JP2007080949A - Soiウエーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】SOI層と絶縁体との界面の界面準位密度を低減するSOIウエーハの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも、絶縁体上にSOI層を形成したSOIウエーハを製造する方法であって、前記SOIウエーハを、SOI層を形成した後に、CN−を含む薬液で処理することを特徴とするSOIウエーハの製造方法を提供する。そして、本発明のSOIウエーハの製造方法では、例えば、前記CN−を含む薬液を、KCN水溶液とすることができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、少なくとも、絶縁体上にSOI層を形成したSOIウエーハを製造する方法であって、前記SOIウエーハを、SOI層を形成した後に、CN−を含む薬液で処理することを特徴とするSOIウエーハの製造方法を提供する。そして、本発明のSOIウエーハの製造方法では、例えば、前記CN−を含む薬液を、KCN水溶液とすることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、絶縁体上にシリコン薄膜(SOI層)を形成したSOI(Silicon On Insulator)ウエーハの製造方法に関するものであり、特に、SOI層と絶縁体との界面の界面準位密度を低減するSOIウエーハの製造方法に関する。
近年、デバイス用基板として、SOIウエーハが広く利用されてきている。このようなSOIウエーハの製造方法としては、例えば、2枚のウエーハ同士を貼り合わせる貼り合わせ法や1枚のシリコンウエーハ内に酸素を注入して埋め込み酸化膜(BOX(Buried OXide)膜)で仕切られたシリコン薄膜を形成するSIMOX(Separation by IMplanted OXygen)法などが知られている。
貼り合わせ法では、例えばシリコンからなるボンドウエーハとベースウエーハのうちの少なくとも一方の表面に熱酸化膜を形成した後、この形成した酸化膜を介して2枚のウエーハの表面を密着させる。次に結合熱処理を施すことによって密着面の結合力を高め、その後に片方のシリコンウエーハ(ボンドウエーハ)を研磨等により薄膜化することによってSOI層として、SOIウエーハを製造できる。
また、SIMOX法では、鏡面研磨等が施されたシリコンウエーハの一方の主面からウエーハ内部に酸素イオンを注入し、酸素イオン注入層を形成する。その後、例えば不活性ガス雰囲気下1300℃以上の温度で熱処理し、ウエーハ内部に形成された酸素イオン注入層から埋め込み酸化膜を形成する。これにより、一枚のウエーハから絶縁体上にシリコン薄膜を形成したSOIウエーハを製造できる。
一方、このようにデバイス用基板としてSOIウエーハが利用されるようになってくると、シリコン薄膜と絶縁体との界面、例えばSOI層/BOX膜界面の界面準位密度が非常に重要となってくる。従来の界面準位密度の議論は主にゲート酸化膜/シリコン基板界面で議論されてきたが、近年利用されているSOIウエーハでは、SOI層/BOX膜界面も重要となる。SOI層がより薄くなり、SOI層全体が空乏化するようになってくるとき、SOI層/BOX膜界面準位密度(以下、界面準位密度という)が増加すると、キャリア移動度の低下等の問題が発生する。この界面準位密度は、近年報告されているPseudo−MOSFETにて評価されるが、デバイスの高集積化や低消費電力化などの高性能化に伴い、SOI層の薄膜化がますます進むものと考えられる。そのため、実際のデバイスでは、SOI層すべてが空乏化され動作することも起こってきており、界面準位密度の低減は一層重要となっている(例えば特許文献1、2及び非特許文献1、2、3参照)。
本発明は、SOI層と絶縁体との界面の界面準位密度を低減するSOIウエーハの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、少なくとも、絶縁体上にSOI層を形成したSOIウエーハを製造する方法であって、前記SOIウエーハを、SOI層を形成した後に、CN−を含む薬液で処理することを特徴とするSOIウエーハの製造方法を提供する(請求項1)。
そして、例えば、前記CN−を含む薬液を、KCN水溶液とすることができる(請求項2)。
そして、例えば、前記CN−を含む薬液を、KCN水溶液とすることができる(請求項2)。
このように、SOIウエーハを、SOI層を形成した後に、CN−を含む薬液で処理すれば、それまでに行なった熱処理工程やその他のSOIウエーハ製造工程において増加した界面準位密度を低減でき、キャリア移動度の高いSOI層を有するSOIウエーハを製造できる。特に、KCN水溶液で処理すれば、簡単かつ確実に界面準位密度を低減できる。
また、本発明のSOIウエーハの製造方法では、前記CN−を含む薬液で処理するSOIウエーハを、少なくとも、ボンドウエーハとベースウエーハを絶縁膜を介して密着させ、該密着させたボンドウエーハとベースウエーハに結合熱処理を施して結合した後、前記ボンドウエーハを薄膜化して絶縁体となる絶縁膜の上にSOI層を形成することで、作製することができる(請求項3)。
あるいは、前記CN−を含む薬液で処理するSOIウエーハを、少なくとも、ボンドウエーハと絶縁性支持基板となるベースウエーハを直接又は絶縁膜を介して密着させ、該密着させたボンドウエーハとベースウエーハに結合熱処理を施して結合した後、前記ボンドウエーハを薄膜化して絶縁体となる絶縁性支持基板上にSOI層を形成することで、作製することもできる(請求項4)。
あるいは、前記CN−を含む薬液で処理するSOIウエーハを、少なくとも、ボンドウエーハとなるシリコンウエーハの一方の主面から水素イオン、希ガスイオンあるいはこれらの混合ガスイオンを注入してウエーハ内部にイオン注入層を形成し、該ボンドウエーハのイオン注入された側の主面とベースウエーハとを、直接若しくは絶縁膜を介して密着させた後、前記ボンドウエーハを前記イオン注入層で剥離して絶縁体の上にSOI層を形成することで、作製することもできる(請求項5)。
SOIウエーハを、このようなイオン注入剥離法等の貼り合わせ法により製造する場合、高温で行なわれる結合熱処理、剥離熱処理等の熱処理により界面準位密度が増加する場合があるが、本発明によればこのようにして増加した界面準位密度を最後に行なうCN−を含む薬液での処理によって好適に低減できる。
また、本発明のSOIウエーハの製造方法では、前記CN−を含む薬液で処理するSOIウエーハを、少なくとも、シリコンウエーハの一方の主面から酸素イオンを注入して酸素イオン注入層を形成した後、該シリコンウエーハに前記酸素イオン注入層を埋め込み酸化膜に変える酸化膜形成熱処理を行い、絶縁体となる埋め込み酸化膜上にSOI層を形成することで、作製することができる(請求項6)。
SOIウエーハを、このようなSIMOX法により製造する場合、酸素イオン注入とそれに続いて高温で行なわれる埋め込み酸化膜形成熱処理等により界面準位密度が増加する場合があるが、本発明によればこのようにして増加した界面準位密度を最後に行なうCN−を含む薬液での処理によって好適に低減できる。
以上説明したように、本発明のSOIウエーハの製造方法では、SOI層を形成した後に、CN−を含む薬液で処理することで、それまでに行なった熱処理工程やその他のSOIウエーハ製造工程において増加した界面準位密度を低減でき、キャリア移動度の高いシリコン活性層を有するSOIウエーハを製造できる。
以下、本発明について詳述する。
前述のように、デバイス用基板として近年利用されているSOIウエーハにおいて、SOI層/BOX膜界面等の界面準位密度の低減は重要である。
しかし、この界面準位密度の制御は、SOIウエーハ製造工程の複雑さなども影響し非常に難しかった。
そこで本発明者らは、このような複雑なSOIウエーハ製造工程においても界面準位密度を制御し、界面準位密度の低いSOIウエーハを製造できる方法を検討したところ、たとえばSIMOX法であれば、酸素イオン注入層の形成工程とそれに続く高温での埋め込み酸化膜形成熱処理工程などの熱処理工程の影響でSOI層/BOX膜界面のDit(界面準位密度)が増加する可能性があり、一方の貼り合わせSOIウエーハにしても、例えば2枚のウエーハを密着させた後での熱処理条件の影響により、SOI層/BOX膜間のDitが増加する可能性がある。
前述のように、デバイス用基板として近年利用されているSOIウエーハにおいて、SOI層/BOX膜界面等の界面準位密度の低減は重要である。
しかし、この界面準位密度の制御は、SOIウエーハ製造工程の複雑さなども影響し非常に難しかった。
そこで本発明者らは、このような複雑なSOIウエーハ製造工程においても界面準位密度を制御し、界面準位密度の低いSOIウエーハを製造できる方法を検討したところ、たとえばSIMOX法であれば、酸素イオン注入層の形成工程とそれに続く高温での埋め込み酸化膜形成熱処理工程などの熱処理工程の影響でSOI層/BOX膜界面のDit(界面準位密度)が増加する可能性があり、一方の貼り合わせSOIウエーハにしても、例えば2枚のウエーハを密着させた後での熱処理条件の影響により、SOI層/BOX膜間のDitが増加する可能性がある。
このようにSIMOX法や貼り合わせ法等の各種SOIウエーハ製造工程は、種々の熱処理工程を必要とする。このために、SOIウエーハ製造工程中でSOI層/BOX膜界面の界面準位が増加することがある。
この対策として、Dit低減に有効な製造条件を探索することや、水素などのフォーミングガスを用いた処理を行うことなどが考えられる。しかしながら、Dit低減のために有効な条件が仮にあったとしても、SOIウエーハを製造する上で、この条件を満たす工程が必ずしも採用できるわけではない。また、水素などのフォーミングガスを用いた処理を行ったとしても、この処理はこれにつづく高温熱処理により効果が低減する可能性もあった。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するため、SOIウエーハを、SOI層を形成した後に、CN−を含む薬液で処理すれば、それまでに行なった熱処理工程やその他のSOIウエーハ製造工程において増加した界面準位密度を低減でき、キャリア移動度の高いシリコン活性層を有するSOIウエーハを製造できることに想到し、本発明を完成させた。
この対策として、Dit低減に有効な製造条件を探索することや、水素などのフォーミングガスを用いた処理を行うことなどが考えられる。しかしながら、Dit低減のために有効な条件が仮にあったとしても、SOIウエーハを製造する上で、この条件を満たす工程が必ずしも採用できるわけではない。また、水素などのフォーミングガスを用いた処理を行ったとしても、この処理はこれにつづく高温熱処理により効果が低減する可能性もあった。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するため、SOIウエーハを、SOI層を形成した後に、CN−を含む薬液で処理すれば、それまでに行なった熱処理工程やその他のSOIウエーハ製造工程において増加した界面準位密度を低減でき、キャリア移動度の高いシリコン活性層を有するSOIウエーハを製造できることに想到し、本発明を完成させた。
以下では、本発明の実施の形態について、添付した図面に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
先ず、SOIウエーハのSOI層を形成する工程について説明する。
図1は本発明に従うSOIウエーハの製造方法であって貼り合わせ法を用いる場合の一例を示す工程図である。
先ず、SOIウエーハのSOI層を形成する工程について説明する。
図1は本発明に従うSOIウエーハの製造方法であって貼り合わせ法を用いる場合の一例を示す工程図である。
まず、ボンドウエーハとベースウエーハとを用意する(工程1A)。ボンドウエーハはSOI層とするためシリコンウエーハであり、ベースウエーハはシリコンからなるものであってもよいし、石英、アルミナ等からなる絶縁性ウエーハであってもよい。
次に、これらのウエーハを常温で密着させる(工程1B)。密着させる際には、例えば2枚のウエーハの一方あるいは両方の表面に熱酸化膜等の絶縁膜を形成して、それを介して貼り合わせる。ベースウエーハが絶縁性支持基板となる絶縁性ウエーハであれば、ボンドウエーハに酸化膜等の絶縁膜を形成してそれを介して貼り合わせるか直接貼り合わせてもよい。
次に、密着させたボンドウエーハとベースウエーハに結合熱処理を施して強固に結合する(工程1C)。この結合熱処理は例えば水素雰囲気下1200℃程度の温度で行なうことができる。
次に、ボンドウエーハを薄膜化する(工程1D)。この薄膜化は、エッチング処理、研磨処理等の従来法により行なうことができる。
これらの工程により、絶縁体上にSOI層を形成したSOIウエーハを作製できる。
これらの工程により、絶縁体上にSOI層を形成したSOIウエーハを作製できる。
次に、図2は本発明に従うSOIウエーハの製造方法であって貼り合わせ法の一種であるイオン注入剥離法を用いる場合の一例を示す工程図である。
まず、ボンドウエーハとベースウエーハとを用意する(工程2A)。ボンドウエーハはSOI層とするためシリコンウエーハであり、ベースウエーハはシリコンからなるものであってもよいし、石英、アルミナ等からなる絶縁性ウエーハであってもよい。
まず、ボンドウエーハとベースウエーハとを用意する(工程2A)。ボンドウエーハはSOI層とするためシリコンウエーハであり、ベースウエーハはシリコンからなるものであってもよいし、石英、アルミナ等からなる絶縁性ウエーハであってもよい。
次に、ボンドウエーハの内部にイオン注入層を形成する(工程2B)。より具体的には、ボンドウエーハの一方の主面から水素イオン、希ガスイオンあるいはこれらの混合ガスイオンを注入する。これにより、ボンドウエーハの内部にイオンの平均進入深さにおいて表面に平行なイオン注入層を形成することができる。この際、ボンドウエーハのイオン注入面には、チャネリング防止のため、あらかじめ薄い酸化膜を形成しておいてもよい。尚、この時のイオン注入層の深さは、最終的に形成されるSOI層の厚さに反映される。従って、注入エネルギー等を制御してイオン注入することにより、SOI層の厚さを制御できる。
次に、ボンドウエーハのイオン注入された側の主面とベースウエーハとを、直接若しくは絶縁膜を介して密着させる(工程2C)。密着させる際には、例えば2枚のウエーハの一方あるいは両方の表面に熱酸化膜等の絶縁膜を形成して、それを介して貼り合わせる。ベースウエーハが絶縁性支持基板となる絶縁性ウエーハであれば、ボンドウエーハに酸化膜等の絶縁膜を形成してそれを介して貼り合わせるか直接貼り合わせてもよい。
次に、ボンドウエーハをイオン注入層で剥離し、ボンドウエーハを薄膜化する(工程2D)。例えば、不活性ガス雰囲気下約500℃以上の温度で熱処理を加えれば、結晶の再配列と気泡の凝集とによって、ボンドウエーハをイオン注入層で剥離することができ、その一部をベースウエーハに転写してSOI層を形成することができる。
次に、密着させたボンドウエーハとベースウエーハに結合熱処理を施して強固に結合する(工程2E)。この結合熱処理は例えば水素雰囲気下1200℃程度の温度で行なうことができる。
これらの工程によっても、絶縁体上にSOI層を形成したSOIウエーハを作製できる。
これらの工程によっても、絶縁体上にSOI層を形成したSOIウエーハを作製できる。
次に、図3は本発明に従うSOIウエーハの製造方法であってSIMOX法を用いる場合の一例を示す工程図である。
まず、シリコンウエーハを用意し(工程3A)、このシリコンウエーハを500℃程度に加熱し、一方の主面から酸素イオンを所定の深さにイオン注入して酸素イオン注入層を形成する(工程3B)。イオン注入条件としては例えば、注入エネルギーは一般的に広く用いられている150〜200keV程度とでき、また酸素ドーズ量は、高ドーズ条件であれば1〜2×1018/cm2程度とすれば良く、低ドーズ条件であれば2〜4×1017/cm2程度に制御すれば良い。このとき、必要に応じて、酸素イオンの注入を2回以上に分割して行うこともできる。
酸素イオン注入後、例えば酸素を1%以下含むアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下1300℃以上の温度で埋め込み酸化膜形成熱処理を行うことにより、酸素イオン注入層から埋め込み酸化膜を形成する(工程3C)。熱処理時間は例えば3〜6時間行なえばよい。
また、必要に応じて、工程3Cの埋め込み酸化膜形成熱処理の後、該形成した埋め込み酸化膜を厚くするITOX(Internal Thermal OXidation:内部酸化)熱処理を行なってもよい(工程3D)。
具体的には、例えば酸素を数十%程度含むアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下1300℃以上で数時間の熱処理を行うことによって、雰囲気から基板中に導入される酸素により埋め込み酸化膜を成長させて厚膜化することができる。このITOX熱処理により、埋め込み酸化膜の絶縁耐圧が向上し、さらにSOI層/BOX膜の界面の平坦度等が改善され、またSOI層表面の表面粗さも改善されるという効果が得られる。また、ITOX熱処理を行なうとSOI層表面に酸化膜が成長することによりSOI層が消費され、それによって薄膜のSOI層が得られるという利点も持ち合わせている。
これらの工程により、一枚のシリコンウエーハから、絶縁体上にSOI層を形成したSOIウエーハを作製できる。
具体的には、例えば酸素を数十%程度含むアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下1300℃以上で数時間の熱処理を行うことによって、雰囲気から基板中に導入される酸素により埋め込み酸化膜を成長させて厚膜化することができる。このITOX熱処理により、埋め込み酸化膜の絶縁耐圧が向上し、さらにSOI層/BOX膜の界面の平坦度等が改善され、またSOI層表面の表面粗さも改善されるという効果が得られる。また、ITOX熱処理を行なうとSOI層表面に酸化膜が成長することによりSOI層が消費され、それによって薄膜のSOI層が得られるという利点も持ち合わせている。
これらの工程により、一枚のシリコンウエーハから、絶縁体上にSOI層を形成したSOIウエーハを作製できる。
このような各種熱処理を含む製造工程(図1の工程1A−1D、図2の工程2A−2E、図3の工程3A−3D)により作製されたSOIウエーハは、SOI層/BOX膜界面の界面準位密度が増加し、電子移動度が減少している場合がある。通常のSOIウエーハにおいては、界面準位密度(Dit)は5×1011cm−2eV−1前後であり、電子移動度は650cm2V−1s−1前後であるが、SOIウエーハの作製条件によっては、Ditは5×1012cm−2eV−1、電子移動度は550cm2V−1s−1前後となる場合がある。これは、SOIウエーハ作製条件によっては、SOI層/BOX膜界面にシリコンのダングリングボンドが過剰に存在する等して、界面状態が通常のSOIウエーハと比べて良くないことを示している。
そこで、SOIウエーハを、SOI層を形成した後に、CN−を含む薬液で処理する(図1の工程1E、図2の工程2F、図3の工程3E)。これによって、界面の過剰なダングリングボンドが終端される等して界面状態が改善され、界面準位密度を低減できる。したがって、このような製造工程により、界面準位密度が低く電子等のキャリア移動度の高いSOI層を有するSOIウエーハを製造できる。
特に、界面準位密度が増加して5×1012cm−2eV−1より高い値となったとしても、図1の工程1E、図2の工程2F、図3の工程3EのCN−を含む薬液での処理を行なうことにより、界面準位密度を5×1011cm−2eV−1以下の値に改善することができ、これによってキャリア移動度を改善することができる。
特に、界面準位密度が増加して5×1012cm−2eV−1より高い値となったとしても、図1の工程1E、図2の工程2F、図3の工程3EのCN−を含む薬液での処理を行なうことにより、界面準位密度を5×1011cm−2eV−1以下の値に改善することができ、これによってキャリア移動度を改善することができる。
ここで、CN−を含む薬液としては、例えば、MOSデバイスのゲート酸化膜/シリコン基板界面の界面準位密度を低減するために用いることが提案されている、KCN水溶液を挙げることができる(例えば、特開平10−74753号公報、「Decrease in gap states at ultrathin SiO2/Si interfaces by crown-ether cyanide treatment, H. Kobayashi, A. Asano, M. Takahashi, K. Yoneda, and Y. Todokoro, Appl. Phys. Lett., 77 (2000) 4392-4394.」、「Studies on interface states at ultrathin SiO2/Si(100) interfaces by means of x-ray photoelectron spectroscopy under biases and their passivation by cyanide treatment, H. Kobayashi, A. Asano, S. Asada, T. Kubota, Y. Yamashita, K. Yoneda, Y., J. Appl. Phys. , 83 (2998) 2098-2103.」等参照)。特に、クラウンエーテルを含むKCN水溶液を用いると、K+イオンが、クラウンエーテルで捕獲されるので、SOIウエーハに付着するK+イオンが少なくなり、製造するSOIウエーハをより清浄に保つことができる。
なお、上記のような貼り合わせ法又はSIMOX法、又はその他の方法により作製されたSOIウエーハのSOI層/BOX膜界面の界面準位密度及び電子移動度は、前述のPseudo−MOSFETにより評価することができる。図4はその測定の説明図である。このように、支持基板3、埋め込み酸化膜2、シリコン活性層1が順次積層された構造を有するSOIウエーハ10に対して、シリコン活性層1の表面にソース電極Sとドレイン電極Dを取り付け、支持基板3の表面に金属電極4を形成し、ゲート電極Gを取り付けて測定を行なう。
以下、本発明の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれに限定されないことは言うまでもない。
(実施例1)
試料として導電型がP型で直径200mm、面方位(100)のシリコンウエーハから図1〜図3に示した方法によりSOIウエーハをそれぞれ作製した。なお、このP型ウエーハのドーパントはボロンである。また、SOI層/BOX膜厚さは、100/145nm程度のものである。
上記SOIウエーハの製造工程において、SOI層を形成した後、従来のPseudo−MOSFETによる方法によりSOI層/BOX膜界面の界面準位密度と電子移動度を評価したところ、Ditが5×1012cm−2eV−1以上、電子移動度が550cm2V−1s−1前後と界面状態が悪いウエーハが見つかった。
(実施例1)
試料として導電型がP型で直径200mm、面方位(100)のシリコンウエーハから図1〜図3に示した方法によりSOIウエーハをそれぞれ作製した。なお、このP型ウエーハのドーパントはボロンである。また、SOI層/BOX膜厚さは、100/145nm程度のものである。
上記SOIウエーハの製造工程において、SOI層を形成した後、従来のPseudo−MOSFETによる方法によりSOI層/BOX膜界面の界面準位密度と電子移動度を評価したところ、Ditが5×1012cm−2eV−1以上、電子移動度が550cm2V−1s−1前後と界面状態が悪いウエーハが見つかった。
そこで、このSOIウエーハを、クラウンエーテルを含むKCN水溶液に約2分間浸漬し、アセトン、エタノール、純水でリンスした。
そして、再度SOI層/BOX膜界面の界面準位密度と電子移動度を評価したところ、Ditが5×1011cm−2eV−1以下、電子移動度が650cm2V−1s−1前後となり、界面の状態が大幅に改善された。
そして、再度SOI層/BOX膜界面の界面準位密度と電子移動度を評価したところ、Ditが5×1011cm−2eV−1以下、電子移動度が650cm2V−1s−1前後となり、界面の状態が大幅に改善された。
尚、クラウンエーテルを含むKCN水溶液は、次のように作製した。先ず、キシレン中に0.2モルの18−クラウン−6(C12H24O6)を溶解し、その溶液を0.1モルKCN水溶液に加え、よくかき混ぜた。それから、30分間静置し、水層から分離したキシレン溶液を分液漏斗で取り除いた。これにより、クラウンエーテルを含むKCN水溶液を作製した。
このように、本発明のSOIウエーハの製造方法によれば、SOI層/BOX膜界面の界面状態を改善し、界面準位密度を低減でき、キャリア移動度の高いSOI層を有するSOIウエーハを製造できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記実施例では貼り合わせ法やSIMOX法により作製したSOIウエーハについて説明したが、本発明のSOIウエーハの製造方法はSOI構造を有するSOIウエーハのその他の方法であっても適用し得るものである。
例えば、上記実施例では貼り合わせ法やSIMOX法により作製したSOIウエーハについて説明したが、本発明のSOIウエーハの製造方法はSOI構造を有するSOIウエーハのその他の方法であっても適用し得るものである。
1…シリコン活性層、 2…埋め込み酸化膜、 3…支持基板、 4…金属電極、
10…SOIウエーハ、
S…ソース電極、 D…ドレイン電極、 G…ゲート電極。
10…SOIウエーハ、
S…ソース電極、 D…ドレイン電極、 G…ゲート電極。
Claims (6)
- 少なくとも、絶縁体上にSOI層を形成したSOIウエーハを製造する方法であって、前記SOIウエーハを、SOI層を形成した後に、CN−を含む薬液で処理することを特徴とするSOIウエーハの製造方法。
- 前記CN−を含む薬液を、KCN水溶液とすることを特徴とする請求項1に記載のSOIウエーハの製造方法。
- 前記CN−を含む薬液で処理するSOIウエーハを、少なくとも、ボンドウエーハとベースウエーハを絶縁膜を介して密着させ、該密着させたボンドウエーハとベースウエーハに結合熱処理を施して結合した後、前記ボンドウエーハを薄膜化して絶縁体となる絶縁膜の上にSOI層を形成することで、作製することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のSOIウエーハの製造方法。
- 前記CN−を含む薬液で処理するSOIウエーハを、少なくとも、ボンドウエーハと絶縁性支持基板となるベースウエーハを直接又は絶縁膜を介して密着させ、該密着させたボンドウエーハとベースウエーハに結合熱処理を施して結合した後、前記ボンドウエーハを薄膜化して絶縁体となる絶縁性支持基板上にSOI層を形成することで、作製することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のSOIウエーハの製造方法。
- 前記CN−を含む薬液で処理するSOIウエーハを、少なくとも、ボンドウエーハとなるシリコンウエーハの一方の主面から水素イオン、希ガスイオンあるいはこれらの混合ガスイオンを注入してウエーハ内部にイオン注入層を形成し、該ボンドウエーハのイオン注入された側の主面とベースウエーハとを、直接若しくは絶縁膜を介して密着させた後、前記ボンドウエーハを前記イオン注入層で剥離して絶縁体の上にSOI層を形成することで、作製することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のSOIウエーハの製造方法。
- 前記CN−を含む薬液で処理するSOIウエーハを、少なくとも、シリコンウエーハの一方の主面から酸素イオンを注入して酸素イオン注入層を形成した後、該シリコンウエーハに前記酸素イオン注入層を埋め込み酸化膜に変える酸化膜形成熱処理を行い、絶縁体となる埋め込み酸化膜上にSOI層を形成することで、作製することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のSOIウエーハの製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011512685A (ja) * | 2008-02-20 | 2011-04-21 | エス.オー.アイ.テック シリコン オン インシュレータ テクノロジーズ | 酸化物溶解後の酸化 |
JP2014017506A (ja) * | 2007-09-14 | 2014-01-30 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置の作製方法 |
-
2005
- 2005-09-12 JP JP2005263870A patent/JP2007080949A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014017506A (ja) * | 2007-09-14 | 2014-01-30 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置の作製方法 |
JP2011512685A (ja) * | 2008-02-20 | 2011-04-21 | エス.オー.アイ.テック シリコン オン インシュレータ テクノロジーズ | 酸化物溶解後の酸化 |
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