支持カム軸90の内側軸受部90eに支持されるジャーナル30eには、油路58aのオイルを油路52に導く環状の油路58bが設けられる。中空部99内のオイルは空隙からなる油路58cを通じて、長孔96,98に導かれて、ネジ46およびピン97とカム支持部93,94との接触部を潤滑し、さらにカム部38c,44と第1,第2吸気ロッカアーム23a,23bとの接触部を潤滑する。
この形態によれば、第2位相制御機構70にアウタカム軸30が結合される構造に関連する作用および効果を除いて、第1実施形態と同様の作用および効果が奏されるほか、次の作用および効果が奏される。
すなわち、第1,第2位相制御機構60,70の本体61,71は、支持カム軸90を介して互いに一体に結合されて、それぞれクランク軸5と同期して一体に回転し、回動部材62,72はそれぞれアウタカム軸30およびインナカム軸40と一体に回動することにより、第1,第2位相制御機構60,70において、アウタカム軸30およびインナカム軸40の一方のカム軸を回動させる一方の位相制御機構は、アウタカム軸30およびインナカム軸40の他方のカム軸の回動および他方の位相制御機構の動作を伴うことなく、クランク角に対する第1,第2吸気カム38,43の位相を互いに独立に変更することができる。
また、第1,第2位相制御機構60,70の本体61,71が、共通の部材である支持カム軸90に固定されるので、第1,第2位相制御機構60,70が相対的に回動可能に固定されるものに比べて、シリンダヘッド2への組付が容易になる。
図12に示される動弁装置は、第1実施形態と同様にDOHC型の動弁装置であり、その吸気カム軸Cは、伝動機構20と、伝動機構20と同じ構造の別の駆動装置としての伝動機構120 とにより回転駆動される。伝動機構120 は、クランク軸5に設けられる駆動スプロケット120 aと被動スプロケット120 bとそれらスプロケット120 a,120 bに掛け渡されるチェーン120 cとを備える。
第2位相制御機構160 は、被動スプロケット120 bが一体成形されて一体に設けられる本体161 と、本体161 に相対回動可能に組み付けられて収容されると共にインナカム軸40の端部40bに一体に回動するようにボルト163 で結合される回動部材162 と、ロック部材164 とを備える。本体161 はクランク軸5および伝動機構120 と同期して一体に回転する。
そして、アウタカム軸30の端部30bは、第2位相制御機構160 に結合されておらず、カム支持部34を構成し、軸方向で端部軸受部15bと該端部軸受部15bに隣接する中間軸受部15cとの間に位置する。このため、両本体61,161 は、クランク軸5に同期して回転し、第2位相制御機構160 の回動部材162 は、第1位相制御機構60の回動部材62および該回動部材62によるアウタカム軸30および第1吸気カム33の回動とは無関係にインナカム軸40および第2吸気カム43を回動させることができる。
この形態によれば、第2位相制御機構70にクランク軸5の駆動トルクが入力されない構造、および、第2位相制御機構70にアウタカム軸30が結合される構造に関連する作用および効果を除いて、第1実施形態と同様の作用および効果が奏されるほか、次の作用および効果が奏される。
第1位相制御機構60において、本体61はクランク軸5と一体に回転し、回動部材62はアウタカム軸30と一体に回動し、第2位相制御機構160 において、本体161 はクランク軸5と一体に回転し、回動部材162 はインナカム軸40と一体に回動することにより、第1,第2位相制御機構60,160 において、アウタカム軸30およびインナカム軸40の一方のカム軸を回動させる一方の位相制御機構は、アウタカム軸30およびインナカム軸40の他方のカム軸の回動および他方の位相制御機構の動作を伴うことなく、クランク角に対する第1,第2吸気カム33,43の位相を互いに独立に変更することができる。
吸気カム軸Cの軸端部Cbを構成するインナカム軸40の端部40bと、吸気カム軸Cの軸端部Caを構成するアウタカム軸30の端部30aとは同一の外径であり、第1,第2位相制御機構60,160 として同一のものが使用されるので、部品の共通化によるコスト削減が可能になる。
内燃機関は、単気筒内燃機関であってもよく、また圧縮点火式内燃機関であってもよい。そして、例えば単気筒内燃機関の場合、第1,第2カム軸は、互いに軸方向での位置で重ならない部分である非重合部のみに第1,第2動弁カムを有していてもよい。
内燃機関は、前記実施形態では車両に使用されるものであったが、鉛直方向を指向するクランク軸を備える船外機等の船舶推進装置に使用されるものであってもよい。
本発明の第1実施形態を示し、本発明が適用された動弁装置を備える内燃機関のシリンダヘッドを中心とした、図2の概略1−1線での要部断面図である。 図1の2−2線を主とした動弁装置の吸気カム軸の断面図である。 図2の3−3線での吸気カム軸の断面図である。 図2の4−4線での吸気カム軸の断面図であり、第2吸気カムにアウタカム軸を挿通させているとき図である。 図2の要部拡大図である。 図1の内燃機関の各運転状態での吸気弁および排気弁の弁作動特性を説明する図である。 本発明の第2実施形態を示し、図2に相当する図である。 図7の8−8線でのカム軸の断面図である。 図7の9−9線でのカム軸の断面図であり、図4に相当する図である。 本発明の変形例を示し、図2の吸気カム軸のジャーナル付近の部分に相当する断面図である。 本発明の第1実施形態と部分的に共通する構造を有する形態を示し、図2に相当する断面図である。 本発明の第1実施形態と部分的に共通する構造を有する別の形態を示し、図2に相当する断面図である。
符号の説明
2…シリンダヘッド、5…クランク軸、6…燃焼室、11a,11b…吸気弁、20,120 …伝動機構、30…アウタカム軸、33,38…第1吸気カム、40…インナカム軸、43…第2吸気カム、60,70…位相制御機構、61,71…本体、62,72…回動部材、90…支持カム軸、
E…内燃機関、V…動弁装置、C,Cs…カム軸。

Claims (3)

  1. 内燃機関に備えられる動弁装置であって、
    駆動装置(5,20)により駆動されて回転中心線(Li)を中心に回転するカム軸(C,Cs)と、前記駆動装置(5,20)により設定される基準位相に対する前記カム軸(C,Cs)の位相を変更する位相制御手段とを備え、前記カム軸(C,Cs)は機関弁を開閉する第1動弁カム(33,38)および第2動弁カム(43)を有する動弁装置において、
    前記カム軸(C,Cs)は、前記回転中心線(Li)を共有すると共に互いに前記回転中心線(Li)の周りに回動可能な第1カム軸および第2カム軸から構成され、
    前記第1カム軸は前記第1動弁カム(33,38)を有し、前記第2カム軸は前記第2動弁カム(43)を有し、
    前記位相制御手段は、前記第1カム軸および前記第2カム軸を一体に回動させることにより、前記基準位相に対する前記第1動弁カム(33,38)の位相および前記第2動弁カム(43)の位相を一体的に変更可能な第1位相制御機構(60)と、前記第1カム軸および前記第2カム軸を相対的に回動させることにより、前記第1動弁カム(33,38)の位相および前記第2動弁カム(43)の位相を相対的に変更可能な第2位相制御機構(70)とから構成されることを特徴とする動弁装置。
  2. 前記機関弁は、前記第1動弁カム(33,38)により開閉される第1機関弁および前記第2動弁カム(43)により開閉される第2機関弁であり、
    前記第1機関弁および前記第2機関弁は、前記内燃機関の1つの燃焼室(6)に開口する第1吸気口(7a)および第2吸気口(7a)をそれぞれ開閉する第1吸気弁(11a)および第2吸気弁(11b)、または前記燃焼室(6)に開口する第1排気口および第2排気口をそれぞれ開閉する第1排気弁および第2排気弁であることを特徴とする請求項1記載の動弁装置。
  3. 前記第1カム軸は、アウタカム軸(30)および前記アウタカム軸(30)内に挿入されたインナカム軸(40)の一方のカム軸であり、
    前記第2カム軸は、前記アウタカム軸(30)および前記インナカム軸(40)の他方のカム軸であり、
    前記第1位相制御機構(60)および前記第2位相制御機構(70)のいずれか一方が、前記カム軸(Cb,Cs)の端部(Ca,Cb)に設けられ
    前記第1位相制御機構(60)および前記第2位相制御機構(70)の他方が、前記カム軸(Cb,Cs)の他端部(Ca,Cb)に設けられ、
    第1位相制御機構(60)第2位相制御機構(70)のそれぞれは、第1部材(61,71)と、前記第1部材(61,71)に対して相対回動可能な第2部材(62,72)とを備え、
    前記第1位相制御機構(60)の前記第1部材(61)は前記駆動装置(5,20)の駆動軸(5)と一体に回転し、前記第1位相制御機構(60)の前記第2部材(62)は前記第1カム軸と一体に回動し、
    前記第2位相制御機構(70)の前記第1部材(71)は前記第1カム軸と一体に回動し、前記第2位相制御機構(70)の前記第2部材(72)は前記第2カム軸と一体に回動することを特徴とする請求項1または2記載の動弁装置。
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