JP2010013633A - 増粘剤及びその製造方法並びに化粧料 - Google Patents

増粘剤及びその製造方法並びに化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】化粧料等に配合した場合にべたつきを感じさせにくいことに加えて耐塩性の高い増粘剤及びその製造方法を提供する。また、べたつきをほとんど感じない化粧料を提供する。
【解決手段】2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩が溶解している溶液とセチルトリメチルアンモニウムブロマイドが溶解している溶液とを混合すると、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとセチルトリメチルアンモニウムイオンとで構成される有機ナノチューブが形成された。そして、有機ナノチューブ同士の絡み合いにより混合溶液が増粘され、ゲル状となった。このような有機ナノチューブからなる増粘剤を配合して、スキンケア用ジェル等の化粧料を製造した。
【選択図】なし

Description

本発明は、増粘剤及びその製造方法並びに化粧料に関する。
化粧品,医薬品等には、液体に粘性を付与するために増粘剤が配合されることがある。例えば、有機系の増粘剤としては、多糖類,カゼイン,キサンタンガム等の天然高分子や、アクリル酸ポリマー,カルボキシビニルポリマー,ポリエチレンオキサイド等の合成高分子が使用されている。また、無機系の増粘剤としては、モンモリロナイトをはじめとする各種粘土鉱物やシリカ等が使用されている。
これらの増粘剤の中では、安価であることに加えて増粘効果が高く少量でゲル化するため、カルボキシビニルポリマーが多用されている(例えば特許文献1を参照)。
しかしながら、カルボキシビニルポリマーは、例えば化粧料に配合した場合には、肌への塗布時にべたつきを感じやすいという問題点を有していた。また、塩が共存していると増粘効果が低下するおそれがあるという問題点も有していた(以降においては、塩の共存による増粘効果の低下しにくさを「耐塩性」と記すこともある)。
一方、非特許文献1には、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成された有機ナノチューブの合成について記載されているが、この有機ナノチューブが増粘剤として使用可能である点についてはまったく触れられてはいない。
特開平5−331038号公報
Limin Zhai,Bernd Herzog,Marcus Drechsler,and H. Hoffmann,Novel Nanotubes from a Cationic Surfactant and an Anionic Stiff Aromatic Counter-Ion , J. Phys. Chem. B letters, 110(36),米国,2006年8月15日,p.17697-17701
本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、化粧料等に配合した場合にべたつきを感じさせにくいことに加えて耐塩性の高い増粘剤及びその製造方法を提供することを課題とする。また、べたつきをほとんど感じない化粧料を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。
すなわち、本発明の増粘剤は、有機ナノチューブからなる増粘剤であって、前記有機ナノチューブは、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンと平均炭素数が12.5以上18以下のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成されていることを特徴とする。
前記有機ナノチューブは、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとアニオン界面活性剤と平均炭素数が12.5以上18以下のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成されていてもよい。
このような本発明の増粘剤においては、前記アルキル基の平均炭素数が12.8以上16以下であることがより好ましく、16であることがさらに好ましい。
また、本発明の増粘剤の製造方法は、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとを含む水溶液を調整し、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成される有機ナノチューブを、水溶液がゲル状となるように生成させることを特徴とする。
本発明の増粘剤の製造方法においては、前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドとのモル比を、9.95:0.05〜5.6:4.4の範囲内とすることが好ましい。
また、本発明の増粘剤の製造方法においては、前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドとの合計量の前記水溶液に対する濃度を、6mM以上100mM以下とすることが好ましい。
さらに、本発明の増粘剤の製造方法は、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアニオン界面活性剤とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとを含む水溶液を調整し、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとアニオン界面活性剤とアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成される有機ナノチューブを、水溶液がゲル状となるように生成させることを特徴とする。
アニオン界面活性剤を使用する本発明の増粘剤の製造方法においては、前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドとのモル比を、9.95:0.05〜5:5の範囲内とすることが好ましい。また、前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アニオン界面活性剤とのモル比を、9.8:0.2〜8.85:1.15の範囲内とすることが好ましい。また、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアニオン界面活性剤のモル数の合計量が、アルキルトリメチルアンモニウムハライドのモル数よりも多いことが好ましい。
そして、本発明の増粘剤の製造方法においては、アニオン界面活性剤を使用するか否かにかかわらず、前記アルキル基の平均炭素数が12.5以上18以下であることが好ましく、12.8以上16以下であることがより好ましく、16であることがさらに好ましい。
さらに、本発明の増粘剤の製造方法においては、前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩が2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩(化1を参照)であり、前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドがセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(化2を参照)であることが好ましい。また、前記アニオン界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムであることが好ましい。
さらに、本発明の化粧料は、上記のような増粘剤を含有することを特徴とする。
本発明の増粘剤は、化粧料等に配合した場合にべたつきを感じさせにくく、耐塩性が高いため、塩型の薬剤を配合しても粘度低下を起こしにくい。また、本発明の増粘剤の製造方法によれば、化粧料等に配合した場合にべたつきを感じさせにくいことに加え、耐塩性が高い増粘剤を製造することができる。さらに、本発明の化粧料は、べたつきがなく、使用性がよい。
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩水溶液とセチルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液とを混合してからナノチューブの形成完了まで、混合溶液の粘性を観察した結果と混合溶液の導電率を測定した結果とを示すグラフである。 ゲルの動的粘弾性測定の結果を示すチャートである。 ゲルの動的粘弾性測定の結果を示すチャートである。
本発明の増粘剤は、フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成される有機ナノチューブであり、かつ後者のアルキルトリメチルアンモニウムイオンを構成する該アルキル基の平均炭素数が12.5以上18以下であることに特徴を有する。
本発明に係る増粘剤及びその製造方法の一実施形態を、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
例えば、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸と10質量%水酸化ナトリウム水溶液とイオン交換水,蒸留水等の純水とを混合し、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩水溶液を得る。なお、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸と水酸化ナトリウムとのモル比は、1:1となるようにすればよい。
この水溶液に、アルキルトリメチルアンモニウムイオンとして、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液を加えて混合する。すると、臭化ナトリウムが生成するとともに、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとセチルトリメチルアンモニウムイオンとにより外径数百nmのベシクル(小胞体)が形成され、低粘度の白濁溶液となる。なお、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とセチルトリメチルアンモニウムブロマイドとのモル比は、6:4となるようにする(すなわち、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩を若干過剰に用いる)。また、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とセチルトリメチルアンモニウムブロマイドとの合計量の混合溶液(すなわち白濁溶液)に対する濃度を、10mMになるようにする(以下、混合溶液を「水溶液」と呼ぶ場合がある。)。
得られた白濁溶液を1日から数日間静置すると、両イオンの会合と疎水基同士(2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンのフェニル基とセチルトリメチルアンモニウムイオンのセチル基)の静電的な会合とが生じて中空繊維状物が形成されるので、ベシクルがナノチューブに転移する。そして、ナノチューブ同士の絡み合いにより溶液が増粘され、白濁溶液は透明なゲル状となる。この際、過剰分の2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンはナノチューブの内側に存在し、ナノチューブをマイナスの電荷に帯電させる。これによりナノチューブ同士が静電的に反発するため、ゲルが安定的に存在することができる。
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩水溶液とセチルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液とを混合してからナノチューブの形成完了まで、混合溶液の粘性を観察した結果と混合溶液の導電率を測定した結果とを、図1のグラフに示す。ただし、このグラフに示したものは、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とセチルトリメチルアンモニウムブロマイドとのモル比が8:2で、前記濃度が20mMの場合である。混合後の初期は、生成した臭化ナトリウムがベシクル中に取り込まれているため導電率は低いが、ベシクルがナノチューブに転移するにしたがって、混合溶液の粘性が上昇するとともに取り込まれていた臭化ナトリウムが放出され、導電率が上昇する。そして、ナノチューブの形成が完了すると、混合溶液がゲル化するとともに導電率の上昇も止まる。
得られた有機ナノチューブは、例えば外径が11〜13nm、内径が6nm、長さが数μmであり、熱分析を行ったところ約45℃に融点を有する。また、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸が剛直な構造であるので、有機ナノチューブも剛直である。得られたゲルの動的粘弾性測定を行ったところ(図2,3を参照)、降伏点を有している。
このように、有機ナノチューブは増粘効果を有しているので、液体に粘性を付与するための増粘剤として化粧料等に配合することができる。そして、有機ナノチューブ同士の絡み合いにより増粘効果が得られるため、化粧料に配合した場合には、肌への塗布時に高分子由来のべたつきを感じることがほとんどない。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩として2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩を使用しているが、ナトリウム塩以外の塩でも差し支えない。例えば、リチウム塩,カリウム塩,トリエタノールアミン塩等があげられる。
また、アルキルトリメチルアンモニウムハライドとしては、好ましくはアルキルトリメチルアンモニウムブロマイドを使用するが、ブロマイド以外の塩でも差し支えない。例えば、フルオライド,クロライド等があげられる。また、前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドを構成するアルキル基は、セチル基が好ましいが、これに限定されるものではなく、炭素数が13以上18以下のアルキル基であればよい。複数種のアルキルトリメチルアンモニウムハライドを併用してもよく、この場合は、アルキル基の炭素数を平均炭素数で表すと、12.5以上18以下である必要があり、12.8以上16以下であることが好ましく、16であることがさらに好ましい。アルキル基の平均炭素数が12.5未満又は18を超えると、有機ナノチューブは形成されるものの沈殿してしまうため、混合溶液がゲル状となりにくい。アルキル基は分岐鎖状でもよいが、直鎖状の方が好ましい。ここで、平均炭素数とは、単純平均炭素数である。
さらに、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとのモル比は、有機ナノチューブが安定形成されれば特に限定はない。6:4に限定されるものではなく、好ましくは9.95:0.05〜5.6:4.4の範囲内であれば、有機ナノチューブが形成され混合溶液がゲル状となる。2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩の方が過剰である場合が好ましく、5.6よりも少ないと有機ナノチューブは形成されるものの沈殿してしまうため、混合溶液がゲル状となりにくい場合がある。
なお、両水溶液を混合してからゲル化するまでに要する時間は、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩の比率が5.6に近いほど短く、9.95に近いほど長い。よって、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとのモル比は、9:1〜6:4の範囲内であることがより好ましく、7:3〜6:4の範囲内であることがさらに好ましい。
さらに、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとの合計量の水溶液に対する濃度は、有機ナノチューブが安定形成されれば特に限定はない。20mMに限定されるものではなく、好ましくは6mM以上100mM以下であれば、有機ナノチューブが形成され混合溶液がゲル状となる。6mM未満であると、前記濃度が低すぎるために有機ナノチューブが形成されにくく、形成されたとしても前述した静電的な反発が不十分であるため沈殿してしまう場合がある。なお、前記濃度が高いとゲル化までに長時間を要し、前記濃度が低いと有機ナノチューブが形成されにくいので、前記濃度は10mM以上50mM以下がより好ましく、10mM以上20mM以下がさらに好ましい。
さらに、増粘剤を製造する際には、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩及びアルキルトリメチルアンモニウムハライドとともに、アニオン界面活性剤を使用してもよい。すなわち、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアニオン界面活性剤とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとを含む水溶液を調整し、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとアニオン界面活性剤とアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成される有機ナノチューブを、水溶液がゲル状となるように生成させることにより、増粘剤を製造することができる。
アニオン界面活性剤を使用する場合でも、製造の手順等は、アニオン界面活性剤を使用しない場合の上記手順とほぼ同様である。2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとのモル比は、有機ナノチューブが安定形成されれば特に限定はないが、9.95:0.05〜5:5の範囲内とすることが好ましい。すなわち、アニオン界面活性剤を使用する場合は、アニオン界面活性剤を使用しない場合よりも前記モル比の広い範囲で有機ナノチューブが形成される。
そして、アニオン界面活性剤を使用する場合、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアニオン界面活性剤とのモル比は、有機ナノチューブが安定形成されれば特に限定はないが、9.8:0.2〜8.85:1.15の範囲内とすることが好ましい。このモル比が前記範囲から外れると、有機ナノチューブが形成されにくい場合がある。2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアニオン界面活性剤のモル数の合計量が、アルキルトリメチルアンモニウムハライドのモル数よりも多いことが、有機ナノチューブの形成及び安定性にとって重要であり、好ましいが、アニオン界面活性剤が多すぎると、有機ナノチューブが形成されにくくなったり有機ナノチューブの安定性が悪くなったりする場合がある。
さらに、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアニオン界面活性剤とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとの合計量の水溶液に対する濃度は、有機ナノチューブが安定形成されれば特に限定はない。アニオン界面活性剤を使用しない場合と同様に、6mM以上100mM以下が好ましく、10mM以上50mM以下がより好ましく、10mM以上20mM以下がさらに好ましい。
アニオン界面活性剤の種類は特に限定されるものではないが、脂肪酸石鹸、アミノ酸系界面活性剤(例えばステアロイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩)、アルキルエーテル酢酸等のカルボン酸塩型アニオン界面活性剤があげられる。アミノ酸系界面活性剤については、アシル基の炭素数が12〜18個、対イオン種がカリウムイオン、ナトリウムイオン、又はトリエタノールアミンイオン(TEAイオン)、対イオン数が1個(モノ塩)又は2個(ジ塩)であることが好ましい。
また、N−アシルメチルタウリン塩(例えばステアロイルメチルタウリンナトリウム)、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸型アニオン界面活性剤があげられる。さらに、高級アルコール硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤や、リン酸エステル塩型アニオン界面活性剤などがあげられる。
増粘剤を化粧料に使用する場合には、上記のアニオン界面活性剤の中でも、脂肪酸石鹸、アミノ酸系界面活性剤、N−アシルメチルタウリン塩、高級アルコール硫酸エステル塩が好適であり、これらの中でも高級アルコール硫酸エステル塩であるドデシル硫酸ナトリウムが特に好適である。
本発明の有機ナノチューブからなる増粘剤は、従来の化粧料において、カルボキシビニルポリマーやキサンタンガムなどの従来の増粘剤の代わりに用いることができ、その結果、例えば従来のスキンケア用ジェルに比べて、塗布時にぬるつき、ぬめりがなく、肌なじみがはやく、さらに塗布後のべたつきがない等、使用性が優れている。
なお、本発明の増粘剤は、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩やアルキルトリメチルアンモニウムハライドの代わりに、他の化合物を使用することもできる。例えば、前者ではスルホン酸基の置換位置が6位のもの、ベンゼン環に置換基(例えばアルキル基やハロゲン基)を有するもの、後者ではアルキルトリメチルアンモニウムブロマイドのメチル基を他のアルキル基(例えばエチル基)に置き換えたものなどについても、本発明の増粘剤として適用することができる。
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライド(と必要に応じて、アニオン界面活性剤)とを混合する方法や順番は特に限定されない。2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライド(と必要に応じて、アニオン界面活性剤)は、例えば、各々の成分を水溶液とした後に混合しても良いし、水に対して各々の成分を順次添加して混合しても良い。この場合、混合する順番や添加する順番は問わない。2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライド(と必要に応じて、アニオン界面活性剤)とを含む水溶液を調整し、とは、結果として上記2または3成分を含む水溶液となれば、方法や順番は問わず、例えば、上記の製造方法を含むものである。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩の分子量は296、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(HAMPTON RESEARCH社製のCTAB)の分子量は364.5、ドデシル硫酸ナトリウム(Research Organics, Inc.社製のSDS)の分子量は288.4である。
実施例1〔アルキルトリメチルアンモニウムハライドのアルキル基について〕
アルキルトリメチルアンモニウムハライドのアルキル基の好適な鎖長(平均炭素数)について実験した。
すなわち、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩水溶液とアルキルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液とを混合し、得られた混合溶液を数日間静置して、有機ナノチューブの形成状態やゲル化の状態を調べた。
なお、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とアルキルトリメチルアンモニウムブロマイドとのモル比は、全て6:4とし、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とアルキルトリメチルアンモニウムブロマイドとの合計量の混合溶液に対する濃度は、全て10mMとした。
また、平均炭素数が12〜14のアルキルトリメチルアンモニウムブロマイドは、炭素数が12のものと14のものとを所定の比率で混合することにより調製し、平均炭素数が18〜21のアルキルトリメチルアンモニウムブロマイドは、炭素数が18のものと21のものとを所定の比率で混合することにより調製した。ただし、炭素数が21のものは、炭素数が20のものと22のものとを1:1の比率で混合したものである。
実験の結果、平均炭素数が12及び12.4の場合は、有機ナノチューブが沈殿してゲル状とはならなかった。また、平均炭素数が18.6、19.2、19.8、20.4、及び21の場合も、有機ナノチューブが沈殿してゲル状とはならなかった。これに対して、平均炭素数が12.8、13.2、13.6、14、16、及び18の場合は、約1日静置することによりゲル状となった。
この結果、アルキルトリメチルアンモニウムイオンにおけるアルキル基の平均炭素数は、ほぼ12.5以上18以下であると、有機ナノチューブが形成することがわかる。
実施例2〔モル比について〕
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとのモル比の好適な範囲について実験した。
すなわち、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩水溶液とセチルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液とを種々のモル比で混合し、得られた混合溶液を数日間静置して、有機ナノチューブの形成状態やゲル化の状態を調べた。なお、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とセチルトリメチルアンモニウムブロマイドとの合計量の混合溶液に対する濃度は、全て20mMとした。
実験の結果、モル比が5.4:4.6、5.2:4.8、5:5、4:6、3:7、2:8、及び1:9の場合は、有機ナノチューブが沈殿してゲル状とはならなかった。これに対して、モル比が5.6:4.4(1日)、5.8:4.2(1日)、6:4(1日)、7:3(3日)、8:2(7日)、及び9:1(14日)の場合は、ゲル状となった。カッコ内の数値は、ゲル状となるまでに要した日数である。
この結果、前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドとのモル比を、ほぼ9.95:0.05〜5.6:4.4の範囲内とすると、有機ナノチューブが形成することが分かる。
実施例3〔濃度について〕
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとの合計量の混合溶液に対する濃度の好適な範囲について実験した。
すなわち、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩水溶液とセチルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液とを種々の前記濃度で混合し、得られた混合溶液を数日間静置して、有機ナノチューブの形成状態やゲル化の状態を調べた。なお、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とセチルトリメチルアンモニウムブロマイドとのモル比は、全て6:4とした。
試験の結果、濃度が4mMの場合は、混合溶液はゲル状とはならず濁った状態であった。そして14日後に沈殿が生じた。また、濃度が3mM、2mM、1.5mM、1mM、及び0.5mMの場合は、有機ナノチューブが沈殿してゲル状とはならなかった。さらに、濃度が0.2mM及び0.1mMの場合は、有機ナノチューブは生成せず混合溶液は透明のままであった。
これに対して、濃度が6mM(1日)、8mM(1日)、10mM(1日)、20mM(1日)、50mM(3日)、及び100mM(21日)の場合は、ゲル状となった。カッコ内の数値は、ゲル状となるまでに要した日数である。
この結果、前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドとの合計量の前記混合溶液に対する濃度は、ほぼ6mM以上100mM以下とすることが好ましいことが分かる。
参考例1〔他成分が混在した場合について〕
次に、他成分が混在した場合に、有機ナノチューブの形成やゲル化に対して与える影響を実験した。
他成分としては、エタノール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、塩化ナトリウムを用いた。
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩水溶液とセチルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液とを混合する際に、前記他成分も混合して、所定濃度の前記他成分を含む混合溶液を得た。そして、得られた混合溶液を数日間静置した後に、有機ナノチューブの形成状態やゲル化の状態を調べた。なお、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とセチルトリメチルアンモニウムブロマイドとのモル比は、全て6:4とし、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とセチルトリメチルアンモニウムブロマイドとの合計量の混合溶液に対する濃度は、全て10mMとした。
まず、エタノールを添加した場合について説明する。試験の結果、混合溶液に対するエタノールの濃度が10質量%及び20質量%の場合は、混合溶液はゲル状とはならず沈殿物が生じた。この沈殿物は有機ナノチューブではなく、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとセチルトリメチルアンモニウムイオンとの一対一の錯体であった。また、エタノールの濃度が50質量%の場合は、有機ナノチューブは生成せず混合溶液は透明のままであった。
これは、エタノールの溶媒効果によって、疎水基同士(2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンのフェニル基とセチルトリメチルアンモニウムイオンのセチル基)の静電的な会合が生じにくくなり、有機ナノチューブの形成が阻害されたためと考えられる。
これに対して、エタノールの濃度が1質量%(3日)及び5質量%(3日)の場合は、ゲル状となった。カッコ内の数値は、ゲル状となるまでに要した日数である。この結果から、混合溶液に対するエタノールの濃度は、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
1,3−ブタンジオールの場合もエタノールとほぼ同様であり、1,3−ブタンジオールの濃度が10質量%及び20質量%の場合は、混合溶液はゲル状とはならず沈殿物が生じ、50質量%の場合は、有機ナノチューブは生成せず混合溶液は透明のままであった。そして、1,3−ブタンジオールの濃度が1質量%(1日)、3質量%(1日)、及び5質量%(1日)の場合は、ゲル状となった。カッコ内の数値は、ゲル状となるまでに要した日数である。この結果から、混合溶液に対する1,3−ブタンジオールの濃度は、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
保湿剤として化粧料に添加されることがあるグリセリンの場合は、有機ナノチューブの形成にそれほど悪影響を与えることがなく、混合溶液に対するグリセリンの濃度が50質量%の場合はクラフト点の上昇による白濁が見られたが、1質量%(1日)、5質量%(1日)、10質量%(1日)、及び20質量%(1日)の場合は、ゲル状となった。カッコ内の数値は、ゲル状となるまでに要した日数である。この結果から、混合溶液に対するグリセリンの濃度は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
塩化ナトリウムの場合も、有機ナノチューブの形成にそれほど悪影響を与えることがなく、混合溶液に対する塩化ナトリウムの濃度が200mM及び500mMの場合は、有機ナノチューブが沈殿してゲル状とはならなかったが、濃度が0.01mM(1日)、0.05mM(1日)、0.1mM(1日)、0.5mM(1日)、1mM(1日)、5mM(1日)、10mM(1日)、20mM(3日)、50mM(3日)、及び100mM(3日)の場合は、ゲル状となった。カッコ内の数値は、ゲル状となるまでに要した日数である。このことから、有機ナノチューブは耐塩性が高いことが分かる。また、混合溶液に対する塩化ナトリウムの濃度は、100mM以下が好ましく、10mM以下がより好ましい。
実施例4〔化粧料の調製A〕
有機ナノチューブを増粘剤として含有するスキンケア用ジェルを製造した。
すなわち、イオン交換水を86.05質量%、グリセリンを3質量%、ブチレングリコールを3質量%、エタノールを2質量%、ポリエチレングリコール1500を5質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.1質量%、エデト酸三ナトリウムを0.1質量%、フェノキシエタノールを0.3質量%、及びパラベンを0.1質量%混合して溶解し、水溶液を得た。
次に、この水溶液に2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸(メルク社製のオーソレックス232)0.18質量%と水酸化ナトリウム0.03質量%とを添加し溶解して、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸をナトリウム塩とした。さらに、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(HAMPTON RESEARCH社製のCTAB)0.14質量%を添加して良く撹拌した後に、ジェル状となるまで静置した。
得られたジェルは、通常のスキンケア用ジェルと同様の性状を有しており、かつべたつきがなく、使用性が優れていた。
実施例5〔化粧料の調製B〕
有機ナノチューブを増粘剤として含有する乳液を製造した。
すなわち、イオン交換水を73.6質量%、グリセリンを5質量%、ブチレングリコールを3質量%、ポリエチレングリコール1500を2質量%、エタノールを1.5質量%、フェノキシエタノールを0.3質量%、パラベンを0.1質量%、エデト酸三ナトリウムを0.05質量%、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸(メルク社製のオーソレックス232)を0.18質量%、水酸化ナトリウムを0.03質量%、及びセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(HAMPTON RESEARCH社製のCTAB)を0.14質量%混合して溶解し、75℃に加温した。
また、ワセリンを2質量%、スクワランを3質量%、デカメチルシクロペンタシロキサンを3質量%、ジメチルポリシロキサン(5cs)を2質量%、2−エチルヘキサン酸セチルを2質量%、イソステアリン酸PEG−60グリセリルを1質量%、ステアリン酸PEG−5グリセリルを1質量%、及び香料を0.1質量%混合して溶解し、75℃に加温した。
そして、この75℃の油液を上記75℃の水溶液にホモミキサーで撹拌しながら少しずつ添加した。添加後に30℃まで冷却すると、乳液が得られた。
得られた乳液は、通常の乳液と同様の性状を有しており、かつべたつきがなく、使用性が優れていた。
実施例6〜7
表1に示す配合処方にする以外は、実施例4と同様にして、スキンケア用ジェルを調製した。結果を表1に示す。
比較例1〜4
表1に示す配合処方にする以外は、実施例4と同様にして、スキンケア用ジェルを調製した。比較例1〜2は、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸及びセチルトリメチルアンモニウムブロマイドの一方を配合しなかった例であり、有機ナノチューブが形成しないため増粘効果が得られず、スキンケア用ジェルは得られなかった。また、比較例3〜4は、従来の増粘剤であるカルボキシビニルポリマー(シグマ社製「シンタレン」)又はキサンタンガムを配合したものである。
〔化粧料の評価〕
前述した実施例6〜7、比較例3〜4の化粧料であるスキンケア用ジェルについて、その使用感を評価した。スキンケア用ジェルの組成は表1に示す通りである。
これらのスキンケア用ジェルをスキンケア専門パネル10名が使用し(肌に塗布し)、塗布時のぬるつき、ぬめりのなさ、肌なじみの早さ、及び塗布後のべたつきのなさの3項目について評価した。そして、10名のパネルのうち9名又は10名が前記各項目に対して支持した場合(例えば、塗布時のぬるつき、ぬめりがないと感じた場合)は、表1に「A」と記し、10名のうち6〜8名が支持した場合は「B」と記し、10名のうち3〜5名が支持した場合は「C」と記し、10名のうち1名又は2名が支持した場合は「D」と記し、一人も支持しなかった場合は「E」と記した。
表1から分かるように、実施例6,7のスキンケア用ジェルは、前記3項目の全てにおいて過半数のパネルの支持を得たが、比較例3〜4のスキンケア用ジェルは、半数以下のパネルの支持しか得られなかった。
実施例8〔アニオン界面活性剤を使用した場合について〕
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアニオン界面活性剤とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとを用いて、有機ナノチューブからなる増粘剤を製造する場合において、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアニオン界面活性剤とのモル比の好適な範囲について実験した。
すなわち、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩水溶液とドデシル硫酸ナトリウム水溶液とセチルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液とを混合して有機ナノチューブからなる増粘剤を製造する際に、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とドデシル硫酸ナトリウムとのモル比を種々変更し、得られた混合溶液を数日間静置して、有機ナノチューブの形成状態やゲル化の状態を調べた。なお、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とセチルトリメチルアンモニウムブロマイドとのモル比は、全て5:5とした。また、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩水溶液とセチルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液の濃度は、いずれも10mMとした。
実験の結果、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩とドデシル硫酸ナトリウムとのモル比が10:0及び6.67:3.33の場合は、有機ナノチューブは生成せずゲル状とはならなかった。また、モル比が8.33:1.67の場合は、有機ナノチューブが生成したものの1週間静置後に沈殿し、有機ナノチューブの安定性が不十分であった。これに対して、モル比が9.8:0.2、9.52:0.48、及び8.85:1.15の場合は、有機ナノチューブが生成してゲル状となり、1週間以上静置しても有機ナノチューブが沈殿しなかった。
この結果から、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアニオン界面活性剤とのモル比が、9.8:0.2〜8.85:1.15の範囲内であると、有機ナノチューブが形成し安定性も優れていることがわかる。
実施例9
ドデシル硫酸ナトリウムを使用すること及び表2に示す配合処方にすること以外は、実施例4と同様にして、スキンケア用ジェルを調製した。ドデシル硫酸ナトリウムとして、Research Organics, Inc.社製のSDSを用いた。結果を表2に示す。
比較例5
表2に示す配合処方にする以外は、実施例4と同様にして、スキンケア用ジェルを調製した。比較例5は、ドデシル硫酸ナトリウムを配合しなかった例であり、有機ナノチューブが形成しないため増粘効果が得られず、スキンケア用ジェルは得られなかった。
〔化粧料の評価〕
前述した実施例9の化粧料であるスキンケア用ジェルについて、その使用感を評価した。評価方法は、前述したものと全く同様である。評価結果を表2に示す。
表2から分かるように、実施例9のスキンケア用ジェルは、前記3項目の全てにおいて過半数のパネルの支持を得た。
本発明の増粘剤は、各種化粧料の増粘剤の代わりとして、そのほかシクロデキストリン等では不可能な、吸着、包接、分離、徐放効果のある新しい有機ナノチューブコンテナーや有機ナノチューブキャリヤーとして、(1)農業用(プリオン除去、徐放性肥料など)、(2)食品(脂肪排出、機能性ファイバーなど)、(3)健康(脱毛予防、アレルゲンフィルターなど)、(4)医療(標的ドラッグデリバリシステム、血液浄化、ウイルス捕捉、インシュリン投与・噴霧など)、(5)環境(金属微粒子除去など)、(6)そのほか、健康食品添加材料などの用途に有用である。

Claims (17)

  1. 有機ナノチューブからなる増粘剤であって、前記有機ナノチューブは、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンと平均炭素数が12.5以上18以下のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成されていることを特徴とする増粘剤。
  2. 有機ナノチューブからなる増粘剤であって、前記有機ナノチューブは、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとアニオン界面活性剤と平均炭素数が12.5以上18以下のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成されていることを特徴とする増粘剤。
  3. 前記アルキル基の平均炭素数が12.8以上16以下である請求項1又は請求項2に記載の増粘剤。
  4. 前記アルキル基の平均炭素数が16である請求項1又は請求項2に記載の増粘剤。
  5. 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとを含む水溶液を調整し、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成される有機ナノチューブを、該水溶液がゲル状となるように生成させることを特徴とする増粘剤の製造方法。
  6. 前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドとのモル比を、9.95:0.05〜5.6:4.4の範囲内とする請求項5に記載の増粘剤の製造方法。
  7. 前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドとの合計量の前記水溶液に対する濃度を、6mM以上100mM以下とする請求項5又は請求項6に記載の増粘剤の製造方法。
  8. 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩とアニオン界面活性剤とアルキルトリメチルアンモニウムハライドとを含む水溶液を調整し、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンとアニオン界面活性剤とアルキルトリメチルアンモニウムイオンとで構成される有機ナノチューブを、該水溶液がゲル状となるように生成させることを特徴とする増粘剤の製造方法。
  9. 前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドとのモル比を、9.95:0.05〜5:5の範囲内とする請求項8に記載の増粘剤の製造方法。
  10. 前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アニオン界面活性剤とのモル比を、9.8:0.2〜8.85:1.15の範囲内とする請求項8又は請求項9に記載の増粘剤の製造方法。
  11. 前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩と前記アニオン界面活性剤のモル数の合計量が、アルキルトリメチルアンモニウムハライドのモル数よりも多い請求項8〜10のいずれか記載の増粘剤の製造方法。
  12. 前記アルキル基の平均炭素数が12.5以上18以下である請求項5〜11のいずれか一項に記載の増粘剤の製造方法。
  13. 前記アルキル基の平均炭素数が12.8以上16以下である請求項5〜11のいずれか一項に記載の増粘剤の製造方法。
  14. 前記アルキル基の平均炭素数が16である請求項5〜11のいずれか一項に記載の増粘剤の製造方法。
  15. 前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩が2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩であり、前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドがセチルトリメチルアンモニウムブロマイドである請求項5〜7のいずれか一項に記載の増粘剤の製造方法。
  16. 前記2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩が2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩であり、前記アニオン界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムであり、前記アルキルトリメチルアンモニウムハライドがセチルトリメチルアンモニウムブロマイドである請求項8〜11のいずれか一項に記載の増粘剤の製造方法。
  17. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の増粘剤を含有することを特徴とする化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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