JP2010022249A - 吸水シートを用いて植物を育成する方法 - Google Patents

吸水シートを用いて植物を育成する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 多くの植物を育生するための保水と給水能力を備え、混合するなどの面倒な作業をすることなく容易に土壌の保水性を向上させる方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも片面が透水性であって下記吸水性樹脂の粉末を含む吸水性シートの、該透水性面を土壌中の植物の根側に向け土壌に接して配置して植物を育生する方法。
吸水性樹脂: 吸水性樹脂1重量部を25℃のイオン交換水100重量部に吸水させた時の吸水体の電気伝導率が0〜2.0mS/cmであり、且つ25℃のイオン交換水の吸水倍率が80〜1000倍である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、吸水シートを用いて植物を生育する方法に関する。さらに詳しくは特定の吸水性樹脂の粉末からなる吸水シートを用いて土壌の保水性を向上させて植物を育生する方法に関する。
従来から植物の生育を助長するために、土壌の保水性を向上させる土壌改良剤が広く利用されている。この土壌改良剤としては、ピートモスなどの天然素材(たとえば、特許文献1)、粘度熱処理粒状物などの無機物(たとえば、特許文献2)、吸水性樹脂粒子(たとえば、特許文献3,4)などを土壌に混ぜて、また植物の根の周辺に埋め込んで、植物の根の周辺の土壌の保水性を向上させて、植物の生育を助長するようにしていた。
特開2000−160161号公報 特開2007−161745号公報 特開2003−281915号公報 特開平6−88074号公報
しかしながら、上記の土壌改良剤では、土壌の保水性をある程度向上させることができるものの、それだけでは自ずと効果に限界がある。また土壌と混ぜると土壌改良剤が偏在したりして効果にもばらつきがあるため、多くの土壌改良剤を用いたり且つ充分混合することが必要であり、またその混合作業が面倒であった。特に吸水性樹脂粉末の土壌改良剤では効果のある植物が限られてしまうという問題もあった。
本発明の目的は、多くの植物を育生するための保水と給水能力を備え、混合するなどの面倒な作業をすることなく容易に土壌の保水性を向上させる方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題に鑑み、鋭意研究の結果、特定の吸水性樹脂粉末からなる吸水シートを土壌に接してやれば土壌の保水性が向上し植物が生育することを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、各請求項の発明について説明する。
本発明は、少なくとも片面が透水性であって下記吸水性樹脂の粉末を含む吸水シートの、該透水性面を土壌中の植物の根側に向け土壌に接して配置して植物を育生する方法である。
吸水性樹脂: 吸水性樹脂1重量部を25℃のイオン交換水100重量部に吸水させた時の吸水体の電気伝導率が0〜2.0mS/cmであり、且つ25℃のイオン交換水の吸水倍率が80〜1000倍である。
さらに本発明は、前記土壌が容器中の土壌であることを特徴とする。
本発明の方法によれば、吸水シートの透水性面を土壌に接してやるだけで土壌の保水性が向上し植物の育生ができる。土壌改良剤と土壌を混ぜるなどの作業がなく簡単な作業で土壌の保水性が向上できる。また多くの植物に吸収した水を給水することのできる特殊の吸水性樹脂を用いるので、適用できる植物がほとんど限定されない。
以下、本発明の実施の形態につき、図を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本発明における吸水シートは、少なくとも片面が透水性である。吸水シートの他の面は透水性であっても、非透水性であってもよい。吸水シートの透水性の面を土壌に接してやれば土壌の保水性が向上する。
吸水シートとしては、吸水・保水基材に吸水性樹脂の粉末を固定させたもの、該基材に吸水性樹脂の粉末を散布し、他方の基材(透水性シートまたは非透水性シート)でサンドイッチ状に挟み、エンボス加工法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法、融着法等の方法で吸水性樹脂を一体化したもの等が挙げられる。吸水・保水基材上での吸水性樹脂の位置は基材の全面であれ巾をもった線状であれ連続的に散布するのが好ましい。
吸水・保水基材としては、たとえば、木材パルプなどの綿状物や、吸水性繊維などの各種繊維を抄紙、機械的接着、バインダー接着、スパンボンド法、スパンレース法等の適宜の方法でシート化したもの;これらを積層してなる積層体が挙げられる。
上記の吸水シートの中で 好ましいものは、布(特に好ましくは不織布)、紙等の基材の片面または両面に粘着剤やバインダー樹脂を用いて吸水性樹脂粉末を固定化させたものであり、特に好ましいものは、木材パルプの綿状物、積層体やティッシュなどの紙に吸水性樹脂粉末を固定させたもの、基材でサンドイッチ状に挟んだ後、エンボス加工法、ニードルパンチ法で吸水性樹脂を一体化したもの、プラスチックフィルムの片面または両面に粘着剤やバインダー樹脂を用いて吸水性樹脂粉末を固定させたもので、たとえば、セロハンやビニールの粘着テープを用いて、粘着面に吸水性樹脂粉末を散布し圧着ロールで固定したものが挙げられる。これらが好ましい理由は、吸水性樹脂粉末の吸水による膨潤を妨げにくいため、多くの水を吸収して保水し、結果として土壌の保水性を向上させることができる。
上記に用いられる粘着剤やバインダー樹脂としては公知のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エステル樹脂等が使用でき、水系、溶剤系、無溶剤系のいずれでもよい。使用時にはそのまま又は水や溶剤(メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)で任意の濃度に希釈して基材に塗布することができる。塗布する方法はロールコーター、刷毛塗り等ライン塗装、現場塗装に用いられる塗装方法で行われる。乾燥膜厚は好ましくは0.1μm〜3mmであり、より好ましくは1μm〜1mmである。塗装後乾燥中又は乾燥後に吸水性樹脂を散布するのが好ましい。ここで、吸水性樹脂の粉末の固定量は好ましくは1〜100g/m2、より好ましくは10〜60g/m2であり、特に好ましくは20〜50g/m2であり、最も好ましくは30〜40g/m2である。固定量が1g/m2以上であると、土壌の保水性が良好となり、100g/m2以下であると、性能と経済面のコストパフォーマンスが良好である。
透水性シートとしては、柔軟性があり且つ透水性のシートであって、且つ使用するまでに破れない程度の強度があれば特に形態、材質にはこだわらない。透水性基材としては水が通る孔があれば特に限定はないが、孔の大きさは好ましくは0.001〜1mm、特に好ましくは0.01〜0.5mmである。基材の厚みは好ましくは0.001〜5mm、より好ましくは0.01〜3mmである。
透水性シートの材質としては例えば綿、羊毛、絹、セルロース、パルプ等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポバール等及びその変性物等の合成樹脂又は繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維等及びこれらの混合素材、洋紙、和紙等の紙の素材が適用できる。好ましくは天然繊維、紙である。また、土壌に設置した後、吸水時に溶解したり崩壊するものが好ましい。
ここで透水性とは、100mlの25℃のイオン交換水が100cm2の面積を通過する時間(秒)で表すと30秒以下であり、好ましくは15秒以下であり、特に好ましくは5秒以下である。
形態としては例えば編布、織布、不織布等の布;ポリエチレン、ポリプロピレン等のシートに微細な孔を数多く開けたもの等のメッシュフィルム;洋紙、和紙等の紙等が挙げられる。これらの中で布や紙が好ましく、ティッシュや不織布が特に好ましい。不織布については、「不織布の基礎と応用」(日本繊維機械学会発行)に詳細に記載されている。また、熱融着法で固定する場合は熱融着繊維及び/又はフィルム等の熱融着物質を含んだものを使用するが、「熱融着不織布の実態と熱融着繊維全容」(1989年4月24日発行、大阪ケミカルマーケッティングセンター社)に詳細に記載されているものが挙げられる。
非透水性シートとしては、柔軟性があり非透水性のシートであれば制限はないが、ポリエステルフィルム、ナイロン、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの合成樹脂製フィルム;これらの積層ラミネートフィルム;アルミホイルなどの金属製フィルム、および合成樹脂製フィルムと金属フィルムとの多層ラミネートフィルムが挙げられる。柔軟性の点から合成樹脂製フィルム、および合成フィルムの積層ラミネートフィルムが好ましい。厚みは特に限定はない。
図1は、実施の一形態の吸水シートの断面図である。(a)は透水性シート1または非透水性シート3の上に吸水性樹脂の粉末2を散布してプレスしたシートである。(b)は2枚の透水性シート1に吸水性樹脂の粉末2を挟んだ吸水シートである。(c)は吸水性樹脂の粉末2が透水性シート1と非透水性シート3とに挟まれた片面が吸水する積層シートである。(d)は(a)の吸水シートの一方にさらに非透水性シート3を重ねて構成した積層シートである。(e)は吸水性樹脂の粉末2が2枚の透水性シート1に挟まれたシートをさらに別の2枚の透水性シート1で挟んで構成された積層シートである。
吸水シートの大きさは特に限定がない。吸水シートを容器内に設置する場合は、容器の大きさに合わせてカッティングして1枚で設置しても数枚で設置してもよい。花壇や芝生などに設置する場合でも対象とする植物の下に任意の大きさにカッティングして1枚で設置しても数枚で設置してもよい。
本発明に用いられる吸水性樹脂は、吸水性樹脂1重量部を25℃のイオン交換水100重量部に吸水させた時の吸水体の電気伝導率が0〜2.0mS/cmであり、且つ25℃のイオン交換水の吸水倍率が80〜1000倍であれば特に限定はない。この吸水性樹脂は、吸水した水を植物の根に効率よく給水できるので、根の生長を阻害しない。上記数値範囲は、特開2007−319029号公報の記載に準じている。
吸水性樹脂の電気伝導率としては、通常0〜2.0mS/cm、好ましくは、0〜1.8mS/cmであり、より好ましくは0〜1.6mS/cmである。電気伝導率が2.0mS/cmを超えると植物の根の生長が不良となる。
電気伝導率は下記の方法で測定した。
〔電気伝導率の測定法〕
25℃のイオン交換水100重量部に吸水性樹脂1重量部を入れ、25℃で8時間、恒温槽中で放置して、前記吸水性樹脂を膨潤させ吸水体を作成する。吸水体の温度が25℃であることを温度計で確認し、比伝導度測定装置の電極を吸水体に差し込み値を読み取る。なお、吸水性樹脂の吸水倍率が小さい場合には、高吸水性樹脂の吸水体とイオン交換水が分離して二相になるので、撹拌して均一にした後、比伝導度測定装置の電極を差し込み値を測定する。撹拌・均一化してもすぐに二相に再び分離する場合は、撹拌下に比伝導度測定装置の電極を差し込み値を測定する。
吸水性樹脂の25℃イオン交換水に対する吸水倍率は、通常80〜1000倍、好ましくは100〜1000倍であり、より好ましくは120〜1000倍である。吸水倍率が80倍未満であると種子などの発芽、生長の培地としての保水能力が低くなり、多量に使用する必要が生じ、コストアップとなるし、水の補給が頻繁に必要になる。吸水倍率は大きい方が、少量の使用で済むので好ましいが、吸水倍率が1000倍を超える吸水性樹脂は、その製造工程において重合後の含水ゲルの密着性が高くなりすぎ、製造装置内の取り扱いやその後の乾燥が非常に困難であり、製造上の問題点があり現実的でない。
吸水倍率は下記の方法で測定した。
[イオン交換水中の吸水倍率の測定法]
ナイロン製の網袋(250メッシュ)に吸水性樹脂の試料L(g)を入れ、これを袋ごと過剰のイオン交換水に浸した。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して15分間水切りした後、質量M(g)を測定して下式より吸水倍率を求めた。
なお網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の質量N(g)をブランクとして差し引いた。 イオン交換水の吸水倍率=(M−N)/L
本発明の吸水性樹脂は、ノニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(A)単独からなる重合体(X)、アニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(C)単独からなる重合体(Y)、およびノニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(A)とアニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(B)を構成単位とする共重合体(Z)からなる。(X)、(Y)、(Z)のみで使用することも可能であり、(X)、(Y)、(Z)を2種類以上混合して使用することも可能である。これらの内、(Y)または(Z)のアニオン性の重合体からなる吸水性樹脂が植物の発芽生長を特に阻害しないので好ましい。
本発明において、重合体(X)の構成単位であるノニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(A)としては、水酸基含有ラジカル重合性水溶性単量体(アルキル基の炭素数が2〜3個のヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートなど)、アミド基含有ラジカル重合性水溶性単量体((メタ)アクリルアミドな、N−ビニルアセトアミドなど)、3級アミノ基含有ラジカル重合性水溶性単量体(ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど)、エポキシ基含有ラジカル重合性水溶性単量体(グリシジル(メタ)アクリレートなど)、およびその他ラジカル重合性水溶性単量体(4−ビニルピリジン、ビニルイミダゾールなど)が挙げられる。これらの内、好ましいものとしては、重合性が良好である(メタ)アクリルアミド及び/又はアルキル基の炭素数が2〜3のヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートである。
本発明に使用するアニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(B)としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体((メタ)アクリル酸、ビニルスルホン酸など)及び/又はそれらを加水分解することにより水溶性となる単量体(酢酸ビニルなど);またはその塩が挙げられる。特に好ましくはアクリル酸およびその塩である。
塩としては、上記カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を含有する水溶性単量体の塩[例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム塩等]等が挙げられる。これらの内、好ましいものとしては、重合性が良好である(メタ)アクリル酸(塩)を挙げることができる。
本発明において、アニオン性水溶性エチレン性不飽和単量体(B)が(メタ)アクリル酸(塩)である時、カルボキシル基の中和時に必要なイオンとしては、アルカリ金属イオン、周期律表第2族又は13族に属する多価金属イオン及びアンモニウムイオンが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、Na+、K+が好ましく、周期律表第2族又は13族に属する多価金属イオンとしては、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、B3+、Al3+等が好ましい。
重合体(Y)(Z)中のカルボキシル基の中和時に必要なイオンとしては、アルカリ金属イオン、周期律表第2族又は13族に属する多価金属イオン及びアンモニウムイオンが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、Na+、K+が好ましく、周期律表2族又は13族に属する多価金属イオンとしては、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、B3+、Al3+等が好ましい。
ここでアルカリ金属イオン及びアンモニウムイオンの合計による中和度が10当量%未満では、土壌の保水性を向上させる能力が低くなり、多量に使用する必要が生じ、50当量%を超えると電気伝導率が2.0mS/cmを超えるため植物の根の生長を阻害する。周期律表第2族又は13族に属する多価金属イオンによる中和度は、好ましくは、0〜50当量%であり、さらに好ましくは、10〜40当量%である。ここで、第2族又は13族に属する多価金属イオンによる中和度が50当量%を超えると吸水性樹脂の架橋度が高くなりすぎるため製造しにくくなる。
本発明において、該吸水性樹脂は実質的にノニオン性、アニオン性であり、この性質を阻害しない範囲内でカチオン性重合性単量体(C)(アクリル酸トリメチルアンモニウムエチル・クロライドなど)や他のモノエチレン性不飽和単量体(D)(たとえば、スチレン、アクリル酸n−ブチルなど)を、たとえば(A)と(B)の合計質量に対して10モル%を超えない範囲で共重合してもよい。
本発明において、吸水前の状態での、吸水性樹脂粒子の平均粒径は、粒状物であれば、特に限定するものではないが、好ましくは20μm〜5mm、より好ましくは100μm〜3.5mm程度である。平均粒径が20μm以上であると、吸水時にママコ(継粉)を形成しにくなるため土壌の保水能力の向上が阻害されない。一方、平均粒径が5mm以下であると、吸水速度が速くなり、粒子中心部まで水が浸透しやすくなるため土壌の保水能力が向上する。吸水前の乾燥状態での、吸水性樹脂の平均粒径は、「レーザー回折散乱法」(例えば、具体的には、日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計を使用)や篩い振とう法で測定できる。
本発明における高吸水性樹脂の製造方法は、公知の吸水性樹脂の製造法で製造できる。重合体(X)、(Y)、(Z)については、たとえば、特開平8−266895公報、特開平10−191777公報、特開2007−319029号公報に記載されている方法が適用できる。
本発明に用いられる土壌は植物を担持する土壌であれば限定されないが、ハンキングバスケット、プランター、植木鉢、ポットなどの容器中の土壌や、花壇や芝生などのような容器に含まれない土壌などが好ましく挙げられる。容器中の土壌であれば、容器の底、側面、全体に吸水シートを敷いたのち土壌を入れてもよいし、土壌を入れた後、吸水シートを挿入してもよい。好ましくは作業性、保水効果の点で前者である。また、吸水シートは植物の根の下になるように設置するのが好ましい。植物の根の下に吸水シートがあれば吸水シートの透水性面の近辺の土壌の保水性が著しく良好となり、さらにはその近くの土壌の保水性を向上でき、根の生長を助長することができる。
吸水シートの透水性面を、土壌中の植物の根側に向け土壌に接することが必要である。吸水シートと根の間の距離は限定はないが、好ましくは0〜30cmであり、0〜10cmがより好ましい。植物の根と本発明における吸水シートが接触しても植物の生育は阻害されない。土壌に散水された水は土壌中の隙間を通り下へ流れていく。粒子状の土壌改良剤では、粒子のないところではそのまま流れていくが、根の下に吸水シートがあれば、間違いなく吸水シートが流れる水を吸収できる。土壌中の保水性は吸水シートを用いる方が粒子状よりも良好である。たとえば、ハンキングバスケットなどであれば、散水した水は底から逃げていくので、散水を欠くと植物は枯れてくるが、本発明の方法であると吸水シートが保水をするので長期間の植物への給水が可能である。吸水シートの透水性面が水溶解性や水崩壊性であれば、吸水シートの吸水性樹脂粉末は吸水してゲルとなり、土壌中に分散し植物への給水効果は増大する。その意味で透水性面が水溶解性や水崩壊性であるのが好ましい。花壇や芝生などでは土壌中において吸水シートを挿入してやれば同じ効果を奏する。特に芝生などの植物は根が張り根が土壌と一体化するが、この場合は芝生のすぐ下の根に接して吸水シートを挿入してやると、芝生の生育が助長され緑が冴えてくる。
図2に本発明の実施形態の一例である容器内における吸水シートの設置位置を示した。図2(a−1)〜(a−2)はプランター、(b−1)〜(b−2)はハンキングバスケットに適用する場合の概念的断面図を示す。吸水シートは(a−2)や(b−2)のように植物の根の下にあるのが好ましい。(a−1)や(b−1)のように容器全体に吸水シートを設置するのが土壌の保水性が最も良好となるので特に好ましい。図3に図2(b−1)の模型的斜視図を示す。ハンキングバスケットの内部に吸水シートを敷き詰めてあることがわかる。
また、吸水シートに予め植物の種を含ませておけば、2〜3cmの覆土をして散水すれば発芽が生じ、植物の生育になる。さらに本発明における吸水シートには、肥料、植物生長ホルモン、抗菌剤、微量要素、防カビ剤などの当分野で公知の成分を含有させてもよい。
製造例1(吸水性樹脂の粉末の製造)
1Lのビーカーに、単量体(C)に該当するアクリル酸230.4g(3.2mol)、架橋剤としてペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.0g、及び水636gを添加し10℃に冷却した。この溶液を、断熱重合槽に入れ、窒素を通じて溶液の溶存酸素を0.1ppm(オリエント電気社製、商品名溶存酸素計 DO220PBで測定)とした後、重合開始剤として、35%の過酸化水素水0.023g、L−アスコルビン酸0.00575g、および過硫酸カリウム0.23gを添加した。約30分後、重合反応が開始し、約2時間後に最高温度72℃に到達した。更に、この温度で5時間熟成させて重合を完結させた。得られた重合体(重合体(Y)に該当)は、含水ゲル状を有していた。この重合体をニーダー(入江商会社製、商品名BENCH KNEADER PNV−1;回転数70rpm)で約2時間撹拌して細断し、更に50%の水酸化カルシウム分散液61.6g、48%の水酸化ナトリウム水溶液64.0gを配合し、ニーダーで約2時間撹拌して混合した。その後、バンド乾燥機(透気乾燥機、井上金属株式会社製)を用いて110℃で加熱乾燥し、粉砕して平均粒径370μm(日機装社製、商品名:マイクロトラックFRA粒度分析計で測定)の吸水性樹脂の粉末(1)を得た。
製造例2(吸水性樹脂の粉末の製造)
1Lのビーカーに単量体(B)に該当するアクリル酸115.2g(1.6mol)、50%アクリルアミド(単量体(A)に該当)水溶液227.2g(1.6mol)、水562.5gを添加し、5℃に冷却した。この溶液を、断熱重合槽に入れ、窒素を通じて溶液の溶存酸素量を0.1ppmとした後、重合開始剤として、35%の過酸化水素水0.00016g、L−アスコルビン酸0.00008g及び4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)0.04gを添加した。約30分後重合が開始し、約5時間後に最高到達温度約75℃に到達して重合が完結して、含水ゲル状の重合物(共重合体(Z)に該当)が得られた。この重合体をニーダーで約2時間撹拌して細断した後、更に50%の水酸化カルシウム分散液17.8g、48%の水酸化ナトリウム水溶液113.3gを配合し、ニーダーで約2時間撹拌して混合した。その後、バンド乾燥機を用いて120℃で1時間乾燥し、粉砕して平均粒径500μmの未架橋の乾燥粉末を得た。この未架橋の乾燥粉末100gをステンレスのバットに3mmの厚みで入れ、160℃の循風乾燥機で120分加熱して熱架橋させて平均粒径3300μmの吸水性樹脂の粉末(2)を得た。
製造例3(吸水性樹脂の粉末の製造)
製造例1で用いた50%の水酸化カルシウム分散液61.6gと48%の水酸化ナトリウム水溶液64.0gに代えて、前述の48%の水酸化ナトリウム水溶液192.0gを用いた以外は実施例1と同様な操作を行い、吸水倍率400g/g、電気伝導率3.0mS/cm、平均粒径200μmの吸水性樹脂粉末(3)(重合体(Y)に対応)を得た。
製造例4(吸水シートの作成)
坪量30g/m2のテッシュペーパーの上に100g/m2で紙パルプチップを散布し、その上に実施例1で作成した吸水性樹脂の粉末(1)を40g/m2の割合で出来るだけ均一に散布し、さらにその上に同量の紙パルプチップを散布し、これに同質のテッシュペーパーを上側に重ね合わせ、エンボスロールを通して2枚のテッシュペーパーの間に紙パルプの中に挟まれた吸水性樹脂の粉末が固定された吸水シート(1)を得た。これを巾30cm、長さ40cmにカッティングして試験に供した。
製造例5〜7(吸水シートの作成)
吸水性樹脂の粉末(1)に替えて吸水性樹脂の粉末(2)、(3)および市販のノニオン系吸水性樹脂(興人社製、商標名:サーモゲル)を用いて製造例4と同様にして吸水シート(2)〜(4)を得た。これを巾30cm、長さ40cmにカッティングして試験に供した。
実施例1、2、比較例1〜3
3L程度のハンキングバスケットに上記の吸水シート(1)〜(4)を図2(a)のように敷き詰め、その中に市販の花用の培地となる土壌をほぼ一杯に同量づつ入れて、花も葉も同程度の大きさのガーベラを3本づつ植えた。日光が当たる窓の外にかけて5日間朝、夕に散水して根付いたことを確認した。その後散水せずに放置し1週間後に花葉の状態を観察した(実施例1、2、比較例1、2)。1週間は曇りの日もあったが雨は降らず良い天気であった。また、吸水シートを入れないで同様に行った(比較例3)。花や葉の状態、および表面から2cm下の土の状態を観察した結果を表1に示した。
Figure 2010022249
本発明の吸水シートを用いる方法は、植物を育生するための保水と給水能力を備え、混合するなどの面倒な作業をすることなく容易に土壌の保水性を向上させる方法であることがわかる。
本発明における実施の一形態の吸水シートの模型的断面図である。 本発明の実施の一形態である容器内における吸水シートの設置位置を示す模型的断面図である。 図2(b−1)の概念的斜視図を示す。
符号の説明
1 透水性シート
2 吸水性樹脂の粉末
3 非透水性シート
4 プランター
5 土壌
6 吸水シート
7 ハンキングバスケット

Claims (2)

  1. 少なくとも片面が透水性であって下記吸水性樹脂の粉末を含む吸水シートの、該透水性面を土壌中の植物の根側に向け土壌に接して配置して植物を育生する方法。
    吸水性樹脂: 吸水性樹脂1重量部を25℃のイオン交換水100重量部に吸水させた時の吸水体の電気伝導率が0〜2.0mS/cmであり、且つ25℃のイオン交換水の吸水倍率が80〜1000倍である。
  2. 前記土壌が容器中の土壌であることを特徴とする請求項1記載の植物を育生する方法。
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