JP2010270706A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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幸博 藤岡
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Abstract

【課題】一つの位相変更機構により二種のバルブリフト特性を同時に変更可能な可変動弁装置の更なる改良。
【解決手段】クランクシャフト14により回転駆動される第1,第2駆動軸15,16と、第1駆動軸15の外周に揺動可能に設けられて吸気弁17を駆動する揺動カム20と、第2駆動軸16とともに回転して排気弁18を駆動する駆動カム21と、第1駆動軸15の第1駆動偏心軸部22に一端が連結された第1リンク24と、第2駆動軸16の第2駆動偏心軸部23と第1リンク24の他端とを連係する第2リンク25と、を有する。揺動カム20のスライドアーム32は、両リンク24,25を回転可能に連結する連結ピン26のスリット33にスライド可能に嵌合している。位相変更機構30により第2駆動軸16の回転位相を変化させると、排気弁18の開閉時期が変化するとともに、吸気弁17の作動角、バルブリフト量及び中心角が変化する。
【選択図】図4

Description

この発明は、内燃機関の運転状態に応じて吸気弁,排気弁のバルブリフト特性を変更可能な可変動弁装置に関する。
周知にように、機関低速低負荷時における燃費の改善や安定した運転性並びに高速高負荷時における吸気の充填効率の向上による十分な出力を確保する等のために、吸・排気弁のバルブリフト特性を可変制御する可変動弁装置が従来から種々提供されており、その一例として、特開2000−213318号公報に記載されているものが知られている。
この可変動装置は、内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して回転する第1駆動軸及び第2駆動軸と、上記第1駆動軸の外周に相対回転可能に設けられ、吸気弁を駆動する揺動カムと、上記第2駆動軸と一体的に回転して排気弁を駆動する駆動カムと、上記第1駆動軸の外周に偏心して設けられた第1駆動偏心軸部と、この第1駆動偏心軸部の外周に相対回転可能に設けられたリング状リンクと、上記第2駆動軸の外周に偏心して設けられた第2駆動偏心軸部と、この第2駆動偏心軸部の外周に相対回転可能に設けられ、その一端が上記リング状リンクの先端に連結するロッカアームと、このロッカアームの他端と上記揺動カムの先端とを連結するロッド状リンクと、クランクシャフトに対する第2駆動軸(あるいは第1駆動軸)の回転位相を変化させる位相変更機構と、を有している。
このような構成により、機関の回転に連動して第1駆動軸が回転すると、第1駆動偏心軸部を介してリング状リンクが並進作動し、これに連結するロッカアームが第2駆動偏心軸部の軸心周りに揺動する。これにより、ロッカアームにロッド状リンクを介して連結する揺動カムが揺動し、吸気弁が開閉駆動される。また、機関の回転に連動して第2駆動軸が回転すると、駆動カムにより排気弁が開閉駆動される。そして、位相変更機構により機関運転状態に応じてクランクシャフトに対する第2駆動軸の回転位相を変化させることで、排気弁のリフト中心角が遅角・進角し、排気弁の開時期及び閉時期が同時に同じ量だけ遅角・進角するとともに、吸気弁のリフト量及び作動角が拡大・縮小する。
このような可変動弁装置によれば、一つのアクチュエータとしての位相変更機構により第2駆動軸の回転位相を変化させることで、吸・排気弁における二種類のバルブリフト特性をそれぞれ変化させることができ、すなわち一つの位相変更機構が2種のバルブリフト特性を可変とするアクチュエータを兼用する形となるので、2つのアクチュエータにより個別にバルブリフト特性を変化させる場合に比して、構成の簡素化,コンパクト化等を図ることができる。また、同一の位相変更機構により吸気弁と排気弁のバルブリフト特性が一義的に変化するため、制御が簡素化されるとともに、制御の異常等により吸・排気弁とピストンとの干渉を招くおそれがなく、信頼性に優れており、また、このような干渉を回避するために制御可能範囲を過度に制限する必要もない。
特開2000−213318号公報
しかしながら、上記従来の可変動弁装置にあっては、揺動カムを駆動するためのリンク部品、すなわち揺動カムと第1,第2駆動軸の駆動偏心軸部とを連結するリンク部品として、リング状リンク,ロッカアーム及びロッド状リンクの3つのリンク部品を必要とし、部品点数が比較的多いことから、これに伴ってリンク連結部分や軸受部分も増し、装置の大型化・重量増加や高コスト化が避けられず、更なる簡素化・軽量化が望まれる。
また、これら3つのリンク部品及び揺動カムの連結部分の全てが、連結ピン等により一点で回転可能に連結されるていることから、高い寸法精度が要求されるとともに、リンクジオメトリの制約が厳しく、レイアウトや揺動カムによるバルブリフト特性の設定の制限も大きなものとなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、上述した特許文献1のものと同様、一つの位相変更手段によって2種のバルブリフト特性を変更可能な可変動弁装置において、リンク部品点数を更に削減し、更なる構成の簡素化・軽量化を図りつつ、レイアウトや揺動カムによるバルブリフト特性の設定の自由度を確保した新規な可変動弁装置を提供することを目的としている。
そこで、本発明に係る内燃機関の可変動弁装置は、
内燃機関の機関出力軸により回転駆動される第1駆動軸及び第2駆動軸と、
上記第1駆動軸の外周に揺動可能に設けられ、自身の揺動動作に伴って吸気弁又は排気弁の一方を駆動する揺動カムと、
上記第2駆動軸と一体的に回転し、吸気弁又は排気弁の他方を駆動する駆動カムと、
上記第1駆動軸に偏心して設けられた第1駆動偏心軸部と、
この第1駆動偏心軸部に一端が相対回転可能に連結された第1リンクと、
上記第2駆動軸に偏心して設けられた第2駆動偏心軸部と、
この第2駆動偏心軸部に一端が相対回転可能に連結され、他端が上記第1リンクの他端と相対回転可能に連結された第2リンクと、
上記機関出力軸に対する第1駆動軸もしくは第2駆動軸の回転位相を変化させる位相変更手段と、を有し、
上記揺動カムは、上記第1リンク又は第2リンクとスライド可能に係合し、第1リンク及び第2リンクの動作に伴い揺動するように構成されていることを特徴としている。
このような構成により、機関出力軸により第1駆動軸,第2駆動軸が回転すると、第1リンク及び第2リンクの作動に伴い、第1リンク又は第2リンクとスライド可能に係合する揺動カムが揺動し、吸気弁又は排気弁の一方が開閉駆動されるとともに、第2駆動軸の駆動カムにより吸気弁又は排気弁の他方が開閉駆動される。
そして、例えば上記位相変更手段により排気弁側の第2駆動軸の回転位相を機関出力軸に対して変化させると、第2駆動軸の駆動カムにより駆動される排気弁のリフト中心角の位相が遅角・進角するとともに、揺動カムの揺動特性が変化して、揺動カムにより駆動される吸気弁のリフト量及び作動角が拡大・縮小する。すなわち、一つの位相変更手段によって、吸気弁と排気弁の双方のバルブリフト特性をそれぞれ変化させることができる。
あるいは、上記位相変更手段により吸気弁側の第1駆動軸の回転位相を変化させる構成の場合には、一つの位相変更手段によって吸気弁における二種のバルブリフト特性を変更することとなる。
本発明によれば、一つの位相変更手段により吸気弁と排気弁の双方又は一方における二種類のバルブリフト特性を同時に変化させることができる。このため、2つのアクチュエータにより個別にバルブリフト特性を変化させる場合に比して、構成の簡素化,コンパクト化等を図ることができるとともに、制御が簡素化され、制御の異常等により吸・排気弁とピストンとの干渉を招くおそれがなく、信頼性に優れており、また、このような干渉を回避するために制御可能範囲を過度に制限する必要もない。
そして、揺動カムと第1,第2駆動軸の第1,第2駆動偏心軸部とを連結するリンク部品を、実質的に第1リンクと第2リンクの2つのリンク部品とすることができ、部品点数が少なく、その連結部分も少なくなることから、軽量化・コンパクト化を図ることができる。
更に、第1リンクもしくは第2リンクと揺動カムとが互いにスライド可能であるため、上記特許文献1のようにリンク部品や揺動カムの連結部分の全てが連結ピン等により一点で連結されるものに比して、寸法精度の要求が緩和され、また、各部品のレイアウト,リンクジオメトリや揺動カムによるバルブリフト特性の設定の自由度も確保されている。このため、例えば吸気弁と排気弁の一方の開時期と閉時期とを同時に同じ量だけ遅角・進角させるとともに、吸気弁と排気弁の他方のバルブリフト量と作動角の双方を拡大・縮小しつつ、その作動角の中心角を適宜に遅角・進角させるなどの、二種のバルブリフト特性の設定を実現することが可能となる。
本発明に係る内燃機関の可変動弁装置の一例を示す構成図。 吸気弁の小作動角の設定における所定のクランク角毎(a)〜(f)毎のリンクジオメトリを示す説明図。 吸気弁の大作動角の設定における所定のクランク角毎(a)〜(f)毎のリンクジオメトリを示す説明図。 本発明の第1実施例に係る内燃機関の可変動弁装置を示す構成図。 上記第1実施例の吸気弁と排気弁のバルブリフト特性の変化を示す説明図。 上記第1実施例のリンクジオメトリを示す構成図。 上記第1実施例に係る吸気弁のバルブリフト特性を示す説明図。 第1比較例に係る吸気弁のバルブリフト特性を示す説明図。 第2比較例に係る吸気弁のバルブリフト特性を示す説明図。 第3比較例に係る吸気弁のバルブリフト特性を示す説明図。 本発明の第2実施例に係る内燃機関の可変動弁装置を示す構成図。 本発明の第3実施例に係る内燃機関の可変動弁装置を示す構成図。 本発明の第4実施例に係る内燃機関の可変動弁装置を示す構成図。 本発明の第5実施例に係る内燃機関の可変動弁装置を示す構成図。
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。先ず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施例に係る内燃機関の可変動弁装置の構成について説明する。なお、図1〜図3では、後述する揺動カム20や駆動偏心軸部22,23等の形状が図4等に示す第1実施例と若干異なる異なるものとして描かれているが、基本的な構成や動作は同じである。
図4にも示すように、可変動弁装置10は、タイミングチェーン11及び吸気,排気スプロケット12,13を介して内燃機関の機関出力軸としてのクランクシャフト14により回転駆動される吸気弁側の第1駆動軸15及び排気弁側の第2駆動軸16と、を有している。各駆動軸15,16は、軸受部材1を介してシリンダヘッド2側に回転可能に支持され(図1〜図3参照)、それぞれ吸気弁17と排気弁18のバルブリフタ17A,18Aの上方に配置されている。
また、可変動弁装置10は、第1駆動軸15の外周に揺動可能に設けられ、自身の揺動動作に伴って吸気弁17のバルブリフタ17Aを押圧し、吸気弁17を開閉駆動する揺動カム20と、上記第2駆動軸16の外周に設けられ、この第2駆動軸16と一体的に回転することで、排気弁18のバルブリフタ18Aを押圧し、排気弁18を開閉駆動する駆動カム21と、第1駆動軸15に偏心して設けられ、この第1駆動軸15と一体的に回転する第1駆動偏心軸部22と、上記第2駆動軸16に偏心して設けられ、この第2駆動軸16と一体的に回転する第2駆動偏心軸部23と、第1駆動偏心軸部22に一端の大径部が相対回転可能に連結された第1リンク24と、第2駆動偏心軸部23に一端が相対回転可能に連結され、他端が第1リンク24の他端の小径部と連結ピン26により相対回転可能に連結され、第1駆動軸15側から第2駆動軸16側へ掛け渡されたロッド状の第2リンク25と、クランクシャフト14に対する第2駆動軸16の回転位相を変化させる位相変更手段としての位相変更機構30と、を有している。
位相変更機構30は、排気スプロケット13に対する第2駆動軸(排気駆動軸)16の回転位相を変化させることで、排気弁18の開時期及び閉時期を両者同時に同じ量だけ遅角・進角させるように、機関運転状態に応じて図示せぬ制御部により駆動制御されるものであり、この構成自体は公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
そして、上記揺動カム20は、上記第1,第2リンク24,25とスライド可能に係合しており、これらリンク24,リンク25の動作に伴い揺動するように構成されている。詳しくは、揺動カム20には、吸気バルブリフタ17Aを押圧するカムノーズ31とは別に、径方向に延びる棒状のスライドアーム32が一体的に形成されている。一方、第1リンク24と第2リンク25とを回転可能に連結する連結ピン26には、両リンク24,25との嵌合部分よりも側方(図1〜図4の紙面の手前側)へ延びた延長部に、上記スライドアーム32がスライド可能・に挿通・嵌合するスリット33が径方向に貫通形成されている。
図2は、第1駆動偏心軸部22と、第2駆動偏心軸部23とがほぼ同位相で同じ向きに回転する場合、図3は、位相変更機構30により、第1駆動偏心軸部22に対し、第2駆動偏心軸部23が相対的に遅れて同じ向きに回転する場合について、略等しい駆動軸角度間隔毎のリンク姿勢を示したもので、(a)から(f)までで駆動軸1回転分を表している。
上記の構成により、図2及び図3に示すように、クランクシャフト14に連動して第1駆動軸15と第2駆動軸16とがクランクシャフト14と同方向に回転すると、第1リンク24及び第2リンク25の動きに連動して、スライドアーム32がスリット33内を移動し、これに伴って揺動カム20が揺動して、吸気弁17が開閉駆動されるとともに、第2駆動軸16に設けられた駆動カム21により排気弁18が開閉駆動される。
また、位相変更機構30により第2駆動軸16のクランクシャフト14に対する回転位相、より具体的にはクランクシャフト14により駆動される排気スプロケット13に対する回転位相を変化させることで、図5に示すように、排気弁18の開時期及び閉時期が遅角・進角するとともに、クランク角に対する第1リンク24及び第2リンク25の姿勢が変化することで、スライドアーム32を介して揺動カム20の揺動動作が変化し、吸気弁17の作動角とバルブリフト量が両者同時かつ連続的に拡大・縮小するとともに、この吸気弁の作動角の中心角(中心位相)が遅角・進角する。つまり、吸気弁のリフト・作動角の増減に伴い、吸気弁の開時期がほぼ一定のまま、吸気弁の閉時期が大きく遅角・進角する。
このように、一つの位相変更機構30により2種のバルブリフト特性、つまり吸気弁の作動角・リフト量と、排気弁の開閉時期と、を同時に変化させることができ、2種のバルブリフト特性を別々のアクチュエータで作動させる場合に比して、部品点数が少なくてすみ、軽量化・コンパクト化を図ることができる。
また、揺動カム20と第1,第2駆動軸15,16の第1,第2駆動偏心軸部22,23とを連結するリンク部品を、実質的に第1リンク24と第2リンク25の2つのリンク部品とすることができ、部品点数が少なく、その連結部分も少なくなることから、軽量化・コンパクト化を図ることができる。
しかも、第1,第2リンク24,25と揺動カム20とがスライド可能に係合する構成とすることで、寸法精度が過度に要求されることもなく、かつ、レイアウトやバルブリフト特性の設定の自由度が高い。従って、図5にも示すように、排気弁の開閉時期(中心角)を進角させると、吸気弁の作動角及びバルブリフト量が縮小するとともに、吸気弁の作動角の中心角が進角する設定とすることができ、これによって、吸気弁の開時期を一定に保ちつつ、機関運転状態に応じて排気弁の開閉時期(中心角)を遅角・進角させつつ、吸気弁の作動角及びバルブリフト量を拡大・縮小するとともに、吸気弁の閉時期を遅角・進角させることができる。
このような設定により、アイドル運転時やコースト運転時(減速運転時)には、排気弁の開閉時期を最進角位置とすることで、排気弁閉時期及び吸気弁開時期を排気上死点近傍に保持しつつ、吸気弁の作動角・リフト量を極小状態とすることができる。また、このアイドル・コースト時よりも負荷の高いパーシャル域での運転時には、上記アイドル・コースト時に比して、排気弁の開閉時期を遅角することで、要求吸入空気量に見合う形で吸気弁の作動角・リフト量が拡大し、かつ、吸気弁の開時期を排気上死点近傍に維持したまま排気弁閉時期が遅角することで排気上死点付近に適宜なバルブオーバーラップを付与することができる。更に負荷が高い低速高負荷時には、排気弁の開閉時期を更に遅角することで、要求吸入空気量の増加に応じて吸気弁のリフト・作動角が拡大するとともに、吸気弁の開時期を排気上死点近傍に維持したまま、排気弁閉時期の更なる遅角化によりバルブオーバーラップを更に拡大し、吸気充填効率を向上することができる。
図6は、本発明の第1実施例に係る可変動弁装置10のリンクジオメトリ、つまりリンク寸法の比を示し、図7は、第1実施例の吸気弁のバルブリフト特性を示している。また、図8〜図10は、比較例に係る吸気弁のバルブリフト特性を示している。なお、図7〜図10において、ラインBCより下側がベースサークル区間となり、ラインBCより上側がリフト区間となり、右欄Fの数値はクランクシャフト14に対する第2駆動軸16の回転位相差(カム角)を表している。
図6に示すように、第1実施例では、第1リンク24のリンク長さ(第1駆動偏心軸部22の中心と連結ピン26の中心間距離)、第2リンク25のリンク長さ(連結ピン26と第2駆動偏心軸部23の中心間距離)、第1駆動軸15の回転中心に対する第1駆動偏心軸部22の中心の偏心量、第2駆動軸16の回転中心に対する第2駆動偏心軸部23の中心の偏心量、及び第1駆動軸15の回転中心と第2駆動軸16の回転中心との軸間距離、の長さの比が、「45:85:20:20:75」となっている。また、第1,第2駆動軸15,16の双方の回転方向をクランクシャフト14の回転方向と同方向としている(図4参照)。更に、第1リンク24のリンク長さ(45)が、第2リンク25のリンク長さ(85)以下である。加えて、第1駆動偏心軸部22の偏心量(20)が、第2駆動偏心軸部23の偏心量(20)以上であり、特に、この実施例では同じ値としている。
このような設定により、本実施例においては、上述したように排気弁の開閉時期を遅角・進角させた場合に、吸気弁の開時期をほぼ一定に保ちつつ、吸気弁のバルブリフト量と作動角とを同時に拡大・縮小し、かつ、吸気弁閉時期を遅角・進角させることができる。また、図7に示す如く、吸気弁の開き側上り区間の速度が閉じ側下り区間の速度よりも低いため、ピストンと吸気弁との干渉を回避回避に有利であり、ピストン冠面上に凹設されるバルブリセスを小さく抑えることが可能となる。更に、少作動角時に(最大)リフト量が過小となると、一種のチョーク現象により吸入空気量が過小となるおそれがあるが、本実施例では、少作動角側でも(最大)リフト量が過度に低くなることがなく、適切なリフト量が得られるリフト曲線となっている。
このような特性は、第1駆動軸15と第2駆動軸16の回転方向が同一であることや、第1リンク24のリンク長さが、第2リンク25のリンク長さ以下であることなどが、相互に相関し合って達成される。この点について、図2および図3を使って補足をすると、図2のように、第1駆動偏心軸部22と、第2駆動偏心軸部23とがほぼ同位相(位相差≒0)で同じ向きに回転する場合、連結ピン26付近は、第2リンク25の長さと第1リンク24の長さの関係から第1駆動軸15のほぼ真上にあって、円運動に近い動きを行う。その結果スライドアーム32を通じて揺動する揺動カム20の動きは、図7のC(位相差=0)に近いものとなる。一方、位相変更機構30により第1駆動偏心軸部22と第2駆動偏心軸部23の位相を変化させ、図3のように、第1駆動偏心軸部22に対し、第2駆動偏心軸部23が相対的に遅れて同じ向きに回転するようにした場合は、第2リンク25の動きが第1リンク24の動きから遅れるようになる。すなわち、揺動カム20がバルブリフタを押し始めるまでの(a)から(c)までの間は、第2リンク25が、第1リンク24の動きに対して相対的に図中右側に留まることで、スライドアーム32の揺動カム押し側(リフト拡大側)へ回転する速度を抑制する効果がある。このようにバルブリフタを押し始める時期に、スライドアーム32の回転速度を抑制することは、バルブの開き側の速度を小さくすることに寄与する。そして、第1駆動偏心軸部22と第2駆動偏心軸部23の位相を変化させる、すなわち、リフトまたは作動角を変化させる場合に、バルブリフタを押し始める(バルブを開き始める)時期が、リフト変化または作動角変化に依らずにほぼ一定に保たれることにも寄与する。一方、バルブリフタを押し下げた後、元に戻るまでの(c)から(e)までの間は、第2リンク25が、第1リンク24の動きに対して相対的に遅れたタイミングで図中右側へと移動するので、スライドアーム32の揺動カム戻し側(リフト縮小側)へ回転する速度を増大する効果がある。バルブリフタを戻すとき(バルブを閉じ側に動かすとき)に、スライドアーム32の回転速度を増大させることは、バルブの閉じ側の速度を大きくすることに寄与する(図7参照)。このようにして、相対的に速度の遅い開き側の揺動角プロフィールは上死点付近におけるピストンとの干渉回避に役立ち、速度の速い閉じ側の揺動角プロフィールは吸気行程での十分な吸入空気量の確保に役立つ。そして、第1リンク24の長さが第2リンク25の長さ以下とされていることにより、第1駆動軸15のほぼ真上に連結ピン26付近が位置することから、スライドアーム32の長さを望ましく短くして、スライドアーム32を備える揺動カム20を強度的に優れたものとすることができる。
また、上記の図2は、図7のBまたはCの状態に近く、図3は、DあるいはEの状態に近い。これまで説明したリンクジオメトリにおいて、図7のBまたはCの状態から、DあるいはEの状態へとプロフィールを変化させるためには、第2駆動軸16を、(クランクシャフトに同期してクランクシャフトの半分の回転数で回転する)第1駆動軸15に対して、ほぼ同じ位相から所定角度遅らせた位相までの範囲で相対回転させる。このようにして、排気弁の開閉時期(中心角)を進角させた場合(駆動軸の位相差で表せば、遅れた状態から同位相の状態に戻すように動かした場合)には、吸気弁の作動角及びバルブリフト量が縮小するとともに、吸気弁の作動角の中心角が進角する設定とすることができ、これによって、吸気弁の開時期を一定に保ちつつ、機関運転状態に応じて排気弁の開閉時期(中心角)を遅角・進角させつつ、吸気弁の作動角及びバルブリフト量を拡大・縮小するとともに、吸気弁の閉時期を遅角・進角させることができる。
一方、図8に示す第1比較例では、リンクジオメトリを同じにしたままで、吸気駆動軸と排気駆動軸の回転方向が逆方向となっており、この場合、小作動角側で吸気弁開時期が進角し過ぎてしまい、小作動角側の設定を用いるアイドル等での燃焼安定性を確保することが困難となる。これに対して図7の本実施例では、第1,第2駆動軸15,16の回転方向を同方向としているため、吸気弁開時期をほぼ一定に保ちながら吸気弁のリフト量及び作動角を拡大・縮小させることができる。また、既存の一般的な内燃機関における吸気・排気カムシャフトと同様、チェーン11やスプロケット12,13を用いて第1,第2駆動軸15,16を同方向に簡便に駆動することができる。
図9に示す第2比較例では、図7の第1実施例に対し、第2リンク25の長さのみを「65」としている(他の比は同じまま)。この場合にも、図8に示す第1比較例と同様、小作動角側で吸気弁開時期が進角し過ぎてしまう。図10に示す第3比較例では、図7の第1実施例に対し、第1駆動偏心軸部22の偏心量(15)を、第2駆動偏心軸部23の偏心量(25)よりも小さくしている(他の比は同じまま)。この場合、揺動カムが360度回転するジオメトリとなってしまう。
すなわち、本実施例では、吸気駆動軸と排気駆動軸の回転方向を同方向、第1リンク24のリンク長さを第2リンク25のリンク長さ以下とし、第1駆動偏心軸部22の偏心量を第2駆動偏心軸部23の偏心量以上とすることで、上述したような吸気弁開時期を一定に保ちながら吸気弁のリフト・作動角を増減させるというバルブリフト特性を実現することができる。
上記の通り、吸気駆動軸と排気駆動軸の回転方向を同方向、第1リンク24のリンク長さを第2リンク25のリンク長さ以下とし、第1駆動偏心軸部22の偏心量を第2駆動偏心軸部23の偏心量以上とすることは、上で述べてきたようなリフトプロフィール特性を得つつ、レイアウトの点でも優れたジオメトリを実現するのに役立つ要件として挙げることができるが、他の条件についても変えることを前提にしたならば、必ずしも発明はこれらの条件を具備していなければならない、という訳ではない。すなわち、上記の比較例は、その他の条件に変わりが無かりせばとの前提があってのことであって、上記の変更点として挙げられた点が全てにおいて望ましくない、ということを示すものでない。
図11〜図14は本発明の他の実施例を示している。なお、上記実施例と共通する構成には同じ参照符号を付して重複する説明を省略し、上記実施例と異なる部分について主に説明する。
図11に示す第2実施例では、第1リンク24と第2リンク25とを連結する連結ピン26とは別体の補助ピン40を第2リンク25に回転可能に装着し、この補助ピン40に、揺動カム20のスライドアーム32がスライド可能に嵌合するスリット33を形成している。補助ピン40は、第2リンク25における連結ピン26の軸受部と第2駆動偏心軸部23の軸受部との間に設けられた円筒状の軸受部に回転可能に嵌合している。
図12に示す第3実施例では、スライドアーム32がスライド可能に嵌合するスリット33が形成された補助ピン41を、第1リンク24における連結ピン26の近傍に設けられた軸受部に回転可能に取り付けている。
図13に示す第4実施例では、第2リンク25を連結ピン26の部分で折曲するL字状に形成し、その一端に設けられた円筒状の軸受部に、スライドアーム32がスライド可能に嵌合するスリット33が回転可能に装着されている。
レイアウトの制約等によって第1実施例のように連結ピン26にスリット33を形成できない場合には、これら第2〜4実施例のように補助ピン40〜42を用いて揺動カム20と第1リンク24もしくは第2リンク25とをスライド可能に係合させるようにしても善い。これらの第2〜第4実施例では、補助ピンの分、第1実施例に比して部品点数が増加するものの、レイアウトの自由度が高くなり、例えば図11〜図13に示すように補助ピン40〜42を揺動カム20の揺動中心である第1駆動軸15に近づけて配置することで、スライドレバー32を短縮し、このスライドレバー32の軌跡範囲を縮小して、機関搭載性を向上することができる。
図14に示す第5実施例では、スプリング43により揺動カム20のスライドアーム32を第2リンク25における連結ピン26側の端部に押し付けている。この場合にも、上記第1〜第4実施例と同様、第2リンク25の動きに応じて、揺動カム20のスライドアーム32が第2リンク25に対してスライドしつつ、揺動カム20が揺動することとなる。このような第5実施例においても、上記第1〜第4実施例とほぼ同様の効果が得られるものの、スプリング43の反力によりフリクションが増加することとなる点では、第1〜第4実施例のようにスプリングを用いる必要のない構造が有利である。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、上記第4実施例では、スプリング43により揺動カム20の一部を第2リンク25の作動部分に押し付けているが、第1リンク24の作動部分に押し付ける構造としてもよい。また、上記実施例では第1駆動軸を吸気弁側、第2駆動軸を排気弁側に配置しているが、これとは逆に第1駆動軸を排気弁側、第2駆動軸を吸気弁側としてもよい。
更に、上記実施例では位相変更機構(位相変更手段)によりクランクシャフトに対する第2駆動軸の回転位相を変化させるようにしているが、第1駆動軸の回転位相を変化させるようにしてもよい。この場合、第1駆動軸側の吸気弁もしくは排気弁における二種のバルブリフト特性が変更されることとなる。
10…可変動弁装置
14…クランクシャフト(機関出力軸)
15…第1駆動軸
16…第2駆動軸
17…吸気弁
18…排気弁
20…揺動カム
21…駆動カム
22…第1駆動偏心軸部
23…第2駆動偏心軸部
24…第1リンク
25…第2リンク
26…連結ピン
30…位相変更機構(位相変更手段)
32…スライドアーム
33…スリット
40−42…補助ピン
43…スプリング

Claims (8)

  1. 内燃機関の機関出力軸により回転駆動される第1駆動軸及び第2駆動軸と、
    上記第1駆動軸の外周に揺動可能に設けられ、自身の揺動動作に伴って吸気弁又は排気弁の一方を駆動する揺動カムと、
    上記第2駆動軸と一体的に回転し、吸気弁又は排気弁の他方を駆動する駆動カムと、
    上記第1駆動軸に偏心して設けられた第1駆動偏心軸部と、
    この第1駆動偏心軸部に一端が相対回転可能に連結された第1リンクと、
    上記第2駆動軸に偏心して設けられた第2駆動偏心軸部と、
    この第2駆動偏心軸部に一端が相対回転可能に連結され、他端が上記第1リンクの他端と相対回転可能に連結された第2リンクと、
    上記機関出力軸に対する第1駆動軸もしくは第2駆動軸の回転位相を変化させる位相変更手段と、を有し、
    上記揺動カムは、上記第1リンク又は第2リンクとスライド可能に係合し、第1リンク及び第2リンクの動作に伴い揺動するように構成されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 上記位相変更手段により機関出力軸に対する第2駆動軸の回転位相を変化させることによって、吸気弁及び排気弁のバルブリフト特性がそれぞれ変化することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 上記揺動カムにより吸気弁が駆動され、上記駆動カムにより排気弁が駆動され、
    上記制御手段により機関出力軸に対する第2駆動軸の回転位相を変化させることによって、排気弁の開時期及び閉時期が同時に同じ量だけ遅角・進角するとともに、吸気弁のバルブリフト量及び作動角が拡大・縮小することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 上記排気弁の開閉時期が進角すると、上記吸気弁の作動角及びバルブリフト量が縮小するとともに、この吸気弁の作動角の中心角が進角するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 上記第1リンクの他端と第2リンクの他端とを相対回転可能に連結する連結ピンを有し、
    上記揺動カムが、上記連結ピンに径方向に貫通形成されたスリットにスライド可能に嵌合するスライドレバーを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 上記第1駆動軸と第2駆動軸の回転方向が同一であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  7. 上記第1リンクのリンク長さが、上記第2リンクのリンク長さ以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  8. 上記第1駆動軸の回転中心に対する第1駆動偏心軸部の偏心量が、上記第2駆動軸の回転中心に対する第2駆動偏心軸部の偏心量以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
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