JP2011045198A - アキシャルギャップ型モータのステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ティースの固定に伴う磁気特性の劣化、鉄損の増大および磁気抵抗の増大が抑制されたアキシャルギャップ型モータのステータを提供する。
【解決手段】複数のティース11と、ステータ用バックヨーク12と、固定部材13とを備えて、アキシャルギャップ型モータのステータ1を構成する。各ティース11に、巻線が巻回される巻回部21から軸線方向Xに沿ってロータに対向する側とは反対側、すなわち軸線方向一方X1側に延びる脚部22を形成し、脚部22のロータに対向する側とは反対側に係合部23として、たとえば凹所を形成する。この係合部23に係止可能な複数の係止部31を固定部材13に形成する。この係止部31を各ティース11の係合部23に係止させることによって、各ティース11を固定する。
【選択図】図2
【解決手段】複数のティース11と、ステータ用バックヨーク12と、固定部材13とを備えて、アキシャルギャップ型モータのステータ1を構成する。各ティース11に、巻線が巻回される巻回部21から軸線方向Xに沿ってロータに対向する側とは反対側、すなわち軸線方向一方X1側に延びる脚部22を形成し、脚部22のロータに対向する側とは反対側に係合部23として、たとえば凹所を形成する。この係合部23に係止可能な複数の係止部31を固定部材13に形成する。この係止部31を各ティース11の係合部23に係止させることによって、各ティース11を固定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロータとステータとが予め定める軸線方向に所定の間隔をあけて対向して設けられるアキシャルギャップ型モータのステータに関する。
圧縮機および工作機械などの動力源として、ステータとロータとを、予め定める軸線方向に所定の間隔をあけて対向して配置したアキシャルギャップ型モータが検討されている。アキシャルギャップ型モータのステータは、コイルが巻回された複数のティースと、ティースを連結するバックヨークとを有している。また、アキシャルギャップ型モータのロータは、複数の永久磁石を有している。そして、対向配置されたティースと永久磁石との間に発生する磁束の作用によって、ステータに対してロータが所定の軸線まわりに回転する構成となっている。これによってアキシャルギャップ型モータは、多くの永久磁石を使用して高い回転力、すなわちトルクを得ることができるとともに、モータ全体を薄型化することができる。
アキシャルギャップ型モータのステータとしては、バックヨークに形成された孔にティースを挿入することによってティースを固定したステータが、たとえば特許文献1〜3に開示されている。
特許文献1に開示されるアキシャルギャップ型モータである回転電機のステータは、バックヨークであるステータヨークコアの円周方向に所定間隔で複数のティースが配設され、各ティースの周囲にボビンを介してコイルが巻回されており、これらがモールド樹脂で一体にモールド固定されている。ステータヨークコアの嵌合孔にはティースの挿入部が挿入され、この挿入部に形成される樹脂充填溝にモールド樹脂が充填される。これによってティースをステータヨークコアに強固に固定して抜け止めできる構成となっている。
特許文献2に開示されるアキシャルギャップ型回転電機のステータでは、ティースは、バックヨークであるステータヨークに圧入固定されている。また特許文献3に開示される回転電機の固定子では、ティースは、バックヨークである固定子側ヨークのロータに対向する面に貫設された挿入穴に挿入された状態で、固定子側ヨークに取り付けられている。
前述の特許文献1〜3に開示される技術のように、バックヨークに形成された孔にティースを挿入することによって、ティースをバックヨークに機械的に固定する場合、固定した部分に応力が生じ、磁気特性が劣化するという問題がある。
また、固定強度を高めるためにティースの底部とバックヨークとを溶接すると、磁束が通り易い部分が溶接されることになるので、溶接による短絡に起因する渦電流の発生、ならびに磁気特性の劣化による鉄損の増大および磁気抵抗の増大を招くことが懸念される。
そこで本発明は、ティースの固定に伴う磁気特性の劣化、鉄損の増大および磁気抵抗の増大が抑制されたアキシャルギャップ型モータのステータを提供することを目的とする。
本発明にかかるアキシャルギャップ型モータのステータの第1の態様は、予め定める軸線(10)まわりで周方向に回転可能に設けられるロータ(2)と、前記軸線(10)が延在する軸線方向に予め定める間隔をあけて前記ロータ(2)に対向して設けられるステータ(1)とを備えるアキシャルギャップ型モータ(3)の前記ステータ(1)であって、前記周方向に配設され、磁束を発生させるための巻線が巻回される複数のティース(11)と、磁性材料から成り、前記複数のティース(11)を連結するバックヨーク(12)と、前記複数のティース(11)を固定する固定部材(13)とを備え、各前記ティース(11)は、前記巻線が巻回される巻回部(21)と、前記巻回部(21)から前記軸線方向に沿って前記ロータ(2)に対向する側とは反対側に延び、前記バックヨーク(12)と連結される脚部(22)とを有し、前記脚部(22)には、前記ロータ(2)に対向する側とは反対側に係合部(23)が形成され、前記固定部材(13)は、前記係合部(23)に係止可能な複数の係止部(31)を有し、各前記ティース(11)は、前記係合部(23)に前記固定部材(13)の対応する前記係止部(31)が係止されることによって固定される。
本発明にかかるアキシャルギャップ型モータのステータの第2の態様は、その第1の態様であって、前記固定部材(13)は、前記バックヨーク(12)の前記ロータ(2)に対向する側と反対側の面に設けられる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型モータのステータの第3の態様は、その第1の態様であって、前記固定部材(61,61A,61B)は、前記ロータ(2)に対向する側とは反対側の面が、前記バックヨーク(12A,71)の前記ロータ(2)に対向する側とは反対側の面よりも突出しないように設けられる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型モータのステータの第4の態様は、その第1の態様であって、前記固定部材(13B,13C)は、金属材料から成り、前記複数の係止部(31)は、前記周方向に配設され、前記固定部材(13B,13C)の径方向の内方側または外方側で連なり、前記固定部材(13B,13C)の径方向の前記複数の係止部(31)が連なる側とは反対側では、前記複数の係止部(31)が互いに分離されている。
本発明にかかるアキシャルギャップ型モータのステータの第5の態様は、その第1の態様であって、前記複数の係止部(31)は、前記周方向に配設され、前記固定部材(41)の径方向の外方側で連なり、前記固定部材(41)は、前記複数の係止部(31)が連なる外周縁部(32)に、前記バックヨーク(12)を径方向の外方側から覆う外壁部(42)を有する。
本発明にかかるアキシャルギャップ型モータのステータの第1の態様によれば、ステータは、予め定める軸線まわりで周方向に回転可能に設けられるロータに対向して、軸線が延在する軸線方向に予め定める間隔をあけて設けられる。ステータは、複数のティースとバックヨークと固定部材とを備える。複数のティースは、周方向に配設され、バックヨークによって連結され、固定部材によって固定される。各ティースは、磁束を発生させるための巻線が巻回部に巻回され、巻回部から軸線方向に沿ってロータに対向する側とは反対側に延びる脚部がバックヨークと連結され、脚部のロータに対向する側とは反対側に形成される係合部に、固定部材の対応する係止部が係止されることによって固定される。
このように各ティースは、その脚部の係合部に、固定部材の対応する係止部が係止することによって、固定部材に固定される。これによって、固定部材に磁束が通ることを極力避けることが可能であり、また固定部材と各ティースとの機械的結合による磁気特性への悪影響を避けることが可能である。したがって、各ティースがバックヨークに機械的に固定される場合に比べて、ティースの固定に伴う磁気特性の劣化、渦電流損などの鉄損の増大および磁気抵抗の増大を抑制することができる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型モータのステータの第2の態様によれば、固定部材は、バックヨークのロータに対向する側とは反対側の面に設けられる。これによって、バックヨークを通る磁束が固定部材によって阻害されることを防ぐことができるので、ティースの固定に伴う磁気特性の劣化、渦電流損などの鉄損の増大および磁気抵抗の増大をより確実に抑制することができる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型モータのステータの第3の態様によれば、固定部材は、ロータに対向する側とは反対側の面(以下「固定部材の背面」という場合がある)が、バックヨークのロータに対向する側とは反対側の面(以下「バックヨークの背面」という場合がある)よりも突出しないように設けられる。これによって、固定部材の背面がバックヨークの背面よりも突出する場合に比べて、ステータの軸線方向における寸法を小さくして、薄型化することができる。このようなステータを用いることによって、ティースの固定に伴う磁気特性の劣化、渦電流損などの鉄損の増大および磁気抵抗の増大を抑制するとともに、アキシャルギャップ型モータを小型化することが可能である。
本発明にかかるアキシャルギャップ型モータのステータの第4の態様によれば、金属材料から成る固定部材の複数の係止部は、周方向に配設され、固定部材の径方向の内方側または外方側では連なり、その連なる側と反対側では互いに分離されている。固定部材が金属材料から成る場合、固定部材に磁束が通ることによって渦電流損が発生するおそれがあるが、固定部材を前述のように構成することによって、複数の係止部が径方向の両側で連なる場合に比べて、軸線方向に流れる磁束に対する渦電流を低減することができる。したがって、渦電流損の発生を抑制することができる。
本発明にかかるアキシャルギャップ型モータのステータの第5の態様によれば、固定部材の複数の係止部は、周方向に配設され、固定部材の径方向の外方側で連なる。この複数の係止部が連なる外周縁部に、バックヨークを径方向の外方側から覆う外壁部が設けられる。これによって、圧縮機などのケースへの焼きばめに好適なステータを実現することができる。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるステータ1を備えるアキシャルギャップ型モータ3を分解して示す分解斜視図である。アキシャルギャップ型モータ(以下、単に「モータ」という場合がある)3は、予め定める軸線10まわりで周方向に回転可能に設けられるロータ2と、軸線10が延在する軸線方向Xに予め定める間隔をあけてロータ2に対向して設けられるステータ1とを備えて構成される。図1には、アキシャルギャップ型モータ3を構成するステータ1とロータ2とを軸線方向Xの一方X1側から斜め方向に見た状態を示している。なお、図1ではステータ1とロータ2との構成を見やすくするため、両者の間隔を誇張して描いている。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるステータ1を備えるアキシャルギャップ型モータ3を分解して示す分解斜視図である。アキシャルギャップ型モータ(以下、単に「モータ」という場合がある)3は、予め定める軸線10まわりで周方向に回転可能に設けられるロータ2と、軸線10が延在する軸線方向Xに予め定める間隔をあけてロータ2に対向して設けられるステータ1とを備えて構成される。図1には、アキシャルギャップ型モータ3を構成するステータ1とロータ2とを軸線方向Xの一方X1側から斜め方向に見た状態を示している。なお、図1ではステータ1とロータ2との構成を見やすくするため、両者の間隔を誇張して描いている。
モータ3は、このモータ3で駆動される圧縮部(不図示)とともに、圧縮機(不図示)内に形成された空間に収容される。圧縮機内に形成された空間にモータ3が収容される場合、たとえば、ステータ1は、圧縮機に焼きばめ等の手法で固定され、ロータ2は、圧縮機に軸受け(不図示)を介して回転可能に配設されたシャフト(不図示)に嵌合されて焼きばめ等の手法によって固定される。モータ3は、圧縮機以外の用途に使用される場合であっても、何らかの容器内部に固定される限り、前記と同様の手法によって固定される。
ロータ2は、ロータ用バックヨーク2aおよび複数の永久磁石2bを備える。本実施の形態では、ロータ2は、磁極の数が「6」であり、6個の永久磁石2bを有する。磁極の数は、必ずしもこれに限定されない。ロータ用バックヨーク2aは、円板形状であり、その中央には、シャフトが嵌合される円形状の軸孔2dが厚み方向に貫通して形成されている。シャフトは、ロータ用バックヨーク2aの軸孔2dに嵌合されることによってロータ2に固定され、このロータ2の回転力を圧縮機の圧縮部に伝達する。ロータ用バックヨーク2aは、ステータ1に対向する側の面2cが、軸線10と垂直に配設される。ロータ用バックヨーク2aは、鉄などの軟磁性体材料によって形成される。本実施の形態とは異なるが、ロータ2にロータ用バックヨーク2aを設けずに、図1でロータ用バックヨーク2aが設けられていた側、すなわち軸線方向他方X2側にもステータを設けて、ロータ2と対向させてもよい。このとき、ロータ2の永久磁石2bは、非磁性体のフレーム等により保持され、軸と連結される。
各永久磁石2bは、板状に形成され、ロータ用バックヨーク2aの表面2cに接着固定されている。複数の永久磁石2bは、軸線10まわりに、環状に等間隔で配置される。また複数の永久磁石2bは、周方向に沿ってN極とS極とが交互に隣接するように配設される。したがって、ロータ2のステータ1に対向する側の面2eは、軸線10まわりで周方向に沿って極性が交互に交代する磁極を呈し、軸線10と垂直をなす磁極面を構成している。
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるステータ1を分解して示す分解斜視図である。ステータ1は、複数のティース11と、ステータ用バックヨーク12と、固定部材13とを備えて構成される。図2には、ステータ1を構成するティース11、ステータ用バックヨーク12および固定部材13を軸線方向Xの一方X1側から斜め方向に見た状態を示している。
ティース11は、巻回部21および脚部22を備える。ティース11は、電磁鋼板などの薄板を、軸線10を中心とする径方向に積層した積層鋼板によって形成される。巻回部21には、磁束を発生させるための不図示の巻線が巻回される。巻回部21の軸線方向Xの他方X2側、すなわちロータ2に対向する側の端部のうち、周方向で隣り合うティース11に対向する部分は周方向に突出して、つば部26として形成される。
脚部22は、巻回部21から軸線方向Xに沿ってロータ2に対向する側とは反対側、すなわち軸線方向一方X1側に延び、ステータ用バックヨーク12と連結される。脚部22には、ロータ2に対向する側とは反対側に係合部23が形成される。係合部23は、本実施の形態では、軸線方向一方X1側に開口する凹所である。以下では、凹所の参照符号として、係合部と同じ参照符号「23」を付して説明する。凹所23は、ステータ1の径方向に延在して、溝状に形成される。
本実施の形態では、脚部22は、巻回部21に連なる基部24と、基部24から軸線方向一方X1側に突出する2つの突出部25とを含む。基部24と2つの突出部25とによって、凹所23が規定される。以下、凹所23が形成される部分の基部24および突出部25を、「凹部23a」という場合がある。
ステータ用バックヨーク12は、環状を呈する。ステータ用バックヨーク12には、厚み方向に貫通し、複数のティース11を連結する連結孔12aが形成される。連結孔12aは、軸線方向一方X1側からの平面視で、ロータ用バックヨーク2aの軸孔2dと同心円状であって前述のシャフトが挿通される孔120と、この孔120から径方向の外方に延び、ティース11の脚部22と嵌合可能な形状で周方向に沿って環状に並ぶ複数の孔121とをそれぞれ合体させた形状を呈する。各孔121の開口形状は軸線方向Xに沿って見て、ティース11の脚部22の軸線方向Xに沿ってみた形状と略同一形状であり、本実施の形態では、長方形状である。連結孔12aの形状は、本実施の形態では軸線方向Xに一様な形状であるが、これに限定されず、ティース11の脚部22の形状に合わせて選ばれる。たとえば、脚部22の側面がテーパ状である場合には、連通孔12aの形状は、軸線方向Xに沿って開口面積が縮小または拡大する形状となる。ステータ用バックヨーク12は、磁性体材料から成り、具体的には、鉄などの軟磁性体材料から成る薄板を軸線方向Xに積層した積層鋼板によって形成される。
固定部材13は、環状を呈する。固定部材13は、たとえば鉄および非磁性ステンレス鋼などの金属材料から成る。固定部材13には、ティース11の係合部である凹所23に係止可能な複数の係止部31が、周方向に沿って、たとえば等間隔に形成される。固定部材13は、いずれも円環状の外周縁部32および内周縁部33を有する。内周縁部33の半径方向内方には、前述のシャフトが挿通される。固定部材13は、原則として磁束を通す想定をしていないので、ステータ用バックヨーク12とは異なり、鉄損の低減を目的として薄板を積層した積層鋼板で構成される必要はない。本実施の形態では、固定部材13は、薄板を積層せずに一体ものの金属で構成される。したがって、固定部材13は、積層鋼板で構成されるステータ用バックヨーク12よりも高い強度を有する。
各係止部31は、固定部材13の外周縁部32と内周縁部33とにわたって、たとえば径方向に直線状に延びて形成され、外周縁部32および内周縁部33によって連結される。周方向において隣り合う係止部31と、これらを連結する外周縁部32および内周縁部33とによって、軸線方向Xに貫通する挿入孔35が形成される。挿入孔35にはティース11の突出部25が挿入される。
各ティース11は、その凹所23にこれと対応する係止部31が係止することによって、固定部材13に固定される。本実施の形態では、各ティース11の凹所23と、固定部材13の対応する係止部31とは、嵌合可能に形成され、凹所23と係止部31とが嵌合することによって、両者が相互に係止する。
さらに述べると、本実施の形態では、各ティース11は、各ティース11の凹所23に固定部材13の対応する係止部31を嵌合して、凹所23を規定する突出部25と係止部31とを溶接することによって、固定部材13に固定される。あるいは圧入または焼きばめによって、凹所23にこれと対応する係止部31を嵌合かつ係止してもよい。
凹所23を規定する2つの突出部25は、その凹所23に係合される係止部31の両側の挿入孔35に挿入される。各ティース11は、その凹所23を規定する2つの突出部25によって、当該凹所23と対応する固定部材13の係止部31を挟込む形で、固定部材13に固定される。
図3および図4は、1つのティース11およびその周辺部分について、ステータ1の径方向の外方側におけるティース11の側面(以下「外方側側面」という場合がある)27を含む仮想一平面における断面図を示している。
以下では、図3に示すように、巻回部21のつば部26を除く残余の部分(以下「巻回部本体」という)21aの当該断面視において軸線方向Xに垂直な幅方向の寸法(以下「幅寸法」という)をA1とし、脚部22の基部24の幅寸法をB1とし、脚部22の凹所31の幅寸法をC1とし、凹所23と巻回部21との間隔、すなわち凹所23を規定する凹部23aの軸線方向他方X2側の端部から、巻回部21の軸線方向一方X1側の端部までの距離をD1とする。幅寸法B1は、脚部22の2つの突出部25およびそれらが挟む領域の幅寸法E1、および、幅寸法A1よりも大きいことが望ましい。特に、係合部である凹所23が、ステータ用バックヨーク12の軸線方向一方X1側の面よりも軸線方向他方X2側の基部24まで形成されている場合は、前述のように幅寸法B1が幅寸法E1および幅寸法A1よりも大きいことが好適である。なお、幅寸法A1は、径方向の位置によって異なるため、大部分の位置によって、この関係を満たせばよい。本実施の形態では、基部24は、巻回部本体21aおよび突出部25よりも、上記幅方向に突出して形成される。
本実施の形態では、ティース11の各幅寸法A1,B1,C1および距離D1は、以下の式(1)および式(2)に示す大小関係を満たすように規定されている。
B1−C1≧A1 …(1)
D1>0 …(2)
また本実施の形態では、図4に示すように、巻回部21と脚部22との接続部分28と、凹所23との最短距離をJ1とし、脚部22のステータ用バックヨーク12に接する部分の軸線方向Xに平行な厚み方向の寸法(以下「厚み寸法」という)をH1とし、ステータ用バックヨーク12の厚み寸法をG1としたとき、以下の式(3)および式(4)に示す大小関係を満たすように、凹所23が形成される。
D1>0 …(2)
また本実施の形態では、図4に示すように、巻回部21と脚部22との接続部分28と、凹所23との最短距離をJ1とし、脚部22のステータ用バックヨーク12に接する部分の軸線方向Xに平行な厚み方向の寸法(以下「厚み寸法」という)をH1とし、ステータ用バックヨーク12の厚み寸法をG1としたとき、以下の式(3)および式(4)に示す大小関係を満たすように、凹所23が形成される。
J1≧H1 …(3)
J1≧G1 …(4)
本実施の形態では、脚部22の基部24の厚み寸法は、ステータ用バックヨーク12の厚み寸法G1と等しく選ばれる。したがって、軸線方向他方X2側では、脚部22の表面とステータ用バックヨーク12の表面とは面一となるが、軸線方向一方X1側では突出部25が、ステータ用バックヨーク12よりも軸線方向一方X1側に突出している。
J1≧G1 …(4)
本実施の形態では、脚部22の基部24の厚み寸法は、ステータ用バックヨーク12の厚み寸法G1と等しく選ばれる。したがって、軸線方向他方X2側では、脚部22の表面とステータ用バックヨーク12の表面とは面一となるが、軸線方向一方X1側では突出部25が、ステータ用バックヨーク12よりも軸線方向一方X1側に突出している。
図5は、巻回部本体21aの軸線10に垂直な仮想一平面における断面形状を示す図である。当該断面形状は、外方側側面27で規定される下底が、ステータ1の径方向の内方側におけるティース11の側面(以下「内方側側面」という場合がある)29で規定される上底よりも長い略台形状であり、たとえば略等脚台形状である。巻回部本体21aは、軸線方向Xに一様な形状に形成される。巻回部21に巻回される巻線は、具体的には巻回部本体21aに巻回される。
巻回部本体21aの斜辺同士のなす角度θは、360°をティース11の個数(以下「ティース数」という場合がある)で除算した値、すなわち360°/ティース数に選ばれる。本実施の形態では、9個のティース11が備えられており、ティース数は9であるので、前記斜辺同士のなす角度θは、40°となる。これにより、ティース11に設けられる巻線の占積率を高めることができる。なお、ティース11が径方向に積層された鋼板から成る場合は、斜辺およびアール部は鋼板の厚み毎の階段状になる。一方で、係合部23は、軸線10に垂直な仮想一平面における断面が長方形であることが望ましく、階段状としないことによって、より強固な固定が可能となる。
以上のように本実施の形態によれば、各ティース11は、脚部22の係合部23に、固定部材13の対応する係止部31が係止されることによって固定される。
このように各ティース11は、磁路として機能するステータ用バックヨーク12ではなく、ステータ用バックヨーク12とは別に設けられる固定部材13に固定される。換言すれば、ティース11を固定するための固定部材13とは別に、磁路として機能するステータ用バックヨーク12を設けている。もし固定部材13のみを設け、これを磁路としても機能させる場合には、固定部材13の材料として磁性体を採用することになる。そしてもし当該磁性体として、磁気回路としての使用が想定されていない部材、すなわち鉄損を低減する処理がされていない、電磁材料以外の材料から成る部材が用いられると、固定部材13に磁束が通ることによって渦電流損が発生するおそれがある。しかしながら本実施の形態では、ティース11の固定強度を担う固定部材13と、磁路として機能するステータ用バックヨーク12とを別個に設けたので、それぞれが担う機能に適した材料を採用し、ティース11の固定に伴う磁気特性の劣化、鉄損の増大および磁気抵抗の増大が抑制される。これは、ステータ用バックヨーク12とティース11とは、機械的な結合のための処理がなされていないということである。
また本実施の形態では、固定部材13は、金属材料から成るので、他の材料、たとえばステータ用バックヨーク12のように積層鋼板から成る場合に比べて、各ティース11を安定して固定することができ、またステータ1の強度を高めることができる。また本実施の形態では、前述のように固定部材13を磁路として機能させずにすむので、固定部材13の材料を選択するときには、磁路としての機能ではなく、強度を優先して材料を選択することができる。たとえば鉄の特性は、含まれる元素の種類および量によって異なるが、固定部材13が鉄から成る場合は、磁路として好適な鉄ではなく、強度の高い鉄を使うことが可能である。
また本実施の形態では、ティース11の各幅寸法A1,B1,C1および距離D1は、前記式(1)および式(2)に示す大小関係を満たすように規定されている。これによって、脚部22の基部24において磁束は凹所23に妨げられず、その流路が確保されるので、脚部22における磁気飽和を緩和することができる。
また本実施の形態では、ティース11の凹所23は、前記式(3)および式(4)に示す大小関係を満たすように形成される。これによって、磁束は凹所23の影響を殆ど受けることなくティース11とステータ用バックヨーク12との間を流れやすくなる。
<第2の実施の形態>
図6は、本発明の第2の実施の形態におけるステータ1Aの構成を示す。図7はステータ1Aを分解して示す。両図とも、軸線方向一方X1側から斜め方向に見た斜視図である。本実施の形態のステータ1Aは、前述の第1の実施の形態のステータ1と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
図6は、本発明の第2の実施の形態におけるステータ1Aの構成を示す。図7はステータ1Aを分解して示す。両図とも、軸線方向一方X1側から斜め方向に見た斜視図である。本実施の形態のステータ1Aは、前述の第1の実施の形態のステータ1と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
本実施の形態のステータ1Aは、第1の実施の形態と同様に、複数のティース11、ステータ用バックヨーク12および固定部材13Aを備えて構成される。
本実施の形態において、固定部材13Aは、周方向に隣り合う係止部31同士の間に、リブ部34を有する。すなわち固定部材13Aでは、係止部31とリブ部34とが周方向に交互に配置される。リブ部34は、係止部31と同様に、固定部材13の外周縁部32と内周縁部33とにわたって、たとえば径方向に直線状に延びて形成され、外周縁部32および内周縁部33によって連結される。リブ部34は、挿入孔35の周方向における両端部間の中間部、具体的には中央部に設けられ、挿入孔35を区切る。
各ティース11は、本実施の形態においても、前述の第1の実施の形態と同様に、凹所23に、固定部材13の対応する係止部31が係止されることによって、固定部材13に固定される。凹所23と係止部31とは、溶接、または圧入もしくは焼きばめによって係止される。
本実施の形態では、固定部材13Aにリブ部34を設けることによって、固定部材13Aの強度を高め、ひいてはステータ1Aの強度を高めることができる。
<第3の実施の形態>
図8は、本発明の第3の実施の形態におけるステータ40の構成を示す。図9はステータ40を分解して示す。両図とも、軸線方向他方X2側から斜め方向に見た斜視図である。本実施の形態のステータ40は、前述の第1の実施の形態のステータ1と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
図8は、本発明の第3の実施の形態におけるステータ40の構成を示す。図9はステータ40を分解して示す。両図とも、軸線方向他方X2側から斜め方向に見た斜視図である。本実施の形態のステータ40は、前述の第1の実施の形態のステータ1と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
本実施の形態のステータ40は、第1の実施の形態と同様に、複数のティース11、ステータ用バックヨーク12および固定部材41を備えて構成される。
本実施の形態において、固定部材41は、外周縁部32に、ステータ用バックヨーク12を径方向の外方側から覆う外壁部42を有する。外壁部42は、外周縁部32の径方向外方側の端部から軸線方向他方X2側に延びて、環状に形成される。外壁部42の内周面は、ステータ用バックヨーク12の外周面と、少なくとも三箇所、望ましくは全周で接触する。これにより軸線方向Xに垂直な面内において、固定部材41とステータ用バックヨーク12との相互の位置関係が固定される。
本実施の形態では、外壁部42の外周縁部32からの高さ、すなわち軸線方向Xにおける寸法は、ステータ用バックヨーク12の厚み寸法と略等しく選ばれる。したがってステータ40において、ステータ用バックヨーク12の軸線方向他方X2側の表面と、固定部材41の外壁部42の軸線方向他方X2側の表面とは、面一となる。この構成は、巻線、すなわちコイルとの干渉を避けつつ、ケースとの嵌合長を長くできる形態であるが、必須ではない。
各ティース11は、本実施の形態においても、前述の第1の実施の形態と同様に、凹所23に、固定部材41の対応する係止部31が係止されることによって、固定部材41に固定される。凹所23と係止部31とは、溶接、または圧入もしくは焼きばめによって係止される。
本実施の形態によれば、固定部材41には、ステータ用バックヨーク12を径方向の外方側から接触して覆う外壁部42が設けられる。外壁部42は圧縮機などのケースへの取り付けにおいて、焼きばめ等で当該ケースに接触し、ステータ用バックヨーク12は当該ケースと直接には接触しない。よって当該取り付けによるステータ用バックヨーク12への熱的、応力的ダメージを低減できる。特に、外壁部42とステータ用バックヨーク12との接触部分が少ないときには、前記ステータ用バックヨーク12への熱的、応力的ダメージを低減できるという効果が顕著である。したがってケースへ取り付けてもステータ用バックヨーク12の磁気特性が劣化しにくいステータ40を実現することができる。
<第4の実施の形態>
図10は、本発明の第4の実施の形態におけるステータ1Bを分解して示し、軸線方向他方X2側から斜め方向に見た分解斜視図である。本実施の形態のステータ1Bは、前述の第1の実施の形態のステータ1と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
図10は、本発明の第4の実施の形態におけるステータ1Bを分解して示し、軸線方向他方X2側から斜め方向に見た分解斜視図である。本実施の形態のステータ1Bは、前述の第1の実施の形態のステータ1と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
本実施の形態のステータ1Bは、第1の実施の形態と同様に、複数のティース11、ステータ用バックヨーク12および固定部材13Bを備えて構成される。
本実施の形態において、固定部材13Bは環状であり、複数の係止部31は、外周縁部32から固定部材13Bの径方向の内方に向かって突出して形成される。すなわち、複数の係止部31は、固定部材13Bの径方向の外方側で連なり、固定部材13Bの径方向の内方側では、互いに分離されている。
各ティース11は、本実施の形態においても、前述の第1の実施の形態と同様に、凹所23に、固定部材13Bの対応する係止部31が係止されることによって、固定部材13Bに固定される。凹所23と係止部31とは、溶接、または圧入もしくは焼きばめによって係止される。
固定部材13Bは、第1の実施の形態と同様に、たとえば鉄および非磁性ステンレス鋼などの金属材料から成る。このように固定部材13Bが金属材料から成る場合、固定部材13Bに磁束が通ることによって、渦電流損が発生するおそれがある。
本実施の形態では、係止部31は、固定部材13Bの径方向の外方側では連なり、固定部材13Bの径方向の内方側では互いに分離されている。これによって、複数の係止部31が径方向の両側で連なる場合に比べて、軸線方向Xに流れる磁束に対する渦電流を低減することができる。したがって、渦電流損の発生を抑制することができる。他方、係止部31はその径方向の外方側で外周縁部32によって互いに連なっているため、各係止部31と係止する凹所23が設けられた各ティース11同士の固定部材13Bへの固定は維持される。
<第5の実施の形態>
図11は、本発明の第5の実施の形態におけるステータ1Cを分解して示し、軸線方向他方X2側から斜め方向に見た分解斜視図である。本実施の形態のステータ1Cは、前述の第1の実施の形態のステータ1と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
図11は、本発明の第5の実施の形態におけるステータ1Cを分解して示し、軸線方向他方X2側から斜め方向に見た分解斜視図である。本実施の形態のステータ1Cは、前述の第1の実施の形態のステータ1と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
本実施の形態のステータ1Cは、第1の実施の形態と同様に、複数のティース11、ステータ用バックヨーク12および固定部材13Cを備えて構成される。
本実施の形態において、固定部材13Cは環状であり、複数の係止部31は、内周縁部33から径方向の外方に向かって突出して形成される。すなわち、複数の係止部31は、固定部材13Cの径方向の内方側で連なり、固定部材13Cの径方向の外方側では、互いに分離されている。
各ティース11は、本実施の形態においても、前述の第1の実施の形態と同様に、凹所23に、固定部材13Cの対応する係止部31が係止されることによって、固定部材13Cに固定される。凹所23と係止部31とは、溶接、または圧入もしくは焼きばめによって係止される。
固定部材13Cは、第1の実施の形態と同様に、たとえば鉄および非磁性ステンレス鋼などの金属材料から成る。このように固定部材13Cが金属材料から成る場合、固定部材13Cに磁束が通ることによって、渦電流損が発生するおそれがある。
本実施の形態では、係止部31は、固定部材13Cの径方向の内方側では連なり、固定部材13Cの径方向の外方側では互いに分離されている。これによって、前述の第4の実施の形態と同様に、複数の係止部31が径方向の両側で連なる場合に比べて、渦電流損の発生を抑制することができる。またティース11同士の固定部材13Cへの固定が維持される。この係止部31が固定部材13Cの径方向の内方側では連なり、固定部材13Cの径方向の外方側では互いに分離されている構成は、特に、ステータ1Cの底面部でステータ1Cをケースに保持するような用途に適している。
<第6の実施の形態>
図12および図13は、本発明の第6の実施の形態におけるステータ50の構成を示す斜視図である。本実施の形態のステータ50は、前述の第1の実施の形態のステータ1と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
図12および図13は、本発明の第6の実施の形態におけるステータ50の構成を示す斜視図である。本実施の形態のステータ50は、前述の第1の実施の形態のステータ1と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
本実施の形態のステータ50は、第1の実施の形態と同様に、複数のティース51、ステータ用バックヨーク12Aおよび固定部材61を備えて構成される。図12には、ステータ50を分解し、軸線方向他方X2側から斜め方向に見た状態を示しており、図13には、ステータ50を軸線方向一方X1側から斜め方向に見た状態を示している。
各ティース51は、巻回部52および脚部53を備える。巻回部52は、不図示の巻線が巻回される巻回部本体52aと、巻回部本体52aに連なる庇部55と、つば部26とを有する。巻回部本体52aは、第1の実施の形態におけるティース11の巻回部本体21aと同様の構成である。庇部55は、巻回部本体52aから幅方向に突出して形成される。
脚部53は、巻回部52から軸線方向Xに沿ってロータ2に対向する側とは反対側、すなわち軸線方向一方X1側に延び、ステータ用バックヨーク12Aと連結される。脚部53には、ロータ2に対向する側とは反対側、すなわち軸線方向一方X1側に係合部54が形成される。係合部53は、軸線方向一方X1側に開口する凹所である。以下では、凹所の参照符号として、係合部と同じ参照符号「54」を付して説明する。凹所54は、ステータ50の径方向に延在して、溝状に形成される。
本実施の形態では、脚部53は、巻回部52に連なる基部56と、基部56から軸線方向一方X1側に突出する2つの突出部57とを含む。基部56と2つの突出部57とによって、凹所54が規定される。以下、凹所54が形成される部分の基部56および突出部57を、「凹部54a」という場合がある。基部56は、本実施の形態では、軸線方向Xに一様な形状であり、軸線10に垂直な断面形状が長方形状である。基部56の形状は、これに限定されず、たとえば側面がテーパ状であってもよい。
ステータ用バックヨーク12Aには、厚み方向に貫通し、複数のティース51を連結する連結孔130が形成される。本実施の形態において、ステータ用バックヨーク12Aの連結孔130を除くその他の構成は、第1の実施の形態におけるステータ用バックヨーク12と同様である。連通孔130は、第1の実施の形態における連通孔12aと同様に、シャフトが挿通される孔と、周方向に沿って環状に並ぶ複数の孔121とをそれぞれ合体させた形状を呈する。第1の実施の形態では、図2に示すように、シャフトが挿通される孔120の円周上で、隣り合う孔121同士が直接連結されている。これに対し、本実施の形態では、シャフトが挿通される孔は、軸線方向一方X1側からの平面視で多角形状を呈しており、平坦部131を有する。連結孔130は、複数の孔121を、シャフトが挿通される孔の平坦部131で連結した形状を呈する。したがって本実施の形態では、周方向で隣り合う孔121同士は、周方向に離隔している。これによって、ティース51の庇部55同士のぶつかり合いが防止される。
固定部材61は、前述の図11に示す第5の実施の形態における固定部材13Cと同様の構成である。具体的には、固定部材61は、内周縁部33に相当する環状の内輪部63と、係止部31に相当して内輪部63から固定部材61の径方向の外方に向かって突出して形成される複数の係止部62とを有する。固定部材61は、たとえば鉄および非磁性ステンレス鋼などの金属材料から成り、特に非磁性金属から成ることが望ましい。
各係止部62は、ティース51の係合部である凹所54に係止可能に形成される。各ティース51は、その凹所54に、固定部材61の対応する係止部62が係止されることによって、固定部材61に固定される。本実施の形態では、凹所54と、固定部材61の対応する係止部62とは、嵌合可能に形成され、凹所54と係止部62とが嵌合することによって、より具体的には凹所54を規定する2つの突出部57がこれに対応する係止部62を挟込む態様で嵌合することによって、両者が相互に係止する。
本実施の形態では、固定部材61は、軸線方向一方X1側の面(以下「背面」という場合がある)66が、ステータ用バックヨーク12Aの背面12bよりも突出しないように設けられる。具体的には、固定部材61は、その背面66が、ステータ用バックヨーク12Aの背面12bと面一になるように設けられる。
凹所54と突出部57とは、溶接、または圧入もしくは焼きばめによって係止される。
ティース51を溶接する場合、溶接箇所としては、図13に示すように、各突出部57と固定部材61との接触部分90と、各突出部57とステータ用バックヨーク12Aとの接触部分91とが考えられる。但し、ステータ用バックヨーク12Aとの接触部分91での溶接はステータ用バックヨーク12Aの磁気特性に悪影響を与えたり、渦電流を招来する可能性があるので避けた方がよい。したがって、本実施の形態では、ティース51は、ステータ用バックヨーク12Aとの接触部分91では溶接せずに、固定部材61との接触部分90で溶接する。
図14および図15は、1つのティース51およびその周辺部分について、ティース51の外方側側面59を含む仮想一平面における断面図を示している。
以下では、図14に示すように、巻回部本体52aの幅寸法をA2とし、基部56の幅寸法をB2とし、脚部53の凹所54の幅寸法をC2とし、凹所54と巻回部52との間隔、すなわち凹所54を規定する凹部54aの軸線方向他方X2側の端部から、巻回部52の軸線方向一方X1側の端部までの距離をD2とする。
本実施の形態では、幅寸法A2は、脚部53の2つの突出部57およびそれらが挟む領域の幅寸法E2と等しい。また庇部55が形成される位置での巻回部52の幅寸法は、幅寸法A2,B2,E2のいずれよりも大きい。したがって、庇部55がステータ用バックヨーク12Aと接触することによって、ステータ用バックヨーク12Aの連通孔12aへのティース51の進入が止まり、ティース51とステータ用バックヨーク12Aとの相互の位置関係が固定される。
このようにして位置関係が固定される場合、距離D2は、固定部材61の軸線方向Xに沿った寸法とステータ用バックヨーク12Aの軸線方向Xに沿った寸法との差よりも大きいことは望ましくない。背面66が背面12bよりも突出することになるからである。他方、距離D2は上記の差よりも小さくてもよい。前述のように、背面66と背面12bとは面一であるので、この場合には凹所54と固定部材61との間に軸線方向他方X2側で空隙が発生する。しかし突出部57が固定部材61を挟んでいるため、凹所54と固定部材61とは固定される。このように、本実施の形態およびその他の実施の形態において、二者(本実施の形態では凹所54と固定部材61)についての「嵌合」「係止」とは、必ずしも軸線方向における接触を要求するものではない。
また本実施の形態では、ティース51の各幅寸法A2,B2,C2および距離D2は、以下の式(5)および式(6)に示す大小関係を満たすように規定されている。ただし、幅寸法A2は、径方向の位置によって異なるので、式(5)を満たす部分が大半を占めることで十分である。
B2−C2≧A2 …(5)
D2>0 …(6)
また本実施の形態では、図15に示すように、巻回部52と脚部53との接続部分58と、凹所54との最短距離をJ2とし、脚部53のステータ用バックヨーク12Aに接する部分の厚み寸法をH2とし、ステータ用バックヨーク12Aの厚み寸法をG2としたとき、以下の式(7)および式(8)に示す大小関係を満たすように、凹所54が形成される。
D2>0 …(6)
また本実施の形態では、図15に示すように、巻回部52と脚部53との接続部分58と、凹所54との最短距離をJ2とし、脚部53のステータ用バックヨーク12Aに接する部分の厚み寸法をH2とし、ステータ用バックヨーク12Aの厚み寸法をG2としたとき、以下の式(7)および式(8)に示す大小関係を満たすように、凹所54が形成される。
J2≧H2 …(7)
J2≧G2 …(8)
本実施の形態では、脚部53の厚み寸法、すなわち基部56の厚み寸法と突出部57の厚み寸法との和が、ステータ用バックヨーク12Aの厚み寸法G2と等しく選ばれる。したがって軸線方向一方X1側において、各ティース51の脚部53の表面は、ステータ用バックヨーク12Aの背面12bと面一となっている。
J2≧G2 …(8)
本実施の形態では、脚部53の厚み寸法、すなわち基部56の厚み寸法と突出部57の厚み寸法との和が、ステータ用バックヨーク12Aの厚み寸法G2と等しく選ばれる。したがって軸線方向一方X1側において、各ティース51の脚部53の表面は、ステータ用バックヨーク12Aの背面12bと面一となっている。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、ステータ1は、予め定める軸線10まわりで周方向に回転可能に設けられるロータ2に対向して、軸線10が延在する軸線方向Xに予め定める間隔をあけて設けられる。ステータ1は、複数のティース51とステータ用バックヨーク12Aと固定部材61とを備える。複数のティース51は、周方向に配設され、ステータ用バックヨーク12Aによって連結され、固定部材61によって固定される。各ティース51は、磁束を発生させるための巻線が巻回部52に巻回され、巻回部52から軸線方向Xに沿ってロータ2に対向する側とは反対側に延びる脚部53がステータ用バックヨーク12Aと連結され、脚部53のロータ2に対向する側とは反対側に形成される係合部54に、固定部材61の対応する係止部62が係止されることによって固定される。
このように各ティース51は、磁路として機能するステータ用バックヨーク12Aではなく、ステータ用バックヨーク12Aとは別に設けられる固定部材61に固定される。ティース51の固定強度を担う固定部材61と、磁路として機能するステータ用バックヨーク12Aとを別個に設けたので、それぞれが担う機能に適した材料を採用し、ティース51の固定に伴う磁気特性の劣化、鉄損の増大および磁気抵抗の増大が抑制される。
また本実施の形態では、固定部材61は、その背面66が、ステータ用バックヨーク12Aの背面12bよりも突出しないように設けられる。これによって、固定部材61の背面66がステータ用バックヨーク12Aの背面12bよりも突出する場合に比べて、ステータ50の軸線方向Xにおける寸法を小さくして、薄型化することができる。このようなステータ50を用いることによって、前述の効果とともに、アキシャルギャップ型モータを小型化することが可能である。
また本実施の形態では、ティース51の各幅寸法A2,B2,C2および距離D2は、前記式(5)および式(6)に示す大小関係を満たすように規定されている。これによって、脚部53の基部56において磁束は凹所54に妨げられず、その流路が確保されるので、脚部53における磁気飽和を緩和することができる。
また本実施の形態では、ティース51の凹所54は、前記式(7)および式(8)に示す大小関係を満たすように形成される。これによって、磁束は凹所54の影響を殆ど受けることなくティース51とステータ用バックヨーク12Aとの間を流れやすくなる。
<第7の実施の形態>
図16は、本発明の第7の実施の形態におけるステータ70を分解して示す分解斜視図である。図17は、本発明の第7の実施の形態におけるステータ70の構成を示す斜視図である。本実施の形態のステータ70は、前述の第6の実施の形態のステータ50と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第6の実施の形態と共通する説明を省略する。
図16は、本発明の第7の実施の形態におけるステータ70を分解して示す分解斜視図である。図17は、本発明の第7の実施の形態におけるステータ70の構成を示す斜視図である。本実施の形態のステータ70は、前述の第6の実施の形態のステータ50と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第6の実施の形態と共通する説明を省略する。
本実施の形態のステータ70は、ティース51、ステータ用バックヨーク71および固定部材61Aを備えて構成される。図16は、ステータ70を分解し、軸線方向他方X2側から斜め方向に見た状態を示している。図17は、ステータ70を軸線方向一方X1側から斜め方向に見た状態を示している。
本実施の形態における固定部材61Aは、前述の図12に示す第6の実施の形態における固定部材61と同様の構成であるが、本実施の形態では、各係止部62Aは、第6の実施の形態における係止部62を固定部材61Aの径方向の外方に延長した形状を呈する。
本実施の形態において、ステータ用バックヨーク71は、前述の図12に示す第6の実施の形態におけるステータ用バックヨーク12Aを、固定部材61Aの各係止部62Aの位置で周方向に分割した形状であり、複数のヨーク片72で構成される。ヨーク片72の個数は、ティース51の個数と等しく選ばれる。
各係止部62Aは、内輪部63から径方向の外方に向かって、当該係止部62Aで固定されるティース51の外方側側面を越えて延びる。この越境した部分により、当該部分を介して隣接する一対のヨーク片72同士が固定され、当該部分は内輪部63によって連結されるので、ヨーク片72同士の位置関係が固定される。各係止部62Aは望ましくは、隣接するヨーク片72の外周縁部の位置まで延びて形成される。この場合、固定部材61Aの係止部62Aとヨーク片72とによってステータ70の外周縁部が構成されるところ、図17に示されるようにステータ70の外周縁部において、係止部62Aとヨーク片72とは面一となっている。
各ティース51は、その脚部53の凹所54に、固定部材61Aの対応する係止部62Aが係止されることによって、固定部材61Aに固定される。本実施の形態では、固定部材61Aは、内輪部63の径方向外方側の表面のうち、周方向における各係止部62Aの両側の部分に平面部分63aを有する。この平面部分63aと係止部62Aとヨーク片72とによって形成される空間に突出部54が嵌合されるとともに、凹所54に係止部62Aが嵌合されることによって、各ティース51が固定部材61Aに固定される。すなわち、各ティース51は、その凹所54を規定する2つの突出部54によって、固定部材61Aの対応する係止部62Aを挟込む形で、固定部材61Aに固定される。凹所54は、前述の第1の実施の形態と同様に、溶接、または圧入もしくは焼きばめによって係止部62Aに係止される。
なお、式(3),(7)を満足させるためには、ヨーク片72の厚み寸法が係止部62Aの厚み寸法よりも大きいことが望ましく、図17でもそのように描かれている。
このように各ティース51は、固定部材61Aに固定されるので、ステータ用バックヨーク71は、本実施の形態のように分割されていてもよい。特に固定部材61Aに絶縁材料または表面に絶縁処理を施した金属材料を用いることによって、ロータ2の回転に伴う磁束変化によってティース51の周囲に生じる誘導電流を遮断または低減することができる。これによって、誘導電流がジュール熱となってエネルギ損失となることを防ぎ、モータ効率の低下を抑制することができる。したがって、本実施の形態では、ティース51の固定に伴う磁気特性の劣化、渦電流損などの鉄損の増大および磁気抵抗の増大を抑制するとともに、エネルギ損失の発生を防いで、モータ効率の低下を抑制することができる。
<第8の実施の形態>
図18は、本発明の第8の実施の形態におけるステータ70Aを分解して示す分解斜視図である。図19は、本発明の第8の実施の形態におけるステータ70Aの構成を示す斜視図である。本実施の形態のステータ70Aは、前述の第6および第7の実施の形態のステータ50,70と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第6および第7の実施の形態と共通する説明を省略する。
図18は、本発明の第8の実施の形態におけるステータ70Aを分解して示す分解斜視図である。図19は、本発明の第8の実施の形態におけるステータ70Aの構成を示す斜視図である。本実施の形態のステータ70Aは、前述の第6および第7の実施の形態のステータ50,70と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第6および第7の実施の形態と共通する説明を省略する。
本実施の形態のステータ70Aは、第6および第7の実施の形態と同様に、複数のティース51、ステータ用バックヨーク71および固定部材61Bを備えて構成される。図18および図19は、いずれもステータ70を軸線方向他方X2側から斜め方向に見た状態を示している。
本実施の形態において、固定部材61Bは、前述の図10に示す第4の実施の形態における固定部材13Bと同様の構成である。具体的には、固定部材61Bは、外周縁部32に相当する環状の外輪部64と、複数の係止部62Aとを有する。各係止部62Aは、本実施の形態では、外輪部64から固定部材13Bの径方向の内方に向かって突出して形成される。すなわち、複数の係止部62Aは、固定部材61Bの径方向の外方側で連なり、固定部材61Bの径方向の内方側では、互いに分離されている。固定部材61Bは、たとえば鉄および非磁性ステンレス鋼などの金属材料から成る。
ステータ用バックヨーク71の各ヨーク片72は、周方向で隣り合う係止部62Aと外輪部64とによって形成される空間に嵌合される。固定部材61Bはその背面が各ヨーク片72の背面よりも突出しないように、本実施の形態では各ヨーク片72の背面と面一になるように配置される。
式(3),(7)を満足させるためには、ヨーク片72の厚み寸法が係止部62Aの厚み寸法よりも大きいことが望ましい。したがって固定部材61Bを一様な厚みで形成する場合、その外輪部64は、図19に示すように、ステータ用バックヨーク71の各ヨーク片72の厚み方向の一部分を覆う。
各ティース51は、その凹所54に、固定部材61Bの対応する係止部62Aが係止されることによって、固定部材61Bに固定される。本実施の形態では、固定部材61Bの外輪部64と係止部62Aとヨーク片72とによって形成される空間に、突出部54が嵌合されるとともに、凹所54に係止部62Aが嵌合されることによって、各ティース51が固定部材61Bに固定される。すなわち、各ティース51は、その凹所54を規定する2つの突出部54によって、固定部材61Bの対応する係止部62Aを挟込む形で、固定部材61Bに固定される。
凹所54は、前述の第1の実施の形態と同様に、溶接、または圧入もしくは焼きばめによって係止部62Aに係止される。
固定部材61Bの複数の係止部62Aは、前述の第7の実施の形態では、内輪部63によって径方向の内方側で連なっているが、本実施の形態のように、外輪部64によって径方向の外方側で連なっていてもよい。本実施の形態においても、第7の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<第9の実施の形態>
図20は、本発明の第9の実施の形態におけるステータ70Bを分解して示す。図21はステータ70Bの構成を示す。両図とも、軸線方向他方X2側から斜め方向に見た斜視図である。本実施の形態のステータ70Bは、前述の第8の実施の形態のステータ70Aと構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第8の実施の形態と共通する説明を省略する。
図20は、本発明の第9の実施の形態におけるステータ70Bを分解して示す。図21はステータ70Bの構成を示す。両図とも、軸線方向他方X2側から斜め方向に見た斜視図である。本実施の形態のステータ70Bは、前述の第8の実施の形態のステータ70Aと構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第8の実施の形態と共通する説明を省略する。
本実施の形態のステータ70Bは、第1の実施の形態と同様に、複数のティース51、ステータ用バックヨーク71および固定部材61Cを備えて構成される。
固定部材61Cは、前述の図10に示す第4の実施の形態における固定部材13Bと同様の構成である。具体的には、固定部材61Cは、外周縁部32に相当する環状の外輪部65と、複数の係止部62Aとを有する。本実施の形態において、外輪部65は、係止部62Aよりも軸線方向Xの他方X2側に延びて形成される。外輪部65は、ステータ用バックヨーク71の各ヨーク片72を径方向の外方側から覆っており、外壁部として機能する。
ステータ用バックヨーク71の各ヨーク片72は、周方向で隣り合う係止部62Aと外輪部65とによって形成される空間に嵌合される。固定部材61Cは、その背面が、各ヨーク片72の背面よりも突出しないように、本実施の形態では各ヨーク片72の背面と面一になるように配置される。
外輪部65の内周面は、各ヨーク片72の外周面と、少なくとも三箇所、望ましくは全周で接触する。これにより軸線方向Xに垂直な面内において、固定部材61Cと各ヨーク片72との相互の位置関係が固定される。
固定部材61Bの外輪部65の厚み寸法は、ステータ用バックヨーク71の各ヨーク片72の厚み寸法以上に選ばれ、本実施の形態では、ステータ用バックヨーク71の厚み寸法と略等しく選ばれる。したがってステータ70Bにおいて、ステータ用バックヨーク71の各ヨーク片72の軸線方向他方X2側の表面と、固定部材61Cの外輪部65の軸線方向他方X2側の表面とは、図21に示すように、面一となる。
各ティース51は、前述の第1の実施の形態と同様に、脚部53の凹所54に、固定部材61Cの対応する係止部62Aが係止されることによって、固定部材61Cに固定される。各ティース51と固定部材61Cとは、溶接、または圧入もしくは焼きばめによって係止される。
以上のように本実施の形態によれば、固定部材61Cには、ステータ用バックヨーク71を径方向の外方側から接触して覆う外壁部として機能する外輪部65が設けられる。外輪部65は圧縮機などのケースへの取り付けにおいて、焼きばめ等で当該ケースに接触し、ステータ用バックヨーク71は当該ケースと直接には接触しない。よって当該取り付けによるステータ用バックヨーク71への熱的、応力的ダメージを低減できる。したがってケースへ取り付けてもステータ用バックヨーク71の磁気特性が劣化しにくいステータ70Bを実現することができる。
図22は、本発明の他の実施の形態におけるティース80の構成を示す正面図である。本実施の形態におけるティース80は、前述の第1の実施の形態におけるティース11と構成が類似しているので、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
前述の第1の実施の形態では、たとえば、ティース11の凹所23に固定部材13の係止部31を嵌合して、凹所23を規定する突出部25と係止部31とを溶接することによって、凹所23を係止部31に係止し、以てティース11を固定部材13に固定する。また、たとえば、圧入または焼きばめによって、ティース11の凹所23に固定部材13の係止部31を嵌合かつ係止して、ティース11を固定部材13に固定する。前述の第2〜第9の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、溶接、または圧入もしくは焼きばめによって、ティース11,51を固定部材13,13A,13B,13C,41,61,61B,61Cに固定する。
ティースの固定部材への固定方法は、これに限定されない。たとえば図22に示すように、ティース80の脚部81の凹所23を規定する2つの突出部82に、凹所23側に突出するフック部83を形成して、フック留めによって、ティース80を固定部材13に固定してもよい。
前述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば、ティース11,51,80の脚部22,53,81の形状は、底面に近づくほど、すなわち軸線方向一方X1側に向かうに従って、幅広になる形状であってもよい。このように底面に近づくほど幅広になる形状とすることによって、脚部22,53,80の基部24,56において磁束は凹所23,54に妨げられず、その流路が確保されるので、脚部22、53,80における磁気飽和を緩和することができる。
また、たとえば、前述の図8および図9に示す第3の実施の形態におけるステータ40の固定部材41に、前述の図6および図7に示す第2の実施の形態と同様のリブ部をさらに形成してもよい。これによって、固定部材41の強度を高め、ステータ40の強度を高めることができる。
1,1A,1B,1C,40,50,70,70A,70B ステータ
2 ロータ
3 アキシャルギャップ型モータ
10 軸線
11,51,80 ティース
12,12A,71 ステータ用バックヨーク
13,13A,13B,13C,41,61,61A,61B,61C 固定部材
21,52 巻回部
22,53,81 脚部
23,54 係合部(凹所)
31 係止部
32 外周縁部
42 外壁部
62 嵌合部
63 内輪部
64,65 外輪部
2 ロータ
3 アキシャルギャップ型モータ
10 軸線
11,51,80 ティース
12,12A,71 ステータ用バックヨーク
13,13A,13B,13C,41,61,61A,61B,61C 固定部材
21,52 巻回部
22,53,81 脚部
23,54 係合部(凹所)
31 係止部
32 外周縁部
42 外壁部
62 嵌合部
63 内輪部
64,65 外輪部
Claims (5)
- 予め定める軸線(10)まわりで周方向に回転可能に設けられるロータ(2)と、前記軸線(10)が延在する軸線方向に予め定める間隔をあけて前記ロータ(2)に対向して設けられるステータ(1)とを備えるアキシャルギャップ型モータ(3)の前記ステータ(1)であって、
前記周方向に配設され、磁束を発生させるための巻線が巻回される複数のティース(11)と、
磁性材料から成り、前記複数のティース(11)を連結するバックヨーク(12)と、
前記複数のティース(11)を固定する固定部材(13)とを備え、
各前記ティース(11)は、
前記巻線が巻回される巻回部(21)と、
前記巻回部(21)から前記軸線方向に沿って前記ロータ(2)に対向する側とは反対側に延び、前記バックヨーク(12)と連結される脚部(22)とを有し、
前記脚部(22)には、前記ロータ(2)に対向する側とは反対側に係合部(23)が形成され、
前記固定部材(13)は、前記係合部(23)に係止可能な複数の係止部(31)を有し、
各前記ティース(11)は、前記係合部(23)に前記固定部材(13)の対応する前記係止部(31)が係止されることによって固定されることを特徴とするアキシャルギャップ型モータのステータ。 - 前記固定部材(13)は、前記バックヨーク(12)の前記ロータ(2)に対向する側と反対側の面に設けられることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータのステータ。
- 前記固定部材(61,61A,61B)は、前記ロータ(2)に対向する側とは反対側の面が、前記バックヨーク(12A,71)の前記ロータ(2)に対向する側とは反対側の面よりも突出しないように設けられることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータのステータ。
- 前記固定部材(13B,13C)は、金属材料から成り、
前記複数の係止部(31)は、前記周方向に配設され、前記固定部材(13B,13C)の径方向の内方側または外方側で連なり、
前記固定部材(13B,13C)の径方向の前記複数の係止部(31)が連なる側とは反対側では、前記複数の係止部(31)が互いに分離されていることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータのステータ。 - 前記複数の係止部(31)は、前記周方向に配設され、前記固定部材(41)の径方向の外方側で連なり、
前記固定部材(41)は、前記複数の係止部(31)が連なる外周縁部(32)に、前記バックヨーク(12)を径方向の外方側から覆う外壁部(42)を有することを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータのステータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009192113A JP2011045198A (ja) | 2009-08-21 | 2009-08-21 | アキシャルギャップ型モータのステータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009192113A JP2011045198A (ja) | 2009-08-21 | 2009-08-21 | アキシャルギャップ型モータのステータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011045198A true JP2011045198A (ja) | 2011-03-03 |
Family
ID=43832193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009192113A Pending JP2011045198A (ja) | 2009-08-21 | 2009-08-21 | アキシャルギャップ型モータのステータ |
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JP (1) | JP2011045198A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104578633A (zh) * | 2015-01-26 | 2015-04-29 | 哈尔滨理工大学 | 调磁结构及充磁方向改进的轴向磁场调制式复合电机 |
JP2021141746A (ja) * | 2020-03-06 | 2021-09-16 | セイコーエプソン株式会社 | アキシャルギャップモーター |
JP7395870B2 (ja) | 2019-08-09 | 2023-12-12 | セイコーエプソン株式会社 | アキシャルギャップモーター |
-
2009
- 2009-08-21 JP JP2009192113A patent/JP2011045198A/ja active Pending
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