JP6350187B2 - エンジンの動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランクシャフトに対する吸気カムまたは排気カムの回転方向の位相を変化させる位相可変装置を備えて、吸気バルブと排気バルブのバルブタイミングを変更可能とするエンジンの動弁装置に関する。
特許文献1及び2に開示されたエンジンの動弁装置には、エンジンの運転状態に応じてクランクシャフトに対するカムシャフトの回転方向の位相を変化させることで、エンジンの運転状態に応じて吸気バルブと排気バルブのバルブタイミングを変更するバルブタイミング可変装置としてのカムシャフト位相可変装置が提案されている。
このカムシャフト位相可変装置では、カムシャフトに対し回転方向に相対変位可能な従動部材と、カムシャフトに回転一体に設けられたガイド部材との間に複数の遠心ウェイトが介在され、各遠心ウェイトは、従動部材とガイド部材の互いに対向する面に放射状に複数形成されたガイド溝のそれぞれに配設されている。
このうち、一方の例えば従動部材のガイド溝は、従動部材の径方向に対し傾斜して設けられている。従って、遠心ウェイトが遠心力の作用で両ガイド溝内を従動部材及びガイド部材の径方向に移動したとき、ガイド部材が従動部材に対して相対回転し、これにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転方向の位相が変化し、吸気バルブと排気バルブのバルブタイミングが変更される。
特開2013−7293号公報 特開2010−31855号公報
ところが、吸気バルブと排気バルブのバルブタイミングをエンジン回転数に応じて高精度に変更するためには、複数の遠心ウェイトのそれぞれが、複数のガイド溝のそれぞれ内を同時に移動する必要がある。このため、従動部材とガイド部材のそれぞれのガイド溝には高い加工精度が要求される。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、バルブタイミングをエンジン回転数に応じて高精度に切り換えることができると共に、このバルブタイミングの切換に関し動作特性が安定化し且つ応答性を向上できるエンジンの動弁装置を提供することにある。
本発明に係るエンジンの動弁装置は、請求項1に記載のように、クランクシャフトにより回転し、エンジンのバルブを開閉させるカムを備えたカムシャフトと、前記クランクシャフトに対する前記カムの回転方向の位相を相対的に変化させる位相可変装置と、を有するエンジンの動弁装置であって、前記位相可変装置は、前記クランクシャフトの回転が伝達され、前記カムシャフトに対して回転方向に相対変位可能で且つ軸方向に相対変位不能な従動部材と、前記カムシャフトと捩りスプラインを介して一体回転可能に連結され、前記従動部材に対して軸方向に相対変位可能で且つ回転方向に相対変位不能なガイド部材と、前記従動部材とガイド部材間に配設された遠心ウェイトと、前記従動部材及び前記ガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを有し、前記捩りスプラインは、前記カムシャフトに一体に設けられた捩りスプラインキーと、前記ガイド部材の内周に設けられて前記捩りスプラインキーに噛み合う捩りスプライン溝とを備えてなり、前記従動部材と前記ガイド部材の互いに対向する面には、前記遠心ウェイトの移動を案内するガイド溝が、前記従動部材と前記ガイド部材の径方向に直線状に延在して形成され、前記ガイド部材は、前記遠心ウェイトが遠心力の作用で移動することで、前記付勢部材の付勢力の作用下で前記従動部材に対して軸方向に相対変位し、前記捩りスプラインは、前記従動部材に対する前記ガイド部材の軸方向の相対変位を、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の相対変位に変換して、前記クランクシャフトに対する前記カムの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係るエンジンの動弁装置は、請求項2に記載のように、エンジンの吸気バルブ及び排気バルブと、クランクシャフトにより回転し、前記吸気バルブ、前記排気バルブをそれぞれ開閉する吸気カム及び排気カムが設けられたカムシャフトと、前記クランクシャフトに対する前記吸気カムまたは前記排気カムの回転方向の位相を相対的に変化させる位相可変装置と、を有するエンジンの動弁装置であって、前記カムシャフトは、前記吸気カムが設けられた吸気カム側軸部と、前記排気カムが設けられた排気カム側軸部とを有してなり、これらの両軸部が回転方向に相対変位可能に構成され、前記位相可変装置は、前記クランクシャフトの回転が伝達され、前記排気カム側軸部または前記吸気カム側軸部に固定して設けられた従動部材と、前記吸気カム側軸部または排気カム側軸部と捩りスプラインを介して一体回転可能に連結され、前記従動部材に対して軸方向に相対変位可能で且つ回転方向に相対変位不能なガイド部材と、前記従動部材とガイド部材間に配設された遠心ウェイトと、前記従動部材及び前記ガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを有し、前記捩りスプラインは、吸気カム側軸部または排気カム側軸部に一体に設けられた捩りスプラインキーと、前記ガイド部材の内周に設けられて前記捩りスプラインキーに噛み合う捩りスプライン溝とを備えてなり、前記従動部材と前記ガイド部材の互いに対向する面には、前記遠心ウェイトの移動を案内するガイド溝が、前記従動部材と前記ガイド部材の径方向に直線状に延在して形成され、前記ガイド部材は、前記遠心ウェイトが遠心力の作用で移動することで、前記付勢部材の付勢力の作用下で前記従動部材に対して軸方向に相対変位し、前記捩りスプラインは、前記従動部材に対する前記ガイド部材の軸方向の相対変位を、前記クランクシャフトに対する前記吸気カム側軸部または前記排気カム側軸部の回転方向の相対変位に変換して、前記クランクシャフトに対する前記吸気カムまたは前記排気カムの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするものである。
請求項1に記載の本発明によれば、遠心ウェイトがエンジン回転数に応じて生ずる遠心力の作用で移動したとき、ガイド部材は従動部材に対して回転方向に相対変位せず、軸方向にのみ相対変位するので、このガイド部材の相対変位が容易になる。そして、このガイド部材は捩りスプラインを介してカムシャフトに連結されているので、上述の従動部材に対するガイド部材の軸方向の相対変位が捩りスプラインにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転方向の相対変位に変換されて、クランクシャフトに対するカムの回転方向の位相が相対的に変化する。
このように、ガイド部材の軸方向の相対変位が容易になされて、カムシャフトが回転方向に円滑に相対変位するので、バルブタイミングをエンジン回転数に応じて高精度に切り換えることができる。しかも、作動油を用いることなくバルブタイミングを切り換えることができるので、バルブタイミングの切換に関し動作特性が安定化し、且つ応答性も向上する。
また、請求項2に記載の本発明によれば、遠心ウェイトがエンジン回転数に応じて生ずる遠心力の作用で移動したとき、ガイド部材は従動部材に対して回転方向に相対変位せず、軸方向にのみ相対変位するので、このガイド部材の相対変位が容易になる。そして、このガイド部材は捩りスプラインを介して吸気カム側軸部または排気カム側軸部に連結されているので、上述の従動部材に対するガイド部材の軸方向の相対変位が捩りスプラインにより、クランクシャフトに対する吸気カム側軸部または排気カム側軸部の回転方向の相対変位に変換されて、クランクシャフトに対するカムの回転方向の位相が相対的に変化する。
このように、ガイド部材の軸方向の相対変位が容易になされて、吸気カム側軸部または排気カム側軸部が回転方向に円滑に相対変位するので、バルブタイミングをエンジン回転数に応じて高精度に切り換えることができる。しかも、作動油を用いることなくバルブタイミングを切り換えることができるので、バルブタイミングの切換に関し動作特性が安定化し、且つ応答性も向上する。
本発明に係るエンジンの動弁装置における第1実施形態が適用されたSOHC型式の動弁装置を、カムシャフトの軸心に直交する方向で切断し、シリンダヘッド等と共に示す断面図。 図1の動弁装置において吸気バルブ、排気バルブ及びロッカアームなどを除き、シリンダヘッド等と共に示す斜視図。 図2の動弁装置の一部及びシリンダヘッド等を示す平面図。 図3のIV−IV線に沿う断面図。 図2〜図4におけるカムシャフト及び位相可変装置を示す斜視図。 図5のカムシャフト及び位相可変装置を分解して示す斜視図。 図5のカムシャフト及び位相可変装置を分解して示す側面図。 図5のカムシャフト及び位相可変装置を示す側面図。 図8のIX−IX線に沿う断面図。 図8及び図9における排気カム側軸部と位相可変装置の従動部材とを示し、(A)が排気カム側軸部を示す斜視図、(B)が従動部材を示す正面図。 (A)は図8及び図9の従動部材を示す正面図、(B)は図11(A)のXIB−XIB線に沿う断面図。 (A)は、図8及び図9のガイド部材を示す正面図、(B)は、図12(A)のXIIB−XIIB線に沿う断面図。 (A)は図12(A)のXIII−XIII線に沿う断面図、(B)は図13(A)の一部を拡大して示す断面図、(C)は図13(B)の部分拡大図。 図8及び図9の位相可変装置におけるエンジン低回転時域での遠心ウェイトの位置を示す動作説明図。 図8及び図9の位相可変装置におけるエンジン高回転域での遠心ウェイトの位置を示す動作説明図。 本発明に係るエンジンの動弁装置における第2実施形態が適用されたDOHC型式の動弁装置の一部を示す断面図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1〜図15)
図1は、本発明に係るエンジンの動弁装置における第1実施形態が適用されたSOHC型式の動弁装置を、カムシャフトの軸心に直交する方向で切断し、シリンダヘッド等と共に示す断面図である。また、図2は、図1の動弁装置において吸気バルブ、排気バルブ及びロッカアームなどを除き、シリンダヘッド等と共に示す斜視図である。更に、図3は、図2の動弁装置の一部及びシリンダヘッド等を示す平面図である。
図1に示す4サイクル単気筒エンジン10には、シリンダブロック1に接合されたシリンダヘッド11内にSOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)方式の動弁装置12が装備されている。この動弁装置12は、それぞれ1本の吸気バルブ13及び排気バルブ14と、吸気カム15及び排気カム16が設けられた1本のカムシャフト17と、それぞれ1本の吸気ロッカアーム18及び排気ロッカアーム19と、後述の位相可変装置44(図2及び図3)と、を有して構成される。
カムシャフト17に設けられた位相可変装置44の従動部材45(後述)に、図2及び図3に示すカムドリブンスプロケット20が形成される。このカムドリブンスプロケット20は、図示しないカムチェーンを介して、クランクシャフト5(図1)に設けられたカムドライブスプロケット(不図示)に作動的に連結される。これにより、クランクシャフト5の回転がカムチェーンを介してカムシャフト17に伝達されて、カムシャフト17が回転する。このカムシャフト17に吸気カム15及び排気カム16が軸方向に並列して設けられ、例えば排気カム16がカムドリブンスプロケット20側に位置づけられる。
ここで、図1に示すシリンダブロック1には、ピストン2が摺動状態で往復運動するシリンダボア3が形成される。ピストン2の往復運動は、コンロッド4を介してクランクシャフト5に伝達されて回転運動に変換される。
吸気ロッカアーム18及び排気ロッカアーム19は、それぞれがロッカシャフト24に軸支されて揺動可能に設けられ、一端にローラ22が、他端にアジャストスクリュー23がそれぞれ配設される。吸気ロッカアーム18は、ローラ22が吸気カム15に接触して転動可能に設けられ、アジャストスクリュー23が吸気バルブ13に当接する。また、排気ロッカアーム19は、ローラ22が排気カム16に接触して転動可能に設けられ、アジャストスクリュー23が排気バルブ14に当接する。
従って、カムシャフト17の回転により吸気カム15及び排気カム16が回転すると、吸気カム15のカムプロフィールに沿って吸気ロッカアーム18のローラ22が転動することで吸気ロッカアーム18が揺動し、この吸気ロッカアーム18のアジャストスクリュー23が吸気バルブ17を開閉駆動する。と同時に、排気カム16のカムプロフィールに沿って排気ロッカアーム19のローラ22が転動することで排気ロッカアーム19が揺動し、この排気ロッカアーム19のアジャストスクリュー23が排気バルブ14を開閉駆動する。
尚、図1中の符号25はアジャストナット、符号26はバルブスプリングをそれぞれ示す。また、符号21は、シリンダヘッド11に取り付けられて排気バルブ13、吸気バルブ14のそれぞれのステムの移動を案内するステムガイドを示す。
図4に示すように、上述のように構成された動弁装置12のカムシャフト17には、カムドリブンスプロケット20側の一端部に第1ボールベアリング27が配設され、他端部に第2ボールベアリング28が配設される。これらの第1ボールベアリング27及び第2ボールベアリング28は、シリンダヘッド11の上部に設けられたカムシャフトハウジング29に保持されることで、カムシャフト17を回転自在に支持する。
図4及び図5に示すように、吸気カム15及び排気カム16が設けられたカムシャフト17は、図6及び図7に示すように、吸気カム15が一体に形成された吸気カム側軸部31と、排気カム16が一体に形成された排気カム側軸部32とを有してなる。図8及び図9に示すように、吸気カム側軸部31の軸部31Aが排気カム側軸部32内に挿入されることで、この軸部31Aの外側に排気カム側軸部32が同軸状態で配置される。このようにして、吸気カム側軸部31と排気カム側軸部32とは、回転方向に相対変位可能に構成される。
但し、吸気カム側軸部31と排気カム側軸部32との回転方向の相対変位は、後述の所定範囲においてのみ許容される。つまり、図5〜図8に示すように、吸気カム側軸部31は、前記軸部31Aと、この軸部31Aよりも拡径で吸気カム15が形成されたカム形成部31Bとが一体成形されている。この吸気カム側軸部31のカム形成部31Bに係止ピン33が、吸気カム側軸部31の軸心Oに平行で軸部31Aへ向かって突設されている。また、排気カム側軸部32には、排気カム16の側面に、吸気カム側軸部31と排気カム側軸部32との組付状態で係止ピン33を係止する係止溝34が形成されている。
排気カム側軸部32内に同軸状態で配置された吸気カム側軸部31は排気カム側軸部32に対して回転方向に相対変位するとき、吸気カム側軸部31の係止ピン33が排気カム側軸部32の係止溝34の両溝端面35に当接することで、排気カム側軸部32に対する吸気カム側軸部31の回転方向の相対変位が規制される。
一方、図3に示すように、カムシャフトハウジング29には複数、例えば4つのボルト挿通孔36が、カムシャフトハウジング29及びシリンダヘッド11に貫通して形成されている。このボルト挿通孔36に図示しないヘッド締付ボルトが挿通されることで、カムシャフトハウジング29が一体成形されたシリンダヘッド11がシリンダブロック1と共に、図示しないクランクケースに締め付け固定される。
カムシャフトハウジング29には、図3及び図4に示すように、ボルト挿通孔36の少なくとも1つに連通するオイル導入溝37が形成される。また、図4及び図9に示すように、吸気カム側軸部31には、軸心Oに沿って延びるメインオイル溝38が形成されると共に、このメインオイル溝38に連通するサブオイル溝39が、吸気カム側軸部31の径方向に延在して形成される。メインオイル溝38がオイル導入溝37に連通する。また、サブオイル溝39の排出口40は、吸気カム側軸部31の軸部31Aの外周面、つまり排気カム側軸部32との摺接面41に形成された環状溝42に連通する。
従って、図3及び図4に示すように、ボルト挿通孔36内を上昇した潤滑オイルは、カムシャフトハウジング29のオイル導入溝37を経て吸気カム側軸部31のメインオイル溝38へ供給され、更に吸気カム側軸部31のサブオイル溝39から環状溝42内へ供給されて、相対回転可能な吸気カム側軸部31と排気カム側軸部32とを潤滑する。
ところで、図4、図5、図8及び図9に示すように、カムシャフト17には吸気カム15、排気カム16及び位相可変装置44が順次設けられる。この位相可変装置44は、クランクシャフト5に対する吸気カム15または排気カム16(本実施形態では吸気カム15)の回転方向の位相を相対的に変化させるものであり、従動部材45、ガイド部材46、遠心ウェイト47、付勢部材48及びサークリップ49を有して構成される。
本実施形態では、排気カム16は、クランクシャフト5と回転方向に同一の位相で回転駆動されて排気バルブ14を開閉する。これに対し、吸気カム15は、位相可変装置44によって、クランクシャフト5と回転方向に同一の位相または異なった位相で回転駆動されて、吸気バルブ13を開閉する。この位相可変装置44によって、吸気バルブ13のバルブタイミングは、エンジン10の運転状態に応じて制御され、吸気バルブ13の開時期と排気バルブ14の開時期とが重なるバルブオーバーラップが調整される。
例えば、位相可変装置44は、エンジン10の高回転域では、吸気バルブ13と排気バルブ14のバルブオーバーラップを小さく設定して吸気の吹き抜けを防止し、出力及び燃費を向上させると共に、排気中の有害物質の排出を抑制する。また、位相可変装置44は、エンジン10の低回転域では、吸気バルブ13と排気バルブ14のバルブオーバーラップを大きく設定し、吸気の慣性を利用して吸気効率を高め、エンジン10のトルクを向上させる。
従動部材45は、図9及び図11に示すように、外周面にカムドリブンスプロケット20が形成され、カムチェーンを介してクランクシャフト5の回転が伝達されて駆動され、このクランクシャフト5に対して回転方向の位相が一定(つまり同一)に設けられる。更に、図12にも示すように、従動部材45の内周面に嵌合溝53が形成されると共に、排気カム側軸部32の一端部に嵌合凸部54が形成される。これらのカム溝53と嵌合凸部54とが嵌合することで、従動部材45は排気カム側軸部32に固定して設けられる。
また、ガイド部材46は、図4、図6、図7及び図9に示すように、捩り係合機構としての捩りスプライン55(捩りスプラインキー55A及び捩りスプライン溝55B)を介して吸気カム側軸部31に一体回転可能に連結される。つまり、吸気カム側軸部31の軸部31Aには、吸気カム側軸部31の側面視でこの吸気カム側軸部31の軸心Oに対し周方向一方側に捩り角度θ(図7)だけ捩られた捩りスプラインキー55Aが一体に形成される。また、ガイド部材46の内周には、図12(A)及び図13(A)に示すように、捩りスプラインキー55Aに噛み合う捩りスプライン溝55Bが形成されている。
ガイド部材46の捩りスプライン溝55Bが吸気カム側軸部31の捩りスプラインキー55Aに噛み合うことで、ガイド部材46は、吸気カム側軸部31と一体回転可能に連結されると共に、従動部材45に対し軸方向(吸気カム側軸部31の軸心O方向)に相対変位可能に構成される。この従動部材45に対するガイド部材46の軸方向の相対変位は、捩りスプライン55の作用で、クランクシャフト5に対する吸気カム側軸部31の回転方向の相対変位に変換される。
遠心ウェイト47は、図6、図7及び図9に示すように円柱形状に形成され、従動部材45とガイド部材46のそれぞれ複数のガイド溝51、52(後述)間に1個ずつ保持されて複数設けられ、従動部材45の回転をガイド部材46へ伝達する。また付勢部材48は、従動部材45とガイド部材46の少なくとも一方(本実施の形態ではガイド部材46)に、これらの従動部材45及びガイド部材46を互いに接近する方向に付勢する付勢力を与える。更に、サークリップ49は、吸気カム側軸部31の軸部31Aの軸端に取り付けられ、ワッシャ50を介して付勢部材48を保持する。
更に詳説すると、従動部材45には、図9及び図11に示すように、カムドリブンスプロケット20の内側部分でガイド部材46に対向する面に、放射状のガイド溝51が複数形成される。このガイド溝51は、円柱形状の遠心ウェイト47を案内するものであり、この遠心ウェイト47の形状に対応して、図11に示すように断面矩形状の平溝形状に形成される。また、このガイド溝51は、溝深さが一定に形成されると共に、従動部材45の径方向に沿って直線状に延在して形成される。
ガイド部材46は、図9、図12及び図13に示すように、従動部材45と対向する面に放射状のガイド溝52が複数形成される。このガイド溝52は、遠心ウェイト47を案内するものであり、この遠心ウェイト47の形状に対応して、図12に示すように断面矩形状の平溝形状に形成される。また、このガイド溝52は、ガイド部材46の径方向に沿って直線上に延在して形成される。遠心ウェイト47を保持する従動部材45のガイド溝51とガイド部材46のガイド溝52とが共にそれぞれの径方向に沿って直線状に形成されることで、ガイド部材46は、従動部材45に対し回転方向に相対変位不能に構成される。
また、ガイド部材46のガイド溝52には、特に図13に示すように、ガイド部材46の径方向外方へ向かうに従って溝深さが浅くなる勾配が設けられると共に、この勾配は、ガイド部材46の径方向外方へ向かうに従って急峻になるように構成される。つまり、ガイド溝52の溝深さの勾配は、ガイド部材46の径方向内側が勾配αであり、外側が勾配β(β>α)に設定される。勾配αと勾配βは、ガイド溝52の底部のある一点(図13(B)の点X)付近で滑らかに変化するように構成されている。このガイド溝52の勾配α及びβによって、従動部材45のガイド溝51とガイド部材46のガイド溝52とは、径方向外側へ向かうに従って互いの溝底部が接近するように構成される。
具体的には、ガイド部材46のガイド溝52は、径方向内側の勾配αの平面が径方向外側の勾配βの平面に所要の曲率Pの曲面を介して滑らかに連続している。図13(C)に示すように、ある点Xを通る曲面が所要の曲率Pで形成され、この曲面の両側(径方向内側と径方向外側)が勾配αと勾配βの平面に構成されている。
尚、従動部材45のガイド溝51に、従動部材45の径方向へ向かうに従って溝深さが浅くなる勾配が設けられ、この勾配が、従動部材45の径方向外方へ向かうに従って急峻になるように構成されてもよく、更に、ガイド部材46のガイド溝52が溝深さ一定に形成されてもよい。
図4及び図9に示す遠心ウェイト47は、鋼やタングステンなどのように比重の大きな材料にて構成される。また、付勢部材48は、本実施の形態では皿ばねが用いられているが、波板ばね、渦巻ばね(竹の子ばね)等であってもよい。更に、サークリップ49は、吸気カム側軸部31の軸部31Aの軸端に結合され、ワッシャ50を介し付勢部材48を支持して、ガイド部材46との間で付勢部材48を保持する。これにより、付勢部材48の付勢力がガイド部材46に付与される。
このように構成された位相可変装置44では、図9に示すように、遠心ウェイト47に遠心力が作用して、この遠心ウェイト47が従動部材45、ガイド部材46のそれぞれのガイド溝51、52内を径方向外方へ移動すると、ガイド部材46は、付勢部材48の付勢力に抗して、カムシャフト17の吸気カム側軸部31の軸心O方向に沿って従動部材45から離反する方向に移動する。また、遠心ウェイト47に作用する遠心力が減少して、遠心ウェイト47が従動部材45、ガイド部材46のそれぞれのガイド溝51、52内を径方向内方へ移動すると、ガイド部材46は、付勢部材48の付勢力によって、カムシャフト17の吸気カム側軸部31の軸心O方向に沿って従動部材45に接近する方向に移動する。
捩りスプライン55は、ガイド部材46が従動部材45から離反または接近する方向の移動を、吸気カム側軸部31が排気カム側軸部32及び従動部材45に対して、つまりクランクシャフト5に対して回転する回転方向の変位に変換する。この結果、クランクシャフト5に対する吸気カム15の回転方向の位相が相対的に変化し、この吸気カム15により吸気バルブ13の開時期が変更される。
次に、作用を説明する。
図14に示すように、エンジン10が低回転域にあるときには、遠心ウェイト47に作用する遠心力が小さく、この遠心ウェイト47はガイド部材46のガイド溝52の勾配αと付勢部材48の付勢力との作用で、ガイド溝51及び52の径方向内側端の初期位置に留まる。このため、カムシャフト17の吸気カム側軸部31は、カムドリブンスプロケット20(つまりクランクシャフト5)と回転方向の位相が同一となり、この吸気カム側軸部31に一体に形成された吸気カム15は、組み付け時の位相で吸気バルブ13を駆動する。これにより、吸気バルブ13と排気バルブ14は、バルブオーバーラップの大きな低中速用バルブタイミングとなり、中速トルクが向上する。
図15に示すように、エンジン10が高回転域に至ると、遠心ウェイト47に作用する遠心力が大きくなり、この遠心ウェイト47は従動部材45のガイド溝51とガイド部材46のガイド溝52内を径方向外方へ向かって移動する。これにより、ガイド部材46は、ガイド溝52の勾配α及びβの作用で、付勢部材48の付勢力に抗して、カムシャフト17の吸気カム側軸部31における軸心Oに沿う外方側(矢印A方向)へ移動する。
このとき、ガイド部材46とカムシャフト17の吸気カム側軸部31とが捩りスプライン55を介して連結されているので、吸気カム側軸部31は、排気カム側軸部32及び従動部材45(つまりクランクシャフト5)に対して、捩りスプライン55における捩りスプラインキー55Aの捩り角度θ分だけ、図15(B)及び(C)の矢印B方向へ相対回転する。尚、図15(B)及び(C)の矢印B方向の反対方向が、クランクシャフト5の駆動力によるカムシャフト17の回転方向である。
これにより、カムシャフト17の吸気カム側軸部31は、クランクシャフト5に対して、回転方向の位相がカムシャフト17の回転方向Rと反対方向(遅角側)に変化する。従って、この吸気カム側軸部31に一体に形成された吸気カム15は、組み付け時の位相よりも遅角側へ変化した位相で吸気バルブ13を駆動する。この結果、吸気バルブ13と排気バルブ14は、バルブオーバーラップが小さな高速用バルブタイミングとなり、エンジン10の出力及び燃費が向上し、有害物質の排出が抑制される。
エンジン10の回転数が低下すると、遠心ウェイト47に作用する遠心力が小さくなるため、遠心力によってガイド部材46を矢印A方向に移動させる力よりも付勢部材48による付勢力が勝り、この付勢部材48の付勢力の作用でガイド部材46が従動部材45側へ移動し、遠心ウェイト47がガイド溝51及び52の径方向内側へ移動して、ガイド部材46及び遠心ウェイト47は、やがて図14に示す原位置に復帰する。
遠心ウェイト47の原位置への復帰に伴い、ガイド部材46が従動部材45に接近する方向に軸方向に移動することで、捩りスプライン55の作用で、カムシャフト17の吸気カム側軸部31は、排気カム側軸部32及び従動部材45(つまりクランクシャフト5)に対して進角側(図15(B)及び(C)の矢印Bと反対方向)に相対回転して、吸気カム15の位相をクランクシャフト5に対して進角側へ変化させる。この結果、吸気バルブ13と排気バルブ14は、バルブオーバーラップの大きな低中速用バルブタイミングとなり、前述の如く中速トルクが向上する。
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)〜(4)を奏する。
(1)図4及び図9に示すように、遠心ウェイト47が従動部材45のガイド溝51とガイド部材46のガイド溝52間を、エンジン回転数に応じて生ずる遠心力の作用で移動したとき、ガイド部材46が従動部材45に対して回転方向に相対変位せず、軸方向に相対変位する。このため、遠心ウェイト47とガイド溝51及び52との間で摩擦力が減少して遠心ウェイト47の移動が容易になり、複数の遠心ウェイト47が同時に確実に移動するので、従動部材45に対するガイド部材46の軸方向への相対変位も容易になる。
そして、このガイド部材46は、捩りスプライン55を介してカムシャフト17の吸気カム側軸部31に連結されているので、上述の従動部材45に対するガイド部材46の軸方向の相対変位が、捩りスプライン55によって、従動部材45及び排気カム側軸部32(つまりクランクシャフト5)に対する吸気カム側軸部31の回転方向の相対変位に変換されて、クランクシャフト5に対する吸気カム15の回転方向の位相が相対的に変化する。
このように、従動部材45に対するガイド部材46の軸方向の相対変位が容易になされて、捩りスプライン55により、吸気カム15が設けられた吸気カム側軸部31が、クランクシャフト5に対し回転方向に円滑に相対変位するので、吸気バルブ13と排気バルブ14のバルブタイミングを、エンジン回転数に応じて高精度に切り換えることができる。しかも、作動油を用いることなくバルブタイミングを切り換えることができるので、バルブタイミングの切換に関し動作特性が安定化し、且つ応答性も向上する。
(2)図9、図11及び図12に示すように、遠心ウェイト47が円柱形状に形成され、従動部材45、ガイド部材46のそれぞれのガイド溝51、52が遠心ウェイト47の円柱形状に対応して断面矩形状の平溝形状に形成されている。このため、ガイド溝51及び52の加工が容易になってコストを低減できると共に、これらガイド溝51及び52の加工精度を向上させることができる。
(3)図7及び図9に示すように、従動部材45に対するガイド部材46の軸方向の相対変位を、捩りスプライン55が、クランクシャフト5に対する吸気カム側軸部31の回転方向の相対変位に変換することによって、クランクシャフト5に対する吸気カム15の回転方向の位相が相対的に変化する。従って、捩りスプライン55の捩りスプラインキー55Aにおける捩り角度θを変更することで、クランクシャフト5に対する吸気カム15の回転方向の相対変位の程度を調整でき、この結果、吸気バルブ13と排気バルブ14のバルブタイミングの変更の程度を調整できる。
(4)位相可変装置44は、遠心ウェイト47が、従動部材45、ガイド部材46のそれぞれのガイド溝51、52間を遠心力の作用で移動することで、ガイド部材46が、付勢部材48の付勢力の作用下で従動部材45及び排気カム側軸部32に対して軸方向に変位し、捩りスプライン55が、従動部材45及び排気カム側軸部32に対するガイド部材46の軸方向変位を、排気カム側軸部32に対する吸気カム側軸部31の回転方向変位に変換して、吸気カム側軸部31に設けられた吸気カム15のクランクシャフト5に対する回転方向の位相を相対的に変化させる。このため、吸気カム15及び排気カム16が設けられた1本のカムシャフト17を備えるSOHC形式の動弁装置12においても、吸気カム15及び排気カム16の作動中に、吸気バルブ13と排気バルブ14のバルブタイミングを確実に変更することができる。
[B]第2実施形態(図16)
図16は、本発明に係るエンジンの動弁装置における第2実施形態が適用されたDOHC型式の動弁装置の一部を示す断面図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態における動弁装置60が第1実施形態と異なる点は、1本のカムシャフトに吸気カムを、他の一本のカムシャフトに排気カムをそれぞれ備えるDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)型式の動弁装置であり、この動弁装置60に位相可変装置44が適用されている。
つまり、吸気バルブ61を開閉駆動する吸気カム62が一体に形成された吸気カムシャフト63に、位相可変装置44が適用される。具体的には、位相可変装置44は、クランクシャフト5の回転が伝達され、吸気カムシャフト63に対して回転方向に相対変位可能で且つ軸方向に相対変位不能な従動部材45と、吸気カムシャフト63に捩りスプライン55を介して一体回転可能に連結され、従動部材45に対して軸方向に相対変位可能で且つ回転方向に相対変位不能なガイド部材46と、従動部材45のガイド溝51とガイド部材46のガイド溝52間に配設された円柱形状の遠心ウェイト47と、従動部材45及びガイド部材46を互いに接近する方向に付勢する付勢部材48と、を有して構成される。
そして、ガイド部材46は、遠心ウェイト47が遠心力の作用でガイド溝51、52間を、従動部材45及びガイド部材46の径方向に移動することで、付勢部材48の付勢力の作用下で従動部材45に対して軸方向に相対変位する。捩りスプライン55(捩りスプラインキー55A及び捩りスプライン溝55B)は、従動部材45に対するガイド部材46の軸方向の相対変位を、クランクシャフト5に対する吸気カムシャフト63の回転方向の相対変位に変換する。これにより、クランクシャフト5に対する吸気カム62の回転方向の位相が相対的に変化して、吸気バルブと排気バルブのバルブタイミングが変更される。
この第2実施形態においても、従動部材45のガイド溝51は、ガイド部材46のガイド溝52と同様に、従動部材45、ガイド部材46の径方向に直線状に延在して形成され、更に、円柱形状の遠心ウェイト47に対応して断面矩形状の平溝形状に形成されたので、第1実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
例えば、第1実施形態において、符号31を、排気カムが一体に設けられた排気カム側軸部とし、符号32を、吸気カムが一体に設けられた吸気カム側軸部とし、吸気カム側軸部が従動部材45に固定され、排気カム側軸部が、捩りスプライン55を介してガイド部材46に一体回転可能に連結され、これにより、位相可変装置44が、例えばエンジン10の高回転域で、クランクシャフト5に対する排気カムの回転方向の位相を進角側に変化させて、吸気バルブ13と排気バルブ14のバルブタイミングを、バルブオーバーラップの小さな高速用バルブタイミングに変更するよう構成されてもよい。
また、第2実施形態においては、吸気カムシャフト63に代えて排気カムシャフトに位相可変装置44を適用し、エンジン10の高速回転域で、排気カムシャフトの回転方向の位相をクランクシャフト5に対して進角側に変化させて、吸気バルブ13と排気バルブ14のバルブタイミングを、バルブオーバーラップの小さな高速用バルブタイミングに変更するように構成してもよい。
5 クランクシャフト
10 エンジン
12 動弁装置
13 吸気バルブ
14 排気バルブ
15 吸気カム
16 排気カム
17 カムシャフト
31 吸気カム側軸部
32 排気カム側軸部
44 位相可変装置
45 従動部材
46 ガイド部材
47 遠心ウェイト
48 付勢部材
49 サークリップ
51、52 ガイド溝
55 捩りスプライン(捩り係合機構)
55A 捩りスプラインキー
55B 捩りスプライン溝
60 動弁装置
62 吸気カム
63 吸気カムシャフト
θ 捩り角度

Claims (4)

  1. クランクシャフトにより回転し、エンジンのバルブを開閉させるカムを備えたカムシャフトと、
    前記クランクシャフトに対する前記カムの回転方向の位相を相対的に変化させる位相可変装置と、を有するエンジンの動弁装置であって、
    前記位相可変装置は、
    前記クランクシャフトの回転が伝達され、前記カムシャフトに対して回転方向に相対変位可能で且つ軸方向に相対変位不能な従動部材と、
    前記カムシャフトと捩りスプラインを介して一体回転可能に連結され、前記従動部材に対して軸方向に相対変位可能で且つ回転方向に相対変位不能なガイド部材と、
    前記従動部材とガイド部材間に配設された遠心ウェイトと、
    前記従動部材及び前記ガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを有し、
    前記捩りスプラインは、前記カムシャフトに一体に設けられた捩りスプラインキーと、前記ガイド部材の内周に設けられて前記捩りスプラインキーに噛み合う捩りスプライン溝とを備えてなり、
    前記従動部材と前記ガイド部材の互いに対向する面には、前記遠心ウェイトの移動を案内するガイド溝が、前記従動部材と前記ガイド部材の径方向に直線状に延在して形成され、
    前記ガイド部材は、前記遠心ウェイトが遠心力の作用で移動することで、前記付勢部材の付勢力の作用下で前記従動部材に対して軸方向に相対変位し、
    前記捩りスプラインは、前記従動部材に対する前記ガイド部材の軸方向の相対変位を、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転方向の相対変位に変換して、前記クランクシャフトに対する前記カムの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするエンジンの動弁装置。
  2. エンジンの吸気バルブ及び排気バルブと、
    クランクシャフトにより回転し、前記吸気バルブ、前記排気バルブをそれぞれ開閉する吸気カム及び排気カムが設けられたカムシャフトと、
    前記クランクシャフトに対する前記吸気カムまたは前記排気カムの回転方向の位相を相対的に変化させる位相可変装置と、を有するエンジンの動弁装置であって、
    前記カムシャフトは、前記吸気カムが設けられた吸気カム側軸部と、前記排気カムが設けられた排気カム側軸部とを有してなり、これらの両軸部が回転方向に相対変位可能に構成され、
    前記位相可変装置は、
    前記クランクシャフトの回転が伝達され、前記排気カム側軸部または前記吸気カム側軸部に固定して設けられた従動部材と、
    前記吸気カム側軸部または排気カム側軸部と捩りスプラインを介して一体回転可能に連結され、前記従動部材に対して軸方向に相対変位可能で且つ回転方向に相対変位不能なガイド部材と、
    前記従動部材とガイド部材間に配設された遠心ウェイトと、
    前記従動部材及び前記ガイド部材を互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを有し、
    前記捩りスプラインは、吸気カム側軸部または排気カム側軸部に一体に設けられた捩りスプラインキーと、前記ガイド部材の内周に設けられて前記捩りスプラインキーに噛み合う捩りスプライン溝とを備えてなり、
    前記従動部材と前記ガイド部材の互いに対向する面には、前記遠心ウェイトの移動を案内するガイド溝が、前記従動部材と前記ガイド部材の径方向に直線状に延在して形成され、
    前記ガイド部材は、前記遠心ウェイトが遠心力の作用で移動することで、前記付勢部材の付勢力の作用下で前記従動部材に対して軸方向に相対変位し、
    前記捩りスプラインは、前記従動部材に対する前記ガイド部材の軸方向の相対変位を、前記クランクシャフトに対する前記吸気カム側軸部または前記排気カム側軸部の回転方向の相対変位に変換して、前記クランクシャフトに対する前記吸気カムまたは前記排気カムの回転方向の位相を相対的に変化させるように構成されたことを特徴とするエンジンの動弁装置。
  3. 前記遠心ウェイトは円柱形状に形成され、従動部材及びガイド部材の互いに対向する面に形成されて前記遠心ウェイトの移動を案内するガイド溝は、前記遠心ウェイトの形状に対応して断面矩形状に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの動弁装置。
  4. 前記従動部材及び前記ガイド部材は、互いに対向する面に、複数の遠心ウェイトのそれぞれの移動を案内する複数のガイド溝が、径方向に直線状に延在して放射状に形成され、
    前記従動部材と前記ガイド部材の一方の前記ガイド溝は一定の溝深さに形成され、他方の前記ガイド溝は、径方向外方へ向かうに従って溝深さが浅くなる勾配を有して形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエンジンの動弁装置。
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