JP2018153029A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】無負荷時に高速回転による誘起電圧を低減でき、負荷時に所望の回転数とトルクを得ることができる回転電機を提供すること。【解決手段】ロータ20において、ロータコア21の隣り合う突極22の間には、ロータ20の外周面における一方の突極22の近傍からq軸を跨いで他方の突極22の近傍に向かって延伸する第1のバイパス路BP1が設けられている。第1のバイパス路BP1には、第1のバイパス路BP1の延伸方向に磁極を向くように第1の永久磁石PM1が配置されている。ロータコア21と第1のバイパス路BP1との間には、第1のバイパス路BP1に沿うように第1のフラックスバリアFB1が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両の駆動源に用いられる回転電機として、永久磁石型同期モータが知られている。永久磁石型同期モータは、車両の走行状態によって動作点が異なる。例えば、車両の発進時は高トルク領域の動作点を用い、車両の市街地走行時は低トルク領域の動作点を用い、車両の高速走行時は高速領域の動作点が用いられる。
従来のこの種の回転電機として、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のものは、回転子が形成する1つの磁極から他の磁極へ永久磁石の磁束をバイパスさせるバイパス路を備えている。
特許6033424号公報
ところで、特許文献1に記載の回転電機のようにバイパス路を備える回転電機においては、バイパス路を通る永久磁石の磁束量を電機子コイルの磁束で強める強め界磁制御を行い、永久磁石の磁束を変化させて所望の動作点を得ることが考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載の回転電機にあっては、電機子コイルに電流を流していない無負荷状態では、永久磁石の磁束は正弦波状にステータ側に鎖交するため、無負荷状態での高速回転時において電機子コイルに誘起電圧が発生してしまう。誘起電圧が発生すると、この誘起電圧がインバータの電源電圧を超えないようにモータ回転数を制限しなければならず、モータの動作点が狭くなってしまう。
また、特許文献1に記載の回転電機にあっては、電流位相角を進角させた場合に磁石磁束の漏れ磁束量が大きく変化し、十分にマグネットトルクを活用することができない。さらに、特許文献1に記載の回転電機にあっては、d軸上に磁気抵抗が高い永久磁石を配置し、q軸上に外側磁気的空隙部を配置しているので、d軸とq軸の磁気抵抗が同等になり、d軸とq軸の磁気抵抗比率である突極比が低下し、リラクタンストルクが低下してしまう。
したがって、特許文献1に記載の回転電機にあっては、モータの動作点が狭くなってしまい、リラクタンストルクを有効に活用することができず、出力トルク及び効率が低下してしまう。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、無負荷時に高速回転による誘起電圧を低減でき、負荷時に所望の回転数とトルクを得ることができる回転電機を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、電機子コイルを有するステータと、ロータコアおよび永久磁石を有するロータと、を備える回転電機であって、前記ロータコアの隣り合う突極の間に、前記ロータの前記ステータとの対向面における一方の突極の近傍からq軸を跨いで他方の突極の近傍に向かって延伸する第1のバイパス路が設けられ、前記第1のバイパス路に、前記第1のバイパス路の延伸方向に磁極を向くように前記永久磁石としての第1の永久磁石が配置され、前記ロータコアと前記第1のバイパス路との間に、前記第1のバイパス路に沿うように第1のフラックスバリアが設けられている構成を有する。
本発明によれば、無負荷時に高速回転による誘起電圧を低減でき、負荷時に所望の回転数とトルクを得ることができる。
図1は、本発明の第1実施例に係る回転電機を回転軸に直交する平面で切断した断面図である。 図2は、本発明の第1実施例に係る回転電機の一部を拡大した断面図である。 図3は、本発明の第1実施例に係る回転電機における、無負荷時の磁束ベクトルを示す図である。 図4は、本発明の第1実施例に係る回転電機における、無負荷時の誘起電圧を示す図である。 図5は、本発明の第1実施例に係る回転電機における、負荷時の誘起電圧を示す図である。 図6は、本発明の第1実施例に係る回転電機における、d−q座標上に電機子電流(id)およびq軸電流を表したベクトル図である。 図7は、本発明の第1実施例に係る回転電機における、電流位相とトルクの関係を示すトルク特性図である。 図8は、本発明の第1実施例に係る回転電機における無負荷時の磁束ベクトルを示す図であり、(a)は電気角−90[deg]における磁束ベクトルを示し、(b)は電気角−60[deg]における磁束ベクトルを示し、(c)は電気角−30[deg]における磁束ベクトルを示し、(d)は電気角0[deg]における磁束ベクトルを示す。 図9は、本発明の第2実施例に係る回転電機の一部を拡大した断面図である。 図10は、本発明の第3実施例に係る回転電機の一部を拡大した断面図である。
本発明の一実施の形態に係る回転電機は、電機子コイルを有するステータと、ロータコアおよび永久磁石を有するロータと、を備える回転電機であって、ロータコアの隣り合う突極の間に、ロータのステータとの対向面における一方の突極の近傍からq軸を跨いで他方の突極の近傍に向かって延伸する第1のバイパス路が設けられ、第1のバイパス路に、第1のバイパス路の延伸方向に磁極を向くように永久磁石としての第1の永久磁石が配置され、ロータコアと第1のバイパス路との間に、第1のバイパス路に沿うように第1のフラックスバリアが設けられていることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る回転電機は、無負荷時に高速回転による誘起電圧を低減でき、負荷時に所望の回転数とトルクを得ることができる。
以下、本発明に係る回転電機の第1実施例について、図面を用いて説明する。
図1、図2に示すように、本実施例に係る回転電機1は、永久磁石をロータ内部に埋め込んだ埋込磁石同期回転電機(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor:以下、IPMSMという)である。回転電機1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車に搭載するのに好適な性能を有している。
回転電機1は、環状に形成されたステータ10と、ステータ10内に回転自在に収容されたロータ20とを備えている。ロータ20は、軸心Oを中心に回転する回転軸2に固定されており、回転軸2と一体回転するようになっている。
ステータ10は、図示しないモータケースに固定されている。ステータ10は、高透磁率の磁性材料からなる環状のステータコア11を備えている。ステータコア11は、回転軸2の軸線に沿った軸方向に電磁鋼板を積層したものからなる。
ステータコア11には、径方向の内方側に突出したステータティース12が周方向に沿って複数(本実施例では48)設けられている。周方向に隣り合うステータティース12の間には、溝状の空間であるスロット13が形成されている。
ここで、径方向とは、上述の軸方向と直交する方向を示す。径方向の内方側とは、径方向において回転軸2に近い側を示し、径方向の外方側とは、径方向において回転軸2から遠い側を示す。周方向とは、回転軸2を中心とする円周方向を示す。
ステータコア11の各スロット13には、ステータコア11の周方向に沿ってW相、V相、U相の三相の電機子コイル14がそれぞれ配置されている。W相、V相、U相の各電機子コイル14は、それぞれのステータティース12に分布巻されている。
ステータ10は、電機子コイル14に三相交流が供給されることで、周方向に回転する回転磁界を発生させる。ステータ10で発生した磁束は、ロータ20に鎖交するようになっている。これにより、ステータ10は、ロータ20を回転させることができる。電機子コイル14には、この電機子コイル14に流れる電流を制御するためのインバータ(不図示)が接続されており、インバータは、電機子コイル14に供給される三相交流、すなわち供給電機子電流の振幅および位相を制御する。
ロータ20は、環状のロータコア21を備えている。ロータコア21は、回転軸2の軸線に沿った軸方向に、高透磁率の磁性材料である電磁鋼板を積層したものからなる。
ロータコア21の外周面には、ロータ20の周方向に沿って複数(8つ)の突極22が等間隔で形成されている。突極22は、径方向外方、すなわちステータ10方向に突出している。隣り合う突極22は、周方向に機械角で45[deg]離れている。
ここで、ロータコア21と突極22とは、一体で構成されており磁気的にも結合されている。このため、本実施例におけるロータコア21は、複数の突極22の基部を機械的および磁気的に結合するヨーク部として機能する。
本実施例において、突極22を通る軸をd軸とし、このd軸と電気的および磁気的に直交する軸(電気角で90[deg]離れた軸)をq軸とする。本実施例において、q軸は、d軸から周方向に機械角で22.5[deg]離れており、周方向に隣り合う突極22の中間を通過する。
ロータコア21の隣り合う突極22の間には、第1のバイパス路BP1が設けられている。第1のバイパス路BP1は、ロータ20の外周面における一方の突極22の近傍からq軸を跨いで他方の突極22の近傍に向かって延伸している。ここで、本実施例のロータ20はインナロータ型のラジアルギャップロータであるため、ロータ20の外周面はステータ10との対向面を構成している。また、突極22の「近傍」の範囲は、隣り合う突極22同士の間であって、d軸である突極22からq軸の間である。すなわち、一方(他方)の突極22の近傍とは、当該突極22とq軸との間の空間を意味する。
より詳しくは、第1のバイパス路BP1は、ロータ20の外周面における一方の突極22の先端部の近傍において、突極22と平行に径方向内方に延伸している。その後、第1のバイパス路BP1は、一方の突極22の基部の近傍から、q軸を跨いで他方の突極22の基部の近傍に向かって周方向に延伸している。その後、第1のバイパス路BP1は、他方の突極22の基部の近傍から先端部の近傍まで突極22と平行に径方向外方に延伸している。
言い換えれば、第1のバイパス路BP1は、隣り合う一方の突極22の先端の側部から、ロータコア21の内周部を経て、他方の突極22の先端の側部に向かうように、U字状に湾曲している。
第1のバイパス路BP1には、第1のバイパス路BP1の延伸方向に磁極を向くように第1の永久磁石PM1が配置されている。第1の永久磁石PM1はq軸の近傍に配置されている。図2において、突極22を挟んで隣り合う2つの第1の永久磁石PM1は、何れもロータ20の外周側がN極になるように、それぞれの第1のバイパス路BP1に配置されている。突極22の幅は第1の永久磁石PM1の磁極幅よりも大きくされている。ここで、突極22の幅とは、突極22の突出方向を横切る面の長さであり、突極22の周方向の長さに等しい。磁極幅とは、永久磁石(ここでは第1の永久磁石PM1)の磁極の面の幅である。
ロータコア21と第1のバイパス路BP1との間には、第1のバイパス路BP1に沿うように第1のフラックスバリアFB1が設けられている。第1のフラックスバリアFB1は、磁束の回り込みを防止するものであり、透磁率の低い物質(本実施例では空気)から構成されている。
また、ロータコア21には、第1のバイパス路BP1に沿って、第2のバイパス路BP2が設けられている。第2のバイパス路BP2は、ロータ20の外周面における一方の突極22の近傍からq軸を跨いで他方の突極22の近傍に向かって延伸している。
第2のバイパス路BP2には、第2のバイパス路BP2の延伸方向に磁極を向くように第2の永久磁石PM2が配置されている。第2の永久磁石PM2はq軸の近傍に配置されている。図2において、突極22を挟んで隣り合う2つの第2の永久磁石PM2は、何れもロータ20の外周側がN極になるように、それぞれの第2のバイパス路BP2に配置されている。突極22の幅は第2の永久磁石PM2の磁極幅よりも大きくされている。
第1のバイパス路BP1と第2のバイパス路BP2との間には、第2のフラックスバリアFB2が設けられている。第2のフラックスバリアFB2は、磁束の回り込みを防止するものであり、透磁率の低い物質(本実施例では空気)から構成されている。
この第2のバイパス路BP2も、第1のバイパス路BP1と同様に、隣り合う一方の突極22の先端の側部から、ロータコア21の内周部を経て、他方の突極22の先端の側部に向かうように、U字状に湾曲している。
ロータ20の表面近傍における第2のバイパス路BP2に囲まれる部位には、空気層23が設けられており、この空気層23によって磁束の回り込みが防止される。
このように、ロータコア21には、第1の永久磁石PM1を備える第1のバイパス路BP1と、第2の永久磁石PM2を備える第2のバイパス路BP2とが層をなして2層形成されている。これにより、第1の永久磁石PM1の磁石磁束と第2の永久磁石PM2の磁石磁束とが、第1のバイパス路BP1と第2のバイパス路BP2とをそれぞれ通って流れやすくなり、これらの磁石磁束をロータ20内で短絡しやすくできる。
前述したように、ロータ20において、q軸は第1のフラックスバリアFB1および第2のフラックスバリアFB2を跨いでおり、q軸上には第1の永久磁石PM1および第2の永久磁石PM2が配置されている。このため、突極22のあるd軸においては磁束が通過しやすいが、第1のフラックスバリアFB1および第2のフラックスバリアFB2があるq軸方向においては磁束が通過しにくい。
すなわち、突極22を通るd軸方向のインダクタンス(d軸インダクタンスLd)は、q軸方向のインダクタンス(q軸インダクタンスLq)よりも大きい。したがって、ロータ20は順突極構造(Ld>Lq)であり、ハイブリッド車両等において今日一般的に用いられている逆突極構造(Ld<Lq)の回転電機とは異なっている。
順突極構造では、永久磁石PM1が発生するマグネットトルクに加えて、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとの差に応じたリラクタンストルクを発生することができる。
次に、図3から図8を参照して、本実施例に係る回転電機1の動作と作用効果について説明する。
回転電機1が無負荷状態で高速回転しているとき(無負荷時)は、図3に示すように、第1の永久磁石PM1を備えた第1のバイパス路BP1とステータ10の間、および、第2の永久磁石PM2を備えた第2のバイパス路BP2とステータ10の間において、第1の永久磁石PM1および第2の永久磁石PM2によって短絡磁路が形成される。
このため、図4に示すように、ロータ20に発生する誘起電圧は、d軸の突極22の部分(電気角90[deg]の部分)で中央部分(正弦波の頂点に相当する部分)が大きく凹んだ状態の、歪んだ電圧波形になる場合がある。
そこで、本実施例では、無負荷状態における電機子コイル14の非通電時は、磁石磁束に逆相3倍調波が重畳するようにロータ界磁磁束を形成することで、誘起電圧を低減し、電圧波形の歪を低減している。ここで、逆相3倍調波とは、同期回転する周波数で変動する磁束波形である基本波に対して、逆相かつ3倍の周波数を有する磁束を意味する。また、3倍とは、略3倍も含む。磁石磁束に重畳する逆相3倍調波は、順突極構造(Ld>Lq)にされたロータ20の周方向のインダクタンス分布に起因している。すなわち、ロータ20の周方向のインダクタンス分布は、d軸において凹み(インダクタンスが高い)、q軸において突起した(インダクタンスが低い)分布となる。
一方、回転電機1が負荷を受けた状態で低速回転しているとき(負荷時)は、本実施例では、3倍調波を打ち消して磁石磁束と電機子磁束の合成磁束が正弦波となるように、電機子コイル14から電機子磁束を発生させている。なお、ここでいう正弦波は、略正弦波も含む。
これにより、d軸電流によってd軸の突極22の部分が磁化されるため、図5に示すように、ロータ20に発生する誘起電圧は正弦波に近い波形となり、波形の歪は発生しない。
本実施例の回転電機1は、順突極性(Ld>Lq)の構造のロータ20を備えているため、図6に示すd−q座標において、d軸電流(id)が正の値かつ、q軸電流(iq)が正の値となる第1象限(+idかつ+iq)に電流ベクトルを配置するようにして駆動される。すなわち、この回転電機1では、磁石磁束ベクトルと同方向にd軸電流(id)を通電することで、強め界磁を行いながらトルクを発生させている。
図7は、電機子コイル14のピーク電流(Apk)の電流位相とロータ20のトルクとの関係を示すトルク特性図である。図7に示すように、電流が大きいほど大きなトルクを得ることができる。また、電流位相が−30のとき最も大きいトルクを得ることができる。このことからリラクタンストルクを活用し、かつ、順突極特性を備えていることを確認できる。
図8は、無負荷時の磁束ベクトルを表している。図8において(a)、(b)、(c)、(d)は、電気角が−90[deg]、−60[deg]、−30[deg]、0[deg]における磁束ベクトル分布をそれぞれ示している。図8において、−90[deg]がd軸に対応し、0[deg]がq軸に対応する。
図8に示すように、磁束はロータ20内の各バイパス路を最短経路で流れようとする特性があり、この特性によりリラクタンストルクが発生する。図8(a)から図8(d)の何れにおいても、ステータ10で発生した磁束は、第1のバイパス路BP1および第2のバイパス路BP2を通過している。一方、図8(a)では、ロータコア21から突極22を通ってステータ10に出て行く磁束が多く、図8(d)に示す0[deg]では、ステータ10から突極22を通ってロータコア21に入っていく磁束が多くなっている。
本実施例では、電機子電流の振幅および位相を制御することによってロータ界磁量を調整できる。また、永久磁石が減磁するリスクを大幅に減らすことができ、保持力の弱い安価な永久磁石を採用することができる。
回転電機1において、電機子コイル14の各相の線間電圧は直流バス電圧により制約される。本実施例では、線間電圧が電圧制限に達した場合、d軸電流(id)をq軸電流(iq)側に進角させて0に近づけるようになっている。これにより、界磁調整を容易に行うことができ、ロータ20の回転速度の可変速特性を拡大できる。
一方、逆突極性を有する回転電機においては、第2象限において、負のd軸電流(−id)によってロータ界磁磁束ベクトルに対して反磁界になるようにd軸電流ベクトルを大きくさせ、磁束を打ち消し合うことで弱め界磁を実現している。
しかし、逆突極性を有する回転電機は、弱め界磁のために負のd軸電流(−id)を用いているため効率が悪化してしまう。また、逆突極性を有する回転電機は、磁束波形が大きく歪むことにより鉄損が大幅に増加してしまう。また、逆突極性を有する回転電機は、磁束波形の歪によって、空間高調波が増加し、トルクリプル、電磁振動および振動が増加してしまう。
これに対し、本実施例の回転電機1は、順突極性を有することからd軸電流で強め界磁を行いながらq軸電流でトルクを発生させること、またはd軸電流の振幅を減少させることによって、d軸磁化量を調整できる。このため、トルクに直接寄与しないd軸電流が減少し、効率を増加させることができる。
また、本実施例の回転電機1は、磁束を打ち消し合う弱め界磁を行いながら駆動するのではなく、d軸電流で磁束をアシストする強め界磁を行いながら駆動できるため、永久磁石の使用量を低減できる。また、永久磁石の使用量を低減できるため、永久磁石で発生する渦電流を低減できる。
このように、本実施例では、ロータ20を順突極構造にしたこと、および隣り合う突極22間に磁石磁束のバイパス路を設けたことにより、d軸電流によって強め界磁調整ができる。このため、簡易な構造で、ロータ界磁磁束を調整でき、可変速特性を向上でき、高効率領域を増加させることができる。
また、永久磁石の使用量を減少させることができ、低コストで回転電機1を制作できる。
以上のように、本実施例に係る回転電機1において、ロータコア21の隣り合う突極22の間には、ロータ20の外周面における一方の突極22の近傍からq軸を跨いで他方の突極22の近傍に向かって延伸する第1のバイパス路BP1が設けられている。
また、第1のバイパス路BP1には、第1のバイパス路BP1の延伸方向に磁極を向くように永久磁石としての第1の永久磁石PM1が配置されている。そして、ロータコア21と第1のバイパス路BP1との間には、第1のバイパス路BP1に沿うように第1のフラックスバリアFB1が設けられている。
これにより、ロータ20が高速回転する無負荷時は、d軸を中心に凹状となる逆相3倍調波をロータ20で発生させることができる。このため、ロータ20の高速回転時に生ずる誘起電圧を小さくでき、ロータ20の最大回転数を大きくでき、回転電機の動作点を広げることができる。
また、本実施例に係る回転電機1において、ロータコア21には、第1のバイパス路BP1に沿って、第2のバイパス路BP2が設けられている。第2のバイパス路BP2は、ロータ20の外周面における一方の突極22の近傍からq軸を跨いで他方の突極22の近傍に向かって延伸している。第2のバイパス路BP2には、第2のバイパス路BP2の延伸方向に磁極を向くように第2の永久磁石PM2が配置されている。第1のバイパス路BP1と第2のバイパス路BP2との間には、第2のフラックスバリアFB2が設けられている。
これにより、永久磁石を備えるバイパス路が2層形成されているので、各バイパス路の永久磁石の磁石磁束が、各バイパス路を通ってロータコア21に流れやすくなり、磁石磁束をロータ20内で短絡しやすくできる。
また、本実施例に係る回転電機1において、電機子コイル14は、磁石磁束に重畳する逆相3倍調波との合成磁束が正弦波となるような電機子磁束を、負荷時に発生する。
これにより、負荷時において、3倍調波を打ち消して磁石磁束と合成磁束とが正弦波となる位相の電流を電機子コイル14に通電することで、所望の回転数とトルクを得ることができる。
また、本実施例に係る回転電機1において、永久磁石はq軸の近傍に配置されている。
これにより、第1の永久磁石PM1および第2の永久磁石PM2が第1のバイパス路BP1および第2のバイパス路BP2においてロータ20の径方向内方に配置されることになり、これらの永久磁石と電機子コイル14との距離を大きくできる。この結果、ステータ10側で生ずる高調波磁束が永久磁石に作用しにくくなり、高調波磁束の作用により永久磁石内でうず電流が発生してうず電流による発熱によって永久磁石が減磁してしまうことを低減することができる。
本実施例に係る回転電機1において、突極22の幅が永久磁石の磁極幅よりも大きくされている。
これにより、永久磁石の磁束が突極22に流れてロータ20内に短絡しやすい。この結果、弱め界磁した場合、突極22に永久磁石磁束および電機子磁束が流れることで突極22が磁気飽和することを低減することができ、永久磁石をロータ20内に短絡させやすくできる。
次に、本発明に係る回転電機の第2実施例について、図面を用いて説明する。第2実施例は、第1実施例から第2のバイパス路BP2を取り去って第1のバイパス路BP1だけを備えるようにした構成を例示するものである。第2実施例は、1つのパイパス磁路を備える点で第1実施例と異なり、他の構成は同一であるため、第1実施例との差異について説明する。
図9に示すように、ロータ20には、ロータコア21の隣り合う突極22の間に第1のバイパス路BP1が設けられている。第1のバイパス路BP1は、ロータ20の外周面における一方の突極22の近傍からq軸を跨いで他方の突極22の近傍に向かって延伸している。
また、第1のバイパス路BP1には、第1のバイパス路BP1の延伸方向に磁極を向くように永久磁石としての第1の永久磁石PM1が配置されている。そして、ロータコア21と第1のバイパス路BP1との間には、第1のバイパス路BP1に沿うように第1のフラックスバリアFB1が設けられている。
なお、ロータ20の表面近傍における第1のバイパス路BP1に囲まれる部位には、第1実施例の空気層23と同様の空気層24が設けられており、この空気層24によって磁束の回り込みが防止される。また、本実施例は、第1実施例に比べて構造がシンプルであるため、ロータ20を製造しやすい。
以上のように、本実施例に係る回転電機1において、ロータ20が高速回転する無負荷時は、d軸を中心に凹状となる逆相3倍調波をロータ20で発生させることができる。このため、ロータ20の高速回転時に生ずる誘起電圧を小さくでき、ロータ20の最大回転数を大きくでき、回転電機の動作点を広げることができる。
次に、本発明に係る回転電機の第3実施例について、図面を用いて説明する。第3実施例は、第1実施例に第3のバイパス路を追加した構成を例示するものである。第3実施例は、3つのパイパス磁路を備える点で第1実施例と異なり、他の構成は同一であるため、第1実施例との差異について説明する。
図10に示すように、ロータ20には、第3のバイパス路BP3が設けられている。第3のバイパス路BP3は、第1のバイパス路BP1と第2のバイパス路BP2との間に配置されている。第3のバイパス路BP3は、ロータ20の外周面における一方の突極22の近傍からq軸を跨いで他方の突極22の近傍に向かって延伸している。
また、第1のバイパス路BP1と第2のバイパス路BP2との間には、第3のフラックスバリアFB3が設けられている。第3のバイパス路BP3は、第2のフラックスバリアFB2と第3のフラックスバリアFB3との間に設けられている。
なお、ロータ20の表面近傍における第2のバイパス路BP2に囲まれる部位には、第1実施例の空気層23と同様の空気層25が設けられており、この空気層25によって磁束の回り込みが防止される。
以上のように、本実施例に係る回転電機1において、無負荷時に第3のバイパス路BP3が永久磁石の磁束をロータ20内で短絡する経路として機能するため、無負荷状態で永久磁石が高速回転しているときに、電機子コイル14に発生する誘起電圧を低減することができる。このため、回転電機1の許容回転速度を拡大できる。また、負荷時において、第3のバイパス路BP3に電機子磁束が流れることでリラクタンストルクを向上させることができる。なお、図10において、フラックスバリアFB3は、ステータ10との対向面近傍の端部において、第2のバイパス路BP2側に膨出する膨出部を有しており、この膨出部によって第2のバイパス路BP2の幅を狭めている。言い換えれば、第2のバイパス路BP2の幅は、ステータ10との対向面近傍において、幅が狭く形成された幅狭部を有しており、この幅狭部によってフラックスバリアFB3の膨出部が形成されている。ステータ10との対向面近傍において第2のバイパス路BP2に幅狭部を設けることによって、第2の永久磁石PM2の磁束がステータ10とロータ20との間のギャップを通過する際、ロータ20の周方向を向くように磁路が形成されるため、ロータ20のトルクの向上を図ることができる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
本実施例では、インナロータ型のラジアルギャップロータに本発明を適用したが、アウタロータ型のラジアルギャップロータや、アキシャルギャップロータにも本発明を適用できる。
また、本実施例では、各パイパス路に配置した複数の永久磁石をq軸に対して斜めに配置したが、永久磁石の磁極がq軸と直行する方向に向くように永久磁石を配置してもよい。さらに、第1のバイパス路BP1に配置される第1の永久磁石PM1と第2のバイパス路BP2に配置される第2の永久磁石PM2とをクロスポール状に配置してもよい。また、各フラックスバリア(FB1〜FB3)は、少なくともステータ10との対向面近傍のフラックスバリア(FB1〜FB3)の幅をLa、隣り合うステータティース12間の幅(特にロータ20との対向面側)をLbとしたとき、La<Lbとなるよう設定するとよい。このようにすれば、無負荷時あるいは弱め界磁を行う場合、永久磁石(PM1、PM2)の磁束がステータ10に鎖交するよりもロータ20内で短絡しやすくなり、電機子鎖交磁束を低減することができる。また、本実施例では、d軸電流(id)の電流位相角を進角させて強め界磁を行っているが、弱め界磁を行ってもよい。また、進角には、電流位相角を進める場合だけでなく、後退させる場合も含む。
1 回転電機
10 ステータ
14 電機子コイル
20 ロータ
21 ロータコア
22 突極
BP1 第1のバイパス路
BP2 第2のバイパス路
BP3 第3のバイパス路
FB1 第1のフラックスバリア
FB2 第2のフラックスバリア
FB3 第3のフラックスバリア
PM1 第1の永久磁石(永久磁石)
PM2 第2の永久磁石(永久磁石)

Claims (6)

  1. 電機子コイルを有するステータと、ロータコアおよび永久磁石を有するロータと、を備える回転電機であって、
    前記ロータコアの隣り合う突極の間に、前記ロータの前記ステータとの対向面における一方の突極の近傍からq軸を跨いで他方の突極の近傍に向かって延伸する第1のバイパス路が設けられ、
    前記第1のバイパス路に、前記第1のバイパス路の延伸方向に磁極を向くように前記永久磁石としての第1の永久磁石が配置され、
    前記ロータコアと前記第1のバイパス路との間に、前記第1のバイパス路に沿うように第1のフラックスバリアが設けられていることを特徴とする回転電機。
  2. 前記電機子コイルは、磁石磁束に重畳する逆相3倍調波との合成磁束が正弦波となるような電機子磁束を、負荷時に発生することを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記第1のバイパス路に沿って、前記ロータの前記ステータとの対向面における一方の突極の近傍からq軸を跨いで他方の突極の近傍に向かって延伸する第2のバイパス路が設けられ、
    前記第2のバイパス路に、前記第2のバイパス路の延伸方向に磁極を向くように前記永久磁石としての第2の永久磁石が配置され、
    前記第1のバイパス路と前記第2のバイパス路との間に、第2のフラックスバリアが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記第1のバイパス路と前記第2のバイパス路との間に、前記ロータの前記ステータとの対向面における一方の突極の近傍からq軸を跨いで他方の突極の近傍に向かって延伸する第3のバイパス路が設けられ、
    前記第1のバイパス路と前記第2のバイパス路との間に、第3のフラックスバリアが設けられ、
    前記第3のバイパス路は、前記第2のフラックスバリアと前記第3のフラックスバリアとの間に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
  5. 前記永久磁石はq軸の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の回転電機。
  6. 前記突極の幅が前記永久磁石の磁極幅よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の回転電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102021125206A1 (de) 2021-09-29 2023-03-30 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Elektromechanische Rotortopologie zur Steigerung der Effizienz elektrischer Maschinen

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