JP2010010245A - 太陽電池の電極形成方法、これを利用した太陽電池の製造方法、及び太陽電池 - Google Patents
太陽電池の電極形成方法、これを利用した太陽電池の製造方法、及び太陽電池 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】スクリーン印刷法により導電性ペーストを2回以上塗布し、基板上に所望のパターンを有する多層構造の電極を形成する太陽電池の電極形成方法において、第1導電性ペースト1aを、横断面形状が2つの凸部11と該凸部の間に凹部12を有するように基板W上に塗布して第1層目の電極1bを焼成し、該第1層目の電極の凹部12上に第2導電性ペースト2aを塗布して第2層目の電極2bを焼成することを特徴とする太陽電池の電極形成方法。
【選択図】図1
Description
しかし、この方法であると所定の溝を形成する必要があり、工程が増加する上に構造が複雑になるという不利がある。
前記電極の第1層目となる第1導電性ペーストを、横断面形状が2つの凸部と該凸部の間に凹部を有するように前記基板上に塗布して前記第1層目の電極を焼成し、
該第1層目の電極の凸部の間の凹部上に第2層目の電極となる第2導電性ペーストを塗布して前記第2層目の電極を焼成することを特徴とする太陽電池の電極形成方法を提供する(請求項1)。
前記電極の第1層目は、横断面形状が2つの凸部と該凸部の間に凹部を有するように前記基板上に形成されたものであり、
前記電極の第2層目は、前記第1層目の電極の凸部の間の凹部上に形成されたものであることを特徴とする太陽電池を提供する(請求項7)。
このように、第1導電性ペーストの含有する樹脂の燃焼温度よりも第2導電性ペーストの含有する樹脂の燃焼温度が高いものを使用することにより、乾燥や焼成前段のバーンアウト(有機成分消失)工程において、第2導電性ペーストの印刷後に第1層目の電極の2つの凸部の間の凹部への第2導電性ペーストの流れ込みを促進させることができ、より効果的に高アスペクト比の多層電極を形成することができる。
このように、太陽電池を製造する方法において、本発明の太陽電池の電極形成方法を利用すれば、簡単に高アスペクト比で抵抗率が低い電極を形成することができ、変換効率の高い太陽電池を低コストで製造でき、太陽電池の普及に資することができる。
そこで太陽電池基板上に複数回スクリーン印刷による重ね印刷し、多層電極構造をとることにより、高アスペクト比を実現することが、有力な解決策として考案されている。
これらのために、電極幅が拡大してしまい、高アスペクト比が達成されない。
まず、太陽電池用の基板Wに本発明に係る電極形成方法により高いアスペクト比を有する多層構造の電極を形成する方法の一実施形態について、図1、2を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る太陽電池の電極を形成する方法を説明するフロー図である。
図2は、所望のパターン領域の一例を示す図であり、図2(A)は基板上における所望のパターンの位置関係を示し、図2(B)は図2(A)の左上部の拡大図であり、第1導電性ペーストを直線状に塗布した場合、図2(C)は図2(A)の左上部の拡大図であり、第1導電性ペーストを点線状に塗布した場合を示す図である。
このとき、第2導電性ペースト2aの材料は、例えば金属電極の主体となる銀粒子、バインダーとなるガラスフリットや樹脂、さらに溶剤を配合したものを使用できる。
このように、第1導電性ペースト1aより第2導電性ペースト2aの粘度が低いものを使用することにより、第2導電性ペーストの印刷後に第1層目の電極の2つの凸部の間の凹部への第2導電性ペーストの流れ込みを促進させることができ、例え、第1層目の電極の中心位置から第2導電性ペーストの中心位置が多少ずれたとしても、より効果的に多層電極を形成することができる。
このように、第1導電性ペーストの含有する樹脂の燃焼温度よりも第2導電性ペーストの含有する樹脂の燃焼温度が高いものを使用することにより、乾燥や電極焼成時の熱処理、特に焼成前段のバーンアウト(有機成分消失)工程において、第1層目の電極の有する2つの凸部の間の凹部への第2導電性ペーストの流れ込みを促進させることができ、例え、第1層目の電極の中心位置から第2導電性ペーストの中心位置が多少ずれたとしても、より効果的に多層電極を形成することができる。
これにより、高アスペクト比を有する2層構造の電極が形成される。
特に、第1層目の電極の2つの凸部の幅をそれぞれ10〜60μm、第1層目の電極1bの2つの凸部の中心間隔を20〜90μmとなるように形成した場合、第2層目の電極2bの幅は20〜70μmに形成することが好ましい。
たとえ、図1(C)のように、印刷ズレにより、完全に第1層目の電極1bの中心に第2層目の電極となる第2導電性ペースト2aの中心を重ね合わせることができなくても、第1層目の電極1bの中心部分に凹部が形成されているので、第2導電性ペースト2aは、乾燥、熱処理時に一番低い凹部の中心に向かって流れる。
まず、太陽電池を製造する基板5として、ホウ素あるいはガリウムなどをドープしたp型のアズカットシリコン単結晶基板を準備する(図5(A))。シリコン単結晶の物性は特に限定されるものではなく、例えば、比抵抗を0.1〜5Ω・cm、結晶方位を{100}とすることができる。シリコン単結晶の育成方法としては、チョクラルスキー(CZ)法やフローティングゾーン(FZ)法を用いることができる。このシリコン単結晶基板に対し、スライス加工時のダメージを除去するために、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの高濃度アルカリ溶液、あるいはフッ酸と硝酸の混酸などを用いてシリコン単結晶基板の表面をエッチングする。
この電極は、上記した太陽電池の電極形成方法を利用する。すなわち、スクリーン印刷法により導電性ペーストを2回以上塗布して多層構造の電極を、図1に示すフローで形成する。このときの電極パターンは、図2(A)のようなパターン3とする。
これにより、太陽電池が製造される。
図3は、図1に示す太陽電池の電極形成方法のフローを利用して製造された太陽電池の受光面の電極近傍の一例を示す拡大概略図である。
この太陽電池10は、基板W上に電極パターン3を有する2層構造の電極が形成されたものであり、第1層目の電極1bは、横断面形状が2つの凸部11と該凸部の間に凹部12を有するように基板W上に形成されたものであり、第2層目の電極2bは、第1層目の電極の凸部の間の凹部12上に形成されたものである。
(実施例)
<太陽電池用基板の作製>
図5に示したような方法で、太陽電池を作製する。まず、一辺が100mmの角ウェーハで、厚さ300μm、比抵抗0.5Ω・cm、方位{100}のCZ法で育成されたホウ素ドープp型アズカットシリコン単結晶基板を4枚用意し、濃水酸化カリウム水溶液によるエッチングを行ってダメージ層を除去した。その後、水酸化カリウム/2−プロパノール混合溶液中に浸漬して、シリコン単結晶基板の表面にテクスチャ形成を行い、その後塩酸/過酸化水素混合溶液を用いて洗浄した。
このようにして得られた太陽電池用基板Wの受光面側に電極を形成した。電極パターンは、図2(A)の電極パターン3とする。
まず、銀粒子、ガラスフリット、樹脂、溶剤を配合した第1導電性ペースト1aを、所望のパターン3を縁取った直線状にスクリーン印刷により塗布した。特に第1導電性ペースト1aの粘度は、室温で約130Pa・s(50rpm)程度であり、第1導電性ペースト1aに含まれる樹脂の燃焼温度が約400℃程度のものを使用した。
このとき、フィンガー部9fの電極の第1層目の凸部の幅は約35μm、高さは約15μm、第1層目の凹部の深さは約10μm、第1層目の凸部の中心間隔は30μmであった。
このとき使用した第2導電性ペースト2aは、銀粒子、ガラスフリット、樹脂、溶剤を配合したものであり、特に第2導電性ペースト2aの粘度は、室温で約110Pa・s程度であり、第2導電性ペースト2aに含まれる樹脂の燃焼温度が約500℃程度のものを使用した。
このとき、フィンガー部9fの電極の第2層目の幅は約60μm、高さは約30μmとした。
実施例と同様のシリコン単結晶基板を4枚準備した。そして、受光面側電極を形成する際に、図4のように、所望パターン上に導電性ペーストをスクリーン印刷により塗布して乾燥後、1層目の電極41bを焼成した。熱処理条件は、実施例1と同様の方法で行った。
このとき、フィンガー部の電極の第1層目の幅は約80μm、高さは約20μmとなった。
このとき、フィンガー部の電極の2層目の幅は約60μm、高さは約10μmとなった。
2a…第2導電性ペースト、 2b…第2層目の電極、
3…最終的に必要とする所望の電極パターンの領域、
5…基板、 6…エミッタ層、 7…反射防止膜、 8…裏面電極、
9b…バスバー部、 9f…フィンガー部、 10…太陽電池、
11…第1層目の電極の凸部、 12…第1層目の電極の凹部、
13…第1層目の電極の凸部の中心間隔、 14…第1層目の電極の凸部の幅、
41b…第1層目の電極、 42a…導電性ペースト、 42b…第2層目の電極、
W…(太陽電池用の)基板。
Claims (9)
- スクリーン印刷法により導電性ペーストを2回以上塗布し、基板上に所望のパターンを有する多層構造の電極を形成する太陽電池の電極形成方法において、少なくとも、
前記電極の第1層目となる第1導電性ペーストを、横断面形状が2つの凸部と該凸部の間に凹部を有するように前記基板上に塗布して前記第1層目の電極を焼成し、
該第1層目の電極の凸部の間の凹部上に第2層目の電極となる第2導電性ペーストを塗布して前記第2層目の電極を焼成することを特徴とする太陽電池の電極形成方法。 - 前記第1導電性ペーストを前記所望のパターンを縁取った直線又は点線状に塗布することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の電極形成方法。
- 前記第1層目の電極の前記2つの凸部の幅をそれぞれ10〜60μm、前記2つの凸部の中心間隔を20〜90μmとし、前記第2層目の電極の幅を20〜70μmとすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池の電極形成方法。
- 前記第2導電性ペーストは、前記第1導電性ペーストの粘度より低い粘度のものを使用することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池の電極形成方法。
- 前記第2導電性ペーストは、前記第1導電性ペーストの含有する樹脂の燃焼温度より高い燃焼温度の樹脂を含有するものを使用することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池の電極形成方法。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池の電極形成方法を利用したことを特徴とする太陽電池の製造方法。
- 少なくとも、基板上に所望のパターンを有する多層構造の電極が形成された太陽電池であって、少なくとも、
前記電極の第1層目は、横断面形状が2つの凸部と該凸部の間に凹部を有するように前記基板上に形成されたものであり、
前記電極の第2層目は、前記第1層目の電極の凸部の間の凹部上に形成されたものであることを特徴とする太陽電池。 - 前記第1層目の電極は、前記所望のパターンを縁取った直線又は点線状に形成されたものであることを特徴とする請求項7に記載の太陽電池。
- 前記第1層目の電極の前記2つの凸部の幅は、それぞれ10〜60μm、前記2つの凸部の中心間隔は20〜90μmであり、前記第2層目の電極の幅は20〜70μmであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の太陽電池。
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