JP2003273379A - 太陽電池素子 - Google Patents
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Abstract
印刷して焼成して電極を形成すると、出力取出部と集電
部の重なり部を起点とするセル割れが発生するという問
題があった。 【解決手段】 半導体基板1の一主面側と他の主面側に
異なる導電領域を形成して、一主面側に表面電極4を形
成するとともに、他の主面側に帯状の出力取出部5とこ
の出力取出部5が形成された領域以外の略全面に形成さ
れた集電部6とで構成される裏面電極5、6を設けた太
陽電池素子であって、上記集電部6を上記出力取出部5
の周縁部に重なるように設けるとともに、この重なり部
分5aにおける上記出力取出部5の厚みをそれ以外の領
域5bの厚みよりも薄くした。
Description
し、特に裏面電極を帯状の出力取出部と集電部とで構成
した太陽電池素子に関する。
図4に示すように、P型半導体基板1の表面近傍全面に
一定の深さまでN型不純物を拡散させてN型を呈する拡
散層2を形成するとともに、この拡散層2の表面に反射
防止膜3を形成したものである。また、表面側には表面
電極4が形成され、裏面側には出力取出部5と集電部6
から成る裏面電極5、6が形成されている。
は、特開平5−326990号公報、あるいは特表平6
−509910号公報に開示されているように、半導体
基板1の裏面の一領域に銀ペースト(5(a))を塗布
して乾燥した後、その領域の周辺部の一部に重なるよう
にアルミニウムペースト(5(b))を塗布して乾燥し
て同時に焼成する方法、すなわち同時焼成法(一段階焼
成)が用いられている。
は、複数の素子同士を配線材を用いて直列に接続して電
圧を昇圧して使用するのが一般的である。この素子間の
接続にははんだが必要となるため、表面電極4と裏面電
極5、6にはんだコーティングを行っている。このとき
裏面電極5、6の出力取出部5にはんだ濡れ性が良好な
素材を用いてこれに配線材(不図示)をはんだ付けして
いる。
な裏面電極5、6の構造では、図5に示すように、出力
取出部5と集電部6を同時焼成するときに、集電部6の
成分が出力取出部5の一部に拡散して合金層7が形成さ
れるが、この合金層7は焼結による収縮率が大きいた
め、これと接合する半導体基板1との界面8で引張り応
力が発生し、半導体基板1の一部に応力集中が起こる。
そのため、焼成後の工程で出力取出部5と集電部6の重
なり部を起点とするセル割れが多発するという問題があ
った。従来、出力取出部5の厚みは10μm程度であ
り、集電部6の厚みは50μm程度であり、重なり部の
総厚は50μm程度であった。
電極5、6の出力取出部5の焼成後の厚みを2μm以上
6μm以下にすると有効であることが分かっている。し
かし、裏面電極5、6の出力取出部5の全体の厚みを薄
くすると、出力取出部5と半導体基板1の接着強度が低
下するため、半田コーティングやモジュール作成の際に
出力取出部5aが剥離しやすくなるという問題があっ
た。
あり、出力取出部と集電部を一部重ねてスクリーン印刷
して焼成して電極を形成すると、出力取出部と集電部と
の重なり部分を起点とするセル割れが発生するという従
来の問題点を解消した太陽電池素子を提供することを目
的とする。
に、請求項1に係る太陽電池素子では、半導体基板の一
主面側と他の主面側に異なる導電領域を形成して、一主
面側に表面電極を形成するとともに、他の主面側に帯状
の出力取出部とこの出力取出部が形成された領域以外の
略全面に形成された集電部とで構成される裏面電極を設
けた太陽電池素子において、前記集電部を前記出力取出
部の周縁部に重なるように設けるとともに、この重なり
部分における前記出力取出部の厚みをそれ以外の領域の
厚みよりも薄くした。
れる合金層の収縮力が低下して半導体基板に発生する応
力集中が軽減され、電極の重なり部を起点とする割れの
発生率が低下する。また、上記重なり部分以外の領域の
前記出力取出部の厚みを厚くすることにより、出力取出
部と半導体基板の間に十分な接着強度を持たせることが
できる。
おける前記出力取出部の厚みが2μm以上6μm以下で
あることが望ましい。
部分以外の領域の前記出力取出部の厚みが10μm以上
であることが望ましい。
出部が銀を主成分とし、かつ前記集電部がアルミニウム
を主成分とすることが望ましい。
説明する。本発明の太陽電池素子も基本構造は図4に示
す従来の太陽電池素子の構造と同じである。すなわち、
一導電型例えばP型の半導体基板1の表面近傍全面に一
定の深さまで逆導電型例えばN型不純物を拡散させて逆
導電型例えばN型を呈する拡散層2を形成するととも
に、この拡散層2の表面に反射防止膜3を形成したもの
である。また、表面側には表面電極4が形成され、裏面
側には出力取出部5と集電部6から成る裏面電極5、6
が形成されている。
リコン基板などで構成される。この半導体基板1はp
型、n型いずれでもよい。単結晶シリコンの場合は引き
上げ法などで形成され、多結晶シリコンの場合は鋳造法
などで形成される。多結晶シリコンは、大量生産が可能
で製造コスト面で単結晶シリコンよりもきわめて有利で
ある。引き上げ法や鋳造法で形成されたシリコンブロッ
クを10cm×10cmもしくは15cm×15cm程
度の大きさに切断してインゴットとし、300μm程度
の厚みにスライスして半導体基板1とする。
体不純物が拡散された拡散層2が形成されている。この
逆導電型半導体不純物が拡散された拡散層2は、半導体
基板1内に半導体接合部を形成するために設けるもので
あり、例えばn型の不純物を拡散させる場合、POCl
3を用いた気相拡散法、P2O5を用いた塗布拡散法、及
びP+イオンを電界で基板1に直接導入するイオン打ち
込み法などで形成される。この逆導電型半導体不純物を
含有する拡散層2は0.3〜0.5μm程度の深さに形
成される。
止膜3が形成されている。この反射防止膜3は、半導体
基板1の表面で光が反射するのを防止して、半導体基板
1内に光を有効に取り込むために設ける。この反射防止
膜3は半導体基板1との屈折率差等を考慮して屈折率が
2程度の材料で構成され、厚み500〜2000Å程度
の窒化シリコン膜や酸化シリコン(SiO2)膜などで
構成される。
体不純物が高濃度に拡散されたBSF層(不図示)を形
成することが望ましい。この一導電型半導体不純物が高
濃度に拡散されたBSF層は、半導体基板1の裏面近く
でキャリアの再結合による効率の低下を防ぐために、半
導体基板1の裏面側に内部電界を形成するものである。
たキャリアがこの電界で加速される結果、電力が有効に
取り出されることとなり、特に長波長の光感度が増大す
ると共に、高温における太陽電池特性の低下を軽減でき
る。このように一導電型半導体不純物が高濃度に拡散さ
れたBSF層が形成された半導体基板1の裏面側のシー
ト抵抗は15Ω/□程度になる。
表面電極4および裏面電極5、6が形成されている。こ
の表面電極4及び裏面電極5、6は主にAg紛、バイン
ダー、フリットなどからなるAgペーストをスクリーン
印刷して焼成し、その上にはんだ層を形成する。表面電
極4は、例えば幅200μm程度に、またピッチ3mm
程度に形成される多数のフィンガー電極(不図示)と、
この多数のフィンガー電極を相互に接続する2本のバス
バー電極で構成される。この表面電極4は厚み10〜3
0μm程度に形成される。
略全長にわたって例えば幅10mm程度に形成された帯
状の出力取出部5とこの出力取出部5以外の略全面にわ
たって形成された集電部6とで構成される。この出力取
出部5は焼成後の厚みで10μm程度、集電部6は厚み
50μm程度に形成される。
に示すように、帯状の出力取出部5とこの出力取出部5
が形成された領域以外の略全面に形成された集電部6と
から成る裏面電極5、6を、この集電部6が出力取出部
5の周縁部に重なるように設けている。
分5aの厚みは、2μm以上6μm以下とする。出力取
出部5と集電部6との重なり部分5aの焼成後の厚みを
6μm以下にすることで、焼成後に発生するAg/Al
合金層周辺部を起点とする割れを大幅に低減できる。し
かし、裏面電極5、6の出力取出部5の焼成後の厚みを
2μm未満にすると、太陽電池素子の光電変換効率が低
下する。したがって、裏面電極5、6の出力取出部5の
焼成後の厚みは2μm以上とすることが望ましい。した
がって、本発明では、出力取出部5と集電部6との重な
り部分5aの厚みは、2μm以上6μm以下とすること
が望ましい。
域は、焼成温度や集電部6と出力取出部5の素材などに
よって異なるが、通常は出力取出部5と集電部6の重な
りとその周辺の0.1〜1.0mmの範囲である。した
がって、特にこの領域5aの出力取出部5の厚みを2μ
m以上6μm以下にすることが望まれる。
以外の部分5bの焼成後の厚みを10μm以上にするこ
とで、出力取出部5と半導体基板1との間に十分な接着
強度を持たせることができ、出力取出部5の剥離を防止
できる。
銀を用いることで配線材のはんだ付けを容易にすると共
に、集電部6にアルミニウムを用いることで、焼成時に
半導体裏面にP+層を形成してキャリア再結合を防ぎ、
セル特性を向上させることができる。
法を説明する。まず、図3(a)のように一導電型例え
ばP型半導体基板を準備する。そして、図3(b)に示
すように半導体基板1を逆導電型例えばN型不純物雰囲
気中で熱処理などして、半導体基板1の表面近傍全面に
一定の深さまでN型不純物を拡散させてN型を呈する拡
散層2を形成する。次に、図3(c)に示すように、半
導体基板1の表面にプラズマCVD法などで反射防止膜
3を形成する。
を印刷して乾燥させる。その後に、図1(a)に示した
パターンのように銀ペースト5aを焼成した後の厚みが
10μm以上になるように印刷して乾燥させた後、その
周囲にさらに銀ペースト5bを焼成した後の厚みが2μ
m以上6μm以下になるように印刷して乾燥させる。そ
の後、薄く塗った銀ペーストの一部と重なるようにアル
ミニウムペーストをスクリーン印刷して焼成することに
より図3(d)に示すような太陽電池素子を得ることが
できる。なお、2回の銀ペーストのプリントの順序は逆
でもよく、スクリーンのメッシュ等を部分的に変えて、
1度のプリントで銀電極に厚みの差をつけるようにして
もよい。
炉において焼成することによって、表面電極および裏面
電極が同時に形成される。このとき、アルミニウム電極
からアルミニウムが銀電極に拡散してAg/Al合金層
が形成される。Ag/Al合金層は銀電極を薄くした部
分に形成されるため、半導体基板と合金層の界面に働く
応力は比較的小さくなる。その後、各電極が形成された
半導体基板1をはんだ槽に浸漬して表面電極4と裏面電
極5、6の出力取出部5にはんだをコーティングして、
はんだ層(不図示)を形成する。
はなく本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正およ
び変更を加えうることはもちろんである。例えばアルミ
ニウムペーストに代わる金属ペーストとして、ガリウ
ム、インジウムをベースとした金属ペーストを使用する
ことも可能である。また銀ペーストに代わる金属ペース
トとして銅、金、白金をベースとした金属ペーストを使
用することも可能である。また、図3の裏面電極パター
ンは例であって、この形状に制限されるものではない。
示すように半導体基板として15cm角で厚さ0.3m
m、比抵抗1.5Ω・cmのP型シリコン基板を準備し
た。そして図3(b)に示すように熱拡散法でオキシ塩
化リン(POCl3)を拡散源として、深さ0.5μm
のN型拡散層を形成した。
コンの反射防止膜3を800Åの厚さで形成して拡散層
2を分離した。
銀ペースト、アルミニウムペーストをスクリーン印刷し
た。このとき、銀電極とアルミニウム電極が重なる部分
5aの銀電極の焼成後の厚みが1〜12μmであり、ま
た上記領域以外の部分5bの銀電極の焼成後の厚みが6
〜15μmになるように、印刷時のスキージのスピード
や角度、スクリーンと半導体基板との距離、スクリーン
の開口率、線幅、乳剤厚み、銀ペーストの組成や粘度な
どを変えて、銀ペーストの塗布厚みを変化させた。
印刷して焼成することで集電部6を形成した。このと
き、図1(b)に示すように、出力取出部5と集電用の
アルミニウム電極6の重なり部とその周辺の約0.5m
mの領域に合金層7が形成された。その後、200℃の
半田浴槽に上記基板1を浸漬して引き上げることで、上
記表面電極4と裏面電極の出力取出部5の表面を半田被
覆して太陽電池素子を作成した。また、その太陽電池素
子を用いて太陽電池モジュールを作成した。銀電極5と
アルミニウム電極6が重なる部分5aとその周囲の領域
5bの銀電極5の焼成後の厚みと焼成後の工程における
Ag/Al合金層7の部分を起点とする割れ発生率およ
び光電変換効率の関係を表1に示した。
焼成後の厚みを6μm以下にすることで焼成後に発生す
るAg/Al合金層の周辺部を起点とする割れを大幅に
低減できることがわかった。しかし、裏面電極の出力取
出部5の焼成後の厚みを1μm以下にすると、太陽電池
素子の光電変換効率が低下した。したがって、裏面電極
の出力取出部5の焼成後の厚みは2μm以上必要であ
る。
重なる部分以外の領域5bの銀電極5の焼成後の厚みと
焼成後工程における銀電極5の剥離の発生率および光電
変換効率の関係を表2に示した。
極6が重なる部分以外の領域5bの銀電極5の焼成後の
厚みを10μm以上にすることで、銀電極5の剥離を防
止できることがわかる。また、このとき光電変換効率を
損なうことはない。
子によれば、裏面電極の集電部を出力取出部の周縁部に
重なるように設けるとともに、この重なり部分における
出力取出部の厚みをそれ以外の領域の厚みよりも薄くし
たことから、この重なり部分を起点とする太陽電池素子
の割れを防止できるとともに、裏面電極と半導体基板と
の間に十分な接着強度が強固となって裏面電極の剥離を
防止することもできる。また、太陽電池素子の光電変換
効率を損なうこともない。
極構造を説明するための図である。
を説明するための図である。
説明するための図である。
示す図である。
接合分離部、3・・・反射防止膜、4・・・表面電極、
5・・・出力取出部、6・・・集電部、7・・・焼成に
よって形成される合金層、8・・・合金層と半導体基板
の界面、5a・・・出力取出部の集電部との重なり部
Claims (4)
- 【請求項1】 半導体基板の一主面側と他の主面側に異
なる導電領域を形成して、一主面側に表面電極を形成す
るとともに、他の主面側に帯状の出力取出部とこの出力
取出部が形成された領域以外の略全面に形成された集電
部とで構成される裏面電極を設けた太陽電池素子におい
て、前記集電部を前記出力取出部の周縁部に重なるよう
に設けるとともに、この重なり部分における前記出力取
出部の厚みをそれ以外の領域の厚みよりも薄くしたこと
を特徴とする太陽電池素子。 - 【請求項2】 前記重なり部分における前記出力取出部
の厚みが2μm以上6μm以下であることを特徴とする
請求項1に記載の太陽電池素子。 - 【請求項3】 前記重なり部分以外の領域の前記出力取
出部の厚みが10μm以上であることを特徴とする請求
項1または2に記載の太陽電池素子。 - 【請求項4】 前記出力取出部が銀を主成分とし、かつ
前記集電部がアルミニウムを主成分とすることを特徴と
する請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽電池素
子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Applications Claiming Priority (1)
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---|---|
JP2003273379A true JP2003273379A (ja) | 2003-09-26 |
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- 2002-03-15 JP JP2002073060A patent/JP2003273379A/ja active Pending
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