JP2010023198A - 研磨用組成物及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面及び裏面を同時に研磨する用途において好適に使用可能な研磨用組成物、及びその研磨用組成物を用いた研磨方法を提供する。
【解決手段】本発明の研磨用組成物は、コロイダルシリカなどの砥粒と、バナジン酸ナトリウムやバナジン酸カリウム、バナジン酸アンモニウムなどのバナジン酸塩と、過酸化水素と、ポリビニルアルコールとを含有する。研磨用組成物のpHは4〜9であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、六方晶炭化ケイ素単結晶基板を研磨する用途で主に使用される研磨用組成物、及びその研磨用組成物を用いた研磨方法に関する。
4H−SiC単結晶基板及び6H−SiC単結晶基板のような六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面と裏面は通常、(0001)Si面と(000−1)C面という異なる面方位の結晶面によってそれぞれ構成されている。例えば特許文献1に記載されているような従来の研磨用組成物を用いて六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面及び裏面の研磨を行った場合には、表面の研磨時と裏面の研磨時とで基板と研磨パッドの間の摩擦抵抗に大きな差が生じることが明らかとなっている。具体的には、(0001)Si面の研磨時の摩擦抵抗に比べて(000−1)C面の研磨時の摩擦抵抗は大きい。これは、(0001)Si面と(000−1)C面で化学的性質及び機械的性質が異なることが原因と推測される。
研磨作業の効率向上という観点から、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面と裏面を同じ研磨用組成物を用いて同時に研磨することが望まれる。しかしながら、それを良好に実現するためには、表面研磨時の摩擦抵抗と裏面研磨時の摩擦抵抗の差をできるだけ小さくする必要がある。
特開2007−021704号公報
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面及び裏面を同時に研磨する用途において好適に使用可能な研磨用組成物、及びその研磨用組成物を用いた研磨方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、砥粒、バナジン酸塩、過酸化水素及びポリビニルアルコールを含有する研磨用組成物を提供する。好ましくは、研磨用組成物のpHは4〜9である。また好ましくは、研磨用組成物中のポリビニルアルコールの含有量は0.1〜8g/Lである。
本発明の別の態様では、上記の研磨用組成物を用いて、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面と裏面を同時あるいは順次に研磨する方法を提供する。
本発明によれば、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面及び裏面を同時に研磨する用途において好適に使用可能な研磨用組成物、及びその研磨用組成物を用いた研磨方法が提供される。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態の研磨用組成物は、砥粒、バナジン酸塩、過酸化水素及びポリビニルアルコールを水に混合することにより製造される。従って、研磨用組成物は、砥粒、バナジン酸塩、過酸化水素、ポリビニルアルコール及び水を含有する。
研磨用組成物は、4H−SiC単結晶基板及び6H−SiC単結晶基板のような六方晶炭化ケイ素単結晶基板を研磨する用途、より具体的には、(0001)Si面と(000−1)C面という異なる面方位の結晶面によってそれぞれ構成されている六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面と裏面を同時に研磨する用途で使用される。
研磨用組成物中に含まれる砥粒は、六方晶炭化ケイ素単結晶基板を機械的に研磨する作用を有する。使用可能な砥粒としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化クロム、酸化セリウム、二酸化チタンなどの金属酸化物が挙げられる。その中でも、コロイダルシリカやフュームドシリカのようなシリカ、特にコロイダルシリカは、研磨後の基板表面のスクラッチを少なくすることができる点で有利である。
研磨用組成物が砥粒としてコロイダルシリカを含有する場合、研磨用組成物中のコロイダルシリカの含有量は5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。コロイダルシリカの含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度は向上する。この点、研磨用組成物中のコロイダルシリカの含有量が5質量%以上、さらに言えば10質量%以上、もっと言えば20質量%以上であれば、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる点で有利である。
また、研磨用組成物中のコロイダルシリカの含有量は45質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。コロイダルシリカの含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の材料コストが低下して経済的となる。この点、研磨用組成物中のコロイダルシリカの含有量が45質量%以下、さらに言えば40質量%以下、もっと言えば35質量%以下であれば、費用対効果の点で有利である。
研磨用組成物中のコロイダルシリカの平均一次粒子径は5nm以上であることが好ましく、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは15nm以上である。平均一次粒子径が大きくなるにつれて、六方晶炭化ケイ素単結晶基板を機械的に研磨するコロイダルシリカの作用が強まるため、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度は向上する。この点、コロイダルシリカの平均一次粒子径が5nm以上、さらに言えば10nm以上、もっと言えば15nm以上であれば、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる点で有利である。
また、研磨用組成物中のコロイダルシリカの平均一次粒子径は120nm以下であることが好ましく、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは85nm以下である。平均一次粒子径が小さくなるにつれて、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度について所要のレベルを得るために研磨用組成物中に含有させる必要のあるコロイダルシリカの量が少なくて済む。この点、コロイダルシリカの平均一次粒子径が120nm以下、さらに言えば100nm以下、もっと言えば85nm以下であれば、経済性の点で有利である。なお、以上で説明したコロイダルシリカの平均一次粒子径の値は、BET法で測定されるコロイダルシリカの比表面積に基づいて算出されるものである。
研磨用組成物中に含まれるバナジン酸塩及び過酸化水素は共同して、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度を向上させる働きをする。バナジン酸塩及び過酸化水素のこの働きは、バナジン酸塩の電離により生じるバナジン酸イオンが過酸化水素から酸素の供与を受けることによって準安定なペルオキソバナジン酸イオンを生成し、このペルオキソバナジン酸イオンが六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面においてSi−C結合の酸化開裂を促進するためと考えられる。ペルオキソバナジン酸イオンはSi−C結合を酸化開裂することによって自身はバナジン酸イオンに還元されるが、過酸化水素から酸素の供与を受けることで再びペルオキソバナジン酸イオンに戻ることができる。
バナジン酸塩として、例えば、バナジン酸ナトリウム(NaVO)、バナジン酸カリウム(KVO)又はバナジン酸アンモニウム(NHVO)を使用することが可能である。その中でも、バナジン酸ナトリウム及びバナジン酸カリウムは、溶解度が比較的高い点で有利である。
研磨用組成物中のバナジン酸塩の含有量は0.5g/L以上であることが好ましく、より好ましくは1g/L以上、さらに好ましくは3g/L以上である。バナジン酸塩の含有量が多くになるにつれて、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度は向上する。この点、研磨用組成物中のバナジン酸塩の含有量が0.5g/L以上、さらに言えば1g/L以上、もっと言えば3g/L以上であれば、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる点で有利である。
また、研磨用組成物中のバナジン酸塩の含有量は100g/L以下であることが好ましく、より好ましくは50g/L以下、さらに好ましくは30g/L以下である。バナジン酸塩の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の材料コストが低下して経済的となるのに加え、研磨用組成物中に不溶解分が生じる虞が小さくなる。この点、研磨用組成物中のバナジン酸塩の含有量が100g/L以下、さらに言えば50g/L以下、もっと言えば30g/L以下であれば、費用対効果の点だけでなく、不溶解分の生成を十分に抑えることができる点でも有利である。
研磨用組成物中の過酸化水素の含有量は0.1g/L以上であることが好ましく、より好ましくは1g/L以上、さらに好ましくは3g/L以上である。過酸化水素の含有量が多くになるにつれて、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度は向上する。この点、研磨用組成物中の過酸化水素の含有量が0.1g/L以上、さらに言えば1g/L以上、もっと言えば3g/L以上であれば、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる点で有利である。
また、研磨用組成物中の過酸化水素の含有量は100g/L以下であることが好ましく、より好ましくは50g/L以下、さらに好ましくは30g/L以下である。過酸化水素の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の材料コストが低下して経済的となる。この点、研磨用組成物中の過酸化水素の含有量が100g/L以下、さらに言えば50g/L以下、もっと言えば30g/L以下であれば、費用対効果の点で有利である。
研磨用組成物中に含まれるポリビニルアルコールは、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面の研磨時と裏面の研磨時とで基板と研磨パッドの間の摩擦抵抗に生じる可能性のある差を小さくする働きをする。この働きは、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の(0001)Si面が親水性を示すのに対して(000−1)C面は疎水性を示すが、その(000−1)C面の水に対する親和性をポリビニルアルコールが改善するためと考えられる。
研磨用組成物中のポリビニルアルコールの含有量は0.1g/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.25g/L以上、さらに好ましくは0.5g/L以上である。ポリビニルアルコールの含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物を用いて(000−1)C面を研磨したときの摩擦抵抗は減少する。この点、研磨用組成物中のポリビニルアルコールの含有量が0.1g/L以上、さらに言えば0.25g/L以上、もっと言えば0.5g/L以上であれば、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面の研磨時と裏面の研磨時の摩擦抵抗の差を実用上特に好適なレベルにまで小さくすることが容易となる点で有利である。
また、研磨用組成物中のポリビニルアルコールの含有量は20g/L以下であることが好ましく、より好ましくは10g/L以下、さらに好ましくは8g/L以下である。ポリビニルアルコールの含有量が少なくなるにつれて、ポリビニルアルコールの添加が原因で起こる研磨用組成物による(000−1)C面の研磨速度の低下が抑制される。この点、研磨用組成物中のポリビニルアルコールの含有量が20g/L以下、さらに言えば10g/L以下、もっと言えば8g/L以下であれば、研磨用組成物による(000−1)C面の研磨速度を実用上特に好適なレベルに維持することが容易となる点で有利である。
研磨用組成物中のポリビニルアルコールの重合度は1000以下であることが好ましく、より好ましくは800以下、さらに好ましくは500以下である。ポリビニルアルコールの重合度が小さくなるにつれて、研磨用組成物による(000−1)C面の研磨速度は向上する。この点、ポリビニルアルコールの重合度が1000以下、さらに言えば800以下、もっと言えば500以下であれば、研磨用組成物による(000−1)C面の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる点で有利である。
研磨用組成物中に含まれるポリビニルアルコールの鹸化度は80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上である。ポリビニルアルコールの鹸化度が大きくなるにつれて、研磨用組成物を用いて(000−1)C面を研磨したときの摩擦抵抗は減少する。この点、ポリビニルアルコールの鹸化度が80モル%以上、さらに言えば90モル%以上、もっと言えば95モル%以上であれば、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面の研磨時と裏面の研磨時の摩擦抵抗の差を実用上特に好適なレベルにまで小さくすることが容易となる点で有利である。
研磨用組成物のpHは4以上であることが好ましく、より好ましくは4.5以上、さらに好ましくは5以上である。pHが大きくなるにつれて、研磨用組成物による(0001)Si面の研磨速度は向上する。この点、研磨用組成物のpHが4以上、さらに言えば4.5以上、もっと言えば5以上であれば、研磨用組成物による(0001)Si面の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる点で有利である。pHが大きくなるにつれて研磨用組成物による(0001)Si面の研磨速度が向上する理由は以下のように推測される。すなわち、研磨用組成物中の水素イオンは、僅かにプラスに帯電している(0001)Si面に対して陰イオンであるペルオキソバナジン酸イオンが電気的に引き寄せられるのを阻害する働きをすると考えられる。そのため、研磨用組成物中の水素イオン濃度が低くなるほど、水素イオンによって阻害されることなくペルオキソバナジン酸イオンが(0001)Si面に引き寄せられ、その結果、ペルオキソバナジン酸イオンが(0001)Si面においてSi−C結合の酸化開裂を促進すると考えられる。また、研磨用組成物のpHが高くなるにつれて、(0001)Si面の最表面のケイ素原子が酸化されることによって(0001)Si面上に形成される酸化膜の溶解が起こりやすいことも理由と推測される。
また、研磨用組成物のpHは9以下であることが好ましく、より好ましくは8以下、さらに好ましくは7以下である。pHが小さくなるにつれて、研磨用組成物による(000−1)C面の研磨速度は向上する。この点、研磨用組成物のpHが9以下、さらに言えば8以下、もっと言えば7以下であれば、研磨用組成物による(000−1)C面の研磨速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる点で有利である。pHが小さくなるにつれて、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の(000−1)C面の研磨速度が向上する理由は以下のように推測される。すなわち、研磨用組成物中の水素イオンは、僅かにマイナスに帯電している(000−1)C面と陰イオンであるペルオキソバナジン酸イオンとの間を仲介して、ペルオキソバナジン酸イオンを(000−1)C面に電気的に引き寄せる働きをすると考えられる。そのため、研磨用組成物中の水素イオン濃度が高くなるほど、水素イオンによって仲介されることによりペルオキソバナジン酸イオンが(000−1)C面に引き寄せられ、その結果、ペルオキソバナジン酸イオンが(000−1)C面においてSi−C結合の酸化開裂を促進すると考えられる。また、(000−1)C面が研磨除去されるときには、最表面の炭素原子及びその下のケイ素原子が酸化して脱離すると考えられるが、研磨用組成物のpHが小さくなるにつれて酸化力が強まることにより、こうした炭素原子及びケイ素原子の脱離が促進されることも理由と推測される。
本実施形態によれば以下の利点が得られる。
本実施形態の研磨用組成物は、六方晶炭化ケイ素単結晶基板を機械的に研磨する作用を有する砥粒に加え、研磨用組成物による六方晶炭化ケイ素単結晶基板の研磨速度を向上させる働きをするバナジン酸塩及び過酸化水素を含むために、六方晶炭化ケイ素単結晶基板を高い研磨速度で研磨することが可能である。そのうえ、研磨用組成物は、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面の研磨時と裏面の研磨時とで基板と研磨パッドの間の摩擦抵抗に生じる可能性のある差を小さくする働きをするポリビニルアルコールも含有している。そのため、研磨用組成物は、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面及び裏面を同時に研磨する用途において好適に使用することができる。
前記実施形態は次のように変更されてもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物には必要に応じてpH調整剤を添加してもよい。pH調整剤の種類は特に限定されるものでなく、研磨用組成物のpHを所望の値とするために適宜の量のいずれの酸又はアルカリが使用されてもよい。ただし、研磨用組成物がバナジン酸塩としてバナジン酸ナトリウムを含有している場合、安定性の観点からは、pH調整剤として使用されるアルカリは水酸化ナトリウムであることが好ましい。同様に、研磨用組成物がバナジン酸カリウムを含有している場合には、使用されるアルカリは水酸化カリウムであることが好ましく、研磨用組成物がバナジン酸アンモニウムを含有している場合には、使用されるアルカリはアンモニアであることが好ましい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物には二種類以上の砥粒が含有されてもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物には二種類以上のバナジン酸塩が含有されてもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物には必要に応じて界面活性剤、消泡剤、防カビ剤のような公知の添加剤を添加してもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、研磨用組成物中の全成分が混合された状態で一つの容器に保存される一剤型で供給されてもよいし、二剤型をはじめとする多剤型で供給されてもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水で希釈することによって調製されてもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物中に含まれる水は、必要に応じて省略されてもよい。この場合、研磨用組成物は、砥粒、バナジン酸塩、過酸化水素及びポリビニルアルコールを混合することにより製造される。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、(0001)Si面と(000−1)C面によってそれぞれ構成されている六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面と裏面を同時に研磨する用途に限らず、表面と裏面を順次に研磨する用途で使用されてもよい。また、(0001)Si面及び(000−1)C面以外の六方晶炭化ケイ素単結晶基板の面を研磨する用途で使用されてもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、六方晶炭化ケイ素単結晶基板以外の研磨対象物を研磨する用途で使用されてもよい。例えば、3C−SiC単結晶基板のような立方晶炭化ケイ素単結晶基板を研磨する用途で使用されてもよい。また、(0001)Si面と(000−1)C面が混在する面を有する研磨対象物の当該面を研磨する用途で使用されてもよい。
次に、本発明の実施例及び比較例を説明する。
実施例1〜11では、砥粒としてのコロイダルシリカ、バナジン酸塩、過酸化水素及びポリビニルアルコールを水と混合することにより研磨用組成物を調製した。比較例1〜10では、コロイダルシリカ、バナジン酸塩又はそれに代わる化合物、過酸化水素、及びポリビニルアルコール又はそれに代わる化合物を水と適宜に混合することにより研磨用組成物を調製した。各例の研磨用組成物中のコロイダルシリカ、バナジン酸塩又はそれに代わる化合物、過酸化水素、及びポリビニルアルコール又はそれに代わる化合物の詳細、並びに研磨用組成物のpHを測定した結果を表1に示す。
表1の“(0001)Si面の研磨速度”欄には、各例の研磨用組成物を用いて六方晶炭化ケイ素単結晶基板の(0001)Si面を表2に示す条件で研磨したときの研磨速度を研磨前後の基板の重量の差に基づいて求めた結果を示す。なお、各例の研磨用組成物を用いて研磨するのに先立って、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の(0001)Si面は表3の条件で予備研磨している。
表1の“(000−1)C面の研磨速度”欄には、各例の研磨用組成物を用いて六方晶炭化ケイ素単結晶基板の(000−1)C面を表2に示す研磨条件で研磨したときの研磨速度を研磨前後の基板の重量の差に基づいて求めた結果を示す。なお、各例の研磨用組成物を用いて研磨するのに先立って、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の(000−1)C面は表3の条件で予備研磨している。
表1の“(0001)Si面の研磨時の研磨ヘッドの自転速度”欄には、各例の研磨用組成物を用いて六方晶炭化ケイ素単結晶基板の(0001)Si面を表2に示す条件で研磨中に研磨ヘッドの自転速度を計測した結果を示す。
表1の“(000−1)C面の研磨時の研磨ヘッドの自転速度”欄には、各例の研磨用組成物を用いて六方晶炭化ケイ素単結晶基板の(000−1)C面を表2に示す条件で研磨中に研磨ヘッドの自転速度を計測した結果を示す。
なお、研磨ヘッドは、基板などの研磨対象物を保持して、定盤上に貼り付けられた研磨パッドに対して基板を押し付ける役割をする。研磨時に研磨ヘッドに強制回転を与えないでやると研磨ヘッドは通常、自転する。研磨パッドと研磨対象物の間の摩擦抵抗が大きいほど研磨ヘッドの自転速度は小さくなるため、研磨ヘッドの自転速度は、研磨パッドと研磨対象物の間の摩擦抵抗の大きさの指標となりうる。
Figure 2010023198
Figure 2010023198
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表1に示す結果から明らかなように、研磨用組成物中にポリビニルアルコールが含まれている場合には、ポリビニルアルコールが含まれていない場合に比べて、(000−1)C面の研磨時の研磨ヘッドの自転速度は大きく、(0001)Si面の研磨時の研磨ヘッドの自転速度と(000−1)C面の研磨時の研磨ヘッドの自転速度の間の差が小さくなっている。このことから、ポリビニルアルコールは、(0001)Si面の研磨時と(000−1)C面の研磨時とで基板と研磨パッドの間の摩擦抵抗に生じる可能性のある差を小さくする働きをすると推測される。
また表1に示す結果からは、研磨用組成物中のポリビニルアルコールの含有量が比較的少ない場合、具体的には0.75g/L以下の場合には、(0001)Si面の研磨時と(000−1)C面の研磨時とで研磨ヘッドの自転速度の差が特に小さくなることが分かる。さらには、研磨用組成物中のポリビニルアルコールの含有量が比較的多い場合、具体的には2〜8g/Lの範囲の場合には、研磨用組成物による(0001)Si面の研磨速度と(000−1)C面の研磨速度の差が小さくなることも表1に示す結果からは分かる。
なお、比較例7の研磨用組成物は、ゲル化により、pHの測定及び研磨での使用のいずれも不可能であった。また、比較例8の研磨用組成物は、研磨用組成物中の過酸化水素の分解による発煙が激しいために、pHの測定及び研磨での使用を取り止めた。

Claims (4)

  1. 砥粒、バナジン酸塩、過酸化水素及びポリビニルアルコールを含有することを特徴とする研磨用組成物。
  2. pHが4〜9である請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 研磨用組成物中のポリビニルアルコールの含有量が0.1〜8g/Lである請求項1又は2に記載の研磨用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて、六方晶炭化ケイ素単結晶基板の表面と裏面を同時あるいは順次に研磨することを特徴とする研磨方法。
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