JP2008078239A - 太陽電池セルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】受光面側電極と裏面側電極を備えた太陽電池セルであって、受光面側電極および裏面側電極のSi基板への密着強度が高く、受光面側電極とSi基板とのオーミック接触性に優れ、かつ、受光面側電極とSi基板との接触抵抗が低くて、発電効率に優れた太陽電池セルを効率よく製造することを可能にする。
【解決手段】受光面側電極形成用の導電性ペースト4と、裏面側電極形成用の導電性ペースト5の間に直流電圧を印加しながら、受光面側電極形成用の導電性ペースト4および裏面側電極形成用の導電性ペースト5を焼成して、受光面側電極および裏面側電極を形成する。
受光面側電極形成用の導電性ペースト4と、裏面側電極形成用の導電性ペースト5の間に印加する直流電圧を、0.1〜3Vの範囲とする。
受光面側電極形成用の導電性ペースト側が負極、裏面側電極形成用の導電性ペースト側が正極となるように直流電圧を印加しながら、焼成を行う。
【選択図】図4
【解決手段】受光面側電極形成用の導電性ペースト4と、裏面側電極形成用の導電性ペースト5の間に直流電圧を印加しながら、受光面側電極形成用の導電性ペースト4および裏面側電極形成用の導電性ペースト5を焼成して、受光面側電極および裏面側電極を形成する。
受光面側電極形成用の導電性ペースト4と、裏面側電極形成用の導電性ペースト5の間に印加する直流電圧を、0.1〜3Vの範囲とする。
受光面側電極形成用の導電性ペースト側が負極、裏面側電極形成用の導電性ペースト側が正極となるように直流電圧を印加しながら、焼成を行う。
【選択図】図4
Description
本願発明は、Si基板の互いに対向する一対の主面のうち、受光面として機能する一方主面に受光面側電極が配設され、他方主面に裏面側電極が配設された構造を有する太陽電池セルの製造方法に関し、詳しくは、受光面側電極および裏面側電極が、Si基板に付与された導電性ペーストを焼き付ける工程を経て形成される太陽電池セルの製造方法に関する。
従来のSi基板を用いた太陽電池セルの一つに、図6に示すような構造を有する太陽電池セルがある。この太陽電池セルにおいては、厚さ300〜400μmのp型Si半導体基板51が用いられており、このp型Si半導体基板51の受光面側には、0.3〜0.5μmのn型不純物層52および光電変換効率を高めるための反射防止膜53が形成されており、さらにこの反射防止膜53を貫通して、p型Si半導体基板51のn型不純物層52に達するように、p型Si半導体用のグリッド電極(受光面側電極)54が形成されている。
また、p型Si半導体基板51の裏面側には、そのほぼ全面に裏面側電極55が形成されている。
なお、この裏面側電極55は、通常、アルミニウム粉末、ガラスフリットおよび有機質ビヒクルを配合した導電性Alペーストを、p型Si半導体基板51の裏面に塗布した後、Alの融点(660℃)以上の温度で焼成することにより形成されている。
なお、この裏面側電極55は、通常、アルミニウム粉末、ガラスフリットおよび有機質ビヒクルを配合した導電性Alペーストを、p型Si半導体基板51の裏面に塗布した後、Alの融点(660℃)以上の温度で焼成することにより形成されている。
そして、この太陽電池セルにおいては、裏面側電極55が形成される際に、裏面側電極55とp型Si半導体基板51の界面(Al/Si界面)のp型Si半導体基板51側にAl−Si合金層56が形成されて、生成キャリアの裏面側電極55における再結合が抑制され、結果として、生成キャリアの収集効率が向上するBSF効果が得られる。
また、Si基板を用いた太陽電池セルの製造方法としては、例えば、以下に説明するような太陽電池セルの製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
まず、図7(a)に示すように、一方主面である前面に、n+層62が形成され、その上に反射防止膜63が形成された基板(Si基板)61の背面に、AgペーストとAlペーストをスクリーン印刷して700℃〜800℃で焼成することにより、背面Ag電極64と背面Al電極65を形成する(このとき同時に、p+層66が形成される)。
それから、図7(b)に示すように、Agペーストを反射防止膜63上にスクリーン印刷して700℃〜750℃で焼成し、前面Ag電極(受光面側電極)67を形成し、焼成の間に、Agペーストを反射防止膜63と反応させて反射防止膜63を貫通させ、n+層62と接合させる。
その後、基板61を、臭化水素酸を純水と混合した常温水溶液中に約20秒間浸漬した後、純水(5MΩ以上)にて洗浄し、乾燥することにより、太陽電池セルを得る。
その後、基板61を、臭化水素酸を純水と混合した常温水溶液中に約20秒間浸漬した後、純水(5MΩ以上)にて洗浄し、乾燥することにより、太陽電池セルを得る。
すなわち、この特許文献1の方法では、太陽電池セルの製造工程で、基板61に受光面側電極である前面Ag電極67を形成するにあたって、基板上にAgペーストを塗布し、焼成して前面Ag電極67を形成した後、化学薬液への浸漬処理を行うことにより、前面Ag電極と基板との接触抵抗を低減するようにしている。
また、特許文献1には、前面Ag電極67をはんだフラックスで処理する方法、さらには、はんだフラックスで処理した後、図8に示すように、前面Ag電極67をはんだ層68により被覆し、背面Ag電極64をはんだ層69により被覆する方法も提案されており、この場合も、電極と基板との接触抵抗を低減することができるとされている。
しかしながら、化学溶液への浸漬処理を行った場合、基板への電極の密着強度が低下するという問題点がある。
また、はんだで被覆する方法の場合、はんだ槽への浸漬時に熱衝撃によって基板に割れが発生するおそれがあり、歩留まりが低下するという問題点がある。
特開平9−213979号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、Si基板の互いに対向する一対の主面のうち、受光面として機能する一方主面に受光面側電極が配設され、他方主面に裏面側電極が配設された構造を有する太陽電池セルの製造方法であって、受光面側電極および裏面側電極の基板への密着強度が高く、受光面側電極とSi基板とのオーミック接触性に優れ、かつ、受光面側電極とSi基板との接触抵抗の低い太陽電池セルを効率よく製造することが可能な太陽電池セルの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)の太陽電池セルの製造方法は、
Si基板と、前記Si基板の互いに対向する一対の主面のうち、受光面として機能する一方主面に配設された受光面側電極と、他方主面に配設された裏面側電極とを備えた太陽電池セルの製造方法であって、
前記Si基板の前記一方主面に、受光面側電極形成用の導電性ペーストを付与する工程と、
前記Si基板の前記他方主面に、裏面側電極形成用の導電性ペーストを付与する工程と、
前記受光面側電極形成用の導電性ペーストと、前記裏面側電極形成用の導電性ペーストの間に直流電圧を印加しながら、前記受光面側電極形成用の導電性ペーストおよび前記裏面側電極形成用の導電性ペーストを焼成する工程と
を備えていることを特徴としている。
Si基板と、前記Si基板の互いに対向する一対の主面のうち、受光面として機能する一方主面に配設された受光面側電極と、他方主面に配設された裏面側電極とを備えた太陽電池セルの製造方法であって、
前記Si基板の前記一方主面に、受光面側電極形成用の導電性ペーストを付与する工程と、
前記Si基板の前記他方主面に、裏面側電極形成用の導電性ペーストを付与する工程と、
前記受光面側電極形成用の導電性ペーストと、前記裏面側電極形成用の導電性ペーストの間に直流電圧を印加しながら、前記受光面側電極形成用の導電性ペーストおよび前記裏面側電極形成用の導電性ペーストを焼成する工程と
を備えていることを特徴としている。
また、請求項2の太陽電池セルの製造方法は、請求項1の発明の構成において、前記受光面側電極形成用の導電性ペーストと、前記裏面側電極形成用の導電性ペーストの間に印加する直流電圧を、0.1〜3Vの範囲とすることを特徴としている。
また、請求項3の太陽電池セルの製造方法は、請求項1または2の発明の構成において、前記受光面側電極形成用の導電性ペースト側が負極、前記裏面側電極形成用の導電性ペースト側が正極となるように直流電圧を印加しながら、前記受光面側電極形成用の導電性ペーストおよび前記裏面側電極形成用の導電性ペーストを焼成することを特徴としている。
また、請求項4の太陽電池セルの製造方法は、請求項1〜3のいずれかの発明の構成において、前記Si基板として、前記一方主面に反射防止膜が形成されたSi基板を用い、前記受光面側電極形成用の導電性ペーストを、前記反射防止膜上に付与することを特徴としている。
本願発明(請求項1)の太陽電池セルの製造方法は、Si基板の一方主面(受光面)に付与された受光面側電極形成用の導電性ペーストと、Si基板の他方主面(裏面)に付与された裏面側電極形成用の導電性ペーストの間に直流電圧を印加しながら、受光面側電極形成用の導電性ペーストおよび裏面側電極形成用の導電性ペーストを焼成するようにしているので、受光面側電極および裏面側電極の基板への密着強度が高く、受光面側電極とSi基板とのオーミック接触性に優れ、かつ、受光面側電極とSi基板との接触抵抗の低い太陽電池セルを効率よく製造することが可能になる。
なお、導電性ペースト間に所定の直流電圧を印加しながら焼成した場合に、受光面側電極および裏面側電極のSi基板への密着強度を確保しながら、受光面側電極の接触抵抗を低下させることが可能になるのは、Si基板の表裏に配設された導電性ペースト間に通電しながら焼成することにより、Si基板の表面の酸化を抑制することが可能になり、電極とSi基板の間に、絶縁体であるSiO2層が形成されることを抑制することが可能になるためであると考えられる。
また、請求項2の太陽電池セルの製造方法のように、請求項1の発明の構成において、受光面側電極形成用の導電性ペーストと、裏面側電極形成用の導電性ペーストの間に印加する直流電圧を、0.1〜3Vの範囲とすることにより、受光面側電極および裏面側電極の基板への密着強度を確保しつつ、受光面側電極とSi基板とのオーミック接触性を向上させ、かつ、電極とSi基板との接触抵抗を低下させることが可能になる。
なお、受光面側電極形成用の導電性ペーストと、裏面側電極形成用の導電性ペーストの間に印加する直流電圧を、0.1〜3Vの範囲としたのは、直流電圧が0.1V未満になると、受光面側電極とSi基板とのオーミック接触性を向上させ、かつ、受光面側電極とSi基板との接触抵抗を低下させるとともに、受光面側電極および裏面側電極のSi基板への密着強度を確保する効果が不十分になり、また、直流電圧が3Vを超えると、n+/p接合が破壊され、発電効率が低下することによる。
なお、受光面側電極形成用の導電性ペーストと、裏面側電極形成用の導電性ペーストの間に印加する直流電圧は上述の範囲とすることが好ましいが、Si基板への電極の密着性の確保、受光面側電極とSi基板との接触抵抗の低下の見地からは、0.5〜3Vの範囲とすることがより好ましい。
また、請求項3の太陽電池セルの製造方法のように、受光面側電極形成用の導電性ペースト側が負極、裏面側電極形成用の導電性ペースト側が正極となるように直流電圧を印加しながら、受光面側電極形成用の導電性ペーストおよび裏面側電極形成用の導電性ペーストを焼成するようにした場合、受光面側電極および裏面側電極の基板への密着強度を確保しつつ、受光面側電極とSi基板とのオーミック接触性を向上させ、かつ、受光面側電極とSi基板との接触抵抗をさらに低下させることが可能になる。
なお、受光面側が負極、裏面側が正極となるように直流電圧を印加しながら焼成を行った場合に、受光面側電極とSi基板との接触抵抗をさらに低下させることが可能になるのは、直流電圧の印加される方向が、Si基板のn+/p接合に対して順方向となり、必要な直流電圧が電極界面に効率よく印加されることによるものと考えられる。
すなわち、太陽電池セル用のSi基板は、受光面側に、例えばリンなどのn型不純物を拡散させることにより形成された、所定深さのn型不純物層を備えたn+/p接合を有しており、受光面側が負極、裏面側が正極となるようにした場合、直流電圧印加方向が、Si基板のn+/p接合に対して順方向となり、電極界面に効率よく必要な直流電圧を印加することが可能になるものと考えられる。
また、本願発明では、導電性ペースト間に所定の直流電圧を印加しながら焼成するようにしているので、請求項4の太陽電池セルの製造方法のように、反射防止膜が形成されたSi基板の一方主面に導電性ペーストを付与して、反射防止膜を貫通するように受光面側電極を形成する場合にも、受光面側電極および裏面側電極のSi基板への密着強度を低下させることなく、受光面側電極とSi基板とのオーミック接触性に優れ、かつ、受光面側電極とSi基板との接触抵抗の低い太陽電池セルを効率よく製造することが可能になる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
この実施例1では、本願発明を単結晶シリコン太陽電池セルに適用した場合を例にとって説明する。
[太陽電池セルの製造]
(1)まず、Si基板として、面方位(100)を主面とするp型単結晶Siウェハを用意した。
(1)まず、Si基板として、面方位(100)を主面とするp型単結晶Siウェハを用意した。
(2)それから、p型単結晶Siウェハの表面からn型不純物(例えばリン)を拡散させ、n+/p接合を形成した。
(3)次に、p型単結晶Siウェハの側面および裏面の、n型不純物が拡散して形成されたn型不純物層をエッチングして除去し、受光面にのみn型不純物層が形成された状態のSiウェハを得た。
(4)そして、このSiウエハの一方主面である受光面に、金属酸化物からなる反射防止膜を形成した。
(5)それから、反射防止膜が形成されたSiウエハをダイシングして10mm□の小片に分割し、Si基板のテストサンプルとした。
(6)次に、このSi基板1の受光面側に、受光面側電極形成用の導電性ペースト4の焼成時に反射防止膜3を貫通して、n型不純物層2に達するように、Ag粉末を導電成分とする、受光面側電極形成用の導電性ペースト4を、図1に示すように、スクリーン印刷法により印刷した。なお、受光面側電極用の印刷パターンは、図2に示すように、1×8mm□の複数のAgペースト膜4aが形成されるような印刷パターンとした。
(7)また、図1に示すように、Si基板1の他方主面である裏面側に、Al粉末を導電成分とする、裏面側電極形成用の導電性ペースト5をスクリーン印刷法により印刷した。なお、裏面側電極形成用の印刷パターンは、図3に示すように、8mm□の単一のAlペースト膜5aが形成されるような印刷パターンとした。
(8)それから、150℃で数分間加熱することにより、受光面側電極形成用の導電性ペースト4および裏面側電極形成用の導電性ペースト5を乾燥させた。
(9)次に、図4に示すように、受光面側電極形成用の導電性ペースト4および裏面側電極形成用の導電性ペースト5を乾燥させたAgペースト膜4a,Alペースト膜5aにPt線6をそれぞれ接着(接続)した。
なお、Pt線6をAgペースト膜4aに接着するにあたってはAg粉末を導電成分とするAgペーストを用い、Pt線6をAlペースト膜5aに接着するにあたってはAl粉末を導電成分とするAlペーストを用いた。
そして、AgペーストおよびAlペーストにPt線6を浸漬し、加熱乾燥することにより、Pt線6をAgペースト膜4a、および、Alペースト膜5aに接着した。
なお、Pt線6をAgペースト膜4aに接着するにあたってはAg粉末を導電成分とするAgペーストを用い、Pt線6をAlペースト膜5aに接着するにあたってはAl粉末を導電成分とするAlペーストを用いた。
そして、AgペーストおよびAlペーストにPt線6を浸漬し、加熱乾燥することにより、Pt線6をAgペースト膜4a、および、Alペースト膜5aに接着した。
(10)それから、Pt線6に直流電源10を接続し、受光面側電極形成用の導電性ペースト4(Agペースト膜4a)と、裏面側電極形成用の導電性ペースト5(Alペースト膜5a)の間に一定の直流電圧を印加した状態で焼成を行い、導電性ペースト4,5を焼結させた。
その際、受光面側電極形成用の導電性ペースト4(Agペースト膜4a)は、反射防止膜3を貫通して、Si基板1の受光面側のn型不純物層2にまで達し、受光面側電極14(図5)が形成されることになる。
その際、受光面側電極形成用の導電性ペースト4(Agペースト膜4a)は、反射防止膜3を貫通して、Si基板1の受光面側のn型不純物層2にまで達し、受光面側電極14(図5)が形成されることになる。
そして、Pt線6を取り外すことにより、図5に示すように、Si基板1の受光面側のn型不純物層2にまで達するように配設された受光面側電極14と、Si基板1の裏面側に配設された裏面側電極15を備えた太陽電池セルを得た。
なお、直流電圧を印加しながら焼成を行うにあたっては、近赤外線ランプを用いた高速焼成炉を使用して焼成を行い、最高温度を約750℃で、各導電性ペースト4,5を焼結させた。
なお、直流電圧を印加しながら焼成を行うにあたっては、近赤外線ランプを用いた高速焼成炉を使用して焼成を行い、最高温度を約750℃で、各導電性ペースト4,5を焼結させた。
なお、比較のため、
(a) 直流電圧を印加せずに焼成したこと以外は上記実施例1の場合と同様の方法で製造した太陽電池セル(比較例1)、
(b) 直流電圧を印加せずに焼成したこと以外は上記実施例1の場合と同様の方法で製造し、かつ、前述の従来の技術の方法で、薬液処理(フッ化水素酸水溶液への浸漬処理)を行った太陽電池セル(比較例2)
を作製した。
(a) 直流電圧を印加せずに焼成したこと以外は上記実施例1の場合と同様の方法で製造した太陽電池セル(比較例1)、
(b) 直流電圧を印加せずに焼成したこと以外は上記実施例1の場合と同様の方法で製造し、かつ、前述の従来の技術の方法で、薬液処理(フッ化水素酸水溶液への浸漬処理)を行った太陽電池セル(比較例2)
を作製した。
このようにして作製した本願発明の実施例にかかる太陽電池セル、および、上記比較例1,2の太陽電池セルについて、以下の特性評価を行った。
[特性の評価]
(1)接触抵抗の測定
上述のようにして製造した実施例および比較例の太陽電池セルについて、受光面側の互いに隣り合う電極(受光面側電極)間の抵抗値を全て測定し、そのデータからTLM法(Transfer Length Method)を用いて、受光面側電極とSi基板との接触抵抗値(Rc)を求めた。
(1)接触抵抗の測定
上述のようにして製造した実施例および比較例の太陽電池セルについて、受光面側の互いに隣り合う電極(受光面側電極)間の抵抗値を全て測定し、そのデータからTLM法(Transfer Length Method)を用いて、受光面側電極とSi基板との接触抵抗値(Rc)を求めた。
(2)Si基板への電極の密着強度
Si基板に形成された受光面側電極および裏面側電極の表面を覆うように粘着テープを貼り付けた後、粘着テープを剥がし、受光面側電極および裏面側電極の剥離の有無を目視で確認し、剥離の認められたものを電極剥離の発生あり、剥離が認められなかったものを電極剥離の発生なしとして評価した。
Si基板に形成された受光面側電極および裏面側電極の表面を覆うように粘着テープを貼り付けた後、粘着テープを剥がし、受光面側電極および裏面側電極の剥離の有無を目視で確認し、剥離の認められたものを電極剥離の発生あり、剥離が認められなかったものを電極剥離の発生なしとして評価した。
上記(1)の接触抵抗の測定結果、および、(2)の電極剥離の発生の有無の評価結果を表1に示す。表1における試料番号1〜6は、本願発明の実施例にかかる太陽電池セル、試料番号7は上述の比較例1の太陽電池セル、試料番号8は上述の比較例2の太陽電池セルを示す。
表1より、本願発明の実施例にかかる試料番号1〜6の各太陽電池セルの場合、受光面側電極および裏面側電極の剥離は認められず、また、受光面側電極とSi基板との接触抵抗も低いことが確認された。この結果から、本願発明を適用することにより、受光面側電極および裏面側電極のSi基板への密着強度を確保することが可能になるとともに、受光面側電極とSi基板との接触抵抗を低下させることが可能になることがわかる。
なお、受光面側が正極、裏面側が負極となるように直流電圧を印加した場合、すなわち、試料番号1,2,3の場合には、受光面側電極とSi基板との接触抵抗を低くする効果が、受光面側が負極、裏面側が正極となるように直流電圧を印加した場合、すなわち、試料番号4,5,6の場合に比べて小さくなっているが、これは、受光面側が正極、裏面側が負極となるように直流電圧を印加した場合、直流電圧印加方向が、Si基板のn+/p接合に対して逆方向となり、電極界面に効率よく必要な直流電圧が印加されにくくなることによるものと考えられる。ただし、試料番号1,2,3の場合にも、電極剥離は防止されており、また、接触抵抗も、薬液処理などを行っていない試料番号7の場合に比べて低くなっており、本願発明の基本的な効果を奏しているものということができる。
また、受光面側が負極、裏面側が正極となるように直流電圧を印加した場合、すなわち、試料番号4,5,6の場合、受光面側電極とSi基板との接触抵抗を低下させる効果が大きくなっていることがわかる。これは、受光面側が負極、裏面側が正極となるように直流電圧を印加した場合には、直流電圧印加方向が、Si基板のn+/p接合に対して順方向となり、電極界面に効率よく必要な直流電圧が印加されることによるものと考えられる。
なお、比較例1の、直流電圧を印加せずに焼成したこと以外は上記実施例1の場合と同様の方法で製造した試料番号7の太陽電池セルの場合、電極剥離の発生は認められていないが、受光面側電極とSi基板との接触抵抗が高く、本願発明の実施例にかかる太陽電池セルに比べて、特性が劣っていることは明白である。
また、比較例2の、直流電圧を印加せずに焼成したこと以外は上記実施例1の場合と同様の方法で製造し、かつ、薬液処理(フッ化水素酸水溶液への浸漬処理)を行った試料番号8の太陽電池セルの場合も、受光面側電極とSi基板との接触抵抗値は低くなっているものの、電極剥離が発生しており、総合的に見て、好ましい結果が得られないことが確認されている。
なお、上記実施例では、受光面側電極がAg電極であり、裏面側電極がAl電極である場合を例にとって説明したが、受光面側電極および裏面側電極を構成する金属の種類としては、上記実施例1のAg、Alに限らず、例えば、Cuなどの、他の金属材料を用いることも可能であり、また、合金材料を用いることも可能である。
なお、上記実施例では直流電圧を印加する導線としてPt線を使ったが、Ptに限定されず、例えばAg、Niおよびこれを主成分とする合金などからなる導線を用いることができる。
なお、上記実施例では直流電圧を印加する導線としてPt線を使ったが、Ptに限定されず、例えばAg、Niおよびこれを主成分とする合金などからなる導線を用いることができる。
また、上記実施例では、Si基板として、一方主面に反射防止膜が形成されたSi基板を用い、反射防止膜を貫通するように受光面側電極が配設された構造を有する太陽電池セルを製造するようにしているが、特に反射防止膜を備えていないSi基板に受光面側電極を直接に形成する場合にも、本願発明を適用することが可能であり、その場合にも、受光面側電極および裏面側電極の基板への密着強度が高く、受光面側電極とSi基板とのオーミック接触性に優れ、かつ、受光面側電極とSi基板との接触抵抗の低い太陽電池セルを効率よく製造することができる。
また、本願発明は、さらにその他の点においても、上記実施例に限定されるものではなく、太陽電池セルを構成するSi基板の構成や具体的な形状、受光面側電極や裏面側電極の具体的なパターン、受光面側電極および裏面側電極形成用の導電性ペーストに直流電圧を印加しながら焼成を行う際の具体的な条件や方法などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明によれば、受光面側電極および裏面側電極のSi基板への密着強度が高く、受光面側電極とSi基板との接触抵抗の低い、発電効率に優れた太陽電池を効率よく製造することができる。
したがって、本願発明は、Si基板の受光面側および裏面側に印刷された導電性ペーストを焼成することにより形成される受光面側電極と、裏面側電極とを備えた構造を有する太陽電池セルを製造する場合に広く適用することが可能である。
したがって、本願発明は、Si基板の受光面側および裏面側に印刷された導電性ペーストを焼成することにより形成される受光面側電極と、裏面側電極とを備えた構造を有する太陽電池セルを製造する場合に広く適用することが可能である。
1 Si基板
2 n型不純物層
3 反射防止膜
4 受光面側電極形成用の導電性ペースト
4a Agペースト膜
5 裏面側電極形成用の導電性ペースト
5a Alペースト膜
6 Pt線
10 直流電源
14 受光面側電極
15 裏面側電極
2 n型不純物層
3 反射防止膜
4 受光面側電極形成用の導電性ペースト
4a Agペースト膜
5 裏面側電極形成用の導電性ペースト
5a Alペースト膜
6 Pt線
10 直流電源
14 受光面側電極
15 裏面側電極
Claims (4)
- Si基板と、前記Si基板の互いに対向する一対の主面のうち、受光面として機能する一方主面に配設された受光面側電極と、他方主面に配設された裏面側電極とを備えた太陽電池セルの製造方法であって、
前記Si基板の前記一方主面に、受光面側電極形成用の導電性ペーストを付与する工程と、
前記Si基板の前記他方主面に、裏面側電極形成用の導電性ペーストを付与する工程と、
前記受光面側電極形成用の導電性ペーストと、前記裏面側電極形成用の導電性ペーストの間に直流電圧を印加しながら、前記受光面側電極形成用の導電性ペーストおよび前記裏面側電極形成用の導電性ペーストを焼成する工程と
を備えていることを特徴とする太陽電池セルの製造方法。 - 前記受光面側電極形成用の導電性ペーストと、前記裏面側電極形成用の導電性ペーストの間に印加する直流電圧を、0.1〜3Vの範囲とすることを特徴とする請求項1記載の太陽電池セルの製造方法。
- 前記受光面側電極形成用の導電性ペースト側が負極、前記裏面側電極形成用の導電性ペースト側が正極となるように直流電圧を印加しながら、前記受光面側電極形成用の導電性ペーストおよび前記裏面側電極形成用の導電性ペーストを焼成することを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池セルの製造方法。
- 前記Si基板として、前記一方主面に反射防止膜が形成されたSi基板を用い、前記受光面側電極形成用の導電性ペーストを、前記反射防止膜上に付与することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池セルの製造方法。
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JP2006253399A JP2008078239A (ja) | 2006-09-19 | 2006-09-19 | 太陽電池セルの製造方法 |
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