JP6303311B2 - シンクロナスリラクタンスモータ - Google Patents
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Description
特に、大トルクを必要とする、ハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle)や電気自動車(Electric Vehicle)に搭載する場合には、マグネットトルクと共に、リラクタンストルクを効果的に利用するように、磁力の強いネオジム磁石(Neodymium magnet)などの永久磁石をロータ(回転子)内にV字に埋め込む、IPM(Interior Permanent Magnet)構造を採用するモータが多用されている。
この非特許文献1に記載の自己励磁式では、ステータ側の電機子極コイルに供給する駆動電流の基本周波数よりも高い周波数の磁束をロータ側に鎖交させて、そのロータ側に配置する自己励磁用コイルに誘導電流を発生させる。この自己励磁式では、その誘導電流を半波整流した後に自己励磁用コイルに供給する(戻す)ことにより、自己励磁用コイルを電磁石極コイルとしても機能させている。
また、非特許文献1に記載の構造では、ロータの外面から離隔する深部まで自己励磁用コイルを配置するが、磁束の高周波成分(空間高調波成分)はロータ深部まで進入する(鎖交する)ことができずに、自己励磁用コイルに非常に小さな誘導電流しか発生させることができない。
なお、特許文献1にも、自己励磁式のモータが提案されているが、同様に、効率よく誘導電流を発生させることができず、同様の課題を有している。
また、特許文献2には、ステータ側のコイルに高周波電流を別途入力することによりロータ側の自己励磁用コイルに励磁電流を発生させることが提案されているが、励磁エネルギを外部入力する必要があり、高効率な駆動を望むことができない(効率低下は免れない)。
(一般的なシンクロナスリラクタンスモータの基本構造)
図1および図2において、シンクロナスリラクタンスモータ10は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車において、内燃機関と同様の駆動源として車載、あるいは車輪ホイール内に搭載するのに好適な性能を有しており、上述の特許文献2とは異なって、後述するように、外部からロータにエネルギ入力する必要のない構造に作製されている。
ステータ11には、ロータ21(ロータティース22)の外周面22aにギャップGを介して内周面12a側を対面させるように、径方向に延長される突極形状に形成されている複数本のステータティース12が周方向に均等配置されている。ステータティース12には、隣接する側面間に形成される空間のステータスロット13を利用して、相毎の3相巻線をそれぞれ個々に集中巻きすることにより電機子極コイル14が形成されている。ステータティース12は、電機子極コイル14に駆動電流を入力することにより、内部に対面収納されているロータ21を回転させる磁束を発生する電磁石として機能する。
ロータ21には、ステータティース12と同様に径方向に延長される突極形状に形成されている複数本のロータティース(突極)22が周方向に均等配置されている。ロータティース22は、ステータティース12と全周方向の本数を異ならせて、相対回転時に外周面22aがステータティース12の内周面12aに適宜近接対面するように形成されている。
これにより、シンクロナスリラクタンスモータ10は、ステータ11のステータスロット13内の電機子極コイル14に通電することにより発生する磁束を、ステータティース12の内周面12aから対面するロータティース22の外周面22aに鎖交させることができ、その磁束が通過する磁路(磁気結合)を最短にしようとするリラクタンストルク(主回転力)によりロータ21を相対回転させることができる。この結果、シンクロナスリラクタンスモータ10は、ステータ11内で相対回転するロータ21と一体回転する回転軸から通電入力する電気的エネルギを機械的エネルギとして出力することができる。
詳細には、このとき、ステータ11の電機子極コイル14には基本周波数の駆動電力を供給してロータ21(ロータティース22)をその基本周波数で変動する主磁束で回転させることから、ロータ21側にコイルを単に配置しても鎖交する磁束に変化はなく誘導電流が生じることはない。
その一方で、磁束に重畳する空間高調波成分は基本周波数と異なる周期で時間的に変化しつつロータティース22に外周面22a側から鎖交する。このことから、別途入力することなく、基本周波数の磁束に重畳する空間高調波成分はロータティース22の外周面22aの近傍に設置するコイルに効率よく誘導電流を発生させることができる。この結果、鉄損の原因となる空間高調波磁束は自己励磁するためのエネルギとして回収することができる。
1.ロータ側のコイルとしては、誘導電流を発生させるコイルおよび整流した誘導電流を界磁電流として流すコイルとして兼用するので、磁気的な干渉が生じて効率よく誘導電流を発生させることができず、また、起磁力も非常に小さくなってしまう。
2.基本周波数よりも高い高次の磁束の高周波成分は、ロータ21(ロータティース22)に鎖交するにしても外周面22a付近に分布するのに留まるため、軸心側にコイルを配置してしまうと非常に小さな誘導電流しか発生しない。なお、ロータ側コイルは、ロータティース22の外周面22a付近に設置するにしても、現実的には無理がある。例えば、線径の細い導線の極少量を巻いてコイルとしても、導体抵抗が高くなって、その結果、銅損が増加して効率のよい電磁石として機能させるのは難しい。また、ロータ表面では、ステータ側に接触してしまう懸念も生じてしまう。
3.ステータ11側のコイルとしては、分布巻にしてしまうと、高次の高調波が磁束に重畳する傾向にあり、上述するように、高次の磁束の高周波成分ではより小さな誘導電流しか期待できない。要するに、コイルの巻き方としては、分布巻は不適当である。
4.非特許文献1では、基本周波数の2倍の高調波磁束でロータ側コイルを励磁するように説明するが、2次の高調波磁束で発生する誘導電流は整流合成したときに谷ができてしまう。また、誘導電流は磁束の時間変化が大きいほど大電流となるので、高くなり過ぎない3次程度の高調波磁束の方が有利である。
このことから、シンクロナスリラクタンスモータ10は、ロータティース22の隣接する側面間に形成される空間をロータスロット23として利用して、そのロータティース22の全体をコア材として有効利用して巻線を巻き付けて集中巻を形成することにより誘導子極コイル27を配置するとともに、そのロータスロット23の底部側に電磁石極コイル28を配置する。
誘導子極コイル27は、ステータティース12の内周面12aからロータティース22の外周面22aに鎖交する磁束の空間高調波成分(磁束密度の変化)により誘導電流を発生させて、電磁石極コイル28に供給する。電磁石極コイル28は、誘導子極コイル27から受け取った誘導電流を界磁電流として自己励磁することにより、磁束(電磁力)を発生させることができる。
この結果、シンクロナスリラクタンスモータ10は、ロータティース22のみの場合には利用することができずに、損失要因となっていた磁束の空間高調波成分をエネルギとして回収して出力することができ、ロータスロット23のみでは駆動力を発生させることができずに発生していたトルクリプルを低減することができる。
そして、シンクロナスリラクタンスモータ10は、ロータスロット23と第2ロータスロット33の間をコア材(電磁石コア)28aとして、連結部35の両側のロータスロット23毎に集中巻線することによりロータスロット23の底部側に電磁石極コイル28が配置されている。
また、誘導子極コイル27には、3次の空間高調波磁束を利用することにより、上述の非特許文献1で説明する2次の空間高調波磁束を利用する場合よりも、効果的に誘導電流を発生させることができる。詳細には、誘導電流は2次よりも3次の空間高調波磁束を利用する方が磁束の時間変化を大きくして大電流にすることができ、効率よく回収することができる。なお、非特許文献1では、ロータの軸心側深部に巻線したコイルが図示されており、空間高調波の鎖交領域が考慮されておらず、有効利用できる構造になっていない。
これにより、図3に示すように、ステータ11のステータティース12からロータ21のロータティース22に鎖交した磁束は、積極的に電磁石極コイル28内(コア材28a)のd軸を磁路として通過した後に隣接するロータティース22を抜けてステータティース12に鎖交することができる。また、電磁石極コイル28の自己励磁による磁束も、同一方向の磁路を通してロータティース22からステータティース12に鎖交させることができる。よって、シンクロナスリラクタンスモータ10では、反時計回り(counterclockwise)方向にロータ21を効果的に回転させるリラクタンストルクを効果的に発生させることができる。
詳細には、永久磁石37A、37Bは、N極とS極の間の磁化方向D1、D2の厚さがその磁化方向D1、D2に対する直交方向の厚さと同等になるように形成されており、従来のIPM型モータでロータ内に埋め込む永久磁石よりも大幅に薄いブロック形状に形成されている。
この構造により、永久磁石37A、37Bは、支持溝34s内に嵌め込んで支持斜面32sで押えるようにして磁化方向D1、D2がロータ21の外周面側に向かってV字型に開く形態で支持されている。
この構造により、第1、第2ブリッジ32A、32Bは、補強ブリッジ32bがそれぞれ補強ブリッジ34bに連結されることによりロータスロット23内を外部に向かって開放する形態のままにされる場合よりも、回転時に加わる遠心力などでも変形してしまうことを抑制することができる。
この補強ブリッジ32b、34bは、薄板形状に形成されていることからステータ11側から流れ込む磁束量を少なく抑えることができ、また、補強ブリッジ32bは、外周面側にステータ11に対する磁気抵抗を大きくする溝形状32Dを備えさせてステータ11から磁束が流れ込むのを制限するようになっている。
さらに、補強ブリッジ32b、34bは、磁気抵抗の高い永久磁石37A、37Bを介在させることにより、ロータティース22に対する磁気的な独立性が高められており、ロータティース22の突極比の低下を抑えつつ永久磁石37A、37Bを信頼性高くロータスロット23内に配置することを実現している。
この永久磁石37A、37B付近を通過する磁束は、図3に示すように、補強ブリッジ32bを、q軸とd軸の間に位置してループ状の磁路を形成する鉄心として機能させて、ギャップGを介してステータ11側からロータ21側に鎖交した後に再度ステータ11側に戻る経路を積極的に選択して、リラクタンストルクを効果的に発生させるようになっている。
このとき、永久磁石37A、37Bが備える磁力(磁束)もギャップGを介してロータ21側からステータ11側に鎖交させて周方向に作用するマグネットトルクを発生させることができ、ロータ21を回転させるリラクタンストルクを補助することができる。
この結果、シンクロナスリラクタンスモータ10は、励磁用と電磁石用とを共通のコイルにすると互いに干渉して弱め合ってしまう磁束を、その励磁用の誘導子極コイル27および電磁石用の電磁石極コイル28として分割して独立させることで、有効かつ平滑化させて利用することができ、効率よくエネルギとして回収して出力することができる。
また、誘導子極コイル27および電磁石極コイル28は、ロータ21の周方向に複数配置して多極化しているので、上述の非特許文献1に記載のような2極モータの場合よりも、ロータティース22の1歯当たりの鎖交する磁束量を周方向に分散化させることができ、個々のロータティース22に作用する電磁力(リラクタンストルク)も周方向に分散化させて電磁振動を抑えることができ、静寂化させることができる。
さらに、電機子極コイル14は、ステータティース12の内周面12a側を正逆双方の周方向に突出させた鍔形状部12bを有するオープンタイプのステータスロット13に形成することにより、空間高調波磁束を効率よく誘導子極コイル27内に鎖交させるようにしている。
このシンクロナスリラクタンスモータ10では、図5の簡易モデルで示す誘導子極コイル27A、27B、電磁石極コイル28A、28Bに、図6〜図8に示す電流波形の電流が流れる。
ここで、シンクロナスリラクタンスモータ10は、図6や図7に示すように、誘導子極コイル27で発生させて電磁石極コイル28に供給する界磁電流が電気角1周期中に3回の脈動が認められる3倍調波を主成分としていることが分かり、誘導子極コイル27に主に誘導電流を発生させているのは3次空間高調波磁束であることが分かる。
このとき、シンクロナスリラクタンスモータ10では、図9に示すように、誘導子極コイル27に磁束の空間高調波成分が鎖交することにより、電磁石極コイル28に供給する界磁電流が発生して、従来、損失となっていた空間高調波を界磁エネルギ源として回収できていることが分かり、その界磁電流が上昇するにつれて、そのリラクタンストルクも上昇していることが分かる。
なお、図9は、時間高調波を考慮しない正弦波電流源で行った磁界解析結果を示すグラフであり、上段のトルクが下段の界磁電流の振幅に連動していることが分かるように、トルクと界磁電流の振幅の対応するもの同士の一部を破線で繋げている。
したがって、シンクロナスリラクタンスモータ10では、構造的な要因に起因して磁気抵抗の変動に伴う脈動が大きな集中リラクタンスモータに比べて、従来、損失となっていた空間高調波を界磁エネルギ源として回収することができ、永久磁石の使用量を転減しつつ、所謂、IPMモータに近いトルクを得ることが実現することができ、また、脈動の抑えられた高品質な回転を実現して、トルクリプルに起因して発生するステータ11の電磁振動(収縮・膨張をするk=0の振動モード)も低減させて、モータの電磁振動および電磁騒音も低減できる。
詳細には、磁束密度分布の磁界解析をすると、ロータティース突極数Pとステータスロット数Sの比に応じて、機械角360度内の周方向に磁束密度分布も分散化されるため、ステータ11に働く電磁力分布にも偏在が認められることになる。
これに対して、シンクロナスリラクタンスモータ10では、ロータティース突極数8とステータスロット数12を組み合わせる8P12S(P/S=2/3)構造を採用することにより、機械角360度の全周に亘って均等な密度分布となる磁束を鎖交させることができ、ロータ21をステータ11内で高品質に回転させることができる。
これにより、シンクロナスリラクタンスモータ10では、空間高調波磁束を損失とすることなく利用して、回転動作させることができ、損失エネルギを効率よく回収して、電磁振動を大幅に低減し静寂性高く回転させることができる。
さらに、シンクロナスリラクタンスモータ10のようなラジアルギャップ構造に限らずに、アキシャルギャップ構造に作製してもよい。この場合には、例えば、図10に示すマルチギャップ型構造に作製すればよい。このマルチギャップ型構造では、ステータ11側にはロータ21の軸方向端面側に対面するアキシャルステータ31を形成して、延長した電機子極コイル14´を巻き掛ける。また、ロータ21側には、軸方向端面側でそのアキシャルステータ31に対面する誘導子極コイル47をコア材47aに巻き掛ける構造を追加し、そのコア材47aとの間に不図示の永久磁石を挟み込ませればよい。
さらに、シンクロナスリラクタンスモータ10は、車載用に限定されるものではなく、例えば、風力発電や、工作機械などの駆動源として好適に採用することができる。
また、本発明の第1の態様によれば、ステータ側の電機子極コイルで生成される磁束をロータ側の突極に鎖交させることにより主回転力が発生するのと同時に、その磁束に重畳する空間高調波成分がロータ側の誘導子極コイルに鎖交して誘導電流が発生する。その誘導電流は整流素子で整流して界磁電流として電磁石極コイルに供給(通電)することにより、その電磁石極コイルで電磁力(磁束)を発生させてステータ側からの磁束と協働させることができ、主回転力を補助する補助回転力を発生させてロータ側を回転させることができる。
さらに加えて、主回転力と補助回転力とで回転するロータは、埋め込まれている永久磁石がステータに対して磁気力を働かせて協働させることにより、より大きな力で回転させることができる。
したがって、ロータ側の電磁石極コイルに別途エネルギ供給をすることなく、従来には有効利用できていなかった(鉄損の発生要因になっていた)磁束の空間高調波成分を利用しつつ、永久磁石の磁気力と協働して、ロータを高効率回転させることができる。このとき、誘導子極コイルと電磁石極コイルとに同一電流が流れることなく、互いに干渉して損失となってしまうことがない。この結果、損失エネルギを効果的に回収してシンクロナスリラクタンスモータのトルクを向上させつつ、永久磁石の磁気力をも利用してロータを回転させることができる。
また、本発明の第2の態様によれば、永久磁石はロータティース間のロータスロット内に配置される。このため、永久磁石の設置の有無に影響なく、所望の寸法形状にロータティースを作製して最適な突極比にすることができ、また、永久磁石に影響されることなく、空間高調波成分を鎖交させることができる。したがって、リラクタンストルクを有効に発生させることができる。
また、誘導子極コイルを巻き掛けるロータティース間に永久磁石を配置するので、単なる空隙にすることなく、ロータの外周面の周方向における磁束の変動を小さくすることができ、ロータティース間でもステータに対して磁束を鎖交させることができる。したがって、ロータを回転させるトルクの脈動を小さくすることができ、高品質な回転を実現することができる。
また、本発明の第3の態様によれば、回転軸側となるロータスロット底部の電磁石コアに電磁石極コイルを巻き掛けることにより、その電磁石極コイルに妨げられることなく、空間高調波成分を含む磁束が鎖交するロータの外周面側に十分なコイルターン数の誘導子極コイルを配置することができる。
したがって、磁束の空間高調波成分を有効に効率よく回収することができ、電磁石トルクを有効に発生させることができる。
また、本発明の第4の態様によれば、ロータスロット底部の電磁石コアの両端部をN極およびS極にする電磁石極コイルがロータティースの両隣で対称となる位置関係となる電磁石として機能することができ、ロータティース内を磁路としてステータ側との間で鎖交させる磁束を発生・案内することができる。したがって、ロータティースでトルクを有効に発生させることができる。
また、永久磁石がロータティース間の外周面側に位置してステータとの間にループ状の磁路を形成し鎖交させるので、磁気力がロータの回転力として寄与する。したがって、永久磁石の磁力も有効に利用してトルクを効率よく発生させることができる。
また、本発明の第5の態様によれば、ロータの外周面側に向かってV字型に開くように設置されている第1、第2永久磁石の一端側のN極とS極の間に、ステータとの間でループ状に鎖交する磁束を形成するので、第1、第2永久磁石を支持する第1、第2延長部を利用してステータとの間で鎖交する磁束を積極的に案内することができ、ロータの外周面を広く使って磁束を鎖交させることができる。
したがって、脈動を大きくすることなく、トルクを発生させることができる。また、第1、第2延長部間を繋げた場合には、ステータティース間の磁気抵抗の変化を緩やかにして、より高品質なトルクを発生させるようにすることもできる。
11 ステータ
12 ステータティース
12a 内周面
13 ステータスロット
14 電機子極コイル
21 ロータ
22 ロータティース
22a 外周面
23 ロータスロット
27、27A、27B 誘導子極コイル
27a、28a コア材
28、28A、28B 電磁石極コイル
29、29A、29B ダイオード
32A、32B ブリッジ
32D 溝形状
32b、34b 補強ブリッジ
32s 支持斜面
34 支持部
34s 支持溝
35 連結部
37A、37B 永久磁石
Claims (4)
- 複数相の駆動電流が入力される電機子極コイルを有するステータと、前記電機子極コイルに発生する磁束が鎖交する複数の突極を有するロータと、を備えるシンクロナスリラクタンスモータであって、
前記ロータは、
前記電機子極コイルにおいて発生した前記磁束に重畳する空間高調波成分により誘導電流を発生する誘導子極コイルと、
前記誘導子極コイルで発生した前記誘導電流を整流する整流素子と、
前記整流素子で整流された前記誘導電流が界磁電流として通電されることにより該ロータの回転力を補助する電磁力を発生する電磁石極コイルと、
回転軸側から前記ステータの内周面側に向かって延在する複数のロータティースと、
隣り合う前記ロータティース間に配置されているロータスロットと、
前記ロータスロットの底部から前記ロータの外周面側に向かって延在する支持部と、
前記ロータティースの外周面側において前記ロータスロット側に向かって延在する延長部と、
前記延長部と前記支持部との間において前記ロータの外周面側に向かってV字型に設置される永久磁石と、を備え、
前記永久磁石は、第1永久磁石および第2永久磁石を含み、
当該第1永久磁石および第2永久磁石のうち、いずれか一方の永久磁石のロータ外周面側端部にN極が配置されており、他方の永久磁石のロータ外周面側端部にS極が配置されていることを特徴とするシンクロナスリラクタンスモータ。 - 前記誘導子極コイルは、前記ロータティースに巻き掛けて形成されるとともに、前記ロータスロット内に配置されることを特徴とする請求項1に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
- 前記ロータは、
前記ロータスロットの底部に前記電磁石極コイルを巻き掛ける電磁石コアが形成されており、
前記誘導子極コイルは、前記ロータティースの外周側に配置されており、
前記電磁石極コイルは、前記ロータティースの回転軸側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。 - 前記電磁石極コイルは、
前記ロータティースを挟んでN極同士およびS極同士を対向させるように設置され、
前記永久磁石は、
前記ロータスロット内において前記ロータの外周面側に設置されていることを特徴とする請求項3に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
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