JP2010017072A - 電機子コア、電機子、電機子コアの製造方法及び電機子の製造方法 - Google Patents

電機子コア、電機子、電機子コアの製造方法及び電機子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の磁性体を有するティースとヨークとを溶接するに際して溶接工程を低減できる電機子コアを提供する。
【解決手段】電機子コア1はバックヨーク11と、ティース12とを備えている。ティース12は、積層方向D2に沿って積層された複数の磁性板121を備えている。バックヨーク11は、ティース12が嵌挿される孔112を備えている。孔112は、バックヨーク11の表面11a,11bを貫通する。バックヨーク11と、複数の磁性板121の相互間とは、隣り合う磁性板の境界の縁と孔112を形成する表面11cとが近接し、且つ表面11a側若しくは表面11b側で露出した箇所で相互に溶接される。
【選択図】図4

Description

本発明は、電機子コア、電機子、電機子コアの製造方法及び電機子の製造方法に関し、特に積層された複数の磁性板を有するティースと、ヨークとの固定に関する。
特許文献1には、ティースをヨークに強固に圧入固定したり、溶接によって固定したりする技術や、ティースとヨークとをモールド樹脂で一体的に固定する技術が記載されている。
また本発明に関連する技術として特許文献2が開示されている。
特開2007−28855号公報 特開2007−28854号公報
ティースが所定の方向に積層された複数の磁性板(例えば積層鋼板)を有し、これとヨークとを溶接固定する場合について、特許文献1は詳細に記載していない。但し一般的に複数の磁性板の相互間を溶接してティースを作成し、ティースとヨークとを溶接で固定することが考えられる。
しかしながら、一般に溶接は歪みを発生させやすく、複数の磁性板を有するティースと、ヨークとを溶接するに際して、その溶接工程の低減が望まれている。
そこで、本発明は、複数の磁性板を有するティースと、ヨークとを溶接するに際して、溶接工程を低減する電機子コア及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電機子コアの第1の態様は、所定の軸(P)に平行な第1方向(D1)ついて相互に対面する第1表面(11a;11a)及び第2表面(11b;13b)と、前記第1方向で前記第1表面及び前記第2表面を貫通し、前記軸の周りで環状に配置された複数の孔(112,112+132)を形成する第3表面(11c;11c+13c)と、を有する第1磁性体(11;11+13)と、各々が、前記軸に対して垂直な第2方向(D2)に積層されたN個の磁性板(121)を有し、前記複数の前記孔にそれぞれ嵌挿される複数の第2磁性体(12)とを備え、前記第2方向で隣り合う第k及び第(k+1)(但し、kは1からN−1の自然数)の前記磁性板の境界面(122)の縁と、前記第3表面とが相互に近接し、且つ前記第1表面及び第2表面の少なくとも何れか一方の側で露出した少なくとも一つの第kの箇所(40,42)にて、前記第k及び前記第(k+1)の前記磁性板と、前記第1磁性体とが相互に溶接されている。
本発明に係る電機子コアの第2の態様は、第1の態様に係る電機子コアであって、前記複数の第2磁性体(12)の各々は、前記第1表面(11a)側の前記孔(112)から前記第1方向(D1)に沿って前記第2表面(11b)とは反対側に延在する延在部(121a)を備える。
本発明に係る電機子コアの第3の態様は、第2の態様にかかる電機子コアであって、前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は、前記境界面(122)の前記縁と前記第3表面(11c)とが近接する箇所のうち前記第2表面(11b)側の端に位置する。
本発明に係る電機子コアの第4の態様は、第2の態様に係る電機子コアであって、前記少なくとも一つの第kの箇所(42)は、前記境界面(122)の前記縁と前記第3表面(11c)とが近接する箇所のうち前記第1表面(11a)側の端に位置する。
本発明に係る電機子コアの第5の態様は、第2乃至第4の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記延在部(121a)は前記第1方向(D1)について前記第1表面(11a)とは反対側に位置する一端と、前記一端において前記第1磁性体(111)とは反対側に開口する凹部(123)とを有し、前記N個の磁性板(121)は前記凹部で相互に溶接されている。
本発明に係る電機子コアの第6の態様は、第2乃至第5の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記N個の磁性板(121)の各々は前記第2方向に第1の凹凸を有し、前記第1の凹凸によって前記N個の磁性板同士は相互に係合されている。
本発明に係る電機子コアの第7の態様は、第1乃至第6の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記N個の磁性板(121)の各々の相互間には所定の樹脂が介在し、前記N個の磁性板は前記樹脂によって相互に固着されている。
本発明に係る電機子コアの第8の態様は、第1乃至第7の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記少なくとも一つの第kの箇所は2つの第kの箇所であって、一の前記2つの第kの箇所(42)は前記第1表面を形成する前記第2磁性板に位置し、二の前記2つの第kの箇所(40)は前記第2表面を形成する前記第2磁性板に位置する。
本発明に係る電機子コアの第9の態様は、第2乃至第8の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記延在部(121a)は前記第1方向において前記第1表面と接しており、前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は、前記第2表面を形成する前記第2磁性板に位置する。
本発明に係る電機子コアの第10の態様は、第2乃至第8の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした径方向であり、前記N個の磁性板(121)は、前記第1方向(D1)について前記延在部(121a)とは反対側に位置する一端(121d)と、前記第1方向において前記延在部とは反対側で前記第2方向に自身を貫通するスリット(124)とを有し、前記少なくとも一つの第kの箇所が前記一端に位置する。
本発明に係る電機子コアの第11の態様は、第2乃至第8の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記N個の磁性板(121)は、前記第1方向(D1)について前記延在部(121a)とは反対側に位置する一端(121d)と、前記第1方向において前記延在部とは反対側に位置し前記軸に垂直な第3方向(D2,D3)について前記第1磁性体(11)側に開口する凹部(125)とを有し、前記第少なくとも一つの第kの箇所(40)は前記一端に位置する。
本発明に係る電機子コアの第12の態様は、第11の態様にかかる電機子コアであって、前記孔(112)は前記凹部(125)に嵌合する第2の凹部(113)を有する。
本発明に係る電機子コアの第13の態様は、第2乃至第8の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした径方向であり、前記N個の磁性板(121)の各々は、前記第1方向(D1)について前記延在部(121a)とは反対側に位置する一端と、前記一端において前記軸を中心とした周方向(D3)における中央で前記延在部とは反対側に開口する第1の凹部(126)とを有し、前記孔(112)は前記凹部と嵌合する第2の凹部(114)を有し、前記少なくとも一つの第kの箇所は、前記第1の凹部と前記第2の凹部との境界に位置する。
本発明に係る電機子コアの第14の態様は、第2乃至第8の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第2方向(D2)は前記軸を中心とした径方向であり、前記N個の磁性板(121)の各々は、前記第1方向(D1)について前記延在部(121a)とは反対側に位置する一端と、前記一端において、前記軸を中心とした周方向(D3)における中央で前記延在部とは反対側へと突出する突部(126)とを有し、前記孔(112)には前記突部が嵌挿され、前記少なくとも一つの第kの箇所は前記突部に位置する。
本発明に係る電機子コアの第15の態様は、第2乃至第8の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記孔(112)は、前記第1表面(11a)から前記第1方向(D1)に沿って延在する第1孔部(112a;112)と、前記第1孔部から前記第1方向(D1)に沿って延在して前記第2表面(11b)へと至り、前記第1方向及び前記第2方向(D2)に垂直な第3方向(D3)における前記第1孔部の幅よりも狭い幅を有する第2孔部(112b;132)と、前記第1孔部と前記第2孔部との境界において前記第1方向に沿って前記第2表面側に開口する第1凹部(112c;121g)とを有し、前記N個の磁性板(121)の各々は、前記孔に嵌挿入される部分において、前記第2孔部に嵌挿される第2挿入部(121f)と、前記凹部と嵌合する第2凹部(121g)とを有し、前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は、前記第2孔部と前記第2挿入部との境界に位置する。
本発明に係る電機子コアの第16の態様は、第2乃至第7の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記延在部(121a)には、前記第1方向(D1)を軸として電機子巻線が巻回され、前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成し、前記複数の第2磁性体を相互に磁気的に連結する複数の第2磁性板(111;111+131)を備える。
本発明に係る電機子コアの第17の態様は、第2乃至第16の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第1磁性体(11+13)は、前記第1表面(11a)を形成し、前記複数の第2磁性体(12)を相互に磁気的に連結するヨークとして機能するバックヨーク(11)と、前記バックヨークと別体であって、前記第1方向(D1)について前記バックヨークと対面して取り付けられ、前記第2表面(13b)を形成する補強板(13)とを備える。
本発明に係る電機子コアの第18の態様は、第17の態様に係る電機子コアであって、前記補強板は非磁性である。
本発明に係る電機子コアの第19の態様は、第14の態様に係る電機子コアであって、前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は、前記境界面(122)の前記縁と前記第3表面(11c)とが近接する箇所のうち前記第2表面(11b)側の端に位置し、前記前記バックヨークは圧粉鉄心である。
本発明に係る電機子コアの第20の態様は、第17の態様に係る電機子コアであって、前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした径方向であって、前記N個の磁性板(121)の各々は、前記孔のうち前記バックヨーク(11)に設けられた部分に嵌挿されるバックヨーク挿入部(121e)と、前記軸を中心とした周方向における前記バックヨーク挿入部の中央から延在し、前記周方向における前記バックヨーク挿入部の幅よりも狭い幅を有し、前記孔のうち前記補強板(13)に設けられた部分に嵌挿される補強板挿入部(121f)とを備え、前記少なくとも第kの箇所は、前記補強板挿入部と前記補強板との境界に位置する。
本発明に係る電機子コアの第21の態様は、第1の態様に係る電機子コアであって、前記第1方向(D1)について相互に対面する第4表面(13a)及び第5表面(13b)を有し、前記第2表面(11b)と前記第4表面を対面させて前記第1磁性体(11)に取り付けられる補強板(13)を更に備える。
本発明に係る電機子コアの第22の態様は、第21の態様に係る電機子コアであって、前記補強板は非磁性である。
本発明に係る電機子コアの第23の態様は、第21の態様に係る電機子コアであって、前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記補強板(13)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第4表面(13a)及び前記第5表面(13b)を形成する複数の第3磁性板を有する。
本発明に係る電機子コアの第24の態様は、第21の態様に係る電機子コアであって、前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記補強板(13)は、前記第1方向における前記複数の第2磁性板の各々の幅よりも広い幅を有する。
本発明に係る電機子コアの第25の態様は、第21の態様に係る電機子コアであって、前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は前記境界面(122)の前記縁と前記第3表面とが近接する箇所のうち前記第2表面(11b)側の端に位置し、前記補強板(13)は、前記第1方向(D1)で前記第4表面(13a)及び前記第5表面(13b)を貫通し前記少なくとも一つの第kの箇所(40)へと通じる第2の孔(132)を更に備える。
本発明に係る電機子コアの第26の態様は、第21乃至第24の態様の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は前記境界面(122)の前記縁と前記第3表面とが近接する箇所のうち前記第2表面(11b)側の端に位置し、前記補強板(13)は、前記第4表面(13a)に設けられ、前記少なくとも一つの第kの箇所(40)を覆う第2の孔(134)を備える。
本発明に係る電機子コアの第27の態様は、第21乃至第26の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記N個の磁性板(121)の各々は、前記第1表面(11a)側の前記孔(112)から前記第1方向(D1)に沿って前記第2表面(11b)とは反対側に延在し、前記N個の磁性板が積層された状態で前記第1方向を軸として電機子巻線(16)が巻回される延在部(121a)を備え、前記N個の磁性板(121)の各々と前記補強板(13)との間には所定の間隙が設けられている。
本発明に係る電機子コアの第28の態様は、第27の態様に係る電機子コアであって、前記第4表面(13a)には、前記第1方向(D1)について前記複数の第2磁性体(12)と対向する領域において、前記第2表面(11b)側に開口する凹部(135)が設けられている。
本発明に係る電機子コアの第29の態様は、第27の態様に係る電機子コアであって、前記N個の磁性体(121)の各々は、前記第1方向(D1)において前記延在部(121a)とは反対側の一端を有し、前記一端側において、前記第4表面(13a)側に開口する凹部(125)を備える。
本発明に係る電機子コアの第30の態様は、第21乃至第29の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記補強板(13)と前記第1磁性体(11)とはそれぞれ前記軸(P)を中心とした環状の側面を有し、前記補強板と前記第1磁性体とは前記側面において相互に溶接されている。
本発明に係る電機子コアの第31の態様は、第21乃至第30の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記補強板(13)と前記第1磁性体(11)とはカシメピンまたはカシメボルトによって相互に結合されている。
本発明に係る電機子コアの第32の態様は、第2乃至第31の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした径方向である。
本発明に係る電機子コアの第33の態様は、第2乃至第12,第15乃至第17,第21乃至第24の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした周方向である。
本発明に係る電機子コアの第34の態様は、第1乃至第33の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記N個の磁性板(111)は相互に同一の形状を有しいている。
本発明に係る電機子コアの第35の態様は、第2乃至第32の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした径方向であって、前記N個の磁性板(121)の各々が有する前記延在部(121a)は、前記第2方向に向かうに従って、前記軸を中心とした周方向における幅が大きくなる。
本発明に係る電機子コアの第36の態様は、第1乃至第35の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記複数の第2磁性体(12)の各々は前記孔(112)を通る位置の前記第1方向(D1)に垂直な断面において、長方形の形状を有し、前記断面における前記孔の形状も前記長方形の形状を有する。
本発明に係る電機子コアの第37の態様は、第1乃至第7,第16,第21の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記複数の前記第2磁性板の各々は前記第2方向に第2の凹凸を有し、前記第2の凹凸によって前記N個の前記磁性板同士は相互に係合されている。
本発明に係る電機子コアの第38の態様は、第1乃至第7,第16,第21の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記複数の前記第2磁性板の各々の相互間には所定の樹脂が介在し、前記複数の前記第2磁性板は前記樹脂によって相互に固着されている。
本発明に係る電機子コアの第39の態様は、第1乃至第7,第16,第21の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)と、前記第1表面と前記第2表面とを連結し、前記軸を中心とした環状の第4表面とを形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記複数の第2磁性板の各々は前記第4表面で相互に溶接されている。
本発明に係る電機子コアの第40の態様は、第1乃至第7,第16,第21の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記複数の第2磁性板の各々はカシメピンまたはカシメボルトによって相互に結合されている。
本発明に係る電機子コアの第41の態様は、第1乃至第40の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記少なくとも一つの第kの箇所(40)における溶接径は、前記第2方向(D2)において隣り合う前記第k及び前記第(k+1)の前記磁性板(121)の幅よりも小さい。
本発明に係る電機子コアの第42の態様は、第1乃至第40の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記少なくとも一つの第kの箇所(40)(但し、kは1からN−2の偶数及び奇数の何れか一方の自然数)は、前記第1方向(D1)及び前記第2方向(D2)に垂直な前記第3方向(D3)における一方の側のみに位置し、前記少なくとも一つの第(k+1)の前記箇所は、前記第3方向における他方の側のみに位置し、前記第k及び前記第(k+1)の箇所における溶接径は、前記第1方向における前記第k及び前記第(k+1)の前記磁性板(121)の幅の2倍よりも小さい。
本発明に係る電機子コアの第43の態様は、第1乃至第42の何れか一つの態様に係る電機子コアであって、前記少なくとも一つの第kの箇所はレーザによって溶接される。
本発明に係る電機子の第1の態様は、第2乃至第43の何れか一つの態様に係る記載の電機子コアと、前記第1方向(D1)を軸として前記延在部(121a)の周りに巻回された電機子巻線(16)とを備え、前記N個の磁性体(121)の各々は、前記第1表面(11a)側において、前記第1方向(D1)及び前記第2方向(D2)に垂直な第3方向(D3)についての一端(121c)を有し、前記一端は前記電機子巻線に対して前記延在部とは反対側に位置し、前記少なくとも一つの第kの箇所(42)は前記一端に位置する。
本発明に係る電機子の第2の態様は、第2乃至第43の何れか一つの態様に係る電機子コアと、前記第1方向(D1)を軸として前記延在部(121a)の周りに巻回された電機子巻線(16)と前記延在部(121a)と前記電機子巻線との間及び前記第1表面(11a)及び前記電機子巻線との間に介在する絶縁部材(14)とを備え、前記延在部と前記電機子巻線の間に位置する前記絶縁部材の厚みは、前記第1磁性体と前記電機子巻線との間に位置する前記絶縁部材の前記厚みよりも薄い。
本発明に係る電機子の第3の態様は、第2乃至第43の何れか一つの態様に係る電機子コアと、前記第1方向(D1)を軸として前記延在部(121a)の周りに巻回された電機子巻線(16)と、前記延在部(121a)と前記電機子巻線(16)との間及び前記第1表面(11a)及び前記電機子巻線との間に介在する絶縁部材(14)と前記絶縁部材と前記第1表面との間に介在し、前記第1磁性体(11)よりも熱伝導率の低いフィルム(15)とを備える。
本発明に係る電機子コアの製造方法の第1の態様は、所定の軸(P)に平行な第1方向(D1)ついて相互に対面する第1表面(11a;11a)及び第2表面(11b;13b)と、前記第1表面及び前記第2表面を連通し、前記軸の周りで環状に配置された複数の孔(112,112+132)を形成する第3表面(11c;11c+13c)と、を有する第1磁性体(11;11+13)と、各々が、前記軸に対して垂直な第2方向(D2)に積層されたN個の磁性板(121)を有し、前記複数の前記孔にそれぞれ嵌挿される複数の第2磁性体(12)とを備えた電機子コアを製造する方法であって、(a)前記複数の第2磁性体をそれぞれ対応する前記孔に嵌挿するステップ(S11;S22)と、(b)前記第2方向で隣り合う第k及び第(k+1)(但し、kは1からN−1の自然数)の前記磁性板の境界面(122)の縁と、前記第3表面とが相互に近接し、且つ前記第1表面及び第2表面の少なくとも何れか一方の側で露出した少なくとも一つの第kの箇所(40,42)にて、前記第k及び前記第(k+1)の前記磁性板と、前記第1磁性体とを相互に溶接するステップ(S12,S23)とを実行する。
本発明に係る電機子コアの製造方法の第2の態様は、第1の態様に係る電機子コアの製造方法であって、前記孔(112)は前記軸(P)の周りで等間隔に配置され、前記ステップ(b)にて、前記複数の第2磁性体(12)の各々についての前記少なくとも一つの第kの箇所を同時に溶接する。
本発明に係る電機子コアの製造方法の第3の態様は、第1の態様に係る電機子コアの製造方法であって、前記孔(112)は前記軸(P)の周りで等間隔に配置され、前記ステップ(b)にて、前記複数の第2磁性体(12)のうち、前記軸(P)の周りで相互に等間隔に位置する3つ以上の第2磁性体の各々についての前記少なくとも一つの第kの箇所を同時に溶接する。
本発明に係る電機子コアの製造方法の第4の態様は、第3の態様に係る電機子コアの製造方法であって、前記複数の第2磁性体(12)にはそれぞれ多相の電機子巻線(16)が巻回され、前記3つ以上の第2磁性体は、第1の相の電機子巻線が巻回される。
本発明に係る電機子コアの製造方法の第5の態様は、第3の態様に係る電機子コアの製造方法であって、前記複数の第2磁性体(12)にはそれぞれ多相の電機子巻線(16)が巻回され、前記電機子コアは前記第1方向において、前記電機子コアに磁極を供給する界磁子と対向して配置され、前記ステップ(b)にて、前記複数の第2の磁性体のうち、前記極数の数と同じ個数または前記極数の対の数と同じ個数の第2磁性体とを同時に溶接する。
本発明に係る電機子の製造方法の第1の態様は、前記電機子コアにおいて前記複数の第2磁性体(12)の各々は、前記第1表面(11a)側の前記孔(112)から前記第1方向(D1)に沿って前記第2表面(11b)とは反対側に延在する延在部(121a)を備え、前記N個の磁性板(121)の各々は、前記第1表面(11a)側において、前記第1方向(D1)及び前記第2方向(D2)に垂直な第3方向(D3)についての一端(121c)を有し、第1乃至第5の何れか一つの態様に係る電機子コアの製造方法を実行するステップと、(c)前記ステップ(a)に先立って、前記第1方向(D1)を軸として前記延在部の周りに電機子巻線(16)を前記一端を超えることなく巻回するステップとを実行し、前記ステップ(b)にて、前記少なくとも一つの第kの箇所は前記一端に位置する。
本発明に係る電機子の製造方法の第2の態様は、前記複数の第2磁性体(12)の各々が、前記第1表面(11a)側の前記孔(112)から前記第1方向(D1)に沿って前記第2表面(11b)とは反対側に延在する延在部(121a)を有する、前記電機子コアと、前記第1方向(D1)を軸として前記延在部(121a)の周りに巻回された電機子巻線(16)と、前記延在部(121a)と前記電機子巻線との間及び前記第1表面(11a)及び前記電機子巻線との間に介在する絶縁部材(14)とを備え、前記延在部と前記電機子巻線の間に位置する前記絶縁部材の前記幅は、前記第1磁性体と前記電機子巻線との間に位置する前記絶縁部材の幅よりも狭い電機子の製造方法であって、第1乃至第6の何れか一つの態様に係る電機子コアの製造方法を実行するステップと、(c)前記ステップ(a)に先立って、前記絶縁部材を前記延在部に取り付けて、前記電機子巻線を巻回するステップとを実行する。
本発明に係る電機子の製造方法の第3の態様は、前記複数の第2磁性体(12)の各々が、前記第1表面(11a)側の前記孔(112)から前記第1方向(D1)に沿って前記第2表面(11b)とは反対側に延在する延在部(121a)を有する、前記電機子コアと、前記延在部(121a)と前記電機子巻線(16)との間及び前記第1表面(11a)及び前記電機子巻線との間に介在する絶縁部材(14)と、前記絶縁部材と前記第1表面との間に介在し、前記第1磁性体(11)よりも熱伝導率の低いフィルム(15)とを備えた電機子の製造方法であって、第1乃至第5の何れか一つの態様に係る電機子コアの製造方法を実行するステップと、(c)前記ステップ(a)に先立って、前記フィルム及び前記絶縁部材を前記延在部に取り付けて、前記電機子巻線を巻回するステップとを実行する。
本発明に係る電機子コアの第1の態様によれば、隣接する第k及び第(k+1)の磁性板同士の相互間の固定と、第1磁性体と第2磁性体との相互間の固定とを一つの溶接で実現できる。よって第1磁性体をヨークとし、第2磁性体をティースとするアキシャルギャップ形モータ用の電機子コアを、溶接の工数を削減して実現することができる。
本発明に係る電機子コアの第2の態様によれば、第1方向を軸として延在部の周りで電機子巻線を巻回することで電機子を実現できる。
本発明に係る電機子コアの第3の態様によれば、第2磁性体に電機子巻線を巻回した後で、当該第2磁性体を孔に嵌挿し、その後、第2磁性体と第1磁性体とを溶接によって固定できる。また第1表面側で溶接する場合に比べて磁束密度が低い部分で溶接を行うため、溶接による第1磁性体及び第2磁性体の磁気特性の低下の電機子としての特性への影響が少なくて済む。
本発明に係る電機子コアの第4の態様によれば、第2磁性体を孔に嵌挿し、第2磁性体と第1磁性体とを溶接によって固定した後で電機子巻線を巻回することで電機子を実現できる。
本発明に係る電機子コアの第5の態様によれば、N個の磁性板同士が一端側で相互に溶接されているので磁性体板同士の固定を強固にできる。また一般的に溶接される箇所は、隣接する表面に対して盛り上がる場合がある。本請求項2にかかる電機子コアによれば、第1磁性体とは反対側に開口する凹部で溶接がなされているので、溶接による盛り上がりが、一端に対して前記第1磁性体とは反対側に突出する量を抑制、あるいは回避できる。よって、例えば、第1方向について、第2磁性体に対して第1磁性体と反対側で電機子コアと対向する界磁子を設けた場合、当該界磁子と第2磁性体との間の間隙が、溶接の盛り上がりによって低減されることを抑制できる。
本発明に係る電機子コアの第6及び第7の態様によれば、N個の磁性板同士の固定を強固にできる。
本発明に係る電機子コアの第8の態様によれば、第1表面及び第2表面を形成する二つの第2磁性板がそれぞれ溶接によって第k及び第(k+1)の磁性板と固定されるので、第1表面と第2表面との間に介在する複数の第2磁性板同士の間をも固定できる。
本発明に係る電機子コアの第9の態様によれば、第1方向において延在部が第1表面と接しており、第2表面を形成する第2磁性板と第k及び第(k+1)の磁性板とが第kの箇所で溶接されている。よって、第1表面と第2表面の間に介在する複数の第2磁性板同士の相互間を、延在部と溶接箇所で挟んで固定できる。
本発明に係る電機子コアの第10の態様によれば、スリットが磁気抵抗として機能するので、第1磁性体と第2磁性体との間を流れる磁束のうち、第kの箇所を通る磁束を低減できる。よって溶接された箇所に磁束が通りにくく、電機子としての磁気特性の劣化を低減できる。
本発明に係る電機子コアの第11の態様によれば、凹部が磁気抵抗として機能するので、第1磁性体と第2磁性体との間を流れる磁束のうち、第kの箇所を通る磁束を低減できる。よって溶接された箇所に磁束が通りにくく、電機子としての磁気特性の劣化を低減できる。
本発明に係る電機子コアの第12の態様によれば、第2凹部の位置を第1磁性体に対する第2磁性体の位置決めの基準として採用できる。
本発明に係る電機子コアの第13の態様によれば、第2凹部を第1磁性体に対する第2磁性体の位置決めの基準として採用できる。また通常、第2磁性体から第1磁性体へと流れる磁束は、周方向において隣り合う第2磁性体へと向かう。本請求項14に記載の電機子コアによれば、周方向における第2磁性体の中央に位置する凹部に第kの箇所があり、凹部では磁気抵抗が高まるので、第kの箇所を通る磁束を低減できる。よって溶接された箇所に磁束が通りにくく、電機子としての磁気特性の劣化を低減できる。
本発明に係る電機子コアの第14の態様によれば、第2孔部の位置を第1磁性体に対する第2磁性体の位置決めの基準として採用できる。また周方向における第2磁性体の中央に位置する突部に第kの箇所があるので、第kの箇所を通る磁束を低減できる。
本発明に係る電機子コアの第15の態様によれば、第1方向に延在する第1凹部と第2凹部が嵌合されるので、第kの箇所で第1磁性体と第2磁性体とを溶接するに際して、第3方向で第1磁性体及び第2磁性体が変形することを抑制できる。
本発明に係る電機子コアの第16の態様によれば、軸を中心とした周方向に沿って第1磁性体の内部を流れる磁束に起因して、第1磁性体に生じる渦電流を低減できる。
本発明に係る電機子コアの第17、第21及び第24の態様によれば、電機子コアの強度を向上できる。
本発明に係る電機子コアの第18の態様及び第22の態様によれば、磁束は補強板を避けてバックヨークを流れる。よって補強板として、渦電流の低減処理が施されていない金属を採用することができる。
本発明に係る電機子コアの第19の態様によれば、補強板とティースとが溶接されるのでバックヨークとして溶接困難な圧粉鉄心を採用しても、ティースと第1磁性体との間の溶接固定という観点で問題が生じない。
本発明に係る電機子コアの第20の態様によれば、第2磁性体から第1磁性体へと流れる磁束は、周方向において隣り合う第2磁性体へと向かう。周方向におけるバックヨーク挿入部の幅が広いので、磁束はバックヨークを周方向に流れやすく、補強板には流れにくい。よって補強板における渦電流は発生しにくく、従って補強板の材料選択に自由度が増し、例えば厚い鋼板を採用することもできる。
本発明に係る電機子コアの第23の態様によれば、第1磁性体と、補強板と材料を共通化できる。
本発明に係る電機子コアの第25の態様によれば、第1磁性体に補強板を取り付けた後に、第kの箇所で溶接を行うことができる。
本発明に係る電機子コアの第26の態様によれば、第kの箇所での溶接による盛り上がりによって第1磁性体と補強板との間に間隙が生じるのを防止できる。
本発明に係る電機子コアの第27の態様によれば、第2磁性体から補強板へと流れる磁束を抑制できる。
本発明に係る電機子コアの第28及び第29の態様によれば、第24の態様係る電機子コアを実現できる。
本発明に係る電機子コアの第30及び第31の態様によれば、第1磁性体と補強板とを相互に固定できる。
本発明に係る電機子コアの第32の態様によれば、第1磁性体内を流れる磁束は周方向に磁束が流れやすいので、周方向における磁気抵抗が低減される。
本発明に係る電機子コアの第33の態様によれば、第1方向において第2磁性体と対向する位置に界磁磁石を配置した場合に、軸を中心とした径方向における界磁磁石の幅を、前記第2磁性体の幅よりも大きくしたとしても、磁性板の境界が径方向に沿っているので、界磁磁石からの磁束の流れをなめらかにできる。
本発明に係る電機子コアの第34の態様によれば、N個の磁性板が同一の形状を有しているので、製造を容易にできる。また溶接箇所や電機子巻線と第2磁性体との間のクリアランスも適切に設定し易い。
本発明に係る電機子コアの第35の態様によれば、各々に電機子巻線を巻回しやすい。また第2磁性体を、幅の狭い方を軸側に配置することで、あるいは幅の狭い方、幅の広い方を周方向で交互に配置することで、電機子巻線を捲き回したときに、デッドスペースが小さく、より小さい径で周方向に配置できる。
本発明に係る電機子コアの第36の態様によれば、第1磁性体の埋め込み部のうち、溶接される辺が、積層方向に一直線となるため、段差がなく、第k及び第(k+1)の磁性体が第2方向で接する境界の縁と、孔を形成する第3表面との間の距離を小さくできるので、第kの箇所での溶接を容易にできる。
本発明に係る電機子コアの第37乃至第40の態様によれば、第2磁性板同士を相互に固定できる。
本発明に係る電機子コアの第41の態様によれば、隣り合う第k及び第(k+1)の箇所における溶接が重ならないので、第j及び第(k+1)の箇所が属する第(k+1)の磁性板の歪みを抑制できる。
本発明に係る電機子コアの第42の態様によれば、第3方向における一方の側で隣り合う第k及び第(k+2)の箇所における溶接が重ならないので、第k及び第(k+2)の箇所の間に位置する第(k+1)及び第(k+2)の磁性板の歪みを抑制できる。また第1磁性体には電機子巻線によって第1方向に沿って磁束が流れる。隣り合う第k及び第(k+1)の磁性板の各々は、第3の方向において一方の側のみで接合されるので、当該磁束によって生じる第1方向の周りを溶接部を介して流れる渦電流を低減できる。
本発明に係る電機子コアの第43の態様によれば、溶接径を小さくできる。
本発明に係る電機子の第1の態様によれば、第2磁性体に電機子巻線を巻回した後であっても、磁性板同士の間と第1磁性体とを溶接できる。
本発明に係る電機子の第2及び第3の態様によれば、第kの箇所による溶接熱が電機子巻線へと伝わりにくい。
本発明に係る電機子コアの製造方法の第1の態様によれば、隣接する第k及び第(k+1)の磁性板同士の相互間の固定と、第1磁性体と第2磁性体との相互間の固定とを一つの溶接で実現できるので、溶接の工数を削減することができる。
本発明に係る電機子コアの製造方法の第2の態様によれば、溶接される部材同士は溶接によって互いに近づく力が働くが、等間隔で配置された孔と、第2磁性体とを同時に溶接するので、第1磁性体が変形するのを抑制できる。
本発明に係る電機子コアの製造方法の第3の態様によれば、相互に等間隔に位置する第2磁性体を同時に溶接するので、第1磁性体が変形するのを抑制できる。
本発明に係る電機子コアの製造方法の第4の態様によれば、相毎に第2磁性体を第1磁性体に固定できる。
本発明に係る電機子コアの製造方法の第5の態様によれば、界磁子が供給する磁極の数に基づいて、第1磁性体と第2磁性体とを溶接できる。
本発明に係る電機子の製造方法の第1の態様によれば、電機子巻線を巻回した後に第2磁性体を孔に嵌挿するので、電機子巻線を巻回しやすい。
本発明に係る電機子の製造方法の第2及び第3の態様によれば、第kの箇所による溶接熱が電機子巻線へと伝わりにくい。
第1の実施の形態に係る電機子の一例の概念的な構成を示す分解斜視図である。 図1に示す電機子において、一のティースを通る位置での周方向における概念的な断面図である。 一のティースの一例を示す概念的な構成図である。 一のティースが有する磁性板同士の境界面を含む断面での、電機子の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図1に示す電機子の、回転軸方向に沿って見たバックヨーク11の平面図である。 図4に示す断面と同じ位置での、第1の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図4に示す断面と同じ位置での、第1の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図4に示す断面と同じ位置での、第1の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図4乃至図7に示す電機子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図8に示す電機子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 一のティースの他の一例を示す概念的な構成図である。 図1に示す電機子の、回転軸方向に沿って見たバックヨーク11の平面図である。 図4に示す断面と同じ位置での、第2の実施の形態に係る電機子の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図4に示す断面と同じ位置での、第3の実施の形態に係る電機子の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図4に示す断面と同じ位置での、第3の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 一のティースを通る位置での周方向における断面において、第4の実施の形態に係る電機子の一例の概念的な構成を示す図である。 図16に示す断面と同じ位置での、第4の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図16に示す断面と同じ位置での、第4の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図16に示す断面と同じ位置での、第4の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図16に示す断面と同じ位置での、第4の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図4に示す断面と同じ位置での、第5実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図4に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図22に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図23に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図22に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図25に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図26に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 図27に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。 第7の実施の形態に係る一のティースの一例を示す概念的な構成図である。 第7の実施の形態に係る電機子の一例を示す概念的な構成を示す分解斜視図である。 第7の実施の形態に係る一のティースの他の一例を示す概念的な構成図である。 図5に示す平面と同じ位置での、第8の実施の形態に係る電機子の一例を示す平面図である。 図4に示す断面と同じ位置での、第9の実施の形態に係る電機子の一例を示す概念的な断面図である。 図33に示す電機子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図4に示す断面と同じ位置での、第9の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。 第10の実施の形態に係る電機子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 一のティースのうち、バックヨークから延在する部分およびバックヨークに嵌挿される部分の、回転軸に垂直な断面を示す図である。 一のティースのうち、バックヨークから延在する部分およびバックヨークに嵌挿される部分及び補強板に嵌挿される部分の、回転軸に垂直な断面を示す図である。 一のティースのうち、バックヨークから延在する部分およびバックヨークに嵌挿される部分及び補強板に嵌挿される部分の、回転軸に垂直な断面を示す図である。 一のティースのうち、バックヨークから延在する部分およびバックヨークに嵌挿される部分及び補強板に嵌挿される部分の、回転軸に垂直な断面を示す図である。 一のティースのうち、バックヨークから延在する部分およびバックヨークに嵌挿される部分及び補強板に嵌挿される部分の、回転軸に垂直な断面を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の電機子コアについて図を参照して説明する。なお、同一符号は同一又は相当する部分を示し、重畳する説明については省略する。
第1の実施の形態.
図1は第1の実施の形態に係る電機子コアの一例を有する電機子を示す概念的な分解斜視図である。本電機子は、電機子コア1と、複数の電機子巻線16とを備えている。電機子コア1はバックヨーク11と、複数のティース12とを備えている。なお、図1ではバックヨーク11とティース12と電機子巻線16とが回転軸Pに沿った方向(以下、回転軸方向D1と呼称する)において分離して示されている。なお、本願で特に断らない限り、電機子巻線は、これを構成する導線の一本一本を指すのではなく、導線が一纏まりに巻回された態様を指す。これは図面においても同様である。また、巻き始め及び巻き終わりの引き出し線、及びそれらの結線も図面においては省略した。
図2は、図1に示す電機子において、一のティース12を通る位置での、回転軸Pを中心とした周方向(以下、単に周方向と呼称する)における概念的な断面図である。図2においては、バックヨーク11と一のティース12と一の電機子巻線16とが回転軸方向D1に沿って分離されて示されていない。また、図において、便宜上、バックヨーク11を構成する鋼板1枚1枚の厚みを大きく示している。その積層数は、簡略化されて5枚となっているが、実際は、より薄い鋼板をより多く積層している。他の図においても同様である。
バックヨーク11は表面11a,11bと、複数の孔112とを有している。表面11a,11bは回転軸方向D1について相互に対面している。複数の孔112の各々は表面11a,11bを回転軸方向D1に沿って貫通し、回転軸Pの周りで環状に配置されている。なお、孔112を形成する表面を表面11cと呼ぶ。
またバックヨーク11は例えば回転軸方向D1に沿って積層された平板状の磁性板111の複数を有している。複数の磁性板111は、例えば積層鋼板であって、積層された状態で表面11a,11b,11cを形成する。なお、バックヨーク11は必ずしも複数の磁性板111を有している必要はない。他の実施の形態においても同様である。但し、複数の磁性板111を有している場合であれば、バックヨーク11の内部を周方向に流れる磁束によって生じる渦電流が、複数の磁性板111の境界を横切るので、渦電流を低減できる。
また複数の磁性板111の各々は例えば回転軸方向D1で凹凸を有し、当該凹凸が回転軸方向D1で係合されていてもよい。このような係合はいわゆるカラマセと呼ばれている。これによって、磁性板111同士を固定できる。
また、磁性板111同士の相互間に介在し、磁性板111の相互間を固着する樹脂を設けても良い。例えば、磁性板111を積層した状態で、バックヨーク11をコーティング液に浸けることで、コーティング液を磁性板111同士の相互間に含浸させる。そして、このコーティング液を固化させることで、磁性板111同士の間にコーティング膜を介在させてもよい。また磁性板111の相互間に接着剤を塗布して、これを硬化させてもよい。
また、表面11a,11bを連結し、回転軸Pを中心とした環状の側面において、磁性板111同士を溶接して固定しても良い。
また、バックヨーク11を回転軸方向D1に沿って貫通する貫通孔を設け、当該貫通孔にカシメピン又はカシメボルトを挿入して磁性板111同士を固定してもよい。
もちろん、カラマセ、樹脂、溶接、カシメピン、カシメボルトを任意に組み合わせても良い。
複数の孔112にはそれぞれティース12が嵌挿される。バックヨーク11は複数のティース12を磁気的に連結する。
図3は図1に示す電機子のうち一のティース12の一例を示す概念的な斜視図である。また積層された二つの磁性板121をも拡大して示している。ティース12は回転軸方向D1に垂直な積層方向D2に沿って積層された複数の磁性板121を有している。複数の磁性板121は例えば積層鋼板である。なお、他の実施の形態を含む以下の説明では、積層方向D2として例えば回転軸Pを中心とした径方向(以下、単に径方向と呼称する)を採用して説明するが、特に断らない限り積層方向D2として周方向を採用しても良い。磁性板121の積層方向の個別の態様については別の実施の形態で述べる。
複数の磁性板121は、延在部121aと、挿入部121bとを備えている。延在部121aは回転軸方向D1に沿って、表面11a側の孔112から表面11bとは反対側に延在する。挿入部121bは回転軸方向D1に沿って延在部121aから延在し、孔112に嵌挿される。
図1,2を参照して、電機子巻線16は絶縁物(図示せず)を介して、回転軸方向D1を軸としてティース12の周りで巻回される。より具体的には、磁性板121が積層された状態で延在部121aに巻回されている。これによって、電機子を実現できる。
このような構成の電機子において、バックヨーク11と、磁性体121の相互間とは、積層方向D2において隣り合う二つの磁性板121の境界面122(図3も参照)の縁と、表面11cとが近接し、且つ表面11a,11bの少なくとも一方の側で露出した箇所で相互に溶接されている。以下、図4,5を参照して具体的な一例について説明する。
図4は、図1に示す電機子について、一のティース12のうち、隣り合う二つの磁性板121同士の境界面122を含む断面での概念的な構成を示している。図5は、図1に示す電機子の、回転軸方向D1に沿って見た表面11b側の平面図である。但し、図4,5においては、回転軸方向D1についてバックヨーク11、ティース12、電機子巻線16が分離されて示されていない。また、図5において、隣り合う二つの磁性体121の境界面122の一つを太線で示している。
バックヨーク11と磁性板121の相互間とは、境界面122の縁と表面11cとが近接し、且つ表面11b側で露出した箇所40にて、相互に溶接されている。より具体的に説明する。境界面122のうち、孔112から外部へと回転軸方向D1に沿って延在した部分を延在部122a、孔112に嵌挿された部分を挿入部122bと呼ぶ。回転軸方向D1及び積層方向D2に垂直な方向D3(積層方向D2を径方向に採ると方向D3は周方向に相当)において端に位置する挿入部122bの縁(換言すれば表面11c側の縁)のうち表面11b側の端と、表面11b,11cの境界とを含む箇所40にて、バックヨーク11と磁性板121の相互間とが溶接されている。
このような溶接は任意の溶接方法によって実現され、例えばガス溶接、アーク溶接、エレクトロスラグ溶接、電子ビーム溶接、レーザ溶接、抵抗溶接、鍛接・摩擦圧接・爆発圧接、ろう付け・はんだ付けなどによって実現される。特にレーザ溶接であれば、入熱量が少なく、また溶接の盛り上がりや溶接径が小さいので好適である。またプラズマアーク溶接であれば精密な溶接を実現できるので好適である。
バックヨーク11と磁性板121の相互間とは箇所40で溶接されているので、磁性板121同士の固定と、バックヨーク11とティース12との固定とを、箇所40における溶接によって実現できる。従って、溶接の工数を削減して電機子コアを製造することができる。
図6は、図4に示す断面と同じ位置での電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。図4に示す電機子に比して、ティース12が孔112を貫通していない。このような場合であっても、境界面122の縁と表面11cとが近接し、且つ表面11b側で露出した箇所40にて、バックヨーク11と磁性板121の相互間とが溶接される。より具体的には、方向D3において端に位置する挿入部122bの縁のうち表面11b側の端と、表面11cとが近接する箇所40にて溶接される。
図7は図4に示す断面と同じ位置での電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。図4に示す電機子に比して、ティース12は孔112を貫通していない。また、回転軸方向D1においてバックヨーク11側に位置するティース12の端面の一部は、バックヨーク11と回転軸方向D1で接している。当該端面の他の一部は孔112を介して表面11b側で露出している。
言い換えると、孔112は孔112a,112bを有していると把握できる。孔112aは表面11aからティース12が嵌挿される部分である。そして孔112aの底部がティース12の端面の一部と回転軸方向D1で接する。孔112bは表面11bから孔112aへと繋がり、ティース12の端面の他の一部を表面11b側で部分的に露出させている。なお、孔112bにはティース12が嵌挿されていない。なお、孔112bは、例えばティース12の側面の辺の周りに設けられた長孔であって、予め打ち抜かれていても良いが、予め打ち抜かれない場合、レーザ溶接により、バックヨーク11を表面11bから溶かしながらティース12にまで到達して溶接することもできる。
バックヨーク11と磁性板121の相互間とは、境界面122の縁と表面11cとが近接し、且つ表面11b側で露出した箇所40で溶接されている。より具体的には、方向D3において端に位置する挿入部122bの縁のうち表面11b側の端と、孔112aを形成する表面11cのうち表面11b側の端とを含む箇所40にて、バックヨーク11と磁性板121との相互間とが溶接される。若しくは、回転軸方向D1において端に位置する挿入部122bの縁と、孔112bを形成する表面11cとの境界たる箇所40にて、バックヨーク11と磁性板121の相互間とが溶接される。
図7に示す電機子であれば、ティース12の端面がバックヨーク11と回転軸方向D1で接するので、バックヨーク11に対するティース12の回転軸方向D1の位置決め精度を向上できる。
図8は図4に示す断面と同じ位置での電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。バックヨーク11と磁性板121の相互間とは、境界面122の縁と表面11cとが近接し、電機子コア1単体で見たときに表面11a側で露出した箇所42にて相互に溶接される。より具体的には、方向D3において端に位置する挿入部122bの縁(換言すれば挿入部122bの表面11c側の縁)のうち、表面11a側の端と、表面11a,11cの境界とを含む箇所42にて溶接される。
図4〜8に示す何れの電機子においても、磁性板121の相互間とバックヨーク11とが箇所40若しくは箇所42における溶接で実現できる。
図9は図8に示す電機子を製造する手順を示すフローチャートである。まずステップS11にて、磁性板121が積層された状態でティース12を孔112に嵌挿する。この際に、磁性板121同士を仮止めしてからティース12を孔112に嵌挿することが望ましい。次にステップS12にて、バックヨーク11と磁性板121の相互間とを箇所42にて溶接する。次にステップS13にて、ティース12に絶縁物(図示せず)を取り付けて電機子巻線16を巻回する。このような手順を経て、図8に示す電機子を製造することができる。この明細書で「巻回する」とは、予め巻回された電機子巻線16をティース12に嵌挿する処理も含む。かかる処理を実行する場合には挿入部122bとは反対側の延在部122aの端部が庇を呈しないことが望ましい。
また図4〜7に示すように、ティース12に電機巻線13が巻回された状態で溶接箇所40が露出している場合であれば、図10に示すフローチャートを経て電機子を製造できる。まず、ステップS21にて、絶縁体(図示せず)が取り付けられたティース12に電機子巻線16を巻回する。この際、磁性板121同士を仮止めしてから電機子巻線16を巻回することが望ましい。次に、ステップS22にて、電機子巻線16が巻回されたティース12をバックヨーク11の孔112に嵌挿する。次に、ステップS23にて、バックヨーク11と磁性板121の相互間とを箇所40にて相互に溶接する。
このような手順によれば、ティース12が孔112に嵌挿されない状態で、ティース12に電機子巻線16を巻回できるので、電機子巻線16をティース12に巻回しやすい。
図11は図1に示す電機子のうち一のティース12の他の一例を示す概念的な斜視図である。なお、隣り合う二つの磁性板121をも拡大して示している。図3に示すティース12と比較して、方向D3におけるティース12の両端が段差を呈せずに径方向に沿った直線を呈している。
図12は図5に示す平面と同じ位置での、図11に示すティース12を用いた電機子の一例を示す概念的な平面図である。方向D3における孔112の両端は径方向に沿った直線を呈している。そして孔112の両端とティース12の両端が同じ方向の直線を呈し、これらが接している。よって、方向D3においてバックヨーク11とティース12との間の隙間を低減でき、ひいては溶接を容易にできる。
なお、後述する説明(他の実施の形態を含む)において、その両端で径方向に沿った直線を有したティース12を採用して説明するが、図3に示したように、その両端で階段状の段差を有するティース12であっても構わない。また、図3に示すティース12を採用し、孔112の方向D3における両端を、ティース12の両端の段差に沿った形状としてもよい。この場合、ティース12とバックヨーク11との間の間隙を低減できるので、溶接を容易にできる。
第2の実施の形態.
第2の実施の形態に係る電機子は、磁性板121の相互間の固定を強固にすることを目的とする。
第2の実施の形態に係る電機子の概念的な構成は図1と同一である。図13は、図4に示す断面と同じ位置における第2の実施の形態に係る電機子の一例を示す断面図である。
磁性板121の各々は、一端12aと凹部123とを有している。一端12aは、回転軸方向D1においてバックヨーク11とは反対側に位置する端面である。言い換えると延在部122aは回転軸方向D1について表面11aとは反対側に一端12aを有している。凹部123は、当該一端12aにおいてバックヨーク11とは反対側に開口している。そして、複数の磁性板121同士が当該凹部123における箇所41にて相互に溶接されている。
これによって、磁性板121の相互間の固定を強固にできる。また、一般的に溶接される箇所は、隣接する表面に対して盛り上がる場合がある。図13に示す態様によれば、溶接による盛り上がりが、一端12aに対してバックヨーク11とは反対側に突出する量を抑制、あるいは回避できる。よって、例えば、回転軸方向D1について、ティース12に対してバックヨーク11と反対側で電機子と対向する界磁子を設けた場合、当該界磁子とティース12との間の間隙が、溶接の盛り上がりによって低減されることを抑制、あるいは回避できる。
なお、磁性板121同士の相互間の固定を強固にするという観点では、図13に示す態様に限らない。例えば磁性板121の各々に、前述のカラマセを設けてもよい。この場合であっても、磁性板121の相互間の固定を強固にできる。
また、磁性板121同士の相互間に介在し、磁性板121の相互間を固着する樹脂を設けても良い。例えば、磁性板121を積層した状態で、ティース12をコーティング液に浸けることで、コーティング液を磁性板121同士の相互間に含浸させる。そして、コーティング液を固化させることで、磁性板121同士の間にコーティング膜を介在させるとよい。また磁性板121の相互間に接着剤を塗布して、これを硬化させてもよい。
このような場合、磁性板121の相互間が樹脂によって固着されるので、磁性板121の相互間の固定を更に強固にできる。
もちろん、図13を参照して説明した溶接と、カラマセと、樹脂とを任意に組み合わせても良い。
第3の実施の形態.
第3の実施の形態にかかる電機子コアは、バックヨーク11と磁性板121の相互間との溶接を利用して磁性板111の相互間の固定を実現することを目的とする。
図14は、図4に示す断面図と同じ位置での、第3の実施の形態に係る電機子の一例を示す断面図である。図14に示す電機子においては、隣り合う磁性板121の境界面122の縁と表面11cが近接し、且つ表面11b側で露出する箇所40及び表面11a側で露出する箇所42にて、磁性板121の相互間とバックヨーク11とが相互に溶接されている。箇所40は表面11bを形成する磁性板111上に位置し、箇所42は表面11aを形成する磁性板111上に位置している。
表面11aを形成する磁性板111と、表面11bを形成する磁性板111とが、それぞれティース12に溶接されているので、その間に介在する磁性板111を挟んで固定できる。この場合、第1の実施の形態で述べた磁性板111同士を固定する手段は不要である。もちろん、当該手段と併用することで磁性板111同士の固定を更に強固にできる。
またバックヨーク11と磁性板121の相互間の溶接箇所が増えるので、磁性板121の相互間の固定及びティース12とバックヨーク11との固定も強固にできる。
なお、上述した内容は図14に示す態様に限らない。例えば図8に示す電機子において、バックヨーク11とティース12の相互間とが、境界面122の縁と表面11cとが近接し、且つ表面11b側で露出した箇所においても相互に溶接されていてもよい。より具体的には、当該箇所は、方向D3において端に位置する挿入部122bの縁(換言すれば挿入部122bの表面11c側の縁)のうち、表面11b側の端と、表面11b,11cの境界とを含む箇所である。この場合であっても、表面11aを形成する磁性板111と、表面11bを形成する磁性板111とがそれぞれティース12に溶接されるので、その間の磁性板111同士を固定できる。
また、図14においては、方向D3において端に位置する複数の磁性板121の一端121cが、表面11a側において電機子巻線16に対してティース12(延在部121a)とは反対側に位置している。換言すれば一端121cは、延在部121aよりも方向D3に沿って突出している。そして、箇所42は当該一端121cに位置している。なお、図14においては、境界面122において、磁性板121の各々が有する一端121cに相当する部分として境界面122の一端122cも図示している。箇所42は当該一端122cに位置しているとも把握できる。
このような構成の電機子は、図10に示した製造方法に則って製造でき、ティース12に電機子巻線を巻回しやすい。具体的にはステップS21にて磁性板121が積層された状態での延在部121aに、電機子巻線16を、回転軸方向D1を軸として一端121cを超えることなく巻回する。これにより、ティース12に電機子巻線16が巻回された状態であっても、箇所42を露出させることができ、以て箇所42の溶接を容易にできる。
なお、上述した内容は箇所40にて溶接されたか否かに依らず、一端121c(122c)が電機子巻線16に対してティース12とは反対側に位置し、箇所40が一端121c(122c)に位置していればよい。
図15は、図4に示す断面と同じ位置での、第3の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す断面図である。方向D3における延在部121aの幅は方向D3における挿入部121bの幅よりも広い。延在部121aは回転軸方向D1において表面11aと接している。また箇所40は表面11bを形成する磁性板111に位置している。よって表面11a,11bの間に介在する磁性板111同士の相互間を、延在部12aと溶接箇所40で挟んで固定できる。この場合、第1の実施の形態で述べた磁性板111同士を固定する手段は不要である。もちろん、当該手段と併用することで磁性板111同士の固定を更に強固にできる。また、図14と同様に、箇所42においても溶接されてよい。
第4の実施の形態.
第4の実施の形態に係る電機子コアは、溶接箇所を通る磁束の流れを低減することを目的とする。
図16は、一の磁性板121を通る位置での方向D3における、第4の実施の形態に係る電機子の一例の概念的な構成を示す断面図である。磁性板121は径方向に積層されている。また複数の磁性板121の各々は、回転軸方向D1において延在部121aとは反対側で、自身を積層方向D2(径方向)に貫通するスリット124を有している。スリット124は例えば方向D3(周方向)を長手方向とする長尺形状を有している。
また箇所40は、回転軸方向D1において延在部121aとは反対側の磁性板121の一端121dに位置している。より具体的な一例として、箇所40は方向D3において端に位置する境界面122の縁のうち、表面11b側の端と、表面11b,11cの境界とを含む箇所である。
磁束はティース12(磁性板121)の内部を回転軸方向D1に沿って流れ、続けてバックヨーク11の内部を周方向(方向D3)に沿って流れる。図16に示す電機子においては、スリット124は磁気抵抗として機能し、箇所40に対して延在部121a側に設けられている。従って、ティース12とバックヨーク11とを通る磁束のうち、箇所40を通る磁束を低減できる。よって、溶接された箇所40を磁束が通りにくく、電機子としての磁気特性の劣化を低減できる。
また、スリット124は例えば円弧部が表面11a側に位置する半月状の形状を有していても良い。この場合であれば、スリット123は、ティース12を流れる磁束を周方向へと滑らかに導くことが容易になる。
図17は、図16に示す断面と同じ位置での、第4の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。図16に示す電機子と比較して、複数の磁性板121の各々は凹部125を有している。スリット124は設けられていないが、スリット124が設けられていても良い。なお、複数の磁性板121は周方向に積層されてもよく、径方向に積層されていてもよい。図17は磁性板121が径方向に積層されている場合について示している。図18は、磁性板121が周方向に積層されている場合の電機子の概念的な構成を示す。図18においては、複数の磁性板121が周方向に積層された態様が例示されている。つまり積層方向D2が周方向と一致している。
図17,18の何れに示す電機子においても、凹部125は回転軸方向D1において延在部121aとは反対側に位置し、方向D3についてバックヨーク11側に開口している。また箇所40は回転軸方向D1において延在部121aとは反対側の磁性板121の一端121dに位置している。延在部121aと凹部125と箇所40とは回転軸方向D1でこの順に並んでいる。
凹部125が磁気抵抗として機能し、箇所40に対して延在部121a側に設けられているので、ティース12とバックヨーク11とを通る磁束のうち、箇所40を通る磁束を低減できる。よって、溶接された箇所40を磁束が通りにくく、電機子としての磁気特性の劣化を低減できる。
また孔112は凹部125と嵌合する凹部113を有している。このような嵌合は、例えば孔112を径方向に開口させ、ティース12を径方向に沿って孔112に挿入することで実現される。凹部125と凹部113とが嵌合するので、凹部113の位置をバックヨーク11に対するティース12の位置決めの基準として採用できる。孔112における凹部113は磁性板111の突起により実現される。
図19は、図16に示す断面と同じ位置での、第4の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。図16に示す電機子と比較して、複数の磁性板121の各々は凹部126を有している。スリット124は設けられていないが、スリット124が設けられていても良い。なお、複数の磁性板121は径方向に積層されている。
凹部126は、回転軸方向D1において延在部121aとは反対側の磁性板121の一端121dに設けられ、周方向における磁性板121の中央で延在部121aとは反対側に開口している。
孔112は凹部126と嵌合する凹部114を有している。そして、一端121dのうち周方向における凹部126の両側は孔112を介して表面11b側で露出している。
箇所40は、凹部126,114の境界に位置している。より具体的には、凹部126と凹部114の境界のうち表面11b側の端に位置している。孔112における凹部114は磁性板111の突起により実現される。当該突起は孔112よりも外周側若しくは内周側において、磁性板111の他の部位と連結している。
磁束は例えば一のティース12(磁性板121)の内部を回転軸方向D1に沿って流れ、周方向において相互に反対方向に分岐して、バックヨーク11の内部を周方向に沿って流れる。箇所40は、周方向において磁性板121の中央側に位置するので、磁束が箇所40を通りにくく、以て電機子としての磁気特性の劣化を低減できる。なお、図19に示された構成は、図16に示されたスリット124が表面11b側で開口した構成と把握することもできる。また凹部114の位置をバックヨーク11に対するティース12の位置決めの基準として採用することができる。
図20は、図16に示す断面と同じ位置での、第4の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。図16に示す電機子と比較して、複数の磁性板121の各々は突部127有している。スリット124は設けられていないが、スリット124が設けられていても良い。なお、複数の磁性板121は径方向に積層されている。
突部127は回転軸方向D1において延在部121aとは反対側の磁性板121の一端121dに設けられている。また、周方向における磁性板121の中央で延在部121aとは反対側に突出している。
孔112は当該突部126が嵌挿される。
箇所40は突部126に位置する。より具体的には、箇所40は例えば回転軸方向D1における突部126の端と、表面11b,11cの境界とを含む箇所である。箇所40は、周方向において磁性板121の中央側に位置するので、磁束が箇所40を通りにくく、以て電機子としての磁気特性の劣化を低減できる。なお、図20に示された構成は、図17に示された凹部125が表面11b側にも開口した構成と把握することもできる。また、突部126が嵌挿される孔112の位置をバックヨーク11に対するティース12の位置決めの基準として採用できる。
第5の実施の形態.
第5の実施の形態に係る電機子コアは、溶接に起因する磁性板121とバックヨーク11の変形を抑制することを目的とする。
図21は、図4に示す断面と同じ位置での、第5の実施の形態に係る電機子の一例を示す概念的な断面図である。
孔112は孔112a,112b,凹部112cを備えている。孔112aは表面11aから回転軸方向D1に沿って延在している。孔112bは孔112aから回転軸方向D1に沿って延在して表面11bへと至り、方向D3における孔112aの幅よりも小さい幅を有している。凹部112cは孔112a,112bの境界において、回転軸方向D1について表面11b側に開口している。より具体的には、例えば、孔112aを形成する表面11cと、孔112bを形成する表面11cとを繋ぐ表面11c上に、凹部112cが形成されている。
複数の磁性板121の各々は挿入部121e,121fと、凹部121gを備えている。挿入部121eは孔112aに嵌挿される。挿入部121fは孔112bに嵌挿される。凹部121gは凹部112cと嵌合される。凹部121gは、ティース12の打ち抜きにより、角部は完全な角部とはならず、アールがつくが、そのアールを逃げるために設けられている(凹部121gにバックヨーク11の凸部がはまるわけではなくバックヨーク11のエッジは角がないため、凹部121gの角部にアールがつくとティース12が浮いてしまう)。
バックヨーク11と磁性板121の相互間とは、方向D3において端に位置する挿入部121fの縁(換言すれば挿入部121fの表面11c側の縁)のうち表面11b側の端と、表面11b,11cの境界を含む箇所である箇所40にて溶接される。言い換えると、箇所40は挿入部121fと孔121bの境界に位置すると把握できる。
回転軸方向D1について表面11b側に開口した凹部121gと凹部112cとが相互に嵌合されているので、箇所40にて溶接を行うに際して、回転軸方向D2に垂直な方向でのバックヨーク11及び磁性板121の変形を抑制できる。
第6の実施の形態.
第6の実施の形態に係る電機子は、補強板が設けられた場合の電機子である。
図22は、図4に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の一例を示す概念的な断面図である。
電機子は補強板13を更に備えている。補強板13はバックヨーク11と別体であって、回転軸方向D1において相互に対面する表面13a,13bを有している。そして、回転軸方向D1において表面11bと表面13aとを対面させて、前記バックヨーク11に取り付けられる。バックヨーク11と補強板13とは例えば接着剤などで相互に固定される。
また補強板13は表面13a,13bを貫通する複数の孔132を備えている。複数の孔132はそれぞれ回転軸方向D1において複数の孔112と連続する。なお、孔132を形成する表面を表面13cと呼ぶ。また、バックヨーク11及び補強板13の一組は、回転軸方向D1において相互に対面する表面11a,13bと、表面11a,13bを貫通する孔112,132を備えるヨークと把握できる。当該ヨークは、補強板13が磁性体であるか否かによらず、全体として磁性体と見ることができる。補強板13が磁性体であっても、バックヨーク11が十分に厚く、磁路として作用しないのが望ましい。
補強板13が非磁性(例えばステンレス鋼)で構成されていれば、補強板13には磁束が通らない。よって、補強板13として渦電流の低減処理が施されていないものを採用しても、磁束の劣化を招かない。ここで渦電流の低減処理が施されたものとは、例えば回転軸方向D1で積層された積層鋼板や、意図的に絶縁物を含んで成形された圧粉磁心などである。
ティース12は孔112,132に嵌挿されている。
補強板13は溶接可能な材料、例えば鋼板で形成されており、補強板131と磁性板121の相互間とは箇所40で溶接される。箇所40は、積層方向D2で隣り合う磁性板121の境界面122の縁と表面13cとが近接し、且つ表面13b側で露出する位置にある。より具体的な一例について説明する。境界面122のうち補強板13に挿入される部分を挿入部122fと呼ぶ。方向D3における端に位置する挿入部122fの縁のうち回転軸方向D1における端と、表面13b,13cの境界とを含む箇所40にて溶接される。
このような場合であっても、磁性板121同士の固定と、ティース12と補強板13との固定とを同じ溶接で実現できる。また補強板13によって、電機子コア1の強度を向上できる。なお、電機子コア1の強度という観点に鑑みれば、磁性板111と補強板13の材料が同じで有れば、回転軸方向D1における補強板13の厚みは、回転軸方向D1における磁性板111の厚みよりも大きい方が好ましい。バックヨーク11は、極めて薄い鋼板を積層し、積層間の結合は、特定の箇所でのカラマセ、特定の箇所での溶接、または、接着であるので、積層間の結合強度は小さい。従って、回転軸方向D1における磁性板111の厚みよりも大きい厚みを有する補強板13により電機子の強度を確保できる。
また補強板13とティース12とが溶接固定されるので、バックヨーク11として溶接が困難な金属を採用しても構わない。例えばバックヨーク11として圧粉磁心を採用しても構わない。
図23は、図22に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。
磁性板121は径方向に積層されている。挿入部121fは、周方向における挿入部121eの中央から延在し、周方向における挿入部121eの幅よりも狭い幅を有し、孔132に嵌挿される。
そして、補強板13と磁性体121の相互間とは、境界面122の縁と、表面13cとが近接し、且つ表面13b側で露出した箇所40にて、溶接されている。より具体的には箇所40は例えば周方向において端に位置する挿入部122fの縁のうち回転軸方向D1において表面11b側に位置する端と、表面11b,11cの境界とを含む箇所である。
ティース12からバックヨーク11へと流れる磁束は、周方向において隣り合うティース12へと向かう。周方向における挿入部121eの幅が広いので、磁束はバックヨーク11を周方向に流れやすく、補強板13に磁性体を採用しても磁性板13には流れにくい。よって補強板13における渦電流は発生しにくく、従って補強板13の材料選択に自由度が増し、例えば厚い鋼板を採用することもできる。特に、ティース12との溶接を考えると、補強板13が鉄であることが望ましい。
図24は、図23に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。
方向D3における孔132の幅は、方向D3における孔112の幅よりも小さい。また表面13aには、孔112に含まれる位置で回転軸方向D1に沿って表面11a側へと突出する突部132aが設けられている。言い換えると、孔112,132の一組は、孔112と孔132の境界で、回転軸方向D1に沿って表面13b側へと開口する凹部132aを有している。凹部132は補強板13の突起により実現される。
複数の磁性板121の各々は、凹部132aと嵌合される凹部121gを備えている。具体的には挿入部121e,121fの境界に凹部121gを備えている。
このような構成の電機子であれば、回転軸方向D1について開口した凹部132aと、凹部121gとが相互に嵌合されているので、箇所40にて溶接を行うに際して、回転軸方向D2に垂直な方向での補強板13及び磁性板121の変形を抑制できる。また補強板13の突部132aは、ティース12の凹部121gに嵌合するので、補強板13の厚みが小さい場合であってもリブとして働き、強度を増す効果も有する。
図25は、図22に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。
表面13aは、磁性板121の一端121dの一部と回転軸方向D1において接している。一端121dの他の一部は、孔132を介して部分的に表面13b側に露出している。なお、孔132にはティース12が嵌挿されていない。言い換えると、ティース12は電機子巻線16が巻回される延在部121aと、バックヨーク11にのみ嵌挿される挿入部121bとを備えている。
バックヨーク11と磁性板121の相互間とは、境界面122の縁と表面11cとが近接し、表面11b(13c)側で露出した箇所40にて、溶接されている。より具体的には、回転軸方向D1において端に位置する挿入部122bの縁と、表面132を形成する表面11cの境界たる箇所40にて、補強板13と磁性板121の相互間とが溶接される。なお、バックヨーク11と補強板13の結合が強固であれば、回転軸方向D1において端に位置する挿入部122bの縁の部分のみ(図の外側)溶接してもよい。
これによって、磁性板121同士の相互間の固定、及びティース12と補強板13との固定を箇所40における溶接で実現できる。
また表面13aが磁性板121の一端121dと回転軸方向D1で接しているので、バックヨーク11に対するティース12の、回転軸方向D1における位置決め精度を向上できる。
また図25においては、孔132が表面11bと磁性板121の境界を露出させる位置に設けられた場合が例示されている。この場合であれば、方向D3において挿入部122bの縁のうち表面13b側の端と、表面11b,11cの境界とを含む箇所40においてバックヨーク11と磁性板121の相互間とが溶接されてもよい。この場合、磁性板121同士の相互間の固定、及びティース12とバックヨーク11との固定を箇所40における溶接で実現できる。
なお、図25においては、補強板13が回転軸方向D1に沿って積層された複数の磁性板131を有した場合が例示されている。補強板13は必ずしも複数の磁性板131を備えている必要はないが、これによって、バックヨーク11が有する磁性板111と材料を共通化することができる。この内容は、上述した図22〜24及び後述する図26〜28においても同様である。
図26は、図25に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。
図25に示す電機子と比較して、補強板13は孔132の替わりに孔134を備えている。孔134は表面13a側に設けられ箇所40を覆っている。なお、箇所40は方向D3において端に位置する挿入部122bの縁のうち回転軸方向D1における端と、表面11b,11cの境界とを含む箇所である。補強板13は、ティース12を孔112に嵌挿してバックヨーク11と磁性板121の相互間とを箇所40にて溶接した後に、バックヨーク11に取り付けられる。
孔134は箇所40を覆っているので、箇所40での溶接の盛り上がりによって、バックヨーク11と補強板13との間に間隙が生じることを抑制、あるいは回避できる。これによって、例えば接着剤などによるバックヨーク11と補強板13との間の固定を容易にできる。なお、孔134は、溶接部が盛り上がることを想定しての逃げとして働くが、レーザ溶接で、溶接部の盛り上がりがない場合は、孔134は不要である。
また、回転軸方向D1において、磁性板121の一端121dと、補強板13との間には間隙が設けられていてもよい。当該間隙は磁気抵抗として機能するので、ティース12から補強板13へと流れる磁束を低減できる。但し、バックヨーク11と補強板13との間の固定を容易にするという観点から、バックヨーク11と補強板13との間の間隙は小さいことが望ましい。以下、具体的な例を示して説明する。
図27は、図26に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。
図26に示す電機子と比較して、補強板13は孔134の替わりに孔135を備えている。孔135は、表面13aにおいて、回転軸方向D1でティース12と重なる領域に設けられ、表面11b側に開口している。そして、孔135によって、磁性板121の一端121dと補強板13との間に間隙を形成することができる。孔135は孔134が連通して一端121dを補強板13から離した、と把握することもできる。
図28は、図27に示す断面と同じ位置での、第6の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な断面図である。
図27に示す電機子と比較して、補強板13には孔が設けられていない。磁性板121は、一端121d側において、補強板13側に開口する凹部125を備えている。
凹部125によって磁性板121の一端121dと補強板13の間に間隙を形成することができる。
なお、箇所40での溶接の盛り上がりによって、バックヨーク11と補強部13との間の間隙が生じることを抑制するために、図25で示した孔132や図26で示した孔134を表面13aに設けても良い。
また、例えば図6に示す電機子において、表面11b側と対面してバックヨーク11に補強板13を取り付けても良い。この場合であっても、ティース12と補強板13の間には間隙を設けることができる。
以上のように、ティース12と補強板13との間に間隙が設けられている場合であれば、当該間隙が磁気抵抗として機能するので、ティース12から補強板13へ流れる磁束を低減させることができる。
なお、図27,28に示された箇所40ではなく、バックヨーク11と磁性板121の相互間とが表面11a側で溶接されていても良い。この場合であっても、補強板13へと流れる磁束を低減できる。
また、バックヨーク11と補強板13とが例えば接着剤で相互に固定されているとして説明したがこれに限らない。例えば、回転軸Pを中心とした環状の形状を呈するバックヨーク11の側面と、同じく回転軸Pを中心とした環状の形状を呈する補強板13の側面とを溶接によって固定してもよい。また例えばバックヨーク11と補強板13とを回転軸方向D1に沿って貫通する孔を設け、カシメピンやカシメボルトによって、バックヨーク11と補強板13とを相互に結合してもよい。これによって、補強板13とバックヨーク11とを固定できる。
第7の実施の形態.
第7の実施の形態については、ティース12について述べる。
図29は、第7の実施の形態に係る電機子の一例における、一のティース12についての概念的な斜視図である。
磁性板121の各々は積層方向D2から見て互いに同じ形状を有している。このような複数の磁性板121は、所定の鋼板を同じ打ち抜き部材で打ち抜いて製造できるので製造が容易である。また、方向D3において両端に位置するティース12の側面は、積層方向D2に直線を呈している。
このティース12が嵌挿される孔112は、方向D3において両端に位置する側面が積層方向D2に直線を呈する。これによって、ティース12とバックヨーク11との間のクリアランスを適切に設定しやすいので溶接を容易にできる。また電機子巻線16とティース12との間のクリアランスも適切に設定できる。
また例えば図3,11に示すように、方向D3における磁性板121の各々の幅が、積層方向D2に従って広い場合であれば、各々に電機子巻線16を巻回しやすい。またティース12を、幅の狭い方を回転軸P側に配置することで、あるいは幅の狭い方、幅の広い方を周方向で交互に配置することで、より小さい径で周方向に配置できる。
なお、ティース12とバックヨーク11との間のクリアランスを適切に設定するという観点では、必ずしも磁性板121の各々が積層方向D2から見て同じ形状を有していなくても良い。図30は、第7の実施の形態に係る電機子の他の一例を示す概念的な分解斜視図である。但し、図30においては、一つの電機子巻線16のみを示している。
ティース12のうち、孔112に挿入される部分が回転軸Pに垂直な断面で長方形状の断面を有している。言い換えると、ティース12のうち孔112に挿入される部分では、積層方向D1から見て複数の磁性板121が相互に同一形状を有している。ティース12のうち、孔112からバックヨーク11とは反対方向に延在する部分においては、方向D3における幅が、回転軸Pから遠ざかるに従って広がる。
このようなティース12であれば、電機子巻線16を巻回しやすく、またティース12とバックヨーク11との間のクリアランスを適切に設定できる。
また第1乃至第6の実施の形態においては、主に磁性板121が径方向に積層された場合について説明した。例えば図17を参照して、磁性板121が径方向に積層された場合であれば、周方向におけるティース12の磁気抵抗が低減される。よって、ティース12からバックヨーク11へと流れる磁束を妨げない。
図31は、第7の実施の形態に係る電機子の他の一例における、一のティース12についての概念的な斜視図である。
図29に示すティース12と比較して磁性板121が周方向に積層されている。これによって、回転軸方向D1においてティース12に対向する位置に界磁磁石を配置した場合に、径方向における界磁磁石の幅を、ティース12の幅よりも大きくしたとしても、磁性板121の境界が径方向に沿っているので、界磁磁石からの磁束を効率的にティース12の内部へと流すことができる。
第8の実施の形態.
第8の実施の形態においては、溶接径及び溶接箇所についての変形例について説明する。
図5においては径方向に沿って延在した箇所40が示されており、これは径方向で連続して溶接がなされることを示している。一方、図12においては、一の境界面122と表面11cとが近接した箇所40と、当該一の境界面122と積層方向D2で隣り合う二の境界面122と表面11cとが近接する箇所40とは相互に離間している。言い換えれば、各境界面122についての箇所40における溶接径は、積層方向D2における磁性板121の幅よりも小さい。このような溶接は例えばレーザ溶接によって実現される。このような場合であれば、隣り合う箇所40による溶接が重ならないので、溶接による磁性板121とバックヨーク111との相対位置の歪みを抑制できる。
図32は図12に示す平面と同じ位置での電機子の他の一例を示す概念的な平面図である。図32に示す電機子は、図12を参照して説明した電機子と比較して、箇所40以外については同一である。図32においては、一の境界面122についての箇所40が、方向D3における一端のみに位置している。また当該一の境界面122と積層方向D2で隣り合う二の境界面122についての箇所40は方向D3における他端のみに位置している。そして、回転軸P側から遠ざかるに従って、各境界面122についての箇所40はそれぞれ交互に一端及び他端に設けられる。また箇所40における溶接径は、積層方向における磁性板121の幅の2倍よりも小さい。
このような構成の電機子において、箇所40を介してティース12に生じる渦電流を低減できる。以下、具体的に説明する。図12に示すティース12においては、箇所40を介して、隣接する一対の磁性板121が一端同士及び他端同士で電気的に接続される。よって、図12に示す平面において、箇所40を介してティース12の縁を通る渦電流が生じる。一方、図32に示すティース12においては、箇所40の各々は、径方向において連続しては方向D3における同じ側に位置しないので、上記の渦電流を低減できる。しかも箇所40における溶接径は、積層方向における磁性板121の幅より小さい必要はない。
なお、渦電流の低減という観点では、各境界面122についての箇所40が回転軸Pから遠ざかるに従って交互に一端及び他端に設けられる必要はなく、境界面122についての箇所40が方向D3において何れか一方の端にのみ設けられていればよい。但し、交互に一端及び他端に設けられていれば、何れか一方の端のみに設けられる場合に比べて溶接によって生じる応力がティース12に対して均等に作用するので、バックヨーク11に対するティース12の相対位置の歪みを低減できる。
なお、図12,32においては、表面11b側の箇所40が例示されているが、磁性板121の相互間とバックヨーク11とが表面11a側の箇所42にて溶接される場合であっても同様である。
第9の実施の形態.
第9の実施の形態に係る電機子はティースと電機子巻線との間に介在する絶縁部材について説明する。
図33は図4に示す断面と同じ位置での、第9の実施の形態に係る電機子の一例の概念的な構成を示す断面図である。
図4に示す電機子と比較して、絶縁部材14を更に備えている。絶縁部材14は電機子巻線16とティース12との間、及び電機子巻線16とバックヨーク11との間に介在する。電機子巻線16とバックヨーク11との間に位置する絶縁部材14の厚みは、電機子巻線16とティース12との間の絶縁部材14の厚みよりも大きい。
図34は、図33に示す電機子を製造する製造方法を示すフローチャートである。ステップS31にて、磁性板121を積層した状態のティース12に絶縁部材14を取り付ける。この際に、磁性板121は仮止めされていることが望ましい。次にステップS32にて、絶縁部材14を介してティース12に電機子巻線16を巻回する。次にステップS33にて、ティース12を孔112に嵌挿する。次にステップS34にて、箇所40にてバックヨーク11と磁性板121の相互間とを溶接する。
以上のようにして図33に示す電機子を製造できる。図33に示す電機子によれば、絶縁部材14は、電機子巻線16とバックヨーク11との間の厚みが電機子巻線16とティース12との間の厚みよりも大きいので、箇所40における溶接熱がバックヨーク11を介して電機巻線13へと伝達されにくい。
図35は、図33に示す電機子と同じ断面の、第9の実施の形態に係る電機子の他の一例の概念的な構成を示す断面図である。
図33に示す電機子と比較して、フィルム15を更に備えている。フィルム15は絶縁部材15とバックヨーク11との間に介在する。フィルム15はバックヨーク11よりも熱伝導率が低い。
図35に示す電機子は、ステップS33を除いて図34に示すフローチャートと同じ手順で製造できる。ステップS33では、フィルム15を表面11aに設置した上でティース12を孔112に嵌挿する。
以上のようにして図35に示す電機子を製造できる。図35に示す電機子によれば、電機子巻線16とバックヨーク11との間にフィルム15が介在しているので、箇所40における溶接熱がバックヨーク11を介して電機巻線13へと伝達されにくい。
第10の実施の形態.
第10の実施の形態においては、複数のティース12に対して溶接を行う順序について説明する。ここでは、図1〜図5を参照して説明した電機子を例に挙げて説明する。但し上述した第1乃至第9の実施の形態に係るいずれの電機子であっても構わない。図1に示す電機子においては、12個のティース12と、12個の孔112が例示されている。そして12個のティース12、12個の孔112はそれぞれ回転軸Pの周りに等間隔で配置されている。
図36は、第10の実施の形態に係る電機子コアの製造方法を示すフローチャートである。まず、ステップS41にて、磁性板121が積層されたティース12の全てを孔112に嵌挿する。その際、磁性板121の相互間は仮止めされていることが望ましい。
次にステップS42にて、全てのティース12について、バックヨーク11と磁性板121の相互間とを箇所40にて同時に溶接する。例えばティース12の各々について、方向D3における両側の箇所40を同時に溶接してもよく、方向D3における一方の側の箇所40を同時に溶接し、その後、他方の側の箇所40を溶接しても良い。また図12,32に示すように箇所40が離間している場合であれば、相対的に同じ位置の箇所40を同時に溶接すればよい。
溶接される部材同士は溶接によって互いに近づく力が働くが、等間隔で配置された孔112と、ティース12との全てを同時に溶接するので、電機子コア1全体として溶接による応力が緩和され、結果として電機子コア1の変形を抑制することができる。
なお、ステップS42にて、必ずしも全てのティースについて同時に溶接する必要はなく、等間隔に位置する3つ以上のティース12について同時にバックヨーク11と磁性板121の相互間とを溶接すればよい。周方向において等間隔の3つのティースを溶接することで、電機子コア1の変形を抑制できる。
また、例えば三相の電機子巻線16がティース12に巻回される。より具体的には、U相の電機子巻線16、V相の電機子巻線16、W相の電機子巻線16がそれぞれ個別にティース12に巻回され、それぞれ周方向にこの順で繰り返し配置される。
このような電機子において、例えば次のような製造方法を経て電機子を製造できる。具体的には図36において、例えばステップS41にて、ティース12のうち、一の相(例えばU相)の電機子巻線16が巻回されたティース12の全てを孔112に嵌挿し、ステップS42にて、当該ティース12の全てについて、バックヨーク11と磁性板121の相互間とを溶接しても良い。そして、異なる相の電機子巻線16が巻回されたティース12についても同様にして、相毎にステップS41,S42を実行すればよい。これによって、ティース12は周方向において相毎に等間隔で配置されるので、電機子コア1の変形を防止しつつ、相毎にティース12を固定できる。
また図1に示す電機子は、回転軸方向D1についてティース12と対面するように界磁子が配置されて、当該界磁子とともに回転電機を構成できる。界磁子は回転軸Pの周りで環状に配置され、電機子コア1に磁極を供給する界磁磁石の複数を有している。複数の界磁磁石は周方向において交互に異なる磁極を供給する。
そして、ステップS42にて、例えば磁極の数若しくは磁極の対の数と同じ数の、等間隔で配置されたティース12を同時に溶接してもよい。但し、ティース12の数が、磁極の数若しくは磁極の対の数によって割り切れる場合に、この製造方法を採用することが望ましい。これによって、電機子コア1の変形を防止しつつ、界磁子が供給する磁極の数に基づいて、ティース12とバックヨーク11とを溶接できる。
第11の実施の形態.
第11の実施の形態では、ティース12のうち、電機子巻線16が巻回される部分(以下、延在部12aと呼ぶ)、バックヨーク11に挿入される部分(以下、挿入部12bと呼ぶ)、補強板13に挿入される部分(以下、挿入部12cと呼ぶ)の、回転軸Pに垂直な断面における形状について説明する。
図37は、補強板13が設けられない電機子、若しくは補強板13が設けられるもののティース12が補強板13に挿入されない電機子について、延在部12a、挿入部12bの形状を示している。図37においては、延在部12aの形状を基準として挿入部12bの形状の4つが示されている。なお、図37においては、延在部12aは周方向において両端に位置する側面が径方向に沿った形状を呈し、その断面形状が台形状である。但し、これに限らず、断面形状が例えば長方形であっても良い。なお、図において、長方形の場合は、全て同じ形状に打ち抜かれているが、それ以外の場合、角部があってもよく、また、鋭角部を緩和するために、C面取り状に幅が変化しても良い。図では簡略化して四角形または3角形として示しているに過ぎない。
1つ目の態様は、延在部12aと挿入部12bが同一形状を呈している。これは例えば図2に示す電機子に用いられる。
2つ目の態様は、周方向(図中では左右方向として現れる)における延在部12aの幅が、周方向における挿入部12bの幅よりも小さい。この場合、延在部12aに電機子巻線16が巻回された状態で、周方向における挿入部12bの端部が、電機子巻線16に対して延在部12aより反対側に位置していることが好ましい。これによって、図14を参照して説明したように、電機子巻線16が巻回された状態で、ティース12とバックヨーク11とを溶接できる。
3つ目の態様は、周方向における延在部12aの幅が、周方向における挿入部12bの幅よりも大きい。これは例えば図15に示す電機子に用いられる。
4つ目の態様は、挿入部12bの断面形状が長方形状であって、その周方向における幅が、周方向における延在部12aの幅の平均よりも小さい。これによって、ティース12とバックヨーク11との間のクリアランスを良好にすることができる。
図38〜図41は、補強板13が設けられ、ティース12が補強板13に挿入される態様について、延在部12a、挿入部12b,12cの形状を示している。図38〜図41においても、延在部12aの形状を基準に、挿入部12b,12cの形状が示されている。
図38においては、図37に示した1つ目の態様について挿入部12cの複数の形状が示されている。1つ目の態様は、延在部12a、挿入部12b,12cがそれぞれ同一の断面形状を呈している。これは例えば図22に示す電機子に用いられる。
2つ目の態様は、周方向における延在部12a、挿入部12bの幅が、周方向における挿入部12cの幅よりも大きい。これは例えば図23に示す電機子に用いられる。これによって、補強板13に流れる磁束を低減できる。
3つ目の態様は、挿入部12cの断面形状が長方形状であって、その周方向における幅が、周方向における延在部12a、挿入部12bの幅の平均よりも小さい。これによって、図38における2つ目の態様と同様に、補強板13に流れる磁束を低減できる。また、図37の4つ目の態様と同様に、ティース12と補強板13との間のクリアランスを良好にできる。
4つ目の態様は、周方向における延在部12a、挿入部12bの幅が、周方向における挿入部12cの断面よりも小さい。このようなティース12は例えば、径方向に開口した孔112に対して、径方向に沿ってティース12を挿入し、補強板13の孔132にティース12を嵌挿して、電機子コア1を組み立てることができる。そして、回転軸方向D1において挿入部12bがバックヨーク11と接する。このような電機子コア1によれば、挿入部12bがバックヨーク11と接しているので、回転軸方向D1でティース12が抜けることを防止できる。なお、図38においては挿入部12cの断面が台形形状である場合が例示されているが、例えば長方形状であってもよい。
図39においては、図37に示した3つ目の態様について、挿入部12cの複数の形状が示されている。1つ目の態様は、挿入部12a,12bが相互に同一の断面形状を有している。
2つ目の態様は、周方向における挿入部12cの幅が周方向における挿入部12bの幅よりも小さい。よって、補強板13に流れる磁束を低減できる。
3つ目の態様は、挿入部12cの断面形状が長方形状であって、その周方向における幅が、周方向における延在部12a、挿入部12bの幅の平均よりも小さい。これによって、図38における3つ目の態様と同様に、補強板13に流れる磁束を低減でき、またティース12と補強板13との間のクリアランスを良好にできる。
図40においては、図37に示す2つ目の態様について、挿入部12cの複数の形状が示されている。挿入部12b,12cが相互に同一の断面形状を有している。なお、図40に示す何れの態様においても、延在部12aに電機子巻線16が巻回された状態で、周方向における挿入部12bの端部が、電機子巻線16に対して延在部12aより反対側に位置していることが好ましい。これによって、電機子巻線16が巻回された状態で、ティース12とバックヨーク11とを溶接できる。
1つ目の態様は、周方向に挿入部12cの幅が、周方向における挿入部12bの幅よりも小さく、周方向における延在部12aの幅よりも大きい。
2つ目の態様は、挿入部12cが延在部12aと同じ断面形状を有している。
3つ目の態様は、挿入部12cの断面形状が長方形状であって、その周方向における幅が、周方向における延在部12a、挿入部12bの幅の平均と同程度である。よって、ティース12と補強板13との間のクリアランスを良好にできる。
4つ目の態様は、周方向における挿入部12cの幅が周方向における延在部12aの幅よりも小さい。これによって、補強板13に流れる磁束を低減できる。
5つ目の態様は、挿入部12cの断面形状が長方形状であって、その周方向における幅が、周方向における延在部12a、挿入部12bの幅の平均とよりも小さい。これによって、補強板13に流れる磁束を低減でき、またティース12と補強板13との間のクリアランスを良好にできる。
図41においては、図37に示す4つ目の態様について、挿入部12cの複数の形状が示されている。一つ目の態様は、挿入部12b,12cが相互に同一の断面形状を有している。ティース12と、バックヨーク11及び補強板13の間のクリアランスを良好にできる。なお、図41に示す態様に何れにおいても、バックヨーク11とティース12の間のクリアランスを向上できる。
2つ目の態様は、周方向において両端に位置する挿入部12cの側面が径方向に沿って形状を有し、周方向における挿入部12cの幅が周方向における挿入部12bの幅よりも小さい。これによって、補強板13に流れる磁束を低減できる。
3つ目の態様は、挿入部12cの断面形状が長方形状であって、その周方向における幅が、挿入部12bの幅よりも小さい。これによって、補強板13に流れる磁束を低減できる。
4つ目の態様は、周方向における挿入部12cの幅が周方向における挿入部12bの幅よりも大きい。図38に示す4つ目の態様と同様に、ティース12が回転軸方向D1でバックヨーク11から抜けるのを防止できる。
なお、図38〜図41においては挿入部12cの断面が台形形状である場合が例示されているが、例えば長方形状であってもよい。
なお、第1乃至第11の実施の形態において電機子及びその製造方法を説明したが、これらを適宜に組み合わせても構わない。
1 電機子コア
11 バックヨーク
12 ティース
13 補強板
14 絶縁部材
15 フィルム
40〜42 箇所
111,121,131 磁性体
112,132,134,135,112a,112b 孔
113,114,125,135112c,121g 凹部
124 スリット
126 突部
11a,11b,11c,13a,13b,13c 表面
121a,122a 延在部
121b,121e,121f,122b,122f 挿入部
121c,122c 一端
121d 一端

Claims (54)

  1. 所定の軸(P)に平行な第1方向(D1)ついて相互に対面する第1表面(11a;11a)及び第2表面(11b;13b)と、前記第1方向で前記第1表面及び前記第2表面を貫通し、前記軸の周りで環状に配置された複数の孔(112,112+132)を形成する第3表面(11c;11c+13c)と、を有する第1磁性体(11;11+13)と、
    各々が、前記軸に対して垂直な第2方向(D2)に積層されたN個の磁性板(121)を有し、前記複数の前記孔にそれぞれ嵌挿される複数の第2磁性体(12)と
    を備え、
    前記第2方向で隣り合う第k及び第(k+1)(但し、kは1からN−1の自然数)の前記磁性板の境界面(122)の縁と、前記第3表面とが相互に近接し、且つ前記第1表面及び第2表面の少なくとも何れか一方の側で露出した少なくとも一つの第kの箇所(40,42)にて、前記第k及び前記第(k+1)の前記磁性板と、前記第1磁性体とが相互に溶接されている、電機子コア。
  2. 前記複数の第2磁性体(12)の各々は、前記第1表面(11a)側の前記孔(112)から前記第1方向(D1)に沿って前記第2表面(11b)とは反対側に延在する延在部(121a)を備える、請求項1に記載の電機子コア。
  3. 前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は、前記境界面(122)の前記縁と前記第3表面(11c)とが近接する箇所のうち前記第2表面(11b)側の端に位置する、請求項2に記載の電機子コア。
  4. 前記少なくとも一つの第kの箇所(42)は、前記境界面(122)の前記縁と前記第3表面(11c)とが近接する箇所のうち前記第1表面(11a)側の端に位置する、請求項2に記載の電機子コア。
  5. 前記延在部(121a)は前記第1方向(D1)について前記第1表面(11a)とは反対側に位置する一端と、前記一端において前記第1磁性体(111)とは反対側に開口する凹部(123)とを有し、
    前記N個の磁性板(121)は前記凹部で相互に溶接されている、請求項2乃至4の何れか一つに記載の電機子コア。
  6. 前記N個の磁性板(121)の各々は前記第2方向に第1の凹凸を有し、前記第1の凹凸によって前記N個の磁性板同士は相互に係合されている、請求項2乃至5の何れか一つに記載の電機子コア。
  7. 前記N個の磁性板(121)の各々の相互間には所定の樹脂が介在し、前記N個の磁性板は前記樹脂によって相互に固着されている、請求項1乃至6の何れか一つに記載の電機子コア。
  8. 前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、
    前記少なくとも一つの第kの箇所は2つの第kの箇所であって、一の前記2つの第kの箇所(42)は前記第1表面を形成する前記第2磁性板に位置し、二の前記2つの第kの箇所(40)は前記第2表面を形成する前記第2磁性板に位置する、請求項1乃至7の何れか一つに記載の電機子コア。
  9. 前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、
    前記延在部(121a)は前記第1方向において前記第1表面と接しており、
    前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は、前記第2表面を形成する前記第2磁性板に位置する、請求項2乃至8の何れか一つに記載の電機子コア。
  10. 前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした径方向であり、
    前記N個の磁性板(121)は、前記第1方向(D1)について前記延在部(121a)とは反対側に位置する一端(121d)と、前記第1方向において前記延在部とは反対側で前記第2方向に自身を貫通するスリット(124)とを有し、
    前記少なくとも一つの第kの箇所が前記一端に位置する、請求項2乃至8の何れか一つに記載の電機子コア。
  11. 前記N個の磁性板(121)は、前記第1方向(D1)について前記延在部(121a)とは反対側に位置する一端(121d)と、前記第1方向において前記延在部とは反対側に位置し前記軸に垂直な第3方向(D2,D3)について前記第1磁性体(11)側に開口する凹部(125)とを有し、前記第少なくとも一つの第kの箇所(40)は前記一端に位置する、請求項2乃至8の何れか一つに記載の電機子コア。
  12. 前記孔(112)は前記凹部(125)に嵌合する第2の凹部(113)を有する、請求項11に記載の電機子コア。
  13. 前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした径方向であり、
    前記N個の磁性板(121)の各々は、前記第1方向(D1)について前記延在部(121a)とは反対側に位置する一端と、前記一端において前記軸を中心とした周方向(D3)における中央で前記延在部とは反対側に開口する第1の凹部(126)とを有し、
    前記孔(112)は前記凹部と嵌合する第2の凹部(114)を有し、
    前記少なくとも一つの第kの箇所は、前記第1の凹部と前記第2の凹部との境界に位置する、請求項2乃至8の何れか一つに記載の電機子コア。
  14. 前記第2方向(D2)は前記軸を中心とした径方向であり、
    前記N個の磁性板(121)の各々は、前記第1方向(D1)について前記延在部(121a)とは反対側に位置する一端と、前記一端において、前記軸を中心とした周方向(D3)における中央で前記延在部とは反対側へと突出する突部(126)とを有し、
    前記孔(112)には前記突部が嵌挿され、
    前記少なくとも一つの第kの箇所は前記突部に位置する、請求項2乃至8の何れか一つに記載の電機子コア。
  15. 前記孔(112)は、
    前記第1表面(11a)から前記第1方向(D1)に沿って延在する第1孔部(112a;112)と、
    前記第1孔部から前記第1方向(D1)に沿って延在して前記第2表面(11b)へと至り、前記第1方向及び前記第2方向(D2)に垂直な第3方向(D3)における前記第1孔部の幅よりも狭い幅を有する第2孔部(112b;132)と、
    前記第1孔部と前記第2孔部との境界において前記第1方向に沿って前記第2表面側に開口する第1凹部(112c;121g)と
    を有し、
    前記N個の磁性板(121)の各々は、前記孔に嵌挿入される部分において、
    前記第2孔部に嵌挿される第2挿入部(121f)と、
    前記凹部と嵌合する第2凹部(121g)と
    を有し、
    前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は、前記第2孔部と前記第2挿入部との境界に位置する、請求項2乃至8の何れか一つに記載の電機子コア。
  16. 前記延在部(121a)には、前記第1方向(D1)を軸として電機子巻線が巻回され、
    前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成し、前記複数の第2磁性体を相互に磁気的に連結する複数の第2磁性板(111;111+131)を備える、請求項2乃至7の何れか一つに記載の電機子コア。
  17. 前記第1磁性体(11+13)は、
    前記第1表面(11a)を形成し、前記複数の第2磁性体(12)を相互に磁気的に連結するヨークとして機能するバックヨーク(11)と、
    前記バックヨークと別体であって、前記第1方向(D1)について前記バックヨークと対面して取り付けられ、前記第2表面(13b)を形成する補強板(13)と
    を備える、請求項2乃至16の何れか一つに記載の電機子コア。
  18. 前記補強板は非磁性である、請求項17に記載の電機子コア。
  19. 前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は、前記境界面(122)の前記縁と前記第3表面(11c)とが近接する箇所のうち前記第2表面(11b)側の端に位置し、前記前記バックヨークは圧粉鉄心である、請求項14に記載の電機子コア。
  20. 前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした径方向であって、
    前記N個の磁性板(121)の各々は、
    前記孔のうち前記バックヨーク(11)に設けられた部分に嵌挿されるバックヨーク挿入部(121e)と、
    前記軸を中心とした周方向における前記バックヨーク挿入部の中央から延在し、前記周方向における前記バックヨーク挿入部の幅よりも狭い幅を有し、前記孔のうち前記補強板(13)に設けられた部分に嵌挿される補強板挿入部(121f)と
    を備え、
    前記少なくとも第kの箇所は、前記補強板挿入部と前記補強板との境界に位置する、請求項17に記載の電機子コア。
  21. 前記第1方向(D1)について相互に対面する第4表面(13a)及び第5表面(13b)を有し、前記第2表面(11b)と前記第4表面を対面させて前記第1磁性体(11)に取り付けられる補強板(13)を更に備える、請求項1に記載の電機子コア。
  22. 前記補強板は非磁性である、請求項21に記載の電機子コア。
  23. 前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、
    前記補強板(13)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第4表面(13a)及び前記第5表面(13b)を形成する複数の第3磁性板を有する、請求項21に記載の電機子コア。
  24. 前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、
    前記補強板(13)は、前記第1方向における前記複数の第2磁性板の各々の幅よりも広い幅を有する、請求項21に記載の電機子コア。
  25. 前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は前記境界面(122)の前記縁と前記第3表面とが近接する箇所のうち前記第2表面(11b)側の端に位置し、
    前記補強板(13)は、前記第1方向(D1)で前記第4表面(13a)及び前記第5表面(13b)を貫通し前記少なくとも一つの第kの箇所(40)へと通じる第2の孔(132)を更に備える、請求項21乃至24の何れか一つに記載の電機子コア。
  26. 前記少なくとも一つの第kの箇所(40)は前記境界面(122)の前記縁と前記第3表面とが近接する箇所のうち前記第2表面(11b)側の端に位置し、
    前記補強板(13)は、前記第4表面(13a)に設けられ、前記少なくとも一つの第kの箇所(40)を覆う第2の孔(134)を備える、請求項21乃至24の何れか一つに記載の電機子コア。
  27. 前記N個の磁性板(121)の各々は、前記第1表面(11a)側の前記孔(112)から前記第1方向(D1)に沿って前記第2表面(11b)とは反対側に延在し、前記N個の磁性板が積層された状態で前記第1方向を軸として電機子巻線(16)が巻回される延在部(121a)を備え、
    前記N個の磁性板(121)の各々と前記補強板(13)との間には所定の間隙が設けられている、請求項21乃至26の何れか一つに記載の電機子コア。
  28. 前記第4表面(13a)には、前記第1方向(D1)について前記複数の第2磁性体(12)と対向する領域において、前記第2表面(11b)側に開口する凹部(135)が設けられている、請求項27に記載の電機子コア。
  29. 前記N個の磁性体(121)の各々は、前記第1方向(D1)において前記延在部(121a)とは反対側の一端を有し、前記一端側において、前記第4表面(13a)側に開口する凹部(125)を備える、請求項27に記載の電機子コア。
  30. 前記補強板(13)と前記第1磁性体(11)とはそれぞれ前記軸(P)を中心とした環状の側面を有し、前記補強板と前記第1磁性体とは前記側面において相互に溶接されている、請求項21乃至29の何れか一つに記載の電機子コア。
  31. 前記補強板(13)と前記第1磁性体(11)とはカシメピンまたはカシメボルトによって相互に結合されている、請求項21乃至30の何れか一つに記載の電機子コア。
  32. 前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした径方向である、請求項2乃至31の何れか一つに記載の電機子コア。
  33. 前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした周方向である、請求項2乃至12、15乃至17、21乃至32の何れか一つに記載の電機子コア。
  34. 前記N個の磁性板(111)は相互に同一の形状を有しいている、請求項1乃至33の何れか一つに記載の電機子コア。
  35. 前記第2方向(D2)は前記軸(P)を中心とした径方向であって、
    前記N個の磁性板(121)の各々が有する前記延在部(121a)は、前記第2方向に向かうに従って、前記軸を中心とした周方向における幅が大きくなる、請求項2乃至32の何れか一つに記載の電機子コア。
  36. 前記複数の第2磁性体(12)の各々は前記孔(112)を通る位置の前記第1方向(D1)に垂直な断面において、長方形の形状を有し、
    前記断面における前記孔の形状も前記長方形の形状を有する、請求項1乃至35の何れか一つに記載の電機子コア。
  37. 前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記複数の前記第2磁性板の各々は前記第2方向に第2の凹凸を有し、前記第2の凹凸によって前記N個の前記磁性板同士は相互に係合されている、請求項1乃至7,16,21の何れか一つに記載の電機子コア。
  38. 前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記複数の前記第2磁性板の各々の相互間には所定の樹脂が介在し、前記複数の前記第2磁性板は前記樹脂によって相互に固着されている、請求項1乃至7,16,21の何れか一つに記載の電機子コア。
  39. 前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)と、前記第1表面と前記第2表面とを連結し、前記軸を中心とした環状の第4表面とを形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、
    前記複数の第2磁性板の各々は前記第4表面で相互に溶接されている、請求項1乃至7,16,21の何れか一つに記載の電機子コア。
  40. 前記第1磁性体(11)は、前記第1方向(D1)に積層され、各々が積層された状態で前記第1表面乃至前記第3表面(11a,11b,11c;11a,13a,11c+13c)を形成する複数の第2磁性板(111;111+131)を備え、前記複数の第2磁性板の各々はカシメピンまたはカシメボルトによって相互に結合されている、請求項1乃至7,16,21の何れか一つに記載の電機子コア。
  41. 前記少なくとも一つの第kの箇所(40)における溶接径は、前記第2方向(D2)において隣り合う前記第k及び前記第(k+1)の前記磁性板(121)の幅よりも小さい、請求項1乃至40の何れか一つに記載の電機子コア。
  42. 前記少なくとも一つの第kの箇所(40)(但し、kは1からN−2の偶数及び奇数の何れか一方の自然数)は、前記第1方向(D1)及び前記第2方向(D2)に垂直な前記第3方向(D3)における一方の側のみに位置し、
    前記少なくとも一つの第(k+1)の前記箇所は、前記第3方向における他方の側のみに位置し、
    前記第k及び前記第(k+1)の箇所における溶接径は、前記第1方向における前記第k及び前記第(k+1)の前記磁性板(121)の幅の2倍よりも小さい、請求項1乃至40の何れか一つに記載の電機子コア。
  43. 前記少なくとも一つの第kの箇所はレーザによって溶接される、請求項1乃至42の何れか一つに記載の電機子コア。
  44. 請求項2乃至43の何れか一つに記載の電機子コアと、
    前記第1方向(D1)を軸として前記延在部(121a)の周りに巻回された電機子巻線(16)と
    を備え、
    前記N個の磁性体(121)の各々は、前記第1表面(11a)側において、前記第1方向(D1)及び前記第2方向(D2)に垂直な第3方向(D3)についての一端(121c)を有し、前記一端は前記電機子巻線に対して前記延在部とは反対側に位置し、
    前記少なくとも一つの第kの箇所(42)は前記一端に位置する、電機子。
  45. 請求項2乃至43の何れか一つに記載の電機子コアと、
    前記第1方向(D1)を軸として前記延在部(121a)の周りに巻回された電機子巻線(16)と
    前記延在部(121a)と前記電機子巻線との間及び前記第1表面(11a)及び前記電機子巻線との間に介在する絶縁部材(14)と
    を備え、
    前記延在部と前記電機子巻線の間に位置する前記絶縁部材の厚みは、前記第1磁性体と前記電機子巻線との間に位置する前記絶縁部材の前記厚みよりも薄い、電機子。
  46. 請求項2乃至43の何れか一つに記載の電機子コアと、
    前記第1方向(D1)を軸として前記延在部(121a)の周りに巻回された電機子巻線(16)と
    前記延在部(121a)と前記電機子巻線(16)との間及び前記第1表面(11a)及び前記電機子巻線との間に介在する絶縁部材(14)と
    前記絶縁部材と前記第1表面との間に介在し、前記第1磁性体(11)よりも熱伝導率の低いフィルム(15)と
    を備える、電機子。
  47. 所定の軸(P)に平行な第1方向(D1)ついて相互に対面する第1表面(11a;11a)及び第2表面(11b;13b)と、前記第1表面及び前記第2表面を連通し、前記軸の周りで環状に配置された複数の孔(112,112+132)を形成する第3表面(11c;11c+13c)と、を有する第1磁性体(11;11+13)と、
    各々が、前記軸に対して垂直な第2方向(D2)に積層されたN個の磁性板(121)を有し、前記複数の前記孔にそれぞれ嵌挿される複数の第2磁性体(12)と
    を備えた電機子コアを製造する方法であって、
    (a)前記複数の第2磁性体をそれぞれ対応する前記孔に嵌挿するステップ(S11;S22)と、
    (b)前記第2方向で隣り合う第k及び第(k+1)(但し、kは1からN−1の自然数)の前記磁性板の境界面(122)の縁と、前記第3表面とが相互に近接し、且つ前記第1表面及び第2表面の少なくとも何れか一方の側で露出した少なくとも一つの第kの箇所(40,42)にて、前記第k及び前記第(k+1)の前記磁性板と、前記第1磁性体とを相互に溶接するステップ(S12,S23)と
    を実行する、電機子コアの製造方法。
  48. 前記孔(112)は前記軸(P)の周りで等間隔に配置され、
    前記ステップ(b)にて、前記複数の第2磁性体(12)の各々についての前記少なくとも一つの第kの箇所を同時に溶接する、請求項47に記載の電機子コアの製造方法。
  49. 前記孔(112)は前記軸(P)の周りで等間隔に配置され、
    前記ステップ(b)にて、前記複数の第2磁性体(12)のうち、前記軸(P)の周りで相互に等間隔に位置する3つ以上の第2磁性体の各々についての前記少なくとも一つの第kの箇所を同時に溶接する、請求項47に記載の電機子コアの製造方法。
  50. 前記複数の第2磁性体(12)にはそれぞれ多相の電機子巻線(16)が巻回され、前記3つ以上の第2磁性体は、第1の相の電機子巻線が巻回される、請求項49に記載の電機子コアの製造方法。
  51. 前記複数の第2磁性体(12)にはそれぞれ多相の電機子巻線(16)が巻回され、前記電機子コアは前記第1方向において、前記電機子コアに磁極を供給する界磁子と対向して配置され、
    前記ステップ(b)にて、前記複数の第2の磁性体のうち、前記極数の数と同じ個数または前記極数の対の数と同じ個数の第2磁性体とを同時に溶接する、請求項49に記載の電機子コアの製造方法。
  52. 前記電機子コアにおいて前記複数の第2磁性体(12)の各々は、前記第1表面(11a)側の前記孔(112)から前記第1方向(D1)に沿って前記第2表面(11b)とは反対側に延在する延在部(121a)を備え、前記N個の磁性板(121)の各々は、前記第1表面(11a)側において、前記第1方向(D1)及び前記第2方向(D2)に垂直な第3方向(D3)についての一端(121c)を有し、
    請求項47乃至51の何れか一つに記載の電機子コアの製造方法を実行するステップと、
    (c)前記ステップ(a)に先立って、前記第1方向(D1)を軸として前記延在部の周りに電機子巻線(16)を前記一端を超えることなく巻回するステップと
    を実行し、
    前記ステップ(b)にて、前記少なくとも一つの第kの箇所は前記一端に位置する、電機子の製造方法。
  53. 前記複数の第2磁性体(12)の各々が、前記第1表面(11a)側の前記孔(112)から前記第1方向(D1)に沿って前記第2表面(11b)とは反対側に延在する延在部(121a)を有する、前記電機子コアと、
    前記第1方向(D1)を軸として前記延在部(121a)の周りに巻回された電機子巻線(16)と、
    前記延在部(121a)と前記電機子巻線との間及び前記第1表面(11a)及び前記電機子巻線との間に介在する絶縁部材(14)と
    を備え、
    前記延在部と前記電機子巻線の間に位置する前記絶縁部材の前記幅は、前記第1磁性体と前記電機子巻線との間に位置する前記絶縁部材の幅よりも狭い電機子の製造方法であって、
    請求項47乃至51の何れか一つに記載の電機子コアの製造方法を実行するステップと、
    (c)前記ステップ(a)に先立って、前記絶縁部材を前記延在部に取り付けて、前記電機子巻線を巻回するステップと
    を実行する、電機子の製造方法。
  54. 前記複数の第2磁性体(12)の各々が、前記第1表面(11a)側の前記孔(112)から前記第1方向(D1)に沿って前記第2表面(11b)とは反対側に延在する延在部(121a)を有する、前記電機子コアと、
    前記延在部(121a)と前記電機子巻線(16)との間及び前記第1表面(11a)及び前記電機子巻線との間に介在する絶縁部材(14)と、
    前記絶縁部材と前記第1表面との間に介在し、前記第1磁性体(11)よりも熱伝導率の低いフィルム(15)と
    を備えた電機子の製造方法であって、
    請求項47乃至51の何れか一つに記載の電機子コアの製造方法を実行するステップと、
    (c)前記ステップ(a)に先立って、前記フィルム及び前記絶縁部材を前記延在部に取り付けて、前記電機子巻線を巻回するステップと
    を実行する、電機子の製造方法。
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