JP2012023879A - 電機子用磁芯及び回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】アキシャルギャップ型の回転電機において、電機子用磁芯を形成する電磁鋼板の積層界面を磁束が横切ることによって生じる渦電流損を低減する技術を提供する。
【解決手段】ティースは第1の磁性体板30の複数が当該ティースにおける第2の径方向に略平行な積層方向に積層された第1の積層体を有し、第1の磁性体板は積層方向の一方側で第1の主面32sを呈し、積層方向の当該一方側とは反対側の他方側で第2の主面32tを呈し、第1の磁性体板の第1の主面と、これに積層方向で隣接する第1の磁性体板の第2の主面との間の、積層方向の磁気抵抗は、積層方向の第1の位置P1における磁気抵抗よりも、第1の位置とは異なる積層方向の第2の位置P2における磁気抵抗の方が大きい。
【選択図】図3

Description

本発明は、電機子用磁芯に関し、特にアキシャルギャップ型の回転電機に採用される電機子用磁芯に関するものである。
予め定められた形状に打抜かれた略平板な電磁鋼板の複数枚を当該電磁鋼板が延在する面の法線方向に積層して、アキシャルギャップ型回転電機に搭載される電機子用磁芯を形成する技術が提案されており、例えば下掲の特許文献1ないし特許文献3等に開示されている。
国際公開第03/047069号 国際公開第03/047070号 特開2006−166679号公報
アキシャルギャップ型回転電機においては、複数の電機子用磁芯が回転軸を中心に環状に配置され、それらは回転軸方向の一方側の一部でバックヨークに埋込まれる。当該電機子用磁芯のうち、当該バックヨークに埋込まれる部位を埋込部、当該バックヨークに埋込まれない部位を巻回部とすると、当該巻回部に電機子巻線が巻回される。
このような電機子巻線の占積率向上を図って、回転軸方向からの平面視で回転軸を中心とする径方向の距離が大きければ大きいほど(すなわち、回転軸を中心とする外周側ほど)、巻回部の幅(当該巻回部における径方向及び回転軸方向のいずれにも垂直な方向の長さ)が大きくなる電機子用磁芯が提案されている。このような電機子用磁芯をアキシャルギャップ型回転電機に採用すると、巻回部の外周側で磁束量が多く、内周側で磁束量が少ない。つまり、巻回部における電磁鋼板の幅に応じて流れる磁束量が異なる。
また、当該回転電機のトルク密度向上を図って、回転軸を中心とする外周側ほど、電機子用磁芯と対向する界磁発生部の幅(当該界磁発生部における径方向及び回転軸方向のいずれにも垂直な方向の長さ)が大きくなる界磁子も提案されている。
電機子用磁芯の巻回部を流れる磁束は、埋込部を経由してバックヨークに流出入し、バックヨークにおいて略周方向に流れる。バックヨークの回転軸を中心とする周方向に垂直な断面の断面積は通常は略均一である(周方向の位置によらない)から、バックヨークにおいては、磁束密度が略一様となる。そしてバックヨークの回転軸方向の厚みも通常は略均一であるので、バックヨークを周方向に流れる磁束の磁束密度は外周でも内周でも略同一となる(径方向の位置によらない)。
よって上述のように、巻回部において内外周で磁束量が相違する場合、内外周で磁束量が略等しいバックヨークと巻回部との間では磁束が径方向に流れることになる。上述のように埋込部は巻回部とバックヨークとの間に介在して磁束を流すため、埋込部近傍で電磁鋼板の積層界面を横切って外周側から内周側に磁束が流れることになる(以下では、このように電磁鋼板の積層界面を横切って磁束が流れることを「磁束の越境」と仮称する)。磁束の越境は、電磁鋼板面の法線方向での磁束の流れを許し、これは電磁鋼板面内に渦電流を発生させる。ここで、電磁鋼板は、電磁鋼板面内に磁束が流れたときに生じる渦電流を抑制することを意図されているので、同面内に渦電流が流れたときに生じる鉄損(渦電流損)の抑制を図ることは困難である。このように渦電流が生じてしまうと鉄損が大きくなる。
本発明は、上記課題に鑑み、アキシャルギャップ型の回転電機に搭載される電機子用磁芯において、当該電機子用磁芯を形成する電磁鋼板の積層界面を磁束が横切ることによって生じる渦電流損を低減する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る電機子用磁芯の第1の態様は、回転電機(100)の回転軸(A)に沿って回転子たる界磁子(10)と対向する固定子たる電機子において前記回転軸の周りに環状に配置されるティース(22,22a,22b,22c,22d)を備える電機子用磁芯(20,20a)であって、前記ティースは、前記回転軸に平行な方向たる軸方向(Q)に垂直な積層方向に第1の磁性体板(30,30a)の複数が積層された積層体(36;228a,228b;228c,228d;228e,228f)を少なくとも一つ有し、前記第1の磁性体板は、前記軸方向及びその前記積層方向のいずれにも垂直な方向たる第1の幅方向(Wt)に第1の長さ(W1)を有する第1部(222)と、前記第1部の前記軸方向の一方側で前記第1の幅方向に前記第1の長さよりも長い第2の長さ(W2,W2a)を有する第2部(224,226)とを呈し、異なる前記ティース同士は前記第2部を介して相互に磁気的に結合され、前記第1の磁性体板はその前記積層方向の一方側で第1の主面(32s)を呈し、前記積層方向の前記一方側とは反対側の他方側で第2の主面(32t)を呈し、前記第1の磁性体板の前記第1の主面と、これに前記積層方向で隣接する前記第1の磁性体板の前記第2の主面との間の、前記積層方向の磁気抵抗は、前記積層方向の第1の位置(P1)における前記磁気抵抗よりも、前記第1の位置とは異なる前記積層方向の第2の位置(P2)における前記磁気抵抗の方が大きい、電機子用磁芯である。
本発明に係る電機子用磁芯の第2の態様は、その第1の態様であって、前記第1の主面(32s)とこれに前記積層方向で隣接する前記第2の主面(32t)との間の前記積層方向に沿った距離は、前記第1の位置(P1)における前記距離(d1)よりも、前記第2の位置(P2)における前記距離(d2)の方が大きい。
本発明に係る電機子用磁芯の第3の態様は、その第1又は第2の態様であって、前記第2部(226)同士が前記軸方向(Q)からの平面視で前記回転軸(A)を中心として隣接して配置される。
本発明に係る電機子用磁芯の第4の態様は、その第1又は第2の態様であって、前記ティース(22,22b−22d)に対して前記軸方向(Q)の前記一方側で、前記第2部(224)同士を相互に磁気的に結合するバックヨーク(24)を更に有し、前記バックヨーク(24)は、前記第2部が嵌る凹部(242)を呈し、前記軸方向に積層される略環状の第2の磁性体板(40)の複数を含む。
本発明に係る電機子用磁芯の第5の態様は、その第1ないし第4の態様のいずれかであって、前記第1の磁性体板(30)の前記積層方向は、当該第1の磁性体板を有する前記ティースにおける前記軸方向(Q)を中心とした第1の径方向(Rt)に略平行であり、前記第1の幅方向(Wt)の長さは前記第1の径方向の外側に位置する前記第1の磁性体板ほど長い。
本発明に係る電機子用磁芯の第6の態様は、その第1ないし第4の態様であって、前記積層体(36)は、前記第1の磁性体板(30)の複数を前記積層方向に積層した第1の積層部(36a)と、前記第1の磁性体板の複数を前記積層方向に積層した第2の積層部(36b)とを、前記第2の位置(P2)を挟んで前記積層方向に積層して有し、前記第1の長さは、前記第1の積層部において等しく第1の値(W3)を取り、前記第2の積層部において等しく第2の値(W4)を取り、前記第1の値と前記第2の値とは相違する。
本発明に係る電機子用磁芯の第7の態様は、その第1ないし第6の態様のいずれかであって、一の前記ティース(22b,22c,22d)は、複数の前記積層体(228a−228f)を有し、一の前記ティースにおいて、前記複数の積層体同士が、それぞれの前記第1の幅方向(Wt)に隣接して配置される。
本発明に係る電機子用磁芯の第8の態様は、その第1ないし第7の態様のいずれかであって、一の前記ティースはその前記第2の位置(P2)において、前記第2の位置に隣接する前記第1の磁性体板よりも磁気抵抗が大きい間挿部材(62,64,66)を更に有する。
本発明に係る電機子用磁芯の第9の態様は、その第8の態様であって、前記間挿部材(62,64,66)は、前記一の前記ティースの前記積層方向からの平面視で前記第2の位置(P2)に隣接する前記第1の磁性体板(30)の外形と略同じか又は前記外形よりも小さい形状を呈する。
本発明に係る電機子用磁芯の第10の態様は、その第9の態様であって、前記間挿部材(62)は、前記一の前記ティースの前記積層方向からの平面視で外形の内側に空隙を呈する。
本発明に係る電機子用磁芯の第11の態様は、その第8ないし第10の態様のいずれかであって、前記間挿部材(62,64,66)と前記第1の磁性体板(30)とはカラマセによって相互に固定される。
本発明に係る電機子用磁芯の第12の態様は、その第8の態様であって、前記間挿部材(68)は、非磁性体フィルムである。
本発明に係る電機子用磁芯の第13の態様は、その第1ないし第7の態様であって、前記ティース(22)の前記軸方向(Q)に垂直な方向の外形を覆うインシュレータ(70)を更に有し、前記第2の位置に対応する前記インシュレータの内側は、当該ティースの前記第1の幅方向(Wt)に突出する凸部(72)を呈する。
本発明に係る電機子用磁芯の第14の態様は、その第13の態様であって、前記第2の位置(P)を挟む一対の前記第1の磁性体板は、それぞれ前記第2の位置とは反対側で隣接する他の前記第1の磁性体板とカラマセによって相互に固定される。
本発明に係る電機子用磁芯の第15の態様は、その第4ないし第7の態様のいずれかであって、前記凹部(242)は、前記ティースの前記軸方向(Q)の一方側端部の、当該ティースの前記第1の幅方向(Wt)の端部を保持する辺縁を呈し、前記バックヨーク(24)は当該ティースの前記第2の位置(P2)に対応する位置の前記辺縁から当該ティースの前記第1の幅方向に突出する突起(244)を呈する。
本発明に係る圧縮機の第1の態様は、前記界磁子(10)と、本発明に係る電機子用磁芯の第1ないし第15の態様のいずれかとを備え、前記界磁子は、相互に異なる極性を前記電機子用磁芯に向け、前記回転軸を中心として環状に配置される複数の界磁発生部を有し、前記軸方向(Q)からの平面視で、前記界磁発生部の当該界磁発生部における前記回転軸(A)を中心とした第2の径方向(Rm)に垂直な方向たる第2の幅方向(Wm)の長さ(12w1,12w2)と、前記ティースの当該ティースにおける前記第1の幅方向(Wt)の長さ(22w1,22w2)との比(12w1/22w1,12w2/22w2)は、前記回転軸からの距離に応じて異なる、回転電機(100)である。
本発明に係る電機子用磁芯の第1の態様によれば、第2部によって、異なるティースの第1部同士の間で磁束を円滑に流しつつも、第1部と第2部とが形成する屈曲部位において第1の磁性体板の積層方向に流れる磁束を第1の磁性体板同士の積層方向の磁気抵抗が大きい位置において阻害できる。もって渦電流損の低減に資する。
本発明に係る電機子用磁芯の第2の態様によれば、積層方向に沿った距離が大きいほど磁気抵抗が大きいので、第1の磁性体板同士の隙間の積層方向の距離が大きい位置において、第1の磁性体板の積層方向に流れる磁束を阻害できる。
本発明に係る電機子用磁芯の第3の態様によれば、バックヨークを別途に必要としないので、ティースとバックヨークとの間の磁気抵抗を回避できる。
本発明に係る電機子用磁芯の第4の態様によれば、ティース同士の間に流れる磁束の流れを助け、電機子の機械的強度を高めることができる。また、バックヨークでの渦電流損を低減できる。
本発明に係る電機子用磁芯の第5の態様によれば、電機子巻線が巻回される芯を第1の径方向の外側ほど幅広に形成できるので、電機子巻線を軸方向からの平面視で広い面積に設けることができる。
本発明に係る電機子用磁芯の第6の態様によれば、一のティースを形成するときに第1の磁性体板の幅を異ならせる数が、第1の径方向全体にわたって幅を異ならせるよりも少なくて済むので、ティースの形成が容易である。
本発明に係る電機子用磁芯の第7の態様によれば、一のティース内でそれぞれの積層体の第1の幅方向に流れる磁束に起因する渦電流の低減に資する。
本発明に係る電機子用磁芯の第8の態様によれば、第2の位置における磁気抵抗を高めてかつ、第2の位置の前後にある第1の磁性体板同士の位置関係を保持することができる。
本発明に係る電機子用磁芯の第9の態様によれば、電機子巻線の巻回を阻害せず、界磁子と電機子との軸方向の空隙(エアギャップ)の形成も阻害しない。
本発明に係る電機子用磁芯の第10の態様によれば、空隙が磁気抵抗を高め、ティースの第1の径方向に流れる磁束を阻害できる。
本発明に係る電機子用磁芯の第11の態様によれば、第1の磁性体板同士の隙間が大きい箇所を設けても、ティースを一体に保持できる。
本発明に係る電機子用磁芯の第12の態様によれば、第2の位置における磁気抵抗を高めることができる。
本発明に係る電機子用磁芯の第13の態様によれば、インシュレータの凸部が空隙を形成して積層方向に流れる磁束を阻害できる。また、空隙の前後にある第1の磁性体板同士が相互に固定されていなくても、これを保持できる。
本発明に係る電機子用磁芯の第14の態様によれば、第2の位置の前後にそれぞれある複数の第1の磁性体板を相互に固定できる。
本発明に係る電機子用磁芯の第15の態様によれば、第2の位置における磁気抵抗を高めることができる。
本発明に係る回転電機の第1の態様によれば、ティースでの渦電流損を低減でき、もって回転電機の運転効率を高めることができる。
本発明の実施例1に係る電機子用磁芯が採用される回転電機の軸方向に沿った分解斜視図である。 ティースの斜視図である。 ティースの軸方向からの平面図とその部分拡大図である。 一の間挿部材の径方向からの平面図である。 一の間挿部材の径方向からの平面図である。 一の間挿部材の径方向からの平面図である。 実施例2に係る電機子用磁芯に採用されるティース及びインシュレータの軸方向からの平面図である。 実施例3に係る電機子用磁芯の軸方向に沿った分解斜視図である。 変形例1に係る電機子用磁芯の斜視図である。 変形例2に係る電機子用磁芯に採用されるティースの分解斜視図である。 変形例3に係る電機子用磁芯に採用されるティースの軸方向からの平面図である。 変形例4に係る電機子用磁芯に採用されるティースの軸方向からの平面図である。 界磁発生部及びティースの軸方向からの平面透視図である。 変形例に係る回転電機に採用される界磁子の軸方向からの平面図である。
以下、本発明の好適な実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、図1を初めとする以下の図には、本発明に関係する要素のみを示す。
〈実施例1〉
図1に示すように、本発明の実施例1に係る電機子用磁芯20は、回転電機100に搭載される。回転電機100は、回転子たる界磁子10と、固定子たる電機子80とが回転軸Aに平行な軸方向Qに沿って対向する。界磁子10は界磁発生部12と、界磁発生部12を保持するヨーク11とを有している。電機子80は回転軸Aの周りで環状配置される複数のティース22と、ティース22のそれぞれに巻回される電機子巻線50と、ティース22を軸方向Qの一方側(本実施例では、電機子80に対して界磁子10とは反対側を「軸方向Qの一方側」としている)端部で保持するバックヨーク24及び補強板21とを有している。なお、構造の理解を助けるため、アキシャルギャップ型の回転電機100を回転軸Aに沿って分解して示しているが、回転電機100が組立てられた状態では、界磁子10と電機子80とが予め定められた空隙を介して対向する。また、界磁発生部12とヨーク11とは互いに接触しており、ティース22、バックヨーク24及び補強板21も互いに接触している。また、図1では、電機子巻線50が一のティース22にのみ巻回されて示されているが、実際にはすべてのティース22に電機子巻線50が巻回されている。
なお、本願では特に断りのない限り、電機子巻線50はこれを構成する導線の1本1本を指すのではなく、導線が一纏まりに巻回された態様を指すものとする。これは図面においても同様である。また、巻始め及び巻終わりの引出線と、それらの結線も図面においては省略している。また、電機子巻線50の巻回方法は、ワークを回転させて巻回するスピンドル巻、固定されたワークにノズルを旋回させて巻回するノズル巻等、任意である。さらに、巻回しながら又は巻回後に加熱して導線同士を固着させる自己融着線を用いると好適である。また、巻回後に樹脂でモールドしても良い。
ティース22のそれぞれは、第1の磁性体板30の複数が当該ティース22における第1の径方向Rtに略平行な積層方向に積層された第1の積層体を有する。具体例を挙げれば、ティース22は複数枚の第1の磁性体板30が積層された第1の積層体を有し、当該第1の積層体は軸方向Qからの平面視で略線対称な形状を呈し、その対称軸上に回転軸Aが位置する。このようなティース22は例えば、磁性体板から打抜かれる第1の磁性体板30の形状を徐々に変化させながら順次積層していくことによって得ることができる。積層された第1の磁性体板30同士を固定する手法としては例えば、カラマセによる固定を挙げることができる。
図2に示すように、ティース22のそれぞれは、当該ティース22における第2の幅方向Wtの長さが第1の長さW1を呈する巻回部222と、巻回部222の軸方向Qの一方側で第2の幅方向Wtの長さが第2の長さW2を呈する埋込部224とを呈する。なお、第1の長さW1及び第2の長さW2はそれぞれ第1の径方向Rtの位置に依存して異なる値をとり得るが、図2では一例を示している。
巻回部222は軸方向Qからの平面視で略等脚台形状を呈する。換言すれば、巻回部222を形成する第1の磁性体板30の第2の幅方向Wtの長さは、これに積層方向の外側で隣接する第1の磁性体板30の第2の幅方向Wtの長さよりも短い。巻回部222に電機子巻線50が巻回されるので、電機子巻線50が巻回される部位が第1の径方向Rtの外側ほど幅広に形成される。もって、電機子巻線50を軸方向Qからの平面視で広い面積に設けることができる。
埋込部224は軸方向Qからの平面視で略矩形状を呈する。また、バックヨーク24は磁性体により形成され、ティース22に対して軸方向Qの一方側に配置される。具体的には、バックヨーク24は、ティース22の埋込部224が嵌る凹部242を呈する。ここで、埋込部224の第2の長さW2は巻回部222の第2の幅方向Wtにおける第1の長さW1と同じか又は第1の長さW1よりも長い。要するに、埋込部224が巻回部222と等幅か又は巻回部222よりも幅広に形成される。したがって、巻回部222から埋込部224へと流れる部位において磁気抵抗が増大することを回避できる。図1を参照して、バックヨーク24が呈する凹部242に埋込部224が埋込まれて、両者が磁気的に結合するので、埋込部224が巻回部222と等幅か又は巻回部222よりも幅広であれば、ティース22とバックヨーク24との間の磁気抵抗の増大を回避することに資する。
バックヨーク24は軸方向Qに積層される略環状の第2の磁性体板40の複数を含む。より具体的には、外形が略円形を呈してかつ、内側が埋込部224の軸方向Qからの平面視での形状に対応した空隙を呈する略環状の第2の磁性体板40の複数を、軸方向Qに沿って積層することでバックヨーク24を形成する。複数の第2の磁性体板40それぞれが呈する当該空隙が協働して凹部242を規定する。バックヨーク24が複数の第2の磁性体板40を積層して形成されるので、バックヨーク24中では磁束が第2の磁性体板40の積層方向に対して垂直な方向に流れる。よって、バックヨーク24での渦電流損を低減できる。
バックヨーク24の軸方向Qの一方側には略円環状の補強板21が設けられている。ティース22の埋込部224は、巻回部222とは反対側へと突出する突出部221を呈し、補強板21が突出部221と嵌合する孔211を呈していても良い。突出部221が孔211と嵌合することにより、補強板21はティース22を機械的に保持する強度を高める。
これに対して、ティース22とバックヨーク24とは磁気的に結合しており、必ずしもバックヨーク24がティース22を機械的に保持する必要はない。バックヨーク24はティース22同士の間に流れる磁束の流れを助ける。他方、補強板21を有していることにより、電機子80の機械的強度が高まる。よってバックヨーク24と補強板21とは、両者が相互に固定されていれば、磁気的結合と機械的結合というそれぞれが担保すべき機能に鑑みた材料をもって形成できる。具体的には、上述のとおりバックヨーク24は軸方向Qに沿って積層された第2の磁性体板40で主として形成されるが、圧粉磁芯で形成されても良い。また、補強板21の材料としては望ましくは非磁性体の金属塊を挙げることができる。
ティース22と補強板21との固定は、必ずしも突出部221と孔211との嵌合である必要はなく、両者を接着によって固定しても良い。このように孔211を設ける場合には、凹部242は軸方向Qに貫通する。しかし、補強板21を設けない場合も考えられ、この場合には、凹部242は軸方向Qにおいて貫通する必要はなく、軸方向Qにおいては、単に埋込部224と嵌合するための凹部があれば足りる。また、補強板21を設けない場合には、当然に孔211はなく、よってティース22が突出部221を呈する必要もない。ただし、この場合にはティース22とバックヨーク24とが磁気的にも機械的にも結合していることが望ましい。なお、補強板21の有無、ティース22とバックヨーク24との結合方法等は任意である。
図3は、ティース22の軸方向Qからの平面視と、その部分拡大図であり、図3の右側に示すティース22において破線で丸く囲んだ領域を左側に拡大して示している。図3に示すように、第1の磁性体板30は、積層方向の一方側で第1の主面32sを呈し、当該一方側とは反対側の他方側で第2の主面32tを呈する。なお、本態様では、回転軸Aから遠離る方向を「積層方向の一方側」とし、回転軸Aに近付く方向を「積層方向の他方側」としている。第1の磁性体板30の第1の主面32sと、これに積層方向で隣接する第1の磁性体板30の第2の主面32tとの間の磁気抵抗は、積層方向の第1の位置P1における磁気抵抗よりも、第1の位置P1とは異なる第2の位置P2における磁気抵抗の方が大きい。つまり、第2の位置P2は、積層方向の磁気抵抗が積層方向で隣接する位置に比して相対的に高い位置として把握できる。よって、例えば当該位置P1において磁束の越境が生じるとしても、当該位置P2において磁束の越境が阻害される。
具体的には、第1の主面32sとこれに積層方向で隣接する第2の主面32tとの間の積層方向に沿った距離が、第1の位置P1における距離d1よりも、第2の位置P2における距離d2の方が大きい。より具体的には例えば、第1の位置P1においては第1の磁性体板30の第1の主面32sとこれに積層方向で隣接する第1の磁性体板の第2の主面32tとが接触し、第2の位置P2においては第1の磁性体板30の第1の主面32sとこれに積層方向で隣接する第1の磁性体板の第2主面32tとの間に間挿部材が設けられる。
間挿部材として非磁性フィルム68を採用すれば、図3に示すように、第2の位置P2に非磁性体フィルム68を挟むことによって、距離d1よりも、距離d2を大きくし、第1の位置P1における積層方向の磁気抵抗よりも、第2の位置P2における積層方向の磁気抵抗を大きくできる。なお、非磁性フィルム68のみならず、図4ないし図6に示すような形状を呈する間挿部材62,64,66であっても良い。
図4に示す間挿部材62は、図3で示した非磁性体フィルム68に代えて第2の位置P2に設けることができる。間挿部材62が設けられるティース22の積層方向からの平面視で第2の位置P2に隣接する第1の磁性体板30の外形と略同じか又は当該外形よりも小さい形状を呈する。そして、間挿部材62が第1の磁性体板30に積層されたときに、積層方向からの平面視で当該第1の磁性体板30の外形から間挿部材62の外形がはみ出さない。これにより電機子巻線50の巻回を阻害せず、界磁子10と電機子80との軸方向Qの空隙(エアギャップ)の形成も阻害しない。
間挿部材62は、ティース22の積層方向からの平面視で外形の内側に空隙62vを呈する。具体例を挙げれば、間挿部材62は図4に示すようにティース22の巻回部222に相当する部位において略矩形状の空隙62vを呈する。つまり、巻回部222に相当する部位622において中空状であり、埋込部224に相当する部位624において中実状である。空隙62vにより、間挿部材62における磁気抵抗が高まり、ティース22の第1の径方向Rtに流れる磁束を阻害できる。
間挿部材62は、第1の磁性体板30と同じ磁性体板から形成されても良い。第1の磁性体板30と同じ磁性体板から形成することにより、ティース22の製造工程において第1の磁性体板30の材料とは異なる材料から形成される間挿部材62を挿入する工程を設ける必要がなく、ティース22の製造コスト抑制に資する。埋込部224に相当する部位624が中実状であれば、当該部位624の一部625において第1の磁性体板30とカラマセによって固定できる。
図5に示す間挿部材64も、図3で示した非磁性体フィルム68に代えて第2の位置P2に設けることができる。間挿部材64は、第1の磁性体板30と同じ磁性体板から形成されても良い。ティース22を形成する第1の磁性体板30同士を強固に固定するためには、埋込部224に相当する部位624の一部625においてカラマセによって固定するのみならず、巻回部222に相当する部位においてもカラマセで相互に固定することが望ましい。そこで、間挿部材64は、ティース22の埋込部224に相当する部位624において中実状であり、当該部位624から巻回部222に相当する部位におけるカラマセ部位642へと向かって突出する形状を呈する。これにより、第1の磁性体板30と間挿部材64とを強固に固定できる。
間挿部材62,64はいずれも埋込部224に相当する部位624が中実状であるため、第1の磁性体板30と同じ材料を採用する場合には、埋込部224において磁束の越境が生じ、渦電流損の原因となる。そこで、図6に示す間挿部材66を採用しても良い。間挿部材66もまた、図3で示した非磁性体フィルム68に代えて第2の位置P2に設けることができる。間挿部材66は、第1の磁性体板30と同じ磁性体板から形成されても良い。間挿部材66は具体的には積層方向からの平面視で略矩形状を呈し、長手方向の一端に埋込部224に相当する位置でカラマセを担う部位625を有し、長手方向の他端に巻回部222に相当する位置でカラマセを担う部位642を有する。なお、図面ではカラマセを担う部位642,625がいずれもデフォルメされて示されている。当該部位642,625はいずれも小さいので、間挿部材62,64,66の積層方向からの平面視における実際の面積は図に示すよりも小さくすることができる。したがって、間挿部材62,64,66を磁性体板で形成しても、間挿部材62,64,66を容易に磁気飽和させることができる。もって、間挿部材62,64,66の磁気抵抗を高めることができ、ひいては間挿部材62,64,66における磁束の越境を回避又は抑制できる。
このような間挿部材62,64,66及び/又は非磁性体フィルム68を、ティース22を形成する際に適宜の位置(例えば図3に示す第2の位置P2)に設けることにより、第1の磁性体板30の積層方向の磁気抵抗を当該位置P2において他の位置(例えば第1の位置P1)よりも高くできる。もって、第1の磁性体板30の積層方向に流れる磁束を、当該位置P2において阻害できる。なお、図3では、3箇所に間挿部材62,64,66及び/又は非磁性体フィルム68を設ける態様を例示しているが、間挿部材62,64,66及び/又は非磁性体フィルム68を設ける位置及び数は任意である。図3に示す部分拡大図では、磁束の流れを矢印で模式的に示している。
〈実施例2〉
以下、本発明の実施例2等について図面を参照しながら説明する。なお、上述の実施例と同様の機能を有する要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、本発明の実施例2に係る回転電機に採用されるティース22aは、積層体36を有する。積層体36は、第1の積層部36aと、第2の積層部36bと、第3の積層部36cとを有する。第1の積層部36aは、第2の幅方向Wtの長さが互いに等しい第3の長さW3を呈する第1の磁性体板30の複数を積層して形成される。第2の積層部36bは、第2の幅方向Wtの長さが互いに等しくかつ第3の長さW3よりも長い第4の長さW4を呈する第1の磁性体板30の複数を積層して形成される。第3の積層部36cは、第2の幅方向Wtの長さが互いに等しくかつ第4の長さW4よりも長い第5の長さW5を呈する第1の磁性体板30の複数を積層して形成される。
第1の積層部36aと第2の積層部36bとは、積層方向の磁気抵抗が相対的に高い位置たる第2の位置P2を挟んで積層方向に沿って配置される。また、第2の積層部36bと第3の積層部36cとは、積層方向の磁気抵抗が積層方向で隣接する位置に比して相対的に高い位置たる第3の位置P3を挟んで積層方向に沿って配置される。
このように、一のティース22aを形成するときに第1の磁性体板30の第2の幅方向Wtの長さを異ならせる数が、ティース22の第2の幅方向Wtの長さが積層方向全体にわたって異ならせる場合の数よりも少なくて済むので、ティース22aの形成が容易である。
本実施例2のように、ティース22aが軸方向Qからの平面視で階段状を呈するような場合には、ティース22aの軸方向Qに垂直な方向の外側に、樹脂等の非磁性体で形成されるインシュレータ70を設けることが望ましい。インシュレータ70の軸方向Qに垂直な方向の外形が、軸方向Qからの平面視で滑らかな形状を呈していれば、電機子巻線50(図1参照)を構成する導線を巻回しやすいからである。
インシュレータ70の内側は、第2の位置P2及び第3の位置P3に対応する位置において、第2の幅方向Wtに沿って突出する凸部72,73を呈する。そして、第1の積層部36aと第2の積層部36bとは第2の幅方向Wtで対向する一対の凸部72を介して隔置され、第2の積層部36bと第3の積層部36cとは第2の幅方向Wtで対向する一対の凸部73を介して隔置される。
第1の積層部36a、第2の積層部36b及び第3の積層部36cが配置された外側をインシュレータ70が覆うので、第1の積層部36aと第2の積層部36b同士及び、第2の積層部36bと第3の積層部36c同士が相互に固定されていなくても、これらを保持できる。また、凸部72,73によってそれぞれの積層体同士が隔置されるので、第2の位置P2及び第3の位置P3において積層方向に流れる磁束を阻害できる。
第2の位置P2の前後にある一対の第1の磁性体板30は、それぞれ第2の位置P2とは反対側で隣接する他の第1の磁性体板30とカラマセによって相互に固定される。具体的には、第1の積層部36aの積層方向の一方側にある第1の磁性体板30pは、積層方向の他方側にある第1の磁性体板30qとカラマセによって相互に固定される。また、第2の積層部36bの積層方向の他方側にある第1の磁性体板30rは、積層方向の一方側にある第1の磁性体板30sとカラマセによって相互に固定される。第3の位置P3の前後にある一対の第1の磁性体板30についても同様である。
〈実施例3〉
図8に示すように、本発明の実施例3に係る回転電機に採用される電機子用磁芯23では、バックヨーク24が呈する凹部242に突起244が設けられている。具体的には、凹部242を規定する辺縁において、当該辺縁から第2の幅方向Wtに突出する突起244が設けられている。突起244が設けられる位置は例えば、第2の位置P2及び、第3の位置P3に対応する位置に設けられる。なお、突起244はバックヨーク24を打抜いて形成する際に一体に形成される。
図8では、ティース22を3つの積層部22p,22q,22rから形成し、それぞれの積層部22p,22q,22rを突起244を介して積層方向に配置する。これにより、積層部22pと積層部22qとの間及び、積層部22qと積層部22rとの間の磁気抵抗を高め、積層方向に流れる磁束を阻害する。
〈変形例1〉
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施例1−3では、ティース22,22aと、バックヨーク24とを別体で形成しているが、必ずしも別体である必要はない。具体的には、図9に示すように、第1の磁性体板30を含む第3の磁性体板30aを複数枚積層して分割コア26aを形成し、これらを環状に配置することによって、上記実施例1−3におけるバックヨーク24に相当する構成としても良い。
より具体的には例えば、電機子用磁芯23が複数の分割コア26aを有する。それぞれの分割コア26aは、略T字形状に形成される第3の磁性体板30aを、当該分割コア26aにおける第1の径方向Rtに略平行な積層方向に積層されて形成される。
分割コア26aは、当該分割コア26aにおける第2の幅方向Wtの長さが第1の長さW1を呈してティース22bとして機能するティース部226と、当該ティース部226の軸方向Qの一方側で第2の幅方向Wtの長さが第1の長さW1よりも長い第2の長さW2aを呈するバックヨーク片228とを呈する。換言すれば、略T字形状に形成される第3の磁性体板30aのうち、当該Tの垂直方向に延在する部位の複数が協働してティース部226を形成し、当該Tの水平方向に延在する部位の複数が協働してバックヨーク片228を形成する。
分割コア26aのうち、バックヨーク片228同士が相互に連結されることによって分割コア26aは環状に連結され、連結されたバックヨーク片228がバックヨーク24aとして機能する。このような分割コア26aを採用することにより、ティース部226からバックヨーク片228への磁気抵抗を低減できる。
このような分割コア26aにおいても、例えば積層方向で隣接する第3の磁性体板30a同士の間に間挿部材62,64,66及び/又は非磁性体フィルム68に相当する部材(図示省略)を設けることにより、当該位置における積層方向の磁気抵抗を高め、積層方向に流れる磁束を当該位置において阻害でき、渦電流損の低減に資する。なお、図9では、上述の間挿部材62,64,66及び/又は非磁性体フィルム68に対応する構成の明示は省略しているが、任意の位置に適宜設けることができることはいうまでもない。
〈変形例2〉
上記実施例1−3及び変形例1では、ティース22,22aが第2の幅方向Wtには単一の部材(一の第1の磁性体板30又は、一の第3の磁性体板30a)によって形成される態様について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図10に示すように、一のティース22bが、当該ティース22bにおける第2の幅方向Wtで隣接する複数のティース片(課題を解決するための手段における「積層体」に相当する)228a,228bを含んでも良い。具体的には、ティース片228a,228bは予め定められた形状に形成された第1の磁性体板30の複数を積層して形成され、互いに、軸方向Qからの平面視で線対称でかつ、第1の径方向Rtからの平面視で線対称な形状を呈する。ティース片228a,228b同士を、線対称な位置関係を保って連結して一のティース22bを形成することにより、当該ティース22bの第1の径方向Rtに流れる磁束に起因する渦電流の低減に資する。なお、ティース片228a,228b同士を連結する際に、両者の間に非磁性体フィルム(図示省略)等を挟んで、ティース片228a,228b同士の間で第2の幅方向Wtに流れる磁束を阻害するようにしても良い。
〈変形例3〉
上記実施例1−3及び変形例1,2では、ティース22,22a,22bの第2の幅方向Wtの長さの半分の位置における第1の径方向Rtと、当該ティース22,22a,22bが有する第1の磁性体板30又は第3の磁性体板30aの積層方向とが略平行を呈する態様について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図11に示すように、一のティース22cが、2つのティース片(課題を解決するための手段における「積層体」に相当する)228c,228dを含んでも良い。ティース片228c,228dは予め定められた形状に形成された第1の磁性体板30の複数を積層して形成され、上記変形例2におけるティース片228a,228bのように互いに線対称な形状を呈して、線対称な位置関係を保って連結することによって一のティース22cを形成する。しかしながら、ティース片228c,228dは、ティース片228a,228bとは異なり、その積層方向が相互に異なり、しかもいずれの積層方向も当該ティース22dにおける第1の径方向Rtと非平行を呈する。
このようなティース22cであっても、任意の位置に間挿部材62,64,66及び/又は非磁性体フィルム68に相当する部材(図示省略)を設けることにより、積層方向に流れる磁束を当該位置において阻害でき、渦電流損の低減に資する。また、ティース片228c,228d同士を連結する際に、両者の間に非磁性体フィルム(図示省略)等を挟んで、ティース片228c,228d同士の間で第2の幅方向Wtに流れる磁束を阻害するようにしても良い。
〈変形例4〉
上記変形例2,3では、2つのティース片228a,228b;228c,228dを連結して一のティース22b,22cを形成する態様について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図12に示すように、一のティース22dが、3つのティース片(課題を解決するための手段における「積層体」に相当する)228c,228d,228eを含んでも良い。具体的には例えば、上記変形例3で示したティース22cを形成するティース片228cとティース片228dとの間に、第1の磁性体板30の複数を積層して形成され軸方向Qからの平面視で略矩形状を呈するティース片228eを設けてティース22dを形成しても良い。このようなティース22dであれば、ティース片228c,228e同士の間及びティース片228e,228d同士の間で第2の幅方向Wtに流れる磁束をさらに阻害でき、渦電流損の低減に資する。このとき、ティース片228c,228e同士の間及びティース片228e,228d同士の間のそれぞれに非磁性体フィルム(図示省略)等を挟んでも良い。
〈回転電機の実施例〉
上述のような電機子用磁芯20に対して、界磁子10は例えば次のような形状を呈する。具体的には、図13に示すように、軸方向Qからの平面視で、一の界磁発生部12における回転軸Aを中心とした第2の径方向Rmに垂直な方向たる第1の幅方向Wmの長さと、一のティース22における回転軸Aを中心とした第1の径方向Rtに垂直な方向たる第2の幅方向Wtの長さとの比は、回転軸Aからの距離に応じて異なる。
具体例を挙げれば、軸方向Qからの平面視で回転軸Aから距離R1(ただし、R1>0)だけ離れた位置において、界磁発生部12が第1の幅方向Wmに長さ12w1を呈し、ティース22が第2の幅方向Wtに長さ22w1を呈するとする。また、軸方向Qからの平面視で回転軸Aから距離R2(ただし、R2>R1)だけ離れた位置において、界磁発生部12が第1の幅方向Wmに長さ12w2を呈し、ティース22が第2の幅方向Wtに長さ22w2を呈するとする。このとき、長さ12w1及び長さ22w1の比12w1/22w1と、長さ12w2及び長さ22w2の比12w2/22w2とは、互いに異なる値をとる。このような比の相違があると、ティース22に流れる磁束の磁束密度が第1の径方向Rtの位置に応じて異なることになり、ティース22に流れる磁束が第1の径方向Rtに流れやすい。上述のような電機子用磁芯20を採用すれば、当該磁束を阻害できる。
なお、図13では、界磁発生部12、第2の径方向Rm及び第1の幅方向Wmを実線で示し、ティース22、第1の径方向Rt及び第1の幅方向Wtを破線で示している。また、第1の径方向Rtにおける距離R1,R2と第2の径方向Rmにおける距離R1,R2とが互いに等しいことを明確にするため、回転軸Aを中心とする円を一点鎖線で示している。また、界磁発生部12が8個(つまり極対数が4)、ティース22が9個(つまりスロット数が9)の態様を例示しているが、これに限定されるものではない。
〈回転電機の変形例〉
上述した回転電機の実施例では、複数の界磁発生部12がいずれも軸方向Qからの平面視で略円弧状を呈し、当該円弧の焦点が界磁発生部12に対して回転軸A側に位置するように配置された態様について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図14に示すように、軸方向Qからの平面視で短辺S1と長辺S2とを有する略等脚台形を呈する界磁発生部12aの複数が、短辺と長辺の配置を周方向に交番させながら回転軸Aを中心に放射状に配置した態様であっても良い。
具体的には、一の界磁発生部12aが、軸方向Qからの平面視で回転軸Aから距離R1だけ離れた位置において、当該界磁発生部12aにおける第3の径方向Rm1に垂直な第3の幅方向Wm1に長さ12w3を呈し、回転軸Aから距離R2だけ離れた位置において、第3の幅方向Wm1に長さ12w4(ただし、12w3>12w4)を呈する。そして、当該一の界磁発生部12aに回転軸Aを中心とする周方向で隣り合う他の界磁発生部12bが、軸方向Qからの平面視で回転軸Aから距離R1だけ離れた位置において、当該他の界磁発生部12bにおける第4の径方向Rm2に垂直な第4の幅方向Wm2に長さ12w5を呈し、回転軸Aから距離R2だけ離れた位置において、第4の幅方向Wm2に長さ12w6(ただし、12w5<12w6)を呈する。このとき、長さ12w3及び長さ22w1の比12w3/22w1と、長さ12w4及び長さ22w2の比12w4/22w2とは、互いに異なる値をとる。また、長さ12w5及び長さ22w1の比12w5/22w1と、長さ12w6及び長さ22w2の比とは、互いに異なる値をとる。このような比の相違があると、ティース22に流れる磁束の磁束密度が第1の径方向Rtの位置に応じて異なることになり、ティース22に流れる磁束が第1の径方向Rtに流れやすい。上述のような電機子用磁芯20を採用すれば、当該磁束を阻害できる。
なお、図14では、界磁発生部12a,12b、第3並びに第4の径方向Rm1,Rm2及び、第3並びに第4の幅方向Wm1,Wm2を実線で示し、ティース22、第1の径方向Rt及び第1の幅方向Wtを破線で示している。また、第1の径方向Rtにおける距離R1,R2と、第3及び第4の径方向Rm1,Rm2における距離R1,R2とが互いに等しいことを明確にするため、回転軸Aを中心とする円を一点鎖線で示している。また、界磁発生部12a,12bの総数が8個の態様を例示しているが、これに限定されるものではない。
A 回転軸(軸)
Q 軸方向
Rt 第1の径方向
Rm 第2の径方向
Wt 第1の幅方向
Wm 第2の幅方向
W1 第1の長さ
W2,W2a 第2の長さ
P1,P2 位置
d1,d2 距離
10 界磁子
12 界磁発生部
12w1,12w2 第1の幅方向の長さ
20 電機子用磁芯
22,22a−22d ティース
22w1,22w2 第2の幅方向の長さ
222 巻回部
224 埋込部
226 ティース部
228 バックヨーク片
228a−228e ティース片
24,24a バックヨーク
242 凹部
244 突起
26a,26b 分割コア
30,30a,30b 第1の磁性体板
32s 第1の主面
32t 第2の主面
34a 第1部
34b 第2部
36a 第2の積層部
36b 第3の積層部
40 第2の磁性体板
50 電機子巻線
62,64,66 間挿部材
68 非磁性体フィルム
70 インシュレータ
72 凸部
100 回転電機

Claims (16)

  1. 回転電機(100)の回転軸(A)に沿って回転子たる界磁子(10)と対向する固定子たる電機子において前記回転軸の周りに環状に配置されるティース(22,22a,22b,22c,22d)を備える電機子用磁芯(20,20a)であって、
    前記ティースは、前記回転軸に平行な方向たる軸方向(Q)に垂直な積層方向に第1の磁性体板(30,30a)の複数が積層された積層体(36;228a,228b;228c,228d;228e,228f)を少なくとも一つ有し、
    前記第1の磁性体板は、
    前記軸方向及びその前記積層方向のいずれにも垂直な方向たる第1の幅方向(Wt)に第1の長さ(W1)を有する第1部(222)と、
    前記第1部の前記軸方向の一方側で前記第1の幅方向に前記第1の長さよりも長い第2の長さ(W2,W2a)を有する第2部(224,226)と
    を呈し、
    異なる前記ティース同士は前記第2部を介して相互に磁気的に結合され、
    前記第1の磁性体板はその前記積層方向の一方側で第1の主面(32s)を呈し、前記積層方向の前記一方側とは反対側の他方側で第2の主面(32t)を呈し、
    前記第1の磁性体板の前記第1の主面と、これに前記積層方向で隣接する前記第1の磁性体板の前記第2の主面との間の、前記積層方向の磁気抵抗は、前記積層方向の第1の位置(P1)における前記磁気抵抗よりも、前記第1の位置とは異なる前記積層方向の第2の位置(P2)における前記磁気抵抗の方が大きい、電機子用磁芯。
  2. 前記第1の主面(32s)とこれに前記積層方向で隣接する前記第2の主面(32t)との間の前記積層方向に沿った距離は、前記第1の位置(P1)における前記距離(d1)よりも、前記第2の位置(P2)における前記距離(d2)の方が大きい、
    請求項1記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  3. 前記第2部(226)同士が前記軸方向(Q)からの平面視で前記回転軸(A)を中心として隣接して配置される、
    請求項1又は請求項2記載の電機子用磁芯(20a)。
  4. 前記ティース(22,22b−22d)に対して前記軸方向(Q)の前記一方側で、前記第2部(224)同士を相互に磁気的に結合するバックヨーク(24)を更に有し、
    前記バックヨーク(24)は、
    前記第2部が嵌る凹部(242)を呈し、
    前記軸方向に積層される略環状の第2の磁性体板(40)の複数を含む
    請求項1又は請求項2記載の電機子用磁芯(20)。
  5. 前記第1の磁性体板(30)の前記積層方向は、当該第1の磁性体板を有する前記ティースにおける前記軸方向(Q)を中心とした第1の径方向(Rt)に略平行であり、
    前記第1の幅方向(Wt)の長さは前記第1の径方向の外側に位置する前記第1の磁性体板ほど長い、
    請求項1ないし請求項4のいずれか記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  6. 前記積層体(36)は、
    前記第1の磁性体板(30)の複数を前記積層方向に積層した第1の積層部(36a)と、
    前記第1の磁性体板の複数を前記積層方向に積層した第2の積層部(36b)と
    を、前記第2の位置(P2)を挟んで前記積層方向に積層して有し、
    前記第1の長さは、前記第1の積層部において等しく第1の値(W3)を取り、前記第2の積層部において等しく第2の値(W4)を取り、前記第1の値と前記第2の値とは相違する、
    請求項1ないし請求項4のいずれか記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  7. 一の前記ティース(22b,22c,22d)は、複数の前記積層体(228a−228f)を有し、
    一の前記ティースにおいて、前記複数の積層体同士が、それぞれの前記第1の幅方向(Wt)に隣接して配置される、
    請求項1ないし請求項6のいずれか記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  8. 一の前記ティースはその前記第2の位置(P2)において、
    前記第2の位置に隣接する前記第1の磁性体板よりも磁気抵抗が大きい間挿部材(62,64,66)を更に有する、
    請求項1ないし請求項7のいずれか記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  9. 前記間挿部材(62,64,66)は、
    前記一の前記ティースの前記積層方向からの平面視で前記第2の位置(P2)に隣接する前記第1の磁性体板(30)の外形と略同じか又は前記外形よりも小さい形状を呈する、
    請求項8記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  10. 前記間挿部材(62)は、
    前記一の前記ティースの前記積層方向からの平面視で外形の内側に空隙を呈する、
    請求項9記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  11. 前記間挿部材(62,64,66)と前記第1の磁性体板(30)とはカラマセによって相互に固定される、
    請求項8ないし請求項10のいずれか記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  12. 前記間挿部材(68)は、非磁性体フィルムである、
    請求項8記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  13. 前記ティース(22)の前記軸方向(Q)に垂直な方向の外形を覆うインシュレータ(70)を更に有し、
    前記第2の位置に対応する前記インシュレータの内側は、当該ティースの前記第1の幅方向(Wt)に突出する凸部(72)を呈する、
    請求項1ないし請求項7のいずれか記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  14. 前記第2の位置(P)を挟む一対の前記第1の磁性体板は、それぞれ前記第2の位置とは反対側で隣接する他の前記第1の磁性体板とカラマセによって相互に固定される、
    請求項13記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  15. 前記凹部(242)は、前記ティースの前記軸方向(Q)の一方側端部の、当該ティースの前記第1の幅方向(Wt)の端部を保持する辺縁を呈し、
    前記バックヨーク(24)は当該ティースの前記第2の位置(P2)に対応する位置の前記辺縁から当該ティースの前記第1の幅方向に突出する突起(244)を呈する、
    請求項4ないし請求項7のいずれか記載の電機子用磁芯(20,20a)。
  16. 前記界磁子(10)と、
    請求項1ないし請求項15のいずれか記載の電機子用磁芯(20,20a)と
    を備え、
    前記界磁子は、相互に異なる極性を前記電機子用磁芯に向け、前記回転軸を中心として環状に配置される複数の界磁発生部を有し、
    前記軸方向(Q)からの平面視で、前記界磁発生部の当該界磁発生部における前記回転軸(A)を中心とした第2の径方向(Rm)に垂直な方向たる第2の幅方向(Wm)の長さ(12w1,12w2)と、前記ティースの当該ティースにおける前記第1の幅方向(Wt)の長さ(22w1,22w2)との比(12w1/22w1,12w2/22w2)は、前記回転軸からの距離に応じて異なる、回転電機(100)。
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