JP2010027731A - Simoxウェーハの製造方法及びsimoxウェーハ - Google Patents

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Abstract

【課題】埋め込み酸化膜が、同じ厚みのシリコン酸化膜と比べてより高誘電率であり、したがって、電気的な実効膜厚がシリコン酸化膜と比べてより薄いSIMOXウェーハの製造方法及びSIMOXウェーハを提供する。
【解決手段】本発明のSIMOXウェーハの製造方法は、シリコンウェーハ1内に酸素イオンの高濃度層4を形成するための酸素イオン注入工程と、このシリコンウェーハ1を高温にてアニール処理する高温アニール処理工程と、を有する製造方法において、この酸素イオン注入工程の前または後に、高濃度層4を高誘電率層とするために窒素イオンおよび/または金属イオンを注入する追加イオン注入5の工程を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、SIMOXウェーハの製造方法及びSIMOXウェーハに関し、更に詳しくは、高速かつ低消費電力のSOI(Silicon on Insulator)デバイスを形成するための埋め込み酸化膜を有する薄膜SOIウェーハとして、現在量産に使用されている貼り合わせSOIウェーハ及びSIMOX(Silicon Implantation of Oxygen)ウェーハの2種類のうち、後者のSIMOXウェーハに用いて好適な技術に関するものである。
近年、高速かつ低消費電力のSOIデバイスを形成するための埋め込み酸化膜を有する薄膜SOIウェーハとして、SIMOXウェーハが知られている(特許文献1〜3)。このSIMOXウェーハは、SOI層の層厚均一性に特に優れるという特徴を有しているために、完全空乏型動作のMOS−LSI等の次世代MOSFET用基板として期待されている。
SIMOXウェーハは、従来から、注入時の酸素ドーズ量が高い高ドーズSIMOX(High dose SIMOX)、及び、注入時の酸素ドーズ量が一桁程度低く、その後のアニール工程を高酸素雰囲気下で行うITOX(Internal Oxidation)技術を用いることにより、埋め込み酸化膜を形成する低ドーズSIMOX(Low dose SIMOX)の2種類が知られている。さらに近年、低ドーズSIMOXの中で、最後の注入工程を、室温付近で少量のドーズで行うことでアモルファス層を形成し、より低ドーズでのBOX層の形成を可能にしたMLD(Modified Low Dose)法が開発され、量産提供が成されている。
ところで、高ドーズSIMOXでは、典型的には、酸素イオンの注入を、注入エネルギー150Kev程度、注入ドーズ量1.5×1018cm−2以上、基板温度500℃程度の条件下で行い、その後、酸素を0.5〜2v/v%含むArあるいは窒素の雰囲気下、1300℃以上の温度にて4〜8時間のアニールを行うプロセスである。
このプロセスでは、注入時間が極めて長くスループットが悪いこと、SOI層の転位密度が1×10cm−2〜1×10cm−2と極めて高いこと、等の問題点があった(非特許文献1)。
低ドーズSIMOXは、この高ドーズSIMOXの欠点を改善するための方法であり、典型的には、酸素イオンの注入を、注入エネルギー150Kev以上、注入ドーズ量4×1017cm−2〜1×1018cm−2、基板温度400〜600℃の条件下で行い、その後のアニールを、1300℃以上、酸素を30〜60v/v%含むAr雰囲気下で行い、アニール中の酸素による内部酸化(ITOX:Internal Oxidation)によりBOX層を厚膜化するとともに、大幅な品質向上を実現している(非特許文献2)。
さらに、低ドーズSIMOXの改良版として、従来の高温(400℃〜650℃)での酸素注入工程の後に、室温下にて1桁低いドーズ量の注入を行い、アモルファス層を表面に形成する方法(MLD法:Modified Low Dose法)が提案されている。
この方法によると、ドーズ量の範囲が1.5×1017cm−2〜6×1017cm−2と広いことから、BOX層の成長を連続的に行うことが可能であり、また、その後のITOX工程においても、従来のITOX工程の1.5倍の速度で内部酸化が可能である。その結果として、BOX酸化膜(BOX層)が熱酸化膜に極めて近くなり、大幅な品質の改善が成されている。
通常、MLD法では、SOI層中の酸素量を下げるために、ITOX工程の後に、酸素を0.5〜2v/v%含むAr雰囲気下にて5〜10時間程度アニールを行うことが普通である(非特許文献3、特許文献4)。
特開2004−200291号公報 特開2006−351632号公報 特開2007−5563号公報 米国特許第5930643号明細書 K.Izumi et al., Electron. Lett. (UK) vol.14 (1978) P593 S. Nakashima et al., Proc. IEEE int. SOI Conf. (1994) P71-2 O.W.Holland et al. Appl.Phys.Lett.(USA)vol. 69 (1996)P574
従来、SIMOXウェーハのBOX酸化膜としては、1350オングストローム〜1550オングストローム程度の比較的厚い酸化膜が用いられているが、今後のデバイスの微細化に伴って、BOX酸化膜のスケーリングの観点から、BOX酸化膜の膜厚を薄くする可能性が高い。
さらには、基板にバイアスを印加することで、SOI構造/BOX層の界面の伝導を試みる新しいデバイスも検討されている。
これらのデバイスが形成されるSIMOXウェーハにおいては、形成される埋め込み酸化膜(BOX:Buried Oxide)はシリコン酸化膜であり、SIMOXウェーハの製造上の制限から、この埋め込み酸化膜の膜厚は500オングストロームが限度であるという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、埋め込み酸化膜が、同じ厚みのシリコン酸化膜と比べてより高誘電率であり、したがって、電気的な実効膜厚がシリコン酸化膜と比べてより薄いSIMOXウェーハの製造方法及びSIMOXウェーハを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るSIMOXウェーハの製造方法は、シリコン基板内に酸素イオンの高濃度層を形成するための酸素イオン注入工程と、このシリコン基板を高温にてアニール処理する高温アニール処理工程と、を有するSIMOXウェーハの製造方法において、前記酸素イオン注入工程の前または後に、前記高濃度層を高誘電率層とするために窒素イオンおよび/または金属イオンを注入する追加イオン注入工程を有することを特徴とする。
本発明の請求項2に係るSIMOXウェーハの製造方法は、請求項1記載のSIMOXウェーハの製造方法において、前記高誘電率層は、窒化ケイ素(Si)または酸窒化ケイ素(SiO)を含むことを特徴とする。
本発明の請求項3に係るSIMOXウェーハの製造方法は、請求項1記載のSIMOXウェーハの製造方法において、前記金属イオンは、Hf、Zr、Ti、Taの群から選択される1種または2種以上のイオンであることを特徴とする。
本発明の請求項4に係るSIMOXウェーハの製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項記載のSIMOXウェーハの製造方法において、前記追加イオン注入工程における窒素イオンおよび/または金属イオンの注入深さは、前記酸素イオン注入工程における酸素イオンの注入深さと略同一であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係るSIMOXウェーハの製造方法は、請求項1ないし4のいずれか1項記載のSIMOXウェーハの製造方法において、前記追加イオン注入工程における窒素イオンおよび/または金属イオンのドーズ量は、前記酸素イオン注入工程の酸素イオンのドーズ量の1/10〜1であることを特徴とする。
本発明の請求項6に係るSIMOXウェーハの製造方法は、請求項1ないし5のいずれか1項記載のSIMOXウェーハの製造方法において、前記追加イオン注入工程に、MLD(Modified Low Dose)法を適用してなることを特徴とする。
本発明の請求項7に係るSIMOXウェーハは、請求項1ないし6のいずれか1項記載のSIMOXウェーハの製造方法により作製されたことを特徴とする。
本発明の請求項1に係るSIMOXウェーハの製造方法によれば、酸素イオン注入工程の前または後に、高濃度層を高誘電率層とするために窒素イオンおよび/または金属イオンを注入する追加イオン注入工程を有するので、酸素イオン注入工程により形成される高濃度層に窒素イオンおよび/または金属イオンを注入することにより、このシリコン基板内にシリコン酸化膜を主成分とする高誘電率の埋め込み酸化膜を形成することができる。したがって、SIMOXウェーハ内に従来より誘電率の高い埋め込み酸化膜を容易に形成することができ、従来のSIMOXウェーハと比べて電気的な実効膜厚がより薄い埋め込み酸化膜を有するSIMOXウェーハを製造することができる。
本発明の請求項2に係るSIMOXウェーハの製造方法によれば、高誘電率層を、窒化ケイ素(Si)または酸窒化ケイ素(SiO)を含むこととしたので、SIMOXウェーハ内に、従来より格段に向上した高誘電率の埋め込み酸化膜を形成することができ、従来のSIMOXウェーハと比べて電気的な実効膜厚がさらに薄い埋め込み酸化膜を有するSIMOXウェーハを製造することができる。
本発明の請求項3に係るSIMOXウェーハの製造方法によれば、金属イオンを、Hf、Zr、Ti、Taの群から選択される1種または2種以上のイオンとしたので、SIMOXウェーハ内に、従来より格段に向上した高誘電率の埋め込み酸化膜を形成することができ、従来のSIMOXウェーハと比べて電気的な実効膜厚がさらに薄い埋め込み酸化膜を有するSIMOXウェーハを製造することができる。
本発明の請求項4に係るSIMOXウェーハの製造方法によれば、追加イオン注入工程における窒素イオンおよび/または金属イオンの注入深さを、酸素イオン注入工程における酸素イオンの注入深さと略同一としたので、酸素イオン注入工程により形成される埋め込み酸化膜の誘電率を効率的に高めることができる。
したがって、埋め込み酸化膜の誘電率をより高誘電率とすることができ、電気的な実効膜厚をより薄くすることができる。
本発明の請求項5に係るSIMOXウェーハの製造方法によれば、追加イオン注入工程における窒素イオンおよび/または金属イオンのドーズ量を、酸素イオン注入工程の酸素イオンのドーズ量の1/10〜1としたので、酸素イオン注入工程により形成される埋め込み酸化膜に含まれる窒素イオンおよび/または金属イオンの量を、過剰になることなく適正に制御することができる。
本発明の請求項6に係るSIMOXウェーハの製造方法によれば、追加イオン注入工程にMLD法を適用したので、高誘電率の埋め込み酸化膜の膜質を向上させることができる。
したがって、従来より誘電率が高くかつ膜質の良い埋め込み酸化膜を容易に形成することができ、従来のSIMOXウェーハと比べて電気的な実効膜厚がより薄くかつ品質の優れた埋め込み酸化膜を有するSIMOXウェーハを製造することができる。
本発明の請求項7に係るSIMOXウェーハによれば、請求項1ないし6のいずれか1項記載のSIMOXウェーハの製造方法により作製されたので、埋め込み酸化膜の誘電率を高めることができ、その電気的な実効膜厚をより薄くすることができる。
本発明のSIMOXウェーハの製造方法及びSIMOXウェーハを実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態のSIMOXウェーハの製造方法を示す流れ図であり、図2は、同製造方法を示す過程図である。
このSIMOXウェーハの製造方法は、図1に示すように、酸素イオン注入工程S1、追加イオン注入工程S2、HFエッチング工程S3、洗浄工程S4、高温アニール処理工程S5、酸化膜剥離工程S6、SOI層膜厚測定工程S7、洗浄工程S8の各工程を有する。
次に、上記の各工程について、詳細に説明する。
「酸素イオン注入工程」
図2(a)に示すように、シリコンウェーハ1を用意する。このシリコンウェーハ1は、例えば、CZ法にて作製されたシリコン単結晶をウェーハ状に加工することにより得られ、ホウ素(B)等のp型のドーパント、またはリン(P)等のn型のドーパントが添加されている。
このシリコン単結晶は、多結晶シリコンと、窒化ケイ素焼結体等の窒化物をCZ成長炉のるつぼに投入し溶融して多結晶シリコン溶融液とし、この多結晶シリコン溶融液にシリコン種結晶を接触させて引き上げることにより、作製することができる。
また、多結晶シリコンをCZ成長炉のるつぼに投入して加熱昇温し、溶融する前に窒素または窒素化合物ガスを吹き付けて窒化ケイ素を形成し、これを多結晶シリコンと共に溶融して多結晶シリコン溶融液とし、この多結晶シリコン溶融液にシリコン種結晶を接触させて引き上げることにより、作製することもできる。
次いで、このシリコンウェーハ1の表面1aに、フォトリソグラフィにより所定のマスクパターンの酸化膜2を形成し、この酸化膜2をマスクとして、このシリコンウェーハ1に、その表面1aから酸素イオン注入3を施し、このシリコンウェーハ1の表面1aから少し内部へ入った領域に酸素イオンの高濃度層4を形成する。
この酸素イオン注入3は、例えば、シリコンウェーハ1を300℃以上、好ましくは400℃〜650℃の高温に加熱して、酸素注入エネルギーとして140〜220keV、好ましくは170KeVの加速エネルギーで、ドーズ量2×1016cm−2〜4×1017cm−2、好ましくは、2.5×1017cm−2の酸素イオン注入を行う。
この酸素イオン注入3では、シリコンウェーハ1の表面1aを単結晶のまま維持すると共に、その表面1aから少し内部へ入った領域では、シリコンの格子間に酸素イオンが入り込むことにより、酸素イオンを高濃度で含むシリコンからなる高濃度層4を形成することとなる。
「追加イオン注入工程」
図2(b)に示すように、このシリコンウェーハ1に、その表面1aから窒素イオンおよび/または金属イオンを注入する追加イオン注入5を施し、高濃度層4に窒素イオンおよび/または金属イオンを注入する。
この追加イオン注入5では、高濃度層4に窒素イオンおよび/または金属イオンを効果的に注入するためには、この窒素イオンおよび/または金属イオンの注入深さを、上記の酸素イオン注入3における酸素イオンの注入深さと略同一とすることが好ましい。
また、この追加イオン注入5における窒素イオンおよび/または金属イオンのドーズ量は、酸素イオン注入3における酸素イオンのドーズ量の1/10〜1である。
ここで、窒素イオンおよび/または金属イオンのドーズ量を、酸素イオンのドーズ量の1/10以下とした理由は、シリコンの格子間に入り込む窒素イオンおよび/または金属イオンの量を、この格子間に入り込む酸素イオンの量と比べて絶対的に少なくすることで、窒素イオンおよび/または金属イオンの量を、酸素イオンの量に比べて過剰になることなく適正に制御することができるからである。
ここで、金属イオンとしては、Hf、Zr、Ti、Taの群から選択される1種または2種以上のイオンが挙げられる。
これらの窒素イオンおよび/または金属イオンにより、高濃度層4は、シリコンの格子間に酸素イオンの他に窒素イオンおよび/または金属イオンが入り込んだ追加イオン含有高濃度層6となる。
この追加イオン注入5は、例えば、シリコンウェーハ1を300℃以上、好ましくは400℃〜650℃の高温に加熱して、窒素イオンおよび/または金属イオンからなる追加イオンの注入エネルギーとして140〜220keV、好ましくは170KeVの加速エネルギーで、ドーズ量2×1015cm−2〜4×1016cm−2、好ましくは、2.5×1016cm−2の追加イオン注入を行う。
この追加イオン注入5では、シリコンウェーハ1の表面1a近傍のシリコン単結晶層をアモルファスシリコン層に変化させると共に、その表面1aから少し内部へ入った領域、すなわち高濃度層4では、シリコンの格子間に窒素イオンおよび/または金属イオンからなる追加イオンが入り込むことにより、酸素イオンの他に、窒素イオンおよび/または金属イオンを酸素イオンの1/10〜1含む高濃度層6を形成することとなる。
この高濃度層6は、窒素イオンを用いて追加イオン注入5を行った場合、シリコンウェーハ1の表面1a近傍のシリコンの格子間に窒素イオンが入り込むこととなる。
一方、金属イオンを用いて追加イオン注入5を行った場合、シリコンウェーハ1の表面1a近傍のシリコンの格子間に金属イオンが入り込むこととなる。
なお、この追加イオン注入工程は、酸素イオン注入工程の前に行ってもよい。
「HFエッチング工程」
エッチング液としてHF濃度40〜60%のフッ化水素水溶液を用い、40〜60℃、3〜5分の処理条件で、追加イオン注入5を行ったシリコンウェーハ1の表面をエッチング処理し、このシリコンウェーハ1の表面1aに形成された酸化膜2を除去する。
「洗浄工程」
表面処理したシリコンウェーハ1を、40〜85℃の温度下、SC−1洗浄(NHOH /H/HO の1:1:10の混合液による洗浄)、SC−2洗浄(HCl/H/HO の混合液による洗浄)、硫酸過水洗浄(HSO/Hの混合液による洗浄)等により、洗浄を行う。
「高温アニール処理工程」
図2(c)に示すように、酸化膜2が除去されたシリコンウェーハ1に、酸素と不活性ガスが設定比率(例えば、酸素分圧比が2〜45%程度)となる混合ガス雰囲気中、1300℃以上、より好ましくは1320〜1350℃にて、6〜20時間、熱処理を施す。
本実施形態では、1350℃未満、好ましくは1280〜1320℃の温度範囲にて所定時間かけて熱処理した後、1350℃以上シリコンの融点未満の温度に昇温し、所定時間かけてさらに高温の熱処理をおこなう。
具体的には、アニール条件は、1320℃、10時間のITOXプロセスの後に、1350℃、5〜10時間のアニールプロセスを、Ar雰囲気(酸素2%)でおこなうことが好ましい。
これにより、窒素イオンを用いて追加イオン注入5を行った場合には、高濃度層6中の窒素イオンがシリコンと反応し、窒化ケイ素(Si)または酸窒化ケイ素(SiO)を生成することとなる。
一方、金属イオンを用いて追加イオン注入5を行った場合には、高濃度層6中の金属イオンがシリコンと反応し、Hf、Zr、Ti、Ta等を含む金属ケイ素化合物を生成することとなる。
したがって、この熱処理により、高濃度層6は、窒化ケイ素(Si)または酸窒化ケイ素(SiO)、あるいはHf、Zr、Ti、Ta等を含む金属ケイ素化合物を含む高誘電率の埋め込み酸化膜7となる。なお、高濃度層6の上のアモルファスシリコン層はSOI層8となる。
同時に、このシリコンウェーハ1の表面1a及び裏面1bが酸化され、表面酸化膜11及び裏面酸化膜12が形成される。
「酸化膜剥離工程」
エッチング液としてHF濃度40〜60%のフッ化水素水溶液を用い、40〜60℃、3〜5分の処理条件で、シリコンウェーハ1の表面1a及び裏面1bに形成された表面酸化膜11及び裏面酸化膜12を除去する。
これにより、図2(d)に示すように、シリコンウェーハ1の表面1a近傍に高誘電率の埋め込み酸化膜7及びアモルファスシリコン層からなるSOI層8を有するSIMOXウェーハ13が得られる。
「SOI層膜厚測定工程」
分光エリプソメーターを用いてSOI層8の膜厚を測定し、このSOI層8の膜厚が適正な範囲内であれば良品と判定する。一方、このSOI層8の膜厚が厚すぎる場合は、このSOI層8の表面をエッチング処理して、その膜厚を適正な膜厚に調整する。なお、SOI層8が薄すぎる場合には、製品として不適合であるから、不良品として製造ラインから排除する。
「洗浄工程」
最後に、上記の洗浄工程に準じて、SIMOXウェーハ13の洗浄を行う。
この洗浄工程における洗浄条件は、製造されるSIMOXウェーハ13の規格によって選択することができる。
以上により、シリコンウェーハ1の表面1a近傍に、誘電率が従来より格段に向上した高誘電率の埋め込み酸化膜7を形成することができ、従来のSIMOXウェーハと比べて電気的な実効膜厚がさらに薄い埋め込み酸化膜7を有するSIMOXウェーハ13を製造することができる。
以下、実施例により本発明を説明する。
(実施例1)
シリコンウェーハを400℃に加熱し、このシリコンウェーハの表面に酸素イオン注入を行った。この酸素イオン注入における加速エネルギーは215KeV、ドーズ量は2.5×1017cm−2であった。
次いで、このシリコンウェーハを400℃に加熱したままの状態で、その表面からNイオンを注入する追加イオン注入を行った。このNイオン注入における加速エネルギーは190KeVであり、ドーズ量は後述する表1に記載されているように、1×1016cm−2〜50×1016cm−2の範囲内の計7種類とした。
次いで、このシリコンウェーハに、フッ化水素水溶液を用いたエッチング処理を施して、表面に形成された酸化膜を除去し、次いで、SC−1洗浄を行った。
次いで、このシリコンウェーハに、酸素分圧比が40%のArガス雰囲気下にて、1300℃にて5時間、熱処理を施し、さらに、酸素分圧比が4%のArガス雰囲気にて1350℃にて10時間、高温熱処理を施した。
その後、フッ化水素水溶液を用いてシリコンウェーハの表面及び裏面に形成された酸化膜を除去し、再度SC−1洗浄を行い、SiONイオンのドーズ量が異なる7種類の試料からなる実施例1のSIMOXウェーハを得た。
次いで、7種類の試料毎に、誘電率及び実効絶縁膜厚を測定した。この測定結果を表1に示す。
Figure 2010027731
(実施例2)
シリコンウェーハを400℃に加熱し、このシリコンウェーハの表面に酸素イオン注入を行った。この酸素イオン注入における加速エネルギーは215KeV、ドーズ量は2.5×1017cm−2であった。
次いで、このシリコンウェーハを400℃に加熱したままの状態で、その表面からHf4+イオンを注入する追加イオン注入を行った。このHfイオン注入における加速エネルギーは600KeVであり、ドーズ量は後述する表1に記載されているように、1×1016cm−2〜50×1016cm−2の範囲内の計7種類とした。
次いで、このシリコンウェーハに、フッ化水素水溶液を用いたエッチング処理を施して、表面に形成された酸化膜を除去し、次いで、SC−1洗浄を行った。
次いで、このシリコンウェーハに、酸素分圧比が40%のArガス雰囲気下にて、1300℃にて5時間、熱処理を施し、さらに、酸素分圧比が4%のArガス雰囲気にて1350℃にて10時間、高温熱処理を施した。
その後、フッ化水素水溶液を用いてシリコンウェーハの表面及び裏面に形成された酸化膜を除去し、再度SC−1洗浄を行い、Hfイオンのドーズ量が異なる7種類の試料からなる実施例2のSIMOXウェーハを得た。
次いで、7種類の試料毎に、誘電率及び実効絶縁膜厚を測定した。この測定結果を表2に示す。
Figure 2010027731
(実施例3)
シリコンウェーハを400℃に加熱し、このシリコンウェーハの表面に酸素イオン注入を行った。この酸素イオン注入における加速エネルギーは215KeV、ドーズ量は2.5×1017cm−2であった。
次いで、このシリコンウェーハを400℃に加熱したままの状態で、その表面からTi3+イオンを注入する追加イオン注入を行った。このTiイオン注入における加速エネルギーは215KeVであり、ドーズ量は後述する表3に記載されているように、1×1016cm−2〜20×1016cm−2の範囲内の計7種類とした。
次いで、このシリコンウェーハに、フッ化水素水溶液を用いたエッチング処理を施して、表面に形成された酸化膜を除去し、次いで、SC−1洗浄を行った。
次いで、このシリコンウェーハに、酸素分圧比が40%のArガス雰囲気下にて、1300℃にて5時間、熱処理を施し、さらに、酸素分圧比が4%のArガス雰囲気にて1350℃にて10時間、高温熱処理を施した。
その後、フッ化水素水溶液を用いてシリコンウェーハの表面及び裏面に形成された酸化膜を除去し、再度SC−1洗浄を行い、SiTiOイオンのドーズ量が異なる7種類の試料からなる実施例3のSIMOXウェーハを得た。
次いで、7種類の試料毎に、誘電率及び実効絶縁膜厚を測定した。この測定結果を表3に示す。
Figure 2010027731
(比較例)
シリコンウェーハを400℃に加熱し、このシリコンウェーハの表面に酸素イオン注入を行った。この酸素イオン注入における加速エネルギーは215KeV、ドーズ量は2.5×1017cm−2であった。
次いで、このシリコンウェーハに、フッ化水素水溶液を用いたエッチング処理を施して、表面に形成された酸化膜を除去し、次いで、SC−1洗浄を行った。
次いで、このシリコンウェーハに、酸素分圧比が40%%のArガス雰囲気下にて、1300℃にて5時間、熱処理を施し、さらに、酸素分圧比が4%のArガス雰囲気にて1350℃にて10時間、高温熱処理を施した。
その後、フッ化水素水溶液を用いてシリコンウェーハの表面及び裏面に形成された酸化膜を除去し、再度SC−1洗浄を行い、比較例のSIMOXウェーハを得た。
次いで、誘電率及び実効絶縁膜厚を測定した。この測定結果を表4に示す。
Figure 2010027731
表1〜表4によれば、実施例1〜3のSIMOXウェーハでは、比較例のSIMOXウェーハと比べて、追加イオン注入のドーズ量が増加するにしたがって、誘電率も向上していることが分かった。一方、実効絶縁膜厚は、追加イオン注入のドーズ量が増加するにしたがって、薄くなっていることが分かった。
以上により、誘電率が高く、かつ電気的な実効膜厚が薄い埋め込み酸化膜を有するSIMOXウェーが容易に得られることが分かった。
本発明の一実施形態のSIMOXウェーハの製造方法を示す流れ図である。 本発明の一実施形態のSIMOXウェーハの製造方法を示す過程図である。
符号の説明
1 シリコンウェーハ
1a 表面
1b 裏面
3 酸素イオン注入
4 酸素イオンの高濃度層
5 追加イオン注入
6 追加イオン含有高濃度層
7 高誘電率の埋め込み酸化膜
8 SOI層
11 酸表面酸化膜
12 裏面酸化膜
13 SIMOXウェーハ

Claims (7)

  1. シリコン基板内に酸素イオンの高濃度層を形成するための酸素イオン注入工程と、このシリコン基板を高温にてアニール処理する高温アニール処理工程と、を有するSIMOXウェーハの製造方法において、
    前記酸素イオン注入工程の前または後に、前記高濃度層を高誘電率層とするために窒素イオンおよび/または金属イオンを注入する追加イオン注入工程を有することを特徴とするSIMOXウェーハの製造方法。
  2. 前記高誘電率層は、窒化ケイ素(Si)または酸窒化ケイ素(SiO)を含むことを特徴とする請求項1記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  3. 前記金属イオンは、Hf、Zr、Ti、Taの群から選択される1種または2種以上のイオンであることを特徴とする請求項1記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  4. 前記追加イオン注入工程における窒素イオンおよび/または金属イオンの注入深さは、前記酸素イオン注入工程における酸素イオンの注入深さと略同一であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  5. 前記追加イオン注入工程における窒素イオンおよび/または金属イオンのドーズ量は、前記酸素イオン注入工程の酸素イオンのドーズ量の1/10〜1であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  6. 前記追加イオン注入工程に、MLD(Modified Low Dose)法を適用してなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項記載のSIMOXウェーハの製造方法により作製されたことを特徴とするSIMOXウェーハ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109801876A (zh) * 2017-11-16 2019-05-24 英飞凌科技股份有限公司 用于制造半导体器件的方法
RU2770173C1 (ru) * 2021-07-27 2022-04-14 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования «Кабардино-Балкарский государственный университет им. Х.М. Бербекова» (КБГУ) Способ формирования оксинитрида кремния

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