JP4762816B2 - 励磁機および同期機 - Google Patents

励磁機および同期機 Download PDF

Info

Publication number
JP4762816B2
JP4762816B2 JP2006206104A JP2006206104A JP4762816B2 JP 4762816 B2 JP4762816 B2 JP 4762816B2 JP 2006206104 A JP2006206104 A JP 2006206104A JP 2006206104 A JP2006206104 A JP 2006206104A JP 4762816 B2 JP4762816 B2 JP 4762816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yoke
exciter
tooth
teeth
eddy current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006206104A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008035618A (ja
Inventor
敬介 藤崎
隆 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2006206104A priority Critical patent/JP4762816B2/ja
Publication of JP2008035618A publication Critical patent/JP2008035618A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4762816B2 publication Critical patent/JP4762816B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Description

本発明は、電流を通じることにより移動磁界を発生させる励磁機およびそれを用いた同期機に関し、特に、電動機や発電機等の同期機における励磁機の構造に関する。
従来、例えば、永久磁石同期機は、ステータ(固定子)に電流を流すことにより発生する磁場と、ロータ(回転子)に埋め込まれた永久磁石が発生する磁場とが作用してロータを回転するような電磁力が発生するようになっており、保守性,制御性および耐環境性に優れ、且つ、高効率および高力率運転が可能な電動機として産業・民生家電分野を問わず広く用いられている。
ここで、電気エネルギーを同期機に流して回転駆動力を得るようにするのが同期電動機であり、逆に、同期機を回転させて電気エネルギーを同期機より取り出すのが同期発電機であるが、本明細書では、両者を含めて同期機としている。なお、両者の構造は基本的には同じなので、主として同期電動機を例として詳述する。また、本明細書では、主として励磁機をステータとして説明するが、例えば、ロータに電流を流すことによって、励磁機をロータとして構成することもできる。
さらに、励磁機としては、同期機であっても、誘導機或いは直流機であっても構成は同じなので、そうした機器に対しても本発明を適用することができるのはいうまでもない。
図1および図2は従来の同期機の一例を示し、図1は横断面図であり、また、図2は縦断面図である。図1および図2において、参照符号1はヨーク、2はティース、7はステータ、8はロータ、そして、9は永久磁石を示している。
図1および図2に示されるように、従来の同期機は、ヨーク1およびティース2で構成されたステータ7の内側にロータ8が配置されている。例えば、ロータ8には永久磁石9が埋め込まれており、ステータ7に三相交流を流すことにより発生する磁場が永久磁石9に働くことでロータ8が回転するようになっている。
従来、同期機のステータは、鉄損を低減するために無方向性電磁鋼板(NO)を積層することにより作られていた。ここで、無方向性電磁鋼板は、鋼板表面のどの方向にも一様な比透磁率を有する鋼板であって、比較的鉄損の小さい材料として広く用いられているが、長時間連続運転する同期機のステータに用いる材料としてはさらなる磁気特性の改善が求められている。
また、従来、ステータ7のヨーク1とティース2とを分割し、ヨーク1には円周方向を磁化容易方向とする方向性電磁鋼板(GO)を使用し、且つ、ティース2には径方向を磁化容易方向とする方向性電磁鋼板を使用して鉄損を低減するものも知られている。
しかしながら、図1および図2に示す従来の同期機は、ヨーク1およびティース2を構成する方向性電磁鋼板の積層方向が同じ方向なので、ヨーク1からティース2への磁束の流れがスムーズではなく、この部分に磁気抵抗の大きい回転磁界が発生して鉄損を増加させることになっていた。さらに、ステータ7を通過する磁束は分割されたヨーク1同士の境界線およびヨーク1とティース2との境界線の双方を通過するため、この境界線の磁気抵抗により鉄損が増加するという問題もあった。
そこで、従来、ステータでの全体的な磁気抵抗を小さくして性能を向上させるために、コイルが装着されるティース部とヨーク部を連結してステータを構成し、ティース部に方向性電磁鋼板を用いると共に、ヨーク部に透磁率の異方性の小さい磁性材を用いた電気モータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、ヨークとティースとを備えたステータを複数枚、厚さ方向に積層・固定し、ヨークを周方向に分割し、該分割されたヨークの境界をティースが設けられている周方向の位置とし、ヨークおよびティースを方向性電磁鋼板で構成し、ヨークの磁化容易方向をステータの周方向とし、そして、ティースの磁化容易方向をステータの径方向とした同期機も提供されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、従来、ヨークが周方向に分割されている励磁機(ステータ)の磁気抵抗と鉄損を低減し磁束(B)を増大するために、ヨークおよびティースを、異なる方向に積層された方向性電磁鋼板で構成した励磁機およびそれを用いた同期機も提案されている(例えば、特許文献3参照:以下、直交モータと称する)。
また、従来、モータのヨークとティースの接続部分に多く発生する回転磁界、並びに、二次元ベクトル磁気特性測定装置により回転磁界の磁気特性を明らかにした文献も発行されている(例えば、特許文献4および5参照)。
ところで、従来、有限要素法による電磁場解析技術が知られており、様々な文献に記載されている(例えば、非特許文献1および2参照)。有限要素法は、モータなどの電気機器を空間的に微小なメッシュに分割し、そのメッシュ内部は低次の関数で表現できるとして、マックスウェルの方程式を数値解析的に求めるものであり、磁気エネルギーを最小にする条件が実在する物理量として定式化している。モータなどの損失および電磁トルクといった電磁気特性を明らかにするために用いられており、精度よく実現象を反映することができる。なお、従来、電磁鋼板の磁気特性の評価に使用する鉄損に関する文献も発行されている(例えば、非特許文献3参照)。
特開2000−078780号公報 特開2004−056906号公報 特開2004−236495号公報 特開2004−347482号公報 特開2005−069933号公報 K. Fujisaki, S. Satoh, "Numerical Calculations of Electromagnetic Fields in Silicon Steel Under Mechanical Stress", IEEE Transactions on Magnetics, Volume: 40, Issue: 4, July 2004, Pages: 1820-1825 中田、高橋著「電気工学の有限要素法 第二版」森北出版株式会社、1986年、東京 新日本製鐵(株)「図解 わかる電磁鋼板」新日本製鐵(株)、1985年
上述したように、特許文献1に開示された電気モータは、ティース部に方向性電磁鋼板を用い、ヨーク部に透磁率の異方性の小さい磁性材(低炭素鋼鋼板や無方向性電磁鋼板など)を用いるものであるが、ヨーク1およびティース2の接合部も透磁率の異方性の小さい磁性材を用いているため、ヨーク1からティース2への磁束の流れがスムーズでなく、この部分に磁気抵抗の大きい回転磁界が発生して鉄損を増加させてしまうという問題があった。
また、特許文献2に開示されたステータは、ヨークおよびティースを方向性電磁鋼板で構成し、ヨークの磁化容易方向をステータの周方向とすると共に、ティースの磁化容易方向をステータの径方向としたものであるが、特許文献1のものと同様に、ヨークとティースの積層方向が直交しないので渦電流は発生しないが、回転磁界が発生して鉄損を増加させてしまうという問題があった。
図3は、特許文献3に開示された、従来の同期機の他の例(直交モータ)における励磁機(ステータ)の一部を示す断面図である。
図3において、参照符号3はヨークとヨークとの境界線を示し、4はヨークとティースとの境界線を示している。ここで、ヨーク1およびティース2の方向性電磁鋼板の積層方向は、ヨーク1の鋼板面の法線方向がモータの回転軸方向でティース2の鋼板面の法線方向が周方向とされている。
図3に示す従来のステータ7は、外周部分のヨーク1およびティース2を備え、ヨーク1とティース2がロータの周囲に円周状に配置され、ヨーク1がステータの周方向に分割されている。そして、ヨーク1およびティース2は、方向性電磁鋼板を異なる方向に積層して構成されている。これにより、ヨークが周方向に分割されているステータの回転磁界の発生を抑制し、磁気抵抗と鉄損を低減して磁束密度(B)を増大することができる。
図11は回転磁界を説明するための図である。
図11に示されるように、回転磁界は、例えば、電磁鋼板を交流励磁したときに、電磁鋼板内の或る位置で磁束密度ベクトルB(Bx、By)の1周期の軌跡が二次元平面内で楕円状になるもので、モータのヨークとティースの接続部分に多く発生する(なお、詳細は特許文献4参照)。
また、回転磁界は、二次元ベクトル磁気特性測定装置によりその磁気特性を明らかにすることができる(特許文献5参照)が、通常、鉄損の増加を招くために、できるだけその発生を抑制することが望まれている。
なお、電磁鋼板ではなくバルク形状の磁性体の交流励磁において、回転磁界とは、磁束密度ベクトルの1周期の軌跡が二次元平面内から外れる場合を指すこともある。
この特許文献3に開示されたステータは、ヨークとティースの積層方向が直交しており、ヨークとティースとの接合部分には同一平面が存在せず、ヨークとティースとの境界4の近傍に回転磁界を発生し難くなる。しかしながら、当該構造の励磁機は、回転磁界を低減することはできるものの、ヨークとティースの積層方向が直交しているためか、損失が大きくなるという問題があった。
本発明は、上述した従来の励磁機(同期機)が有する問題に鑑み、ヨークとティースを異なる方向に積層された電磁鋼板で構成した励磁機において、回転磁界の発生を抑制しつつ、可及的に損失を低減して高効率化を図ることを目的とする。
本発明によれば、分割されたヨークおよびティースを備え、前記ヨークを構成する積層された電磁鋼板の各鋼板面の法線方向は、励磁機の回転軸方向であり、且つ、前記ティースを構成する積層された電磁鋼板の各鋼板面の法線方向は、励磁機の周方向である回転型の励磁機であって、前記ヨークと前記ティースとの接合部近傍に絶縁部を設けて、前記ヨークまたは前記ティースに生じる渦電流を低減するようになっており、前記絶縁部は、前記ティースの側面部において前記積層された電磁鋼板を貫通する方向で、該ティースが接合しているヨーク側に設けられた第1絶縁部を含み、前記ティースに生じる渦電流を低減することを特徴とする励磁機が提供される。
ここで、好ましくは、前記ティースは、前記ヨークの外周部を残して嵌合され、前記絶縁部は、さらに、該ティース先端部近傍の該ヨークの外周部に設けられた第2絶縁部を含み、該ティース先端部の該ヨークの外周部に生じる渦電流を低減する。さらに、好ましくは、前記第2絶縁部は、前記ヨークを構成する電磁鋼板の幅の全体にわたって設けられている。また、前記第2絶縁部は、前記ティース先端部近傍の前記ヨークの厚さ方向(回転軸方向)の少なくとも一方側に設けられ、且つ、該ヨークの端面から厚さの1/3以上の幅を有するように構成してもよい。そして、前記第1絶縁部は、前記ティースの側面部において、さらに前記励磁機の回転軸側にも設けられ、該ティースに生じる渦電流を低減するように構成することもできる。
本発明の励磁機の別の形態では、前記第1絶縁部が、前記ティースの側面部の幅の1/3〜1/4の幅にすることを特徴とする
また、本発明の励磁機の別の形態では、前記絶縁部は、さらに、前記ヨークと前記ティースとの接合部に設けられた第3絶縁部を含み、前記ヨークまたは前記ティースに生じる渦電流を低減することを特徴とする。
そして、上記発明の励磁機を備える同期機も本発明により提供される。
本発明によれば、ヨークとティースを異なる方向に積層された電磁鋼板で構成した励磁機において、交流励磁に際して渦電流が大きく発生するヨークおよびティースの部位に絶縁部を設けることによって、渦電流の発生を抑制することができるので、ステータの損失を低減して高効率にすることができる。
以下、本発明に係る励磁機および同期機の実施の形態を、添付図面を参照して詳述する。
まず、図3に示したステータについて、交流励磁するときの損出の発生機構について詳細な検討を行った。ここで、ヨーク1の鋼板面の法線方向はモータの回転軸方向とされ、且つ、ティース2の鋼板面の法線方向はモータの周方向である。その検討結果を以下において説明する。
図4は図3に示したすステータを拡大して示す斜視図である。図4のステータでは、渦電流EC3がティース2に、また、渦電流EC4がヨーク1に、それぞれ電磁鋼板面内に発生してモータの効率を低下させることが、この方式における損失増大の要因であることが判明した。
その詳細を、図12に示した励磁機に関する電磁場解析モデルを、有限要素法を用いて得られた解析結果の図9、図10および図13を参照して説明する。
図12では、集中巻きしたステータコアの基本となる3個のティース20と付随するヨーク10のみを取り上げており、水平(X軸)方向に周期境界条件を用いることで複数個のティースを表現している。ロータに相当する部分80は、簡便のために無垢鉄(導電率は零)を想定している。
図12中の表に電磁鋼板の物性値等の解析条件を示す。ヨークとティースの積層方向の違いは、比透磁率の異方性で表現している。なお、励磁電流は、三相交流で50Hzとした。また、Z軸方向には、半分の厚みを考えており、対称境界条件を設定している。さらに、鋼材の導電率は、積層方向の導電率を零とするテンソル表示し、鋼材部分に鋼材の平面方向に流れる渦電流を表現している。
図9は、図3のステータ構造における電磁気現象を明らかにするために、上記の有限要素法の電磁場解析による、各条件における磁束密度分布と渦電流ベクトル分布(→の分布)および損失(鉄損+渦電流)の比を示す図である。
図9において、下欄に記載した損失(鉄損+渦電流)は、全体の損失(W/kg)を1としたときの、各損失(W/kg)の比で表示している。まず、比較のために、(1)NO(無方向性電磁鋼板)一体も有限要素法による損失の解析を行った。さらに、ステータ構造としてヨークとティースをともにGO(方向性電磁鋼板)で構成し、ヨークとティースの接合部分を絶縁(2)、並びに、導電(3)とした2形体の解析を行った。ケース(2)およびケース(3)において、電磁鋼板の積層方向は、ヨークでは回転軸方向であり、また、ティースでは回転方向である。なお、実際のヨークとティースの接合部分は、上記絶縁と導電との間にあるものと考えられる。
本解析では、鉄芯の損失としては、従来の鉄損(B−W特性より算出)だけではなく、鉄芯構造を、積層方向を考慮した電気抵抗率のテンソル表現を行うことにより、ステータコアの鉄芯の電磁鋼板の平面内に流れる渦電流の影響も考慮している。
すなわち、図9において鉄損(従来の鉄損)は、電磁鋼板の磁気特性の評価に通常用いられるSST(Single Sheet Tester)またはEPSTEIN法によって得られる電磁鋼板のヒステリシス曲線より実測した損失である、直流励磁時に得られるヒステリシス損失、交流時に鋼板の厚み方向に誘起されて流れる渦電流損失および磁壁移動による異常渦電流損失とから構成されるものである(詳細、非特許文献3参照)。つまり、ここでの鉄損における渦電流損失は、鋼板の厚み方向に流れる渦電流である。
これに対して、もう一つの損失である平面渦電流は、電磁鋼板の平面内に流れる渦電流を指し、SSTといった鋼板の磁気特性を測定するときには出てこない現象である。この平面渦電流は、モータなど三次元的な鉄芯と励磁電流の構成において発現するものである。つまり、鉄芯と励磁電流の相対的位置や接続条件などによっては、磁束密度が面状の鋼板面に垂直に発現し、また、渦電流の連続性を満たそうとすることにより、鋼板面に流れる渦電流である。図9並びに以下の説明では、平面渦電流を簡単に「渦電流」として記す。
図9の下部の損失(鉄損+渦損)欄に示されるように、ヨークとティースとの接合部分を絶縁したケース(2)をみると、NO一体のケース(1)と比べて、渦電流の分の損失が増加していることが分かる。これは、ティース先端部のヨーク側(図9中の領域CA参照)に磁束密度が集中し、その部分の渦電流が増加しているためと考えられる。
また、ヨークとティースとの接合部分を導電したケース(3)をみると、NO一体のケース(1)と比べて、渦電流の分の損失が増加していることが分かる。これは、ヨークとティースとが導通しているために、ヨークの内側(図9中の領域CB参照)にヨーク−ティースに跨る渦電流が流れているためであると考えられる。
図10は、ケース(3)の条件で、励磁電流の位相ωt=315度における渦電流ベクトル(矢印)の詳細な分布を示す図である。ヨークとティースとが電気的に導通しているため、ティースの側面で誘起された渦電流が、ヨークの表面を伝って隣のヨーク部分に流れている様子が分かる。
実際のヨークとティースとの接合部分は、絶縁と導電との間にあると考えられる。図9および図10に例示した、ステータの各構成要素に渦電流が流れる電磁気現象の詳細な解析により、電磁鋼板の平面内に発生する渦電流(平面渦電流)による損失が、ステータをNOで構成したとき、すなわち、ケース(1)と比べて、ケース(2)およびケース(3)では非常に大きくなるという知見が得られた。この知見に基づき、図4のステータ構造における損失低減策として、以下に記載するような、ヨークとティースの所定の個所に絶縁部を配設することにより渦電流を低減する、本発明に至った。
図5は本発明に係る励磁機(同期機)におけるステータの一実施例の一部を示す斜視図である。図5において、参照符号6は、ヨークとヨークの間の絶縁部を示している。
図5に示されるように、本実施例のステータ7において、ヨーク1の鋼板面の法線方向はモータの回転軸方向とされ、且つ、ティース2の鋼板面の法線方向はモータの周方向とされている。
図5と前述した図4との比較から分かるように、本実施の形態でのステータ7は、ティース2の側面部に生じる渦電流(図4を参照して説明したEC3)を、該渦電流EC3の経路に絶縁部26を設けることにより低減し、一方、ヨーク1に生じる該渦電流EC4の経路に絶縁部6を設けることにより損失を低減している。なお、絶縁部の厚さは、絶縁性が確保できる範囲内で、薄くする方が磁気抵抗を増やさない観点から好ましい。
まず、ティースの絶縁部について説明する。図6および図7は、図5に示すステータにおける絶縁部26の形状をより詳細に説明するための図であり、図6は図5におけるDDの方向から見た側面図で、図7は図5におけるEEの方向から見た透視図である。
ティース2の側面部2aに設ける絶縁部26としては、例えば、図6(a)に示すように、ティース2の中央付近の両側に絶縁部261,262を設けるか、図6(b)に示すように、ティース2の中央付近の一方側に絶縁部261を設けるか、図6(c)に示すように、ティース2の両側に複数の絶縁部263a〜263dを設けるか、或いは、図6(d)に示すように、ティース2の中央付近の全体に絶縁部264を設ける。これにより、ティース2の側面部2aに生じる渦電流EC3を低減することができる。
なお、図6(a)〜図6(c)において、絶縁部261(262,263a〜263d)の幅W7は、例えば、ティース2の側面の幅W6の約1/3〜1/4程度の幅であれば、渦電流EC3を十分に低減することができる。
また、図7に示されるように、ティース2に設けるヨーク1側の絶縁部26の平面形状(図5におけるEEの方向から見た形状)は、例えば、ヨーク1とティース2との接続線4と平行な辺を有する絶縁部26aとしているが、これに限定されるものではなく他の形状(例えば、絶縁部26b)としてもよい。さらに、ティース2に設けるロータ側の絶縁部26の平面形状は、例えば、矩形形状としているが他の形状でもよいのはいうまでもない。いずれにしろ、ティース2に生じる渦電流EC3の経路を妨げる形状であればよい。
なお、絶縁部26a(26b,26c,26,261,262,263a〜263d,264)の厚さ(奥行き)W9は、例えば、ティース2の幅(平面から見た厚さ)W8の約1/3〜1/4程度の厚さであれば、渦電流EC3を十分に低減することができる。また、厚さW9は1/3より大きくしても渦電流を低減することが可能であるが、ティースの磁気抵抗が若干増加するので不利である。
一方、ヨーク1に関して、渦電流は、図10からヨーク1の背部で、厚さ方向(Z軸方向)について端部より4分の1程度までの範囲に多く流れていることが分かる。
図14は図3に示すステータにおけるヨーク間の絶縁部の形状の例を説明するための図である。図14に示されるように、スリットを入れた場合には、渦電流自体も迂回するので、少なくとも3分の1まで絶縁部を入れた方が効果的である。
図9に示したティースとヨークとの接合部分を絶縁したケース(2)と、導電したケース(3)とを比較すると、絶縁したケース(2)の方が、渦電流の発生が少ないことが分かる。このため、励磁器(同期機)の損失を低減させるためには、ティースとヨークとの接合部分を絶縁することも効果的であると考えられる。
上述した各実施の形態では、本発明に係る励磁機を回転型の同期機(回転モータ)のステータとして説明したが、本発明の励磁機は、このようなモータのステータとして適用されるだけでなく、直線型の同期機(例えば、リニアモータ)のステータとしても適用することができる。直線型の同期機の場合には、上記の説明での回転方向を同期機の磁界移動方向と読み換え、また、回転軸方向を磁界移動方向およびヨークとティースの接続方向に直交する方向と読み換えれば、上記の説明をそのまま適用することができる。
さらに、例えば、回転モータにおいても、ヨーク1とティース2との接続は、図4等に示すような鋭角的な接続線4ではなく、図8に示すような矩形の接続線40であってもよい。すなわち、本発明の励磁機は、回転軸方向に積層した電磁鋼板で構成されるヨーク1、並びに、回転方向に積層した電磁鋼板で構成されるティース2を備える様々な励磁機において、ヨークとティースの接続線の近傍に生じる渦電流の経路に絶縁部を設けることによって、渦電流の低減を図ることができる。
ここで、絶縁部を構成する部材としては、例えば、紙,マイカテープ,樹脂シートおよび樹脂テープ等、或いは、絶縁性の樹脂を充填する等といった、従来から知られている様々な絶縁物で構成することが可能である。また、絶縁部の厚さ(T1,T2)としては、例えば、絶縁破壊が生じない範囲において、10μm〜100μm程度でも十分に渦電流の発生を低減することができる。
また、本発明の励磁機(ステータ)を、同期機(電動機や発電機等)に適用することによって、損失が少なく高効率の同期機を提供することが可能になる。
さらに、ヨーク1およびティース2を構成する積層された電磁鋼板は、方向性電磁鋼板に限定されるものではなく、無方向性電磁鋼板の場合でも、渦電流の低減の効果を得ることができる。
本発明は、異なる方向に積層した電磁鋼板で構成されるヨークおよびティースを備える様々な励磁機および該励磁機を用いた同期機に適用することができる。したがって、本発明は、高効率な同期機を製作することを可能とし、産業上大いに利用可能な技術である。
従来の同期機の一例を示す横断面図である。 従来の同期機の一例を示す縦断面図である。 従来の同期機の他の例におけるステータの一部を示す断面図である。 図3に示すステータを拡大して示す斜視図である。 本発明に係るステータの一実施例の一部を示す斜視図である。 図5に示すステータにおける絶縁部の形状を説明するための図(その1)である。 図5に示すステータにおける絶縁部の形状を説明するための図(その2)である。 本発明に係るステータのさらなる適用例を示す断面図である。 有限要素法の電磁場解析による各条件における磁束密度分布と渦電流ベクトル分布および損失(鉄損+渦電流)の比を示す図である。 有限要素法の電磁場解析による、ヨークとティースとの接合部に導通しているときの、ヨークの厚さの半分の部分の渦電流ベクトル分布(ケース(3)の条件、ティース1個分:ωt=315度)を示す図である。 回転磁界を説明するための図である。 有限要素法による電磁場解析を行ったモデルを説明するための図(物性値を含む)である。 有限要素法の電磁場解析による、ヨークとティースとの接合部に導通しているときの、ヨークの厚み半分の部分の渦電流ベクトル分布を示す図である。 図3に示すステータにおけるヨーク間の絶縁部の形状の例を説明するための図である。
符号の説明
1 ヨーク
2 ティース
3 ヨークとヨークとの境界線
4,40 ヨークとティースとの境界線
5 電磁コイル
6,60,61,62;16,161,;26,26a〜26c;261,262,263a〜263d,264 絶縁部
7 励磁機(ステータ)
8 ロータ
9 永久磁石
10 ヨーク(電磁場解析モデル)
20 ティース(電磁場解析モデル)
80 ロータに相当する部分(電磁場解析モデル)
EC1〜EC4 渦電流

Claims (9)

  1. 分割されたヨークおよびティースを備え、前記ヨークを構成する積層された電磁鋼板の各鋼板面の法線方向は、励磁機の回転軸方向であり、且つ、前記ティースを構成する積層された電磁鋼板の各鋼板面の法線方向は、励磁機の周方向である回転型の励磁機であって、
    前記ヨークと前記ティースとの接合部近傍に絶縁部を設けて、前記ヨークまたは前記ティースに生じる渦電流を低減するようになっており、
    前記絶縁部は、前記ティースの側面部において前記積層された電磁鋼板を貫通する方向で、該ティースが接合しているヨーク側に設けられた第1絶縁部を含み、前記ティースに生じる渦電流を低減することを特徴とする励磁機。
  2. 請求項1に記載の励磁機において、
    前記ティースは、前記ヨークの外周部を残して嵌合され、前記絶縁部は、さらに、該ティース先端部近傍の該ヨークの外周部に設けられた第2絶縁部を含み、該ティース先端部近傍の該ヨークの外周部に生じる渦電流を低減することを特徴とする励磁機。
  3. 請求項2に記載の励磁機において、
    前記第2絶縁部は、前記ティース先端部近傍の前記ヨークを構成する電磁鋼板の幅の全体にわたって設けられていることを特徴とする励磁機。
  4. 請求項2に記載の励磁機において、
    前記第2絶縁部は、前記ティース先端部近傍の前記ヨークの厚さ方向の少なくとも一方側に設けられ、且つ、該ヨークの端面から当該ヨークの厚さの1/3以上の幅を有していることを特徴とする励磁機。
  5. 請求項に記載の励磁機において、
    前記第1絶縁部は、前記ティースの側面部の幅の1/3〜1/4の幅を有することを特徴とする励磁機。
  6. 請求項に記載の励磁機において、
    前記第1絶縁部は、前記ティースの側面部において、さらに前記励磁機の回転軸側にも設けられ、該ティースに生じる渦電流を低減することを特徴とする励磁機。
  7. 請求項に記載の励磁機において、
    前記第1絶縁部は、前記ティースの側面部の幅の1/3〜1/4の幅を有することを特徴とする励磁機。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の励磁機において、
    前記絶縁部は、さらに、前記ヨークと前記ティースとの接合部に設けられた第3絶縁部を含み、前記ヨークまたは前記ティースに生じる渦電流を低減することを特徴とする励磁機。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の励磁機を備えることを特徴とする同期機。
JP2006206104A 2006-07-28 2006-07-28 励磁機および同期機 Active JP4762816B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006206104A JP4762816B2 (ja) 2006-07-28 2006-07-28 励磁機および同期機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006206104A JP4762816B2 (ja) 2006-07-28 2006-07-28 励磁機および同期機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008035618A JP2008035618A (ja) 2008-02-14
JP4762816B2 true JP4762816B2 (ja) 2011-08-31

Family

ID=39124452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006206104A Active JP4762816B2 (ja) 2006-07-28 2006-07-28 励磁機および同期機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4762816B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101483359B (zh) * 2008-01-11 2012-08-22 德昌电机(深圳)有限公司 电机定子结构及其形成方法
JP5515689B2 (ja) * 2009-11-30 2014-06-11 ダイキン工業株式会社 電機子用コア
JP6848314B2 (ja) * 2016-10-03 2021-03-24 日本製鉄株式会社 ステータコアおよび回転電機
CN110729827B (zh) * 2019-10-18 2021-04-02 首钢智新迁安电磁材料有限公司 一种硅钢定子铁芯、定子及电机

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2502841A1 (de) * 1975-01-24 1976-07-29 Basf Ag Hochdruck-kolben-pumpen fuer chemische anlagen mit einer oder mehreren durch ein sperroelsystem geschmierten stopfbuechsen
JPH099532A (ja) * 1995-06-16 1997-01-10 Hitachi Ltd 電動機
SE518110C2 (sv) * 1999-12-23 2002-08-27 Hoeganaes Ab Stator och rotor för en elektrisk maskin
AU2002355053A1 (en) * 2001-11-29 2003-06-10 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Axial gap type dynamo-electric machine
JP2003235185A (ja) * 2002-02-05 2003-08-22 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 回転電機の分割形ステータ構造
JP2004236495A (ja) * 2003-01-10 2004-08-19 Nippon Steel Corp 励磁機およびそれを用いた同期機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008035618A (ja) 2008-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tiegna et al. Analytical modeling of the open-circuit magnetic field in axial flux permanent-magnet machines with semi-closed slots
Parviainen Design of axial-flux permanent-magnet low-speed machines and performance comparison between radial-flux and axial-flux machines
Dajaku et al. Reduction of low space harmonics for the fractional slot concentrated windings using a novel stator design
Zhao et al. Star and delta hybrid connection of a FSCW PM machine for low space harmonics
Lubin et al. Improved 3-D analytical model for axial-flux eddy-current couplings with curvature effects
JP4102708B2 (ja) 永久磁石を利用したモータ
WO2007072707A1 (ja) 電動機並びにその回転子及び回転子用磁心
JP2009528811A (ja) 電気機械における配置、及び配置に関するコイルの製造方法
Kwon et al. Electromagnetic analysis and steady-state performance of double-sided flat linear motor using soft magnetic composite
Guo et al. Accurate determination of parameters of a claw-pole motor with SMC stator core by finite-element magnetic-field analysis
JP4762816B2 (ja) 励磁機および同期機
Amin et al. Hybrid adopted materials in permanent magnet-assisted synchronous reluctance motor with rotating losses computation
Mahmoudi et al. An analytical complementary FEA tool for optimizing of axial-flux permanent-magnet machines
Jussila Concentrated winding multiphase permanent magnet machine design and electromagnetic properties–case axial flux machine
JP2008067561A (ja) 永久磁石形電動機
JP4762836B2 (ja) 励磁機および同期機
JP2007202292A (ja) 励磁機
Putri et al. Comparison of the characteristics of cost-oriented designed high-speed low-power interior PMSM
JP5471653B2 (ja) 永久磁石式電動モータ
Lundmark Application of 3-D computation of magnetic fields to the design of claw-pole motors
Liu et al. Design and analysis of a new permanent magnet claw pole machine with S-shape winding
Lubin et al. Improved analytical model for surface-mounted PM motors considering slotting effects and armature reaction
Hoffer et al. Stainless-core submersible permanent magnet synchronous machine
Bettayeb et al. Analytical estimation of rotor loss due to stator slotting of synchronous pm machines
US20110062805A1 (en) Switched reluctance machine with eddy current loss dampener

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110531

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110608

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4762816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350