JP5056137B2 - 油中アルコール型エマルション組成物 - Google Patents

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JP5056137B2 JP2007111105A JP2007111105A JP5056137B2 JP 5056137 B2 JP5056137 B2 JP 5056137B2 JP 2007111105 A JP2007111105 A JP 2007111105A JP 2007111105 A JP2007111105 A JP 2007111105A JP 5056137 B2 JP5056137 B2 JP 5056137B2
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Description

本発明は、油中アルコール型エマルション組成物に関し、更に詳しくは、水や油に対する溶解度が不十分な成分、水に不安定な成分を内封することが可能な油中アルコール型エマルション組成物に関する。
医薬品、医薬部外品及び化粧品の分野において、油相に水相を分散状態で含む油中水型(W/O)エマルションから構成されるクリーム剤組成物は一般的に用いられている。
W/Oエマルションは油性連続相を含むことから、皮膚表面での表皮を介した水分損失を防ぎ、外部の攻撃から皮膚を守る脂質被膜の形成を可能にする。従って、W/Oエマルションは、皮膚の保護、特に乾燥肌の保護に適している。
しかしながら、W/Oエマルション形態のクリームは、皮膚に塗り広げる際の重い感触のために、不快感を示し、また広範囲に塗り難いといったデメリットがある。さらに、冷却感や爽快感を得にくいといったデメリットがある。
このような不快感等を解消するために、高い水分含量を有するW/Oエマルションの調製が考えられてきた。しかしながら、W/Oエマルションの水分含量は、安定性の面からあまり高くできないのが現状である。
また、W/Oエマルションに薬物を配合する場合、水や油への溶解性の低い薬物は分散で配合する必要があり、分散安定性等が問題となる可能性がある。
更に、インドメタシン等の薬物は、水の存在により分解が促進されることも知られており(非特許文献1参照)、一般的なエマルションに安定に配合することは困難であった。
従来、エマルション組成物を安定に保存するためには界面活性剤を使用することが一般的とされてきた。
しかし、医薬品や化粧品のように直接皮膚に使用されるエマルション組成物では、配合される界面活性剤が皮膚に刺激を与える原因の一つとなることがあった(非特許文献2及び3参照)。
したがって、より安全性の高いエマルション組成物とするために、界面活性剤を使用しないエマルション組成物の製造が試みられている。
そのようなエマルション組成物として、オレフィンスルホン酸アルカリ塩と酢酸ビニルとの共重合体をけん化した変性ポリビニルアルコールを使用したエマルション組成物(特許文献1参照)、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体等のアルキル変性カルボキシビニルポリマーを使用したエマルション組成物(特許文献2参照)及びエチルセルロースを用いたエマルション組成物(特許文献3参照)が知られている。
また、従来、油中アルコール型エマルションとしては、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルなどを用いて油中エタノール型エマルションを製造する技術(特許文献4参照)、乳化剤によりシリコーンオイル中に非水性極性溶媒を分散させた油中極性溶媒型エマルションの技術(特許文献5参照)、油中に多価アルコールを分散させた油中多価アルコール型乳化組成物に関する技術(特許文献6及び7参照)などが知られている。
しかし、これらの技術では界面活性剤が必須であり、また、配合できるアルコール(エタノール)量も少なかった。
特開昭51−3383号公報 特開平09−19631号公報 特開平09−301824号公報 特開2001−269115号公報 特開2001−192459号公報 特開昭61−209035号公報 特開昭62−216635号公報 後藤茂ら、薬剤学、29(2)、118-124(1969) 鈴木民恵ら、日皮協ジャーナル、51、177-183(2004) 辰見寿ら、皮膚、33(11)、31-38(1991)
本発明は、水や油への溶解性の低い成分又は水に対して不安定な成分も配合可能な乳化組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、課題を解決するために種々検討した結果、パルミチン酸デキストリンでゲル化した液体油にヒドロキシプロピルセルロースでゲル化したアルコールを加え分散させることで、目的が達成できることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は
(1)ヒドロキシプロピルセルロース、パルミチン酸デキストリン、炭素原子数1〜3のアルコール及び25℃で液体の油成分を含む、油中アルコール型エマルション組成物、
(2)ヒドロキシプロピルセルロース、パルミチン酸デキストリン、炭素原子数1〜3のアルコール、多価アルコール及び25℃で液体の油成分を含む、油中アルコール型エマルション組成物、
(3)炭素原子数1〜3のアルコールがエタノール、イソプロパノ−ル又はそれらの混合物である(1)または(2)に記載の油中アルコール型エマルション組成物、
(4)炭素原子数1〜3のアルコールの配合量が、油中アルコール型エマルション組成物全量の1〜40質量%である(1)〜(3)のいずれかに記載の油中アルコール型エマルション組成物、
(5)25℃で液体の油成分が極性基を有さない液体油である(1)〜(4)のいずれかに記載の油中アルコール型エマルション組成物、
(6)実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の油中アルコール型エマルション組成物、
(7)アルコール滴中に機能性成分が溶解していることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の油中アルコール型エマルション組成物、
(8)機能性成分が水及び油に不溶性もしくは溶解性の低い物質である(7)記載の油中アルコール型エマルション組成物、
(9)油成分中に炭素原子数1〜3のアルコールが分散している油中アルコール型エマルション組成物であって、ヒドロキシプロピルセルロース及びパルミチン酸デキストリンを含むことを特徴とする油中アルコール型エマルション組成物、
(10)パルミチン酸デキストリンでゲル化した液体油に、ヒドロキシプロピルセルロースでゲル化したアルコールを加え、分散させることを特徴とする、油中アルコール型エマルション組成物の製造方法、
である。
本発明により、安定な油中アルコール型エマルションを得ることができた。また、アルコール中に薬物を溶解させることにより水や油への溶解性が低い成分又は水に不安定な成分でも容易に配合可能となった。さらに、得られた油中アルコール型エマルションを皮膚外用剤として使用した場合、塗布直後の冷感が強く、使用感に優れた油中アルコール型エマルション組成物であった。
本発明において、油中アルコール型エマルション組成物とは連続相である油成分中にアルコール滴が分散しているエマルション組成物である。
本発明では油成分中に脂溶性成分、アルコール滴中に多価アルコール、機能性成分などの成分を任意に配合することができる。
本発明において、ヒドロキシプロピルセルロースは、セルロースを水酸化ナトリウムで処理した後、プロピレンオキサイド等のエーテル化剤と反応して得られる非イオン性のセルロースエーテルであり、日本薬局方にも収載されている。本発明においては一般に市販されているものを使用することができる。
ヒドロキシプロピルセルロースは、セルロースが部分的にヒドロキシプロピルに置換されたものであり、例えば2%水溶液の粘度が6.0〜10.0mPa・s、150〜4000mPa・s、1000〜40000mPa・sなどの粘度の異なるいくつかのタイプあるが、本発明ではそれら分子量や粘度に関係なく、一般に使用されるものを用いることができるが、製剤化の観点から粘度が150mPa・s以上のものが好ましい。
ヒドロキシプロピルセルロースの配合量は、安定性の点から油中アルコール型エマルション組成物全量に対して、0.5〜4質量%が好ましく、0.5〜2質量%がさらに好ましい。
パルミチン酸デキストリンは、パルミチン酸とデキストリンのエステル体を意味し、通常増粘剤として用いられているものを使用することができる。
パルミチン酸デキストリンはパルミチン酸とデキストリンのエステルであり、置換度などによりいくつかのタイプあるが、本発明ではそれら分子量や置換度に関係なく、一般に使用されるものを用いることができ、製剤化の点から置換度が2以上のものが好ましい。
パルミチン酸デキストリンの配合量は、安定性の点から油中アルコール型エマルション組成物全量に対して、5〜15質量%が好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。
本発明において、炭素原子数1〜3のアルコールとしては、安全性の点からエタノール及びイソプロパノ−ルが好ましく、1種又は2種を組み合わせて使用することもできる。なお、本願発明を塗料など生体以外に使用する目的の製品に用いる場合にはメタノールなどを使用することも考えられる。
炭素原子数1〜3のアルコールの配合量は、油中アルコール型エマルション組成物全量の1〜40質量%が好ましい。40質量%を越えて配合するとエマルションがうまく調製できない場合があり、1質量%未満であると、機能性成分を配合できる量が少なくなってしまうからである。
本発明では炭素原子数1〜3のアルコールに多価アルコールを配合すると、安定性の向上がはかれるので好ましい。
本発明で任意に配合できる多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールがあげられる。
多価アルコールを配合する場合の配合量は油中アルコール型エマルション組成物全量の1〜39質量%が好ましく、炭素原子数1〜3のアルコールと合わせたアルコール相が油中アルコール型エマルション組成物全量の40質量%以下になる量が好ましい。
本発明において、連続相である油成分は極性基を有さない液体油が好ましい。ここで、液体油とは常温(25℃)で液体の油成分であり、特に好ましいものとして流動パラフィン、軽質流動パラフィン及びスクワランから選ばれる1種又は2種以上をあげることができる。
油成分は、1種又は2種以上組み合わせて使用することができ、本発明の効果を損なわない範囲で極性油、固形脂などを配合することもできる。
油成分の配合量は、エマルションの安定性の点から油中アルコール型エマルション組成物全量の50〜90質量%、好ましくは、55〜80質量%が好ましい。
本発明において、機能性成分とは医薬品、医薬部外品、化粧品などで何らかの機能を期待して配合する成分であり、特に、水及び油成分への溶解性が低い成分、水への安定性が低い成分を用いる場合、本発明で特に好適に用いられる。そのような薬物としては、グリチルレチン酸、デキサメタゾン及びその塩類、ヒドロコルチゾン及びその塩類、インドメタシン、ピロキシカム、ミコナゾール及びその塩類、テルビナフィン及びその塩類などがあげられる。
本発明では界面活性剤を配合しなくても安定な油中アルコール型エマルションを得ることができる。ここで界面活性剤とは親水基と疎水基を有しており、一般的に水に溶解して表面張力などの性質を大きく変化させると同時に、水中でミセル等の会合体を形成する化合物を意味する。
本発明の油中アルコール型エマルション組成物は、クリーム剤やローション剤として利用することができ、主に皮膚に適用される。また、塗料などに使用することも考えられる。
本発明の油中アルコール型エマルション組成物は、例えば以下のように製造することができる。すなわち油成分にパルミチン酸デキストリンを加温して溶解し、油相とする。別に、ヒドロキシプロピルセルロース及び必要があれば多価アルコール、機能性成分、その他任意成分を炭素原子数1〜3のアルコールに溶解し、アルコール相とする。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却することで、目的とする油中アルコール型エマルション組成物を得ることができる。
エマルション調製方法としては、スターラーなどによる攪拌、ホモジナイザーなどによる生成方法の他、膜乳化法、マイクロチャネル法などによる調製方法も考えられる。
本発明の油中アルコール型エマルション組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、有効成分及び医薬品、医薬部外品及び化粧品に含有可能な種々の基剤成分を加えることができる。
有効成分としては、例えば、抗菌剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、組織修復剤、鎮痒剤、保湿剤、美白剤、血管収縮剤、抗アレルギー剤、抗ウイルス剤、清涼化剤、酸素除去剤、ビタミン、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤があげられる。これらはアルコール相又は油相に適宜配合することができる。
基剤成分としては、炭化水素、ワックス成分、抗酸化剤、乳化安定剤、ゲル化剤、増粘剤、粘着剤等、各種動植物からの抽出物、防腐剤、キレート剤、香料、色素等があげられる。
以下に、実施例、比較例、試験例により、本発明を更に詳しく説明する。なお、特に断りがない限りエマルションの生成はスターラーで攪拌して製造した。
軽質流動パラフィン 61w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン61gにパルミチン酸デキストリン8gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール30gに溶解し、アルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
流動パラフィン 64w/w%
パルミチン酸デキストリン 5w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
流動パラフィン64gにパルミチン酸デキストリン5gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール30gに溶解し、アルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
スクワラン 64w/w%
パルミチン酸デキストリン 5w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
スクワラン64gにパルミチン酸デキストリン5gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール30gに溶解し、アルコール相とした。油相に低級アルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
軽質流動パラフィン 31w/w%
白色ワセリン 31w/w%
パルミチン酸デキストリン 7w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン31gと白色ワセリン31gの混合物にパルミチン酸デキストリン7gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール30gに溶解し、アルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
軽質流動パラフィン 61w/w%
ミリスチン酸オクチルドデシル 1w/w%
パルミチン酸デキストリン 7w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン61gとミリスチン酸オクチルドデシル1gの混合物にパルミチン酸デキストリン7gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール30gに溶解し、アルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
軽質流動パラフィン 31w/w%
スクワラン 31w/w%
パルミチン酸デキストリン 7w/w%
イソプロパノ−ル 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン31gとスクワラン31gの混合物にパルミチン酸デキストリン7gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをイソプロパノ−ル30gに溶解し、アルコール相とした。油相に低級アルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
軽質流動パラフィン 61w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
エタノール 20w/w%
1,3−ブチレングリコール 10w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン61gにパルミチン酸デキストリン8gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール20gと1,3−ブチレングリコール10gの混合物に溶解し、アルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
軽質流動パラフィン 61w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
エタノール 25w/w%
プロピレングリコール 5w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン61gにパルミチン酸デキストリン8gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール25gとプロピレングリコール5gの混合物に溶解し、アルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
酢酸ヒドロコルチゾン 0.15w/w%
軽質流動パラフィン 31w/w%
スクワラン 31w/w%
パルミチン酸デキストリン 6.85w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン31gとスクワラン31gの混合物にパルミチン酸デキストリン6.85gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール30gに溶解し、更に酢酸ヒドロコルチゾン0.15gを溶解してアルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
インドメタシン 1w/w%
軽質流動パラフィン 60w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン60gにパルミチン酸デキストリン8gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール30gに溶解し、更にインドメタシン1gを溶解してアルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
ジクロフェナクナトリウム 1w/w%
軽質流動パラフィン 60w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン60gにパルミチン酸デキストリン8gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール30gに溶解し、更にジクロフェナクナトリウム1gを溶解してアルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
リドカイン 1w/w%
軽質流動パラフィン 60w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン60gにパルミチン酸デキストリン8gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール30gに溶解し、更にリドカイン1gを溶解してアルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
塩酸テルビナフィン 1w/w%
軽質流動パラフィン 60w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
エタノール 25w/w%
1,3−ブチレングリコール 5w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
軽質流動パラフィン60gにパルミチン酸デキストリン8gを分散し、約80℃に加温して溶解した後、約50℃まで冷却して油相とした。一方、ヒドロキシプロピルセルロース1gをエタノール25gと1,3−ブチレングリコールの混合物に溶解し、更に塩酸テルビナフィン1gを溶解してアルコール相とした。油相にアルコール相を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してクリーム剤を得た。
試験例1 試作試験
実施例1の処方を基本処方とした。
次に以下のような変更処方を作製した。
(1)ヒドロキシプロピルセルロース変更処方
基本処方中のヒドロキシプロピルセルロースをそれぞれ、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルメチルセルロース、キサンタンガムに置き換えた変更処方で、実施例1と同様の方法で製造した。
(2)パルミチン酸デキストリン変更処方
基本処方中のパルミチン酸デキストリンをそれぞれモノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ソルビタンに置き換えた変更処方で、実施例1と同様の方法で製造した。
(3)エタノール変更処方
基本処方中のエタノールをイソプロパノールに置き換えた変更処方で、実施例1と同様の方法で製造した。
(4)軽質流動パラフィン変更処方
基本処方中の軽質流動パラフィンをスクワラン、流動パラフィン、パラフィン、白色ワセリン、ミリスチン酸イソプロピル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸オクチルドデシルに置き換えた変更処方で、実施例1と同様の方法で製造した。
(5)
基本処方中、それぞれヒドロキシプロピルセルロース、パルミチン酸デキストリン、エタノール、軽質流動パラフィンを除いた変更処方で、実施例1と同様の方法で製造した。
これらの変更処方において、最終的に使用感の良い均一なクリーム剤が作れるかどうかを確認した。確認は3名で行った。結果を表1に示した。表中の○は、均一なクリーム剤が調製できたことを示す。×は均一に調製できなかったことを示す。
Figure 0005056137
表から明らかなように、本願発明の組合せから外れると均一なクリーム剤が調製できないことがわかった。
試験例2 試作試験2
低級アルコール配合量変更処方において、均一な製剤を調製することが可能かどうか確認した。
実施例1の処方を基本処方とし、基本処方中のエタノール配合量を変更した処方で、基本処方と同様の操作を行いクリーム剤とした。ここで、エタノール対ヒドロキシプロピルセルロース、及び軽質流動パラフィン対パルミチン酸デキストリンの比率は同様になるように調整した。
調製したクリーム剤について目視による確認操作を3名で行った。結果を表2に示した。表中の評価は、○が均一に調製できたことを示し、×は、均一に調製できなかったことを示す。
Figure 0005056137
表から明らかなように、エタノールが全量に対して、40質量%以下の場合に均一なクリーム剤を調製できることが判明した。
参考試験例1 水、ポリオール、エタノールへの溶解性比較試験
精製水、1,3-ブチレングリコール、エタノール各15gへの、インドメタシン、塩酸テルビナフィン、グリチルレチン酸、酢酸デキサメタゾンの溶解性を検討した。各薬物の配合量は、表中に示した。試験方法としては、溶媒15gと薬物を入れたサンプル瓶を室温の下1時間攪拌し、薬物が溶解したかどうかを確認した。表中の評価は、○が完全に溶解したことを示し、×は溶解しなかったことを表す。結果を表に示した。
Figure 0005056137
表から明らかな通り、水及び多価アルコールへの溶解性が不十分であるが、炭素原子数1〜3のアルコール(エタノール)への溶解性が高い成分は、本願発明に好適に適用することが可能である。
参考試験例2 ポリオール種類変更検討
参考試験例1において、薬物としてグリチルレチン酸を用い、ポリオールとしてプロピレングリコール又はポリエチレングリコール400を用いて溶解性を調べたが、いずれも溶解しなかった。
これらの結果からアルコール相にエタノールを用いることにより、通常使用量の薬物を配合することが可能になる成分があることがわかった。
塩酸テルビナフィン配合処方
塩酸テルビナフィン 2w/w%
軽質流動パラフィン 59w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
塩酸テルビナフィンは、ヒドロキシプロピルセルロースをエタノールに溶解した後、エタノール相に投入し溶解した。薬物の配合量に応じて、基本処方の軽質流動パラフィンを減量し、実施例1の基本処方と同様の手順でクリーム剤を調製した。
グリチルレチン酸配合処方
グリチルレチン酸 0.5w/w%
軽質流動パラフィン 60.5w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
グリチルレチン酸は、ヒドロキシプロピルセルロースをエタノールに溶解した後、エタノール相に投入し溶解した。薬物の配合量に応じて、基本処方の軽質流動パラフィンを減量し、実施例1の基本処方と同様の手順でクリーム剤を調製した。
酢酸デキサメタゾン配合処方
酢酸デキサメタゾン 0.6w/w%
軽質流動パラフィン 60.4w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
エタノール 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
酢酸デキサメタゾンは、ヒドロキシプロピルセルロースをエタノールに溶解した後、エタノール相に投入し溶解した。薬物の配合量に応じて、基本処方の軽質流動パラフィンを減量し、実施例1の基本処方と同様の手順でクリーム剤を調製した。
試験例3 製剤安定性検討
実施例14〜16で製造したクリーム剤について安定性を検討した。安定性は、5℃2週間保存における配合薬物の析出の有無を顕微鏡で確認を行い判定した。5℃保存品は、1時間程度室温に放置した後に試験を行った。表中の評価は、○は析出がないことを示し、×は析出が認められたことを示す。
Figure 0005056137
表から明らかな通り、本願発明の処方は低温保存しても薬物が析出しない安定なクリーム剤であった。
比較例1
軽質流動パラフィン 61w/w%
パルミチン酸デキストリン 8w/w%
精製水 30w/w%
ヒドロキシプロピルセルロース 1w/w%
上記処方で、一般的な方法で、比較用のW/O型エマルションを製造した。
試験例4 使用感試験
油中アルコール型エマルション組成物とW/Oエマルションとの使用感比較
前腕部に実施例1のクリーム剤(油中アルコール型エマルション組成物)及び比較例1のクリーム剤(W/Oエマルション組成物)を適量塗布し、使用感を比較した。試験は3名で行い、評点は塗布直後の冷却感を指標にし、4:強い、3:やや強い、2:普通、1:やや弱い、0:弱い、の基準で採点し、平均点を求めた。
その結果、実施例1は3.7点、比較例1は1.3点であった。このことから、塗布直後の冷却感は、本発明の実施例1のクリーム剤(油中低級アルコール型エマルション組成物)の方が強いことが示された。
本発明は医薬品、医薬部外品、化粧品などのクリーム剤として、主に外用剤として利用できるが、食品、塗料などの分野にも利用できる可能性が考えられる。

Claims (10)

  1. 組成物全量に対して、0.5〜4質量%のヒドロキシプロピルセルロース、5〜15質量%のパルミチン酸デキストリン、1〜40質量%の炭素原子数1〜3のアルコール及び50〜90質量%の25℃で液体の油成分を含むことを特徴とする、油中アルコール型エマルション組成物。
  2. 組成物全量に対して、0.5〜4質量%のヒドロキシプロピルセルロース、5〜15質量%のパルミチン酸デキストリン、1〜40質量%の炭素原子数1〜3のアルコール、1〜39質量%の多価アルコール及び50〜90質量%の25℃で液体の油成分を含み、炭素原子数1〜3のアルコールと多価アルコールを合わせたアルコール相の配合量が、組成物全量の40質量%以下であることを特徴とする、油中アルコール型エマルション組成物。
  3. 炭素原子数1〜3のアルコールがエタノール、イソプロパノ−ル又はそれらの混合物である請求項1または2に記載の油中アルコール型エマルション組成物。
  4. 25℃で液体の油成分が極性基を有さない液体油である請求項1〜のいずれかに記載の油中アルコール型エマルション組成物。
  5. 界面活性剤を含まないことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の油中アルコール型エマルション組成物。
  6. アルコール滴中に機能性成分が溶解していることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の油中アルコール型エマルション組成物。
  7. 機能性成分が水及び油に不溶性もしくは溶解性の低い物質である請求項記載の油中アルコール型エマルション組成物。
  8. 組成物全量に対して、50〜90質量%の油成分中に1〜40質量%の炭素原子数1〜3のアルコールが分散している油中アルコール型エマルション組成物であって、さらに組成物全量に対して、0.5〜4質量%のヒドロキシプロピルセルロース及び5〜15質量%のパルミチン酸デキストリンを含むことを特徴とする油中アルコール型エマルション組成物。
  9. パルミチン酸デキストリンでゲル化した液体油に、ヒドロキシプロピルセルロースでゲル化したアルコールを加え、分散させることによって得られた、請求項1〜8のいずれかに記載の油中アルコール型エマルション組成物。
  10. 組成物全量に対して、5〜15質量%のパルミチン酸デキストリンでゲル化した50〜90質量%の液体油に、組成物全量に対して、0.5〜4質量%のヒドロキシプロピルセルロースでゲル化した1〜40質量%のアルコールを加え、分散させることを特徴とする、油中アルコール型エマルション組成物の製造方法。
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