JP2010021299A - Simoxウェーハの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】得られるSIMOXウェーハのLPDを低減する。
【解決手段】SIMOXウェーハの製造方法は、シリコンウェーハ11を200〜600℃に加熱した状態で、そのウェーハ11表面から酸素イオンを注入してウェーハ11表面から第1深さの位置に第1イオン注入層12を形成する工程と、第1イオン注入層12を形成したウェーハ11を加熱温度より低い温度でウェーハ11の表面から酸素イオンを注入して第1深さよりも浅い、ウェーハ11表面から第2深さの位置にアモルファスの第2イオン注入層13を形成する工程と、ウェーハ11を酸素含有雰囲気中、1300℃以上シリコン融点未満の温度で6〜36時間保持することにより、第1及び第2イオン注入層12,13をBOX層15とする高温熱処理工程とをこの順に含む。第1イオン注入層12を形成する工程での酸素イオン注入が、4段〜10段の複数段に分けて行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、SIMOX(Separation by Implanted Oxygen)ウェーハの製造方法に関する。更に詳しくは、酸素イオンを2回に分けて注入するMLD(Modified Low Dose)法によるSIMOXウェーハの製造方法に関するものである。
従来、SOIウェーハの製造方法として、SIMOX法が知られている。この方法によれば、例えば、加速エネルギを約200keVとし、ドーズ量が約2×1018atoms/cm2の酸素原子をイオン注入して高温で熱処理することにより、埋め込み酸化膜(以下、BOX(Buried Oxide)層という。)を形成することができる。このSIMOX法は、ドーズ量と注入エネルギを精度よく制御できるため、BOX層の厚みやSOI層の膜厚を所定の厚みで均一に形成することができるようになっている。
そして、このSIMOXウェーハの製造方法において、酸素イオンを2回に分けて注入する方法が知られている(特許文献1参照。)。この2回に分けられた酸素イオン注入では、シリコンウェーハを加熱した状態で高濃度の酸素イオン注入を行い、続いて、シリコンウェーハを室温程度に冷却して酸素イオン注入を行なう。即ち、1回目の酸素イオン注入は、シリコンウェーハを加熱することで、シリコンウェーハ表面をシリコンの単結晶のまま維持し、2回目の酸素イオン注入では、シリコンウェーハを低温に維持することでアモルファス層を形成する。そして、このシリコンウェーハを高温で酸化処理することにより、SOI構造が形成される。
この方法によれば、イオン注入後の熱処理によって、アモルファス層から多結晶、双晶、積層欠陥からなる高密度欠陥層が形成され、この欠陥層が形成された領域は酸素が析出しやすいことから、酸素イオンのドーズ量から予想される理論厚さの2倍程度の厚さまでBOX層を厚くすることができる。この結果、酸素イオンのドーズ量を低減できることになり、生産性が向上し、製造コストを低減できるとしている。そして、この方法で製造されたSIMOXウェーハは、一般的にMLD−SIMOXと呼ばれる。
米国特許第5930643号明細書
しかし、得られたMLD−SIMOXウェーハを、その表面にレーザ光を照射した際に得られる散乱欠陥(Light Point Defect、以下「LPD」という。)の見地から観察すると、未だ十分にそのLPDを低減できない不具合が残存していた。
即ち、シリコンウェーハはいくつかの製造工程を経て得ることができるけれども、このいくつかの製造工程を経る過程でシリコンウェーハの表面にパーティクル(塵埃など)が付着することがある。また、第一回目の酸素イオンの注入は通常2段に分けて行われることが多いけれども、図5に示すように、1段目の酸素イオンの注入中にその表面にパーティクル2が付着すると、そのパーティクル2が付着した部分に酸素注入は行われず、その酸素注入が行われた第1イオン注入層3にドーズ量が少ない部分3aが生じる。このようなドーズ量が少ない部分3aが生じた場合には、2段に分けた酸素イオンの注入の間に洗浄工程を設けて1段目の注入時に付着していたパーティクル2を取り除いたとしても、2段目の酸素イオンの注入においてドーズ量が少ない部分に十分に注入が行われることはない。また、この2段目の酸素イオンの注入中にその表面にパーティクル4が新たに付着すると、その新たに付着したパーティクル4により酸素注入は行われず、第1イオン注入層3に別のドーズ量が少ない部分3bが生じる。このため、その後の高温処理を経て最終的に得られたBOX層において、ドーズ量が減少した部分3a,3bは薄くなり、表面に凹部6が生じてLPDを生じさせる不具合があった。
本発明の目的は、得られるSIMOXウェーハのLPDを低減し得るSIMOXウェーハの製造方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図2に示すように、シリコンウェーハ11を200〜600℃に加熱した状態で、そのウェーハ11表面から酸素イオンを注入してウェーハ11表面から第1深さの位置に第1イオン注入層12を形成する工程と、第1イオン注入層12を形成したウェーハ11を加熱温度より低い温度でウェーハ11の表面から酸素イオンを注入して第1深さよりも浅い、ウェーハ11表面から第2深さの位置にアモルファスの第2イオン注入層13を形成する工程と、ウェーハ11を酸素含有雰囲気中、1300℃以上シリコン融点未満の温度で6〜36時間保持することにより、第1及び第2イオン注入層12,13をBOX層15とする高温熱処理工程とをこの順に含むSIMOXウェーハの製造方法の改良である。
その特徴ある点は、図1に示すように、第1イオン注入層12を形成する工程での酸素イオン注入が、4段〜10段の複数段に分けて行われるところにある。
この請求項1に記載されたSIMOXウェーハの製造方法では、第1イオン注入層12を形成する工程での酸素イオン注入を、4段〜10段の複数段に分けて行うようにしたので、例えば、図1に示すように、各段において酸素イオンを注入する際にシリコンウェーハ11の表面にパーティクル14が付着すると、そのパーティクル14が付着した部分に酸素注入は行われず、その第1イオン注入層12にドーズ量が少ない部分12aが生じるけれども、次の段の酸素イオンの注入においてドーズ量が少ない部分12aに十分に酸素イオンが注入される。このような酸素イオンの注入を4〜10段行うので、最終的に得られた第1イオン注入層12にBOX膜厚が変化するほどドーズ量が減少した部分が生じるようなことはない。このため、得られたBOX層15に薄い部分が生じることはなく、得られるSIMOXウェーハのLPDを低減することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、4段〜10段の複数段に分けて行われるイオン注入のそれぞれの段階でのSOI膜厚が均等になるように注入エネルギを制御することを特徴とする。
この請求項2に記載されたSIMOXウェーハの製造方法では、各段の酸素注入にて注入エネルギを変化させると、3段以外で得られていたSOI層16の膜厚が変化してしまう。そのため、各段階でのエネルギを等しくするか、SOI層の膜厚に影響を与えない程度の注入エネルギに各段設定する必要がある。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、複数段のイオン注入は、酸素イオン注入した後、イオン注入機からウェーハを取り出して洗浄し、再びイオン注入機に固定して繰り返し行われることを特徴とする。
この請求項3に記載されたSIMOXウェーハの製造方法では、ドーズ量が少ない部分12aが生じた場合であっても、4〜10段に分けた酸素イオンの注入のそれぞれの間に洗浄工程を設けて前段の注入時に付着していたパーティクル14を取り除くので、次の段の酸素イオンの注入においてドーズ量が少ない部分12aに十分に酸素イオンが注入される。このため、その表面に生じる凹部に起因するLPDが生じるようなことを有効に回避することができる。
本発明のSIMOXウェーハの製造方法では、第1イオン注入層を形成する工程での酸素イオン注入が、4段〜10段の複数段に分けて行うようにしたので、各段において酸素イオンを注入する際にシリコンウェーハの表面にパーティクルが付着すると、そのパーティクルが付着した部分に酸素注入は行われず、その第1イオン注入層にドーズ量が少ない部分が生じるけれども、次の段の酸素イオンの注入においてドーズ量が少ない部分に十分に酸素イオンが注入される。このような酸素イオンの注入を4〜10段行うので、最終的に得られた第1イオン注入層にBOX膜厚が変化するようなドーズ量が減少した部分が生じるようなことはない。このため得られたBOX層に薄い部分が生じることはなく、得られるSIMOXウェーハのLPDを低減することができる。
この場合、4段〜10段の複数段に分けて行われるイオン注入のそれぞれの注入エネルギが等しくするか、SOI層の膜厚に影響を与えない程度の注入エネルギに各段設定するれば、3段以下で得られていたSOI層の膜厚を変化させない効果がある。そして、複数段のイオン注入は、酸素イオン注入した後、イオン注入機からウェーハを取り出して洗浄し、再びイオン注入機に固定して繰り返し行われるようにすれば、次の段の酸素イオンの注入においてドーズ量が少ない部分に十分に酸素イオンが注入され、その表面に生じる凹部に起因するLPDが生じるようなことを有効に回避することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
本発明のSIMOXウェーハの製造方法は、図2(a)〜図2(d)に示すように、シリコンウェーハ11表面から1回目の酸素イオンを注入してウェーハ11内部に高濃度の酸素を含んだ第1イオン注入層12を形成する工程と、このウェーハ11表面から2回目の酸素イオンを注入してウェーハ11表面側の第1イオン注入層12に連続してアモルファスの第2イオン注入層13を形成する工程と、そのウェーハ11を酸素含有雰囲気中で熱処理を施して第1及び第2イオン注入層12、13をBOX層15とする高温熱処理工程とを含む。
以下本発明のSIMOXウェーハの製造方法を各工程別に説明する。
<第1イオン注入層形成工程>
第1イオン注入層形成工程では、先ず図2(a)及び図2(b)に示すように、シリコンウェーハ11表面から酸素イオンを注入してウェーハ11内部に高濃度の酸素を含んだ第1イオン注入層12を形成する。図2(a)に示すシリコンウェーハ11はチョクラルスキー法で製造されることが好適である。
第1イオン注入層12の形成は、シリコンウェーハ11をイオン注入装置(図示せず)に収容し、装置内を200〜600℃、好ましくは300〜500℃の温度に加熱した状態でウェーハ11表面から第1深さの位置にピークを有するように、ウェーハ11表面から第1ドーズ量の酸素イオンをビームの照射により注入することで行われる。上記装置内雰囲気は真空状態である。200〜600℃に加熱することで、ウェーハ11表面が単結晶シリコンの状態を維持したままイオンを注入でき、イオン注入によるダメージが回復されながら高濃度の酸素を含んだ第1イオン注入層12ができる。200℃未満ではイオン注入によるダメージが回復されないためウェーハ11表面にダメージが残り、600℃を越えると脱ガス量が多いため、装置内の真空度が低下するという不具合が発生する。
上記酸素イオンの第1ドーズ量は2×1017〜3×1017atoms/cm2、好ましくは2.3×1017〜2.7×1017atoms/cm2である。第1ドーズ量を2×1017〜3×1017atoms/cm2に限定したのは、2×1017atoms/cm2未満ではラフネスが大きくなるという不具合が生じ、3×1017atoms/cm2を越えると、BOX層15の絶縁破壊特性が劣化するという不具合が生じるからである。また、ウェーハ11表面から400〜600nm、好ましくは450〜550nmを目標として第1深さにイオン注入のピークを有する第1イオン注入層12をウェーハ11表面に平行に形成する。これを達成するために、第1注入エネルギを165〜240keV、好ましくは175〜220keVに設定する。第1注入エネルギを165〜240keVに設定したのは、165keV未満では、SOI層16とBOX層15との界面及びSOI層16表面における測定領域10μm角のラフネスRmsが増加してしまうからである。また240keVを越えると以下の2つの不具合が生じるからである。第一には特殊なイオン注入装置が必要になるからであり、第二には酸素イオンがウェーハ11表面から深く入り過ぎ、 所望の膜厚のSOI層16を形成するためには、非常に長時間の高温酸化処理が必要になるからである。
本発明の特徴ある点は、図1に詳しく示すように、この第1イオン注入層12を形成する工程での酸素イオン注入が、4段〜10段の複数段に分けて行われるところにある。図1には4段に分けて酸素イオン注入を行う場合を示す。ここで、各段のイオン注入量はその目標とするドーズ量を等しく分配された値とすることが好ましい。例えば、目標とする第1ドーズ量が2×1017atoms/cm2である場合であって、4段注入により第1イオン注入層12の形成を行う場合には、各段における注入量は目標とするドーズ量の4分の1の値である0.5×1017atoms/cm2となる。そして、10段注入により場合には、各段における注入量は目標とするドーズ量の10分の1の値である0.2×1017atoms/cm2となる。ここで、第1イオン注入層12を形成する酸素イオン注入が4段未満であるとLPDを効果的に低減することができず、10段を越えると製造法定が複雑になって単価を押し上げる不具合がある。そして、この第1イオン注入層12を形成する酸素イオン注入は、4段〜6段の複数段に分けて行われることが更に好ましい。
また、4段〜10段の複数段に分けて行われるイオン注入のそれぞれの注入エネルギが等しいことが好ましい。その理由は、3段以下で得られたSOI膜厚を変化させないためである。また、複数段のイオン注入は、酸素イオン注入した後、イオン注入機からウェーハを取り出して洗浄し、再びイオン注入機に固定して繰り返し行われる。このように各段の間に洗浄工程を設けることにより、第1イオン注入層12にドーズ量が少ない部分12aが生じたとしても、前段の注入時に付着していたパーティクル14を取り除くので、次の段の酸素イオンの注入においてドーズ量が少ない部分12aに十分に酸素イオンを注入することができる。そして、4段〜10段の複数段に分けて行われるイオン注入を合算した第1ドーズ量は、イオン注入の第1ドーズ量に等しくする。この4段〜10段の複数段のイオン注入が融合し、等しい注入エネルギでイオン注入した場合と同じ第1深さに、ピークを有する第1イオン注入層12が形成される。
4段〜10段の複数段によりイオン注入を行って第1イオン注入層の形成工程を終えた後は、第1イオン注入層12が形成されたウェーハ11を加熱温度よりも低い温度である室温から200℃まで冷却する。続いて冷却した装置内からウェーハを取出し、洗浄、乾燥した後、再び装置内へ収容して、後に続く第2イオン注入層形成工程に供される。
<第2イオン注入層形成工程>
第2イオン注入層形成工程では、図2(c)に示すようにウェーハ11表面から2回目の酸素イオンを注入してウェーハ11表面側の高濃度の酸素を含んだ第1イオン注入層12に連続してアモルファスの第2イオン注入層13を形成する。第2イオン注入層13は第1イオン注入層12の上部と重複することで、内部に高濃度の酸素を含むアモルファスの層である。第2イオン注入層13の形成は、第1深さよりも浅い、ウェーハ11表面から第2深さの位置にピークを有するように、ウェーハ11表面から酸素イオンをビームの照射により注入することで行われる。上記装置内雰囲気は真空状態である。
上記酸素イオンの第2ドーズ量は1×1014〜1×1016atoms/cm2、好ましくは1×1015〜1×1016atoms/cm2である。第2ドーズ量を1×1014〜1×1016atoms/cm2に限定したのは、1×1014atoms/cm2未満ではアモルファス状態の第2イオン注入層13が形成されないという不具合が生じ、1×1016atoms/cm2を越えるとビームの照射時間が長くなるためウェーハ11の温度が上昇し過ぎるという不具合が生じるからである。
またウェーハ11表面から250〜500nm、好ましくは300〜400nmを目標として、第2深さにイオン注入のピークを有し、第1深さにイオン注入のピークを有する第1イオン注入層12のウェーハ表面側の面に連続するようにアモルファスの第2イオン注入層13をウェーハ11表面と平行に形成する。これを達成するために、第2注入エネルギを第1注入エネルギよりも低い135〜230keV、好ましくは145〜220keVに設定する。
なお、この第2イオン注入層形成工程では、酸素イオン注入を1段注入ではなく、2段〜3段の複数段、好ましくは2段に分けて行ってもよい。この場合、第2注入エネルギの平均値を135〜230keVとする。注入順は低いエネルギから高いエネルギの順が好ましい。その理由は、低いエネルギから高いエネルギの順で注入したほうが、BOX層15を厚膜化でき、BOX層15の絶縁破壊特性を向上できるからである。
なお、第2イオン注入層形成工程を終えた後は、第1及び第2イオン注入層12、13が形成されたウェーハ11を装置内から取出し、洗浄、乾燥した後、熱処理炉内に収容して、後に続く高温熱処理工程に供される。
<高温熱処理工程>
高温熱処理工程は、図2(d)に示すように、酸素含有雰囲気中でウェーハ11に高温熱処理を施して、第1及び第2イオン注入層12、13をBOX層15とするものである。形成されるBOX層15は、高濃度の酸素を含んだ第1イオン注入層12が変成して形成された図示しない第1BOX層と、この第1BOX層の上部に形成され、熱処理の酸素含有雰囲気中の酸素がアモルファスの第2イオン注入層13に寄与することで、第2イオン注入層13が変成して形成された図示しない第2BOX層から構成される。
高温熱処理によるBOX層15の形成は、第1及び第2イオン注入層12、13を形成したウェーハ11を熱処理炉内(図示せず)に収容し、この炉内を1300℃〜シリコン融点未満、好ましくは1320〜1350℃まで昇温し、この温度を維持した状態でウェーハ11を6〜36時間、好ましくは12〜24時間保持し、その後室温まで冷却することで行われる。
上記炉内温度を1300℃〜シリコン融点未満の範囲に限定したのは、1300℃未満では酸素析出物の溶融及び結合が不十分で、高品質のBOX層15を形成することができないからである。上記保持時間を6〜36時間に限定したのは、6時間未満では、酸素析出物の溶融及び結合が不十分で高品質のBOX層15を形成することができず、36時間を越えると製造効率が悪くなり生産性が低下するからである。上記昇温中の炉内雰囲気は、0.5〜5.0容積%、好ましくは0.5〜1.0容積%の酸素を含むアルゴン、窒素(N2)等の不活性ガスの混合雰囲気である。上記昇温後の炉内雰囲気は、アルゴン又は窒素等の不活性ガスを含む、5〜100容積%、好ましくは10〜50容積%酸素ガスの酸素含有雰囲気である。この高温熱処理工程により、図2(d)に示すように、第1及び第2イオン注入層12、13がBOX層15となったSIMOXウェーハが得られる。
このような本発明のSIMOXウェーハの製造方法では、第1イオン注入層12を形成する工程での酸素イオン注入を、4段〜10段の複数段に分けて行うようにした。このため、例えば、図1に示すように、各段において酸素イオンを注入する際にシリコンウェーハ11の表面にパーティクル14が付着すると、そのパーティクル14が付着した部分に酸素注入は行われず、その第1イオン注入層12にBOX膜厚が変化する程のドーズ量が少ない部分12aが生じる。しかし、このようなドーズ量が少ない部分12aが生じた場合であっても、4〜10段に分けた酸素イオンの注入のそれぞれの間に洗浄工程を設けて前段の注入時に付着していたパーティクル14を取り除くので、次の段の酸素イオンの注入においてドーズ量が少ない部分12aに十分に酸素イオンが注入される。このような酸素イオンの注入を4〜10段行うので、最終的に得られた第1イオン注入層12にドーズ量が減少した部分が生じるようなことはない。
これは、例え各段の間の洗浄工程において新たにシリコンウェーハ11の表面にパーティクル14が付着したとしても、その新たに付着したパーティクル14により生じた別のドーズ量が少ない部分12aには、その次の段の酸素イオンの注入において十分に酸素イオンが注入される。このため、その後の高温熱処理工程において得られたBOX層15に薄い部分が生じることはなく、その表面に生じる凹部に起因するLPDが生じるようなことを回避することができる。この結果、得られるSIMOXウェーハのLPDを低減することができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
直径が300mmであり、結晶方位が<100>であり、抵抗率が10〜20ΩcmであるP型シリコンウェーハからなるシリコンウェーハ11を12枚準備した。それぞれのウェーハ11をイオン注入装置に収容後、装置内を真空状態にして装置内温度を400℃に加熱した。次いでウェーハ11表面から第1注入エネルギにより酸素イオンを2.4×1017atoms/cm2の第1ドーズ量でイオン注入し、ウェーハ11表面から第1深さ0.4〜0.5μmの位置にピークを有する第1イオン注入層12を形成した。
ここで、この第1イオン注入層12を形成する工程での酸素イオン注入を4段の複数段に分けて行った。ここで、各段のイオン注入量は目標とする第1ドーズ量が2.4×1017atoms/cm2であるので、各段における注入量は目標とするドーズ量の4分の1の値である0.6×1017atoms/cm2とした。この4段の複数段に分けて行われるイオン注入のそれぞれの注入エネルギは等しく210keVとし、この4段のイオン注入は、酸素イオン注入した後、イオン注入機からウェーハを取り出して洗浄し、再びイオン注入機に固定して繰り返し行った。このようにして第1イオン注入層12を形成した後、装置内温度を室温の状態にまで冷却した。
次にウェーハ11を装置内から取出して洗浄した。洗浄したウェーハ11を乾燥した後、再び装置内へ収容した。続いて、ウェーハ11表面から第1注入エネルギの値よりも低い第2注入エネルギにより酸素イオンを6×1015atoms/cm2の第2ドーズ量でイオン注入し、ウェーハ11表面側の第1イオン注入層12に一部重複する形でウェーハ11表面から第2深さ0.3〜0.4μmの位置にピークを有する第2イオン注入層13を形成した。その後、装置内温度を室温の状態にまで冷却した。
その後、ウェーハ11を装置内から取出して洗浄した。洗浄した各ウェーハ11を乾燥した後、縦型炉へ収容した。続いて、炉内温度を1300℃に加熱した。またマスフローにより、炉内雰囲気を酸素50容積%及びアルゴン50容積%となるように制御して酸素含有雰囲気とした。この酸素含有雰囲気下で炉内温度を1300℃に維持したままウェーハ11を8時間保持した。これによりBOX層15を有する12枚のSIMOXウェーハ10を得た。このようにして得られた12枚のSIMOXウェーハ10をそれぞれ実施例1とした。
<実施例2>
実施例1における第1イオン注入層形成工程においてイオン注入を4段注入から6段注入に変更し、その6段のそれぞれの酸素イオンを0.4×1017atoms/cm2とし、各段の第1注入エネルギをそれぞれ210keVとしたことを除き、実施例1と同様にして、12枚のSIMOXウェーハ10を得た。上記方法で得られたSIMOXウェーハ10をそれぞれ実施例2とした。
<比較例1>
実施例1と同一のシリコンウェーハ11を1161枚準備した。そして、実施例1における第1イオン注入層形成工程においてイオン注入を4段注入から2段注入に変更し、その2段のそれぞれの酸素イオンを1.2×1017atoms/cm2とし、各段の第1注入エネルギをそれぞれ210keVとしたことを除き、実施例1と同様にして、1161枚のSIMOXウェーハ10を得た。上記方法で得られたSIMOXウェーハ10をそれぞれ比較例1とした。
<比較試験及び評価>
実施例1、実施例2及び比較例1のSIMOXウェーハの表面の直径294mmの円内における0.5μm以上のLPDの数を検出下限値が0.09μmのレーザパーティクルカウンタ(KLA−Tencor社製、SP1)を用いてそれぞれ調べた。これらの結果を図3及び図4に示す。図3は、実施例1及び実施例2を示し、図4は、比較例1を示す。
図3から明らかなように、4段の複数段によりイオン注入を行って第1イオン注入層を形成した実施例1では、0.5μm以上のLPDの平均個数は2.4個であった。また、6段の複数段によりイオン注入を行って第1イオン注入層を形成した実施例2では、0.5μm以上のLPDの平均個数は1.0個であった。
これに対して、図4から明らかなように、2段の複数段によりイオン注入を行って第1イオン注入層を形成した比較例1では、0.5μm以上のLPDの平均個数は4.9個と著しく大きな値を示した。従って、第1イオン注入層12を形成する工程での酸素イオン注入を、4段〜10段の複数段に分けて行うことにより、LPDの数を減少させることができることが判る。
また、4段のイオン注入を行った実施例1よりも、6段のイオン注入を行った実施例2の方がLPDの平均個数が減少しているので、第1イオン注入層12を形成する工程での酸素イオン注入を複数段に分け、その段数を増加させることによりLPDの平均個数を更に減少させることができることが判る。
本発明実施形態の複数段のイオン注入により第1イオン注入層を形成する状態を工程順に示す図2のA部拡大図である そのSIMOXウェーハの製造方法を工程順に示す図である 本発明の実施例1及び2のLPDの数を示す図である。 その比較例1のLPDの数を示す図である。 従来の2段のイオン注入により第1イオン注入層を形成する状態を工程順に示す図1に対応する図である
符号の説明
10 SIMOXウェーハ
11 シリコンウェーハ
12 第1イオン注入層
13 第2イオン注入層
15 BOX層
16 SOI層

Claims (3)

  1. シリコンウェーハを200〜600℃に加熱した状態で、前記ウェーハ表面から酸素イオンを注入して前記ウェーハ表面から第1深さの位置に第1イオン注入層を形成する工程と、
    前記第1イオン注入層を形成したウェーハを前記加熱温度より低い温度で前記ウェーハの表面から酸素イオンを注入して前記第1深さよりも浅い、前記ウェーハ表面から第2深さの位置にアモルファスの第2イオン注入層を形成する工程と、
    前記ウェーハを酸素含有雰囲気中、1300℃以上シリコン融点未満の温度で6〜36時間保持することにより、第1及び第2イオン注入層をBOX層とする高温熱処理工程と
    をこの順に含むSIMOXウェーハの製造方法において、
    前記第1イオン注入層を形成する工程での酸素イオン注入が、4段〜10段の複数段に分けて行われることを特徴とするSIMOXウェーハの製造方法。
  2. 4段〜10段の複数段に分けて行われるイオン注入のそれぞれの段階でのSOI膜厚が均等になるように注入エネルギを制御する請求項1記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  3. 複数段のイオン注入は、酸素イオン注入した後、イオン注入機からウェーハを取り出して洗浄し、再び前記イオン注入機に固定して繰り返し行われる請求項1又は2記載のSIMOXウェーハの製造方法。
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