JP5515689B2 - 電機子用コア - Google Patents

電機子用コア Download PDF

Info

Publication number
JP5515689B2
JP5515689B2 JP2009271729A JP2009271729A JP5515689B2 JP 5515689 B2 JP5515689 B2 JP 5515689B2 JP 2009271729 A JP2009271729 A JP 2009271729A JP 2009271729 A JP2009271729 A JP 2009271729A JP 5515689 B2 JP5515689 B2 JP 5515689B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel plate
electromagnetic steel
teeth
circumferential direction
tooth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009271729A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011115014A (ja
Inventor
桂治 青田
能成 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2009271729A priority Critical patent/JP5515689B2/ja
Publication of JP2011115014A publication Critical patent/JP2011115014A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5515689B2 publication Critical patent/JP5515689B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Description

本発明は電機子用コアに関する。
図17の例示では、電機子用コアはバックヨーク110と複数のティース210とを備えている。なお、図18においては、一つのティース210のみを軸Pに沿う方向(以下、単に軸方向と呼ぶ)でバックヨーク110から分離して示している。
バックヨーク110は軸方向に積層された複数の電磁鋼板111を有する。ティース210はその位置における軸Pを中心とした径方向(以下、単に径方向と呼ぶ)に積層された複数の電磁鋼板211を有する。複数のティース210は軸Pの周りで環状に配置される。バックヨーク110には、複数のティース210がそれぞれ挿入される複数の孔112が穿たれている。バックヨーク110は軸Pを中心とした周方向(以下、単に周方向と呼ぶ)においてティース210を磁気的に連結する。
電磁鋼板111,211はいずれも所定の鋼板を打ち抜いて形成され、打ち抜き方向と積層方向が一致する。これにより、軸方向に見て孔112の縁を形成する面、及びティース210の周方向における両端面には、電気抵抗たるコーティングが設けられない。したがって、バックヨーク110とティース210との間の周方向における接触面は電気抵抗が低い。
このような電機子用コアにおいてティース210には軸方向に磁束が流れるので、図17に示すように、バックヨーク110とティース20とを介した軸方向の周りの経路C1を渦電流が流れやすい。経路C1において、渦電流は異なる2つの電磁鋼板211を、それぞれ周方向の互いに反対方向に沿って流れる。またティース210の周方向における両端で、電磁鋼板111を略径方向の互いに反対方向に沿ってそれぞれ流れる。
またティース210とバックヨーク110との間では周方向に磁束が流れるので、図18に示すように、バックヨーク110とティース210とを介した周方向の周りの経路C2をも渦電流が流れやすい。経路C2において、渦電流は異なる2つの電磁鋼板211をそれぞれ軸方向の互いに反対方向に沿って流れ、異なる2つの電磁鋼板111をそれぞれ略径方向の互いに反対方向に沿って流れる。
特許文献1には、このような渦電流を低減する電機子用コアが記載されている。特許文献1ではバックヨーク110とティース210との周方向における間に、絶縁部材を介在させている。経路C1,C2のいずれにおいても当該絶縁部材が介在するので、経路C1,C2を流れる渦電流を低減できる。
特開2006−166679号公報
しかしながら、特許文献1においては、絶縁部材をバックヨーク110とティース210との間に設ける必要があり、材料費などの製造コストの増大を招いていた。
そこで、本発明は、バックヨークとティースとを介した渦電流を低減しつつも、製造コストの安価な電機子用コアを提供することを目的とする。
本発明にかかる電機子用コアの第1の態様は、各々が、所定の軸(P)を中心とした径方向に積層された複数の第1鋼板(201)を有し、前記軸を中心とした周方向で両端を有し、前記軸の周りで環状に配置される複数のティース(20)と、前記軸に沿う軸方向に積層された複数の第2鋼板(101)を有し、それぞれ前記複数のティースが挿入され且つ前記軸を中心とした径方向の少なくとも一方側に開口した複数の孔が、穿たれたヨーク(10)とを備え、一の前記ティースの前記周方向における一端(20A)側において、前記第2鋼板のうち前記周方向で前記一の前記ティースと接触するものはいずれも前記第1鋼板のいずれか一つのみと前記周方向で接触する、及び/又は前記第1鋼板のうち前記周方向で前記ヨークと接触するものはいずれも前記第2鋼板のいずれか一つのみと前記周方向で接触する。
本発明にかかる電機子用コアの第2の態様は、第1の態様にかかる電機子用コアであって、前記孔(11)が前記径方向の一方側のみに開口して前記ヨーク(10)が前記ティース(20)に対して前記径方向の他方側で前記周方向において連続し、前記一の前記ティースの前記一端(20A)側において一の前記第1鋼板は一の前記第2鋼板と前記周方向で接触し、前記一の前記ティースの前記他端(20B)側において前記一の前記第1鋼板は前記一の前記第2鋼板と前記周方向で離間する。
本発明にかかる電機子用コアの第3の態様は、第1又は第2の態様にかかる電機子用コアであって、前記孔(11)が前記径方向の一方側のみに開口して前記ヨーク(10)が前記ティース(20)に対して前記径方向の他方側で前記周方向において連続し、前記ティースは前記ヨークから前記軸方向の一方側(A)へと延在し、前記第2鋼板のうち前記軸方向の一方側(A)に位置するものほど、前記第1鋼板のうち前記径方向の他方側に位置するものと接触する。
本発明にかかる電機子用コアの第4の態様は、第1乃至第3のいずれか一つの態様にかかる電機子用コアであって、前記一の前記ティース(20a)の前記一端(20A)側において、一の前記第2鋼板(101a)は前記軸から所定の距離(R)で前記周方向に突出して一の前記第1鋼板(201a)のみと当接し、他の一の前記ティース(20b)の前記一端(20)側において、他の一の前記第2鋼板(101b)は前記軸から前記所定の距離(R)で前記周方向に突出して一の前記第1鋼板(201b)のみと前記周方向で当接し、前記他の一の前記第2鋼板は前記軸を中心として、前記一の前記ティースと前記他の一の前記ティースとが前記軸に対してなす角度で回転させた状態で、前記一の前記第2鋼板と同じ形状を有する。
本発明にかかる電機子用コアの第5の態様は、第1の態様にかかる電機子用コアであって、前記一の前記ティース(20)の前記一端(20A)側において、一の前記第2鋼板(101)は一の前記第1鋼板のみ(201)と接触し、且つ他の一の前記第2鋼板は他の一の前記第1鋼板のみと接触する。
本発明にかかる電機子用コアの第6の態様は、第1乃至第5いずれか一つの態様にかかる電機子用コアであって、前記第2鋼板(201)のうち前記第1鋼板(101)のいずれか一つのみに接触するものは、前記周方向において前記第1鋼板の前記いずれか一つのみへと突出して接触する。
本発明にかかる電機子用コアの第7の態様は、第1乃至第6のいずれか一つの態様にかかる電機子用コアであって、前記ティースは前記ヨークから前記軸方向の一方側(A)へと延在し、前記軸方向の前記他方側(B)から前記ヨーク(10)に設けられる絶縁部(50)と、前記軸方向の前記他方側(B)から前記絶縁部(10)に設けられる補強板(40)とを更に備える。
本発明にかかる電機子用コアの第8の態様は、第1乃至第6のいずれか一つの態様にかかる電機子用コアであって、前記ティースは前記ヨークから前記軸方向の一方側(A)へと延在し、前記軸方向の前記他方側(B)から前記ヨーク(10)に設けられ、前記ティースよりも強度が高い補強板(40)を更に備え、前記ティースは前記ヨークを軸方向に貫通し、前記ティースと前記補強板とが相互に固定される。
本発明にかかる電機子用コアの第9の態様は、第8の態様にかかる電機子用コアであって、前記補強板(40)は非磁性体である。
本発明にかかる電機子用コアの第1の態様によれば、第2鋼板が第1鋼板の一つのみと接触していれば、第1鋼板の当該一つから当該第2鋼板へと電流が流れたとしても、当該第2鋼板と他の第1鋼板とは互いに離間するので、当該第2鋼板から他の第1鋼板へと電流が戻りにくい。よって、軸方向から見てティース及びヨークを介して流れる渦電流を効率よく低減できる。
第1鋼板が第2鋼板の一つのみと接触していれば、第2鋼板の当該一つから当該第1鋼板に電流が流れたとしても、当該第1鋼板と他の第2鋼板とは互いに離間するので、当該第1鋼板から他の第2鋼板へと電流が戻りにくい。よって、周方向から見てティース及びヨークを介して流れる渦電流を効率よく低減できる。
しかも第1鋼板および第2鋼板は打ち抜き工程で形成することができる。したがって、ヨークとティースとの間に電気的絶縁部材を設ける場合に比べて、材料費や組み立て工程を低減することができる。
本発明にかかる電機子用コアの第2の態様によれば、ヨークがティースに対して径方向の他方の側で周方向に連続していたとしても、かかる連続した部分と一の第1鋼板とを介した軸方向の周りの渦電流が生じにくい。
本発明にかかる電機子用コアの第3の態様によれば、径方向の他方側でヨークが連続しているので、かかる部分と第1鋼板を介して軸方向からみた渦電流が流れ得る。また軸方向の一方側に近いほどヨークに流れる磁束が大きいので、軸方向の一方側に近いほどかかる渦電流の値も大きい。
軸方向の一方側に位置するほど他方側で第1鋼板と第2鋼板が接触するので、かかる渦電流の値が比較的大きいものの、渦電流の外周の長さは比較的短い。よって、効率的に渦電流の影響を抑制することができる。
しかも、複数の第2鋼板が第1鋼板に接触するのでヨークが複数の箇所で周方向に支持される。よって、ティースとヨークとの間の間隔を精度よく決めることができる。
本発明にかかる電機子用コアの第4の態様によれば、同じ形状の第2鋼板を用いて、他のティースとヨークとの間において、一の第2鋼板を一の第1鋼板のみと接触させることができる。よって、異なる形状の第2鋼板を用いる場合に比べて製造コストを低減できる。
本発明にかかる電機子用コアの第5の態様によれば、複数の箇所でティースの一端を支持できる。よってティースの一端とヨークとの間の間隙を精度よく決めることができる。
本発明にかかる電機子用コアの第6の態様によれば、第1鋼板を第2鋼板へと突出させる必要がない。よって第1鋼板の各々の周方向の長さを等しくできる。ひいては第1鋼板を径方向に積層させやすい。
本発明にかかる電機子用コアの第7の態様によれば、補強板によって、補強板とヨークとからなる構造体の軸方向の厚みを増大できるので、当該構造体の強度を向上できる。しかも、補強板とヨークとの間には絶縁部が介在するので、補強板として磁性体を採用してもよく、補強板の材質の選択性を高めることができる。
本発明にかかる電機子用コアの第8の態様によれば、ヨークがより強度の高い補強板に固定されるので、ティースをより強固に固定できる。
本発明にかかる電機子用コアの第9の態様によれば、補強板で生じる渦電流を低減できる。
電機子用コアの概念的な構成の一例を示す斜視図である。 軸に垂直な断面における電機子用コアの概念的な一例を示す図である。 一のティースに相当する部分の概念的な構成を示す斜視図である。 軸に垂直な断面における電機子用コアの概念的な一例を示す図である。 電機子用コアの概念的な構成の一例を示す斜視図である。 一のティースに相当する部分の概念的な構成を示す斜視図である。 軸に垂直な断面における電機子用コアの概念的な一例を示す図である。 周方向に沿う断面における電機子用コアの概念的な一例を示す図である。 周方向に沿う断面における電機子用コアの概念的な一例を示す図である。 周方向に沿って見たバックヨークの孔に相当する部分の概念的な一例を示す図である。 周方向に沿って見たバックヨークの孔に相当する部分の概念的な一例を示す図である。 軸方向に沿って見たバックヨークの一の電磁鋼板の概念的な一例を示す図である。 軸方向に沿って見たバックヨークの他の一の電磁鋼板の概念的な一例を示す図である。 軸方向に沿って見たバックヨークの他の一の電磁鋼板の概念的な一例を示す図である。 電機子用コアの概念的な構成の一例を示す斜視図である。 軸に垂直な断面における電機子用コアの概念的な一例を示す図である。 従来の電機子用コアの概念的な構成の一例を示す斜視図である。 従来の電機子用コアの概念的な構成の一例を示す斜視図である。
第1の実施の形態.
図1に示すように、電機子用コア1は、バックヨーク10と、ティース20とを備えている。なお、図1においては、一つのティース20のみが示されているものの、電機子用コア1は複数のティース20を有している。また、ティース20とバックヨーク10とが軸方向に分離されて示されているものの、実際にはティース20はバックヨーク10に挿入される。この点は各構成要素が軸方向で分離して示された図面においても同様である。
複数のティース20は軟磁性体(例えば鉄)である。ティース20は軸Pの周りで環状に配置される。
バックヨーク10は軟磁性体(例えば鉄)である。バックヨーク10には複数の孔11が穿たれている。孔11は少なくとも軸方向の一方側Aに開口している。複数の孔11にはそれぞれ複数のティース20が上記配置で挿入される。バックヨーク10は周方向において複数のティース20を相互に磁気的に連結する。
複数のティース20のいずれもがバックヨーク10に挿入された状態でバックヨーク10から軸方向の一方側Aへと延在する。ティース20のうち、バックヨーク10から軸方向の一方側Aへと延在した部分には、図示せぬコイルが巻回される。図1の例示では、電気的絶縁体としてのインシュレータ21が、ティース20と不図示のコイルとの間に配置される。通常、コイルには絶縁皮膜が設けられるが、インシュレータ21を設けることにより、コイルとティース20との間の絶縁性が更に高められる。
ティース20は径方向に積層される複数の電磁鋼板201を有している。また図においては便宜上1枚1枚の電磁鋼板201の径方向における厚みを比較的大きく示している。例えば図1において、ティース20についての電磁鋼板201の積層数は簡略化されて十数枚程度となっているが、実際にはより多くの電磁鋼板201が積層されてよい。これは、他の図においても同様であり、ティース20に限らず、電磁鋼板によって構成される他の構成要素についても同様である。
複数の電磁鋼板201は例えば接着剤、溶接及びカラマセの少なくともいずれか一つによって相互に固定される。各電磁鋼板201の径方向に略垂直な表面にはコーティングが施されている。かかるコーティングは電気抵抗として機能するのでティース20の径方向における電気抵抗は比較的高い。これにより、バックヨーク10とティース20との間での電流経路を考えなければ、磁束がティース20を軸方向に流れても、ティース20に生じる渦電流を低減することができる。
バックヨーク10は軸方向に積層される複数の電磁鋼板101を有している。なお、図1においては、図示を簡略するために孔11において積層状態の描画を省略した。複数の電磁鋼板101は例えば接着剤、溶接及びカラマセの少なくともいずれか一つによって相互に固定される。各電磁鋼板101の軸方向に略垂直な表面にはコーティングが施されているので、バックヨーク10の軸方向における電気抵抗は比較的高い。これにより、バックヨーク10とティース20との間での電流経路を考えなければ、磁束がバックヨーク10を周方向に流れても、バックヨーク10に生じる渦電流を低減することができる。
孔11は内周側にも開口している。これにより、バックヨーク10において各ティース20を囲む経路の電気抵抗を高めることができる。したがって、バックヨーク10とティース20との間での電流経路を考えなければ、磁束がティース20を軸方向に沿って流れても、バックヨーク10に生じる渦電流を低減できる。なお、図1の例示に限らず、孔11は内周側に替えて、或いは内周側と共に、軸Pとは反対側(以下、外周側とも呼ぶ)に開口していてもよい。
図1の例示では、補強板40が軸方向の他方側Bからバックヨーク10に取り付けられている。補強板40は例えば金属である。補強板40は例えばバックヨーク10の外周と同じ径を有する円盤形状を有している。かかる補強板40によって、バックヨーク10と補強板40とからなる構造体の軸方向における厚みを増大できる。したがって、かかる構造体の強度を向上することができる。バックヨーク10と補強板40とは任意の方法で互いに固定されればよく、例えば接着剤や溶接により固定されるとよい。
補強板40は磁束の通路としての機能は期待されない。よって、補強板40が磁性体で構成されるのであれば、補強板40は例えば電磁鋼板や圧粉鉄心などの渦電流の低減処理が施されていない磁性体で構成されてもよい。また補強板40は非磁性体であってもよい。この場合であれば、補強板40に磁束が流れないので、補強板40で生じる渦電流をより確実に回避又は抑制することができる。なお、図1の例示では、補強板40も軸方向に積層された電磁鋼板を有している。
図1の例示では、孔11はバックヨーク10を軸方向で貫通している。また補強板40には、軸方向に沿って見てティース20が存する位置に孔41が穿たれている。孔41は孔11と軸方向で連続し、また例えば補強板40を軸方向で貫通する。ティース20は孔11,41に挿入される。かかる構造であれば、ティース20は例えば接着剤、溶接又は圧入などにより補強板40に固定することができる。したがってティース20をバックヨーク10に固定する際に生じ得るバックヨーク10の磁気特性の劣化を回避することができる。
この場合、補強板40の強度がバックヨーク10の強度よりも高いことが望ましい。ティース20をバックヨーク10に固定する場合に比較してより強固に固定することができるからである。
また、孔41が補強板40を軸方向で貫通する場合には、ティース20が孔41にも貫挿されているので、軸方向の他方側Bから補強板40とティース20との固定作業を行うことができる。他方側Bではコイルなどが設けられないため、容易に固定作業を行うことができる。
なお、バックヨーク10の強度が十分である場合は、補強板40は設けられていなくても構わない。この場合、バックヨーク10とティース20とが相互に固定される。
以下では、ティース20のうち、孔11に挿入される部分を部分20bと呼ぶ。
ティース20の周方向における一方側の一端20A側において、バックヨーク10とティース20の部分20bとが周方向において相互に接触している。更に言うと、電磁鋼板101のうちティース20と接触するものはいずれも電磁鋼板201のいずれか一つのみと接触している。図1,2の例示では、かかる接触は、バックヨーク10に設けられた突起部30によって実現される。突起部30はティース20の一端20A側において周方向に突出してティース20に当接する。より詳細には、一端20A側において一の電磁鋼板101が周方向で突出して電磁鋼板201のいずれか一つのみと当接する。またティース20は一端20A側において突起部30以外でバックヨーク10と周方向で離間する。
図1の例示では、ティース20の他端20B側においても、バックヨーク10とティース20とが周方向において相互に接触し、更に言うと、電磁鋼板101のうちティース20と接触するものはいずれも電磁鋼板201のいずれか一つのみと接触している。図1の例示では、かかる接触はバックヨーク10に設けられた突起部31によって実現される。突起部31は他端20B側において周方向に突出してティース20に当接する。より詳細には、他端20B側において一の電磁鋼板101が周方向で突出して電磁鋼板201のいずれか一つのみと当接する。またティース20は他端20B側において突起部31以外でバックヨーク10と周方向で離間する。
なお図1の例示では、突起部30,31はバックヨーク10に設けられているものの、ティース20に設けられていてもよい。換言すれば電磁鋼板201が周方向で突出して電磁鋼板101に当接してもよい。また図1の例示では、突起部30,31はティース20の周方向における中央を通り軸方向に平行な断面Dに対して対称である。よって、以下では代表的に突起部30について説明する。
図1の例示では、突起部30は周方向に沿って見て軸方向に延在した長尺状の形状を有している。よって突起部30は複数の電磁鋼板101に設けられる。また図2にも例示するように、突起部30は軸方向に沿って見て半円状の形状を有している。そして突起部30は軸方向で見て半円上の所定の1点で一つの電磁鋼板201のみと当接している。
なお、図2においては径方向でバックヨーク10とティース20とが離間しているものの、接触していてもよい。また、図2においては周方向におけるバックヨーク10とティース20との間隙を誇張して示している。
ティース20を孔11に挿入する際には、ティース20と突起部30との接触により、孔11を広げる方向に突起部30が周方向に変形するとよい。これは、例えば突起部30,31の間の長さが、これらと接触する電磁鋼板201の周方向における長さよりもわずかに短いことにより実現される。これによって、より確実にバックヨーク10とティース20とが接触する。よってバックヨーク10は周方向においてティース20をより確実に支持できる。
かかる電機子用コア1によれば、経路C1の電気抵抗を増大させることができる。図2に示すように、経路C1は、一つの電磁鋼板101と異なる2つの電磁鋼板201とを経由して軸方向を囲む。電磁鋼板101の各々は突起部30を介して一つの電磁鋼板201と周方向で接触するものの、突起部30以外では電磁鋼板101は他の電磁鋼板201と周方向で離間している。よって、電磁鋼板101と他の電磁鋼板201との間の電気抵抗は高い。したがって、たとえ突起部30を介して一の電磁鋼板201から一の電磁鋼板101へと電流が流れたとしても、当該一の電磁鋼板101から他の電磁鋼板201へと電流が流れにくい。よって軸方向から見た渦電流(経路C1を流れる電流)を低減することができる。
また図3を参照して、経路C2の電気抵抗を増大させることもできる。なお、図3においては一のティース20のうち部分20bのみを示し、バックヨーク10のうち当該部分20bと周方向で隣り合う一部のみを示している。経路C2は、異なる2つの電磁鋼板101と異なる2つの電磁鋼板201とを経由して周方向を囲む。よって、経路C2は一つの電磁鋼板101に対して異なる2つの電磁鋼板201との間を経由する。電磁鋼板101は一つの電磁鋼板201のみと突起部30を介して連続し、他の電磁鋼板201とは離間している。よって、経路C2においても電気抵抗を増大させることができる。したがって、周方向から見た渦電流(経路C2を流れる電流)を低減することができる。
しかも、突起部30はバックヨーク10に設けられているので、突起部30は電磁鋼板101の輪郭として形成できる。突起部30を備える電磁鋼板101は所定の鋼板を打ち抜いて形成される。したがって突起部30を設けるための特別な工程を必要としない。よって特許文献1のように絶縁体としての別部材をバックヨーク10とティース20との間に設ける場合に比べて工程数を低減できる。また、本願ではティース20とバックヨーク10との絶縁体を空隙で形成しているので、材料費を低減できる。よって製造コストを低減できる。
また、ティース20が補強板40と固定されている場合であれば、突起部30,31によらずにティース20と補強板40との間に間隙を生じさせることができる。しかしながら次の問題がある。ティース20にコイルが巻回された電機子に対向して、軸方向の一方側Aには界磁子が配置される。そして、この界磁子によって、軸方向の一方側Aにおいてティース20には周方向における磁力が作用する。かかる回転電機においては、突起部30,31によってティース20が周方向で支持されないので、ティース20は周方向に振動する可能性があった。一方本電機子用コア1を備えた回転電機によれば、ティース20が突起部30,31によって周方向で支持されるのでかかる振動を抑制又は防止できる。
なお、両端20A,20Bのうちいずれか一方において、ティース20の部分20bとバックヨーク10とが全面にわたって周方向で接していてもよい。かかる構造であっても、経路C1は電磁鋼板101,201との間の空隙を一つは経由するので経路C1の電気抵抗が高まる。また両端20A,20Bのうちティース20の部分20bとバックヨーク10とが離間する方において、経路C2の電気抵抗を高めることができる。
なお突起部30がティース20に設けられていても、突起部30は電磁鋼板201の輪郭として形成できるので、同様に製造コストを低減できる。
また突起部30を鋼板の打ち抜きによって形成することができるので、バックヨーク10とティース20との間の距離を精度よく小さい値(例えば0.5mm)に設定できる。したがって、渦電流を低減しつつも、バックヨーク10とティース20との間の磁気抵抗の増大を抑制でき、以って銅損の増大を抑制できる。
図1〜図3の例示では、一端20A側においてバックヨーク10には2つの突起部30a,30bが設けられている。2つの突起部30a,30bはそれぞれ異なる電磁鋼板101に設けられている。例えば突起部30aは電磁鋼板101のうち電磁鋼板101aに設けられ、突起部30bは電磁鋼板101のうち電磁鋼板101bに設けられる。また突起部30aは電磁鋼板201のうち一つの電磁鋼板201aのみと周方向で当接し、突起部30bは電磁鋼板201のうち電磁鋼板201aとは異なる一つの電磁鋼板201bのみと周方向で当接している。
上述したように経路C1,C2においては、所定の一つの電磁鋼板101と2つの異なる電磁鋼板201との間で電流が流れる。一方、電磁鋼板101a,101bはそれぞれ一つの電磁鋼板201a,201bのみとそれぞれ連続し他の電磁鋼板201とは離間する。よって複数の突起部30a,30bが設けられていても、経路C1,C2における電気抵抗を増大でき、ひいては経路C1,C2をそれぞれ流れる渦電流を低減できる。
また、ティース20は一端20A側で複数の突起部30a,30bを介してバックヨーク10に接触する。換言すれば、ティース20は一端20A側において複数の突起部30a,30bによって周方向で支持される。したがって、ティース20が一つの突起部30によって支持される場合と比べて、ティース20を安定して支持できる。またティース20とバックヨーク10との間の間隙の精度を向上することができる。
図1〜図3の例示では、複数の電磁鋼板101の全てが電磁鋼板201のいずれか一つのみと接触しているが、電磁鋼板101のいくつかが電磁鋼板201の全てと離間していてもよい。
図1〜図3の例示では、部分20b及び孔11が直方体形状を有しているものの、必ずしもこれに限らない。図4に例示されるように、軸方向から見て部分20b及び孔11が略台形形状を有していてもよい。図4の例示では、ティース20が台形の上底(周方向における長さの短い方の辺)を内周側に向けた姿勢で配置されている。この構造であっても、製造コストを低減しつつも、ティース20とバックヨーク10との間の界面を介して流れる渦電流を低減できる。
以下、他の実施の形態にかかる電機子用コア1について、主として第1の実施の形態との相違点を述べて説明する。
第2の実施の形態.
第2の実施の形態においては、図5,6に例示するように、ティース20の一端20A側において、電磁鋼板201のうちバックヨーク10と接触するものはいずれも電磁鋼板101のいずれか一つのみと接触している。なお図5においては一つのティース20のみを図示し、孔11において積層状態の描画を省略した。
図5,6の例示では、かかる接触はティース20に設けられた突起部30によって実現される。突起部30はティース20の一端20A側において周方向に突出してバックヨーク10に当接する。またティース20は一端20A側において突起部30以外でバックヨーク10と周方向で離間する。
また図5,6の例示では、ティース20の他端20B側において、バックヨーク10とティース20の部分20bとが周方向において相互に接触し、更に言うと、電磁鋼板201のうちバックヨーク10と接触するものはいずれも電磁鋼板101のいずれか一つのみと接触している。図5,6の例示では、かかる接触はティース20に設けられた突起部31によって実現される。突起部31はティース20の他端20B側において周方向に突出してバックヨーク10に当接する。またティース20は他端20B側において突起部31以外でバックヨーク10と周方向で離間する。
なお、突起部30,31はティース20に設けられているものの、バックヨーク10に設けられていてもよい。また両端20A,20Bのうちいずれか一方はティース20の部分20bとバックヨーク10とが全面にわたって周方向で接触していてもよい。また図5,6の例示では、突起部30,31はティース20の周方向における中央を通り軸方向に平行な断面Dに対して対称である。よって、以下では代表的に突起部30について説明する。
図5,6の例示では、突起部30は周方向に沿って見て軸方向に垂直な方向に延在した長尺状の形状を有している。よって突起部30は複数の電磁鋼板201に設けられる。また突起部30は径方向に沿って見て半円状の形状を有している。そして突起部30は径方向に沿って見て半円上の所定の1点で電磁鋼板101の一つと当接している。
かかる電機子用コア1によれば、経路C2の電気抵抗を増大させることができる。図6に例示するように、経路C2は、互いに異なる2つの電磁鋼板101と互いに異なる2つの電磁鋼板201とを経由して周方向を囲む。本電機子用コア1によれば、電磁鋼板201の各々は突起部30を介して一つの電磁鋼板101と接触するものの、他の電磁鋼板101とは離間している。よって、電磁鋼板201と他の電磁鋼板101との間の電気抵抗は高い。したがって、突起部30を介して当該一つの電磁鋼板101から電磁鋼板201へと電流が流れたとしても、電流は電磁鋼板201から他の電磁鋼板101へと流れにくい。よって周方向から見た渦電流(経路C2を流れる電流)を低減することができる。
しかも突起部30はティース20の輪郭として形成できるので、突起部30を形成するための特別な工程を必要としない。よって、第1の実施の形態と同様に、製造コストを低減できる。なお、突起部30は第1の実施の形態と同様にバックヨーク10に設けられていてもよい。
また、図5,6の例示では、一端20A側において、2つの突起部30a,30bがティース20に設けられている。2つの突起部30a,30bはそれぞれ異なる電磁鋼板201に設けられている。例えば突起部30aは電磁鋼板201のうち電磁鋼板201aに設けられ、突起部30bは電磁鋼板201のうち電磁鋼板201bに設けられる。また突起部30aは電磁鋼板101のうち一つの電磁鋼板101aのみと周方向で接触し、突起部30bは電磁鋼板101のうち電磁鋼板101aとは異なる一つの電磁鋼板101bのみと周方向で接触する。
かかる構造によっても経路C2を流れる渦電流を低減できる。また第1の実施の形態と同様に、ティース20を複数個所で支持できるので、ティース20を安定して支持でき、またバックヨーク10とティース20との間の間隙を精度よく設定できる。
また本電機子用コア1においては、経路C1を渦電流が流れ得るものの、突起部30aの略径方向における長さを短くすることで、渦電流の外周の短くすることができる。したがって、渦電流による磁束の阻害を抑制できる。
また図5の例示では、本電機子用コア1は補強板40とバックヨーク10との間に絶縁部材50を備えている。絶縁部材50は例えば軸方向に見て補強板40と同じ形状を有している。絶縁部材50は補強板40へと磁束が流れることを防止するため、補強板40として渦電流の低減処理が施されていない磁性体を採用してもよい。換言すれば、絶縁部材50によって補強板40の材料選択性を向上することができる。
第3の実施の形態.
第1及び第2の実施の形態では、突起部30,31が断面Dに対して対称である電機子用コア1について説明した。しかしながら、バックヨーク10のうちティース20に対して内周側又は外周側に位置する部分が周方向に連続しているときに、次のような問題があった。図2の例示では、孔11が内周側に開口してバックヨーク10は外周側で周方向に連続している。また電磁鋼板201aはその両端20A,20Bにおいて突起部30,31を介して電磁鋼板101aと接触する。よって、電磁鋼板101aの外周部と電磁鋼板201aとは、空隙を介さない軸方向の周りの経路C3を形成する。よって経路C3を比較的大きな渦電流が流れ得る。そこで、第3の実施の形態では、かかる経路C3を流れる渦電流を低減する。
両端20A,20B側のいずれか一方のみにおいて、一の電磁鋼板201は一の電磁鋼板101と周方向において接触し、他方において当該一の電磁鋼板201は当該一の電磁鋼板101と離間する。図7の例示では、一端20A側において電磁鋼板201aは突起部30を介して電磁鋼板101aと接触する。また他端20B側において電磁鋼板201aは電磁鋼板101aと周方向で離間している。これは、他端20B側において、例えば電磁鋼板201aとは異なる電磁鋼板201bが、突起部30bが設けられた電磁鋼板201bと接触することで実現される。他端20B側では電磁鋼板101a,201aが互いに離間しているので、経路C3における電気抵抗を増大することができる。よって経路C3を流れる渦電流を低減することができる。
また図8に例示するように、一端20A側において一の電磁鋼板201aが電磁鋼板101aと接触し、一の電磁鋼板201aが電磁鋼板101bと離間し、他端20B側において一の電磁鋼板201aが電磁鋼板101bと接触し、一の電磁鋼板201aが電磁鋼板101aと離間していてもよい。かかる構造によっても、一の電磁鋼板101は両端20A,20B側のいずれか一方のみにおいて電磁鋼板201aと接触し、他方において離間する。よって、経路C3における電気抵抗を増大することができ、以って経路C3を流れる渦電流を低減できる。
なお、孔11が外周側のみ開口し、バックヨーク10のうちティース20に対して内周側に位置する内周部が周方向に連続していても構わない。この場合であっても、軸方向で見て内周部を経由する渦電流を低減することができる。
第4の実施の形態.
第4の実施の形態にかかる電機子用コア1の一例は、図1又は図5の電機子コアと同一である。第3の実施の形態では、バックヨーク10のうちティース20に対して内周側又は外周側に位置する部分が周方向で連続する。図1,5の例示では、バックヨーク10の外周部は周方向で連続している。
また一端20A側において、互いに異なる少なくとも2つの電磁鋼板101がそれぞれ異なる電磁鋼板201のいずれか一つのみと接触する。かかる電磁鋼板101のうち軸方向の一方側Aに位置するものほど、電磁鋼板201のうち径方向の外周側に位置するものと接触する。以下では図1の電機子用コアを例に挙げて説明する。
図1の例示では、複数の電磁鋼板101aが一つの電磁鋼板201aのみと接触し、複数の電磁鋼板101bが一つの電磁鋼板201bのみと接触している。また複数の電磁鋼板101aの一組は複数の電磁鋼板101bの一組よりも軸方向の一方側Aに位置し、一つの電磁鋼板201aは一つの電磁鋼板201bよりも径方向の外周側に位置している。
通常、図9に示すように、ティース20から流れる磁束はバックヨーク10を周方向に流れる。そして、バックヨーク10内においては軸方向の一方側Aに近いほどより大きな磁束が流れやすい。そして、より大きな磁束が流れるほど、これに起因して生じる渦電流の電流値は大きい。この渦電流の電流値が大きいほど、また渦電流の外周の長さが長いほど当該渦電流によって磁束の流れが阻害されやすい。
本電機子用コア1によれば、電磁鋼板101が軸方向の一方側Aに位置するほど、外周側に位置する電磁鋼板201と接触するので、経路C3の外周の長さは短い。よって経路C3を流れる渦電流によって阻害される磁束の量を抑制できる。
また電磁鋼板101が軸方向の他方側Bに位置するほど経路C3の外周の長さは長い。しかしながら、軸方向の他方側Bに位置する電磁鋼板101を流れる渦電流の電流値は比較的小さい。したがって、渦電流によって阻害される磁束の量は比較的問題にならない。
しかも、バックヨーク10はティース20を複数個所で支持できるので、ティース20を安定して支持でき、またバックヨーク10とティース20との間の間隙を精度よく設定できる。
以上のように、本電機子用コア1によれば、異なる2つの電磁鋼板101がそれぞれ異なる2つの電磁鋼板201の一つのみと接触する場合に、バックヨーク10の外周部を経由した渦電流の影響を効果的に抑制することができる。
なお、バックヨーク10の内周部が周方向で連続する場合であれば、電磁鋼板101は軸方向の一方側Aに位置するほど径方向において内周側に位置する電磁鋼板201と接触する。換言すれば、電磁鋼板101は、軸方向の一方側Aに位置するほど、孔11が径方向で開口する側とは反対側に位置する電磁鋼板201と接触する。
なお、両端20A,20Bにおいて一つの電磁鋼板201が一つの電磁鋼板101と接触していれば、経路C3における電気抵抗が比較的小さい。よってこの場合、経路C3を流れる渦電流が大きいので、第3の実施の形態にかかる効果は大きい。
他の例について図10,11を参照して説明する。図10,11はバックヨーク10のうち、周方向でティース20と対面する面を周方向に沿って見た図を示し、ティース20についても二点差線で図示している。なお、図10,11の面を端20A側の面及び他端20B側の面のいずれに見立てても構わない。以下では、代表的に一端20A側の面と把握して説明する。
例えば図10に示すように、互いに異なる2つの電磁鋼板101a,101bのみがそれぞれ異なる電磁鋼板201a,201bのみと周方向で互いに接触する。電磁鋼板101a,101bのうち軸方向の一方側Aに位置する電磁鋼板101aは、電磁鋼板201a,201bのうち径方向の外周側に近い電磁鋼板201aと接触する。
また例えば図11に示すように、電磁鋼板101の個数よりも電磁鋼板201の個数が多い場合には、全ての電磁鋼板101がそれぞれ異なる電磁鋼板201の一つのみと接触してもよい。そして、全ての電磁鋼板101のうち軸方向の一方側Aに近いものほど、径方向の外周側に近い電磁鋼板201に接触する。
第5の実施の形態.
図12〜14に例示では、バックヨーク10を形成する電磁鋼板101のうち、3つの電磁鋼板101a〜101cがそれぞれ示されている。図12〜図14の例示では、複数のティース20として3つのティース20a〜20cが示されている。
図12に例示するように、ティース20aの一端20A側において、電磁鋼板101aは軸Pから所定の距離Rの位置から周方向に突出して、ティース20の一つの電磁鋼板201aのみと当接している。かかる突出が突起部30として図示されている。
図13に例示するように、ティース20bの一端20A側において、電磁鋼板101bは軸Pから距離Rの位置からで周方向に突出してティース20bの一つの電磁鋼板201bのみと周方向で当接している。かかる突出が突起部30として図示されている。
電磁鋼板101bがティース20bに対して突出する径方向の位置は、電磁鋼板101aがティース20aに対して突出する径方向の位置と等しい。また電磁鋼板101bがティース20bに対して一端20A側から突出し、同じく電磁鋼板101aもティース20aに対して一端20A側から同じ方向に突出している。
ここで、ティース20aの周方向における中央を通り軸Pに垂直な直線と、ティース20bの周方向における中央を通り軸Pに垂直な直線がなす角度を角度θとする。かかる角度θは、ティース20a,20bが軸Pに対してなす角度とも把握できる。
よって、電磁鋼板101aを軸Pに対して角度θで回転させると、電磁鋼板101aの突起部30と電磁鋼板101bの突起部30とが軸方向で見て重なる。また電磁鋼板101aは、軸Pを中心として角度θで回転させた状態で、電磁鋼板101bと軸方向で見て同じ形状を有している。
より具体的には、ティース20a〜20cは周方向において互いに略等間隔で配置される。図12の例示では、電磁鋼板101aはティース20b,20cに対して周方向で離間している。ティース20aの他端20B側において、電磁鋼板101aは軸Pから距離Rで周方向に突出してティース20aの一つの電磁鋼板201aのみと周方向で当接している。図13の例示では、電磁鋼板101bはティース20a,20cに対して周方向で離間している。ティース20aの他端20B側において、電磁鋼板101aは軸Pから距離Rで周方向に突出してティース20aの一つの電磁鋼板201aのみと周方向で当接している。図14の例示では、電磁鋼板101cはティース20a,20bに対して周方向で離間している。ティース20cの両端20A,20B側において、電磁鋼板101cは軸Pから距離Rで周方向に突出してティース20cの一つの電磁鋼板201cのみと周方向で当接している。
電磁鋼板101aとティース20bとの間の間隙は電磁鋼板101bとティース20bとの接触によって実現され、電磁鋼板101aとティース20cとの間の間隙は電磁鋼板101cとティース20cとの間の接触によって実現される。
電磁鋼板101a〜101cは同一形状を有しているので、同じ打ち抜き部材を用いて電磁鋼板101a〜101cを形成することができる。そして、これらを、それぞれ軸Pを中心として角度θで回転させて積層することにより、バックヨーク10を製造することができる。したがって、製造コストを低減することができる。
図15の例示では、いずれの一の電磁鋼板101も、複数のティース20の各々に対して、軸Pからの距離(図15中のR1〜R9)が互いに異なる位置で、同じ一端20A側から突出して、これら複数のティース20の各々の一つの電磁鋼板201のみと当接する。なお図15の例示では、一の電磁鋼板101は軸Pからの距離が互いに異なる位置で、同じ他端20B側から突出して、複数のティース20の各々の一つの電磁鋼板201のみと当接している。
ここで、周方向で隣り合うティース20の二者が軸Pに対してなす角度を角度θ1とする。図15の例示では、一の電磁鋼板101と軸方向で隣接する他の一の電磁鋼板101は、軸Pを中心として当該一の電磁鋼板101を角度θ1で回転させた状態で、当該電磁鋼板101と軸方向で見て同一形状を有する。
かかるバックヨーク10によれば、複数の電磁鋼板101を同じ打ちぬき部材で形成できる。また、かかる電磁鋼板101を角度θ1で回転させて順次に積層することによってバックヨーク10を製造できる。したがって、製造コストを低減できる。しかも、一のティース20は、一端20A(他端20B)側において、複数の電磁鋼板201によってそれぞれ複数の径方向における位置で支持される。
第6の実施の形態.
第6の実施の形態にかかる電機子用コア1の一例は、図1,5の電機子用コア1と同一である。ここでは電磁鋼板101から突出して電磁鋼板201と当接する。換言すればバックヨーク10に突起部30,31が設けられる。かかる構造であれば、ティース20には突起部30,31が設けられる必要がない。よって、部分20bに相当する各電磁鋼板201の周方向における長さを相互に等しくすることができる。したがって、電磁鋼板201を径方向に積層するに際して、電磁鋼板201の部分20bに相当する部分を、各電磁鋼板201の周方向の位置決めに用いることができ、ひいては電磁鋼板201を積層しやすい。
第7の実施の形態.
図16では、軸方向に沿って見た、一のティース20に相当する電気子用コア1が示されている。図18の例示では、電磁鋼板201のうち3つの第1乃至第3の電磁鋼板201aが一つの電磁鋼板101aのみと接している。一つの電磁鋼板101aは電磁鋼板201a以外の電磁鋼板201は周方向で互いに離間している。
第1の電磁鋼板201aは周方向の両側に突起部30aが設けられて、それぞれ一つの電磁鋼板101と周方向で当接する。第2の電磁鋼板201aは周方向の一端のみに突起部30aが設けられて一つの電磁鋼板101aと周方向で当接する。第3の電磁鋼板201aも周方向の一端のみに突起部30aが設けられて一つの電磁鋼板101aと周方向で互いに離間している。
このような構成において、第1及び第2の電磁鋼板201aと電磁鋼板101aとは軸方向の周りの経路を形成するものの、第2の電磁鋼板201aの他端と電磁鋼板101aとは互いに離間しているので、かかる経路の電気抵抗を増大させることができる。よって、かかる経路を流れる渦電流を低減できる。同様に、第1及び第3の電磁鋼板201aと電磁鋼板101aとは軸方向の周りの経路を形成するものの、第2の電磁鋼板201aの他端と電磁鋼板101aとは互いに離間しているので、かかる経路を流れる渦電流を低減することができる。
要するに、2つの電磁鋼板201と一つの電磁鋼板101とを経由する軸方向の周りの渦電流を低減するためには、次の要件を満たせばよい。即ち、任意の2つの電磁鋼板の一端と、任意の一つの電磁鋼板101とが周方向において互いに離間していればよい。
また2つの電磁鋼板と2つの電磁鋼板101とを経由する周方向の周りの渦電流を低減するためには、次の要件を満たせばよい。即ち、ティース20の一端側において、任意の2つの電磁鋼板101の少なくともいずれか一つと、任意の2つの電磁鋼板201の少なくともいずれか一つとが周方向で互いに離間していればよい。例えば図6の例示において、電磁鋼板201bの一つが電磁鋼板101aにも当接していてもよい。かかる構造であっても、周方向の周りの渦電流を低減できる。
1 電機子用コア
10 バックヨーク
20 ティース
30,31,30a,30b,31a,31b 突起部
40 補強板
50 絶縁部材
101,201 電磁鋼板

Claims (9)

  1. 各々が、所定の軸(P)を中心とした径方向に積層された複数の第1鋼板(201)を有し、前記軸を中心とした周方向で両端を有し、前記軸の周りで環状に配置される複数のティース(20)と、
    前記軸に沿う軸方向に積層された複数の第2鋼板(101)を有し、それぞれ前記複数のティースが挿入され且つ前記軸を中心とした径方向の少なくとも一方側に開口した複数の孔が、穿たれたヨーク(10)と
    を備え、
    一の前記ティースの前記周方向における一端(20A)側において、前記第2鋼板のうち前記周方向で前記一の前記ティースと接触するものはいずれも前記第1鋼板のいずれか一つのみと前記周方向で接触する、及び/又は前記第1鋼板のうち前記周方向で前記ヨークと接触するものはいずれも前記第2鋼板のいずれか一つのみと前記周方向で接触する、電機子用コア。
  2. 前記孔(11)が前記径方向の一方側のみに開口して前記ヨーク(10)が前記ティース(20)に対して前記径方向の他方側で前記周方向において連続し、
    前記一の前記ティースの前記一端(20A)側において一の前記第1鋼板は一の前記第2鋼板と前記周方向で接触し、前記一の前記ティースの前記他端(20B)側において前記一の前記第1鋼板は前記一の前記第2鋼板と前記周方向で離間する、請求項1に記載の電機子用コア。
  3. 前記孔(11)が前記径方向の一方側のみに開口して前記ヨーク(10)が前記ティース(20)に対して前記径方向の他方側で前記周方向において連続し、
    前記ティースは前記ヨークから前記軸方向の一方側(A)へと延在し、
    前記第2鋼板のうち前記軸方向の一方側(A)に位置するものほど、前記第1鋼板のうち前記径方向の他方側に位置するものと接触する、請求項1又は2に記載の電機子用コア。
  4. 前記一の前記ティース(20a)の前記一端(20A)側において、一の前記第2鋼板(101a)は前記軸から所定の距離(R)で前記周方向に突出して一の前記第1鋼板(201a)のみと当接し、他の一の前記ティース(20b)の前記一端(20)側において、他の一の前記第2鋼板(101b)は前記軸から前記所定の距離(R)で前記周方向に突出して一の前記第1鋼板(201b)のみと前記周方向で当接し、
    前記他の一の前記第2鋼板は前記軸を中心として、前記一の前記ティースと前記他の一の前記ティースとが前記軸に対してなす角度で回転させた状態で、前記一の前記第2鋼板と同じ形状を有する、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の電機子用コア。
  5. 前記一の前記ティース(20)の前記一端(20A)側において、一の前記第2鋼板(101)は一の前記第1鋼板のみ(201)と接触し、且つ他の一の前記第2鋼板は他の一の前記第1鋼板のみと接触する、請求項1に記載の電機子用コア。
  6. 前記第2鋼板(201)のうち前記第1鋼板(101)のいずれか一つのみに接触するものは、前記周方向において前記第1鋼板の前記いずれか一つのみへと突出して接触する、請求項1乃至5いずれか一つに記載の電機子用コア。
  7. 前記ティースは前記ヨークから前記軸方向の一方側(A)へと延在し、
    前記軸方向の前記他方側(B)から前記ヨーク(10)に設けられる絶縁部(50)と、
    前記軸方向の前記他方側(B)から前記絶縁部(10)に設けられる補強板(40)と
    を更に備える、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の電機子用コア。
  8. 前記ティースは前記ヨークから前記軸方向の一方側(A)へと延在し、
    前記軸方向の前記他方側(B)から前記ヨーク(10)に設けられ、前記ティースよりも強度が高い補強板(40)を更に備え、
    前記ティースは前記ヨークを軸方向に貫通し、前記ティースと前記補強板とが相互に固定される、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の電機子用コア。
  9. 前記補強板(40)は非磁性体である、請求項8に記載の電機子用コア。
JP2009271729A 2009-11-30 2009-11-30 電機子用コア Active JP5515689B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009271729A JP5515689B2 (ja) 2009-11-30 2009-11-30 電機子用コア

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009271729A JP5515689B2 (ja) 2009-11-30 2009-11-30 電機子用コア

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011115014A JP2011115014A (ja) 2011-06-09
JP5515689B2 true JP5515689B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=44236938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009271729A Active JP5515689B2 (ja) 2009-11-30 2009-11-30 電機子用コア

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5515689B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021031696A1 (zh) * 2019-08-16 2021-02-25 眭华兴 一种轻型电动自行车有齿轮毂电机

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6303284B2 (ja) * 2013-04-22 2018-04-04 日立金属株式会社 リニアモータ
FR3122953B1 (fr) * 2021-05-14 2023-11-03 Renault Sas corps de stator pour machine électrique à flux axial

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3660532B2 (ja) * 1999-08-10 2005-06-15 株式会社日立製作所 電動機および電動機コアの製造方法
CN1285154C (zh) * 2001-11-29 2006-11-15 雅马哈发动机株式会社 轴隙式旋转电机
JP4762816B2 (ja) * 2006-07-28 2011-08-31 新日本製鐵株式会社 励磁機および同期機
JP5458522B2 (ja) * 2007-12-17 2014-04-02 ダイキン工業株式会社 電機子用磁芯、電機子、回転電機及び圧縮機
JP2009153269A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Mitsuba Corp ブラシレスモータ
JP2009239986A (ja) * 2008-03-25 2009-10-15 Tdk Corp コイルボビン及びそれを用いた回転機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021031696A1 (zh) * 2019-08-16 2021-02-25 眭华兴 一种轻型电动自行车有齿轮毂电机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011115014A (ja) 2011-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2009148158A1 (ja) 電機子コア
JP4730461B2 (ja) 磁芯の製造方法
JP2011078294A (ja) 電機子コア
US11456629B2 (en) Stator with divided cores connected circumferentially
JP5515689B2 (ja) 電機子用コア
JP2006158136A5 (ja)
JP5790426B2 (ja) ロータ
JP2011004519A (ja) Ipmモータ用ロータとipmモータ
JP5519550B2 (ja) 分割コアおよびステータコア
JP3439658B2 (ja) 鉄 心
JP2019092355A (ja) モータ用ステータ
KR101348833B1 (ko) 분할코어식 모터 고정자
JP2011055646A (ja) 電機子磁芯の製造方法
JP2013070494A (ja) ステータコアおよびモータ
WO2016174889A1 (ja) 回転電機用固定子コア及び固定子、並びに回転電機
JP5463878B2 (ja) 巻線付き磁芯および電機子
JP2019115232A (ja) ロータ
JP2019161681A (ja) 電機子の製造方法および電機子
JP6611966B2 (ja) 電動機およびその製造方法
JP6681927B2 (ja) 回転電機のステータコア
US10250113B2 (en) Electric motor and manufacturing method for electric motor
JP2009296859A (ja) 電機子
JP5387225B2 (ja) 電機子用ヨーク及び電機子
WO2013157083A1 (ja) 回転電機
JP2010035342A (ja) 電機子コア

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140317

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5515689

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151