JP2010089562A - シートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員の快適性を向上させることのできるシートベルト装置を提供する。
【解決手段】ベルトリール12を回転駆動するモータ10をコントローラ18によって制御する。コントローラ18には、ベルトリール12の回転位置を検出する回転センサ15と、ウェビング5に作用する張力を検出する張力センサ21を接続する。ウェビング5の弛みを除去する際には、ウェビング5の張力を略一定に保持するようにモータ10の通電電流を制御し、巻取り速度が設定値を下回ったときにその制御を停止する。緊急巻取り制御時には、ベルトリール12の回転位置が所定の回転位置に達するまで一定の初期電流でモータ10を駆動し、その後にウェビング5の張力を略一定に保持するようにモータ10の通電電流を制御する。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両のシートに着座した乗員をウェビングによって拘束するシートベルト装置に関するものである。
車両のシートベルト装置として、緊急時にモータによってウェビングを引き込むものが開発されている。この種のシートベルト装置として、従来、バックル部分に張力センサを設け、緊急時に、張力センサの検出値に基づいて乗員の体格に応じたトルクでモータによるウェビングの引き込みを行うとともに、バックルが解除されているときに張力センサの零点補正を行うものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−243860号公報
しかし、この従来のシートベルト装置は、バックル部分に張力センサを設け、その検出値に基づいてモータを制御するものであるが、モータによる引き込みトルク(最大トルク)を乗員の体格に応じた値に調整するために用いられるため、乗員の動き等に応じた繊細な制御が行われず、乗員に違和感や不快感を与えることが懸念される。
また、現在、車両の減速時や旋回時等にモータによってウェビングを巻取ることで乗員の上体を保持したり、ウェビングの弛みを除去したりする機能を備えたシートベルト装置も案出されているが、この種のシートベルト装置においては、上体の保持や弛み取りの際に急激にウェビングを引き込むと、ウェビングに接触する乗員に違和感を与える可能性があり、この点の改善が望まれている。
そこで、この発明は、乗員の快適性を向上させることのできるシートベルト装置を提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、シートに着座した乗員を拘束するウェビング(例えば、後述の実施形態におけるウェビング5)が巻回されたベルトリール(例えば、後述の実施形態におけるベルトリール12)と、このベルトリールを回転駆動するモータ(例えば、後述の実施形態におけるモータ10)と、前記ベルトリールの回転位置を検出する位置検出手段(例えば、後述の実施形態における回転センサ15)と、前記ウェビングに作用する張力を検出する張力検出手段(例えば、後述の実施形態における張力センサ21)と、前記モータを制御する制御装置(例えば、後述の実施形態におけるコントローラ18)と、を備え、前記制御装置は、前記位置検出手段と張力検出手段の検出信号を基にして前記モータの通電量を制御することを特徴とする。
これにより、ベルトリールの回転位置(ウェビングの巻取り位置)とウェビングに作用する張力とを監視し、状況に応じてウェビングの張力を最適に保ちつつモータを制御することが可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両のシートベルト装置において、前記制御装置は、乗員に対する前記ウェビングの弛みを除去する際に、前記張力検出手段による監視下で前記ウェビングの張力を略一定に保持するように前記モータの通電電流を制御するとともに、前記位置検出手段による検出値を基にして前記ベルトリールの巻取り速度を算出し、算出した巻取り速度が設定値を下回ったときに前記モータの張力保持制御を停止する弛み除去モードを備えていることを特徴とする。
ウェビングの弛みを除去する場合には、ウェビングの張力を略一定に保持するようにモータの通電が実行され、ベルトリール(ウェビング)の巻取り速度が設定値を下回ったところで巻取りが停止する。このため、乗員に違和感を与えることなく、弛みが取れるまでウェビングが巻き取られることになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両のシートベルト装置において、車両の走行状態を検出する車両状態検出手段(例えば、後述の実施形態における加速度センサ16)を備え、前記制御装置は、前記車両状態検出手段が緊急状態を検出したときに、前記位置検出手段が、前記ベルトリールが所定の回転位置に達したことを検出するまで、前記モータの通電電流を一定の初期電流に制御し、その後に、前記張力検出手段による監視下で前記ウェビングの張力を略一定に保持するように前記モータの通電電流を制御する緊急巻取りモードを備えていることを特徴とする。
例えば、車両に急激な減速度が作用する等して車両状態検出手段が緊急状態を検出すると、モータに比較的大きい初期電量が通電され、ウェビングの早急な巻取りが開始される。そして、ベルトリールが所定の回転位置まで回転し、そのことが位置検出手段によって検出されると、ウェビングの張力を略一定に保持するようにモータの通電が実行される。このとき、乗員の上体移動等によってウェビングの瞬間的な弛みや張力の増加が生じると、そのときウェビングの張力変動がモータの制御によって抑制される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートベルト装置において、車両の走行状態を検出する車両状態検出手段を備え、前記制御装置は、前記車両状態検出手段が所定の車両状態を検出したときに、前記位置検出手段が、前記ベルトリールが所定の回転位置に達したことを検出するまで、前記張力検出手段による監視下で前記ウェビングの張力を略一定に保持するように前記モータの通電電流を制御し、その後に、前記位置検出手段による監視下で前記ベルトリールの回転位置を前記所定の回転位置に保持するように前記モータの通電電流を制御する姿勢保持モードを備えていることを特徴とする。
例えば、車両の軽い減速時や旋回時等に車両状態検出手段が乗員の姿勢保持が必要であることを検出すると、張力を略一定に保持するようにしてベルトリールが所定位置まで回転し、ベルトリールが所定の回転位置まで回転した後には、ベルトリールの回転位置がその位置に保持されるようにモータの通電電流が制御される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車両のシートベルト装置において、前記姿勢保持モードでベルトリールの回転位置を前記所定の回転位置に保持する際には、前記ウェビングの現在の張力と予め設定した上限張力との差分、および、前記ベルトリールの現在位置と保持すべき所定の回転位置との差分に応じて前記モータの通電電流を制御することを特徴とする。
姿勢保持モードでウェビングの巻取り位置を保持するときには、ウェビングの現在の張力と上限張力との差分と、ベルトリールの現在位置と保持すべき所定の回転位置との差分が反映されるかたちでモータの通電電流が制御される。このため、現在の張力が上限張力に近づいたときにはモータの通電電流が小さく調整され、ベルトリールの現在の回転位置と所定の回転位置との差が大きくなったときには、モータの通電電流が大きく増減調整される。
請求項1に記載の発明によれば、状況に応じてウェビングの張力を最適に保ちつつモータを制御することができるため、乗員の快適性を確実に向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、弛みの除去時には、ウェビングの張力を略一定に保持するようにモータの通電を実行し、ベルトリールの巻取り速度が設定値を下回ったところで巻取りを停止するため、乗員に違和感を与えることなくウェビングの弛みを確実に除去し、作動時の質感を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、緊急巻取り時には、最初にモータに一定の初期電量を通電してベルトリールが所定の回転位置に達するまでウェビングの早急な巻取りを行い、達した後にはウェビングの張力を略一定に保持するようにモータの通電を行うため、乗員の迅速な拘束と、乗員に不快感を与えない安定的な乗員保持を実現することができる。
請求項4に記載の発明によれば、乗員の姿勢保持時には、ベルトリールの巻取り位置が所定位置に達するまで張力を略一定に保持するようにしてベルトリールの巻取りを行い、その後、ベルトリールの回転位置が所定位置に保持されるようにモータの通電電流を制御するため、乗員に違和感や不快感を与えることなく、乗員の姿勢を安定的に保持することができる。
請求項5に記載の発明によれば、ウェビングの現在の張力と上限張力との差分、および、ベルトリールの現在位置と保持すべき所定の回転位置との差分に応じてモータの通電電流を制御するため、現在位置が目標位置から離れるほど通電電流の増減幅を大きくし、張力が上限張力に近づくほど通電電流の調整幅を小さくすることができる。したがって、乗員に与える違和感や不快感を低減しつつ、迅速な乗員保持を実現することができる。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明にかかるシートベルト装置1の全体概略構成を示すものであり、同図中2は、乗員3の着座するシートである。この実施形態のシートベルト装置1は、所謂三点式のシートベルト装置であり、図示しないセンタピラーに取付けられたリトラクタ4からウェビング5が上方に引き出され、そのウェビング5がセンタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通されるとともに、ウェビング5の先端がシート2の車室外側寄りのアウタアンカ7を介して車体フロアに固定されている。そして、ウェビング5のスルーアンカ6とアウタアンカ7の間にはタングプレート8が挿通されており、そのタングプレート8は、シート2の車体内側寄りの車体フロアに固定されたバックル9に対して脱着可能となっている。
ウェビング5は、初期状態ではリトラクタ4に巻き取られており、乗員3が手で引出してタングプレート8をバックル9に固定することにより、乗員3の主に胸部と腹部をシート2に対して拘束する。このシートベルト装置1の場合、緊急時におけるウェビング5の引き込みが電動式のモータ10によって行われ、このモータ10がプリテンション機構を構成するようになっている。
リトラクタ4は、図2に示すようにケーシング(図示せず)に回転可能に支持されたベルトリール12にウェビング5が巻回されるとともに、ケーシングの一端側にベルトリール12の軸が突出している。このベルトリール12は、動力断接操作用のクラッチ(図示せず)を含む動力伝達機構13を介してモータ10の回転軸10aに連動可能に接続されている。また、リトラクタ4には、ベルトリール12をウェビング巻取り方向に付勢する巻取りばね14が設けられ、ベルトリール12とモータ10がクラッチのオフ作動によって切り離された状態において、巻取りばね14による張力がウェビング5に作用するようになっている。なお、動力伝達機構13内のクラッチは、モータ10の正転方向(ウェビング巻取り方向)の回転と逆転方向(ウェビング引出し方向)の回転を契機としてオン状態とオフ状態に切り替え操作されるようになっている。
また、リトラクタ4には、ベルトリール12の回転位置を検出する回転センサ15(位置検出手段)が設けられている。この回転センサ15は、例えば、円周方向に沿って異磁極が交互に着磁された磁性円板と、この磁性円板の外周縁部に近接配置された一対のホール素子と、ホール素子の検出信号を処理するセンサ回路とから成り、センサ回路で処理されたパルス信号がコントローラ18(制御装置)に出力されるようになっている。
この場合、ベルトリール12の回転に応じてセンサ回路からコントローラ18に入力されたパルス信号は、ベルトリール12の回転量や、回転速度、回転方向等を検出するのに用いられる。つまり、コントローラ18においては、パルス信号をカウントすることによってベルトリール12の回転量(ウェビング5の引出し量)を検出し、パルス信号の変化速度(周波数)を演算することによってベルトリール12の回転速度(ウェビング5の引出し速度)を求め、さらに、両パルス信号の波形の立ち上がりの比較によってベルトリール12の回転方向を検出する。
また、図2に示すように、バックル9には、タングプレート8の装着のON,OFFを検出するバックルスイッチ20が設けられるとともに、バックル9に作用する張力(タングプレート8の装着時にウェビング5に作用する張力)を検出する歪ゲージ等の張力センサ21が設けられている。
ところで、コントローラ18の入力部には、上記の回転センサ15の他、バックルスイッチ20と張力センサ21(張力検出手段)が接続され、さらに車両に作用する加速度(減速度)を検出する加速度センサ16が接続されている。この実施形態においては、加速度センサ16がウェビング5の巻取りを必要とする緊急状態を検出する車両状態検出手段として機能するが、車両状態検出手段は、レーダー等の前方状況検出装置の検出信号や、ブレーキアシスト装置の作動信号等を用いるもの、ヨーレトセンサ等であっても良い。また、コントローラ18には、モータ10に流れる電流を検出する電流検出手段17が接続されている。
コントローラ18は、モータ10の通電電流を制御するモータ制御部を有しており、このモータ制御部は、以下の(A)〜(C)の運転モードを備え、各運転モードともバックルスイッチ20と張力センサ21の検出信号を受けてモータ10の通電電離84を制御する。
(A)弛み除去モード
(B)緊急巻取りモード
(C)姿勢保持モード
弛み除去モード(A)は、バックルスイッチ20がOFF状態からON状態に切り換わり、シートベルト装置1が装着されたときに作動を開始し、ウェビング5が乗員の身体に緩く密着するようにウェビング5の巻取り(ベルトリール12の回転駆動)を行う。
モータ制御部は、張力センサ21による監視下においてウェビング5の張力を略一定に保持するようにモータ10の通電電流を制御する定張力保持制御手段と、回転センサ15の検出値を基にしてベルトリール12の巻取り速度を算出し、ベルトリール12の回転速度を監視する速度監視手段と、ベルトリール12の回転速度が設定値を下回ったときにモータ10の定張力保持制御を停止する保持制御停止手段と、を用いて弛み除去モード(A)を実行する。
緊急巻取りモード(B)は、急ブレーキ操作時等に加速度センサ16が緊急状態を検出したときに作動を開始し、ウェビング5が乗員の身体を強固に拘束するようにウェビング5の巻取り(ベルトリール12の回転駆動)を行う。
モータ制御部は、乗員の身体を強固に拘束し得る所定の回転位置にベルトリール12が回転するまで、モータ10に一定の大きな初期電流を通電する定電流制御手段と、ベルトリール12が所定の回転位置まで回転した後に、張力センサ21による監視下においてウェビング5の張力を略一定に保持するようにモータ10の通電電流を制御する定張力保持制御手段と、を用いて緊急巻取りモード(B)を実行する。
また、姿勢保持モード(C)は、車両の旋回時や減速時等に加速度センサ16がその車両状態を検出したときに作動を開始し、ウェビング5が乗員の上体を保持(軽く拘束)するようにウェビング5の巻き取り(ベルトリール12の回転駆動)を行う。
モータ制御部は、乗員の上体を保持し得る所定の回転位置にベルトリール12が回転するまで、張力センサ21による監視下においてウェビング5の張力を略一定に保持するようにモータ10の通電電流を制御する定張力保持制御手段と、ベルトリール12が所定の回転位置まで回転した後に、回転センサ15による監視下においてベルトリール12の回転位置を所定の回転位置に保持するようにモータ10の通電電流を制御する位置保持制御手段と、を用いて姿勢保持モード(C)を実行する。
そして、位置保持制御手段は、ウェビング5の現在の張力と上限張力との差分と、ベルトリール12の現在の回転位置と保持すべき所定の回転位置との差分を夫々算出し、これらの差分をそれぞれ考慮してモータ10の通電電流を制御する。
以下、このシートベルト装置1のコントローラ18による制御を図3〜図5のフローチャートを基にして説明する。
図3は、弛み除去モード(A)の制御の流れを示すものである。
ステップS101においては、予め設定した比較的小さい初期電流I0でモータ10の通電を開始する。これにより、モータ10はウェビング巻き取り方向に回転する。
次のステップS102においては、ウェビング5の現在の張力Tが予め設定した比較的小さい初期目標張力T0と等しくないかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS103に進み、NOの場合には、ステップS107へと進む。
ステップS103では、現在の張力Tと初期目標張力T0との差が予め設定した許容幅の範囲にあるかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS107に進み、NOの場合、つまり、ウェビング5の張力調整が必要である場合には、ステップS104へと進む。
ステップS104においては、現在の張力Tが初期目標張力T0よりも小さいかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS105に進み、NOの場合には、ステップS106へと進む。ステップS105では、現在の張力Tが初期目標張力T0よりも小さいため、通電量を微小量(ΔI)増加し、ステップS106では、現在の張力Tが初期目標張力T0よりも大きいため、通電量を微小量(ΔI)減少させる。なお、ここで増減させる通電量ΔIは、初期目標張力T0と現在の張力Tとの差分の絶対値に応じた値とされている。
ステップS105やS106の処理を終えた後には、ステップS107へと進む。
ステップS107においては、ベルトリール12の現在の回転速度Vが予め設定した充分に小さい設定値Vthよりも小さいかどうかを判定し、YESの場合には、次のステップS108に進み、NOの場合には、ステップS101に戻る。したがって、S101〜S105,S106の間の張力保持制御は、ベルトリール12の回転速度Vが設定値Vthを下回るまで続けられる。
ステップS108において、通電電流の変化量が予め設定した変化量Ithを下回るかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS109に進み、NOの場合には、ステップS101に戻る。
ステップS109においては、モータ10の通電量を再度微小量(ΔI)増加し、次のステップS110では所定時間が経過したかどうかを判定する。ここでYESの場合には、次のステップS111に進み、NOの場合には、ステップS109の処理を継続する。なお、ステップS109で増加する通電量ΔIは、初期目標張力T0よりも僅かに大きい最終目標張力T1と現在の張力Tとの差分の絶対値に応じた値とされている。
このステップS109,S110での処理は、ウェビング5の弛みがある程度の除去された後に乗員の衣類分程度の最終弛みを除去するための処理である。
ステップS111では、動力伝達機構13のクラッチを解除し、モータ10とベルトリール12の間の動力伝達を遮断する。
シートベルト装置1を以上のように弛み除去モード(A)で運転する場合には、ウェビング5の張力を比較的に小さい略一定の値に保持するようにモータ10の通電を実行し、ベルトリール12の巻取り速度が設定値を下回ったところで巻取りを停止するため、弛み除去中に所定値以上の張力が発生するのを確実に防止することができる。したがって、乗員に違和感を与えることなく、ウェビング5の弛みを除去することができ、作動時の質感を大幅に高めることができる。
また、この実施形態の場合、ベルトリール12の巻取り速度が設定値を下回った後に、微小時間、追加の巻取りを行うため、フリクション等で残り易いウェビング5の弛みをより確実に除去することができる。
図4は、緊急巻取りモード(B)の制御の流れを示すものである。
ステップS201においては、ベルトリール12の巻取り目標位置X2を設定し、次のステップS202においては、充分に大きい初期電流I2でモータ10に対する通電を開始する。ステップS201における巻取り目標位置X2は、乗員を強固に拘束し得る目標位置に設定されている。モータ10は、ステップS202の通電開始によってウェビング巻取り方向に回転する。
次のステップS203においては、ベルトリール12の現在位置Xが目標位置X2以上であるかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS204に進み、NOの場合には、YESになるまでステップS203の処理を継続する。
ステップS204では、ウェビング5の現在の張力Tが予め設定した比較的大きい目標張力T2と等しくないかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS205に進み、NOの場合には、ステップS209へと進む。
ステップS205では、現在の張力Tと目標張力T2との差が予め設定した許容幅の範囲にあるかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS209に進み、NOの場合、つまり、ウェビング5の張力を調整する必要がある場合には、ステップS206へと進む。
ステップS206においては、現在の張力Tが目標張力T2よりも小さいかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS207に進み、NOの場合には、ステップS208へと進む。ステップS207では、現在の張力Tが目標張力T2よりも小さいため、通電量を微小量(ΔI)増加し、ステップS208では、現在の張力Tが目標張力T2よりも大きいため、通電量を微小量(ΔI)減少させる。なお、ここで増減させる通電量ΔIは、目標張力T2と現在の張力Tとの差分の絶対値に応じた値とされている。
ステップS207やS208の処理を終えた後には、ステップS209へと進む。
ステップS209においては、加速度センサ16の検出値等を用いて車両の走行状態が安定したかどうかを判定し、YESの場合には処理を抜け、NOの場合にはステップS204に戻って定張力制御を継続する。
シートベルト装置1を以上のように緊急巻取りモード(B)で運転する場合には、最初にモータ10に比較的大きい初期電流を通電してウェビング5の迅速な巻取りを行い、ベルトリール12が目標巻取り位置に達した後には、ウェビング5の張力を略一定に保持するようにモータ10の通電を行うため、乗員の迅速な拘束と、乗員に不快感を与えない安定的な乗員保持を実現することができる。すなわち、ベルトリール12が目標巻取り位置に達した後には、ベルトリール12の回転位置を固定せずに張力が略一定になるようにモータ10を制御するため、巻取り実行後の弛みの発生を確実に防止することができるうえ、乗員に過剰な力が作用するのを予防することができる。
図5は、姿勢保持モード(C)の制御の流れを示すものである。
ステップS301においては、ベルトリール12の巻取り目標位置X4を設定し、次のステップS302においては、初期電流I4でモータ10に対する通電を開始する。ステップS301における巻取り目標位置X4は、乗員の上体を安定的に拘束し得る目標位置に設定されている。モータ10は、ステップS302の通電開始によってウェビング巻取り方向に回転する。
ステップS303においては、ベルトリール12の現在の張力Tが目標張力T4と等しくないかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS304に進み、NOの場合には、ステップS308へと進む。
ステップS304では、現在の張力Tと目標張力T4との差が予め設定した許容幅の範囲にあるかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS308に進み、NOの場合には、ステップS305へと進む。
ステップS305においては、現在の張力Tが目標張力T4よりも小さいかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS306に進み、NOの場合には、ステップS307へと進む。ステップS306では、現在の張力Tが目標張力T4よりも小さいため、通電量を微小量(ΔI)増加し、ステップS307では、現在の張力Tが目標張力T4よりも大きいため、通電量を微小量(ΔI)減少させる。なお、ここで増減させる電量量ΔIは、目標張力T4と現在の張力Tとの差分の絶対値に応じた値とされている。
ステップS306やS307の処理を終えた後には、ステップS308へと進む。
ステップS308においては、現在位置Xが目標位置X4以上であるかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS309に進み、NOの場合にはステップS303に戻る。つまり、現在位置Xが目標位置X4以上になるまでは、ウェビング5の張力を一定に保持したベルトリール12の巻取りが継続される。
ステップS309においては、現在の位置Xが目標位置X4と等しくないかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS310に進み、NOの場合には、ステップS314へと進む。
ステップS310においては、現在位置Xと目標位置X4との差が予め設定した許容幅の範囲にあるかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS314に進み、NOの場合には、ステップS311へと進む。
ステップS311においては、現在位置Xが目標位置X4よりも小さいかどうかを判定し、YESの場合には、ステップS312に進み、NOの場合には、ステップS313へと進む。ステップS312では、現在位置Xが目標位置X4よりも小さいため、通電量を微小量(ΔI)増加し、ステップS313では、現在位置Xが目標位置X4よりも大きいため、通電量を微小量(ΔI)減少させる。
なお、ここで増減させる電量量ΔIは、現在位置Xと目標位置X4との差分の絶対値に所定の係数αを乗じた値と、現在の張力Tと限界張力Tlimとの差分の絶対値に所定の係数βを乗じた値を加算したものに比例するように設定されている。すなわち、現在位置Xと目標位置X4との差分と、現在の張力Tと限界張力Tlimとの差分が反映される電流量とされている。
ステップS312やS313の処理を終えた後には、ステップS314へと進む。
ステップS314においては、加速度センサ16の検出値等を用いて車両の走行状態が安定したかどうかを判定し、YESの場合には処理を抜け、NOの場合にはステップS309に戻って位置保持制御を継続する。
シートベルト装置1を以上のように姿勢保持モード(C)で運転する場合には、ベルトリール12の巻取り位置が所定位置に達するまでは張力を略一定に保持するようにしてベルトリール12の巻取りを行い、その後、ベルトリール12の回転位置が所定位置に保持されるようにモータ10の通電電流を制御するため、作動開始時の張力変動を少なくして乗員に与える違和感や不快感を無くすことができるとともに、作動開始後には乗員の姿勢を安定的に保持することができる。
また、この実施形態の場合、姿勢保持モード(C)の位置保持制御では、ウェビング5の現在の張力Tと上限張力Tlimとの差分と、ベルトリール12の現在位置Xと保持すべき目標位置X4との差分に応じてモータ10の通電電流を制御するため、現在位置が目標位置から離れるほど通電電流の増減幅を大きくし、張力Tが上限張力Tlimに近づくほど通電電流の調整幅を小さくすることができる。したがって、乗員に与える違和感や不快感を低減しつつ、迅速な乗員保持を実現することができる。
以上で説明した実施形態においては、ウェビング5の弛み除去制御と、緊急時の引き込み制御と、乗員の姿勢保持制御の際に、張力センサ21と回転センサ15を用いたが、バックル9を外してウェビング5をベルトリール12に巻き取って収納する際にも、両センサ21,15を用いることができる。例えば、バックルスイッチ20がOFFのときに、ウェビング5の張力が設定値以下で、かつ、ウェビング5の巻取り量が設置量以上であるときに出力信号を発するようにし、この出力信号を基にして巻取り収納の完了を判定するようにしても良い。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
この発明の一実施形態のシートベルト装置の概略構成図。 同実施形態のシートベルト装置のコントローラを中心とする概略構成図。 同実施形態の制御の流れを示すフローチャート。 同実施形態の制御の流れを示すフローチャート。 同実施形態の制御の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1…シートベルト装置
5…ウェビング
10…モータ
12…ベルトリール
15…回転センサ(位置検出手段)
16…加速度センサ(車両状態検出手段)
18…コントローラ(制御手段)
21…張力センサ(張力検出手段)

Claims (5)

  1. シートに着座した乗員を拘束するウェビングが巻回されたベルトリールと、
    このベルトリールを回転駆動するモータと、
    前記ベルトリールの回転位置を検出する位置検出手段と、
    前記ウェビングに作用する張力を検出する張力検出手段と、
    前記モータを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記位置検出手段と張力検出手段の検出信号を基にして前記モータの通電量を制御することを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 前記制御装置は、
    乗員に対する前記ウェビングの弛みを除去する際に、
    前記張力検出手段による監視下で前記ウェビングの張力を略一定に保持するように前記モータの通電電流を制御するとともに、
    前記位置検出手段による検出値を基にして前記ベルトリールの巻取り速度を算出し、
    算出した巻取り速度が設定値を下回ったときに前記モータの張力保持制御を停止する弛み除去モードを備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト装置。
  3. 車両の走行状態を検出する車両状態検出手段を備え、
    前記制御装置は、
    前記車両状態検出手段が緊急状態を検出したときに、
    前記位置検出手段が、前記ベルトリールが所定の回転位置に達したことを検出するまで、前記モータの通電電流を一定の初期電流に制御し、
    その後に、前記張力検出手段による監視下で前記ウェビングの張力を略一定に保持するように前記モータの通電電流を制御する緊急巻取りモードを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のシートベルト装置。
  4. 車両の走行状態を検出する車両状態検出手段を備え、
    前記制御装置は、
    前記車両状態検出手段が所定の車両状態を検出したときに、
    前記位置検出手段が、前記ベルトリールが所定の回転位置に達したことを検出するまで、前記張力検出手段による監視下で前記ウェビングの張力を略一定に保持するように前記モータの通電電流を制御し、
    その後に、前記位置検出手段による監視下で前記ベルトリールの回転位置を前記所定の回転位置に保持するように前記モータの通電電流を制御する姿勢保持モードを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置。
  5. 前記姿勢保持モードでベルトリールの回転位置を前記所定の回転位置に保持する際には、
    前記ウェビングの現在の張力と予め設定した上限張力との差分、および、前記ベルトリールの現在位置と保持すべき所定の回転位置との差分に応じて前記モータの通電電流を制御することを特徴とする請求項4に記載の車両のシートベルト装置。
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