JP5168506B2 - 電極、太陽電池セル及びその製造方法 - Google Patents

電極、太陽電池セル及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に、太陽電池セルの受光面に形成される電極として有用な電極、並びにこの電極(フィンガー(グリッド)電極)が形成された太陽電池セル及びその製造方法に関する。
太陽電池の受光面電極材料には、一般に銀粒子を配合した厚膜ペーストが用いられ、スクリーン印刷法により形成したものを高温焼結するのが主流である。従来の太陽電池としては、例えば、図1に示すような、シリコン基板1の表面側に、エミッタ層2及び反射防止膜3が形成され、この反射防止膜3上に受光面電極4を有すると共に、裏面側にはBSF(Back Surface Field)層5と裏面電極6を有する構造のものがある。この受光面電極は、光を遮らないよう占有面積が少なく、なおかつ低抵抗であることが必要なため、ライン幅が細くて厚い(アスペクト比が高い)電極が要求される。
しかし、図2に示すように、通常の銀ペーストにおいては、導電率を高めるために平均粒径1〜5μm程度の異なる粒径の銀粒子12を混合しているため、焼成後は最密充填状態に近付くよう銀焼結体が収縮し、アスペクト比を高くすることが困難である。粒径が大きい銀粒子を揃えた銀ペーストを使用すると、収縮は抑えられ、見かけのアスペクト比を高くすることが可能であるが、一定体積の銀焼結体に占める空間(空孔,空隙)体積の比率が増えるため、導電性を損なうことになる。
また、通常の銀ペーストを焼結させた銀電極の導電性を向上する方法として、めっき処理があげられるが、図3に示すように、銀粒子12が最密充填構造を形成するため、めっき液が内部の空隙14まで浸透せず、銀電極表層のみにめっき層13が形成される。このため、導電性は改善されるが、電極の幅が広がり、電極の専有面積が増加してしまい、太陽電池の電流性能を低下させる。それを防ぐために短時間でめっき処理を行うと、導電性の改善はごく僅かとなるため、太陽電池の量産においてめっき工程を増やす利点がない。
なお、本発明に関連する先行技術文献情報としては下記のものが挙げられる。
特開2006−093433号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、特に太陽電池セルの受光面電極として有用であり、高アスペクト比を維持して電流性能を向上させ、高効率な太陽電池を形成することができる電極、この電極(フィンガー電極)が形成された太陽電池セル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、半導体基板と導通する電極であって、平均粒径10μm以上の粒子を50〜80質量%の割合で含有する銀粒子及びガラスフリットを含む焼結体を電解又は無電解めっきして、上記焼結体内に存在する空隙を充填すると共に、焼結体全体を覆うようめっき皮膜を形成した電極が、高アスペクト比を維持することができ、電流性能に優れることを見出した。即ち、上記特定粒径の粒子を特定量含む銀粒子を用いることで、めっきによる線太りが抑制された、高アスペクト比、低配線抵抗の構造の電極が形成される。めっき前の電極の断面構造は、アスペクト比が高い一方で空孔が存在するが、めっき後はこの空孔にめっきが施され、その結果、空孔がめっきされた金属で充填された構造となり、電極の導電性が大幅に向上する。また、めっきを介しての銀粒子同士の結合力も高まり、電極の信頼性も向上することを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記電極、太陽電池セル及びその製造方法を提供する。
〔請求項1〕
半導体基板と導通する電極であって、銀粒子を55〜85質量%含有する銀ペーストを焼結して得られ、平均粒径10〜20μmの粒子を50〜80質量%及び平均粒径5μm以下の粒子を5〜30質量%の割合で含有する銀粒子と、ガラスフリットを含む焼結体を電解又は無電解めっきして、上記焼結体内に存在する空隙を充填すると共に、焼結体全体を覆うようめっき皮膜を形成してなることを特徴とする電極。
〔請求項2〕
電解又は無電解めっきが、ニッケルめっき、コバルトめっき、パラジウムめっき、銅めっき、銀めっき、金めっき、白金めっき、錫めっき及びこれらの合金めっきから選ばれる請求項1記載の電極。
〔請求項3〕
上記焼結体が、銀粒子、ガラスフリット、有機ビヒクル及び有機溶媒を含む銀ペーストを焼結してなり、上記有機ビヒクルの分解開始温度が170〜250℃である請求項1又は2記載の電極。
〔請求項4〕
上記銀ペーストの粘度が、25℃における回転数50rpmの回転粘度計による計測値として80〜200Pa・sであり、チクソ性が、回転数5rpmのときと50rpmのときの粘度の比(5rpm/50rpm)として1.0〜3.5である請求項記載の電極。
〔請求項5〕
半導体基板と、この基板の片面に形成されたこれとは異なる導電型の不純物層と、上記不純物層に導通する請求項1乃至のいずれか1項記載の電極とを具備することを特徴とする太陽電池セル。
〔請求項6〕
半導体基板の片面にこれとは異なる導電型の不純物層を形成する工程と、この不純物層の表面全面に酸化物又は無機物からなる反射防止膜を形成する工程と、この反射防止膜上に上記不純物層と導通するよう請求項1乃至のいずれか1項記載の電極を形成する工程とを含むことを特徴とする太陽電池セルの製造方法。
本発明の電極は、高アスペクト比が維持され、電流性能を向上させることができる。また、本発明の電極は、特に太陽電池セルの受光面電極として有用であり、直列抵抗の低い高効率太陽電池セルを製造することができる。更に、スクリーン印刷法を用いることにより低コスト化が可能となる。
従来の太陽電池の代表的な構造を示す断面図である。 従来の太陽電池の電極を示す断面図である。 従来の太陽電池の電極にめっき処理を施した例を示す断面図である。 本発明に係る電極の一例を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態について詳しく述べるが、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
本発明の電極は、半導体基板と導通しており、平均粒径10μm以上の粒子を50〜80質量%の割合で含有する銀粒子及びガラスフリットを含む焼結体を電解又は無電解めっきして、上記焼結体内に存在する空隙を充填すると共に、焼結体全体を覆うようめっき皮膜を形成してなることを特徴とする。
ここで、本発明の電極は、銀粒子及びガラスフリットを含む焼結体を含むものであるが、この銀粒子のうち、平均粒径が10μm以上、好ましくは12μm以上であり、20μm以下、特に15μm以下の粒子の割合は50〜80質量%であり、好ましくは60〜70質量%である。平均粒径10μm以上の粒子の含有量が少なすぎると、焼成後、銀粒子が収縮し、アスペクト比を高くすることが困難であり、多すぎると、空孔の容積が増加し、焼成性が悪くなるため配線抵抗が高くなり、またスクリーン印刷性も損なわれる。
また、銀粒子のうち、平均粒径5μm以下、特に3μm以下の粒子の含有割合は、5〜30質量%、特に10〜25質量%であることが好ましい。平均粒径5μm以下の銀粒子の含有量が少なすぎると、配線抵抗や半導体基板へのコンタクト特性が低下する場合があり、多すぎると、銀の焼成が促進され、めっきのための空孔の容積が不十分となる場合がある。また、銀粒子の合計含有割合は銀ペースト全体の90質量%以下であることが好ましい。なお、銀粒子の平均粒径は、グラインドゲージ、走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定することができる。
また、ガラスフリットとしては、B−Pb−O系、B−Si−Pb−O系、B−Si−Bi−Pb−O系、B−Si−Zn−O系、B−Si−Pb−Al−O系のもので、例えば、PbO、B23、Al23等の酸化物を用いることができる。
このような焼結体は、上述した銀粒子、ガラスフリット、有機ビヒクル及び有機溶媒を含む銀ペーストを焼結して得ることができる。この場合、銀ペーストに含まれる銀粒子の割合は、55〜90質量%、特に75〜85質量%であることが好ましく、ガラスフリットの含有割合は、0.2〜5質量%、特に0.5〜2質量%であることが好ましい。
有機ビヒクルとしては、特に制限されず、導電性ペーストに配合される公知のものを用いることができる。例えば、エチルセルロース、アルキッド樹脂等が挙げられ、これらは1〜5質量%の割合で含まれることが好ましい。
上記有機ビヒクルは、分解開始温度が170〜250℃であることが好ましく、より好ましくは180〜210℃である。分解開始温度を170〜250℃の範囲内と低温化し、有機ビヒクルの不完全燃焼や燃焼ガスが閉塞されるのを抑えて、焼結体内部に空孔が形成されることを促進する。分解開始温度が低すぎると、不完全燃焼による残渣が空孔に残され、導電性を低下させる場合があり、高すぎると、焼結が先行してしまう場合がある。なお、焼結体内部で空孔が占める割合は、20〜30体積%であることが、めっきが空孔を充填し、導電性の高い、高アスペクト比の電極を形成するという点から好ましい。
有機溶媒も特に制限されず、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、αテルピネオール等を用いることができ、5〜20質量%の割合で含まれることが好ましい。
本発明で用いる銀ペーストは、25℃において回転数50rpmの回転粘度計で測定した粘度が80〜200Pa・sの範囲内であることが好ましく、より好ましくは100〜160Pa・sである。また、25℃における回転数5rpmのときと50rpmのときの粘度の比(5rpm/50rpm,TI値)が1.0〜3.5、好ましくは1.5〜3.0の範囲のチクソ性を有していることが、銀ペーストのアスペクト比の高い印刷性を確保する上で好ましい。粘度が低すぎると、ペーストがにじんでしまい、パターンが広がってしまう場合があり、高すぎると、ペーストが流動せず、かすれたパターンを形成する場合がある。
本発明の電極は、このような銀ペーストをスクリーン印刷法、ロールコーター法、ディスペンサー法等により、基板上に塗布し、乾燥した後、これを焼成して形成される。焼成条件は特に制限されないが、600〜850℃、特に700〜800℃で1〜5分間、特に1〜3分間行うことが好ましい。また、電極の形状は、櫛形、魚骨形、渦巻き形等使用用途により適宜選定することができる。
このようにして得られた焼結体は、銀粒子同士が互いに接触するよう溶融したガラスフリットによって結合され、その内部に空隙を有する構造をしている。本発明においては、このようにして得られた焼成体に電解又は無電解めっきを施す。
電解めっき(電気めっき)する場合、上述した電極付き基板の電極部分の脱脂、酸活性等の前処理を常法に従って行った後、電気めっき液に浸漬して電極部分を電気めっきする。電気めっきとしては、特に制限されないが、ニッケルめっき、コバルトめっき、パラジウムめっき、銅めっき、銀めっき、金めっき、白金めっき、錫めっき等、及びこれらの合金めっきが挙げられるが、特に銅めっき(ピロリン酸銅めっき、硫酸銅めっき)、銀めっき、錫めっき、半田めっきが後工程での半田付けによる太陽電池セルの連結の点から好ましい。めっき浴濃度は、銅めっき浴ではピロリン酸銅80〜110g/L、特に90〜100g/Lとし、必要により、例えば、ピロリン酸カリウム、28%アンモニア水、ピロトップ PC(奥野製薬工業(株)製)等を含有するめっき液(水溶液)を用いることができる。
電気めっきの条件としては、pHは8.5〜9.5が好ましく、酸性めっき液は、銀電極の接触抵抗を改善する効果もある。温度45〜65℃、特に55〜60℃で、電極付き基板の電極(カソード)と、アノードとの間に5〜20A/cm2の電流を流し、0.5〜5分間、特に1〜3分間行うことが好ましい。上記条件を外れると、めっき不足による効果低減か、めっき過剰による線幅増加を招いてしまう場合がある。
無電解めっきの場合も上記と同じ金属をめっきすることができる。無電解めっきの液組成としては、特に制限されないが、例えば、硫酸銅10g/L、ロシェル塩40g/L、37%ホルムアルデヒド10g/L、水酸化ナトリウム8〜10g/L、安定剤(2MBT、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、チオ尿素、ロダニン、α−α’ジピリジル0.1〜10g/L)等を含むめっき液(水溶液)を用いることができる。
無電解めっきの条件も特に制限されず、例えば、pH12〜13、温度20〜25℃で、5〜60分間めっき浴に浸漬して無電解めっきすることができる。
めっき皮膜の厚さは、電解及び無電解めっきのいずれの場合も1〜10nmであることが好ましい。
このようにして形成される本発明の電極は、図4に示すように、特定粒径の銀粒子15と、ガラスフリット(図示せず)を含む焼結体内部の空隙がめっきした金属16によって充填されると共に、焼結体全体がめっき皮膜により覆われた構造を有している。このような電極は、半導体基板と導通させた電極を有する素子であれば、どのようなものにも適用できるが、特に、太陽電池セルの電極として用いる場合に有効である。
本発明の太陽電池セルの構造としては、一般的に用いられているものを用いることができるが、例えば、半導体基板と、この基板の片面に形成されたこれとは異なる導電型の不純物層とを具備し、この不純物層に導通するよう本発明の電極を形成したものが挙げられる。半導体基板としては、p型又はn型単結晶シリコン基板、p型又はn型多結晶シリコン基板、p型又はn型薄膜シリコン基板、非シリコン系の化合物半導体基板等の半導体基板を用いることができる。不純物層は、半導体基板の導電型とは異なる導電型のものであればよい。
半導体基板の一例を示すと、高純度シリコンにホウ素、ガリウムのようなIII族元素をドープし、比抵抗0.1〜5Ω・cmとした、0.1〜1.0mm程度の厚みを有するアズカット単結晶{100}p型シリコン基板等を用いることができる。この基板に対し、スライスのダメージ除去処理と、テクスチャ(光閉じ込め用凹凸)形成を行う。基板表面のスライスダメージの除去は、濃度5〜60質量%の水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の高濃度のアルカリ、もしくは、ふっ酸と硝酸とを混合した混酸等を用いてエッチングする。
テクスチャの形成は、加熱した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ溶液(濃度数質量%〜数十質量%,温度60〜100℃)中に10〜30分程度浸漬することで、容易に作製される。上記溶液中に、所定量の2−プロパノール等を溶解させ、反応を促進させることが多い。均一なテクスチャ形成のためには、60〜70℃に加熱した濃度数質量%の水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム溶液中に、数質量%の2−プロパノールを混合した溶液を用いるのが好ましい。
テクスチャ形成後、塩酸、硫酸、硝酸、ふっ酸等の無機酸を一種単独で又は二種以上を併用した混合液の酸性水溶液中で洗浄する。経済的及び効率的見地から、塩酸中での洗浄が好ましい。清浄度を向上するため、塩酸溶液中に、数質量%の過酸化水素を混合させ、60〜90℃で1〜30分間加温して洗浄してもよい。
次に、オキシ塩化リン等を用いた気相拡散法等によりエミッタ層(不純物層)を形成する。裏面への拡散を防ぐため、裏面同士を重ねあわせ、2枚一組で拡散ボートに並べて気相拡散するのが好ましい。具体的には、オキシ塩化リン等の雰囲気中で、820〜880℃で数十分熱処理し、受光面にn型層を形成する。形成したエミッタ層の深さは0.2〜1.0μmが好ましく、シート抵抗は40〜150Ω/□が好ましい。拡散後、拡散で形成されたリンガラスを、数%のふっ酸水溶液中に数分浸漬して除去する。なお、エミッタ層の形成は、上記気相拡散法以外にも、拡散剤によるスピンコート法、スプレー法等により行うことができる。
この後、表面の反射防止膜の形成を行う。反射防止膜には、酸化シリコン、窒化シリコンをはじめ、酸化セリウム、アルミナ、二酸化錫、二酸化チタン、酸化タンタル等の酸化物や、フッ化マグネシウム等の無機物からなる膜や、これらのうちの二種を組み合わせた二層膜が使用され、いずれを用いても問題ない。反射防止膜形成には、PVD法、CVD法等が用いられ、いずれの方法でも可能である。特に、高効率太陽電池作製のためには、窒化シリコンをリモートプラズマCVD法で形成したものが、小さな表面再結合速度が達成可能であり、好ましい。
続いて、裏面に電極を10〜50μmの厚さに形成する。電極には銀、銅、アルミニウム等の金属が用いられるが、経済性、加工性、シリコンとの接触性の観点からアルミニウムが最も好ましい。金属層の堆積は、スパッタリング法、真空蒸着法、スクリーン印刷法等いずれの方法でも可能である。通常、電極金属は裏面に一様に形成する。本発明においては、スクリーン印刷法を用いてアルミニウムを含む電極を形成し、焼成することにより、シリコン基板との境界部分においてアルミニウムがシリコン基板の内部に拡散し、シリコン基板はp型不純物を多量に含んだ裏面電界領域(高濃度p+領域)を形成させることができるので望ましい。スクリーン印刷法による場合、上述した銀ペーストと同様に、アルミニウム粉末、ガラスフリット、有機ビヒクル、有機溶媒等を含むペーストを用いることが好ましく、印刷後、5〜30分間、700〜800℃で焼成して、裏面電極を形成することができる。
次に、受光面に、本発明の電極(フィンガー(グリッド)電極)を形成する。上述した銀粒子、ガラスフリット、有機ビヒクル及び有機溶媒を含有する銀ペーストを反射防止膜の表面上に上記不純物層と導通するよう形成した後に、有機溶媒を乾燥させ、焼成する。本発明の太陽電池においては、フィンガー電極は、櫛形、魚骨形、渦巻き形等の形状であることが好ましい。
なお、受光面及び裏面の処理の順序は逆であっても、何ら問題はない。焼結体に対して電解或いは無電解めっき処理を施し、太陽電池が完成する。
以下、実施例、参考例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、銀粒子の平均粒径はグランドゲージ、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定した値であり、粘度は25℃において回転粘度計により測定した値である。
[実施例1〜5、参考例1、比較例1〜6]
15cm角,厚さ250μm,比抵抗2.0Ω・cmのホウ素ドープ{100}p型アズカットシリコン基板を用意した。濃水酸化カリウム水溶液(濃度20質量%)によりダメージ層を除去し、テクスチャを形成した後、オキシ塩化リン雰囲気下、850℃で熱処理してエミッタ層を形成した。次いで、リンガラスを除去し、CVD法により窒化ケイ素からなる反射防止膜を形成した。裏面全面にはアルミニウムを含むペーストをスクリーン印刷し、有機溶媒を乾燥して基板を作製した。
続いて、受光面グリッド電極は、表1に示す粒径及び含有割合の銀粒子を含む、実施例1〜5、参考例1及び比較例1〜6の銀ペーストを使用してスクリーン印刷にて反射防止膜の表面上に形成した。その後、150℃のクリーンオーブンで有機溶媒の乾燥を行い、最高温度を750℃と設定した近赤外線炉内で5分にわたって焼成を行った。なお、実施例1〜5、参考例1及び比較例1〜6で使用した銀ペーストは、有機ビヒクルとしてエチルセルロース、アルキッド樹脂を含み、分解温度は表1の通りであった。また、銀ペーストの粘度及びTI値も表1に示す。
表1の実施例1〜5、参考例1及び比較例1〜6毎に10枚ずつ、合計120枚作製した太陽電池を、25℃の雰囲気の中、ソーラーシミュレーター(照射強度:1kW/m2,スペクトル:AM1.5グローバル)の下で電気測定(短絡電流密度,開放電圧,曲線因子,変換効率)を行った。測定後、表2に示した条件で電解銅めっきを施した。銅めっき後の太陽電池を、25℃の雰囲気の中、ソーラーシミュレーター(照射強度:1kW/m2,スペクトル:AM1.5グローバル)の下で再度電気測定(短絡電流密度,開放電圧,曲線因子,変換効率)を行った。表3に、めっき前後の実施例1〜5、参考例1及び比較例1〜6の太陽電池10枚それぞれの電気特性の測定平均値を示す。
Figure 0005168506
Figure 0005168506
Figure 0005168506
表3より以下のことが明らかになった。本発明の実施例1〜5、参考例1では、いずれも高い変換効率の太陽電池が得られている。一方、比較例1〜6は、めっき後に電流が低下し、曲線因子の増加は大きくないため、実施例に比べて変換効率が低い。
1 半導体基板(p型シリコン基板)
2 エミッタ層(n+拡散層)
3 反射防止膜
4 受光面電極
5 BSF層(p+拡散層)
6 裏面電極
11 半導体基板
12 各種粒径の銀粒子
13 めっき層
14 空隙
15 平均粒径10μm以上の銀粒子
16 めっき部分

Claims (6)

  1. 半導体基板と導通する電極であって、銀粒子を55〜85質量%含有する銀ペーストを焼結して得られ、平均粒径10〜20μmの粒子を50〜80質量%及び平均粒径5μm以下の粒子を5〜30質量%の割合で含有する銀粒子と、ガラスフリットを含む焼結体を電解又は無電解めっきして、上記焼結体内に存在する空隙を充填すると共に、焼結体全体を覆うようめっき皮膜を形成してなることを特徴とする電極。
  2. 電解又は無電解めっきが、ニッケルめっき、コバルトめっき、パラジウムめっき、銅めっき、銀めっき、金めっき、白金めっき、錫めっき及びこれらの合金めっきから選ばれる請求項1記載の電極。
  3. 上記焼結体が、銀粒子、ガラスフリット、有機ビヒクル及び有機溶媒を含む銀ペーストを焼結してなり、上記有機ビヒクルの分解開始温度が170〜250℃である請求項1又は2記載の電極。
  4. 上記銀ペーストの粘度が、25℃における回転数50rpmの回転粘度計による計測値として80〜200Pa・sであり、チクソ性が、回転数5rpmのときと50rpmのときの粘度の比(5rpm/50rpm)として1.0〜3.5である請求項記載の電極。
  5. 半導体基板と、この基板の片面に形成されたこれとは異なる導電型の不純物層と、上記不純物層に導通する請求項1乃至のいずれか1項記載の電極とを具備することを特徴とする太陽電池セル。
  6. 半導体基板の片面にこれとは異なる導電型の不純物層を形成する工程と、この不純物層の表面全面に酸化物又は無機物からなる反射防止膜を形成する工程と、この反射防止膜上に上記不純物層と導通するよう請求項1乃至のいずれか1項記載の電極を形成する工程とを含むことを特徴とする太陽電池セルの製造方法。
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