JP2002231651A - Simox基板およびその製造方法 - Google Patents
Simox基板およびその製造方法Info
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Abstract
込み酸化層を有するSIMOXウエハとその製造方法を提供
する。 【解決手段】 単結晶シリコンに酸素をイオン注入し、
その後熱処理することによって、単結晶シリコン中に酸
化シリコンの層を形成するSIMOX基板の製造方法で、シ
リコンウエハを加熱して酸素をイオン注入した後、シリ
コンウエハの温度を室温まで下げ、再度酸素イオン注入
を行い、シリコンウエハ中にアモルファス層を形成す
る。続いて、酸化性雰囲気中で加熱して、シリコンウエ
ハに埋め込み酸化シリコン層を形成するとともに、埋め
込み酸化シリコン層中のシリコン島を酸化し、その粒径
を縮小する。上記のSIMOXウエハの製造方法により、埋
め込み酸化膜中に含有されるシリコン島の粒径が、埋め
込み酸化層の厚さの15%以下であるようなSIMOXウエハを
提供する。
Description
とその後の熱処理によってSOI構造を形成するSIMOX基板
およびその製造方法に関する。
コン層を持つSOI(Silicon On Insulator)基板は、低消
費電力で高速動作するデバイスの基板として用いられて
いる。このSOI基板の製造方法には、貼り合せ法による
方法、酸化シリコン上に多結晶シリコン層を形成し、熱
処理によりこの多結晶シリコン層を単結晶シリコン層に
変化させる方法、イオン注入と熱処理による方法があ
る。単結晶シリコン基板にイオン注入法によって酸素を
注入し、その後、熱処理によって、注入した酸素をシリ
コンと反応させ酸化シリコン層を形成する方法はSIMOX
(Separation by Implanted Oxygen)法とよばれている。
報にあるように、180keV、550℃で酸素イオンを単結晶
シリコン基板に注入し、引き続いて、アルゴンガス中に
酸素を0.5vol%添加した雰囲気で1350℃に加熱し、4時間
の熱処理を行う。酸素イオン注入は、550℃で行なうの
で、イオン注入によって導入される欠陥を回復しつつ注
入がおこなわれ、注入終了時点で、シリコン基板の表面
は単結晶状態のまま残る。注入後の熱処理によって、シ
リコン基板中に埋め込み酸化シリコン層が、また、その
上に単結晶のシリコン層が形成されたSOI構造が形成さ
れる。上記の方法で製造されたSIMOX基板は、表面を酸
化シリコン膜が覆い、その下に単結晶シリコン層(SOI層
と呼ぶ)、さらにその下に埋め込み酸化層が存在する構
造となる。SIMOX基板にデバイスを作成する際には、表
面の酸化シリコン層を除去して、SOI層にデバイスを形
成する。
埋め込み酸化層によって絶縁されることにより、放射線
耐性やラッチアップ耐性にすぐれ、低消費電力で高速動
作が可能になるというSIMOX基板利用の利点がある。そ
のため、埋め込み酸化層には、電流のリーク原因となる
欠陥が含まれないようにする必要がある。
に引き続いて、酸素を50vol%以上添加したアルゴン又は
酸素100vol%の雰囲気中で1350℃に加熱し、4時間程度の
熱処理を行なう。この方法は、内部酸化現象を応用した
ものであって、高温酸化処理によって、シリコン基板表
面の酸化層と埋め込み酸化層の両方を成長させる。この
方法はITOX法と呼ばれ、ITOX法をもちいれば、埋め込み
酸化層の上部に欠陥のない酸化シリコン層が形成でき
る。
れたSIMOX基板の製造方法では、酸素イオン注入を2段階
に分けて行なう。第1段目の酸素イオン注入は、従来のS
IMOX基板の製造方法と同様に、シリコン基板の温度を高
温に保持して行い、続いて第2段目の酸素イオン注入
は、シリコン基板の温度を200℃以下に下げて行なう。
第2段目の注入量は第1段目の注入量の数%程度にとどめ
る。第1段目の注入では、シリコン基板を高温に保持す
ることで、シリコン基板表面を単結晶のまま残し、第2
段目の酸素イオン注入で、シリコン基板表面の一部にア
モルファス層を形成する。つづいて、熱処理を行い、SO
I構造を形成する。この方法によれば、第2段目の注入
で形成したアモルファス層によって、熱処理での埋め込
み酸化層の形成を促進するため、埋め込み酸化層は、酸
素イオン注入量から理論的に予想される厚さの2倍程度
まで厚くできるとされている。
造法は、酸素イオンを注入した後に、高温で熱処理を行
いSOI構造を形成する。この高温熱処理の過程では、ま
ず注入された酸素原子がシリコン原子と反応して酸化シ
リコンの析出物が形成される。イオン注入法でシリコン
ウエハに注入された酸素の濃度分布は均一ではなく、あ
る深さで最大となる不均一な分布をする。また、イオン
注入によってシリコン基板には欠陥が導入されるが、こ
の欠陥の濃度分布もある深さで最大となるような不均一
な分布である。そのため、高温熱処理での酸化シリコン
の析出は、均一に起こるのではなく、酸素濃度の高い部
分や欠陥濃度の高い部分で優先的に起こる。熱処理が進
むと析出した酸化シリコンどうしが結合して、連続な層
に成長し、最後に埋め込み酸化層となるが、酸化シリコ
ンの析出が不均一であるために、シリコンが酸素と結合
しないで取り残される場合がある。これが埋め込み酸化
層中のシリコン島となるのである。注入酸素量が多いほ
ど、シリコンが酸素と結合せず未反応のまま残る確率は
高くなり、注入量の増加につれて埋め込み酸化層中のシ
リコン島の密度も大きくなる傾向があることが知られて
いる(例えば、S.Nakashima and K.Izumi, Journal of M
aterial Research, Vol.8, p523(1993年))。
いると、その厚さの分だけ埋め込み酸化層は薄くなり、
絶縁耐圧が劣化する。すなわち、酸化シリコンの絶縁耐
圧は、本来10MV/cmであるが、例えば、埋め込み酸化層
の厚さの20%以上の粒径を有するシリコン島が存在する
と、その部分では、埋め込み酸化層の正味の厚さは80%
以下になり、絶縁耐圧は8MV/cm以下まで低下することに
なり、耐圧試験でBモード破壊に分類される故障とな
る。絶縁破壊試験で、埋め込み酸化膜が酸化シリコン膜
の真性絶縁破壊に対応するCモード破壊に分類されるに
は、8.5MV/cm以上の耐圧が必要であるので、埋め込み酸
化層中のシリコン島の粒径は大きくとも、埋め込み酸化
層の厚さの15%以下でなければならない。粒径が埋め込
み酸化層の厚さの15%を超えるようなシリコン島を、以
下、粗大シリコン島と表記する。
れば、絶縁耐圧の改善が期待できそうであるが、上述し
たように注入量をふやすと粗大シリコン島が増加するた
め、絶縁耐圧の改善は望めないばかりか、かえって劣化
してしまうという問題があった。例えば、S.Nakashima
and K.Izumi, Journal of Material Research, Vol.8,
p523(1993)に記載されているように、注入エネルギーが
200keVの場合には、高温熱処理後に埋め込み酸化層が連
続になるのは、注入量が1.5×1018/cm2以上か、2.5×10
17/cm2から4.5×1017/cm2の範囲の限られた場合のみで
あって、特に、注入量が4.5×1017/cm2から1.5×1018/c
m2の領域では、埋め込み酸化層内でシリコン島が占める
割合が大きく、連続な埋め込み酸化層の形成が困難であ
ると言う問題があった。慣例的に、酸素イオンを1.5×1
018/cm2以上注入して作成されたウエハを高ドーズSIMOX
ウエハ、酸素イオンを2.5×1017/cm2から4.5×1017/cm2
の範囲で注入して作成したウエハを低ドーズSIMOXウエ
ハと呼んでいる。
埋め込み酸化層上部に内部酸化層を形成する。この内部
酸化層は熱酸化膜と同質であってシリコン島は含まない
ため、形成した内部酸化層の分だけ、埋め込み酸化層の
絶縁耐圧の改善が期待できる。しかし、ITOX法で成長す
る内部酸化層の厚さは、ITOXで同時に成長する表面酸化
層の10%以下でしかない。埋め込み酸化層に粗大シリコ
ン島が存在する場合には、埋め込み酸化層の厚さに占め
るシリコン島の粒径が15%以下になるようにITOX熱処理
を行なって、内部酸化層を厚く成長させる必要がある。
その分、酸化時間を長くしなければならず、表面酸化層
が成長するので、表面シリコン層が酸化されて薄くな
り、極端な場合消失してしまうという問題がある。米国
特許第5930643号公報に記載の、第1段目の酸素イオン注
入をシリコン基板の温度を高温に保持して行い、続いて
第2段目の酸素イオン注入を、シリコン基板の温度を200
℃以下に下げて行なうことで、アモルファス層を形成す
るSIMOX基板の製造方法では、第2段目のイオン注入で形
成したアモルファス層で、埋め込み酸化層形成を促進し
て埋め込み酸化層を厚くする。このアモルファス層形成
は、熱処理初期での酸素の析出サイトを微細化し、さら
に均一化するため、シリコン島の大きさを小さくする効
果が期待できる。しかし、第2段目の注入量が少ないと
酸素析出サイトの微細化・均一化の効果は期待できず、
第2段目の注入量が多いと、表面シリコン層に欠陥を残
すという問題があり、シリコン島の大きさを抑制するこ
とと、第2段目の注入による表面シリコン層の欠陥を抑
制することを両立することは困難であった。
圧特性にすぐれた埋め込み酸化層を有するSIMOX基板お
よびその製造方法を提供するものである。
化層の絶縁耐圧の劣化原因は、埋め込み酸化層内に、未
反応のまま残留したシリコンである。これをシリコン島
と表記する。本発明は、この埋め込み酸化層の絶縁耐圧
劣化原因となるシリコン島を無害化し、絶縁耐圧特性に
優れた埋め込み酸化層をもつSIMOX基板を提供する製造
方法と、その方法によって製造されたSIMOX基板に関す
るものである。
ンを注入し、熱処理によって埋め込み酸化シリコン層を
形成したSIMOX基板であって、前記埋め込み酸化シリコ
ン層中に含有されるシリコン島の粒径が、埋め込み酸化
層の厚さの15%以下であることを特徴とするSIMOX基板で
あり、この基板は、絶縁破壊耐圧特性に優れている。
酸素イオンを注入した後、引き続いて、シリコン基板の
温度を室温まで下げ、再度酸素イオンを注入してシリコ
ンウエハ中にアモルファス層を形成し、続いて、酸化雰
囲気中で熱処理することによって、シリコン基板中に埋
め込み酸化シリコン層を形成するとともに、埋め込み酸
化層中のシリコン島を酸化することを特徴とするSIMOX
基板の製造方法であり、シリコン島の粒径を埋め込み酸
化層の厚さの15%以下にすることができる。
造法において、室温で酸素イオンを注入するときの注入
量は、5×1014/cm2以上5×1015/cm2未満とし、酸素イオ
ン注入後の酸化雰囲気での熱処理を2段階熱処理とし、
前段の熱処理を酸素分圧が0.1%以上1%未満の不活性ガス
中、1300℃以上シリコンの融点未満の温度で行い、後段
の熱処理温度を1300℃以上シリコンの融点未満の温度と
し、熱処理雰囲気を、酸素分圧5%以上の不活性ガスと酸
素の混合ガスまたは純酸素とする。
酸素イオン注入を行なった後、高温熱処理を行なうSIMO
X基板とその製造法で、酸素イオンの注入および高温熱
処理に特徴がある。
酸素イオン注入は単結晶シリコン基板を加熱し、酸素イ
オン注入によって単結晶シリコン基板に導入される欠陥
を回復しつつ行なう。イオン注入中の単結晶シリコン基
板の加熱温度は、500℃から600℃とするのが望ましい。
第1段目の酸素イオン注入の注入エネルギーについては
特に限定されない。注入エネルギーは、代表的には180
keVから200 keVである。酸素イオンの注入量は、低ドー
ズSIMOX基板の条件でも、また、従来の技術では、連続
な埋め込み酸化層を形成するのが困難と考えられていた
4.5×1017/cm2から1.5×1018/cm2の範囲であってもよ
い。
加熱して行なうので、注入による欠陥は、大部分が回復
するが、欠陥の一部は、単結晶シリコン基板の表面から
深さ方向に不均一な濃度分布で残留する。例えば、酸素
イオンの注入エネルギーを180 keVとし、4×1017/cm2の
ドーズ量で注入した場合には、単結晶シリコン基板の表
面から約200 nmまでは単結晶のままであるが、欠陥の濃
度は深さと共に増加して、深さ350 nmで最大となり700
nm付近まで分布する。
段目の酸素イオン注入を行なう。この第2段目の酸素イ
オン注入によって、第1段目の酸素イオン注入で生じた
不均一な欠陥分布をもった領域は、均一なアモルファス
層に変化し、この後に続いて行なう高温熱処理では、酸
化シリコンが、このアモルファス層に均一に析出する。
そのため、注入エネルギーは、第1段目の酸素イオン注
入と同一のエネルギーとして、アモルファス化する領域
を第1段目の注入で生じた欠陥領域と一致させるのが望
ましい。第2段目の注入でアモルファス層を形成するた
めに、注入時の単結晶シリコン基板の温度は300℃以下
とする。単結晶シリコン基板の温度が300℃よりも高い
と、アモルファス層は形成されない。また、単結晶シリ
コン基板を冷却して、イオン注入時の温度を室温より低
く保持しても良いが、冷却のため設備が必要となり、製
造コストの上昇につながるので、単結晶シリコン基板
は、必ずしも室温未満の温度に冷却する必要はなく、3
00℃以下で15℃以上であればよい。また、第2段目の
酸素イオンの注入量は、5×1014/cm2から5×1015/cm2で
ある。この注入量が5×1014/cm2よりも少ないと、第一
段目のイオン注入で形成された欠陥領域とアモルファス
層が混在した層が形成され、この後に続く高温熱処理で
酸化シリコンの析出が不均一になるため好ましくない。
また、第2段目の注入量が5×1015/cm2よりも多いと、高
温熱処理で埋め込み酸化層を形成した後に、表面シリコ
ン層に欠陥が生じるので好ましくない。
行なう。この高温熱処理は、2段階で行い、第1段目熱処
理は不活性ガスに酸素を1%未満の分圧で低下した雰囲気
で行い、続いて酸素分圧を5%以上に上昇させて、第2段
目熱処理を行なう。
導入されたアモルファス層を単結晶化して、表面シリコ
ン層を形成するとともに、注入した酸素をシリコンと反
応させ、酸化シリコンを形成し、埋め込み酸化層とする
ために行なう。この第1段目の熱処理温度は、1300℃以
上シリコンの融点未満の温度範囲に設定する。この温度
範囲で熱処理することにより、イオン注入した酸素をシ
リコンと反応させ、酸化シリコンの析出物を形成する。
このとき、前記第2段目のイオン注入によって均一なア
モルファス層が形成されているので、酸化シリコンが優
先的に析出する場所はないため、酸化シリコンは均一に
析出する。
出物どうしが結合し、連続な埋め込み酸化層が形成する
まで継続する。この熱処理の継続時間は、具体的には2
時間から6時間の程度である。この熱処理過程におい
て、酸化シリコンは均一に析出しているので、析出物ど
うしが結合する際に、シリコンが未反応のまま取り残さ
れることは避けられる。その結果、埋め込み酸化層中に
シリコン島が発生する密度ならびにシリコン島のサイズ
はともに抑制される。
析出した酸化シリコンどうしの結合が十分でなく、結合
しなかった酸素析出物が表面シリコン層に残留して欠陥
となるので好ましくない。
い雰囲気で行なうと、単結晶シリコン基板の表面が荒れ
るので、酸素分圧が1%未満になるように不活性ガスに酸
素を添加した雰囲気で熱処理を行なう。また、雰囲気中
の酸素分圧が1%以上では、熱処理中に析出した酸化シリ
コンが内部酸化によって成長し、良質な埋め込み酸化層
の形成が妨げられるので好ましくない。この酸化シリコ
ン析出物の成長を抑制するには、第1段目熱処理の雰囲
気の酸素分圧は1%未満とするのが望ましい。
ら100%にし、加熱温度を1300℃以上シリコンの融点未満
の温度に設定して、第2段目の熱処理を行なう。第1段目
の熱処理が終了した段階では、埋め込み酸化層中には、
低密度ではあっても、粗大シリコン島が存在している可
能性がある。第2段目の熱処理は、第1段の熱処理で形成
した埋め込み酸化層のなかの低密度の粗大シリコン島を
酸化して、その密度とサイズをさらに縮小することを目
的として行なう。
熱処理を行なう時間を長くするほど、また、熱処理雰囲
気中の酸素分圧が高いほど、埋め込み酸化層中のシリコ
ン島の粒径は縮小することを見出している。また、発明
者らは、表1に示すように、埋め込み酸化層中のシリコ
ン島の粒径が、埋め込み酸化層の15%以下であれば、埋
め込み酸化層の絶縁耐圧は8.5MV/cm以上になることも実
験から見出した。
処理時間とシリコン島の粒径との関係を予め求めてお
き、この関係から、シリコン島の粒径が埋め込み酸化層
の厚さの15%以下になる時間を導き出して決めればよ
い。熱処理時間とシリコン島の粒径の関係を求めるに
は、具体的には、上記の方法によって、酸素イオン注入
および第1段目熱処理を行い、第2段目熱処理の時間を変
えてSIMOX基板を製造し、埋め込み酸化層中に含有され
るシリコン島の粒径分布を計測する。そうして第2段目
の熱処理時間と、シリコン島の最大粒径との関係をプロ
ットすることで、熱処理時間とシリコン島の最大粒径と
の関係を求める。
および粒径分布を求めるには、まず、上記の方法で作製
したSIMOX基板の表面酸化膜をふっ酸によって除去し、
つぎに、表面シリコン層を水酸化カリウム水溶液で除去
する。さらに、埋め込み酸化層を、反応性イオンエッチ
ング法によりエッチングする。反応性イオンエッチング
法では、エッチングガスとしてCF4とH2の混合ガスを用
いることにより、シリコン島を残して酸化シリコン層の
みを除去する。この基板を、SEMまたはAFMによって観察
し、その観察像を画像解析することにより、シリコン島
の粒径分布ならびに最大粒径を計測する。
シリコン島が内部酸化層の厚さの15%以下になるよう
に、熱処理時間と熱処理雰囲気中の酸素分圧を設定すれ
ばよく、内部酸化層が成長する、いわゆるITOXの条件で
ある必要はないが、ITOXの条件を用いても良い。
め込み酸化層中に粗大シリコン島が存在せず、優れた耐
圧特性を示す埋め込み酸化層を有する。
に対しても同じ条件で第1段目の酸素イオン注入を行な
った。この第1段目の酸素イオン注入は、単結晶シリコ
ン基板を550℃に加熱し、注入エネルギーを180keVと
し、注入量は4×1017/cm2とした。第1段目の酸素イオン
注入を終えた5枚のウエハのうち、3枚に対して第2段目
の酸素イオン注入を行なった。第2段目の酸素イオン注
入は、単結晶シリコン基板の温度を室温にし、注入量を
1枚ごとに変え、それぞれ、実施例1として5×1014/c
m2、実施例2として1×1015/cm2、実施例3として1.5×10
15/cm2の注入を行なった。比較のため、用意した単結晶
シリコン基板のうち、1枚については、第2段目のイオン
注入を省略し(比較例1)、さらに1枚については、第2段
目のイオン注入の注入量を5×1015/cm2とした(比較例
2)。
イオン注入後の単結晶シリコン基板の断面を透過型電子
顕微鏡で観察し、アモルファス層の形成状態を観察した
結果を図2に模式的に示す。実施例1では、第1段目の注
入で形成された欠陥と第2段目の注入で形成されたアモ
ルファス層が混在しており、第1段目の注入で形成され
た欠陥が残存する領域が多いので、第2段目注入でのア
モルファス化は十分でない。実施例2、3および比較例2
では、第2段目の注入により、アモルファス層が形成さ
れ、第1段目の注入による欠陥層はほぼアモルファス化
している。ただし、比較例2では、残留する表面シリコ
ン層が薄くなり、表面シリコン層内でのダメージが多く
なっており、第2段目の注入は過剰である。
晶シリコン基板に対し、第1段目の熱処理を行なった。
熱処理の温度を1350℃とし、雰囲気は、酸素分圧が0.5%
のアルゴンガスで、熱処理時間は4時間とした。つぎ
に、第2段目の熱処理を、温度1350℃で、酸素分圧を5%
としたアルゴンガス中で実施した。この第2段目の熱処
理は、どの基板についても8時間行なってSIMOX基板を作
製した。
化層の厚さと埋め込み酸化層中のシリコン島の粒径を計
測するために、まず、ふっ酸により表面の酸化シリコン
層を除去し、続いて、表面シリコン層を水酸化カリウム
水溶液で除去することにより、埋め込み酸化層を露出さ
せた。この露出させた埋め込み酸化層の厚さをエリプソ
メトリーにより計測した。続いて、埋め込み酸化層を、
反応性イオンエッチング法によりエッチングした。反応
性イオンエッチング法では、エッチングガスとしてCF4
とH2の混合ガスを用い、シリコン島を残して酸化シリコ
ン層のみを除去した。ウエハを、SEMによって観察し、
観察像を画像解析して、シリコン島の粒径を計測した。
たSIMOX基板の埋め込み酸化層の厚さに対するシリコン
島の粒径の割合を表1に示す。
製したSIMOX基板の埋め込み酸化層の絶縁耐圧を測定す
るために、新たに5枚の単結晶シリコン基板を用意し、
上記実施例1〜3および比較例1、2と同様の条件で、SIMO
X基板を作製した。これらの基板の絶縁耐圧を測定した
結果を表1に示す。
ン注入量が0.5×1015/cm2以上、5.0×1015/cm2未満とす
れば、埋め込み酸化層中のシリコン島の粒径は、埋め込
み酸化層の厚さの15%以下となり、埋め込み酸化層の絶
縁耐圧は8.5MV/cm以上になる。
は、埋め込み酸化層中に含有するシリコン島の粒径が、
埋め込み酸化層の厚さの15%以下であり、優れた絶縁耐
圧特性を示す。
例3により作製したSIMOX基板の断面を透過型電子顕微鏡
で観察した結果の模式図
の粒径の関係を示す図
ス層 16…埋め込み酸化層 17…表面酸化シリコン層 18…表面シリコン層 20…酸素注入領域 21…表面シリコン層 22…第1段目の酸素イオン注入により導入された欠陥層 23…単結晶シリコン基板 24…第2段目の酸素イオン注入で形成されたアモルファ
ス層
Claims (3)
- 【請求項1】 単結晶シリコン基板に酸素イオンを注入
し、熱処理によって埋め込み酸化シリコン層を形成した
SIMOX基板であって、前記埋め込み酸化シリコン層中に
含有されるシリコン島の粒径が、埋め込み酸化層の厚さ
の15%以下であることを特徴とするSIMOX基板。 - 【請求項2】 単結晶シリコン基板を500℃から600℃に
加熱して酸素イオンを注入した後、引き続いて、単結晶
シリコン基板の温度を300℃以下とし、再度酸素イオン
を注入して単結晶シリコン基板中にアモルファス層を形
成し、続いて、酸化雰囲気中で熱処理することによっ
て、単結晶シリコン基板中に埋め込み酸化シリコン層を
形成するとともに、埋め込み酸化層中のシリコン島を酸
化することを特徴とするSIMOX基板の製造方法。 - 【請求項3】 室温で酸素イオンを注入するときの注入
量が、5×1014/cm2以上5×1015/cm2未満であって、酸素
イオン注入後の酸化雰囲気での熱処理が2段階熱処理で
あり、前段の熱処理を酸素分圧が0.1%以上1%未満の不活
性ガス中、1300℃以上シリコンの融点未満の温度で行
い、後段の熱処理温度を1300℃以上シリコンの融点未満
の温度とし、熱処理雰囲気を、酸素分圧5%以上の不活性
ガスと酸素の混合ガスまたは純酸素とすることを特徴と
する請求項2記載のSIMOX基板の製造方法。
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