JP2010022764A - ヘッドレスト - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、本体部の左右両端部に配置されたサポート部を回動して乗員の側頭部を支える姿勢に位置決めすることが可能であり、乗員の頭部によってサポート部の位置決め状態が変更されることを防止するヘッドレストを提供することにある。
【解決手段】芯体が埋設され、その芯体に固着された一対のステー4が突設された本体部2と、その本体部2の左右方向両端部に配置され、本体部2に回動可能に支持される左右のサポート部3とからなるヘッドレストとした。そして、サポート部3の外形状と本体部2の外形状とが意匠面を共有する第1の姿勢と、回動して前方に向けられた背面部3bが本体部2の前面部2aよりも突出する第2の姿勢とのいずれかの姿勢にサポート部3を位置決めできるようにした。
【選択図】図2
【解決手段】芯体が埋設され、その芯体に固着された一対のステー4が突設された本体部2と、その本体部2の左右方向両端部に配置され、本体部2に回動可能に支持される左右のサポート部3とからなるヘッドレストとした。そして、サポート部3の外形状と本体部2の外形状とが意匠面を共有する第1の姿勢と、回動して前方に向けられた背面部3bが本体部2の前面部2aよりも突出する第2の姿勢とのいずれかの姿勢にサポート部3を位置決めできるようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、自動車等の車両において、シートの背もたれ部の上端部に設置されるヘッドレストに係り、特には着座者の頭部の左右の動きを制限しうるヘッドレストに関する。
従来、ヘッドレストは、車両が後方から衝突された時に、乗員の頭部を保護することを目的とするものであるが、休憩時等において頭部を安楽に支えたり、カーブ走行時等において頭部が不用意に左右に振られることを防いだりするものもある。
特許文献1に開示されている車両用シートのヘッドレストは、着座者の頭部後ろ側を支持するメイン部と、そのメイン部の両側に配置された左右のサイド部から構成されている。そのサイド部はメイン部に回動可能に支持されており、メイン部と連続する起立状態からシートの背もたれ部に当接する状態まで倒伏が可能となっている。即ち、サイド部を起立状態から前方に回動することによりサイド部をメイン部よりも前方に突出させることができるので、その突出部分で着座者の側頭部を支持できるようになっている。
実開平7−3906号公報([要約]を参照)
特許文献1に開示されているヘッドレストは、着座者がヘッドレストまで頭部が届かない子供の場合に、その側頭部を支持できるようにするため、サイド部がシートの背もたれ部に当接する下方位置まで回動可能となっている。ところが、乗員が大人の場合は、サイド部が背もたれ部に当接する位置にあれば、サイド部は背中や肩に当るだけで側頭部を支持するものにはなり得ない。そのため、サイド部の回動を途中で止めて、その回動停止位置におけるサイド部により側頭部を支持するようになっている。
しかし、起立状態の位置、回動途中の位置及び背もたれ部に当接する位置の3位置に対するサイド部の位置決めは、メイン部ブラケットの3ヶ所の位置決め孔に対して、バネに付勢されたロックピンを係合させることにより行われるようになっている。従って、頭部等による軽い衝撃がサイド部の回動方向に与えられるだけで、ロックピンと位置決め孔との係合状態が外れる虞がある。係合状態が外れた場合は、その都度サイド部を回動して位置決め状態に戻さねばならない煩わしさがある。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、本体部の左右両端部に配置されたサポート部を回動して乗員の側頭部を支える姿勢に位置決めすることが可能であり、乗員の頭部によってサポート部の位置決め状態が変更されることを防止するヘッドレストを提供することにある。
上記問題を解決するために請求項1に記載のヘッドレストの発明は、一対のステーが突設された本体部と、その本体部の左右方向両端部に配置され、前記本体部に回動可能に支持された左右のサポート部とからなり、前記サポート部は、その外形状と前記本体部の外形状とが意匠面を共有する第1の姿勢と、その第1の姿勢から回動されることにより前方に向けられた背面部が前記本体部の前面部よりも突出する第2の姿勢とのいずれかの姿勢に位置決めされるヘッドレストにおいて、前記本体部には、前記サポート部を回動可能に支持すための支持盤部が形成され、一方、前記サポート部には被支持盤部が形成されて、その支持盤部及び被支持盤部の一方には軸受穴部が形成されると共に、その軸受穴部の軸対称の位置に一対の位置決め穴部が形成され、支持盤部及び被支持盤部の他方には軸体が突設されると共に、その軸体の軸対称の位置に一対の位置決めピンが形成され、前記軸体が前記軸体係合穴部に回動可能に、且つ軸方向に移動可能に支持されると共に、前記位置決めピンが前記位置決め穴部で位置決めされることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、サポート部は本体部の軸受穴部に回動可能に支持されているので、位置決めピンと位置決め穴部との位置決め関係が解除された時に、容易に本体部に対するサポート部の回動を行うことができる。そして、その回動後に再び位置決めピンと位置決め穴部との位置決めを行えば、サポート部に対してその回動方向に負荷がかかっても、サポート部の本体部に対する位置決めは維持される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヘッドレストにおいて、前記軸受穴部の前記本体部の前後方向における位置は、前記本体部の前面部に至る水平距離よりも背面部に至る水平距離のほうが長くなるように配置されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によれば、軸受穴部を中心にサポート部を回動させれば、水平距離が前面部に対するよりも長い背面部が前方を向くことになる。即ち、第1の姿勢にあるサポート部の背面部と本体部の背面部とは連続する意匠面により形成されているので、少なくともその水平距離の差の分だけ、サポート部の前方に向けられた背面部は本体部の前面部よりも突出することになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のヘッドレストにおいて、前記軸受穴部及び前記軸体には軸体の回動域を制限する回動制限手段が形成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明によれば、軸体の回動域が制限されるので、サポート部が第1の姿勢と第2の姿勢との間で姿勢変更をする度に本体部に対して同じ方向に回動することが防止される。従って、例えば、本体部とサポート部との間に電気的配線が施されている場合等、配線が捩れて断線することが防止される。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のヘッドレストにおいて、前記回動制限手段は、前記本体部に対するサポート部の回動を180度の範囲に制限することを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のうちいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、前記軸体には、弾性変形可能な係合片が形成され、その係合片の係合爪部が前記軸体係合穴部の係合受部に係合することにより、前記軸体と前記軸体係合穴部とが係合されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明によれば、メンテナンス等において本体部とサポート部との分離を必要とする場合、外部から工具等により係合片を操作して係合受部と係合爪部との係合を外せば、軸体と軸体係合穴部との係合が外れて本体部とサポート部とを分離することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2ないし5のうちいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、前記軸受穴部において、前記軸受穴部から前記軸体が離脱する方向の逆方向に前記軸体に対して付勢力が付与されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明によれば、軸体に対する付勢力により、位置決めピンは位置決め穴部から自然には抜け出ないので、乗員の頭部によりサポート部に対してその回動方向に負荷が与えられても位置決めピンの位置決め穴部に対する位置決めは維持される。一方、サポート部の姿勢の変更が必要な場合は、付勢力に抗して位置決めピンを位置決め穴部から抜き出せば、サポート部を回動させてその姿勢の変更を容易に行うことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項2ないし5のうちいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、前記位置決め穴部には、その内径よりも狭められた内法の弾性体が設けられ、一方、前記位置決めピンには環状溝部が形成され、前記位置決めピンが前記位置決め穴部に挿入されて、前記弾性体が前記環状溝部に係合することにより前記位置決めピンが前記位置決め穴部に位置決めされることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明によれば、位置決めピンの位置決め穴部に対する所定の位置への挿入により、押し広げられた弾性部材が環状溝部に落ち込む際、その挿入はいわゆるクリック感を伴うものとなる。また、位置決め状態の位置決めピンの環状溝部には、位置決め穴部の弾性部材が作用しているので、位置決めピンが位置決め穴部から容易に抜け出ることが防止される。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のうちいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、前記サポート部には、電気機器が内蔵されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、本体部の左右両端部に配置されたサポート部を回動して乗員の側頭部を支える姿勢に位置決めすることが可能であり、乗員の頭部によってサポート部の位置決め状態が変更されることを防止するヘッドレストを提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図7を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のヘッドレスト1は、図示しない芯体が埋設され、その芯体に固着された一対のステー4が突設された本体部2と、本体部2の両端に回動可能に配置された左右のサポート部3とで形成されている。図1からも明らかなように、本体部2に対してサポート部3が第1の姿勢にある時のヘッドレスト1の外形状は、その前面側において、本体部2の前面部2a及びサポート部3の前面部3aとにより連続する意匠面で形成されている。また、ヘッドレスト1の上側及び図示されていない背面側も同様に連続する意匠面で形成されている。
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図7を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のヘッドレスト1は、図示しない芯体が埋設され、その芯体に固着された一対のステー4が突設された本体部2と、本体部2の両端に回動可能に配置された左右のサポート部3とで形成されている。図1からも明らかなように、本体部2に対してサポート部3が第1の姿勢にある時のヘッドレスト1の外形状は、その前面側において、本体部2の前面部2a及びサポート部3の前面部3aとにより連続する意匠面で形成されている。また、ヘッドレスト1の上側及び図示されていない背面側も同様に連続する意匠面で形成されている。
そして、図2に示すように、サポート部3を回動してその背面部3bが前方を向く第2の姿勢にあるようにすれば、その背面部3bは、本体部2の前面部2aよりも突出することになり、その突出部分により乗員の側頭部を支えることができる。
図3は、サポート部3が第1の姿勢にある時を示し、この図3は本体部2とサポート部3との車幅方向の左側(図の右側)の連結部付近におけるヘッドレスト1の断面図である。また、この断面図は、後述の軸受穴部6及び一対の位置決め穴部7の中心軸を含む断面を後方視したときの状態を示している。なお、車幅方向の右側の連結部付近の構成も左右対称の構成であるので、図3に示す車幅方向の左側の連結部付近の構成のみを説明するものとする。
本体部2の端部は、図示しない前記芯体に固着された支持盤部5と発泡体2dを覆う表皮2cとにより形成されている。支持盤部5のフランジ部5aに表皮2cの端部が重合された状態で、発泡体2dを形成するウレタンの接着作用により重合部が一体化され、支持盤部5と表皮2cとが固着されている。
そして、支持盤部5にはサポート部3の回動中心となる位置において支持盤部5の表面に直交する方向に延びる軸受穴部6が形成され、その軸受穴部6に対して軸対称の位置に一対の位置決め穴部7が形成されている。軸受穴部6には軸体9が挿入配置されている。軸体9の一端には円盤状の被回動制限部9aが形成され、もう一方の端に近い側には後述する係合片14が形成されている。
一方、軸受穴部6の内面には軸方向に沿って突条状の回動制限部15が形成されている。また、図4(a)(b)に示すように、軸体9の被回動制限部9aの外形は大径部9d及び小径部9eと、その大径部9dと小径部9eとの間の段部9cからなっている。この回動制限部15及び被回動制限部9aが回動制限手段を形成している。そして、サポート部3が第1の姿勢にある時、図4(a)に示すように、被回動制限部9aの大径部9dは車両の後方側(図の右側)にある。そこで、被回動制限部9aを図中の反時計方向に回動すれば、大径部9dが車両の前方側(図の左側)に移動して、図4(b)に示すように、段部9cが回動制限部15に当接して位置決めされる。このときの回動範囲は180度である。
また、軸受穴部6には軸支部12の円筒体12aが挿入され、その軸支部12は円板体12bを介してビス12dにより支持盤部5にビス留めされている。そして、円筒体12aに軸体9が回動可能に嵌合されて、被回動制限部9aと円板体12bとの間にスプリング13が圧縮状態で配置されている。このスプリング13の付勢力により、軸体9が軸受穴部6内の底部6aに押し止められるため、サポート部3と本体部2との連結状態が維持されるようになっている。
一方、サポート部3の端部は、被支持盤部8と発泡体3dを覆う表皮3cとにより形成されている。被支持盤部8のフランジ部8aに表皮3cの端部が重合された状態で、発泡体3dを形成するウレタンの接着作用により重合部が一体化され、被支持盤部8と表皮3cとが固着されている。
そして、被支持盤部8にはサポート部3の回動中心となる位置において被支持盤部8の表面に直交する方向に延びる軸体係合穴部10が形成され、その軸体係合穴部10に対して軸対称の位置に一対の位置決めピン11が突設されている。この位置決めピン11は前記位置決め穴部7に挿入されており、この挿入状態においては本体部2に対するサポート部3の回動を不能としている。
軸体係合穴部10には、前記軸体9が挿入され、その軸体9の先端部9bが底部10aに当接している。このとき、軸体9に形成された後述の係合片14の係合爪部14bが軸体係合穴部10の係合受部10bに係合することにより、軸体9は、軸体係合穴部10内において軸方向に移動不能に位置決めされると共に、回動不能に位置決めされている。
図6に示すように、前記係合片14は、3方がスリット14cにより軸体9と離間し、根元部14aにおいて軸体9と一体となっている。そのため、サポート部3が図5に示す位置にある時、根元部14aと反対側に位置する操作部14dを工具等により押込めば、係合片14は全体が湾曲するので、係合爪部14bを係合受部10bから外すことができる。なお、図5において、便宜上、一対の位置決めピン11を結ぶ中間部に係合片14が位置するように描いているが、係合片14及び係合受部10bの位置を適宜移動して、位置決めピン11が操作部14dの操作の妨げにならないようにすることが好ましい。
次に、図4及び図5を用いて、サポート部3を回動してその姿勢を、ヘッドレスト1の通常の使用状態である第1の姿勢から、走行状況に対応するため又は休憩のために側頭部をサポートする第2の姿勢に変更する時の本体部2とサポート部3との関係を説明する。
図5に示すように、スプリング13の付勢力に抗してサポート部3を本体部2から遠ざける方向に引けば、被回動制限部9aが軸支部12の端部12cに当接して、本体部2の端部とサポート部3の端部との間には最大の隙間が形成される。このとき、一対の位置決めピン11は位置決め穴部7から完全に離脱している。そのため、サポート部3は軸体9を回動中心として回動可能状態にある。
従って、スプリング13の付勢力に抗して、本体部2とサポート部3との間の隙間を維持しつつ、サポート部3を回動させて被回動制限部9aを図4(a)に示す位置から図4(b)に示す位置に移動させれば、一対の位置決めピン11は互いの位置を交替して、位置決め穴部7に挿入可能な位置に配置される。その位置で、スプリング13の付勢力に抗することを止めれば、スプリング13の付勢力により軸体9が軸受穴部6内において底部6aに当接するまで引き込まれ、同時に一対の位置決めピン11は位置決め穴部7に挿入され位置決めされる。このスプリング13の付勢力による上記の一連の動作と共に、サポート部3が本体部2側に移動され、サポート部3の第1の姿勢から第2の姿勢への姿勢変更が完了したことになる。
このとき、図7に示すように、軸受穴部6の中心と本体部2の背面部2bとの間の水平距離LRは、軸受穴部6の中心と本体部2の前面部2aとの間の水平距離LFよりもその差LDだけ長くなっている。ところが、本体部2とサポート部3とは、それぞれの外形状が連続する意匠面で形成されている。従って、サポート部3が180度回動して、背面部3bが前方を向くようにすれば、サポート部3は少なくとも本体部2の前面部2aよりも差LD分だけ突出することになる。更に、背面部3bの一部(第1の姿勢における下部)を膨出させて膨出部3eを形成しているため、サポート部3は本体部2の前面部2aより差LD以上に突出することになり、乗員の側頭部をより確実に支えることができるようになる。
なお、詳細な説明は省略するが、サポート部3の姿勢を第2の姿勢から第1の姿勢へと変更する場合は、図5に示すように、スプリング13の付勢力に抗して本体部2とサポート部3との間の隙間を維持したまま、サポート部3を回動させ、図3に示す位置決め状態とすればよい。このとき、被回動制限部9aを図4(b)に示す位置から図4(a)に示す位置に図中の時計方向に回動するようにサポート部3を回動することになる。
上記のように、サポート部3は、被回動制限部9aと回動制限部15との関係により180度の範囲で時計方向及び反時計方向の回動が可能となっているので、例えばサポート部3内にスピーカー等の電気機器を内蔵した場合、本体部2とサポート部3との間の電気的配線は180度以上に捩る力が殆ど作用しない。
なお、本実施形態において、支持盤部5、被支持盤部8、軸体9及び軸支部12はポリアミド等のエンジニアリングプラスチックの成形品であるが、軽量鋼板を用いたプレス成形品及びそれらを溶接等により接合したもので構成するようにしてもよい。
従って、上記実施形態のヘッドレスト1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、サポート部3が第1の姿勢にある時、ヘッドレスト1の外形状が、その前面側において、本体部2の前面部2a及びサポート部3の前面部3aとにより連続する意匠面で形成されるようにした。また、ヘッドレスト1の上側及び図示されていない背面側も同様に連続する意匠面で形成されるようにした。そのため、見栄えがよいばかりか、サポート部3が回動されて背面部3bが前方に向けられる第2の姿勢に位置決めされれば、その背面部3bが本体部2の前面部2aよりも突出するので、その突出部分により乗員の側頭部を支えることができる。
(1)上記実施形態では、サポート部3が第1の姿勢にある時、ヘッドレスト1の外形状が、その前面側において、本体部2の前面部2a及びサポート部3の前面部3aとにより連続する意匠面で形成されるようにした。また、ヘッドレスト1の上側及び図示されていない背面側も同様に連続する意匠面で形成されるようにした。そのため、見栄えがよいばかりか、サポート部3が回動されて背面部3bが前方に向けられる第2の姿勢に位置決めされれば、その背面部3bが本体部2の前面部2aよりも突出するので、その突出部分により乗員の側頭部を支えることができる。
(2)上記実施形態では、サポート部3を本体部2の軸受穴部6に回動可能に支持するようにしたので、位置決めピン11と位置決め穴部7との位置決め関係が解除された時に、本体部2に対するサポート部3の回動を容易に行うことができる。そして、その回動後に再び位置決めピン11と位置決め穴部7との位置決めを行えば、サポート部3に対してその回動方向に負荷がかかっても、サポート部3の本体部2に対する位置決めを維持することができる。
(3)上記実施形態では、軸受穴部6を中心としたサポート部3の回動により、前面部2aに対する水平距離LFよりも長い水平距離LRの背面部2bに対応する背面部3bが前方を向くようにした。即ち、第1の姿勢にあるサポート部3の背面部3bと本体部2の背面部2bとは連続する意匠面により形成したので、サポート部3の回動により、少なくともその水平距離の差LDの分だけ、前方を向いた背面部3bを本体部2の前面部2aよりも突出させることができる。従って、乗員の側頭部を適切に支えることができる。
(4)上記実施形態では、軸体9の回動域が180度の範囲に制限されるようにしたので、サポート部3が第1の姿勢と第2の姿勢との間で姿勢変更をする毎に本体部2に対して同じ方向に回動することが防止される。従って、例えば、本体部2とサポート部3との間に電気的配線が施されている場合等、配線の捩れに起因する断線を防止することができる。
(5)上記実施形態では、軸体9の係合片14の係合爪部14bと軸体係合穴部10の係合受部10bの係合により、軸体係合穴部10に対して軸体9を軸方向の移動不能及び回動不能状態に係合するようにした。そのため、メンテナンス等において本体部2とサポート部3との分離を必要とする場合、外部から工具等により係合片14を操作して係合受部10bと係合爪部14bとの係合を外せば、軸体9と軸体係合穴部10との係合が外れて本体部2とサポート部3とを容易に分離することができる。
(6)上記実施形態では、軸体9に対するスプリング13の付勢力により、位置決めピン11が位置決め穴部7から自然には抜け出ないようにしたので、乗員の頭部によりサポート部3に対してその回動方向に負荷が与えられても、位置決めピン11の位置決め穴部7に対する位置決めは維持される。一方、サポート部3の姿勢の変更が必要な場合は、付勢力に抗して位置決めピン11を位置決め穴部7から抜き出せば、サポート部3を回動させてその姿勢の変更を容易に行うことができる。
(7)上記実施形態では、軸受穴部6及び軸体9の位置が着座者の後頭部よりも後方の位置になる。従って、サポート部3に対して着座者の後頭部により左右方向の外方への力が作用しても、軸受穴部6及び軸体9の位置においてその力は後方へ向かうモーメントを含む。このため、サポート部3の左右外方への意図しない移動を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図8〜図10を用いて説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態におけるスプリング13を不要とし、また、位置決め穴部7及び位置決めピン11の構成の一部が異なる他は、第1の実施形態と同一の構成であるので、その同一部分の説明は省くものとする。
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図8〜図10を用いて説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態におけるスプリング13を不要とし、また、位置決め穴部7及び位置決めピン11の構成の一部が異なる他は、第1の実施形態と同一の構成であるので、その同一部分の説明は省くものとする。
図8及び図9に示すように、本実施形態における位置決め穴部7には、中心軸に直交する方向の溝部7aが所定間隔をおいて同一円周上の2ヶ所に形成され、その溝部7aにはばね鋼からなり、内法が位置決め穴部7の内径よりも狭い略U字状の弾性体17が装着されている。一方、位置決めピン11には環状溝部16が形成され、位置決めピン11の先端部11aが位置決め穴部7の底部7bに当接した時、弾性体17が環状溝部16に係合できるようになっている。
また、本実施形態においては、被回動制限部9aと円板体12bとの間にスプリング13は装着されていない。従って、図8に示すように第1の姿勢にあるサポート部3を、本体部2から引き離して、図9に示す本体部2とサポート部3との間の隙間が最大となるようにするためには、弾性体17が環状溝部16から抜け出るようにすればよい。このとき、先端部11aにより押し広げられた弾性体17は、軸方向に移動した先端部11aから外れるため、サポート部3を操作する人にクリック感をもたらすことになる。
また、位置決めピン11を位置決め穴部7に挿入するときは、弾性体17の付勢力に抗して弾性体17を押し広げて先端部11aを挿入するようにすれば、弾性体17はクリック感を伴って環状溝部16に係合して、位置決め穴部7に対する位置決めピン11の位置決めは完了する。
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(8)上記実施形態では、位置決め穴部7に弾性体17を装着し、位置決めピン11には環状溝部16を形成し、弾性体17が環状溝部16に係合するようにした。そのため、位置決めピン11の位置決め穴部7に対する挿入により、押し広げられた弾性体17が環状溝部16に落ち込む際、クリック感を伴うものとなる。また、位置決め状態の位置決めピン11の環状溝部16に弾性体17が作用しているので、位置決めピン11が位置決め穴部7から容易に抜け出ることが防止されると共に、弾性体17の付勢力に抗して位置決めピン11を位置決め穴部7からクリック感を伴って離脱させることができる。
(8)上記実施形態では、位置決め穴部7に弾性体17を装着し、位置決めピン11には環状溝部16を形成し、弾性体17が環状溝部16に係合するようにした。そのため、位置決めピン11の位置決め穴部7に対する挿入により、押し広げられた弾性体17が環状溝部16に落ち込む際、クリック感を伴うものとなる。また、位置決め状態の位置決めピン11の環状溝部16に弾性体17が作用しているので、位置決めピン11が位置決め穴部7から容易に抜け出ることが防止されると共に、弾性体17の付勢力に抗して位置決めピン11を位置決め穴部7からクリック感を伴って離脱させることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 軸支部12を介して軸体9が軸受穴部6に回動可能に支持されるようにしたが、軸支部12を介さず軸体9を直に軸受穴部6に回動可能に支持させるようにすること。
・ 位置決めピン11を中空円筒体としたが、中実円柱体とすること。
・ 軸体9に対する付勢力をスプリング13により、位置決めピン11に対する付勢力を弾性体17により付与するようにしたが、磁石を用いて付勢力を付与すること。
・ 前記実施形態では、支持盤部5に軸受穴部6及び位置決め穴部7を形成すると共に、被支持盤部8に軸体係合穴部10及び位置決めピン11を形成した。これとは逆に、支持盤部5に軸体係合穴部10及び位置決めピン11を形成すると共に、被支持盤部8に軸受穴部6及び位置決め穴部7を形成すること。
・ 支持盤部5は芯体に固着されているものとしたが、支持盤部5を表皮一体発泡成形した本体部2の芯体に後から組付けること。
・ 一対の位置決めピン11及び一対の位置決め穴部7により位置決めを行うようにしたが、1ヶ所の位置決めピン11とサポート部3の回動に伴い、その位置決めピン11に交互に対応する一対の位置決め穴部7により位置決めを行うこと。
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 軸支部12を介して軸体9が軸受穴部6に回動可能に支持されるようにしたが、軸支部12を介さず軸体9を直に軸受穴部6に回動可能に支持させるようにすること。
・ 位置決めピン11を中空円筒体としたが、中実円柱体とすること。
・ 軸体9に対する付勢力をスプリング13により、位置決めピン11に対する付勢力を弾性体17により付与するようにしたが、磁石を用いて付勢力を付与すること。
・ 前記実施形態では、支持盤部5に軸受穴部6及び位置決め穴部7を形成すると共に、被支持盤部8に軸体係合穴部10及び位置決めピン11を形成した。これとは逆に、支持盤部5に軸体係合穴部10及び位置決めピン11を形成すると共に、被支持盤部8に軸受穴部6及び位置決め穴部7を形成すること。
・ 支持盤部5は芯体に固着されているものとしたが、支持盤部5を表皮一体発泡成形した本体部2の芯体に後から組付けること。
・ 一対の位置決めピン11及び一対の位置決め穴部7により位置決めを行うようにしたが、1ヶ所の位置決めピン11とサポート部3の回動に伴い、その位置決めピン11に交互に対応する一対の位置決め穴部7により位置決めを行うこと。
LF,LR…水平距離、1…ヘッドレスト、2…本体部、2a,3a…前面部、2b,3b…背面部、3…サポート部、4…ステー、5…支持盤部、6…軸受穴部、7…位置決め穴部、8…被支持盤部、9…軸体、9a…被回動制限部、9b,11a…先端部、10…軸体係合穴部、10b…係合受部、11…位置決めピン、12c…端部、14…係合片、14a…根元部、14b…係合爪部、15…回動制限部、16…環状溝部、17…弾性体。
Claims (8)
- 一対のステーが突設された本体部と、その本体部の左右方向両端部に配置され、前記本体部に回動可能に支持された左右のサポート部とからなり、前記サポート部は、その外形状と前記本体部の外形状とが意匠面を共有する第1の姿勢と、その第1の姿勢から回動されることにより前方に向けられた背面部が前記本体部の前面部よりも突出する第2の姿勢とのいずれかの姿勢に位置決めされるヘッドレストにおいて、前記本体部には、前記サポート部を回動可能に支持すための支持盤部が形成され、一方、前記サポート部には被支持盤部が形成されて、その支持盤部及び被支持盤部の一方には軸受穴部が形成されると共に、その軸受穴部の軸対称の位置に一対の位置決め穴部が形成され、支持盤部及び被支持盤部の他方には軸体が突設されると共に、その軸体の軸対称の位置に一対の位置決めピンが形成され、前記軸体が軸体係合穴部に回動可能に、且つ軸方向に移動可能に支持されると共に、前記位置決めピンが前記位置決め穴部で位置決めされることを特徴とするヘッドレスト。
- 前記軸受穴部の前記本体部の前後方向における位置は、前記本体部の前面部に至る水平距離よりも背面部に至る水平距離のほうが長くなるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
- 前記軸受穴部及び前記軸体には軸体の回動域を制限する回動制限手段が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドレスト。
- 前記回動制限手段は、前記本体部に対するサポート部の回動を180度の範囲に制限することを特徴とする請求項3に記載のヘッドレスト。
- 前記軸体には、弾性変形可能な係合片が形成され、その係合片の係合爪部が前記軸体係合穴部の係合受部に係合することにより、前記軸体と前記軸体係合穴部とが係合されていることを特徴とする請求項2ないし4のうちいずれか一項に記載のヘッドレスト。
- 前記軸受穴部において、前記軸受穴部から前記軸体が離脱する方向の逆方向に前記軸体に対して付勢力が付与されていることを特徴とする請求項2ないし5のうちいずれか一項に記載のヘッドレスト。
- 前記位置決め穴部には、その内径よりも狭められた内法の弾性体が設けられ、一方、前記位置決めピンには環状溝部が形成され、前記位置決めピンが前記位置決め穴部に挿入されて、前記弾性体が前記環状溝部に係合することにより前記位置決めピンが前記位置決め穴部に位置決めされることを特徴とする請求項2ないし5のうちいずれか一項に記載のヘッドレスト。
- 前記サポート部には、電気機器が内蔵されていることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか一項に記載のヘッドレスト。
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