JP2007202292A - 励磁機 - Google Patents

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Abstract

【課題】隣接するティース間に巻線を設け、その隣接するティース間に渡り部材を用いて巻線を保持する励磁機において、時間高調波を低減して高効率化を行う。
【解決手段】隣接するティース21,22間に巻線51,52を設け、該巻線を当該隣接するティース間に渡り部材6を用いて保持する励磁機7であって、前記渡り部材を、強磁性体またはフェリ磁性体を用いて構成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、電流を通じることにより移動磁界を発生させる励磁機に関し、特に、電動機や発電機等の同期機における励磁機の構造に関する。
従来、例えば、永久磁石同期機は、ステータ(固定子)に電流を流すことにより発生する磁場がロータ(回転子)に埋め込まれた永久磁石に作用してロータを回転するようになっており、保守性,制御性および耐環境性に優れ、且つ、高効率および高力率運転が可能な電動機として産業・民生家電分野を問わず広く用いられている。
ここで、電気エネルギーを同期機に流して回転駆動力を得るようにするのが同期電動機であり、逆に、同期機を回転させて電気エネルギーを同期機より取り出すのが同期発電機であるが、本明細書では、両者を含めて同期機としている。なお、両者の構造は基本的には同じなので、以下詳細説明では、主として同期電動機を例として説明する。また、本明細書では、主として励磁機をステータとして説明するが、例えば、ロータに電流を流すことによって、励磁機をロータとして構成することもできるのはいうまでもない。
図1および図2は従来の同期機の一例を示し、図1は横断面図であり、また、図2は縦断面図である。図1および図2において、参照符号1はヨーク、2はティース、5は電磁コイル(巻線)、6は渡り部材、7は励磁機(ステータ)、8はロータ、そして、9は永久磁石を示している。
図1および図2に示されるように、従来の同期機は、ヨーク1およびティース2で構成されたステータ7の内側にロータ8が配置されている。例えば、ロータ8には永久磁石9が埋め込まれており、ステータ7の電磁コイル5に三相交流を流すことにより発生する磁場が永久磁石9に働くことでロータ8が回転するようになっている。
ヨーク1およびティース2は、例えば、積層された方向性電磁鋼板(GO)で構成されており、ヨーク1を構成する方向性電磁鋼板の磁化容易方向は周方向D1とされ、且つ、ティース2を構成する方向性電磁鋼板の磁化容易方向は径方向D2とされている。なお、本明細書では、このような複数の方向性電磁鋼板が積層された磁化容易方向が異なるヨークおよびティースを備える励磁機をGO分割(GO分割型の励磁機)と称する。
図3は従来の同期機の他の例を示す横断面図である。
図3に示す従来の同期機は、ヨーク1およびティース2を一体的な無方向性電磁鋼板(NO)で構成したものであり、例えば、ヨーク1およびティース2の一体的な形状に打ち抜いた無方向性電磁鋼板を複数枚積層してステータ7を構成するようにしたものである。なお、本明細書では、このような一体的な無方向性電磁鋼板を複数枚積層して構成されたヨークおよびティースを備える励磁機をNO一体(NO一体型の励磁機)と称する。
ここで、図1および図3に示されるように、隣接するティース2間の空隙には巻線5が設けられており、その先端部(隣接するティース2間のロータ8に対向する部分)には、渡り部材6が設けられ巻線5を保持するようになっている。なお、渡り部材6は、例えば、ポリエステルガラスやフェノール樹脂といった材料で構成されている。
ところで、従来、ステータでの全体的な磁気抵抗を小さくして性能を向上させるために、コイルが装着されるティース部とヨーク部を連結してステータを構成し、ティース部に方向性電磁鋼板を用いると共に、ヨーク部に透磁率の方向性の小さい磁性材を用いた電気モータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、ヨークとティースとを備えたステータを複数枚、厚さ方向に積層・固定し、ヨークを周方向に分割し、該分割されたヨークの境界をティースが設けられている周方向の位置とし、ヨークおよびティースを方向性電磁鋼板で構成し、ヨークの磁化容易方向をステータの周方向とし、そして、ティースの磁化容易方向をステータの径方向とした同期機も提供されている(例えば、特許文献2参照)。
なお、従来、有限要素法を利用した電磁場解析の鉄損評価として、鋼板の電磁気特性の異方性を考慮に入れた鉄損評価法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、従来、隣接するティース間の先端部に渡り部材を設けて巻線を保持するようにした励磁機(電気子巻線法)も知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、従来、電気工学の有限要素法を解説する文献が提供されている(例えば、非特許文献2参照)。そして、従来、有限要素法によるモータ解析を行う文献が提供されている(例えば、非特許文献3参照)。
特開2000−078780号公報 特開2004−056906号公報 特許第3643334号公報 「電気工学ハンドブック」,電気学会,1988年,p561,563,588 中田、高橋「電気工学の有限要素法 第二版」2002、東京、森北出版 K. Fujisaki et al., "Numerical Calculations of Electromagnetic Fields in Silicon Steel Under Mechanical Stress", IEEE Transactions on Magnetics, Vol. 40, No. 4, July 2004, pp.1820-1825
図1および図3を参照して説明したように、従来、GO分割型およびNO一体型の励磁機において、隣接するティース2間の空隙に巻線5を設け、その先端部に渡り部材6を設けて巻線5を保持するものが知られている。
図4および図5は従来の励磁機(ステータ7)における渡り部材の例を概略的に示す図である。
図4に示す励磁機において、ティース21には巻線(ステータ巻線)51a,51bが巻き付けられ、また、ティース22には巻線52a,52bが巻き付けられている。すなわち、隣接するティース21と22との間には、巻線51a,51bおよび52a,52bが設けられている。ここで、図4に示す励磁機は、限界出力を増大するために、巻線51a,52aの上に巻線51b,52bを巻き付ける二層巻き(二重重ね巻き)構造とされている。ここでは、集中巻きの二層巻き構造を考えているが、分布巻きの二層巻き構造の場合についても同様な議論を行うことができる。
そして、図4に示されるように、巻線51a,51bおよび52a,52bは、くさび形状の渡り部材6aによって、隣接するティース21および22間の空隙に保持されるようになっている。
図5に示す励磁機において、ティース21には巻線51が巻き付けられ、また、ティース22には巻線52が巻き付けられている。すなわち、隣接するティース21と22との間には、巻線51および52が設けられている。ここで、図5に示す励磁機は、一層巻き構造とされている。
そして、図5に示されるように、巻線51および52は、平板形状の渡り部材6bによって、隣接するティース21および22間の空隙に保持されるようになっている。
図4並びに図5に示す励磁機において、巻線51a,51bおよび52a,52b、並びに、巻線51および52は、高効率化を図るために、例えば、ティース2に絶縁物(図示しない)を介して直接コイルを巻き付ける集中巻き構造とされ、そして、渡り部材6(くさび形状の渡り部材6aおよび平板形状の渡り部材6b)は、例えば、ポリエステルガラスやフェノール樹脂といった非磁性/非導電性の材料で構成されていた。
ところで、従来の励磁機において、渡り部材6は、通常、短絡磁束を低減するために非磁性体材料で形成されている。しかしながら、例えば、集中巻き構造のステータ7、或いは、突極形状のロータ8を使用した同期機では、ティース2およびヨーク1における時間高調波のために鉄損が大きくなり、その結果、効率低下を来していた。
ステータ構造が集中巻きの場合は、分布巻き構造と比べてステータの発生する移動磁界が空間的に正弦波状ではなく、空間高調波を含んでいるために鉄芯に時間高調波が発生する。分布巻きでは、空間高調波を低減することができ正弦波状の励磁波形が発生するが、コイルエンドが大きくなって漏れインダクタンスが増え、力率の悪化および電源容量の増大を招くことになる。
永久磁石は、励磁電流が不要であるため保守負担の大きいブラシ構造が不要であり、励磁に伴う余分な電源、結線が不要で、銅損がなく高効率モータが実現できるだけではなく、高磁束密度が確保できるためにモータの小型・軽量化に大きく寄与することが可能である。このため、ロータといった界磁側に永久磁石を用いる構造が適用され、永久磁石の磁気特性上、突極構造になってくる。突極構造のロータ(界磁)は、ステータに直流磁場を付与することになるが、突極構造であるためにステータにステップ状の磁場を付与し、ステータコアに高調波を発生させることになる。
さらに、ステータ:集中巻き、ロータ:永久磁石による突極構造の場合、ステータおよびロータ共に、発生する磁場はステップ状になっているので、発生トルクもステップ状になりやすく、滑らかなトルクが発生し難く、コギングトルクの発生を引き起こす。
このように、直近の高効率・小型軽量なモータでは、ステータ:集中巻き、ロータ:永久磁石による突極構造が用いられているために、ステータコアに従来以上の高調波磁場が付与されることになり、その結果、高調波による鉄損増加現象が生じて、さらなる高効率化の大きな阻害要因となっているだけではなく、コギングトルクの発生を誘発している。
本発明は、一般的モータ構造だけではなく、高効率・小型軽量なモータで用いられている、ステータ:集中巻き、ロータ:永久磁石による突極構造の技術問題である時間高調波の発生を抑制するために、隣接するティース間に巻線を設け、その隣接するティース間に渡り部材を用いて巻線を保持する励磁機において、時間高調波を低減して高効率化を図ると同時に、発生トルクのコギング性を低減することを目的とする。
本発明の第1の形態によれば、隣接するティース間に巻線を設け、該巻線を当該隣接するティース間に渡り部材を用いて保持する励磁機であって、前記渡り部材を、強磁性体またはフェリ磁性体を用いて構成することを特徴とする励磁機が提供される。
本発明の第2の形態によれば、隣接するティース間に巻線を設け、該巻線を当該隣接するティース間に渡り部材を用いて保持する励磁機であって、前記渡り部材を、強磁性体またはフェリ磁性体を用いて構成する励磁機を備えることを特徴とする同期機が提供される。
巻線は、集中巻き構造、或いは、二層巻き構造とすることができる。渡り部材は、該渡り部材の比透磁率をμrとし、且つ、該渡り部材の厚さをd[mm]としたとき、8≦μr・d≦1000を満たすようにするのが好ましい。
励磁機は、複数の方向性電磁鋼板が積層された磁化容易方向が異なるヨークおよびティースを備えるように構成してもよい。また、励磁機は、さらに、突極形状のロータを備えてもよく、そのロータは、永久磁石を備えてもよい。さらに、ヨークを構成する各方向性電磁鋼板の磁化容易方向は周方向であり、且つ、前記ティースを構成する前記各方向性電磁鋼板の磁化容易方向は径方向であるように構成することができる。
渡り部材は、複数の板材の積層構造とされ、該各板材の法線方向は、ロータの回転軸方向となるように構成することができ、また、渡り部材を構成する各板材の厚さは、ヨークおよびティースを構成する方向性電磁鋼板の板厚よりも薄くなるように構成することができる。なお、渡り部材を構成する各板材の厚さは、0.01mm〜0.2mmとするのが好ましい。
本発明によれば、隣接するティース間に巻線を設け、その隣接するティース間に渡り部材を用いて巻線を保持する励磁機において、発生する電磁トルクは維持したまま、時間高調波を低減して鉄損を少なくし、高効率化を図るだけではなくコギングトルクの低減を図ることができる。
以下、本発明に係る励磁機の実施例を、添付図面を参照して詳述する。
図6は本発明に係る同期機の一実施例の要部を示す断面図(横断面図)である。ここで、参照符号1はヨーク、2はティース、5は電磁コイル(巻線)、6は渡り部材、7は励磁機(ステータ)、8はロータ、9は永久磁石、51および52は巻線を示している。なお、本実施例の同期機の縦断面図は、基本的には、前述した図2と同様であり、その説明は省略する。
ヨーク1およびティース2は、例えば、積層された方向性電磁鋼板(GO)で構成されており、ヨーク1を構成する方向性電磁鋼板の磁化容易方向は周方向D1とされ、且つ、ティース2を構成する方向性電磁鋼板の磁化容易方向は径方向D2とされている。
図6および図2に示されるように、本実施例の同期機は、ヨーク1およびティース2で構成されたステータ7の内側に永久磁石9が埋め込まれたロータ8が配置され、ステータ7の巻線(電磁コイル)51および52に三相交流を流すことにより発生する磁場が永久磁石9に働くことでロータ8が回転するようになっている。ここで、巻線51および52は、高効率化を図るために、集中巻き構造とされている。なお、巻線51および52は、限界出力を増大したり、空間高調波を低減するために、前述した図4のように、巻線51a,52aの上に巻線51b,52bを巻き付ける二層巻き構造としてもよい。
本発明に係る励磁機(同期機)は、以下に詳述するように、渡り部材6を強磁性体またはフェリ磁性体を用いて構成することを特徴としている。なお、図6において、渡り部材6は、前述した図4に示されるような「くさび形状」とされているが、例えば、前述した図5に示されるような平板形状、或いは、他の適切な形状とすることができるのはいうまでもない。
ここで、実際の渡り部材6は、後述する好ましい範囲の比透磁率μrを持っており、例えば、鉄粉に樹脂を含浸させたり、鉄板と樹脂板とを積層したり、或いは、適切な軟磁性物質(例えば、ニッケル・ジンク・フェライト(NiZnフェライト)やマンガン・ジンク・フェライト(MnZnフェライト))等により形成することができる。図6に示す渡り部材6は、法線方向をロータの回転軸方向とされた複数の板材を積層して構成した例を示している。
すなわち、渡り部材6は、例えば、電磁鋼板および低炭素鋼等の板材を複数枚積層し、その板材の法線方向をロータの回転軸方向としている。このように、渡り部材6を構成する板材をロータ回転軸方向に積層することにより、渡り部6にロータ回転軸方向に流れる渦電流が発生して鉄損が増大するのを防ぐことができる。ここで、渡り部材を構成する各板材の厚さは、ヨーク1およびティース2を構成する方向性電磁鋼板の板厚よりも薄く、例えば、0.01mm〜0.2mmに設定するのが好ましい。
なお、例えば、鉄粉に樹脂を含浸させて構成した渡り部材、或いは、鉄板と樹脂板とを積層した渡り部材によっても渦電流の発生を防止することができるのはいうまでもない。また、ニッケル・ジンク・フェライト等の磁性体ではあるが非導電体(絶縁体)の場合は、板状にして積層する必要はなく、バルク材のまま使用しても構わない。
図7は、図6に示す同期機におけるT1およびT2の時間tと磁束密度B(t)との関係を示す図であり、また、図8は、図6に示す同期機におけるステータコアの磁束密度分布(1周期の中の最大磁束密度)を示す図である。ここで、図8(a)はNO一体モータを示し、また、図8(b)はGO分割モータを示す。なお、図7は、図8のように解析で得られた磁束密度の1周期の時間波形(50Hz)を示すものである。また、これらは、磁気特性を明らかにするために、有限要素法による電磁場数値解析結果によるものである。
今回の解析は、材料の磁気異方性特性を考慮したものであり、その解析手法については、例えば、前述した特許文献3、並びに、非特許文献2および3等に記載されたものを適用することができる。なお、NOモータのステータ材料としては、無方向性電磁鋼板35H210を用いており、GO分割モータとしては、方向性電磁鋼板35ZH135を用いている。有限要素法によるモータの解析結果は、実現象をよく反映したものとして広く認識されているため、以下数値解析結果を用いてその磁気特性を明らかにしていく。ここの事例では、図6に示されるように、渡り部材6の厚みdを2mmとしている。
ティース部(T1,T2)おける磁束密度の履歴(0°位置)は、例えば、図7に示されるような曲線(磁束密度履歴B(t))になる。
この得られた磁束密度履歴B(t)に対してFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)を行って、以下の周波数成分毎に展開(式(1))して、時間高調波成分の基本波成分に対する比率(高調波の基本波との比率)eを以下の式(2)により求める。ここでは、2次以上の時間高調波の成分をそれぞれ二乗し積算し平方根をとったものを高調波成分としている。
図9は高調波の基本波に対する比率と渡り部材の比透磁率との関係を示す図であり、図10は同期機の平均トルクと渡り部材の比透磁率との関係を示す図であり、図11は高調波の基本波に対する比率を電磁トルクで割った値と渡り部材の比透磁率との関係を示す図であり、そして、図12は同期機の電磁トルクと時間との関係(発生トルクの時間波形(1周期分))を示す図である。なお、電磁トルクは、数値解析から得られるステータとロータの空隙部分における磁束密度分布より、マックスウェルの応力テンソルの式を用いて算出している。
ここで、図9(a),図10(a),図11(a)および図12(a)は前述した図3に示されるようなNO一体(一体的な無方向性電磁鋼板を複数枚積層して構成されたヨークおよびティースを備えるNO一体型の励磁機)を示し、また、図9(b),図10(b),図11(b)および図12(b)は前述した図1および図6に示されるようなGO分割(複数の方向性電磁鋼板が積層された磁化容易方向が異なるヨークおよびティースを備えるGO分割型の励磁機)を示す。
図9(a)および図9(b)に示されるように、渡り部材6の比透磁率μrを大きくすると、ティース7における時間高調波の基本波に対する比率(基本波との比率)が低減されることが分かる。
具体的に、図9(a)に示されるように、NO一体における高調波の基本波との比率は、例えば、渡り部材の比透磁率μrが1のときは8%程度だったのが、μrが10のときには6%程度になり、さらに、μrが100のときには5%以下になることが分かる。また、図9(b)に示されるように、GO分割における高調波の基本波との比率は、例えば、渡り部材の比透磁率μrが1のときは8.5%程度だったのが、μrが10のときには5.5%程度と大幅に低減し、さらに、μrが100のときには5%以下になることが分かる。
なお、図9(a)および図9(b)において、NO一体およびGO分割のステータを有する両方のモータ共に、比透磁率μrが100以上になると高調波の低減効果が少なくなっているのは、渡り部による磁束の流れが飽和してきたためと考えることができる。
一方、渡り部材6を比透磁率μrの大きい強磁性体またはフェリ磁性体で構成すると、前述したステータのティース間における短絡磁束が増加して、ステータで発生する磁束がロータに届き難くなり、その結果、同期機のトルクが低下することになる。
すなわち、図10(a)に示されるように、NO一体のステータ7を有するモータ(同期機)において、平均トルクの値は、例えば、渡り部材の比透磁率μrが1のときは97[Nm/m]程度だったのが、μrが10のときには88[Nm/m]程度になり、さらに、μrが100のときには70[Nm/m]以下になることが分かる。また、図10(b)に示されるように、GO分割のステータ7を有するモータにおいて、平均トルクの値は、例えば、渡り部材の比透磁率μrが1のときは100[Nm/m]程度だったのが、μrが10のときには90[Nm/m]程度になり、さらに、μrが100のときには70[Nm/m]程度になることが分かる。
なお、図10(a)および図10(b)から明らかなように、NO一体およびGO分割のステータを有する両方のモータ共に、渡り部材の比透磁率μrが約100以上になると、短絡磁束が飽和する様子が分かる。
そして、図11(a)および図11(b)に示されるように、NO一体およびGO分割のステータを有する両方のモータにおいて、高調波の基本波に対する比率を平均トルクで割った値と渡り部材の比透磁率μrとの関係は、渡り部材の比透磁率μrが約10程度の場合に最も小さくすることができる。
すなわち、例えば、渡り部材6の厚さdを2mm程度としたモータにおいては、渡り部材6の比透磁率μrが約10程度の場合に、短絡磁束によるトルクの低下を抑えると共に、ティース部分における時間高調波成分を低減して高効率化を図るのが可能なことが分かる。さらに、時間高調波成分を低減に効果はティース部分だけでなくヨーク部分でも同様に観測される。特に、集中巻き構造のステータは時間高調波が多く、また、突極形状のロータも永久磁石による時間高調波が多く、ティース間に渡り部材6による短絡磁性体を挿入することで、時間高調波が低減し、その結果、鉄損が低減するものと考えられる。
図12(a)および図12(b)に示されるように、NO一体およびGO分割のステータを有する両方のモータにおいて、電磁トルクと時間との関係、すなわち、発生する電磁トルクの時間波形は、渡り部材6の比透磁率μrが約10程度の場合におけるトルク波形L11およびL21は、比透磁率μr=1の場合におけるトルク波形L12およびL22と比べて正弦波状に近くなっており、コギングトルクが低減していることが分かる。
なお、以上においては、例えば、渡り部材6の厚さdを2mmとし、渡り部材6の比透磁率μrを10としたときが、時間高調波成分とトルクとの関係が最も適切といえるが、目的によっては両者の関係が変化する場合もある。そこで、図11(b)において、縦軸:比率/平均トルクの値が、最適値0.06よりも1割程度大きい0.07程度であれば実用に供し得ると考えると、d=2mmの場合は、比透磁率μrの値が、4〜500程度に変化させたときが適切な範囲と考えることができる。そこで、渡り部材6の厚さに応じて好ましい比透磁率μrの値も変化し、本発明を実施する場合、渡り部材6の比透磁率μrと渡り部材6の厚さd[mm]とは、8≦μr・d≦1000を満たすように設定するのが好ましい。
このように、本発明は、NO一体型の励磁機およびGO分割型の励磁機の両方に対して効果を奏するものであるが、特に、GO分割型の励磁機に適用した場合に大きな効果が得られる。さらに、本発明の励磁機(ステータ)を、同期機(電動機や発電機等)に適用することによって、損失が少なく高効率の同期機を提供することが可能になる。
本発明は、集中巻き構造のステータおよび突極形状のロータを有するモータを始めとして、ティース間の渡り部材を強磁性体またはフェリ磁性体を用いて構成することにより、時間高調波を低減して、高効率の同期機を提供することができる。また、本発明は、GO分割型およびNO一体型の両方の励磁機に対して幅広く適用することが可能である。
従来の同期機の一例を示す横断面図である。 従来の同期機の一例を示す縦断面図である。 従来の同期機の他の例を示す横断面図である。 従来の励磁機における渡り部材の一例を概略的に示す図である。 従来の励磁機における渡り部材の他の例を概略的に示す図である。 本発明に係る同期機の一実施例の要部を示す横断面図である。 図6に示す同期機におけるT1およびT2の時間と磁束密度との関係を示す図である。 図6に示す同期機におけるステータコアの磁束密度分布を示す図である。 高調波の基本波に対する比率と渡り部材の比透磁率との関係を示す図である。 同期機の平均トルクと渡り部材の比透磁率との関係を示す図である。 高調波の基本波に対する比率を電磁トルクで割った値と渡り部材の比透磁率との関係を示す図である。 同期機の電磁トルクと時間との関係を示す図である。
符号の説明
1 ヨーク
2,21,22 ティース
5,51,51a,51b,52,52a,52b 電磁コイル(巻線)
6,6a,6b 渡り部材
7 励磁機(ステータ)
8 ロータ
9 永久磁石

Claims (13)

  1. 隣接するティース間に巻線を設け、該巻線を当該隣接するティース間に渡り部材を用いて保持する励磁機であって、
    前記渡り部材を、強磁性体またはフェリ磁性体を用いて構成することを特徴とする励磁機。
  2. 請求項1に記載の励磁機において、
    前記巻線は、集中巻き構造であることを特徴とする励磁機。
  3. 請求項1または2に記載の励磁機において、
    前記巻線は、二層巻き構造であることを特徴とする励磁機。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の励磁機において、
    前記渡り部材は、該渡り部材の比透磁率をμrとし、且つ、該渡り部材の厚さをd[mm]としたとき、8≦μr・d≦1000を満たすことを特徴とする励磁機。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の励磁機において、
    前記励磁機は、複数の方向性電磁鋼板が積層された磁化容易方向が異なるヨークおよびティースを備えることを特徴とする励磁機。
  6. 請求項5に記載の励磁機において、さらに、
    突極形状のロータを備えることを特徴とする励磁機。
  7. 請求項6に記載の励磁機において、
    前記ロータは、永久磁石を備えることを特徴とする励磁機。
  8. 請求項5または6に記載の励磁機において、
    前記ヨークを構成する前記各方向性電磁鋼板の磁化容易方向は周方向であり、且つ、前記ティースを構成する前記各方向性電磁鋼板の磁化容易方向は径方向であることを特徴とする励磁機。
  9. 請求項8に記載の励磁機において、
    前記渡り部材は、複数の板材の積層構造とされ、該各板材の法線方向は、前記ロータの回転軸方向となっていることを特徴とする励磁機。
  10. 請求項8に記載の励磁機において、
    前記渡り部材を構成する各板材の厚さは、前記ヨークおよび前記ティースを構成する前記方向性電磁鋼板の板厚よりも薄いことを特徴とする励磁機。
  11. 請求項10に記載の励磁機において、
    前記渡り部材を構成する各板材の厚さは、0.01mm〜0.2mmとされていることを特徴とする励磁機。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の励磁機を備えることを特徴とする同期機。
  13. 請求項12に記載の同期機において、該同期機は、電動機または発電機であることを特徴とする同期機。
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