JP2010027665A - セラミック多層配線板の製造方法およびセラミック多層配線板 - Google Patents

セラミック多層配線板の製造方法およびセラミック多層配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミック多層配線板の各層における寸法精度を高精度にすることができるとともに、セラミック多層配線板の積層枚数にかかわらずにセラミック多層配線板の設備費用を安価にすることができるセラミック多層配線板の製造方法およびセラミック多層配線板を提供する。
【解決手段】本発明のセラミック多層配線板1の製造方法においては、4層のセラミックグリーンシート21、22、23、24は、1枚マザーシート2に各層の配線パターンのすべてを形成した後にマザーシート2を分割することにより形成されている。そしてこれらを積層焼成することにより本発明のセラミック多層配線板1が得られる。これより、全層のセラミックグリーンシート21、22、23、24の製造時期が一致し、それらの有機溶剤の揮発量および残存量が一定になる。マザーシート2が1種類なら冶工具も少なくてすむ。
【選択図】図2

Description

本発明は、セラミック多層配線板の製造方法およびセラミック多層配線板に係り、特に、各層間に高い寸法精度が求められる際に好適に利用できるセラミック多層配線板の製造方法およびセラミック多層配線板に関する。
一般的なセラミック多層配線板は、配線パターンが形成された各層のセラミックグリーンシートを積層して焼成することによって製造されている。
従来のセラミック多層配線板101(図11参照)の製造方法においては、図9に示すように、1枚の大判のセラミックグリーンシートからなるマザーシート120A、120B、120C、120Dをセラミック多層配線板101の積層枚数分だけ用意し、各マザーシート120A、120B、120C、120Dに対して1つの層のセラミックグリーンシート121、122、123、124のみを形成して積層させていた。例えば、4層のセラミック多層配線板101の場合であれば、図9に示すように、4枚のマザーシート120A、120B、120C、120Dを用意し、第1層(最上層)のマザーシート120Aには第1層(最上層)のセラミックグリーンシート121のみを形成し、第2層のマザーシート120Bには第2層のセラミックグリーンシート122のみを形成するといったようになっており、他の層も同様になっている。そして、図10のように積層された複数のマザーシート120A、120B、120C、120Dを焼成した後、図11に示すように、それらを個片化することによって複数のセラミック多層配線板101を製造していた。
特開2007−258264号公報
しかしながら、複数のマザーシート120A、120B、120C、120Dの製造時期がそれぞれ異なるので、マザーシート120A、120B、120C、120Dに含有される有機溶剤の揮発量がマザーシート120A、120B、120C、120Dごとに異なってしまうという問題があった。複数のマザーシート120A、120B、120C、120Dには各層のセラミックグリーンシート121、122、123、124のうちのいずれかの層がそれぞれ形成されているので、有機溶剤の揮発量がマザーシート120A、120B、120C、120Dごとに異なると各層のセラミックグリーンシート121、122、123、124における有機溶剤の揮発量が異なることになり、セラミック多層配線板101の各層における反りやビアの位置ずれなどの相対的な寸法精度のばらつきを生じさせる原因となる。
また、マザーシート120A、120B、120C、120Dごとに異なる層のセラミックグリーンシート121、122、123、124が形成されるため、配線パターンやビアの形成位置もマザーシート120A、120B、120C、120Dごとに異なっている。そのため、ビアの穴開け治具やメタルマスク、レジスト塗布に用いるスクリーンマスクをマザーシート120A、120B、120C、120Dごとに用意することになるので、セラミック多層配線板101の積層枚数が多くなるほど設備費用が高価になるという問題があった。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、セラミック多層配線板の各層における寸法精度を高精度にすることができるとともに、セラミック多層配線板の積層枚数にかかわらずにセラミック多層配線板の設備費用を安価にすることができるセラミック多層配線板の製造方法およびセラミック多層配線板を提供することを本発明の目的としている。
前述した目的を達成するため、本発明のセラミック多層配線板の製造方法は、その第1の態様として、配線パターンが形成された各層のセラミックグリーンシートを積層して焼成することによって製造されるセラミック多層配線板の製造方法であって、各層のセラミックグリーンシートは、各層のセラミックグリーンシートよりも大きな1枚のセラミックグリーンシートからなるマザーシートに各層の配線パターンのすべてを形成した後、各層のセラミックグリーンシートの大きさにあわせてマザーシートを分割することにより、形成されていることを特徴としている。
本発明の第1の態様のセラミック多層配線板の製造方法によれば、1枚のマザーシートに全層のセラミックグリーンシートが形成されるので、全層のセラミックグリーンシートにおける有機溶剤の残存量を一定にすることができる。また、セラミックグリーンシートの積層枚数がマザーシートの種類数になるのではなく、セラミックグリーンシートの積層枚数にかかわらずマザーシートは1種類になるので、ビアの穴開け治具やメタルマスクの個数を1個に、スクリーンマスクの個数を「セラミックグリーンシートの積層枚数−マザーシートの種類数(1個)」だけ少なく、減数させることができる。
本発明の第2の態様のセラミック多層配線板の製造方法は、各層のセラミックグリーンシートよりも大きな1枚のセラミックグリーンシートからなるマザーシートに対して各層のセラミックグリーンシートに形成される配線パターンのすべてを形成する工程aと、各層の配線パターンが形成されたマザーシートを各層のセラミックグリーンシートの大きさにあわせて分割することにより、マザーシートから各層のセラミックグリーンシートを取り出す工程bと、各層のセラミックグリーンシートを積層して多層型セラミックグリーンシートを形成する工程cと、多層型セラミックグリーンシートを焼成して多層型セラミックシートを形成する工程dと、所望の電子部品を搭載してから多層型セラミックシートを個片化して複数のセラミック多層配線板を形成する工程eとを備えていることを特徴としている。
本発明の第2の態様のセラミック多層配線板の製造方法によれば、1枚のマザーシートに全層のセラミックグリーンシートが形成されるので、全層のセラミックグリーンシートにおける有機溶剤の残存量を一定にすることができる。また、セラミックグリーンシートの積層枚数がマザーシートの種類数になるのではなく、セラミックグリーンシートの積層枚数にかかわらずマザーシートは1種類になるので、ビアの穴開け治具やメタルマスクの個数を1個に、スクリーンマスクの個数を「セラミックグリーンシートの積層枚数−マザーシートの種類数(1個)」だけ少なく、減数させることができる。
本発明の第3の態様のセラミック多層配線板の製造方法は、第2の態様のセラミック多層配線板の製造方法において、マザーシートは、各層の配線パターンのすべてが形成される全配線パターン形成領域と、全配線パターン形成領域を取り囲む耳部とからなり、全配線パターン形成領域は、工程bにおいて各層のセラミックグリーンシートとなる各々のセラミックグリーンシート形成領域を隙間なく隣接配置してなり、耳部は、配線パターンの形成の位置決めに用いられるパイロット穴を有していることを特徴としている。
本発明の第3の態様のセラミック多層配線板の製造方法によれば、1枚のマザーシートから分割できるセラミックグリーンシートの積層枚数を増やすことができる。
本発明の第4の態様のセラミック多層配線板の製造方法は、第3の態様のセラミック多層配線板の製造方法において、任意のセラミックグリーンシート形成領域に対して上層および下層に積層予定のセラミックグリーンシート形成領域に形成される配線パターンは、任意のセラミックグリーンシート形成領域に形成される配線パターンに対して90度回転して形成されていることを特徴としている。
本発明の第4の態様のセラミック多層配線板の製造方法によれば、マザーシートの収縮率が縦と横とによって異なることを考慮し、各層のセラミックグリーンシートの収縮率を調整することができる。
本発明の第5の態様のセラミック多層配線板の製造方法は、第2から第4のいずれか1の態様のセラミック多層配線板の製造方法において、工程bにおいては、マザーシートを移動させながらマザーシートに形成された各層のセラミックグリーンシートを最下層から積層順にポンチによって分割することにより、分割と同時に工程cの積層作業を行なうことを特徴としている。
本発明の第5の態様のセラミック多層配線板の製造方法によれば、分割作業と積層作業を同時に行えるので、セラミック多層配線板の製造コストを低下させることができるとともに、積層位置精度を高めることができる。
また、前述した目的を達成するため、本発明のセラミック多層配線板は、その第1の態様として、1枚のセラミックグリーンシートを分割して取り出した各層のセラミックシートを積層し、その後に焼成して形成されたセラミック多層基板を備えることを特徴としている。
本発明の第1の態様のセラミック多層配線板によれば、1枚のマザーシートにから取り出された全層のセラミックグリーンシートを使用しているので、全層のセラミックグリーンシートにおける有機溶剤の残存量を一定にすることができる。
本発明のセラミック多層配線板の製造方法およびセラミック多層配線板によれば、全層のセラミックグリーンシートにおける有機溶剤の残存量が一定になるので、セラミック多層配線板の各層における寸法精度を高精度にすることができる。
また、本発明のセラミック多層配線板によれば、ビアの穴開け治具やメタルマスク、スクリーンマスクの各個数が減数するので、セラミック多層配線板の積層枚数にかかわらずセラミック多層配線板の設備費用を安価にすることができるという効果を奏する。
以下、本発明のセラミック多層配線板およびその製造方法をその一実施形態により説明する。
図1は、本実施形態のセラミック多層配線板1を示す分解斜視図である。なお、図1のセラミック配線板11、12、13、14に示された文字A、B、C、Dの向きは、各層の配線パターン11P、12P、13P、14Pの向きを示している。
本実施形態のセラミック多層配線板1は、図1に示すように、4枚のセラミック配線板11、12、13、14を積層および焼結させて得た4層構造になっている。各層のセラミック配線板11、12、13、14の表面には配線パターン11P、12P、13P、14Pが形成されており、最上層のセラミック配線板11にはコンデンサやインダクタ、ICなどの回路要素15が載置されている。また、各層のセラミック配線板11、12、13、14の表面であって配線パターン11P、12P、13P、14Pが形成されていない部分ならびにセラミック多層配線板1の表面および裏面に形成された配線パターン11P、12P、13P、14Pおよびビア11V、12V、13V、14Vの表面には、レジスト保護膜11R、12R、13R、14Rが形成されている。
次に、本実施形態のセラミック多層配線板1の製造方法を詳細に説明する。本実施形態のセラミック多層配線板1は、概説すると、4枚のセラミックグリーンシートを積層させた後に焼成および個片化して得られる。また、これら4枚のセラミックグリーンシートは、1枚の大判のセラミックグリーンシートである1枚のマザーシートを分割することによって得られる。工程別に説明すると、本実施形態のセラミック多層配線板1は、工程aから工程eを経て、製造される。
工程aにおいては、図2に示すように、1枚のマザーシート2に対して中央部にある全配線パターン形成領域2Aおよびその外周にある耳部2Sを形成する。全配線パターン形成領域2Aは、セラミック多層配線板1における各層の配線パターン(図示せず)のすべてが形成される領域であり、セラミック多層配線板1の積層枚数と同数の4つの領域21、22、23、24に分けられている。これら4つの領域21、22、23、24には各層の配線パターンをそれぞれ形成する。これら4つの領域21、22、23、24をセラミックグリーンシート形成領域と称すると、図2においては、左上から時計回りに、第1層(最上層)、第2層、第3層、第4層(最下層)の順に、4つのセラミックグリーンシート形成領域21、22、23、24が隙間なく隣接配置されている。
また、任意のセラミックグリーンシート形成領域に対して上層および下層に積層させる予定のセラミックグリーンシート形成領域に形成される配線パターンは、任意のセラミックグリーンシート形成領域に形成される配線パターンに対して90度回転して形成されている。例えば、図2に示すように、「A」、「B」、「C」、「D」の文字の向きをそれぞれ第1層、第2層、第3層、第4層の配線パターンの向きとすると、第2層のセラミックグリーンシート形成領域22の配線パターンは、左隣の第1層のセラミックグリーンシート形成領域21の配線パターンおよび下方の第3層のセラミックグリーンシート形成領域23の配線パターンに対して、90度回転させて形成する。これは、第1層、第3層または第4層のセラミックグリーンシート形成領域21、23、24についても同様にする。
耳部2Sは、全配線パターン形成領域2Aを取り囲むように矩形枠状に形成されている。この耳部2Sは、各層の配線パターンが形成されておらずに各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24として用いられない部分であり、配線パターンの形成の位置決めに用いられる8個のパイロット穴2Pをそれらの角部にそれぞれ有している。なお、これら8個のパイロット穴2Pは、各層の配線パターンを正確に形成するための位置決めに用いられるものであり、図示しない装置にこれら8個のパイロット穴2Pを通してセットすることにより、マザーシート2が正確に配置される。
工程bにおいては、プレス機を用いて1枚のマザーシート2から各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24を取り出す。まず、図3および図4に示すように、1枚のマザーシート2を固定用フレーム30に貼付する。この固定用フレーム30は矩形枠状に形成されており、図4に示すように、その内穴はマザーシート2の大きさよりもわずかに小さい矩形穴30hになっており、その内穴の周縁に座ぐり状の段差30Sを設けることにより、その段差30Sにマザーシート2が嵌め込まれるようになっている。なお、マザーシート2を固定用フレーム30に嵌め込みしたのみでは固定用フレーム30からマザーシート2が外れてしまうことがあるため、マザーシート2の耳部2Sと固定用フレーム30との間を貼付テープ31で貼付し、固定用フレーム30にマザーシート2を固着しておく。
固定用フレーム30にマザーシート2を固着した後、図5に示すように、プレス機40のダイ41の上方にその固定用フレーム30を移動する。このダイ41の中央には各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24の大きさと同等の矩形穴41hが設けられており、その矩形穴41hの内部には各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24を支持する受け台42および積層治具43が設けられている。なお、この受け台42は図示しない移動機構によって上下方向へ可動する仕組みになっている。
また、ダイ41および固定用フレーム30の上方にはプレス機40のポンチ44が配置されている。このポンチ44は四角柱状に形成されており、そのプレス断面の大きさは各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24の大きさと同等の大きさである。また、ポンチ44とマザーシート2との間には、ポンチ44の大きさと同等の大きさの矩形穴45hが形成されたストリッパプレート45が配設されており、ストリッパプレート45の矩形穴45hとダイ41の矩形穴41hとを位置あわせし、ストリッパプレート45の矩形穴45hを介してポンチ44をマザーシート2に押圧することによって、マザーシート2から各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24を切断分割する。
工程cにおいては、各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24を積層し、焼成前のセラミック多層配線板1である多層型セラミックグリーンシート20を形成する(図8を参照)。ここで、本実施形態においては、図6A〜Fの順に示すように、各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24の切断順を、最下層のセラミックグリーンシート24から積層順に行ない、工程bの分割作業と工程cの積層作業とを同時に行なう。つまり、第4層のセラミックグリーンシート24、第3層のセラミックグリーンシート23、第2層のセラミックグリーンシート22、第1層のセラミックグリーンシート21の順に切断分割を行なうと同時に、それらを下方から切断順にダイ41の内部の積層治具43に積層していく。
また、前述した通り、各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24の配線パターンの向きは揃っておらず、あえて90度ずつ異ならせている。そのため、図3の矢印が示すように、マザーシート2をその平面方向および回転方向に移動させながら各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24の分割作業を行なう。これにより、プレス機40のダイ41の矩形穴41hの内部には、配線パターンを所望の向きに揃えて各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24が積層される。この積層された各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24を多層型セラミックグリーンシート20と称する。
工程dにおいては、図7に示すように、多層型セラミックグリーンシート20を焼成して多層型セラミックシート20WIPを形成する。本実施形態においては、プレス機40のダイ41の内部から多層型セラミックグリーンシート20を積層治具43ごと取出し、WIP(静水圧プレス)による積層圧着を行なっている。
工程eにおいては、図8に示すように、工程dにおいて焼成した多層型セラミックシート20WIPを個片化する。多層型セラミックシート20WIPは焼成前のセラミック多層配線板1を複数配列してなるものであるため、焼成した多層型セラミックシート20WIPを個片化することにより、複数のセラミック多層配線板1が得られる。手割りにより個片化する場合、工程aにおいて最上層および最下層のセラミックグリーンシート21、24に手割り溝(図示せず)を予め形成しておく。また、図1に示すように、セラミック多層配線板1に所望の回路要素15を搭載する場合は、多層型セラミックシート20WIPに回路要素15を搭載してから多層型セラミックシート20WIPを個片化する。
次に、本実施形態のセラミック多層配線板1およびその製造方法の作用を説明する。
本実施形態のセラミック多層配線板1は、図1に示すように、配線パターン11P、12P、13P、14Pが形成された4層のセラミック配線板11、12、13、14を積層させることにより形成されている。ここで、図3に示すように、焼成前のセラミック配線板11、12、13、14である4層のセラミックグリーンシート21、22、23、24は1枚の大判のマザーシート2を分割して得たものである。つまり、4層のセラミックグリーンシート21、22、23、24は、1枚の大判のマザーシート2に各層の配線パターンのすべてを形成した後にマザーシート2を分割することにより形成されている。
つまり、1枚のマザーシート2に全層のセラミックグリーンシート21、22、23、24が形成されているので、全層のセラミックグリーンシート21、22、23、24の製造時期が一致し、全層のセラミックグリーンシート21、22、23、24における有機溶剤の揮発量が同一になる。このことから、全層のセラミックグリーンシート21、22、23、24における有機溶剤の残存量を一定にすることができる。各層の有機溶剤の残存量が一定であれば、セラミック多層配線板1の焼成時に各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24の収縮量が一定になるので、セラミック多層配線板1の各層における寸法精度を高精度にすることができる。
また、本実施形態のセラミック多層配線板1は、工程aから工程eを経て、製造される。ここで、工程aにおいては、図3に示すように、1枚のマザーシート2に対して各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24に形成される配線パターンのすべてを形成している。これにより、前述の通り、全層のセラミックグリーンシート21、22、23、24における有機溶剤の残存量を一定にすることができるだけでなく、セラミック多層配線板1の設備費用を安価にすることができる。
セラミック多層配線板1の設備費用が安価になる具体例を表1に示す。
Figure 2010027665
表1において、「本工法」とは本実施形態のセラミック多層配線板1の製造方法を示しており、「従来工法」とは前述した従来のセラミック多層配線板1の製造方法を示している。また、表1中の各数値は、本工法または従来工法に必要な各治具の個数を示している。
表1の「穴開け冶工具」は、マザーシート2に配線パターンに含まれるビア穴を開ける工具である。従来のセラミック多層配線板1の製造方法(従来工法)においては、図9および表1に示すように、セラミック多層配線板1の積層枚数が4枚であるため、そのマザーシート2は4種類必要になる。4種類のマザーシート2についてはそれぞれ層が異なることにより配線パターンが異なるため、異なる種類のマザーシート2の間で同一の穴開け冶工具を共用することはできない。したがって、穴開け冶工具の個数はマザーシート2の枚数と同数の4個(4種類)必要になる。一方、本実施形態のセラミック多層配線板1の製造方法(本工法)においては、セラミック多層配線板1の積層枚数が4枚であってもマザーシート2は1種類である。したがって、マザーシート2を複数枚形成しても、穴開け冶工具の個数は1個(1種類)で足りる。
メタルマスクについても同様であり、従来のセラミック多層配線板1の製造方法(従来工法)においてはマザーシート2の枚数と同数の4個必要になる。しかし、本実施形態のセラミック多層配線板1の製造方法(本工法)においては1個で足りる。
スクリーンマスクについては、積層後にセラミック多層配線板1の表面および裏面にレジスト塗布する分だけその個数が前述した穴開け冶工具やメタルマスクの個数よりも多くなる。従来のセラミック多層配線板101の製造方法(従来工法)においてはマザーシート102の枚数と同数の4個の他に、積層後焼成前の多層型セラミックグリーンシートの表面および裏面にレジスト塗布するための分の2個を足し合わせた6個必要になる。一方、本実施形態のセラミック多層配線板1の製造方法(本工法)においてはマザーシート2の種類と同数の1個の他、積層後焼成前の多層型セラミックグリーンシート20の表面および裏面にレジスト塗布するための分の2個を合計した3個で足りる。
つまり、本実施形態においては、セラミックグリーンシート21、22、23、24の積層枚数にかかわらずマザーシート2の種類を1種類にすることができるので、ビアの穴開け治具やメタルマスクの個数を1個にすることができる。また、同様の理由で、スクリーンマスクの個数を「セラミックグリーンシート21、22、23、24の積層枚数(本実施形態なら4枚)−マザーシート2の種類数(本実施形態なら1個)」だけ少なくすることができる。そして、ビアの穴開け治具やメタルマスク、スクリーンマスクの各個数が減数すると、セラミック多層配線板1の積層枚数にかかわらずセラミック多層配線板1の設備費用を安価にすることができる。この作用効果は、セラミック多層配線板1の種類やセラミック多層配線板の積層数が多くなるほど顕著に現れる。
また、本実施形態のマザーシート2の全配線パターン形成領域2Aは、図3に示すように、各々のセラミックグリーンシート形成領域21、22、23、24を隙間なく隣接配置することにより形成されている。各々のセラミックグリーンシート形成領域21、22、23、24の間の隙間がなくなれば、その分だけ全配線パターン形成領域2Aを拡大することができるので、1枚のマザーシート2から分割できるセラミックグリーンシート21、22、23、24の積層枚数を増やすことができる。
これら4つのセラミックグリーンシート形成領域21、22、23、24については、図3に示すように、任意のセラミックグリーンシート形成領域に対して上層および下層に積層予定のセラミックグリーンシート形成領域に形成される配線パターンは、任意のセラミックグリーンシート形成領域に形成される配線パターンに対して90度回転して形成されている。これは、マザーシート2の方向性に起因している。
一般的に、マザーシート2はPETフィルムにスラリーを載置することにより形成される。その際、幅広で奥行きの小さい穴にスラリーを通し、PETフィルムをスライド移動させながらPETフィルム上にスラリーを板状に載置することになる。そのため、マザーシート2はPETフィルムの移動方向と平行方向に方向性を持つことになり、このマザーシートの方向性に起因してマザーシート2の面内における縦と横との収縮率が異なってくる。つまり、マザーシート2の収縮率が縦と横とによって異なることを考慮し、各層のセラミックグリーンシートを縦と横とで交互に積層して積層後の各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24の収縮率を調整することによって、セラミック多層配線板1における縦横の収縮率を同等にすることができる。
このように、図6に示すように、各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24が形成されたマザーシート2から各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24を分割して積層する場合、マザーシート2を移動させながらマザーシート2に形成された各層のセラミックグリーンシート21、22、23、24を最下層から積層順にポンチ44によって分割する。このようにすれば、分割作業(工程b)と積層作業(工程c)とを同時に行えるので、セラミック多層配線板1の製造コストを低下させることができるとともに、積層位置の精度を高めることができる。
すなわち、本実施形態のセラミック多層配線板およびその製造方法によれば、全層のセラミックグリーンシートにおける有機溶剤の残存量が一定になるので、セラミック多層配線板の各層における寸法精度を高精度にすることができるという作用を生じる。また、本実施形態のセラミック多層配線板によれば、ビアの穴開け治具やメタルマスク、スクリーンマスクの各個数が減数するので、セラミック多層配線板の積層枚数にかかわらずセラミック多層配線板の設備費用を安価にすることができるという作用を生じる。
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態のセラミック多層配線板を示す分解斜視図 本実施形態のマザーシートを示す平面図 本実施形態のマザーシートを固定用フレームに固定した状態を示す平面図 図3の4−4矢視断面図 本実施形態のセラミック多層配線板の製造方法に用いるプレス機を示す縦断面図 本実施形態のセラミック多層配線板の製造方法における積層工程を図中のA〜Fの順に示す縦断面図 本実施形態のセラミック多層配線板の製造方法におけるWIP(静水圧プレス)を示す縦断面図 本実施形態のセラミック多層配線板の製造方法における分割工程を示す斜視図 従来のセラミック多層配線板の製造方法における積層工程の一例を示す斜視図 従来の各層のセラミックグリーンシートが積層された状態を示す斜視図 従来のセラミック多層配線板の製造方法における分割工程を示す斜視図
符号の説明
1 セラミック多層配線板
2 マザーシート
11〜14 各層のセラミック配線板
21〜24 各層のセラミックグリーンシート

Claims (6)

  1. 配線パターンが形成された各層のセラミックグリーンシートを積層して焼成することによって製造されるセラミック多層配線板の製造方法であって、
    前記各層のセラミックグリーンシートは、前記各層のセラミックグリーンシートよりも大きな1枚のセラミックグリーンシートからなるマザーシートに各層の前記配線パターンのすべてを形成した後、前記各層のセラミックグリーンシートの大きさにあわせて前記マザーシートを分割することにより、形成されている
    ことを特徴とするセラミック多層配線板の製造方法。
  2. 各層のセラミックグリーンシートよりも大きな1枚のセラミックグリーンシートからなるマザーシートに対して前記各層のセラミックグリーンシートに形成される配線パターンのすべてを形成する工程aと、
    各層の前記配線パターンが形成された前記マザーシートを前記各層のセラミックグリーンシートの大きさにあわせて分割することにより、前記マザーシートから前記各層のセラミックグリーンシートを取り出す工程bと、
    前記各層のセラミックグリーンシートを積層して多層型セラミックグリーンシートを形成する工程cと、
    前記多層型セラミックグリーンシートを焼成して多層型セラミックシートを形成する工程dと、
    所望の電子部品を搭載してから前記多層型セラミックシートを個片化して複数のセラミック多層配線板を形成する工程eと
    を備えていることを特徴とするセラミック多層配線板の製造方法。
  3. 前記マザーシートは、前記各層の配線パターンのすべてが形成される全配線パターン形成領域と、前記全配線パターン形成領域を取り囲む耳部とからなり、
    前記全配線パターン形成領域は、前記工程bにおいて各層のセラミックグリーンシートとなる各々のセラミックグリーンシート形成領域を隙間なく隣接配置してなり、
    前記耳部は、前記配線パターンの形成の位置決めに用いられるパイロット穴を有している
    ことを特徴とする請求項2に記載のセラミック多層配線板の製造方法。
  4. 任意の前記セラミックグリーンシート形成領域に対して上層および下層に積層予定の前記セラミックグリーンシート形成領域に形成される前記配線パターンは、前記任意のセラミックグリーンシート形成領域に形成される前記配線パターンに対して90度回転して形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のセラミック多層配線板の製造方法。
  5. 前記工程bにおいては、前記マザーシートを移動させながら前記マザーシートに形成された前記各層のセラミックグリーンシートを最下層から積層順にポンチによって分割することにより、分割と同時に前記工程cの積層作業を行なう
    ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のセラミック多層配線板の製造方法。
  6. 1枚のセラミックグリーンシートを分割して取り出した各層のセラミックシートを積層し、その後に焼成して形成されたセラミック多層基板を備える
    ことを特徴とするセラミック多層配線板。
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