JP2010018104A - 車両のシートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温時にベルトリール駆動用モータの負荷を低減する。
【解決手段】ベルトが巻回されて回転可能なベルトリールと、ベルトリールを回転駆動してベルトを巻き取るモータ14と、設置位置近傍の温度を検知する温度センサ10と、ベルトリールの回転位置を検出する回転角度センサ15と、モータ14の通電量を制御するモータ制御部20と、を備えた車両のシートベルト装置であって、モータ制御部20は、ベルトリールの回転位置の変化量が、回転角度センサ15の出力信号に応じて設定される目標値と一致するようにモータ14への通電量を制御する巻き取り速度制御手段20aを備え、巻き取り速度制御手段20aは、温度センサ10で検出される温度が所定温度以下である場合に、前記所定温度以上のときよりも前記目標値を低下させる。
【選択図】図3

Description

この発明は、車両のシートベルト装置に関するものである。
モータの駆動力によりシートベルトの巻き取りをアシストする電動リトラクタを備える車両のシートベルト装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の車両のシートベルト装置では、周囲温度が常温域であっても低温域であっても、同等のアシスト力が得られるようにモータを制御している。
特許第3554484号公報
しかしながら、周囲温度が低いときには、シートベルト装置における種々の駆動部のグリースが硬化したり、ベルトが硬化するため、ベルト巻き取り時の抵抗が増大する。そのため、低温時に常温時と同等のアシスト力を得ようとすると、モータの消費電流値が増大し、モータの駆動音が増大するという課題がある。また、モータおよび駆動回路に対する負荷が増大するため、装置寿命に悪影響を及ぼすという課題もある。
そこで、この発明は、低温時にベルトリール駆動用モータの負荷を低減することができる車両のシートベルト装置を提供するものである。
この発明に係る車両のシートベルト装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、ベルト(例えば、後述する実施例におけるベルト5)が巻回されて回転可能なベルトリール(例えば、後述する実施例におけるベルトリール11)と、前記ベルトリールを回転駆動して前記ベルトを巻き取るモータ(例えば、後述する実施例におけるモータ14)と、温度状態を検知する温度状態検知手段(例えば、後述する実施例における温度センサ10、ステップS109)と、前記ベルトリールの回転位置を検出する回転位置検出手段(例えば、後述する実施例における回転角度センサ15)と、前記モータの通電量を制御する制御部(例えば、後述する実施例におけるモータ制御部20)と、を備えた車両のシートベルト装置(例えば、後述する実施例におけるシートベルト装置1)であって、前記制御部は、前記ベルトリールの回転位置の変化量が、前記回転位置検出手段の出力信号に応じて設定される目標値と一致するように前記モータへの通電量を制御する巻き取り速度制御手段(例えば、後述する実施例における巻き取り速度制御手段20a)を備え、前記巻き取り速度制御手段は、前記温度状態検知手段の検知結果に基づいて前記目標値を変更することを特徴とする車両のシートベルト装置である。
このように構成することにより、周囲の温度状態に応じてベルトリールの回転位置の変化量の目標値を変更するので、モータおよび駆動回路の負荷に対する温度による影響を抑制することが可能となる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記巻き取り速度制御手段は、前記温度状態検知手段が所定温度を下回る温度状態であると検知した場合に、前記所定温度以上の温度状態のときよりも前記目標値を低下させることを特徴とする。
低温時にはシートベルト装置における種々の駆動部のグリースが硬化したり、ベルトが硬化するため、ベルト巻き取り時の抵抗が増大するので、常温時と同等の巻き取り速度でベルト巻き取ろうとするとモータ等が過負荷状態になり易いが、上述のように構成することにより、モータ等が過負荷状態になるのを確実に防止することができる。また、低温時のモータ駆動音を低減することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1にまたは請求項2に記載の発明において、前記温度状態検知手段は、所定温度以上のときの低負荷状態における所定電流での通電時に想定される前記ベルトの巻き取り速度よりも、低負荷状態において前記回転位置検出手段の出力信号に基づいて算出される実際の前記ベルトの巻き取り速度が小さい場合に、温度状態が低温状態であると検知することを特徴とする。
このように構成することにより、直接に温度を検出する手段(例えば、温度センサ等)が不要となる。
請求項1に係る発明によれば、モータおよび駆動回路の負荷に対する温度による影響を抑制することが可能となるので、モータの寿命を延ばすことができる。
請求項2に係る発明によれば、モータ等が過負荷状態になるのを確実に防止することができるので、モータの寿命を延ばすことができる。また、低温時のモータ駆動音を低減することができるので、車内の静粛性を保持することができる。
請求項3に係る発明によれば、直接に温度を検出する手段が不要となるので、装置構成の簡略化が可能となる。
以下、この発明に係る車両のシートベルト装置の実施例を図1から図9の図面を参照して説明する。
〔実施例1〕
初めに、この発明に係るシートベルト装置の実施例1を図1から図4を参照して説明する。
図1はシートベルト装置1の概略構成を示しており、この実施例は助手席のシート2に着座した乗員Pを拘束するシートベルト装置の態様である。このシートベルト装置1は、いわゆる三点式のシートベルト装置であり、センターピラー3に内蔵されたリトラクタ4からベルト5が上方に引き出され、このベルト5がセンターピラー3の上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通されるとともに、ベルト5の先端がシート2の車室外側寄りのアウターアンカ7を介して車体フロアに固定されいている。そして、ベルト5のスルーアンカ6とアウターアンカ7との間にはタング8が挿通されていて、タング8はシート2の運転席側寄りの車体フロアに固定されたバックル9に対し着脱可能にされている。
このシートベルト装置1では、シート2に着座した乗員Pがタング8をバックル9に差し込み係合させることによって着用状態となり、この係合を解除してタング8をバックル9から離脱させる(以下、「バックル9を解除する」ということもある)ことによって非着用状態にすることができる。
バックル9はバックルスイッチ17(図3参照)を備えており、バックルスイッチ17は、バックル9にタング8が係合しているとき(換言すると着用状態のとき)にONとなり、タング8がバックル9から離脱しているとき(換言すると非着用状態のとき)にOFFとなる。
リトラクタ4は、図2に示すように、回転可能に設けられベルト5が巻回されたベルトリール11と、ベルトリール11を巻き取り方向に回転付勢するスプリング12と、歯車列等の伝達装置13を介してベルトリール11に巻き取り方向の回転力を付与するモータ14と、を主要構成とし、ベルトリール11の回転位置を検出する回転角度センサ(回転位置検出手段)15と、モータ14に流れる電流を検出する電流センサ16を備えている。
なお、ベルトリール11の巻き取り量はベルト5の巻き取り量にほぼ一致する。
このように構成されたリトラクタ4では、ベルトリール11は、スプリング12によって巻き取り方向へ回転せしめられるとともに、モータ14の駆動力によっても巻き取り方向へ回転することができる。そして、バックル解除時のベルトリール11の巻き取りは、スプリング12の復元力と、伝達装置13を介して伝達されるモータ14の回転力とによって行われる。
なお、ベルトリール11を引き出し方向へ回転するときには、ベルトリール11とモータ14との間の動力伝達が遮断されるように構成されていて、ベルト5を引き出すときにはモータ14が抵抗とならないようになっている。
図3の制御ブロック図に示すように、モータ14はモータ制御部20によって制御され、バックル9の解除時にベルトリール11を巻き取るために駆動されるとともに、走行状態検出手段18により所定の走行状態(例えば、車体左右方向の加速度など車両の運動に関わる物理量を検出するセンサの出力値が所定の閾値を越えた場合や、ナビゲーションシステム等の通信情報を基に走行環境の変化が検知された場合など)が検出されたときにベルト5に所定の張力を与えたり、所定の位置で乗員を支持したり、走行中に発生したベルト5の弛みを取り除くときにも駆動される。
モータ制御部(制御部)20には、回転角度センサ15、電流センサ16、バックルスイッチ17の各出力信号や、車室内の温度を検出する温度センサ(温度状態検知手段)10の出力信号、シートベルト装置1に近いドア(図示略)が開かれているときにONとなり閉じられているときにOFFとなるドア開センサ19の出力信号などが入力され、また、走行状態検出手段18により前記所定の走行状態が検出されたときに警報トリガが入力される。モータ制御部20は、これら入力信号に基づいてモータ14の駆動・停止タイミングや目標電流を設定し、電流調整手段21に出力する。
また、モータ制御部20は、バックル9が解除されてベルト5を巻き取る際に、ベルトリール11の巻き取り速度が、回転角度センサ15の出力信号に応じて設定される目標値と一致するようにモータ14への通電量を制御する巻き取り速度制御手段20aを備えている。
電流調整手段21は、モータ制御部20から入力した指令信号に基づいてモータ14の駆動・停止タイミングやモータ14に流れる電流を調整し、電源22からモータ14へ電力を供給する。
次に、巻き取り速度制御手段20aにおいて実行される、バックル解除時のベルトリール巻き取りのためのモータ14の電流制御を図4のフローチャートに従って説明する。
図4のフローチャートに示すモータ電流制御ルーチンは、作動トリガーが有効の間、巻き取り速度制御手段20aによって一定時間毎に繰り返し実行される。なお、作動トリガーはバックルスイッチ17がOFFとなったときに有効となり、バックルスイッチ17がOFFの間、作動トリガー有効が維持される。
まず、ステップS01において、モータ14への通電を開始するとともに、速度補正係数αを基準値である1に設定する(α=1)。
次に、ステップS02に進み、温度センサ10によって検出された温度Tが所定温度T0(例えば、−10゜C)よりも低いか否かを判定する。
ステップS02における判定結果が「NO」(T≧T0)である場合には、ステップS03に進み、第1区間におけるモータ14の通電量(電流)の目標値Itargetを第1目標値I1に設定して、ステップS04に進む。
ここで、第1区間とは、バックル解除時におけるベルトリール11の巻き取り位置(以下、解除時巻き取り位置と称す)X0から予め設定された所定量a(例えば50mm程度)だけ巻き取られたときの巻き取り位置(以下、第1巻き取り位置と称す)X1までの区間をいう。
一方、ステップS02における判定結果が「YES」である場合には、ステップS05に進み、第1区間におけるモータ14の通電量の目標値Itargetを第2目標値I2に設定するとともに、速度補正係数αを1よりも小さい値(例えば0.7)に変更して(α=0.7)、ステップS04に進む。なお、第2目標値I2は第1目標値I1よりも小さい電流値とする(I2<I1)。
ステップS04では、モータ14への通電量Iを予め設定した初期電流値I0に設定する。
次に、ステップS06に進み、回転角度センサ15によって検出される現在のベルトリール11の巻き取り位置xが、解除時巻き取り位置X0から第1巻き取り位置X1の間にあるか否かを判定する。
ステップS06における判定結果が「YES」(X0≦x<X1)である場合には、ステップS07に進み、電流センサ16によって検出されるモータ14の電流Iが、目標値Itarget以上か否かを判定する。
ステップS07における判定結果が「NO」(I<Itarget)である場合には、ステップS08に進み、モータ14への通電量Iを所定量(ΔI)だけ増加させて(I=I+ΔI)、ステップS09に進む。
一方、ステップS07における判定結果が「YES」(I≧Itarget)である場合には、ステップS07の処理を実行することなく、ステップS09に進む。
つまり、現在のベルトリール11の巻き取り位置xが解除時巻き取り位置X0から第1巻き取り位置X1の間に位置しているときには、モータ14の通電量を目標値Itargetを下回らない範囲でほぼ一定にする。これは、巻き取り開始初期である第1区間においては、乗員Pがタング8から手を離していない状況や、タング8から手を離していてもタング8やベルト5が乗員Pに引っ掛かり易い状況が想定されるので、この間はモータ14の通電量を目標値Itargetにほぼ一定にすることによって、モータ14のトルクをそれ以上増大しないようにし、乗員Pがタング8を持っているときや、タング8やベルト5が乗員Pに引っ掛ったときに、ベルト5に過大な張力が加わらないようにし、乗員Pに不快感を与えないようにするためである。
なお、第1巻き取り位置X1を解除時巻き取り位置X0を基準にして所定量aだけ巻き取られた位置としたのは、乗員Pの体格によって解除時巻き取り位置X0が異なるからである。
ステップS06における判定結果が「NO」(x≧X1)である場合にも、ステップS09に進む。
ステップS09において、現在のベルトリール11の巻き取り位置xが、第1巻き取り位置X1であるか否かを判定する。
ステップS09における判定結果が「YES」(x=X1)である場合には、ステップS10に進み、ベルトリール11の巻き取り位置xが第1巻き取り位置X1に達したときのベルトリール11の巻き取り速度(以下、第1区間終了速度と略す)VX1を、ベルトリール11の目標巻き取り速度Vtargetに設定し(Vtarget=VX1)、ステップS11に進む。なお、ベルトリール11の巻き取り速度は、回転角度センサ15によって検出されるベルトリール11の巻き取り位置の変化量に基づいて算出する。
また、ステップS09における判定結果が「NO」(x≠X1)である場合にも、ステップS11に進む。
ステップS11において、現在のベルトリール11の巻き取り位置xが、第1巻き取り位置X1よりも大きく、ベルト5を全格納したときのベルトリール11の巻き取り位置(以下、全巻き取り位置と称す)X3より小さいか否かを判定する。
ステップS11における判定結果が「YES」(X1<x<X3)である場合には、ステップS12に進み、ベルトリール11の目標巻き取り速度Vtargetを次式によって算出される巻き取り速度に設定する。
Vtarget=α(VX1−C(x−X1))
ここで、VX1は第1区間終了速度であり、Cは係数(一定値)である。
つまり、ベルトリール11の巻き取り位置xが第1巻き取り位置X1を越えてからは、ベルトリール11の目標巻き取り速度Vtargetを、第1区間終了速度VX1を基準にして、巻き取り量が増加するにしたがって徐々に減少するように設定する。
そして、ステップS12からステップS13に進み、回転角度センサ15で検出したベルトリール11の巻き取り位置に基づいて算出される現在のベルトリール11の巻き取り速度Vが、ステップS12で設定した目標巻き取り速度Vtargetと一致するように、モータ14への通電量を制御し、ステップS13に進む。
つまり、現在のベルトリール11の巻き取り位置xが第1巻き取り位置X1を越えて全巻き取り位置X3未満の範囲に位置しているときには、ベルトリール11の巻き取り速度Vが、ベルトリール11の巻き取り終了に近付くにしたがって連続的に徐々に減少するように、モータ14の通電量を制御する。
ステップS11における判定結果が「NO」(x≦X1、あるいは、x≧X3)である場合にはステップS14に進む。
ステップS14において、ベルトリール11の巻き取り位置xが全巻き取り位置X3であるか否かを判定する。
ステップS14における判定結果が「NO」(x≠X3)である場合には、ステップS06に戻り、ステップS06からステップS14の処理を繰り返す。
ステップS14における判定結果が「YES」(x=X3)である場合には、ステップS15に進み、モータ14への通電を停止して、本ルーチンの実行を一旦終了する。
この実施例1において、車室内の温度が所定温度T0以上の常温時と所定温度T0よりも低い低温時とを比較すると、第1区間におけるモータ14の通電量の目標値Itargetについては常温時の目標値(第1目標値I1)よりも低温時の目標値(第2目標値I2)の方が小さく設定されるので(I2<I1)、第1区間において、低温時にはモータ14に対する負荷を常温時よりも低減することができる。
そして、このように第1区間におけるモータ14の通電量の目標値Itargetを設定したこと、および、低温時には伝達装置13のギアグリースやベルト5の硬化により抵抗が常温時よりも大きいことから、ベルトリール11の第1区間終了速度VX1は、常温時よりも低温時の方が小さくなる。
加えて、ベルトリール11の巻き取り位置xが第1巻き取り位置X1に達した以降における速度補正係数αが、常温時よりも低温時の方が小さい値に設定されるので、ベルトリール11の巻き取り位置xが同一位置においてベルトリール11の目標巻き取り速度Vtargetを比較すると、常温時よりも低温時の方が目標巻き取り速度Vtargetを小さく設定することができる。その結果、ベルトリール11の巻き取り位置xが第1巻き取り位置X1に達した以降においても、低温時には、モータ14に対する負荷を常温時よりも低減することができる。
したがって、 低温時にシートベルト装置1における種々の駆動部(例えば伝達装置13等)のギアグリースが硬化したり、ベルト5が硬化して、ベルト巻き取り時の抵抗が増大しても、モータ14や駆動回路に対する負荷が増大するのを防止することができる。換言すると、モータおよび駆動回路の負荷に対する温度による影響を抑制することが可能となる。その結果、モータ14等が過負荷状態になるのを確実に防止することができ、モータ14の寿命を延ばすことができる。また、低温時のモータ駆動音を低減することができ、車内の静粛性を保持することができる。
〔実施例2〕
次に、この発明に係るシートベルト装置の実施例2を図5を参照して説明する。
実施例2のシートベルト装置1の構成は実施例1のものと同じであるので、その説明は省略する。実施例2が実施例1と相違する点は、バックル解除時のベルトリール巻き取りのためのモータ14の電流制御にある。
図5は、実施例2におけるモータ14の電流制御を示すフローチャートである。以下、図5のフローチャートに従って説明する。図5のフローチャートに示すモータ電流制御ルーチンは、作動トリガーが有効の間、巻き取り速度制御手段20aによって一定時間毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS101において、モータ14への通電を開始するとともに、第1区間におけるモータ14の通電量(電流)の目標値Itargetを所定値I1に設定し(Itarget=I1)、ステップS102に進む。
ステップS102では、モータ14への通電量Iを予め設定した初期電流値I0に設定する。
次に、ステップS103に進み、回転角度センサ15によって検出される現在のベルトリール11の巻き取り位置xが、解除時巻き取り位置X0から第1巻き取り位置X1の間にあるか否かを判定する。
ステップS103における判定結果が「YES」(X0≦x<X1)である場合には、ステップS104に進み、電流センサ16によって検出されるモータ14の電流Iが、目標値Itarget(=I1)以上か否かを判定する。
ステップS104における判定結果が「NO」(I<Itarget)である場合には、ステップS105に進み、モータ14への通電量Iを所定量(ΔI)だけ増加させて(I=I+ΔI)、ステップS106に進む。
一方、ステップS104における判定結果が「YES」(I≧Itarget)である場合には、ステップS105の処理を実行することなく、ステップS106に進む。
ステップS103における判定結果が「NO」(x≧X1)である場合にも、ステップS106に進む。
ステップS106において、現在のベルトリール11の巻き取り位置xが、第1巻き取り位置X1であるか否かを判定する。
ステップS106における判定結果が「YES」(x=X1)である場合には、ステップS107に進み、ベルトリール11の巻き取り位置xが第1巻き取り位置X1に達したときのベルトリール11の巻き取り速度(すなわち、第1区間終了速度)VX1を、ベルトリール11の目標巻き取り速度Vtargetに設定し(Vtarget=VX1)、ステップS108に進む。
また、ステップS106における判定結果が「NO」(x≠X1)である場合にも、ステップS108に進む。
ステップS108において、現在のベルトリール11の巻き取り位置xが、第1巻き取り位置X1よりも大きく、全巻き取り位置X3より小さいか否かを判定する。
ステップS108おける判定結果が「YES」(X1<x<X3)である場合には、ステップS109に進み、ベルトリール11の第1区間終了速度VX1が、予め設定した基準速度Vrefに係数k(1より小さい正数、例えばk=0.7)を乗じた値(k・Vref)よりも小さいか否かを判定する。ここで、基準速度Vrefは、常温域の代表温度下において図5に示されるこのモータ電流制御を行ったときの第1区間終了速度VX1よりも小さい値に設定する。
ステップS109の処理を実行することにより、温度状態が常温状態か低温状態かを判定する。詳述すると、低温時にはシートベルト装置1における種々の駆動部(例えば伝達装置13等)のギアグリースが硬化したり、ベルト5が硬化するため、ベルト巻き取り時の抵抗が増大する。そのため、第1区間におけるモータ14への通電量の目標値Itargetが常温時と低温時で同じ値(I1)であっても、第1区間終了速度VX1は常温時よりも低温時の方が小さくなる。したがって、ステップS109における判定結果が「YES」(VX1<k・Vref)である場合には低温状態であると判定することができ、ステップS109における判定結果が「NO」(VX1≧k・Vref)である場合には常温状態であると判定することができる。
なお、ステップS109における判定閾値を、「k・Vref」に代えて、「所定温度以上のときの低負荷状態における所定電流での通電時に想定されるベルトリール11の巻き取り速度」とすることも可能である。
ステップS109における判定結果が「NO」(VX1≧k・Vref)である場合には、常温状態であると判定して、ステップS110に進み、ベルトリール11の目標巻き取り速度Vtargetを次式によって算出される巻き取り速度に設定する。
Vtarget=VX1−C1(x−X1))
ここで、VX1はベルトリール11の第1区間終了速度であり、C1は係数(一定値)である。
つまり、常温状態のときには、ベルトリール11の巻き取り位置xが第1巻き取り位置X1を越えてからは、ベルトリール11の目標巻き取り速度Vtargetを、第1巻き取り位置X1に達したときの巻き取り速度VX1を基準にして、巻き取り量が増加するにしたがって徐々に減少するように設定する。
一方、ステップS109における判定結果が判定結果が「YES」(VX1<k・Vref)である場合には、低温状態であると判定して、ステップS111に進み、ベルトリール11の目標巻き取り速度Vtargetを次式によって算出される巻き取り速度に設定する。
Vtarget=Vconst
ここで、Vconstは定数であり、基準速度Vrefよりも小さい値に設定する。
つまり、低温状態のときには、ベルトリール11の巻き取り位置xが第1巻き取り位置X1を越えてからは、ベルトリール11の目標巻き取り速度Vtargetを低速の一定速度とする。
そして、ステップS110,S111からステップS112に進み、回転角度センサ15で検出したベルトリール11の巻き取り位置に基づいて算出される現在のベルトリール11の巻き取り速度Vが、ステップS110,S111で設定した目標巻き取り速度Vtargetと一致するように、モータ14への通電量を制御し、ステップS113に進む。
また、ステップS108における判定結果が「NO」(x≦X1、あるいは、x≧X3)である場合にもステップS113に進む。
ステップS113において、ベルトリール11の巻き取り位置xが全巻き取り位置X3であるか否かを判定する。
ステップS113における判定結果が「NO」(x≠X3)である場合には、ステップS103に戻り、ステップS103からステップS113の処理を繰り返す。
ステップS113における判定結果が「YES」(x=X3)である場合には、ステップS114に進み、モータ14への通電を停止して、本ルーチンの実行を一旦終了する。
この実施例2のシートベルト装置1においても、低温時には、ベルトリール11の巻き取り位置xが第1巻き取り位置X1に達した以降におけるベルトリール11の目標巻き取り速度Vtargetを、常温時よりも小さく設定することができるので、モータ14に対する負荷を常温時よりも低減することができる。
したがって、実施例2のシートベルト装置1の場合も、 低温時にシートベルト装置1における種々の駆動部(例えば伝達装置13等)のギアグリースが硬化したり、ベルト5が硬化して、ベルト巻き取り時の抵抗が増大しても、モータ14や駆動回路に対する負荷が増大するのを防止することができる。換言すると、モータおよび駆動回路の負荷に対する温度による影響を抑制することが可能となる。その結果、モータ14等が過負荷状態になるのを確実に防止することができ、モータ14の寿命を延ばすことができる。また、低温時のモータ駆動音を低減することができ、車内の静粛性を保持することができる。
〔実施例3〕
次に、この発明に係るシートベルト装置の実施例3を図6から図9を参照して説明する。
実施例3のシートベルト装置1の構成は実施例1,2のものと同じであるので、その説明は省略する。実施例3が実施例1,2と相違する点は、バックル解除時のベルトリール巻き取りのためのモータ14の電流制御にある。
図6〜図8は、実施例3におけるモータ14の電流制御を示すフローチャートであり、このフローチャートに従って説明する。
まず、図6のフローチャートに示すように、ステップS201において、収納制御フラグがONか否かを判定する。収納制御フラグはバックルスイッチ17がOFFとなったときにONとなる。
ステップS201における判定結果が「NO」である場合には、リターンする。
ステップS201における判定結果が「YES」である場合には、ステップS202に進み、シートベルト装置1に一番近いドアが開状態(ドア開センサ19がON)か否かを判定する。
ステップS202における判定結果が「NO」(ドア閉状態)である場合には、ステップS203に進んで所定時間taだけ待機し、さらにステップS204に進んでモータ14への通電を開始する。一方、ステップS202における判定結果が「YES」(ドア開状態)である場合には、ステップS205に進んで所定時間tbだけ待機し、さらにステップS204に進んでモータ14への通電を開始する。なお、所定時間tbは所定時間taよりも短い時間に設定されていて(ta>tb)、つまり、ドアが開いているときはドアが閉じているときよりも待機時間が短く、速やかにベルト5の巻き取りが実行されるようにされている。
ステップS204からステップS205に進み、温度センサ10によって検出された温度Tが所定温度T0(例えば、−10゜C)よりも低いか否かを判定する。
ステップS205における判定結果が「NO」(T≧T0)である場合には、常温状態であるのでステップS206に進み、補正係数α,βの値を基準値である1に設定する(α=1,β=1)。
ステップS205における判定結果が「YES」(T<T0)である場合には、低温状態であるのでステップS207に進み、補正係数α,βの値を基準値よりも小さい値、例えば、α=0.7,β=0.6に設定する。ただし、これら数値は一例であり、この数値に限られるものではない。
ステップS206,S207からステップS208に進み、タイマーをスタートさせて、モータ電流制御開始してからの経過時間の計時を開始する。
ステップS208からステップS209に進み、シートベルト装置1に一番近いドアが開状態(ドア開センサ19がON)か否かを判定する。この実施例3では、ドアが開状態の場合と閉状態の場合で、ステップS209以降の処理を若干異にしている。
初めに、ドアが閉状態の場合について説明する。
ステップS209における判定結果が「NO」(ドア閉状態)である場合には、ステップS210に進み(図7参照)、引っ掛かり判定閾値Vstackを次式によって算出される値に設定する。
Vstack=α・V2
ここで、V2は予め設定された一定速度である。一方、補正係数αはステップS206,S207で決定される変数であり、前述した例によれば常温時はα=1であり、低温時はα=0.7であるので、引っ掛かり判定閾値Vstackは、低温時には常温時よりも小さい値に設定される。
次に、ステップS211に進み、カウント値iを初期化し、i=0とする。
次に、ステップS212に進み、カウント値iが予め設定された閾値Nより小さいか否かを判定する。
ステップS212における判定結果が「YES」(i<N)である場合には、ステップS213に進み、回転角度センサ15の出力信号の時間的変化に基づいてベルトリール11の回転角度に変化があるか否かを判定する。
ステップS213における判定結果が「YES」(変化あり)である場合には、ステップS214に進み、回転角度センサ15の出力信号の時間的変化から検出されるベルトリール11の回転角度の変化方向(すなわち、ベルトリール11の回転方向)が巻き取り方向か否かを判定する。
ステップS214における判定結果が「YES」(巻き取り方向)である場合には、ステップS215に進み、ベルトリール11の巻き取り速度Vを算出する。ベルトリール11の巻き取り速度Vは、今回このルーチンを実行したときに回転角度センサ15によって検出されるベルトリール11の巻き取り位置(Xt)から、前回このルーチンを実行したときに回転角度センサ15によって検出されるベルトリール11の巻き取り位置(Xti-1)を差し引くことにより算出する(V=Xt−Xti-1)。
ステップS215からステップS216に進み、ステップS215で算出したベルトリール11の巻き取り速度Vが、ステップS210において算出した引っ掛かり判定閾値Vstackよりも大きいか否かを判定する。
ステップS216における判定結果が「YES」(V>Vstack)である場合には、ベルト5が引っ掛かっていないと判断し、ステップS217に進む。
なお、低温時には、シートベルト装置1における種々の駆動部(例えば伝達装置13等)のギアグリースが硬化したり、ベルト5が硬化して、ベルト巻き取り時の抵抗が増大するので、ステップS210の処理により低温時の引っ掛かり判定閾値Vstackを常温時の場合よりも小さい値に設定することで、ステップS216における引っ掛かり判定の適正化を図っている。
そして、ステップS217において、現在のベルトリール11の巻き取り速度Vからドア閉時目標巻き取り速度Vtarget1を減算した値(差)が所定値Vbよりも大きいか否かを判定する。ここで、ドア閉時目標巻き取り速度Vtarget1は、ドア閉時目標基準速度V3(t)に補正係数αを乗じた値である(Vtarget1=α・V3(t))。
ドア閉時目標基準速度V3(t)は、図9において破線で示すように、モータ14の電流制御を開始してからの経過時間(すなわち、ステップS208でタイマスタートしてからの経過時間)に応じて予め設定された速度であり、時間経過にしたがって段階的に減少するように設定されている。また、所定値Vbは予め設定された正の定数である。また、補正係数αはステップS206,S207で決定される変数であり、前述した例によれば常温時はα=1であり、低温時はα=0.7であるので、ドア閉時目標巻き取り速度Vtarget1は、低温時には常温時よりも小さい値に設定される。
ステップS217における判定結果が「YES」(V−Vtarget1>Vb)である場合には、ステップS218に進み、モータ14への通電量Iを所定量(ΔI)だけ減少させて(I=I−ΔI)、ステップS221に進む。
一方、ステップS217における判定結果が「NO」(V−Vtarget1≦Vb)である場合には、ステップS219に進み、ドア閉時目標巻き取り速度Vtarget1から現在のベルトリール11の巻き取り速度Vを減算した値(差)が所定値Vaよりも小さいか否かを判定する。ドア閉時目標巻き取り速度Vtarget1はステップS217におけるドア閉時目標巻き取り速度Vtarget1と同じである(Vtarget1=α・V3(t))。また、所定値Vaは予め設定された正の定数である。
ステップS219における判定結果が「NO」(Vtarget1−V≧Va)である場合には、ステップS220に進み、モータ14への通電量Iを所定量(ΔI)だけ増加させて(I=I+ΔI)、ステップS221に進む。
また、ステップS219における判定結果が「YES」(Vtarget1−V<Va)である場合には、モータ14への通電量を現状維持して、ステップS221に進む。
つまり、ステップS217〜S220の処理を実行することにより、ベルトリール11の巻き取り速度Vがドア閉時目標巻き取り速度Vtarget1を基準にして−Vaから+Vbの誤差範囲に収まるように、モータ14への通電量が制御される。
そして、ステップS221において、ベルトリール11の巻き取り位置xが全巻き取り位置(収納位置)X3であるか否かを判定する。
ステップS221における判定結果が「YES」(x=X3)である場合には、ステップS222に進み、モータ14への通電を停止して、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS221における判定結果が「NO」(x≠X3)である場合には、ステップS209へ戻る。
また、ステップS213における判定結果が「NO」(回転角度に変化なし)である場合には、ステップS223に進み、ベルトリール11の回転角度に変化なしの状態となってから所定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS223における判定結果が「NO」(未経過)である場合には、ステップS212へ戻る。
ステップS223における判定結果が「YES」(所定時間経過)である場合には、ステップS224に進み、ベルト5がどこかに引っ掛かっていると判断し、モータ14を一時停止し、さらにステップS225に進み、カウント値iを1つ加算して(i=i+1)、ステップS212へ戻る。
また、ステップS214における判定結果が「NO」(巻き取り方向でない)である場合、および、ステップS216における判定結果が「NO」(V≦Vstack)である場合にも、ステップS224に進み、ベルト5がどこかに引っ掛かっているか、あるいは、ベルト5が引き出されていると判断して、モータ14を一時停止し、さらにステップS225に進み、カウント値iを1つ加算して(i=i+1)、ステップS212へ戻る。
そして、ステップS212における判定結果が「NO」(i≧N)である場合には、モータ14によるベルトリール11の巻き取りアシストを継続すべきでないので、ステップS222に進み、モータ14への通電を停止して、本ルーチンの実行を一旦終了する。
次に、ドアが開状態の場合について説明する。
ステップS209における判定結果が「YES」(ドア開状態)である場合には、ステップS230に進み(図8参照)、引っ掛かり判定閾値Vstackを次式によって算出される値に設定する。
Vstack=α・V1
ここで、V1は予め設定された一定速度である。このステップS230におけるV1は、ドア閉時のステップS210におけるV2に対応し、V1はV2よりも大きい値に設定されている。一方、補正係数αはステップS206,S207で決定される変数であり、前述した例によれば常温時はα=1であり、低温時はα=0.7であるので、ドア開時のときもドア閉時のときと同様、引っ掛かり判定閾値Vstackは、低温時には常温時よりも小さい値に設定される。
次に、ステップS231に進み、カウント値iを初期化し、i=0とする。
次に、ステップS232に進み、カウント値iが予め設定された閾値Nより小さいか否かを判定する。
ステップS232における判定結果が「YES」(i<N)である場合には、ステップS233に進み、回転角度センサ15の出力信号の時間的変化に基づいてベルトリール11の回転角度に変化があるか否かを判定する。
ステップS233における判定結果が「YES」(変化あり)である場合には、ステップS234に進み、回転角度センサ15の出力信号の時間的変化から検出されるベルトリール11の回転角度の変化方向(すなわち、ベルトリール11の回転方向)が巻き取り方向か否かを判定する。
ステップS234における判定結果が「YES」(巻き取り方向)である場合には、ステップS235に進み、ベルトリール11の巻き取り速度Vを算出する。ベルトリール11の巻き取り速度Vの算出は、ドア閉時におけるステップS215の場合と同じである(V=Xt−Xti-1)。
ステップS235からステップS236に進み、ステップS235で算出したベルトリール11の巻き取り速度Vが、ステップS230において算出した引っ掛かり判定閾値Vstackよりも大きいか否かを判定する。
ステップS236における判定結果が「YES」(V>Vstack)である場合には、ステップS237に進む。なお、ドア閉時のときと同様、ステップS230の処理により低温時の引っ掛かり判定閾値Vstackを常温時の場合よりも小さい値に設定することで、ステップS236における引っ掛かり判定の適正化を図っている。
そして、ステップS237において、現在のベルトリール11の巻き取り速度Vからドア開時目標巻き取り速度Vtarget2を減算した値(差)が所定値Vdよりも大きいか否かを判定する。ここで、ドア開時目標巻き取り速度Vtarget2は、ドア開時目標基準速度V4(t)に補正係数βを乗じた値である(Vtarget2=β・V4(t))。
ドア開時目標基準速度V4(t)は、図9において実線で示すように、モータ14の電流制御を開始してからの経過時間(すなわち、ステップS208でタイマスタートしてからの経過時間)に応じて予め設定された速度であり、時間経過にしたがって段階的に減少するように設定されている。なお、同一経過時間において比較したときに、ドア開時目標基準速度V4(t)はドア閉時目標基準速度V3(t)よりも大きい値に設定されている。
また、所定値Vdは予め設定された正の定数である。また、補正係数βはステップS206,S207で決定される変数であり、前述した例によれば常温時はβ=1であり、低温時はβ=0.6であるので、ドア開時目標巻き取り速度Vtarget2は、低温時には常温時よりも小さい値に設定される。
ステップS237における判定結果が「YES」(V−Vtarget2>Vd)である場合には、ステップS238に進み、モータ14への通電量Iを所定量(ΔI)だけ減少させて(I=I−ΔI)、ステップS241に進む。
一方、ステップS237における判定結果が「NO」(V−Vtarget2≦Vd)である場合には、ステップS239に進み、ドア開時目標巻き取り速度Vtarget2から現在のベルトリール11の巻き取り速度Vを減算した値(差)が所定値Vcよりも小さいか否かを判定する。ドア開時目標巻き取り速度Vtarget2はステップS237におけるドア開時目標巻き取り速度Vtarget2と同じである(Vtarget2=β・V4(t))。また、所定値Vcは予め設定された正の定数である。
ステップS239における判定結果が「NO」(Vtarget2−V≧Vc)である場合には、ステップS240に進み、モータ14への通電量Iを所定量(ΔI)だけ増加させて(I=I+ΔI)、ステップS241に進む。
また、ステップS239における判定結果が「YES」(Vtarget2−V<Vc)である場合には、モータ14への通電量を現状維持して、ステップS241に進む。
つまり、ステップS237〜S240の処理を実行することにより、ベルトリール11の巻き取り速度Vがドア開時目標巻き取り速度Vtarget2を基準にして−Vcから+Vdの誤差範囲に収まるように、モータ14への通電量が制御される。
そして、ステップS241において、ベルトリール11の巻き取り位置xが全巻き取り位置(収納位置)X3であるか否かを判定する。
ステップS241における判定結果が「YES」(x=X3)である場合には、ステップS242に進み、モータ14への通電を停止して、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS241における判定結果が「NO」(x≠X3)である場合には、ステップS209へ戻る。
また、ステップS233における判定結果が「NO」(回転角度に変化なし)である場合には、ステップS243に進み、ベルトリール11の回転角度に変化なしの状態となってから所定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS243における判定結果が「NO」(未経過)である場合には、ステップS232へ戻る。
ステップS243における判定結果が「YES」(所定時間経過)である場合には、ステップS244に進み、ベルト5がどこかに引っ掛かっていると判断し、モータ14を一時停止し、さらにステップS245に進み、カウント値iを1つ加算して(i=i+1)、ステップS232へ戻る。
また、ステップS236における判定結果が「NO」(V≦Vstack)である場合にも、ステップS244に進み、ベルト5がどこかに引っ掛かっていると判断して、モータ14を一時停止し、さらにステップS245に進み、カウント値iを1つ加算して(i=i+1)、ステップS232へ戻る。
そして、ステップS232における判定結果が「NO」(i≧N)である場合には、モータ14によるベルトリール11の巻き取りアシストを継続すべきでないので、ステップS242に進み、モータ14への通電を停止して、本ルーチンの実行を一旦終了する。
また、ステップS234における判定結果が「NO」(巻き取り方向でない)である場合には、ステップS246に進み、ベルト5の引き出しを阻止するためにモータ14への通電量を増大し、ステップS232へ戻る。
この実施例3のシートベルト装置1においては、ベルトリール11の巻き取りを開始してから巻き取りを完了するまでの間の全域において、ベルトリール11のドア閉時目標巻き取り速度Vtarget1およびドア開時目標巻き取り速度Vtarget2を、低温時には常温時よりも小さく設定することができるので、モータ14に対する負荷を常温時よりも低減することができる。
したがって、実施例3のシートベルト装置1の場合も、 低温時にシートベルト装置1における種々の駆動部(例えば伝達装置13等)のギアグリースが硬化したり、ベルト5が硬化して、ベルト巻き取り時の抵抗が増大しても、モータ14や駆動回路に対する負荷が増大するのを防止することができる。換言すると、モータおよび駆動回路の負荷に対する温度による影響を抑制することが可能となる。その結果、モータ14等が過負荷状態になるのを確実に防止することができ、モータ14の寿命を延ばすことができる。また、低温時のモータ駆動音を低減することができ、車内の静粛性を保持することができる。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例において、温度センサ10により温度を検出する場合に、前述した実施例では車室内の温度を検出しているが、車室内の温度に代えて外気温を検出してもよいし、あるいは、モータ14の温度を検出してもよい。
この発明に係る車両のシートベルト装置の実施例1における構成図である。 実施例1のシートベルト装置におけるリトラクタの概略構成図である。 実施例1のシートベルト装置におけるベルトリール駆動用のモータの制御ブロック図である。 実施例1のシートベルト装置におけるベルトリール駆動用のモータの電流制御を示すフローチャートである。 実施例2のシートベルト装置におけるベルトリール駆動用のモータの電流制御を示すフローチャートである。 実施例3のシートベルト装置におけるベルトリール駆動用のモータの電流制御を示すフローチャート(その1)である。 実施例3のシートベルト装置におけるベルトリール駆動用のモータの電流制御を示すフローチャート(その2)である。 実施例3のシートベルト装置におけるベルトリール駆動用のモータの電流制御を示すフローチャート(その3)である。 実施例3のシートベルト装置におけるドア閉時およびドア開時の目標基準速度マップである。
符号の説明
1 シートベルト装置
5 ベルト
10 温度センサ(温度状態検知手段)
11 ベルトリール
14 モータ
15 回転角度センサ(回転位置検出手段)
20 モータ制御部(制御部)
20a 巻き取り速度制御手段

Claims (3)

  1. ベルトが巻回されて回転可能なベルトリールと、
    前記ベルトリールを回転駆動して前記ベルトを巻き取るモータと、
    温度状態を検知する温度状態検知手段と、
    前記ベルトリールの回転位置を検出する回転位置検出手段と、
    前記モータの通電量を制御する制御部と、を備えた車両のシートベルト装置であって、
    前記制御部は、前記ベルトリールの回転位置の変化量が、前記回転位置検出手段の出力信号に応じて設定される目標値と一致するように前記モータへの通電量を制御する巻き取り速度制御手段を備え、
    前記巻き取り速度制御手段は、前記温度状態検知手段の検知結果に基づいて前記目標値を変更することを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 前記巻き取り速度制御手段は、前記温度状態検知手段が所定温度を下回る温度状態であると検知した場合に、前記所定温度以上の温度状態のときよりも前記目標値を低下させることを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト装置。
  3. 前記温度状態検知手段は、所定温度以上のときの低負荷状態における所定電流での通電時に想定される前記ベルトの巻き取り速度よりも、低負荷状態において前記回転位置検出手段の出力信号に基づいて算出される実際の前記ベルトの巻き取り速度が小さい場合に、温度状態が低温状態であると検知することを特徴とする請求項1にまたは請求項2に記載の車両のシートベルト装置。
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