JP6115360B2 - リラクタンスモータ - Google Patents

リラクタンスモータ Download PDF

Info

Publication number
JP6115360B2
JP6115360B2 JP2013141792A JP2013141792A JP6115360B2 JP 6115360 B2 JP6115360 B2 JP 6115360B2 JP 2013141792 A JP2013141792 A JP 2013141792A JP 2013141792 A JP2013141792 A JP 2013141792A JP 6115360 B2 JP6115360 B2 JP 6115360B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
pole coil
magnetic flux
coil
stator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013141792A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015015846A (ja
Inventor
真大 青山
真大 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2013141792A priority Critical patent/JP6115360B2/ja
Publication of JP2015015846A publication Critical patent/JP2015015846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6115360B2 publication Critical patent/JP6115360B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Landscapes

  • Synchronous Machinery (AREA)

Description

本発明は、リラクタンスモータに関し、詳しくは、自己励磁機能を備えて高効率の回転を実現するものに関する。
リラクタンスモータは、各種駆動装置に駆動源として搭載されている。リラクタンスモータは、ロータ側に永久磁石を埋め込んでマグネットトルクを利用することにより駆動するタイプのモータ(電動機)と比較して、リラクタンストルクのみを利用するタイプの場合には、大トルクが得られ難いという課題がある。
特に、大トルクを必要とする、ハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle)や電気自動車(Electric Vehicle)に搭載する場合には、マグネットトルクと共に、リラクタンストルクを効果的に利用するように、磁力の強いネオジム磁石(Neodymium magnet)などの永久磁石をロータ(回転子)内にV字に埋め込む、IPM(
1372987435663_0
)構造(図10参照)を採用するモータが多用されている。
ところで、リラクタンスモータでも、例えば、非特許文献1に記載されているような自己励磁機能を採用することにより効率を向上させることが提案されている。車載モータとしては、安価に作製可能なリラクタンスモータでのトルク向上等の特性改善が望まれている。
この非特許文献1に記載の自己励磁式では、ステータ側の電機子極コイルに供給する駆動電流の基本周波数よりも高い周波数の磁束をロータ側に鎖交させて、そのロータ側に配置する自己励磁用コイルに誘導電流を発生させる。この自己励磁式では、その誘導電流を半波整流した後に自己励磁用コイルに供給する(戻す)ことにより、自己励磁用コイルを電磁石極コイルとしても機能させている。
しかしながら、非特許文献1に記載の自己励磁機能では、自己励磁用コイルを電磁石極コイルとしても機能させるように兼用させることから、磁気的な干渉が生じて誘導電流を効率よく発生させることができず、また、発生させる電磁力も弱めてしまう。
また、非特許文献1に記載の構造では、ロータの外面から離隔する深部まで自己励磁用コイルを配置するが、磁束の高周波成分(空間高調波成分)はロータ深部まで進入する(鎖交する)ことができずに、自己励磁用コイルに非常に小さな誘導電流しか発生させることができない。
なお、特許文献1にも、自己励磁式のモータが提案されているが、同様に、効率よく誘導電流を発生させることができず、同様の課題を有している。
また、特許文献2には、ステータ側のコイルに高周波電流を別途入力することによりロータ側の自己励磁用コイルに励磁電流を発生させることが提案されているが、励磁エネルギを外部入力する必要があり、高効率な駆動を望むことができない(効率低下は免れない)。
特開平10−271781号公報 特開2010−22185号公報
野中作太郎著「自励形単相同期電動機」電気学会雑誌78巻842号、1958年11月、P.18−26
そこで、本発明は、損失エネルギを回収して機能する自己励磁を実現して、高効率回転させてトルクを向上させたリラクタンスモータを提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、複数相の駆動電流を入力する電機子極コイルが設けられているステータと、前記電機子極コイルに発生する磁束を鎖交させることで主回転力を受ける複数の突極を設けられているロータと、を備えるリラクタンスモータであって、前記ロータは、前記ステータの内周面に向かって延在して該内周面に外周面を対面させる複数本のロータティースと、当該ロータティースの間に形成されて該ロータティースにコイルを巻き掛ける空間のロータスロットと、前記電機子極コイルの生成する前記磁束に重畳する空間高調波成分が前記ロータ側に鎖交する前記ロータスロット内の磁路上に配置されて該磁束の空間高調波成分により誘導電流を発生させる誘導子極コイルと、前記誘導子極コイルで発生した前記誘導電流を整流する整流素子と、前記ロータティースに巻き掛けられて前記整流素子で整流された前記誘導電流を界磁電流として通電され自己励磁することにより前記主回転力を補助する補助回転力となる電磁力を発生させる電磁石極コイルと、前記ロータと前記ステータとの間で鎖交する前記磁束が前記誘導子極コイル内に進入して通過しようとするのを制限する永久磁石と、を有することを特徴とするものである。
本発明の第2の態様としては、前記永久磁石の磁化方向が前記ロータの半径方向に一致しつつ前記電磁石極コイルの前記ロータティースへの巻付方向に応じて前記ロータスロット毎に交互に切り替わるようにするのが好適である。
本発明の第3の態様としては、前記誘導子極コイルは、前記ロータスロット内の前記ステータの内周面に近接する位置に設置され、前記永久磁石は、前記誘導子極コイルに隣接して前記ロータの回転軸側に設置されているのが好ましい。
本発明の第4の態様としては、前記永久磁石は、前記ロータスロットの底部中心から前記ロータの外周面側に向かって延長されている支持部と前記誘導子極コイルのコア材との間に挟まれる形態で支持されているのが好ましい。
このように、上記の第1の態様によれば、ステータ側の電機子極コイルで生成される磁束をロータ側の突極に鎖交させることにより主回転力が発生するのと同時に、その磁束に重畳する空間高調波成分がロータ側の誘導子極コイルに鎖交して誘導電流が発生する。その誘導電流は整流素子で整流して界磁電流として電磁石極コイルに供給(通電)することにより、その電磁石極コイルで電磁力(磁束)を発生させてステータ側からの磁束と協働させることができ、主回転力を補助する補助回転力を発生させてロータ側を回転させることができる。
さらに加えて、電磁石極コイルおよび電機子極コイルで発生する磁束は、誘電子極コイル内に進入・通過することが永久磁石により制限されてロータティース内に磁路を積極的に形成するように促され、ロータティース内を磁路としてステータとの間で効果的に鎖交して効率よく回転力を発生することができる。また、電機子極コイルで発生する磁束は、永久磁石により無駄にロータ内へ進入させることなくステータ側に戻すことができ、そのロータを回転させるトルクとして有効に機能させることができる。
したがって、ロータ側の電磁石極コイルに別途エネルギ供給をすることなく、従来には有効利用できていなかった(鉄損の発生要因になっていた)磁束の空間高調波成分を回収しつつ、鎖交する磁束を永久磁石により無駄なく利用してトルクを発生させることができ、ロータを高効率回転させることができる。このとき、誘導子極コイルと電磁石極コイルとに同一電流が流れることなく、互いに干渉して損失となってしまうことがない。この結果、損失エネルギを効果的に回収してリラクタンスモータのトルクを向上させることができる。
上記の第2の態様によれば、ロータの半径方向に一致する永久磁石の磁化方向を、電磁石極コイルで発生させる磁束の向きに応じてロータスロット毎に交互に切り替えることにより、回転力を発生させる磁束の磁路をロータティースに優先的に形成することができ、同時に、回転力の発生させる磁束がステータ(電機子極コイル)側から誘導子極コイルを経由してロータ内に無駄に進入するのを制限して効果的にステータ側に戻すことができる。
したがって、ロータスロット毎にステータ側からロータ側に鎖交して進入する磁束を有効利用して、ロータティース(突極)に磁束が鎖交して回転力を発生させるのと同様に、誘電子極コイル内に進入した磁束をステータ側に戻すように鎖交させて回転力を生成することができ、磁束を有効利用してトルクを発生させることができる。
上記の第3の態様によれば、誘導子極コイルをステータの内周面側に設置して、永久磁石はその誘導子極コイルよりもロータの回転軸側に設置するので、永久磁石の設置に邪魔されることなく空間高調波成分を回収することができ、誘導子極コイル内を通過しようとする磁束を効果的に案内することができる。
したがって、ステータ側から鎖交する磁束の空間高調波成分を誘電子極コイルで効果的に回収して電磁石極コイルで電磁力を発生させることができ、高効率にトルクを発生させてロータを回転させることができる。
上記の第4の態様によれば、ロータスロットの底部側に位置する支持部とロータの外周面側に位置する誘導子極コイルのコア材との間に挟まれる形態で永久磁石を支持するので、ロータの回転軸側や外周面側から誘電子極コイル内に進入しようとする磁束を永久磁石の磁力(磁束)で効果的に制限することができる。
したがって、ステータ側からロータ側に鎖交する磁束を有効利用して高効率にトルクを発生させてロータを回転させることができる。
図1は、本発明に係るリラクタンスモータの一実施形態を示す図であり、その概略構成を示す一部拡大径方向断面図である。 図2は、ロータ側の誘導子極における永久磁石の磁石磁束とステータ側のステータティースからの電機子磁束との相関関係を示す一部拡大ベクトル図である。 図3は、永久磁石を設置したことによるロータとステータとの間で鎖交する磁束経路を示す概念図である。 図4は、誘導子極コイルと電磁石極コイルとをダイオードを介して接続する回路構成を分かり易く説明する簡易モデルの回路図である。 図5は、図4に示す回路における一方の誘導子極コイルから取り出す誘導電流波形を示すグラフである。 図6は、図4に示す回路における図4と異なる他方の誘導子極コイルから取り出して反転させた誘導電流波形を示すグラフである。 図7は、図5と図6の誘導電流を合流させた合成波形を示すグラフである。 図8は、ロータ側とステータ側とにおける3次空間高調波のベクトル分布図である。 図9は、本実施形態と比較する、永久磁石が設置されていないリラクタンスモータの構造を示す一部拡大径方向断面図である。 図10は、本実施形態と比較する、永久磁石をロータ側に埋め込んだIPMモータの構造を示す一部拡大径方向断面図である。 図11は、本実施形態のリラクタンスモータのトルクと、図9に示すリラクタンスモータのトルクと、図10に示すIMPモータのトルクと、を比較するために図示するグラフである。 図12は、本実施形態のリラクタンスモータでの誘起電流と、図9に示すリラクタンスモータでの誘起電流と、を比較するために図示するグラフである。 図13は、本実施形態の他の態様を示す図であり、永久磁石を補助するコイルを設置したリラクタンスモータの構造を示す一部拡大径方向断面図である。 図14は、本実施形態の他の態様を示す図であり、その一部を切りだした状態の斜視図である。 図15は、図14と異なる本実施形態の他の態様を示す図であり、図1と同様にその概略構成を示す一部拡大径方向断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図12は本発明に係る一実施形態のリラクタンスモータを説明するための図である。ここで、図1は、リラクタンスモータの径方向断面図であり、軸心を中心とする機械角60度分を図示しており、当該機械角60度分が周方向に周期的に繰り返される構造に作製されている。
(一般的なリラクタンスモータの基本構造)
図1において、リラクタンスモータ10は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車において、内燃機関と同様の駆動源として車載、あるいは車輪ホイール内に搭載するのに好適な性能を有しており、上述の特許文献2とは異なって、後述するように、外部からロータにエネルギ入力する必要のない構造に作製されている。
リラクタンスモータ10は、概略円筒形状に形成されたステータ(固定子)11と、このステータ11内に回転自在に収納されて軸心に一致する回転軸が固設されるロータ(回転子)21と、を備えている。
ステータ11には、ロータ21(ロータティース22)の外周面22aにギャップGを介して内周面12a側を対面させるように、径方向に延長される突極形状に形成されている複数本のステータティース12が周方向に均等配置されている。ステータティース12には、隣接する側面間に形成される空間のステータスロット13を利用して、相毎の3相巻線をそれぞれ個々に集中巻きすることにより電機子極コイル14が形成されている。ステータティース12は、電機子極コイル14に駆動電流を入力することにより、内部に対面収納されているロータ21を回転させる磁束を発生する電磁石として機能する。
ロータ21には、ステータティース12と同様に径方向に延長される突極形状に形成されている複数本のロータティース(突極)22が周方向に均等配置されている。ロータティース22は、ステータティース12と全周方向の本数を異ならせて、相対回転時に外周面22aがステータティース12の内周面12aに適宜近接対面するように形成されている。
これにより、リラクタンスモータ10は、ステータ11のステータスロット13内の電機子極コイル14に通電することにより発生する磁束を、ステータティース12の内周面12aから対面するロータティース22の外周面22aに鎖交させることができ、その磁束が通過する磁路(磁気結合)を最短にしようとするリラクタンストルク(主回転力)によりロータ21を相対回転させることができる。この結果、リラクタンスモータ10は、ステータ11内で相対回転するロータ21と一体回転する回転軸から通電入力する電気的エネルギを機械的エネルギとして出力することができる。
このリラクタンスモータ10では、ステータティース12の内周面12aからロータティース22の外周面22aに鎖交する磁束に空間高調波成分が重畳している。このため、ロータ21側でも、ステータ11側から鎖交する磁束の空間高調波成分の磁束密度の変化を利用して、内蔵するコイルに誘導電流を発生させ電磁力を得ることもできる。
詳細には、このとき、ステータ11の電機子極コイル14には基本周波数の駆動電力を供給してロータ21(ロータティース22)をその基本周波数で変動する主磁束で回転させることから、ロータ21側にコイルを単に配置しても鎖交する磁束に変化はなく誘導電流が生じることはない。
その一方で、磁束に重畳する空間高調波成分は基本周波数と異なる周期で時間的に変化しつつロータティース22に外周面22a側から鎖交する。このことから、別途入力することなく、基本周波数の磁束に重畳する空間高調波成分はロータティース22の外周面22aの近傍に設置するコイルに効率よく誘導電流を発生させることができる。この結果、鉄損の原因となる空間高調波磁束は自己励磁するためのエネルギとして回収することができる。
ここで、上述した非特許文献1には、自己励磁技術が提案されている。この非特許文献1に記載の自己励磁技術は、ロータティース22にコイルを巻くことにより、基本周波数よりも高い周波数の磁束がロータ側コイルに鎖交することで誘導電流を発生させるものであり、その誘導電流を整流素子(ダイオード)で半波整流して戻すことにより、そのロータ側コイルを自己励磁式の電磁石として機能させるようになっている。
しかしながら、非特許文献1に記載の自己励磁技術には、次のような課題がある。
1.ロータ側のコイルとしては、誘導電流を発生させるコイルおよび整流した誘導電流を界磁電流として流すコイルとして兼用するので、磁気的な干渉が生じて効率よく誘導電流を発生させることができず、また、起磁力も非常に小さくなってしまう。
2.基本周波数よりも高い高次の磁束の高周波成分は、ロータ21(ロータティース22)に鎖交するにしても外周面22a付近に分布するのに留まるため、軸心側にコイルを配置してしまうと非常に小さな誘導電流しか発生しない。なお、ロータ側コイルは、ロータティース22の外周面22a付近に設置するにしても、現実的には無理がある。例えば、線径の細い導線の極少量を巻いてコイルとしても、導体抵抗が高くなって、その結果、銅損が増加して効率のよい電磁石として機能させるのは難しい。また、ロータ表面では、ステータ側に接触してしまう懸念も生じてしまう。
3.ステータ11側のコイルとしては、分布巻にしてしまうと、高次の高調波が磁束に重畳する傾向にあり、上述するように、高次の磁束の高周波成分ではより小さな誘導電流しか期待できない。要するに、コイルの巻き方としては、分布巻は不適当である。
4.非特許文献1では、基本周波数の2倍の高調波磁束でロータ側コイルを励磁するように説明するが、2次の高調波磁束で発生する誘導電流は整流合成したときに谷ができてしまう。また、誘導電流は磁束の時間変化が大きいほど大電流となるので、高くなり過ぎない3次程度の高調波磁束の方が有利である。
(本実施形態のリラクタンスモータの構造)
このことから、リラクタンスモータ10は、ロータティース22の隣接する側面間に形成される空間をロータスロット23として利用して、そのロータティース22に巻線を巻き付けて集中巻を形成することにより電磁石極コイル28を配置するとともに、そのロータスロット23内に誘導子極コイル27を配置する。
誘導子極コイル27は、ステータティース12の内周面12aからロータティース22の外周面22aに鎖交する磁束の空間高調波成分(磁束密度の変化)により誘導電流を発生させて、電磁石極コイル28に供給する。電磁石極コイル28は、誘導子極コイル27から受け取った誘導電流を界磁電流として自己励磁することにより、磁束(電磁力)を発生させることができる。
これにより、リラクタンスモータ10は、磁束の空間高調波成分で誘導子極コイル27に流れる誘導電流を電磁石極コイル28が受け取って磁束を発生させることができ、ロータティース22の外周面22aからステータティース12の内周面12aに鎖交させることができる。このため、主回転力を発生する電機子極コイル14の磁束とは別に鎖交する磁束が通過磁路を最短にしようとするリラクタンストルク(補助回転力)を得ることができ、ロータ21の相対回転を補助することができる。
この結果、リラクタンスモータ10は、ロータティース22のみの場合には利用することができずに、損失要因となっていた磁束の空間高調波成分をエネルギとして回収して出力することができ、ロータスロット23のみでは駆動力を発生させることができずに発生していたトルクリプルを低減することができる。
具体的には、リラクタンスモータ10は、コア材27aに集中巻線した誘導子極コイル27の全体をロータスロット23内に収容するとともに、ロータティース22の全体に集中巻を形成することにより電磁石極コイル28が配置されている。誘導子極コイル27は、電磁鋼板(磁性体)を積層したコア材27aを採用することにより、透磁率を高めて磁束を高密度に鎖交可能にしており、ステータティース12の内周面12aに極力小さなエアギャップGを介して対面させることで、より多くの空間高調波磁束を鎖交させるようになっている。誘導子極コイル27は、ステータティース12の内周面12aからロータティース22の外周面22aに鎖交する磁束の3次の空間高調波成分を有効利用するように磁界解析を行って厳密に空間高調波磁路を確認することにより、効率よく誘導電流を発生させることができるように設置している。なお、誘導子極コイル27は、電磁石極コイル28との間に必要十分な空隙を確保するようにロータティース22の間に位置するように配置されている。
このように、集中巻構造を採用することにより、誘導子極コイル27や電磁石極コイル28では、複数スロットに亘って周方向に巻線をする必要がなく、全体的に小型化することができる。また、誘導子極コイル27では、1次側での銅損損失を低減しつつ、低次である3次の空間高調波磁束の鎖交による誘導電流を効率よく発生させて、回収可能な損失エネルギを増加させることができる。
また、誘導子極コイル27には、3次の空間高調波磁束を利用することにより、上述の非特許文献1で説明する2次の空間高調波磁束を利用する場合よりも、効果的に誘導電流を発生させることができる。詳細には、誘導電流は2次よりも3次の空間高調波磁束を利用する方が磁束の時間変化を大きくして大電流にすることができ、効率よく回収することができる。なお、非特許文献1では、ロータの軸心側深部に巻線したコイルが図示されており、空間高調波の鎖交領域が考慮されておらず、有効利用できる構造になっていない。
さらに、誘導子極コイル27は、ロータティース22の外周面22aの間で、外部(ステータ11側およびロータ21軸心側)から進入する磁束の通過を制限する形態でロータスロット23内に配置されている。
詳細には、誘導子極コイル27は、コア材27aがロータスロット23の底面部を回転軸中心から外周面方向に延長して形成した支持部33に、永久磁石37A、37Bを介在(隣接)させて支持されている。
永久磁石37A、37Bは、支持部33とコア材27aの間に挟み込まれてステータ11の内周面(ステータティース12の内周面12a)に近接対面する誘導子極コイル27よりもロータ21の回転軸側に位置する形態で設置されている。この永久磁石37A、37Bは、電磁石極コイル28と同一の極数になるように設置されて、その磁化方向D1、D2がロータ21の半径方向に一致しつつ電磁石極コイル28の巻付方向に応じてロータスロット23毎に交互に切り替わるように設置されている。永久磁石37A、37Bの磁化方向D1、D2は、支持部33やコア材27a内への磁束の進入を制限する方向になるように設定されて磁気遮蔽として機能するように設置されており、ステータ11の電磁子極コイル14で発生してロータ21側に鎖交する磁束やロータ21の電磁石極コイル28で発生する磁束の磁路がロータティース22内を優先的に選択するように機能する。ここで、永久磁石37A、37Bは、誘電子極コイル27内に進入しようとする磁束を制限するだけで良いことから後述するIPMモータ100よりも極少量で十分である。
このように、誘導子極コイル27は、電磁石極コイル28に対して、磁束経路ができるだけ干渉し合わないように分割されているので、磁気的干渉を低減することができ、効率よく誘導電流を発生させることができるとともに、効果的に電磁石として機能させて磁束を発生させることができる。
また、永久磁石37Aは、図2に示すように、コア材27a内に向けて磁石磁束を進入させることができ、ステータ11側から誘導子極コイル27内に進入する電機子磁束と合成磁束を生成させてステータティース12側に戻すことができる。このため、永久磁石37Aは、誘導子極コイル27とステータティース12との間でも効果的にリラクタンストルクを発生させることができる。
また、永久磁石37Bは、ロータ22の回転軸側に向けて磁石磁束を進入させることができ、ロータ21側から誘導子極コイル27内への磁束の進入を制限してロータティース22側を磁路として選択させることができ、ステータティース12との間でより効果的にリラクタンストルクを発生させることができる。
このため、リラクタンスモータ10では、図3に示すように、ステータ11とロータ21との間で磁束を無駄なく鎖交させて周方向の電磁力を効果的に発生させることができ、効率よくロータ21を回転させることができる。
また、誘導子極コイル27は、ロータ21の径方向に対して同一の周回巻線となる集中巻に形成されており、ロータ21の周方向に配列されて並列接続されている。電磁石極コイル28は、ロータティース22の全長にわたって巻線することにより全体を有効利用して磁束を発生させる。この電磁石極コイル28は、ロータ21の径方向に対して隣同士が逆向きの周回巻線となる集中巻に形成されており、ロータ21の周方向の外周側と軸心側とを交互に接続する全直列接続にされている。
電磁石極コイル28は、図4に示すように、全直列接続されている両端部が、並列接続されている誘導子極コイル27(27A、27B)の両端部にそれぞれダイオード29(29A、29B)を介して接続されている。ダイオード29は、誘導子極コイル27や電磁石極コイル28(28A、28B)を多極化させる場合でも電磁石極コイル28を全直列させることで使用数を抑えている。このダイオード29は、大量使用を回避するために、一般的なHブリッジ型の全波整流回路を形成するのではなく、それぞれ180度位相差になるように結線して、一方を誘導電流を反転させて半波整流出力する中性点クランプ型の半波整流回路を形成している。
これにより、リラクタンスモータ10では、誘導子極コイル27が透磁率の高い電磁鋼板のコア材27aに、電磁石極コイル28との干渉なく(誘導電流の減少なく)、ステータティース12の内周面12aからロータティース22の外周面22aに鎖交する磁束の空間高調波成分を通過させて誘導電流を効率よく発生させて回収することができる。誘導子極コイル27の個々に発生させる誘導電流は、ダイオード29で整流させた後に合流させて、直列接続させている電磁石極コイル28の個々に流すことができ、その電磁石極コイル28を効果的に自己励磁させて大きな磁束(電磁力)を発生させることができる。
この結果、リラクタンスモータ10は、図9に示すリラクタンスモータ10Dでは互いに干渉して弱め合っていた磁束を、励磁用と電磁石用とで分割して独立させる誘導子極コイル27および電磁石極コイル28で、有効かつ平滑化させて利用することができ、効率よくエネルギとして回収して出力することができる。
また、誘導子極コイル27および電磁石極コイル28は、ロータ21の周方向に複数配置して多極化しているので、上述の非特許文献1に記載のような2極モータの場合よりも、ロータティース22の1歯当たりの鎖交する磁束量を周方向に分散化させることができ、個々のロータティース22に作用する電磁力(リラクタンストルク)も周方向に分散化させて電磁振動を抑えることができ、静寂化させることができる。
また、誘導子極コイル27および電磁石極コイル28は、電機子極コイル14も含めて、銅導体よりなる線材を採用して巻線形成されており、銅導体の採用により電気伝導率を高くして損失を低減することにより、効率よく誘導電流を発生させて界磁電流として利用することができる。このコイル27、28、14の線材として銅導体を採用する場合には、平角導線を採用するのが好ましく、これにより、コイル抵抗に起因する銅損や発熱損失を低減することができる。さらに、コイル27、28、14の形態としては、短辺側を内径面側になるように縦に巻いたエッジワイズコイルとすることにより、分布容量(浮遊容量)を小さくして周波数特性を向上させることができ、また、線材の周囲長が長いため表皮効果による抵抗増加を抑えて効率が低下してしまうことを抑制することができる。この結果、コイル27、28、14では、少ない銅導体量で、より多くの損失エネルギを回収可能になっている。なお、コイル27、28、14の線材は、銅導体に限るものではなく、他の目的を持って選択してもよく、例えば、比重が銅の1/3のアルミバー導体を採用して軽量化を図ってもよい。
さらに、電機子極コイル14は、ステータティース12の内周面12a側を正逆双方の周方向に突出させた鍔形状部12bを有するオープンタイプのステータスロット13に形成することにより、空間高調波磁束を効率よく誘導子極コイル27内に鎖交させるようにしている。
このような、リラクタンスモータ10としては、例えば、2.0×1.0mmの平角銅線の巻線を10ターンさせて誘導子極コイル27を形成するとともに、2.0×1.0mmの平角銅線の巻線を20ターンさせて電磁石極コイル28を形成している。なお、これらの数値は、ロータ21の外径に応じて、コイルを巻く空間スペースと主磁路の磁気飽和が起きない磁路幅を確保するなど、それぞれで許容できる最適な数値を組み合わせて設定すればよく、例えば、ステータ11の外径がφ200mmで極数12での一例を示している。
このリラクタンスモータ10では、図4の簡易モデルで示す誘導子極コイル27A、27B、電磁石極コイル28A、28Bに、図5〜図7に示す電流波形の電流が流れる。
詳細には、誘導子極コイル27Aで発生する誘導電流は、図5に示すように、ダイオード29Aで半波整流させて下流側へと供給する。誘導子極コイル27Bで発生する誘導電流は、図6に示すように、ダイオード29Bで半波整流して反転させて下流へと供給する。電磁石極コイル28A、28Bは、直列接続されていることから、図5と図6に示す誘導電流を合成した図7に示す合成波をそれぞれ界磁電流として流して電磁石として機能させることができる。要するに、誘導子極コイル27が従来には損失要因となっていた磁束の空間高調波をダイオード29A、29Bを利用してエネルギ源として回収し、電磁石極コイル28がその回収エネルギを有効利用して磁束を生成し、その磁束をステータ11の電機子極コイル14で発生する磁束に追加してロータ21を効率よく回転させる。
ところで、リラクタンスモータ10は、図5や図6に示すように、誘導子極コイル27で発生させて電磁石極コイル28に供給する界磁電流が電気角1周期中に3回の脈動が認められる3倍調波を主成分としていることが分かり、誘導子極コイル27に主に誘導電流を発生させているのは3次空間高調波磁束であることが分かる。
このことから、リラクタンスモータ10は、3次空間高調波磁束の磁路を磁界解析して磁束密度分布をベクトル表示すると、ロータ21側ではロータティース22の外周面22a付近に集中して(磁束密度が高く)、また、ステータ11側ではステータティース12の内周面12a付近に集中して鎖交していることを確認することができ(図3を参照)、ロータスロット23内の誘導子極コイル27の設置箇所付近を空間磁路としていることが分かる。このことから、リラクタンスモータ10では、そのロータティース22の間のロータスロット23内に誘導子極コイル27を配置して効果的に3次空間高調波磁束が鎖交するようにしている。
これにより、3次空間高調波磁束は、磁気飽和近くになってエアーギャップG間を介して鎖交することが抑えられることはなく、より多くを誘導子極コイル27に鎖交させて大容量の誘導電流を発生させることができる。なお、3次空間高調波磁束のベクトル分布を図示すると、図8に示すようになり、有効に誘導子極コイル27に鎖交していることが分かり、損失エネルギの回収において磁気的に悪化させる干渉は認められないことが確認できる。
なお、誘導子極コイル27は、周囲との間の磁気抵抗が小さいと、例えば、ロータティース22に磁束が大量に流れ込んで突極比を低下させてしまうことになり、リラクタンストルクを著しく減少させてしまう。また、ロータティース22に磁束が大量に流れ込むと、ステータ11とロータ21との相対的な位置関係によっては、負(逆回転)方向へのトルクが働いたり、磁気的干渉が生じてトルク低下の要因となってしまうことがある。このため、誘導子極コイル27は、ロータティース22に磁気的に結合することによる不都合を回避するために、そのロータティース22に対して磁気抵抗の高い永久磁石37を介在させることにより、磁束が通過することを制限するように独立させてロータスロット23内に配置している。
このことから、リラクタンスモータ10は、回転品質を向上させることができるとともに、IPMモータと遜色のないトルクが得られる。
具体的には、一般的なリラクタンスモータの改良版である、支持部33や永久磁石37A、37Bが配置されていない図9に示すリラクタンスモータ10Dと、ロータティースを形成することなく、ロータ側にはV字に永久磁石137を埋め込んだ図10に示す所謂IPMモータ100と、を比較することにより明らかである。
例えば、トルクを示す図11を確認すると、リラクタンスモータ10は、回転を開始して安定回転に移行した後には、リラクタンスモータ10Dよりも大きくトルクを向上させてIPMモータ100と同等になり、また、トルクリプルはリラクタンスモータ10Dよりも大きく抑えてIPMモータ100よりも小さくすることができている。
また、電磁石極コイル28での界磁電流特性を示す図12を確認すると、リラクタンスモータ10は、従来、損失となっていた空間高調波成分を界磁エネルギ源としてリラクタンスモータ10Dよりも効果的に回収するとともに、その界磁電流の脈動も大幅に低減できていることが分かる。
この結果、リラクタンスモータ10は、トルクリプルに起因して発生するステータ11の電磁振動(収縮・膨張をするk=0の振動モード)も低減させて、モータの電磁振動および電磁騒音も低減できる。
すなわち、リラクタンスモータ10は、同一のコアサイズ(ロータ径)のリラクタンスモータ10DとIPMモータ100よりも高品質な回転と高トルクを得ることができ、IPMモータ100よりも永久磁石の使用量を低減しつつ、同一の駆動条件で同等のトルク密度で回転させることができる。
また、所謂、集中リラクタンスモータは、一般的に、構造的な要因に起因して磁気抵抗の変動に伴う脈動が大きいことから、その脈動の低減が難しかった。しかしながら、リラクタンスモータ10は、損失エネルギで励磁する誘電子極コイル27と、その励磁エネルギで自己励磁可能な電磁石極コイル28とを備えるのに加えて、その誘電子極コイル27とロータ21との間に極少量の永久磁石37A、37Bを挟み込むだけで、トルク低下の要因を極力小さくして電機子反作用を最大限に利用することができ、トルクリプルをIPMモータ100よりも大幅に低減することができる。
ここで、リラクタンスモータは、一般的に、ステータ11とロータ21との間で磁気結合しつつ相対回転することにより周方向の電磁力を発生させて所望のトルクで回転するが、図9に示すリラクタンスモータ10Dでは、誘電子極コイル27に鎖交する磁束がロータ21の内部(回転軸側)に流れて径方向に還流することを抑制するために、その誘電子極コイル27を単に磁気的に独立させる構造としていた。
しかし、このような構造では、誘電子極コイル27に鎖交した磁束を積極的にステータ11側に戻して磁気結合させることができず、ステータティース12と誘電子極コイル27との間で磁気結合するにしても全周に亘って効率的に磁気力が発生しておらず、相対的な位置関係によっては半分(6極/12極)のトルクしか得られていないタイミングが存在する。このため、磁気抵抗の脈動も誘電子極コイル27を設置するだけでは十分に低減することができていない。
これに対して、本実施形態のリラクタンスモータ10では、突極比を下げることなく周方向の磁気力を増加させるために、永久磁石37A、37Bを挟み込む形態で設置するだけで、誘電子極コイル27に鎖交する磁束をステータ11側に戻して効果的に磁気結合させることができ、磁気抵抗に起因する脈動を小さくするとともに、全周に亘って周方向の電磁力を発生させて高品質かつ高トルクで回転させることができる。
そして、リラクタンスモータ10は、3f次の空間高調波磁束(f=1、2、3・・・)を主に利用する構造として、ロータ21側の突極(ロータティース22)の数P:ステータ11側のステータスロット13の数Sが2:3になる構造に作製されている。例えば、3次の空間高調波磁束は、電機子極コイル14に入力する基本周波数よりも周波数が高いために短周期で脈動する。このため、ロータ21は、ロータティース22間の誘導子極コイル27に鎖交する磁束強度が変化することにより、効率的に誘導電流を発生させて、基本周波数の磁束に重畳する空間高調波成分の損失エネルギを効率よく回収して回転することができる。
また、このように、リラクタンスモータ10は、ロータ21側とステータ11側の間での相対的な磁気的作用の品質を決定する構造として、ロータティース突極数Pとステータスロット数Sの比としてP/S=2/3を採用するのは、電磁振動を低減して電磁騒音の小さな回転を実現するためである。
詳細には、上記と同様に磁束密度分布の磁界解析をすると、ロータティース突極数Pとステータスロット数Sの比に応じて、機械角360度内の周方向に磁束密度分布も分散化されるため、ステータ11に働く電磁力分布にも偏在が認められることになる。
これに対して、リラクタンスモータ10では、ロータティース突極数8とステータスロット数12を組み合わせる8P12S(P/S=2/3)構造を採用することにより、機械角360度の全周に亘って均等な密度分布となる磁束を鎖交させることができ、ロータ21をステータ11内で高品質に回転させることができる。
これにより、リラクタンスモータ10では、空間高調波磁束を損失とすることなく利用して、回転動作させることができ、損失エネルギを効率よく回収して、電磁振動を大幅に低減し静寂性高く回転させることができる。
本実施形態の他の態様としては、永久磁石37A、37Bのみで誘導子極27のコア材27a内に外部から進入しようとする磁束を制限するだけでなく、図13に示すように、永久磁石37A、37Bに代えて、永久磁石57A、57Bを設置するとともに、支持部33にコイルを巻き付けて補助子極コイル77を形成してもよい。この場合、永久磁石57A、57Bは、磁気抵抗を確保する程度の厚さにするとともに、補助子極コイル77には足りなくなる磁束を発生させるようにする。これにより、永久磁石37A、37Bよりも極少量の永久磁石57A、57Bと補助子極コイル77とが、永久磁石37A、37Bと同等に機能して、誘導子極27のコア材27a内に外部から磁束が進入しようとするのを制限することができる。
また、リラクタンスモータ10のようなラジアルギャップ構造の場合には、ステータ11やロータ21を電磁鋼板の積層構造で作製することが多用されているが、これに限るものではなく、例えば、鉄粉などの磁性を有する粒子の表面を絶縁被覆処理した軟磁性複合粉材(SoftMagnetic Composites)をさらに鉄粉圧縮成形および熱処理製造した圧粉磁心、所謂、SMCコアを採用してもよい。
さらに、リラクタンスモータ10のようなラジアルギャップ構造に限らずに、アキシャルギャップ構造に作製してもよい。この場合には、例えば、図14に示すマルチギャップ型構造に作製すればよい。このマルチギャップ型構造では、ステータ11側にはロータ21の軸方向端面側に対面するアキシャルステータ31を形成して、延長した電機子極コイル14´を巻き掛ける。また、ロータ21側には、軸方向端面側でそのアキシャルステータ31に対面する誘導子極コイル47をコア材47aに巻き掛ける構造を追加し、そのコア材47aとの間に不図示の永久磁石を挟み込ませればよい。
扁平の大径モータ構造に作製する場合には、インナステータとアウタステータとの間に回転自在にロータを収容するダブルギャップ型モータ構造を採用してもよい。このダブルギャップ型モータ構造では、例えば、図15に示すように、インナステータ51に対面するロータ61の内周面側には永久磁石87を本実施形態と同様に挟み込む形態で誘導子極コイル67を配置して損失エネルギを回収するとともに、アウタステータ71に対面するロータ61の外周面側には電磁石極コイル68を配置して回収誘導電流を界磁電流としてトルクを発生させる。
さらに、リラクタンスモータ10は、車載用に限定されるものではなく、例えば、風力発電や、工作機械などの駆動源として好適に採用することができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
10 リラクタンスモータ
11 ステータ
12 ステータティース
12a 内周面
13 ステータスロット
14 電機子極コイル
21 ロータ
22 ロータティース
22a 外周面
23 ロータスロット
27、27A、27B 誘導子極コイル
27a コア材
28、28A、28B 電磁石極コイル
29、29A、29B ダイオード
33 支持部
37、37A、37B 永久磁石

Claims (4)

  1. 複数相の駆動電流を入力する電機子極コイルが設けられているステータと、前記電機子極コイルに発生する磁束を鎖交させることで主回転力を受ける複数の突極を設けられているロータと、を備えるリラクタンスモータであって、
    前記ロータは、
    前記ステータの内周面に向かって延在して該内周面に外周面を対面させる複数本のロータティースと、
    当該ロータティースの間に形成されて該ロータティースにコイルを巻き掛ける空間のロータスロットと、
    前記電機子極コイルの生成する前記磁束に重畳する空間高調波成分が前記ロータ側に鎖交する前記ロータスロット内の磁路上に配置されて該磁束の空間高調波成分により誘導電流を発生させる誘導子極コイルと、
    前記誘導子極コイルで発生した前記誘導電流を整流する整流素子と、
    前記ロータティースに巻き掛けられて前記整流素子で整流された前記誘導電流を界磁電流として通電され自己励磁することにより前記主回転力を補助する補助回転力となる電磁力を発生させる電磁石極コイルと、
    前記ロータと前記ステータとの間で鎖交する前記磁束が前記誘導子極コイル内に進入して通過しようとするのを制限する永久磁石と、
    を有することを特徴とするリラクタンスモータ。
  2. 前記永久磁石の磁化方向が前記ロータの半径方向に一致しつつ前記電磁石極コイルの前記ロータティースへの巻付方向に応じて前記ロータスロット毎に交互に切り替わることを特徴とする請求項1に記載のリラクタンスモータ。
  3. 前記誘導子極コイルは、前記ロータスロット内の前記ステータの内周面に近接する位置に設置され、
    前記永久磁石は、前記誘導子極コイルに隣接して前記ロータの回転軸側に設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のリラクタンスモータ。
  4. 前記永久磁石は、
    前記ロータスロットの底部中心から前記ロータの外周面側に向かって延長されている支持部と前記誘導子極コイルのコア材との間に挟まれる形態で支持されていることを特徴とする請求項3に記載のリラクタンスモータ。
JP2013141792A 2013-07-05 2013-07-05 リラクタンスモータ Active JP6115360B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013141792A JP6115360B2 (ja) 2013-07-05 2013-07-05 リラクタンスモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013141792A JP6115360B2 (ja) 2013-07-05 2013-07-05 リラクタンスモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015015846A JP2015015846A (ja) 2015-01-22
JP6115360B2 true JP6115360B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=52437178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013141792A Active JP6115360B2 (ja) 2013-07-05 2013-07-05 リラクタンスモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6115360B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7264045B2 (ja) 2019-12-25 2023-04-25 トヨタ自動車株式会社 電池パックの固定構造

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6464917B2 (ja) * 2015-05-13 2019-02-06 株式会社デンソー 界磁巻線型同期機
JP6579379B2 (ja) 2015-12-21 2019-09-25 株式会社デンソー 界磁巻線型同期機駆動システム
JP2017169281A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 スズキ株式会社 回転電機
JP6668844B2 (ja) * 2016-03-14 2020-03-18 スズキ株式会社 回転電機
CN108631463B (zh) * 2017-03-16 2024-03-05 上海艾高实业有限公司 一种多边励磁永磁电机
CN111092499B (zh) * 2019-12-31 2021-11-05 南京航空航天大学 一种谐波激磁电励磁双凸极电机及其控制方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3450710B2 (ja) * 1997-10-24 2003-09-29 オークマ株式会社 スウィッチトリラクタンスモータ
JP5302527B2 (ja) * 2007-10-29 2013-10-02 株式会社豊田中央研究所 回転電機及びその駆動制御装置
JP5827026B2 (ja) * 2011-04-07 2015-12-02 トヨタ自動車株式会社 回転電機及び回転電機駆動システム
JP5760895B2 (ja) * 2011-09-22 2015-08-12 トヨタ自動車株式会社 回転電機制御システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7264045B2 (ja) 2019-12-25 2023-04-25 トヨタ自動車株式会社 電池パックの固定構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015015846A (ja) 2015-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6142601B2 (ja) リラクタンスモータ
JP6303311B2 (ja) シンクロナスリラクタンスモータ
JP6115360B2 (ja) リラクタンスモータ
JP6638202B2 (ja) アキシャルギャップ型の回転電機
JP6332011B2 (ja) アキシャルギャップ型の回転電機
JP4489002B2 (ja) ハイブリッド励磁回転電機、及びハイブリッド励磁回転電機を備えた車両
JP6326938B2 (ja) 電動回転機
US7902700B1 (en) Low harmonic loss brushless motor
JP7354537B2 (ja) 回転電機
CN104584392B (zh) 旋转电机及其制造方法
JP6331949B2 (ja) モータ
JP2009247046A (ja) 回転電機
CN105939067B (zh) 旋转电机和旋转电机的电流输入控制方法
JP2014176284A (ja) ダブルステータ型スイッチトリラクタンス回転機
JP5782850B2 (ja) 電磁石型回転電機
JP6308076B2 (ja) 回転電機
JP6755435B1 (ja) 回転子および回転電機
US20130234554A1 (en) Transverse flux machine apparatus
Awah et al. Comparative study of high performance double-stator switched flux permanent magnet machines
JP2007202292A (ja) 励磁機
JP2017050945A (ja) 回転電機
JP5694062B2 (ja) 電磁石型回転電機
JP6344144B2 (ja) リラクタンスモータ
JP2017184532A (ja) 回転電機
JP7355100B2 (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170306

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6115360

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151