JP2005136148A - 太陽電池素子および太陽電池素子の製造方法 - Google Patents

太陽電池素子および太陽電池素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半田層の形成に伴うフィンガー電極の剥離をなくしつつ、特性低下を生じさせない信頼性の高い電極構造を有する太陽電池素子および太陽電池素子の製造方法を提供する
【解決手段】半導体接合部を有する半導体基板の表面側にフィンガー電極を線状に多数設け、裏面側に裏面電極を設けた太陽電池素子であって、前記フィンガー電極の端部に幅広の領域を設けてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は特に半導体基板の表面側にフィンガー電極を線状に多数設けた太陽電池素子および、この太陽電池素子の電極に半田層を形成する太陽電池素子の製造方法に関する。
図2に一般的な太陽電池素子9の断面図を示す。1は例えば500μm程度の厚さのP型シリコン半導体基板、2はこの半導体基板1の一方の主面上に受光面を形成するために、n型不純物を浅く拡散して、0.3〜0.5μm程度の厚さに形成したn型拡散層、3は太陽光を有効に太陽電池素子内に取りこむため、例えばプラズマCVDなどで形成した窒化珪素膜などからなる反射防止膜、4はBSF層、5は受光面側からマイナス電位を取り出すために形成された表面電極、6は反受光面側からプラス電位を取り出すために形成された裏面電極、7、8はそれぞれ電極5、6の長期信頼性を確保するためと後工程でインナーリードと接続し、太陽電池素子同士を接続するために設けられた半田層を示す。
図4(a)には一般的な太陽電池素子を受光面側から見たときの図を示す。受光面側に設けられた表面電極5は、集光効率と集電効率の両方を満足させるために、主に太陽電池素子の表面に上下、左右対称の櫛型形状となっている。具体的には、表面電極5は、光入射により太陽電池素子内部で発生した電気を収集するための複数本の微細なフィンガー電極16と、収集した電気を外部に取り出すためのバスバー電極15とが垂直に交わる形状となっている。また、図3は非受光面側から見たときの図である。非受光面側の裏面電極6は光が当たらないので、全面に、例えばアルミニウムからなる集電用電極17と、収集した電気を外部に取り出すためのバスバー電極15とから構成される。
この表面電極5は、主にAg等の導電性金属ペーストをスクリーン印刷して焼成することで形成した後、この表面電極5の表面の保護並びに複数の素子を接続する際の配線性を向上させる目的で、表面電極5の表面を半田で被覆して半田層7を形成する。同時に裏面電極6も導電性ペーストをスクリーン印刷して焼成することで形成した後、半田層8で被覆される。
これらの電極の表面に半田層を形成する方法としては、半田融液の中に太陽電池素子を浸漬させる浸漬式、噴流させた半田融液の表面に太陽電池素子を接触させるリフロー式、クリーム半田を塗布し加熱する方法などがある。一般的に表裏両面に電極を有する太陽電池では半田層は、図5のように半田槽13に入った半田融液14に太陽電池素子9を浸漬させることにより形成される。これは一度に処理できる枚数が多いこと、表裏両面を同時に処理できることなどから、生産性の観点でのメリットが大きいからである。
このように浸漬式を用いて半田層を形成する場合、フィンガー電極16に対して、バスバー電極15は、線幅が太いため半田がのりやすく、その余剰半田がフィンガー電極16に流れ込むこと、またフィンガー電極16は電極間ピッチが狭いために、フィンガー電極16間で表面張力による半田ブリッジが発生し、そのブリッジが切れる際にブリッジ部の余剰半田がフィンガー電極16部に取り込まれることから、フィンガー電極16部に半田突起が発生しやすい。
そのため、半田槽13からの引き上げ時の速度を遅くしたり、上下動を繰り返すなどしてフィンガー電極16間に半田ブリッジが発生しないようにする必要があるが、これにより、太陽電池素子9の上部に比べて下部の電極は半田融液14への浸漬時間が長くなり、密着強度が低下する。特に、フィンガー電極16は線幅が200μm程度と細いために、この密着強度低下の影響を受けやすい。フィンガー電極16の密着強度の低下は電気的な抵抗の増加となり、素子の初期電気特性の低下を招くばかりでなく、長期信頼性の低下要因となる。
この問題を解決するため、フィンガー電極16の一端部側の線幅を他端部側の線幅より幅広にすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば半田融液14への浸漬時に幅広の端部を下端に配置することにより、浸漬時間が長くなっても充分な密着強度を得ることができるようになる。
また半田融液14への浸漬時間を短くするために、図4(a)に示すように、バスバー電極15を跨いで半田レジスト10を塗布しておいてから半田融液14に浸漬させる方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、フィンガー電極16間で表面張力による半田ブリッジが発生することを抑えることができることから、半田槽13からの引き上げ速度を従来よりも早くすることができる。
特開2000−164902号公報 特開2000−332272号公報
特許文献1に記載されたフィンガー電極16の一端部側の線幅を他端部側の線幅より幅広にする方法によれば、一端部のフィンガー電極16の線幅を太くするため、全体として太陽電池素子の受光面積の低下につながり、太陽電池素子の特性が低下してしまうという問題があった。
これに対して、一端部のフィンガー電極16の線幅を太くした分、他端部のフィンガー電極16の線幅を細くして、太陽電池素子の電極面積を全体として変化させない方法も考えられる。しかしこの方法によれば、他端部のフィンガー電極16の線幅が細くなりすぎてしまい、半田融液14への浸漬時に下部に位置する一端部のフィンガー電極16の密着強度は確保することができるものの、半田融液14への浸漬時に上部に位置する他端部のフィンガー電極16の密着強度が確保できなくなるという問題が発生することがあった。
また、特許文献2に記載されたバスバー電極15を跨ぐように半田レジスト10を形成してから太陽電池素子9を半田融液14に浸漬させる方法では、半田融液14への浸漬時間が短くなるために、上記のような問題を抑制することができる。
しかし半田層を形成する半田は、半田融液14から引き上げたと同時に固化が進行し、それにともなう半田の収縮現象が生じるために、表面電極5および裏面電極6の半田付着部には電極を引っ張る強いストレスが発生する。このストレスにより電極5、6と半導体基板1が剥離するという問題が発生することがあった。特にフィンガー電極16は細く設計されているため、フィンガー電極16と半導体基板1との密着強度が弱く、フィンガー電極16の先端のエッジ部では、この強いストレスを分散させることができず、一方向へのストレスが発生するため、フィンガー電極16の電極剥がれやすいという問題が発生する。
また浸漬式で半田層を形成する場合、表面電極5上に半田層7を形成するのと同時に、裏面電極6上にも半田層8を形成する。半田レジストを使用する方法で、表面に関しては半田融液14への浸漬時間を短くすることができるものの、同時に形成される裏面電極6上には半田の盛り上がりや半田の玉状物が発生してしまうため、そのまま使用すれば太陽電池素子や太陽電池モジュールの割れを誘発するという問題が残り、これを防ぐためには半田鏝を使用して修正を行わなければならないという問題がある。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、半田層の形成に伴うフィンガー電極の剥離をなくしつつ、特性低下を生じさせない信頼性の高い電極構造を有する太陽電池素子および太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。
以上の目的に鑑みて、本発明の請求項1にかかる太陽電池素子は、半導体接合部を有する半導体基板の表面側にフィンガー電極を線状に多数設け、裏面側に裏面電極を設けた太陽電池素子であって、前記フィンガー電極の端部に幅広の領域を設けてなる。
本発明の請求項2にかかる太陽電池素子は、請求項1に記載の太陽電池素子において、前記幅広の領域において前記フィンガー電極の幅よりも広くなった領域は、その外郭部が円弧よりなる。
なお、本明細書において、「フィンガー電極の幅よりも広くなった領域の外郭部が円弧よりなる」とは、フィンガー電極に接続した部分を除いた外郭部が一つ以上の円弧の組合せよりなることによって角張った部分が存在しないことを意味するものとする。さらに、電極の厚みは無視し、電極が形成されている基板部分と接する面における外郭部の形状を指すものとする。
本発明の請求項3にかかる太陽電池素子への半田層形成方法は、半導体接合部を有する半導体基板の表面側にフィンガー電極を線状に多数設け、裏面側に裏面電極を設けた太陽電池素子の電極に半田層を形成するための方法であって、前記フィンガー電極の端部には幅広の領域が設けられるとともに、この幅広の領域を設けたフィンガー電極の端部が下側となるように前記半導体基板を半田融液に浸漬し引き上げることによって、前記電極の表面に半田層を形成する。
本発明にかかる太陽電池素子によれば拡散層を有する半導体基板の表面側にフィンガー電極を線状に多数設けるとともに、この半導体基板の裏面側に裏面電極を設けた太陽電池素子において、前記フィンガー電極の端部に幅広の領域を形成したことにより、フィンガー電極の端部と半導体基板との密着強度を強くすることができ、フィンガー電極の端部からの剥離を抑制することができる。
また、フィンガー電極の端部を太くするので、電極面積の増加に伴う受光面積の減少を最小限に抑えることができる。さらにフィンガー電極の剥離の起点となる端部に幅広領域を形成していることから、フィンガー電極の幅広領域以外の部分の線幅を細くしたとしても、剥離の起点がないことからフィンガー電極の剥離は発生しにくい。よって全体として電極面積を減らすことが可能になり、受光面積を増加させることが可能になるため、太陽電池素子の特性の向上をはかることができる。
また幅広領域の外郭部形状を円弧からなる形状にすることによって、フィンガー電極の端部にかかるストレスをできるだけ分散させることができるため、更に有効にフィンガー電極の剥離を防止することができるようになる。
さらに、本発明の太陽電池素子の製造方法によれば、半導体接合部を有する半導体基板の表面側にフィンガー電極を線状に多数設け、裏面側に裏面電極を設けた太陽電池素子の電極に半田層を形成する太陽電池素子の製造方法であって、前記フィンガー電極の端部には幅広の領域が設けられるとともに、この幅広の領域を設けたフィンガー電極の端部が下側となるように前記半導体基板を半田融液に浸漬し引き上げることによって、前記電極の表面に半田層を形成する。このようにフィンガー電極の端部と半導体基板との密着強度が高い幅広の領域を下にして浸漬するため、この部分が半田融液に長時間浸漬していたとしても、密着強度の低下が起こらない。したがって、電気的に悪影響を受けたり、長期信頼性に欠けたりすることがない。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図2は本発明にかかる太陽電池素子の構造を示す断面図。図1(a)は本発明にかかる太陽電池素子を受光面側から見たときの図であり、図1(b)は(a)のA部の部分拡大図である。図において、1は半導体基板、2はn型拡散層、3は反射防止膜、4はBSF層、5は表面電極、6は裏面電極、7は半田層、15はバスバー電極、16はフィンガー電極を示す。
本発明においても、太陽電池素子の基本的な構造は従来のものと同じである。ここでは半導体基板1としてp型のシリコン基板を使用する場合を例にとり説明する。詳細な製造方法は後述するが、概略は次の通りである。
半導体基板1は、厚み0.3mm程度の単結晶シリコンや多結晶シリコンなどからなる。この半導体基板1は、ボロン(B)などの一導電型半導体不純物を1×1016〜1018atoms・cm−3程度含有し、比抵抗は1〜5Ω・cm程度である。
このシリコン基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)などを用いて加熱することによってシリコン基板1の表面部にリン原子を1×1016〜1018atoms・cm−3程度拡散させ、厚み0.3〜0.4μm程度のn型拡散層2を形成する。
次にシリコン基板1の表面側に反射防止膜3を形成する。この反射防止膜3は、例えば窒化シリコン膜(SiN)などからなり、シラン(SiH)とアンモニア(NH)との混合ガスを用いたプラズマCVD法などで厚み500〜1000nm、屈折率1.90〜2。30程度に形成される。この反射防止膜3は、シリコン基板1の表面で光が反射するのを防止して、シリコン基板1内に光を有効的に取り込むために設ける。
次に裏面にはアルミニウムペーストと銀ペーストを、表面には銀ペーストをスクリーン印刷法などでシリコン基板1の表面に塗布し、600〜800℃で1〜30分程度焼きつけることによって、裏面にはBSF層4と太陽電池素子の裏面の全面から有効に集電するための集電電極6a、出力を外部に取り出すための出力取出電極6b、表面には表面電極5を形成する。
この表面電極5は、バスバー電極15とフィンガー電極16とから形成されている。バスバー電極15は、シリコン基板1の全長にわたって1本あるいは複数本が平行に形成されており、フィンガー電極16は、バスバー電極15に交差して多数本がシリコン基板1の全長にわたって形成される。また、裏面電極6は集電用電極17とバスバー電極15とから形成されている。集電用電極17は全面に形成され、バスバー電極15は表面電極5と同様の形状として形成されている。
フィンガー電極16は、バスバー電極15と交差して分岐して設けられ、その線幅は約100〜300μm、ピッチは1〜3mm程度に形成される。
表面電極5と裏面電極6の表面には、電極の面積を増大させ抵抗を下げるため、また電極の表面を保護し長期信頼性を確保するため、さらに複数の素子を接続する際の配線性を向上させる目的で、半田層7および半田層8を形成する。これらの半田層の形成方法について、詳細は後述する阿、図5のように半田槽13に入った半田融液14に太陽電池素子9を浸漬させることにより形成する。これにより太陽電池素子9が完成する。
ここで本発明によれば、n型拡散層2を有するシリコン基板1の表面側にフィンガー電極16を線状に多数設けるとともに、このシリコン基板1の裏面側に裏面電極6を設けた太陽電池素子9において、前記フィンガー電極16の端部に幅広の領域を形成している。
図1(b)に本発明にかかる太陽電池素子9のフィンガー電極16端部のA部の部分拡大図を示す。また比較のため、図4(a)に示す従来の太陽電池素子9のフィンガー電極16端部のB部の部分拡大図を図4(b)に示す。図において、9はフィンガー電極、11は幅広領域を示す。
電極の表面に半田層7、8を形成すると、半田融液14から引き上げると同時に半田の固化が進行し、それにともなう半田の収縮現象が生じるために、表面電極5および裏面電極6の半田付着部には電極を引っ張る強いストレスが発生する。このストレスにより、電極が半導体基板1から剥離し、電極が剥がれるという問題が発生する。特にフィンガー電極16は細長く設計されているため、フィンガー電極16と半導体基板1との密着強度が弱い上、フィンガー電極16の先端には強いストレスが発生し、半導体基板1からの電極の剥離が発生しやすい。
しかし本発明のように、フィンガー電極16の端部に幅広の領域を形成することによって、フィンガー電極16の端部と半導体基板1との密着強度を強くすることができ、フィンガー電極16の端部からの剥離を抑制することができる。
また、フィンガー電極16の端部を局所的に太くすれば、電極面積の増加に伴う受光面積の減少を最小限に抑えることができる。さらにフィンガー電極16の剥離の起点となる端部に幅広領域11を形成していることから、フィンガー電極16の幅広領域11以外の部分の線幅を細くしたとしても、剥離の起点がないのでフィンガー電極16の剥離は発生しにくい。よって全体として電極面積を減らすことが可能になり、受光面積を増加させることが可能になるため、太陽電池素子9の特性の向上をはかることができる。
このフィンガー電極16の幅広領域11の最大幅は、太陽電池素子9の構造、電極パターン、太陽電池素子9の製造方法等を勘案し、適宜自由に選択することが可能である。
つまり、例えば太陽電池素子9の面積が大きい、フィンガー電極16の長さが長い、幅が細い、または反射防止膜3の上に直接銀ペーストを塗布し焼き付けることによって表面電極5を形成するいわゆるファイヤースルー法を採用しているなどの原因により、フィンガー電極16の半導体基板1との密着強度が確保しにくい場合には、フィンガー電極16と幅広領域11の最大幅の比を大きくし、幅広領域11を大きくする必要がある。逆に太陽電池素子9の面積が小さく、フィンガー電極16の長さが短い場合や、表面電極形成予定位置の反射防止膜3をあらかじめ除去しておいてから、銀ペーストを塗布し焼きつけるような電極形成方法を採用する場合には、受光面積の減少の影響を防ぐため、幅広領域の最大幅を大きくしすぎる必要はない。
幅広領域11の最大幅は、フィンガー電極16の幅の1.1〜1.5倍程度に形成すればよい。1.1倍に満たない場合、剥離を防止するという本発明の目的を充分に果たすことができない。また1.5倍を越える場合、電極強度の確保は充分にできるものの、電極面積の増加につながるため不適である。
幅広領域11の形状は図1(b)に示すように円形にすることも可能であるが、これに限定されるものではない。例えば三角形や四角形などの多角形の形状にすることも可能であるし、半円などの形状にすることも可能である。
しかし、フィンガー電極16の端部にかかるストレスをできるだけ分散させることができるため、エッジ部の存在しない円弧からなる外郭部形状になっていることが望ましい。円弧からなる外郭部形状とは、例えば図1(b)にあるような円形のほか、円形の中を中空にしたドーナツ型などの形状にしてもよい。
幅広領域11は少なくともフィンガー電極16の一端部に形成しておく必要がある。
次に、図6の(a)から(f)は、本発明にかかる太陽電池素子の基本的な製造方法を示す。まず、半導体基板1としてシリコン基板1を用意する。このシリコン基板1は、単結晶または多結晶シリコンなどからなる。このシリコン基板1は、ボロン(B)などの一導電型半導体不純物を1×1016〜1×1018atoms/cm程度含有し、比抵抗1.5Ω・cm程度の基板である。単結晶シリコン基板の場合は引き上げ法などによって形成され、多結晶シリコン基板の場合は鋳造法などによって形成される。多結晶シリコン基板は、大量生産が可能であり、製造コスト面で単結晶シリコン基板よりも有利である。引き上げ法や鋳造法によって形成されたインゴットを300〜500μm程度の厚みにスライスして、15cm×15cm程度の大きさに切断してシリコン基板1とする。
次に、シリコン基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)などの中で加熱することによって、シリコン基板1の表面部分にリン原子を1×1016〜1×1018atoms/cm程度拡散させて他の導電型を呈する拡散層2を形成する(図6(b)参照)。この拡散層2は、0.2〜0.5μm程度の深さに形成され、シート抵抗が40Ω/□以上になるように形成される。そしてシリコン基板1の一主面側の拡散層2のみを残して他の部分の拡散層2をエッチングする(図6(c))。
次に、シリコン基板1の一主面側に反射防止膜3を形成する。この反射防止膜3はたとえば窒化シリコン膜などからなり、シランとアンモニアとの混合ガスを用いたプラズマCVD法などで形成される。この反射防止膜3は、シリコン基板1の表面で光が反射するのを防止して、シリコン基板1内に光を有効に取り込むために設ける。また、他の主面側には高濃度の一導電型半導体不純物を拡散させて、BSF層4を形成する(図6(d)参照)。
そして、この反射防止膜3の表面電極5に相当する部分をエッチングした上で電極ペーストを塗布して焼成することによって表面電極5を形成する。また裏面には略全面に例えばアルミニウムなどからなるペーストを塗布するとともに、その端部と一部が重なるように銀などからなるペーストを塗布して焼成することによって、表面電極5、裏面には集電電極6aおよび出力取出電極6bが形成される。また集電電極6aを形成する際に、アルミニウムが高濃度にシリコン基板1中に拡散され、BSF層4が同時に形成される(図6(e)参照)。この表面電極5は、反射防止膜3上に直接電極ペーストを塗布して焼成することにより、ペースト下の反射防止膜3を溶融させ、シリコン基板1と直接接触させるいわゆるファイヤースルー法により形成してもよい。また、裏面電極も銀などからなるペーストを塗布した後、アルミニウムなどからなるペーストを塗布することもできるし、銀などからなるペーストのみで形成することも可能である。
この電極ペーストは銀粉末と有機ビヒクルにガラスフリットを銀100重量部に対して0.1〜5重量部添加してペースト状にしたものをスクリーン印刷法で印刷して600〜800℃で1〜30分程度焼成することによって焼き付けられる。このガラスフリットは、PbO、B、SiOのうち少なくとも一種を含む軟化点が500℃以下のものなどからなる。
本発明の製造方法においては、この表面電極5を形成する際に、フィンガー電極16の端部が本発明の太陽電池素子の形状となるように、あらかじめスクリーン印刷用のマスクを準備して形成すればよい。
その後、長期信頼性の確保および後工程で太陽電池素子同士をインナーリードで接続するために、表面電極5、裏面電極6の表面に半田で被覆した半田層7、8を形成する(図2(f)参照)。これによって太陽電池素子9が完成する。
本発明の製造方法においては、フィンガー電極16の端部に設けられた幅広領域11が下側となるようにシリコン基板1を半田融液14に浸漬し引き上げることによって、フィンガー電極16およびバスバー電極15の表面に半田層7、8を形成することを特徴としている。図7は本発明にかかる太陽電池素子の製造方法および製造装置を示す図である。
電極上にフラックス層を形成した複数の太陽電池素子9を収納したウェハーキャリア19をアーム18で支持し、ヒータ12によって溶融温度まで加熱された半田融液14を満たした半田槽13に浸漬、引き上げることによって半田を被覆する。このとき、ウェハーキャリア19に、幅広領域11を形成した端部を下方に向けて収容した状態で、半田融液14に浸漬させることにより、従来から問題であった半田融液14への浸漬時間の違いによる、下方に位置するフィンガー電極16の剥離を防止することができるのである。
また、表裏両面のバスバー電極上の半田の盛り上がりや半田の玉状物の発生を防ぐために、半田融液14からの引き上げ速度を遅くし、浸漬時間を長くしたとしても、浸漬時間の最も長い太陽電池素子9の最下部に幅広領域が存在することから、剥離を抑制することが可能になる。
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
例えば、幅広領域11をフィンガー電極16の両端部に形成することも可能である。このようにすることにより、従来から問題であった半田融液14への浸漬時間の違いによる、下方に位置するフィンガー電極16の剥離を防止することができるとともに、半田の収縮に伴う半導体基板1からのフィンガー電極16の剥離も防止することができる。また半田融液14に浸漬させる際の方向をどちらに向けてもよいことになり、作業性が向上する。
さらに両端部で異なった形状の幅広領域を形成することも可能である。例えば半田融液14に浸漬する際に、上方に位置する一端には比較的小さな幅広領域11を形成し、下方に位置する他端にはそれよりも大きな幅広領域11を形成すれば、適正な密着強度を確保することができるとともに、電極面積の増加を抑制することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
太陽電池素子の製造方法は、図6に示した方法にしたがって作製した。まず、半導体基板1として、15cm×15cmで比抵抗1.5Ω・cmの多結晶半導体基板表面のダメージ層をアルカリでエッチングして洗浄したものを準備した。次に、この半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)を用いて加熱することによって、半導体基板1の表面にリン原子を拡散させてn型拡散層2を形成した。この時のシート抵抗は60Ω/□であった。そして、半導体基板1の表面側にプラズマCVD法によって厚み850Åの窒化シリコン膜からなる反射防止膜3を形成した。その後、裏面に集電用電極17としてアルミニウムペーストにより、バスバー電極15として銀ペーストを所定の形状に塗布した。表面はすべて銀ペーストを所定形状に塗布し、800℃で10分焼きつけることによって、表面電極5および裏面電極6を作製した。
なお、表面電極5としては図1(a)に示すパターン、裏面電極6としては図3に示すパターンで作製した。また、表面電極5のフィンガー電極の線幅は100μmに形成した。このときに20枚は図4(b)に示すような幅広領域11を持たない従来のパターンとし、残りの20枚は図1(b)に示すような円弧からなる外郭形状を有する幅広領域11をフィンガー電極16の両端に有するパターンとした。このときの幅広領域11の最大幅は130μmとした。
その後、バスバー電極15を跨ぐように半田レジスト10を塗布してから、半田融液14に浸漬させ、電極表面に半田層7を形成した。このときのフィンガー電極16の剥離状態を調べた結果を表1に示す。
表1において剥離程度は、太陽電池素子9の1枚あたりの剥離したフィンガー電極16の本数を示し、剥離範囲とは剥離のあったフィンガー電極16の端部からの剥離の長さの平均を示したものである。
Figure 2005136148
表1から明らかなように、従来の幅広領域11を有しないパターンでは太陽電池素子の半導体基板1枚あたり平均18本あったフィンガー電極16の剥離が、本発明による幅広領域11を有するパターンでは1本も発生しなかった。
次に、フィンガー電極16の幅を70、85、100μmとし、円弧よりなる外郭部形状の幅広領域の最大径を75、80、85、90、95、100、105、110、150、200μmと変化させたときのフィンガー電極16の剥離状態を調べた結果を表2に示す。
Figure 2005136148
表からわかるように、フィンガー電極の幅が70μmのとき、幅広領域の最大径が75μmでは20本/枚の剥離があったが、幅広領域の最大径をフィンガー幅の1.1倍以上にすれば剥離はほぼなくなった。
(a)は本発明にかかる太陽電池素子を受光面側から見たときの正面図であり、(b)は(a)のA部の部分拡大図である。 太陽電池素子の断面の構造図である。 太陽電池素子を非受光面側から見たときの正面図である。 (a)は一般的な太陽電池素子を受光面側から見たときの正面図であり、(b)は(a)のB部の部分拡大図である。 本発明の太陽電池素子を半田融液に浸漬させて電極に半田層を形成する本発明の製造方法を示す図である。 本発明にかかる太陽電池素子の製造方法の工程を示す図である。
符号の説明
1:半導体基板(シリコン基板)
2:型拡散層
3:反射防止膜
4:BSF層
5:表面電極
6:裏面電極
7、8:半田層
9:太陽電池素子
10:半田レジスト
11:幅広領域
12:ヒータ
13:半田槽
14:半田融液
15:バスバー電極
16:フィンガー電極
17:集電用電極
18:アーム
19:ウェハーキャリア

Claims (3)

  1. 半導体接合部を有する半導体基板の表面側にフィンガー電極を線状に多数設け、裏面側に裏面電極を設けた太陽電池素子であって、前記フィンガー電極の端部に幅広の領域を設けてなる太陽電池素子。
  2. 前記幅広の領域において前記フィンガー電極の幅よりも広くなった領域は、その外郭部が円弧よりなる請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. 半導体接合部を有する半導体基板の表面側にフィンガー電極を線状に多数設け、裏面側に裏面電極を設けた太陽電池素子の電極に半田層を形成する太陽電池素子の製造方法であって、前記フィンガー電極の端部には幅広の領域が設けられるとともに、この幅広の領域を設けたフィンガー電極の端部が下側となるように前記半導体基板を半田融液に浸漬し引き上げることによって、前記電極の表面に半田層を形成する太陽電池素子の製造方法。
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