JP6507721B2 - 回転電機および回転電機の電流入力制御方法 - Google Patents

回転電機および回転電機の電流入力制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロータ側に低保磁力磁石が配置されている回転電機およびその電流入力制御方法に関する。
回転電機は、各種駆動装置に駆動源として搭載されており、例えば、電気自動車やハイブリッド車などに車載するために、ロータ側に永久磁石を埋め込んでマグネットトルクを利用し大出力(大トルク)を得られるようにするIPMモータ(Interior Permanent Magnet Motor)が知られている。
このIPMモータは、小型化や高出力化(高エネルギー密度化)の要求から、残留磁束密度が高く、耐熱性を確保できるネオジウム磁石を採用することが一般的に行われている。しかし、ネオジウム磁石は、Dy(ジスプロシウム)やTb(テルビウム)のように高価な希土類を添加するものであることからコスト高の要因になり、また、将来に渡って供給を確保することが不安定になる可能性もある。
このことから、近年の回転電機においては、高価なネオジウム磁石のような永久磁石に代えて、低保磁力磁石をロータ側に埋め込んで所望の磁力に磁化(所謂、着磁)させることが提案されている(特許文献1)。
特開2008−43172号公報
しかしながら、この特許文献1に記載のような回転電機にあっては、例えば、車載する場合、バッテリの直流電流をインバータにより交流電流に変換した磁化電流を電機子コイルに入力することによって、低保磁力磁石を可変磁石として所定の磁力に着磁させる必要がある。このことから、このような回転電機を車載する場合には、低保磁力磁石を飽和磁力以上に磁化させるのに必要な磁化電流をインバータから出力する必要がある。
このため、例えば、このような回転電機を車載するには、インバータ等を含む回路の耐電圧や電流容量を十分に高くする必要があり、各種電子機器が大型化してしまうとともに、コスト高になってしまう、という不都合がある。
そこで、本発明は、小さな電流値の磁化電流の入力で、ロータ側に設置した低保磁力磁石を着磁させることのできる回転電機やその電流入力制御方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決する回転電機の発明の一態様は、駆動電流の通電により磁束を発生させる電機子コイルを有するステータと、界磁電流の通電により磁束を発生させる界磁コイルを巻かれる複数の突極を有するロータと、を備える回転電機であって、前記ロータは、前記突極に低保磁力磁石が配置されており、前記低保磁力磁石は、前記電機子コイルに通電される前記駆動電流にパルス電流が重畳されて着磁されるものである。
上記課題を解決する回転電機の電流入力制御方法の発明の一態様は、駆動電流の通電により磁束を発生させる電機子コイルを有するステータと、界磁電流の通電により磁束を発生させる界磁コイルを巻かれる複数の突極を有するロータと、を備える回転電機における前記電機子コイルへの電流入力制御方法であって、前記回転電機のロータには、前記突極に低保磁力磁石が配置されており、前記駆動電流を前記電機子コイルに通電する際に、前記駆動電流にパルス電流を重畳して前記低保磁力磁石を着磁させるようにする。
このように本発明の一態様によれば、小さな電流値のパルス電流を磁化電流として電機子コイルに入力するだけで、ロータ側に設置した低保磁力磁石を着磁させることのできる回転電機やその電流入力制御方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る回転電機を示す図であり、その概略全体構成を示す径方向断面図である。 図2は、ステータおよびロータの要部を拡大した径方向断面図である。 図3は、電機子コイルに駆動電流を供給する簡易な回路構成図である。 図4は、電機子コイルを集中巻きまたは分布巻きとして、ギャップを介して鎖交させた場合に回転角に応じて変化する磁束密度を示すグラフである。 図5は、図4に示す磁束に重畳されている空間高調波磁束の次数毎の磁束密度を示すグラフである。 図6は、電機子コイルの各相と、誘導コイルと、界磁コイルとで発生する磁束を比較するグラフである。 図7は、誘導コイルと界磁コイルとをダイオードを介して接続する簡易な回路構成図である。 図8は、電機子コイルのみで低保磁力磁石を着磁させる場合に必要なパルス電流を示す概念図である。 図9は、電機子コイルに加えて界磁コイルを備える構造で低保磁力磁石を着磁させる場合に必要なパルス電流を示す概念図である。 図10は、電機子コイルにパルス電流を入力する際に発生する電流波形を示す波形図である。 図11は、低保磁力磁石の着磁時の制御処理を説明するフローチャートである。 図12は、各種構造で得られるトルクを比較するグラフである。 図13は、低保磁力磁石の減磁時の制御処理を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図13は本発明の一実施形態に係る回転電機およびその電流入力制御方法を説明する図である。
(回転電機の構成)
図1および図2において、回転電機100は、外部からロータ21にエネルギー入力する必要のない構造を有しており、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載するのに好適な性能を有している。
回転電機100は、概略円筒形状に形成されたステータ(固定子)11と、駆動軸として回転するシャフト(回転軸)101に固定されてステータ11内に収納されるロータ(回転子)21と、を備えており、ロータ21は、シャフト101に軸心を一致させて一体回転するように取り付けられている。
ステータ11には、後述するロータ21のロータティース22の外周面22aにエアギャップGを介して内周面12a側を近接対面させるように、径方向に延伸されて突極形状に形成されている複数本のステータティース12が周方向に均等配置されている。ステータティース12には、隣接する側面22b間に形成される空間のステータスロット13を利用して、相毎の3相巻線をそれぞれ個々に集中巻きすることにより電機子コイル14が形成されている。
ステータティース12は、図3に示す車載バッテリ111内の直流電流をコントローラ110が制御するインバータ112により三相の交流電流に変換して回転制御用の駆動電流として電機子コイル14に入力(供給)することにより、内部(回転軸側)に対面収納されているロータ21を回転させる磁束を発生する電磁石として機能する。ここで、コントローラ110は、車両全体を統括制御する制御プログラムをメモリ110m内に格納しており、各種パラメータに従って制御プログラムを実行することにより回転電機100を回転駆動させるようになっている。
ロータ21には、ステータティース12と同様に径方向に延伸されて突極形状に形成されている複数本のロータティース(突極)22が周方向に均等配置されている。ロータティース22は、ステータティース12と全周方向の本数を異ならせて、相対回転時に外周面22aがステータティース12の内周面12aに適宜近接対面するように形成されている。
これにより、回転電機100は、ステータ11の電機子コイル14に通電されることにより磁束が発生し、その磁束をステータティース12の内周面12aから対面するロータティース22の外周面22aに鎖交させることができる。この回転電機100では、ステータティース12との間で鎖交する磁束が通過する磁路を最短にしようとするリラクタンストルク(主回転力)によりロータ21を相対回転させる。この結果、回転電機100は、ステータ11内で相対回転するロータ21と軸心を一致させつつ一体回転するシャフト101から通電入力する電気的エネルギーを機械的エネルギーとして出力することができる。
このとき、回転電機100では、ステータティース12の内周面12aからロータティース22の外周面22aに鎖交する磁束には空間高調波成分が重畳している。このため、ロータ21側でも、ステータ11側から鎖交する磁束の空間高調波成分の磁束密度の変化を利用して、内蔵するコイルに誘導電流を発生させ電磁力を得ることができる。
詳細には、ステータ11の電機子コイル14に基本周波数の駆動電力を供給するだけでは、ロータ21(ロータティース22)をその基本周波数で変動する主磁束で回転させるだけであることから、ロータ21側にコイルを単に配置しても鎖交する磁束に変化はなく誘導電流が生じることはない。
その一方で、磁束には空間高調波成分が重畳しており、その空間高調波成分は基本周波数と異なる周期で時間的に変化しつつロータティース22に外周面22a側から鎖交する。このことから、基本周波数の磁束に重畳する空間高調波成分は、ロータティース22の外周面22aの近傍にコイルを設置することにより、外部電源からの電力供給を必要とすることなく、効率よく誘導電流を発生させることができる。この結果、鉄損の原因となる空間高調波磁束を自己励磁するためのエネルギーとして回収することができる。
そこで、本実施形態の回転電機100では、ロータ21側において、補極コア材25に集中巻線した誘導コイル27の全体をロータティース22間のロータスロット23内に収容して回転方向に並列配置するとともに、集中巻きして直列接続した界磁コイル28(281、282)がロータティース22の全体で1段となるように配置されている。
補極コア材25は、ロータティース22で対面する両側面22bに脚部(支持部)35を支持させるようになっており、誘導コイル27を巻き付けた本体部31をその脚部35で連結支持してロータティース22の側面22b間のロータスロット23内に位置決め保持するようになっている。
補極コア材25の本体部31は、シャフト101と平行に延伸されつつ、ロータ21のロータティース22の両側面22bに対面して誘導コイル27を巻き付け可能な板状になるように電磁鋼板を積層することにより形成されている。この補極コア材25の本体部31は、ロータティース22間のロータスロット23内で、軸心からロータ21の径方向外方に延伸して誘導コイル27が巻き付けられ、その径方向外端部32の外端面32aをステータ11のステータティース12の内周面12aに対面させるようにロータ21に組み付けられている。なお、この補極コア材25の本体部31は、外端部32がロータ21の外周面側を軸心側よりも厚くなるように形成されており、巻き付けた誘導コイル27が回転時の遠心力でずれてしまうことを抑制するようになっている。ここで、ロータ21の径方向外方とは、軸心を通る直線上において軸心から外周面の外側に向かう方向を意味する。
補極コア材25の脚部35は、シャフト101と平行に延伸され、電磁鋼板を積層することにより形成されている。この補極コア材25の脚部35は、本体部31のロータ21の径方向内方端部31iからロータティース22の両側面22bに向かって支持するように延伸された板状になるように形成されている。また、この脚部35は、先端部36を、ロータティース22の両側面22bに形成されている支持溝39内に嵌め込むことにより組み付けて(連結させて)本体部31を支持するようになっている。これにより、補極コア材25は、脚部35の先端部36をロータティース22の支持溝39内に回転軸方向の端面側から嵌め込んでスライドさせることにより組み付けるようになっている。ここで、ロータ21の径方向内方とは、軸心を通る直線上において外周面から軸心側に向かう方向を意味する。
この補極コア材25の脚部35は、本体部31を支持する十分な強度を確保し、幅をできるだけ狭く形成した電磁鋼板を積層して形成されており、例えば、積層する電磁鋼板の2枚分の厚さ以下の幅で回転軸方向に延伸される形状に形成されている。すなわち、この脚部35は、本体部31とロータティース22との間を通過する磁束量をできるだけ制限するように断面積の小さな板状にして、補極コア材25がロータティース22と別個の磁極(補極)として機能する磁気的に独立した形態で支持するように形成されている。
これにより、ロータ21は、補極コア材25の脚部35を通過する磁束量が制限され、通過しようとする磁束線が直ちに密になるため、簡単に磁気飽和する。このような構造から、補極コア材25とロータティース22との磁気結合を抑制することができ、補極コア材25をロータティース22から磁気的に十分に独立した状態で支持することができる。このため、ロータティース22と補極コア材25のそれぞれに鎖交する磁束が干渉しあって誘導電流や電磁力の発生効率を低下させてしまうことを回避することができ、ロータ21を大トルクで高効率回転させることができる。
また、この構造により、ロータ21は、補極コア材25をロータティース22に支持させる前に、そのロータティース22の軸心側内方側またはロータティース22の全体に、界磁コイル28の一部または全部を巻き付けることができ、この後に、補極コア材25の脚部35をロータティース22の支持溝39に嵌め込んで支持させることができる。
このとき、誘導コイル27は、ロータティース22に補極コア材25の脚部35を支持させる前に、あるいは、支持させた後に、本体部31に巻き付ければよい。また、界磁コイル28は、補極コア材25の脚部35よりも径方向内方の第1の界磁コイル281と、補極コア材25の脚部35よりも径方向外方の第2の界磁コイル282とに分割した状態でロータティース22に巻き付けられており、この第1、第2の界磁コイル281、282は直列接続されて界磁コイル28を構成している。
このように補極コア材25の脚部35によって支持させることで、ロータ21は、誘導コイル27を補極コア材25の本体部31に巻き付けてロータ21の外周面側に位置させることができる。また、補極コア材25の脚部35をロータティース22の支持溝39に嵌め込んで支持させるため、その補極コア材25の脚部35に妨げられることなく、界磁コイル28(第1の界磁コイル281、第2の界磁コイル282)をロータティース22の全体に巻き付けることができる。本発明に係る実施形態によれば、このような構成により、ロータスロット23内の空間を有効利用して、効率よく誘導コイル27で誘導電流を発生させることができ、その誘導電流を界磁コイル28に供給して効果的に電磁力を発生させることができる。
なお、界磁コイル28(第1の界磁コイル281、第2の界磁コイル282)は、ロータティース22の全体(径方向内方と径方向外方の両側)に一工程で巻き付けられる際には、補極コア材25の脚部35がロータスロット23内をスライドする空間を残した状態で巻き付ければよい。また、ロータティース22に補極コア材25を支持させる前後に第1の界磁コイル281、第2の界磁コイル282をそれぞれ巻き付ける際には、そのロータティース22の軸心側内方(径方向内方)に第1の界磁コイル281を巻き付けた後に、補極コア材25の本体部31に誘導コイル27を巻き付ける前に、あるいは、その本体部31に誘導コイル27が巻き付けられた状態で、そのロータティース22の外周側外方(径方向外方)に第2の界磁コイル282を巻き付ければよい。
そして、誘導コイル27は、電磁鋼(磁性体)からなる補極コア材25を採用することにより、透磁率を高めて磁束を高密度に鎖交可能にしている。また、誘導コイル27は、ステータティース12の内周面12aとの間に極力小さなエアギャップGを介して対面する磁路上に位置させることで、より多くの空間高調波磁束を鎖交させるようになっている。この誘導コイル27は、ステータティース12の内周面12aからロータティース22の外周面22a側に鎖交する磁束の3次の空間高調波成分を有効利用するように磁界解析を行って厳密に空間高調波磁路を確認し、これにより、効率よく誘導電流を発生させることができるように設置している。なお、誘導コイル27は、界磁コイル28との間に必要十分な空隙を確保するようにロータティース22の間に位置するように配置されている。
このように、集中巻構造を採用することにより、誘導コイル27や界磁コイル28では、複数スロットに亘って周方向に巻線をする必要がなく、全体的に小型化することができる。また、誘導コイル27では、1次側での銅損損失を低減しつつ、低次である回転座標系における3次の空間高調波磁束の鎖交による誘導電流を効率よく発生させて、回収可能な損失エネルギーを増加させることができる。
また、誘導コイル27には、回転座標系における2次の空間高調波磁束よりも、時間的変化や振幅の大きな回転座標系における3次の空間高調波磁束を利用することにより、効果的に鎖交させて誘導電流を発生させることができ、効率よく回収することができる。
このように、誘導コイル27および界磁コイル28は、磁束経路が干渉し合わないように分割されて、ロータティース22の全長と同等の長さ(幅)にわたって巻線することにより全体を有効利用して磁束を発生させているので、磁気的干渉を低減しつつ、効率よく誘導電流を発生させることができる。これにより、ロータティース22を効果的に電磁石として機能させて磁束を発生させることができる。
そして、回転電機100は、3f次の空間高調波磁束(f=1、2、3・・・)を主に利用する構造として、ロータ21側の突極(ロータティース22)の数P:ステータ11側のステータスロット13の数Sが2:3になる構造に作製されている。例えば、回転座標系における3次の空間高調波磁束は、電機子コイル14に入力する基本周波数よりも周波数が高いために短周期で脈動する。このため、ロータ21は、ロータティース22間の誘導コイル27に鎖交する磁束強度が変化することにより、効率的に誘導電流を発生させることができ、基本周波数の磁束に重畳する空間高調波成分の損失エネルギーを効率よく回収して回転することができる。
また、このように、回転電機100は、ロータ21側とステータ11側の間での相対的な磁気的作用の品質を決定する構造として、ロータティース突極数Pとステータスロット数Sの比としてP/S=2/3を採用するのは、電磁振動を低減して電磁騒音の小さな回転を実現するためである。
詳細には、上記と同様に磁束密度分布の磁界解析をすると、ロータティース突極数Pとステータスロット数Sの比に応じて、機械角360度内の周方向に磁束密度分布も分散化されるため、ステータ11に働く電磁力分布にも偏在が認められることになる。
これに対して、回転電機100では、ロータティース突極数P/ステータスロット数S=2/3となる構造を採用することにより、機械角360度の全周に亘って均等な密度分布となる磁束を鎖交させることができ、ロータ21をステータ11内で高品質に回転させることができる。
これにより、回転電機100では、空間高調波磁束を利用して、回転動作させることができるため、損失エネルギーを効率よく回収しつつ、電磁振動を大幅に低減し静寂性高く回転させることができる。
ここで、回転電機100は、ロータティース突極数P/ステータスロット数S=2/3となる構造を採用するステータ11やロータ21に、巻線コイルを集中巻きにした電機子コイル14、誘導コイル27および界磁コイル28をそれぞれ配置するが、集中巻きに代えて、分布巻きにすることもできる。しかしながら、ステータティース12の内周面12aとロータティース22の外周面22aとの間で鎖交する磁束密度は、電機子コイル14、誘導コイル27および界磁コイル28を集中巻きまたは分布巻きした場合で比較すると、図4に示すような磁束密度波形となる。
この磁束密度波形を電磁界解析すると、図5に示すように、集中巻きの場合には静止座標系で2次の(回転座標系で3次となる)空間高調波磁束を分布巻きの場合よりも多く含んでいることが分かる。この結果、回転電機100では、集中巻きを採用することにより、分布巻きの場合よりも多くの空間高調波磁束を誘導コイル27に鎖交させて誘導電流(界磁電流)を界磁コイル28に供給することができる。
このことから、図6に磁束波形を示すように、回転電機100は、ステータ11の電機子コイル14への三相(U相、V相、W相)の交流駆動電流の通電(供給)を開始すると、三相の電機子コイル14毎に入力した交流駆動電流に応じた波形で磁束が変化するのに対して、ロータ21の誘導コイル27では、その電機子コイル14での磁束の変化に応じた高周波の磁束が生じることにより誘導電流を発生する。この誘導電流は、後述するダイオード29A、29B(図7を参照)で整流して界磁コイル28に入力することにより安定した磁束を発生させて電磁力(マグネットトルク)を得ることができる。
このように、回転電機100は、ロータ21側のq軸に配置する誘導コイル27に誘導電流を効率よく発生させて、d軸に配置する界磁コイル28に界磁電流として供給し、ロータティース22を自己励磁電磁石として機能させることができる。これにより、回転電機100は、電機子コイル14への電力供給による主回転力を補助する補助回転力(電磁力)を得てロータ21を高効率回転させることができる。すなわち、この回転電機100では、q軸の空間高調波磁束も界磁エネルギー源として利用できるようにしており、q軸に補極を配置しない構造よりも相互インダクタンス係数を高くして自励によるマグネットトルク密度を向上させることができている。
そして、誘導コイル27は、ロータ21の径方向に対して同一の周回巻線となる集中巻に形成されて、ロータ21の周方向に配列されて1つ置きに直列接続された2系統が並列接続されている。また、界磁コイル28(281、282)は、ロータ21の径方向に対して隣同士が逆向きの周回巻線となる集中巻に形成されて、直列接続されている界磁コイル281、282の両端部がさらにロータ21の周方向の外周側と軸心側とを直列接続されている。
すなわち、界磁コイル28は、周方向において隣接するロータティース22毎に、直流電力の通電によって機能する電磁石の磁化方向が交互となるように設けられている。要するに、界磁コイル28は、ステータティース12の内周面12aに対して、ロータティース22が電磁石として機能するときのN極とS極とが交互に対面するようになっている。
この界磁コイル28は、図7に示すように、全直列接続されている両端部が、並列接続されている2系統の誘導コイル27列の両端部にそれぞれ接続されている。また、界磁コイル28の両端部の一方は、2系統の誘導コイル27列の両端部の一方とダイオード(整流素子)29A、29Bを介して接続されている。すなわち、界磁コイル28は、巻線の巻き方向毎のコイル28A1〜28An(n:極数/2)とコイル28B1〜28Bnが全直列接続されており、その界磁コイル28A1〜28An、28B1〜28Bnに対応するように直列接続されている2系統の誘導コイル27A1〜27An、27B1〜27Bnの両端部が並列接続されている。
ダイオード29A、29Bは、誘導コイル27や界磁コイル28を多極化させる場合でも、そのうちの界磁コイル28を全直列させることで使用数が抑えられている。このダイオード29A、29Bは、それぞれ180度位相差になるように結線して、一方の誘導電流を反転させて半波整流出力する中性点クランプ型の半波整流回路(整流素子)を形成している。
これにより、回転電機100では、誘導コイル27と界磁コイル28との磁気的干渉を極力少なく(誘導電流の減少を少なく)し、透磁率の高い電磁鋼の補極コア材25にステータティース12の内周面12aからロータティース22の外周面22a側に鎖交する磁束の空間高調波成分を通過させることにより、誘導電流を効率よく発生させて回収することができる。また、2系統の誘導コイル27列に発生させる誘導電流は、ダイオード29A、29Bで整流させた後に合流させて、直列接続させている界磁コイル28に供給させることができる。これにより、回転電機100では、界磁コイル28を効果的に自己励磁させて大きな磁束(電磁力)を発生させることができる。
この結果、回転電機100は、励磁用と電磁石用とで分割して独立させる誘導コイル27および界磁コイル28で、互いに干渉して弱め合ってしまうことを回避しつつ、発生する磁束を有効かつ平滑化させて利用することができ、効率よくエネルギーとして回収して出力することができる。なお、回転電機100は、界磁コイル28がロータティース22と共に突極を構成し、誘導コイル27が補極コア材25と共に補極を構成している。
このように、回転電機100は、ロータ21側に配置する誘導コイル27に誘導電流を効率よく発生させ、この誘導電流を界磁電流として界磁コイル28に供給(通電)して、ロータティース22を自己励磁電磁石として機能させることができる。これにより、電機子コイル14への電力供給による主回転力を補助する補助回転力(電磁力)を得てロータ21を高効率回転させることができる。なお、回転電機100は、誘導コイル27によって発生された誘導電流を界磁電流として内部で界磁コイル28に供給しているが、これに限らず、外部電源から界磁電流を供給する回路を備える構造の場合にも本発明を適用することができる。
ところで、例えば、車両の走行開始時などにロータ21が低速回転する場合、誘導コイル27に鎖交する磁束量の変化が小さくなることがあり、このとき発生する誘導電流も小さくなるが、本実施形態における回転電機100では、界磁コイル28による電磁力以外からも磁力を得て、低速走行時にも、ステータ11の電機子コイル14により発生される回転力を有効に補助させることができるようになっている。
具体的には、図1および図2に示すように、回転電機100は、ロータ21のロータティース22の先端側に、板状に形成されている低保磁力磁石51が埋設されており、低保磁力磁石51は、ステータ11のステータティース12の内周面12aに近接する位置で対面するようになっている。
低保磁力磁石51は、ロータティース22の外周面22aと略同様の幅に形成されてシャフト101の軸方向に延伸される長尺な板形状に形成されて、ステータティース12の内周面12aに対して平面状の磁極面51aの一面側を大面積で対面させるようにロータティース22の外周面22aに近接する位置に埋設されている。ここで、低保磁力磁石51の幅は、必ずしもロータティース22の幅と同等にする必要はなく、その保磁力性能や磁束を通過させる磁気抵抗等に応じて調整すればよい。
この低保磁力磁石51は、磁極面51a側をN極またはS極として、界磁コイル28による電磁石と磁化方向が一致するようにロータティース22内に埋設されており、その磁化方向と平行な磁界を印加することにより所定の磁力に磁化(以下では、着磁ともいう)させることができる。また、低保磁力磁石51は、所定の磁力まで減少(以下では、減磁ともいう)させることができるようにもなっている。なお、この低保磁力磁石51は、例えば、安価なアルニコ磁石またはコバルト磁石により作製されており、耐熱性などの特性で選択すれば良く、例えば、車両のように高温になるような環境に設置する場合には、コバルト磁石を選択するのが好ましい。
そして、この回転電機100は、ステータ11の電機子コイル14に回転制御用の駆動電流を入力することにより発生する基本波磁束BF(図8、図9を参照)に加えて、その電機子コイル14にパルス電流(磁化電流)を重畳させて入力することにより、ロータ21側に向かうパルス状の着磁磁束WF(図9を参照)を低保磁力磁石51に印加(通過)させて、低保磁力磁石51を着磁させるようになっている。
このとき、低保磁力磁石51は、図8に示すように、必要な磁力を備えさせるのに必要な磁界強度のパルス状のパルス磁束pfを着磁磁束WF(≒pf)として通過させる必要がある。ステータ11の電機子コイル14のみで発生するパルス磁束pfのみで低保磁力磁石51を着磁させる場合には、相当の電流値のパルス電流を駆動電流に重畳して電機子コイル14に入力する必要がある。この場合には、インバータ112や不図示の接続ケーブルを含む電子機器が大容量電流への耐性に対応させるために大型化してしまい、コスト高になってしまう。また、大容量電流を電機子コイル14に入力すると、場合によっては、ロータ21を回転させるトルクに脈動が生じる可能性もあり、そのトルクの脈動に起因する振動や騒音が発生してしまう可能性もある。
これに対して、回転電機100では、低保磁力磁石51が埋設されるロータティース22には界磁コイル28が配置されている。このため、図9に示すように、ステータ11の電機子コイル14にパルス電流を入力すると、ロータ21の界磁コイル28では、そのパルス電流に起因して電機子コイル14で発生するパルス磁束PF(<pf)が通過するのを妨げるように、ステータ11側に向かう誘導パルス磁束(応答磁束)IFが発生する。すると、この界磁コイル28で発生する誘導パルス磁束IFに起因して電機子コイル14での磁束変化を打ち消す方向の反作用磁束(応答磁束)RFがその電機子コイル14で発生するので、その反作用磁束RFを着磁磁束WFとして低保磁力磁石51に印加(通過)させて磁化飽和領域まで着磁させるようになっている。
したがって、この回転電機100では、低保磁力磁石51を着磁させる着磁磁束WFとして、図8に示すパルス磁束pfを発生させるためのパルス電流よりも小さな電流値のパルス電流をステータ11の電機子コイル14に入力するだけで、図9に示すパルス磁束PFを発生させることができる。
すなわち、本実施形態の回転電機100では、図10に示すように、強力なパルス磁束pfを発生させるパルス電流piよりも小さな電流値のパルス電流PIを駆動電流に重畳させてステータ11の電機子コイル14に入力することにより、電機子コイル14の自己インダクタンスにより小さな磁界強度のパルス磁束(自己磁束)PFを発生させて、界磁コイル28における相互インダクタンスによる誘導電流ICによって誘導パルス磁束IFを誘起させることができる。さらに、その誘導パルス磁束IFとの相互作用(相互インダクタンス)により電機子コイル14に反作用磁束(相互磁束)RFを発生させることができる。この反作用磁束RFは、小さなパルス磁束PFを大きく増幅させた磁界強度の着磁磁束WFとして低保磁力磁石51に印加することにより着磁させることができる。
ここで、本実施形態では、低保磁力磁石51の磁化電流として一つのパルス電流を電機子コイル14に入力する場合を一例として説明するが、これに限るものではない。例えば、パルス電流を電機子コイル14に入力するタイミングを回転制御や着磁制御で許される範囲内であれば、複数の期間に分割あるいは長期間化してもよい。しかしながら、パルス電流の入力により電機子コイル14における銅損が発生することから、本実施形態のように1回のパルス電流を瞬間的(短期間)に入力する方が好ましい。
(回転電機100の電流入力制御方法)
このことから、回転電機100は、車載バッテリ111内の直流電流を利用してコントローラ110が制御するインバータ112を介して、回転制御用の駆動電流とパルス電流とを電機子コイル14に入力するようになっている。このとき、コントローラ110は、低保磁力磁石51を着磁させるためのメモリ110m内の制御プログラムを実行することにより、車載バッテリ111内の直流電流をインバータ112によりパルス電流として最適なタイミングで電機子コイル14に印加する制御処理(電流入力制御方法)を実行する。すなわち、コントローラ110がパルス制御部を構成している。
具体的には、図11のフローチャートに示すように、コントローラ110は、例えば、車両の走行開始時などロータ21(シャフト101)の回転駆動を開始する際に、インバータ112を制御してステータ11の電機子コイル14への交流駆動電流の供給を開始する。並行して、コントローラ110は、メモリ110m内の低保磁力磁石51を着磁させるための制御プログラムに従う制御処理を実行することにより、インバータ112から単独のパルス磁束pfで着磁させる場合よりも小さな電流値のパルス電流を交流駆動電流に重畳させて最適なタイミングで電機子コイル14に入力する、低保磁力磁石51の着磁処理を実行する(ステップS11)。
駆動電流に重畳するパルス電流が電機子コイル14に入力されると、電機子コイル14では、そのパルス電流の電流値に応じた微小なパルス磁束(自己磁束)PFが発生してロータ21のロータティース22に鎖交される(ステップS12)。そのパルス磁束PFがロータティース22に鎖交すると、ロータ21側の界磁コイル28では、誘導パルス磁束IFが発生してステータ11側のステータティース12に鎖交される(ステップS13)。その誘導パルス磁束IFがステータティース12に鎖交すると、ステータ11側の電機子コイル14では、反作用磁束(相互磁束)RFが発生して低保磁力磁石51に印加される(ステップS14)。
このような処理により、低保磁力磁石51は、ステータ11の電機子コイル14に入力するパルス電流の向きと電流値と入力タイミングとが調整されることによって、小さな電流値によるパルス磁束PFでも必要十分な磁界強度の反作用磁束RFに増幅することができ、着磁処理が行われる。すなわち、駆動電流に小さな電流値のパルス電流を重畳することによって、低保磁力磁石51を磁化飽和領域まで着磁させて磁石磁力を維持することができる。
したがって、回転電機100は、図12に示すように、車両の走行開始時のようなロータ21の低速回転時であっても、界磁コイル28が電磁石として機能するときの電磁力(図中の一点鎖線)を、低保磁力磁石51の磁石磁力を追加した場合の磁力(図中の二点鎖線)に強化することができる。これにより、回転電機100は、ロータ21の回転力となるマグネットトルクで補助させて、ネオジウム磁石をロータに埋め込む同期回転モータのトルク(図中の点線)と同等に、シャフト101を回転駆動させることができる。
この低保磁力磁石51は、界磁コイル28が電磁石として機能する際に必要な磁力を備えるように着磁させればよい。例えば、磁化飽和領域までの磁力が必要ないときには、所望の磁力に着磁させる反作用磁束RFを発生させるのに必要なパルス電流に調整して電機子コイル14に供給するようにしてもよい。また、安価なアルニコ磁石やコバルト磁石は、所望のトルクを実現する電流位相の進角によっては、磁石に対して逆位相となり意図しない減磁が発生する可能性がある。このため、逆磁界に対して減磁しない保磁力まで磁化させる必要がある。
ところで、低保磁力磁石51を磁化飽和領域まで磁力強度を増加させた後にロータ21の回転速度が増加して界磁コイル28で発生する電磁力が上昇する場合には、所望のマグネットトルクに調整するために界磁コイル28の電磁力に対する弱め界磁制御を実行することが考えられる。しかしながら、弱め界磁制御はエネルギーを使用して磁力を低減することからエネルギーの浪費とも言える。
そこで、コントローラ110は、界磁コイル28で発生する電磁力が上昇する際、弱め界磁制御を実行するのに代えて、低保磁力磁石51を所望の磁力に減磁させるためのメモリ110m内の制御プログラムを実行する。これにより、車載バッテリ111内の直流電流をインバータ112によりパルス電流として最適なタイミングで電機子コイル14に入力する制御処理(電流入力制御方法)を実行する。
具体的には、図13のフローチャートに示すように、コントローラ110は、界磁コイル28の電磁力が上昇するのに合わせて、メモリ110m内の低保磁力磁石51を減磁させるための制御プログラムに従う制御処理を実行する。これにより、着磁時と逆向きとなる反作用磁束RFを発生させて低保磁力磁石51に印加(通過)させる最適なタイミングで、インバータ112から小さな電流値のパルス電流を交流駆動電流に重畳させて電機子コイル14に入力する、低保磁力磁石51の減磁処理を実行する(ステップS21)。
着磁時とは逆向きの小さな電流値のパルス電流が供給されると、ステータ11の電機子コイル14では、そのパルス電流の電流値に応じた着磁時と逆向きの微小なパルス磁束PFが発生してロータ21のロータティース22に鎖交される(ステップS22)。そのパルス磁束PFがロータティース22に鎖交すると、ロータ21側の界磁コイル28では、着磁時とは逆向きの誘導パルス磁束IFが発生してステータ11側のステータティース12に鎖交される(ステップS23)。その誘導パルス磁束IFがステータティース12に鎖交されると、ステータ11側の電機子コイル14では、着磁時とは逆向きの反作用磁束RFが発生して低保磁力磁石51に印加される(ステップS24)。
このような処理により、低保磁力磁石51は、ステータ11の電機子コイル14に入力するパルス電流の向きと電流値と入力タイミングとが調整されることによって、小さな電流値によるパルス磁束PFでも必要十分な磁界強度の反作用磁束RFを発生させることができ、減磁処理が行われる。すなわち、駆動電流に、着磁時とは逆向きの小さな電流値のパルス電流を重畳することによって、低保磁力磁石51を磁化飽和領域から所望の磁石磁力に減磁することができる。
このように、回転電機100は、磁化飽和領域まで磁力強度が増加されている低保磁力磁石51の磁石磁力を適宜調整することができる。すなわち、本実施形態における回転電機100は、界磁コイル28が電磁石として機能する際の磁力を低保磁力磁石51の磁力で適度に強化して、マグネットトルクによって補助させることができるため、シャフト101を低速回転時から効率よく高トルクで回転駆動させることができる。
この結果、回転電機100は、電機子コイル14のみによるパルス磁束pfで着磁する場合よりも微小なパルス電流をステータ11の電機子コイル14に重畳するように入力するだけで、低保磁力磁石51を磁化飽和領域まで着磁させることができる。これにより、インバータ112を含む電子機器や回路配線を大容量化する必要がなくなる。すなわち、インバータ112を含む電子機器や回路配線の装置のサイズを小さくできるため、モータの小型化も実現できる。また、電流値の大きいパルス電流をステータ11の電機子コイル14に供給することによって発生する振動や騒音を抑制することができ、ロータ21を安定回転させてシャフト101を回転駆動させることができる。
このように、本実施形態の回転電機100においては、ロータ21側のロータティース22内に界磁コイル28を備えているので、ステータ11側の電機子コイル14にパルス電流を供給して自己インダクタンスによるパルス磁束(自己磁束)PFを発生させることにより、ロータ21側の界磁コイル28で作用する相互インダクタンスによる相互磁束を発生させることができる。そして、そのパルス磁束PFに応答する誘導パルス磁束IFを界磁コイル28側に発生させ、その誘導パルス磁束IFに応答する反作用磁束RFを電機子コイル14側に発生させて、ロータティース22内に配置されている低保磁力磁石51を着磁することができる。
したがって、大電流の必要なパルス磁束pfで低保磁力磁石51を着磁する場合よりも、微小なパルス電流(磁化電流)のみで大きな反作用磁束RFを発生させて低保磁力磁石51を着磁することができる。すなわち、回転電機100の小型化や低コスト化を図りつつ、高品質にロータ21(シャフト101)を回転駆動させることができる。
ここで、本実施形態では、誘導コイル27をロータスロット23内に設置する補極コア材25に配置する場合を一例にして説明するが、これに限るものではない。例えば、ロータティース22のステータ11に近接する外周面22a側に誘導コイル27を配置するとともにシャフト101(軸心)側に界磁コイル28を配置する2段構造にしてもよい。
さらに、回転電機100のように径方向にエアギャップGを形成するラジアルギャップ構造に限らずに、回転軸方向にギャップを形成するアキシャルギャップ構造に適用することも可能である。
また、ステータ11やロータ21は、電磁鋼板の積層構造で形成することに限定されず、例えば、鉄粉などの磁性を有する粒子の表面を絶縁被覆処理した軟磁性複合粉材(Soft Magnetic Composites)をさらに鉄粉圧縮成形および熱処理製造した圧粉磁心、所謂、SMCコアを採用してもよい。このSMCコアは、成形が容易であることからアキシャルギャップ構造に好適である。
また、誘導電流の整流処理はダイオード29A、29Bに限るものではなく、他の半導体素子、例えば、スイッチング素子を実装してもよい。また、ステータ側を、所謂、クローポール形状に形成する回転電機にも適用することができる。
また、回転電機100は、車載用に限定されるものではなく、例えば、風力発電や、工作機械などの駆動源として好適に採用することができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
11 ステータ
12 ステータティース
13 ステータスロット
14 電機子コイル
21 ロータ
22 ロータティース(突極)
23 ロータスロット
25 補極コア材(補極)
27 誘導コイル(補極)
28、281、282 界磁コイル
29A、29B ダイオード(整流素子)
51 低保磁力磁石
51a 磁極面
100 回転電機
101 シャフト(回転軸)
110 コントローラ(パルス制御部)
110m メモリ
111 車載バッテリ
112 インバータ
BF 基本波磁束
G エアギャップ
IF 誘導パルス磁束
PF パルス磁束
pf パルス磁束(自己磁束)
RF 反作用磁束(相互磁束)
WF 着磁磁束

Claims (6)

  1. 駆動電流の通電により磁束を発生させる電機子コイルを有するステータと、
    界磁電流の通電により磁束を発生させる界磁コイルが巻かれる複数の突極を有するロータと、を備える回転電機であって、
    前記ロータは、前記突極に低保磁力磁石が配置されており、
    前記低保磁力磁石は、前記電機子コイルに通電される前記駆動電流にパルス電流が重畳されて所定の磁力に磁化される、回転電機。
  2. 前記低保磁力磁石は、前記突極の径方向外側に配置されている、請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記ロータは、前記電機子コイルで発生する磁束が鎖交されて励磁される誘導コイルを備えており、
    前記界磁コイルは、前記誘導コイルの励磁により発生された誘導電流を界磁電流として入力されて磁束を発生されており、
    前記誘導コイルは、周方向に隣接する前記突極同士の間に配置される補極コア材に巻かれている、請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記駆動電流に重畳させる前記パルス電流を制御するパルス制御部を備えて、
    前記パルス制御部は、前記パルス電流の前記電機子コイルへの入力で発生するパルス磁束と、前記パルス磁束の変化により前記界磁コイルで発生する誘導パルス磁束が前記電機子コイルに作用して前記電機子コイルから発生する反作用磁束とによって、前記低保磁力磁石を所定の磁石磁力に磁化させるように前記パルス電流を調整する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 駆動電流の通電により磁束を発生させる電機子コイルを有するステータと、界磁電流の通電により磁束を発生させる界磁コイルを巻かれる複数の突極を有するロータと、を備える回転電機における前記電機子コイルへの電流入力制御方法であって、
    前記回転電機のロータには、前記突極に低保磁力磁石が配置されており、
    前記駆動電流を前記電機子コイルに通電する際に、前記駆動電流にパルス電流を重畳して前記低保磁力磁石を所定の磁力に磁化させる、回転電機の電流入力制御方法。
  6. 前記パルス電流の前記電機子コイルへの入力で発生するパルス磁束と、前記パルス磁束の変化により前記界磁コイルで発生する誘導パルス磁束が前記電機子コイルに作用して前記電機子コイルから発生する反作用磁束とによって、前記低保磁力磁石を磁化飽和領域まで磁化させるように前記パルス電流を調整する、請求項に記載の回転電機の電流入力制御方法。
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