JP2016189439A - 太陽電池素子およびその製造方法 - Google Patents

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徳彦 松島
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一輝 山田
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Ryota Teshima
良太 手島
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祐二 松本
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    • Y02E10/547Monocrystalline silicon PV cells

Abstract

【課題】 太陽電池素子の光電変換効率を向上させうる構造の太陽電池素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 表主面1aおよび表主面1aの反対側に位置する裏主面1bを有する半導体基板である基板1と、基板1の裏主面1bに配置されている、金属酸化物から成るパッシベーション膜4と、パッシベーション膜4を多数箇所で貫通して基板1に接している第1電極8aと、パッシベーション膜4および第1電極8aのそれぞれを覆っているとともに、第1電極8aに接している、導電性樹脂から成る第2電極8cと、を備えている太陽電池素子10にする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、太陽電池素子およびその製造方法に関する。
結晶系のシリコン基板を用いた高効率の太陽電池素子として、PERC(Passivated Emitter and Rear Cell)構造が知られている(例えば、下記の特許文献1を参照)。
このような太陽電池素子は、シリコン基板の非受光面になる主面側に酸化膜、窒化膜などの絶縁膜またはそれらの積層膜から成るパッシベーション膜を配置している。また、このパッシベーション膜を貫通してシリコン基板に電気的接続する電極を配置している。さらに、この電極上には銀などのハンダ付け可能な金属によって出力電極を配置している。
国際公開第2009/157079号
現在、上述のような太陽電池素子では光電変換効率を向上しうる構造が求められている。そこで、光電変換効率を向上しうる太陽電池素子およびその製造方法を提供することを本発明の目的の1つとする。
本発明の一形態に係る太陽電池素子は、表主面および該表主面の反対側に位置する裏主面を有する半導体基板と、該半導体基板の前記裏主面に配置されている、金属酸化物から成るパッシベーション膜と、前記半導体基板の前記裏主面に電気的に接続され、前記パッシベーション膜の上に配置されている、導電性樹脂から成る樹脂電極と、を備えている。
また、本発明の一形態に係る太陽電池素子の製造方法は、前記半導体基板の前記裏主面の上において、前記パッシベーション膜を形成した後に、前記パッシベーション膜の上に導電性樹脂を配置して、該導電性樹脂を硬化させて前記樹脂電極を形成する。
上記の太陽電池素子およびその製造方法によれば、光電変換効率を向上しうる構造の太陽電池素子を提供できる。
図1は、本発明の実施形態に係る太陽電池素子の第1主面側の外観を示す平面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る太陽電池素子の第2主面側の外観を示す平面図である。 図3は、図1のX−X線における断面の状態を示す断面図である。 図4(a)〜(h)は、それぞれ本発明の実施形態に係る太陽電池素子の製造方法を示す拡大断面図である。 図5は、本発明の実施形態に係る太陽電池素子の別の断面の状態を示す断面図である。 図6は、また別の実施形態に係る太陽電池素子の断面の状態を示す断面図である。 図7は、また別の実施形態に係る太陽電池素子の第2主面側の外観を示す平面図である。
以下、本発明に係る太陽電池素子およびその製造方法の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面は模式的に示したものであり、断面図等において一部を省略している。
<太陽電池素子>
図1〜3に一実施形態の太陽電池素子10を示す。太陽電池素子10は、主として光が入射する表主面である第1主面10aと、この第1主面10aの反対側に位置する裏主面である第2主面10bとを有する。
また、太陽電池素子10に用いられる半導体基板である基板1も、同様に表主面である第1主面1aと、この第1主面1aの反対側に位置する裏主面である第2主面1bとを有する。基板1は、一導電型(例えばp型)半導体領域である第1半導体層2と、第1半導体層2における第1主面1a側に設けられた逆導電型(例えばn型)半導体領域である第2半導体層3とを有する。
以下、基板1(または第1半導体層2)としてp型シリコン基板を用いる太陽電池素子を例に説明する。p型の多結晶または単結晶のシリコン基板としては、例えば厚みが100〜250μm程度のものを用いる。基板1の形状は、特に限定されるものではない。ただし、平面視で1辺が150〜200mm程度の略四角形状であれば、複数の太陽電池素子10を並べて太陽電池モジュールを作製する場合に都合がよい。基板1である第1半導体層2をp型にする場合には、ドーパント元素として、ボロン、ガリウム等のドナー不純物をシリコン基板に含有させる。
第2半導体層3は、第1半導体層2に対して逆の導電型(本実施形態の場合はn型)の半導体層であり、第1半導体層2と第2半導体層3との間でpn接合部が形成される。第2半導体層3は、例えば、基板1の第1主面1a側にドーパント元素として、リン等のアクセプタ不純物を含有させることによって形成できる。
図3に示すように、基板1の第1主面1a側には、照射された光の反射率を低減するための微細な凹凸構造(テクスチャ)を設けることが望ましい。テクスチャの凸部の高さは0.1〜10μm程度であり、凸部の幅は0.1〜20μm程度である。
また、太陽電池素子10は、第1主面10a側に反射防止層5および表面電極7が配置されており、第2主面10b側に裏面電極8および金属酸化物から成るパッシベーション膜4が配置されている。
反射防止層5は、太陽電池素子10の第1主面10aに照射された光の反射率を低減することによって、太陽電池素子10の光電変換効率を向上する効果を有する。反射防止層5は、例えば、酸化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウムもしくは窒化シリコン等の絶縁膜、またはこれらの積層膜から成る。反射防止層5の屈折率および厚みは、太陽光のうち、基板1に吸収されて発電に寄与し得る波長範囲の光に対して低反射条件を実現できる屈折率および厚みを適宜採用すればよい。例えば、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法によって、窒化シリコンから成る反射防止層5を成膜する場合には、屈折率は1.8〜2.5程度、厚みは60〜120nm程度にすることができる。
表面電極7は、図1に示すように、太陽電池素子10の第1主面10a側に設けられた電極である。表面電極7は、数本(例えば、図1では3本)のバスバー電極7aと、複数の線状のフィンガー電極7bとを有する。バスバー電極7aは、基板1の第1主面1aにおいて、光電変換によって得られた電気を太陽電池素子10の外部に取り出すための電極であり、例えば、1〜3mm程度の幅を有している。バスバー電極7aの少なくとも一部は、フィンガー電極7bと略垂直に交わるように電気的に接続されている。フィンガー電極7bは、基板1での光生成キャリアを集めて、バスバー電極7aに伝えるための電極である。フィンガー電極7bは複数の線状であって、例えば30〜200μm程度の幅を有し、互いに1〜3mm程度の間隔を空けて設けられている。このような表面電極7は、例えば、銀を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷等によって所望の形状に塗布した後、焼成することによって形成できる。表面電極7の厚みは、10〜40μm程度である。なお、本実施形態において、主成分とは、全体の成分に対して含有される比率が50%以上であることを示し、以下の記述においても同様とする。なお、フィンガー電極7bと同様な形状のサブフィンガー電極7cを基板1の周縁部に設けて、フィンガー電極7b同士を電気的に接続するようにしてもよい。
パッシベーション膜4は、基板1の第2主面1b側の略全面を覆うように配置されており、第2主面1bに当接している。これにより、基板1との界面において、キャリア再結合の原因になる欠陥凖位を低減するので、少数キャリアの再結合を低減する機能を有する。パッシベーション膜4は、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウムなどの金属酸化物の膜、またはこれら金属酸化物の積層膜から成る。パッシベーション膜4の厚みは、10〜200nm程度である。本実施形態のように、第1半導体層2がp型層であれば、パッシベーション膜4として、ALD(Atomic Layer Deposition)法で形成した酸化アルミニウム層等、負の固定電荷を有する膜を用いることが好適である。負の固定電荷を有するパッシベーション膜4では、電界効果によって少数キャリア(この場合は電子)が基板1とパッシベーション膜4との界面から遠ざけられるので、少数キャリアの再結合がさらに低減される。
裏面電極8は、太陽電池素子10の第2主面10b側に設けられる電極であり、図2および図3に示すように、貫通電極である第1電極8a、出力電極8bおよび樹脂電極である第2電極8cから成る。
第1電極8aは、パッシベーション膜4を多数箇所で貫通して、その一端部において基板1の第2主面1bに接するように設けられている。第1電極8aの一端部が基板1の第2主面1bに当接することによって、基板1の第2主面1bにおいてキャリアを集めることができる。第1電極8aの他端部は、第2電極8cと接している。第1電極8aの形状は、ドット(点)状であってもよいし、帯状(線状)であってもよい。第1電極8aの直径(幅)は60〜500μm程度、ピッチは0.3〜2mm程度であればよい。第1電極8aは、例えばアルミニウムを主成分として含有する。このため第1電極8aは、アルミニウムを含有する導電性ペーストをスクリーン印刷法で塗布した後、これを焼成することで形成できる。
また、第1電極8aを、アルミニウムを含有する導電性ペーストで形成することによって、基板1にBSF層13を形成できる。例えば、アルミニウムを含有する導電性ペーストを塗布後、アルミニウムの融点以上の最高温度を有する所定の温度プロファイルで導電性ペーストを焼成する。これにより、パッシベーション膜4を貫通した第1電極8aが形成される。このとき、導電性ペースト中のアルミニウムと基板1との間で相互拡散が起こり、両者の界面には基板1中にアルミニウムが第1半導体層2よりも高濃度に拡散したBSF層13が形成される。アルミニウムはp型ドーパントとなりうるので、BSF層13
が含有するドーパントの濃度は、第1半導体層2が含有するドーパントの濃度よりも高くなる。すなわち、BSF層13中には、第1半導体層2において一導電型にするためにドープされるドーパント元素の濃度よりも高い濃度でドーパント元素が存在する。BSF層13は、基板1の第2主面1b側において内部電界を形成するので、基板1における第2主面1bの表面近傍で、少数キャリアの再結合を低減させて、光電変換効率を向上させる役割を有している。第1半導体層2およびBSF層13が含有するドーパント元素の濃度は、それぞれ5×1015〜1×1017atoms/cm、1×1018〜5×1021atoms/cm程度とすることができる。
出力電極8bは、第2主面10b側において光電変換によって得られた電力を太陽電池素子10の外部に取り出すための電極である。出力電極8bは平面視して第1電極8aに重ならない位置で、パッシベーション膜4の上またはパッシベーション膜4を貫通して、直線状に配置されている。出力電極8bの厚みは10〜30μm程度であり、その幅は1〜7mm程度である。出力電極8bは複数列の直線状に配置されている。また、出力電極8bは、太陽電池モジュール製造工程において、リボン状の接続導体であるタブ銅箔を簡単に接続可能なように、ハンダ付け可能な銀、または銅、または銀と銅との合金を主成分として含んでいる。このような出力電極8bは、例えば銀を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷等によって所望の形状に塗布した後、これを焼成することによって形成できる。
第2電極8cは、第1電極8aおよび出力電極8bのそれぞれに接して、両者を電気的に接続している。これにより、第2電極8cは、第1電極8aによって集電された電力を出力電極8bに伝えることができる。第2電極8cは、パッシベーション膜4および第1電極8aのそれぞれを覆っているとともに第1電極8aに接している。さらに、第2電極8cは出力電極8bの一部にも接している。このため、第2電極8cは、例えば島状または線状に形成して、第1電極8aを覆い、出力電極8bに接続するように設けてもよい。ただし、第2電極8cは基板1の第2主面1b側の略全面を覆っていることが望ましい。第2電極8cは、出力電極8bが形成された領域を除く略全面に形成されるような構造にすることによって、パッシベーション膜4をほぼ全域に亘り第2電極8cで被覆して保護することができる。これにより、太陽電池素子10の信頼性を向上することができる。さらに、太陽電池素子10の製造工程において、第2電極8cを第1電極8a上に形成するための精密な位置合わせが不要になる。
本実施形態に係る第2電極8cは導電性樹脂から成る。この導電性樹脂は、熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂などが使用可能である。特に、熱硬化性樹脂は製造装置が簡略化できるので好適に使用可能である。用いられる導電性樹脂成分としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂または尿素樹脂などの樹脂系材料に、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル、錫、亜鉛および炭素などから1種以上を選択した、直径0.01〜10μm程度の導電性フィラーを含有させたものでよい。この場合に、導電性フィラーは、1つ以上の導電性フィラーに他の金属をコーティングしたものを用いてもよい。特に、熱硬化性のエポキシ樹脂に、銀のフィラー、または、銀および銅から成るフィラーを含有した導電性樹脂を好適に用いることができる。これにより、形成時および形成後の第2電極8cの酸化を低減でき、太陽電池素子10の直列抵抗成分を小さくできる。このため、形成後の第2電極8cが安定となって長期信頼性に優れる。第2電極8cは、硬化前の導電性樹脂ペーストをスクリーン印刷法で所定のパターンに塗布し、その後加熱炉で硬化されることで形成できる。硬化後の導電性樹脂の比抵抗は、10−4Ω・cm程度以下であり、その厚みは10〜50μm程度である。
第2電極8cを導電性樹脂で形成し、パッシベーション膜4が酸化物の膜から成ること
によって、パッシベーション膜4と樹脂表面との化学反応で、両者の密着強度が向上する。これにより、太陽電池素子10の長期的信頼性を向上させることができる。また、アルミニウムなどの金属、ガラスフリット、バインダーなどを含有した導電性ペーストを焼成する場合に比べて、本実施形態に係る第2電極8cは導電性樹脂から成るため、形成時(硬化時)の熱処理の温度が低い。このため、第2電極8cの形成時におけるパッシベーション膜4の破壊、劣化などの影響が小さくなる。これにより、太陽電池素子10の光電変換効率の向上を図ることができる。さらに、半導体基板1の材質(例えばシリコン)と第2電極8cとの熱膨張係数の差に起因する太陽電池素子10の反りの発生を低減することができる。
第2電極8cを形成する導電性樹脂には、還元剤が含有されていることが望ましい。導電性樹脂に還元剤が含有されることによって、第2電極8cに当接する第1電極8aの他端部において、焼成時に形成された酸化膜を還元して良好な導電性にすることができる。第1電極8aを導電性ペーストの焼成で形成するときには、この焼成温度が高温のため、通常、その表面は酸化して抵抗が高い酸化膜になる。この酸化膜を介して第1電極8aと第2電極8cとが接することになるため、直列抵抗成分が大きくなる。これを避けるために、第2電極8cの導電性樹脂に還元剤を含有させることによって、第1電極8aの他端部に位置する酸化アルミニウムを還元してアルミニウムにする。
これにより、第1電極8aと第2電極8cとの接続部分のコンタクト抵抗を下げて、太陽電池素子10の直列抵抗成分を低下させることができる。この還元剤は、例えばホルムアルデヒドなどのアルデヒド類、アミン類から成り、その含有量は、導電性樹脂材料100質量部に対し0.1〜2.5質量部程度、より好適には1〜1.5質量部程度であればよい。
パッシベーション膜4と第2電極8cとの組み合わせは、パッシベーション膜4の金属酸化物が酸性酸化物から成るとともに、第2電極8cの導電性樹脂が塩基性成分を含有している(または塩基性成分から成る)ことが望ましい。パッシベーション膜4の金属酸化物が、例えば酸化シリコンなどの酸性酸化物である場合には、導電性樹脂の樹脂成分を例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、または硬化剤として塩基性物質が添加されたエポキシ樹脂とする。また、導電性成分は特に限定は無いが、銀または銅またはそれらの合金が好適である。これにより、パッシベーション膜4である金属酸化物と、第2電極8cである導電性樹脂の樹脂成分との間にイオン結合が形成される。このイオン結合によって、第2電極8cと導電性樹脂との間に新たな結合が生じる。このため、パッシベーション膜4と第2電極8cとがより強固に接続されて、太陽電池素子10の長期的信頼性を向上させることができる。なお、エポキシ樹脂の硬化剤に用いる塩基性物質には、アミン類、ポリアミド類、イミダゾール類などがある。
また、パッシベーション膜4と第2電極8cとの組み合わせは、パッシベーション膜4の金属酸化物が塩基性酸化物から成るとともに、第2電極8cの導電性樹脂が酸性成分を含有している(または酸性成分から成る)ことが望ましい。パッシベーション膜4の金属酸化物が、例えば酸化アルミニウムなどの塩基性酸化物である場合には、導電性樹脂の樹脂成分を例えばフェノール樹脂、または硬化剤として酸性物質が添加されたエポキシ樹脂とする。この場合、導電性樹脂の導電成分は特に限定は無いが、銀または銅またはその合金が好適である。これにより、パッシベーション膜4である金属酸化物と、第2電極8cである導電性樹脂との間にイオン結合が形成される。エポキシ樹脂の硬化剤としての酸性物質は、例えばジカルボン酸類の他、無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などの酸無水物などでよい。なお、パッシベーション膜4である金属酸化物と、第2電極8cである導電性樹脂との間の結合状態については、FT−IR(フーリエ変換赤外分光)法のATR(全反射)測定法で分析可能である。
また、パッシベーション膜4の金属酸化物が、例えば酸化シリコンなどの酸性酸化物である場合には、導電性樹脂の樹脂成分として、酸性成分から成る例えば、フェノール樹脂を用いた場合、パッシベーション膜4と第2電極8cである導電性樹脂の樹脂成分との間に水素結合が形成される。また、パッシベーション膜4の金属酸化物が、例えば酸化アルミニウムの塩基性酸化物である場合で、導電性樹脂の樹脂成分が塩基性成分から成る、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂を用いた場合にも、パッシベーション膜4と第2電極8cである導電性樹脂の樹脂成分との間に水素結合が形成される。しかしながら、上述のイオン結合は水素結合に比べ結合が強いため、より好適である。
<太陽電池素子の製造方法>
次に、太陽電池素子10の製造方法の各工程について、詳細に説明する。
まず、図4(a)に示すように基板1を用意する。基板1は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンでよい。基板1は、例えば、既存のCZ法または鋳造法などによって形成される。以下では、基板1として、p型多結晶シリコン基板を用いた例について説明する。例えば、鋳造法によって多結晶シリコンのインゴットを作製する。ドーパント元素としては、例えば、ボロンを添加することで、インゴットの抵抗率を1〜5Ω・cm程度とすればよい。次いで、そのインゴットを例えば1辺約160mm角の正方形状で、厚さ200μm程度の厚みにスライスして基板1を作製する。その後、基板1の切断面の機械的ダメージ層および汚染層を清浄にするために、基板1の表面をNaOH、KOH、フッ酸またはフッ硝酸などの水溶液でごく微量エッチングしてもよい。
また、図4(b)に示すように、基板1の第1主面1aに、表面の光の反射を低減するためにテクスチャを形成してもよい。テクスチャの形成方法としては、NaOH等のアルカリ溶液もしくはフッ硝酸等の酸溶液を使用したウエットエッチング方法、またはRIE(Reactive Ion Etching)法等を使用したドライエッチング方法を用いることができる。
次に、図4(c)に示すように、テクスチャを有する基板1の第1主面1aに、n型の第2半導体層3を形成する。第2半導体層3は、ペースト状にしたPを基板1の表面に塗布して熱拡散させる塗布熱拡散法、ガス状にしたPOCl(オキシ塩化リン)を拡散源とした気相熱拡散法などによって形成される。この第2半導体層3は0.1〜2μm程度の厚み、40〜200Ω/□程度のシート抵抗値を有するように形成される。例えば、気相熱拡散法では、POCl等から成る拡散ガスを有する雰囲気中で600〜800℃程度の温度において、基板1を5〜30分程度熱処理してリンシリコンガラス(PSG)を基板1の表面に形成する。その後、アルゴンまたは窒素等の不活性ガス雰囲気中で800〜900℃程度の高い温度において、基板1を10〜40分間程度熱処理する。これにより、PSGから基板1にリンが拡散して、基板1の第1主面1a側に第2半導体層3が形成される。
上記第2半導体層3の形成工程において、第2主面1b側にも第2半導体層3が形成された場合には、第2主面1b側に形成された第2半導体層3のみをエッチングして除去する。これにより、第2主面1b側にp型の第1半導体層2を露出させる。例えば、フッ酸硝酸混合溶液に基板1における第2主面1b側のみを浸して第2主面1b側に形成された第2半導体層3を除去する。その後に、第2半導体層3を形成する際に基板1の第1主面1a側に付着したPSGをフッ酸にてエッチングして除去する。このとき、基板1の側面に形成された第2半導体層3も合わせて除去してもよい。
次に、パッシベーション膜形成工程を行う。図4(d)に示すように、第1半導体層2
の第2主面1b上に、酸化アルミニウムから成るパッシベーション膜4が形成される。パッシベーション膜4の形成方法としては、例えば、ALD法、PECVD法などを用いることができる。特に、基板1の表面のカバーレッジに優れたALD法を用いることによってパッシベーション効果がより大きくなる。
ALD法によるパッシベーション膜4の形成工程では、まず、成膜装置のチャンバー内に上記第2半導体層3が形成された基板1が載置される。そして、基板1が100〜250℃の温度域で加熱された状態で、アルミニウム原料の供給、アルミニウム原料の排気除去、酸化剤の供給、酸化剤の排気除去、の各工程を複数回繰り返す。これにより、基板1の上に、酸化アルミニウムから成るパッシベーション膜4が形成される。アルミニウム原料として、例えばトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)等を用いることができる。また、酸化剤として、例えば、水、オゾンガス等を用いることができる。ALD法を用いることによって、第1半導体層2の第1主面1a以外に、基板1の側面を含む基板1の全周囲にもパッシベーション膜4を形成できる。この場合には、基板1の第2主面1b上のパッシベーション膜4に耐酸レジストを塗布した後、フッ酸などで不要なパッシベーション膜4をエッチングによって除去してもよい。
次に、図4(e)に示すように、反射防止膜形成工程を行う。基板1の第1主面1a側に窒化シリコン膜から成る反射防止層5を形成する。反射防止層5は、例えばPECVD法またはスパッタリング法を用いて形成される。PECVD法を用いる場合であれば、事前に基板1を成膜中の温度よりも高い温度で加熱する。その後、加熱した基板1にシラン(SiH)とアンモニア(NH)との混合ガスを窒素(N)で希釈して供給する。そして、反応圧力を50〜200Paにして、グロー放電分解でプラズマ化させて反応させ、堆積させることで反射防止層5が形成される。このときの成膜温度は、350〜650℃程度とする。また、グロー放電に必要な高周波電源の周波数は10〜500kHzである。また、ガス流量は反応室の大きさ等によって適宜決定されるが、例えばガスの流量としては、150〜6000sccmの範囲にすることが望ましい。例えば、シランの流量Aとアンモニアの流量Bとの流量比B/Aは0.5〜15であればよい。
次に、図4(f)〜(h)に示すように、電極形成工程を行う。表面電極7(バスバー電極7aとフィンガー電極7b、サブフィンガー電極7c)と、裏面電極8(第1電極8a、出力電極8b、第2電極8c)とを以下のようにして形成する。
まず図4(f)に示すように、表面電極7は第1ペースト16を用いて形成する。第1ペースト16は、導電性成分の主成分は例えば銀および銅の少なくとも一方を含むものとする。この場合、導電性ペースト中に銀などの金属粉末(例えば、粒径0.05〜20μm程度、好ましくは0.1〜5μm程度のもの)を導電性ペースト総質量の70〜85質量%程度含有させる。また、導電性ペーストは、ガラスフリットおよび有機ビヒクルを混練したものを用いる。有機ビヒクルは、例えばバインダーとして使用される樹脂成分を有機溶媒に添加して得られる。バインダーとしては、エチルセルロース等のセルロース系樹脂のほか、アクリル樹脂またはアルキッド樹脂等が使用できる。有機溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ターピネオールまたはジエチレングリコールモノブチルエーテル等が使用できる。有機ビヒクルの含有質量は、導電性ペースト総質量の5〜20質量%程度含有していればよい。また、ガラスフリットの成分は、ガラス材料として例えばSiO−Bi−PbO系、Al−SiO−PbO系などの鉛系ガラスを用いることができる。また、他のガラス材料としては、B−SiO−Bi系またはB−SiO−ZnO系などの非鉛系ガラスも用いることができる。ガラスフリットは、導電性ペースト総質量の2〜15質量%程度含有させればよい。まず、この第1ペースト16を、スクリーン印刷を用いて、基板1の第1主面1aに塗布する。この塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させる。
また、裏面電極8である出力電極8bは、主成分として銀のみから成る金属粉末、有機ビヒクルおよびガラスフリット等を含有する導電性ペースト(第2ペースト17)を用いて作製される。第2ペースト17の成分は、第1ペースト16と同様でもよい。第2ペースト17の塗布法としては、例えば、スクリーン印刷法などを用いることができる。この塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させる。
さらに、第1電極8aは第3ペースト18を用いて形成する。第3ペースト18は、主成分としてアルミニウムを含むものを用いる。この場合、導電性ペースト中にアルミニウム粉末(例えば、粒径0.05〜20μm程度、好ましくは0.1〜5μm程度のもの)を導電性ペースト総質量の65〜80質量%程度含有させるとともに、ガラスフリットおよび有機ビヒクルを混練したものを用いる。有機ビヒクルは、例えばバインダーとして使用される樹脂成分を有機溶媒に添加して得られる。バインダーとしては、エチルセルロース等のセルロース系樹脂のほか、アクリル樹脂またはアルキッド樹脂等が使用される。有機溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ターピネオールまたはジエチレングリコールモノブチルエーテル等が使用される。有機ビヒクルは、導電性ペースト総質量の0.05〜10質量%程度含有していればよい。また、ガラスフリットは、例えばSiO−Bi−PbO系、Al−SiO−PbO系などの鉛系ガラスを用いることができる。また、ガラスフリットは、B−SiO−Bi系またはB−SiO−ZnO系などの非鉛系ガラスも用いることができる。ガラスフリットは、導電性ペースト中に2〜15質量%程度含有させればよい。この第3ペースト18は、すでに塗布された第2ペースト17とは離れた位置で、第2主面1b上の所定の位置に、点状または線状に塗布する。塗布法としては、スクリーン印刷法などを用いることができる。この塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させてもよい。
その後、第1ペースト16、第2ペースト17および第3ペースト18が塗布された基板1を、焼成炉内にて最高温度が約700〜900℃、最高温度で0.1秒〜数十秒間程度維持して焼成を行う。これにより、各導電性ペーストが焼結して、図4(g)に示すように、表面電極7と裏面電極8の第1電極8a、出力電極8bとが形成される。この焼成の際に、第1ペースト16は反射防止膜5をファイアースルーして基板1の第1主面1aのn型の第2半導体層3と接続され、表面電極7が形成される。また、第3ペースト18もパッシベーション膜4をファイアースルーして、第2主面1bのp型の第1半導体層2と接続され、第1電極8aが形成される。また、第1電極8aの形成に伴い、BSF層13も形成される。さらに、第2ペースト17が焼成され、出力電極8bが形成される。このとき、第2ペースト17は、パッシベーション膜4をファイアースルーせずに、パッシベーション膜4上に形成されてもよい。ただし、図3に示すように、パッシベーション膜4をファイアースルーして、第1半導体層2上に形成されてもよい。例えば、第2ペースト17中のガラスフリットの成分を適宜選択することによって、ファイアースルーの有無、ファイアースルーの程度を調整することができる。例えば、パッシベーション膜4をファイアースルーさせる場合には、ガラスフリット中に酸化ビスマスを添加する(または酸化ビスマスの割合を増加させる)ことで可能であり。一方、パッシベーション膜4をファイアースルーさせない場合には、ガラスフリット中に酸化亜鉛を添加させる(または酸化亜鉛の割合を増加させる)ことで可能である。
次に、図4(h)に示すように、第2電極8cを硬化前の導電性ペースト19を用いて形成する。硬化前の導電性ペースト19は、上述のように導電性樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの樹脂系材料に、銀、銅などの導電性フィラーの1種または複数種の導電性フィラーを混練したものである。導電性ペースト19は、すでに形成された第1電極8a上および出力電極8bの周辺端部に接触するように、第2主面1
b上に塗布する。このとき、第2主面1b上において、出力電極8bが形成されない部位の略全面に導電性ペースト19を塗布することによって、厳密な位置合わせをせずに出力電極8bの端部に接触できるので望ましい。この塗布法としては、スクリーン印刷法などを用いることができる。この塗布後、加熱炉(例えば遠赤外線炉)で所定の温度、時間(例えば100〜300℃程度、好ましくは150〜250℃程度で、15〜60分間程度)で硬化させる。上述のように、硬化時の熱処理温度が低いため、第2電極8cの形成時におけるパッシベーション膜4への破壊、劣化などの影響が小さく、太陽電池素子10の光電変換効率の向上を図ることができる。さらに、半導体基板1の材質と第2電極8cとの熱膨張係数の差に起因する半導体基板1の反りの発生を抑制しうる。
また、導電性ペースト19には、還元剤が含有されていることが望ましい。なぜなら、上述のように第1電極8aと第2電極8cのコンタクト抵抗を低減できるからである。この還元剤は、例えばホルムアルデヒドなどのアルデヒド類やアミン類から成り、その含有量は、導電性樹脂材料100質量部に対し0.1〜2.5質量部程度、より好適には1〜1.5質量部程度である。
また、導電性ペースト19には、硬化剤を含有していてもよい。上述したように、パッシベーション膜4の金属酸化物の極性に合わせて、適宜、硬化剤の材料を選択すればよい。例えば、樹脂系材料としてエポキシ樹脂を用いた場合、硬化剤としての塩基性物質としては、アミン類、ポリアミド類、イミダゾール類などが使用できる。また、硬化剤の酸性物質としては、例えばジカルボン酸類の他、無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などの酸無水物などが使用できる。
なお、本発明は上記形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。例えば、電極形成工程の焼成は、成分が類似した表面電極7(バスバー電極7aとフィンガー電極7b、サブフィンガー電極6c)と、裏面電極8の出力電極8bとの形成のための焼成を行った後、第1電極8a形成のための焼成および第2電極8c形成のための硬化を別途行ってもよい。
<変形例1>
変形例1に係る実施形態を図5に示す。変形例1では、第2主面10b側において、パッシベーシン膜4と半導体基板1との間に、パッシベーション膜4よりも薄い第1酸化シリコン膜11が介在している。他の構成については上述した実施形態と同様であるので説明を省略する。
第1酸化シリコン膜11を設けることによって、半導体基板1表面の結晶欠陥に由来する未結合手を効果的に終端させることができて、少数キャリアの再結合をさらに抑制でき、太陽電池素子の光電変換効率をより向上させることができる。
この第1酸化シリコン膜11は、カバーレッジに優れたALD法を用いることが望ましい。ALD法による原料ガスとしては、例えば、N,N,N‘,N’,テトラエチルシランジアミン(HSi[N(C])ガスと、オゾン(O)または水蒸気などとを用いて成膜できる。
ここで、第1酸化シリコン膜11の膜厚を、パッシベーション膜4よりも薄くする。これにより、パッシベーション膜4を形成する酸化アルミニウムの負の固定電荷が、第1酸化シリコン膜11の正の固定電荷に比べ優勢になるので、パッシベーション膜4のパッシベーション効果を低下させにくい。特に、第1酸化シリコン膜11の膜厚は、パッシベーション膜4の膜厚の半分未満であることが望ましい。例えば、パッシベーション膜4の膜
厚が50nm程度であった場合には、第1酸化シリコン膜11の膜厚は、20nm程度として、第1酸化シリコン膜11の膜厚をパッシベーション膜4の膜厚の半分未満とすることが望ましい。これにより、第1酸化シリコン膜11に加え、後述する第2酸化シリコン膜12を形成した場合においても、パッシベーション膜4を形成する酸化アルミニウムの負の固定電荷が、第1酸化シリコン膜11の正の固定電荷に比べ優勢になる。このため、パッシベーション膜4のパッシベーション効果を低下させにくくしうる。
<変形例2>
変形例2に係る実施形態を図6に示す。変形例2では、パッシベーション膜4と第2電極8cとの間に、パッシベーション膜4よりも薄い第2酸化シリコン膜12が介在している。他の構成については上述した実施形態と同様であるので説明を省略する。
第2酸化シリコン膜12を設けることによって、第2電極8c形成時においてアルミニウムなどがパッシベーション膜4へ拡散しにくい。これにより、パッシベーション膜4のパッシベーション効果をより向上させることができる。
この第2酸化シリコン膜12は、第1酸化シリコン膜11と同様にカバーレッジに優れたALD法を用いることが望ましい。
さらに、第2酸化シリコン膜12の膜厚は、変形例1と同様な理由で、パッシベーション膜4の膜厚の半分未満であることが望ましい。例えば、パッシベーション膜4の膜厚が50nm程度であった場合には、第2酸化シリコン膜12の膜厚は20nm程度であることが望ましい。
<変形例3>
変形例3に係る実施形態を図7に示す。変形例3では、出力電極8bを設けないことを特徴とする。変形例3では、太陽電池モジュール製造工程において、第2電極8cに、直接、リボン状の接続導体であるタブ銅箔をハンダ付けまたは導電性接着剤などを用いて接続する。このため、第2電極8cを形成する導電性樹脂ペースト19は、銀を主成分とするか、銅のフィラーの表面を1〜5μm程度に銀でコーティングするものを用いることが望ましい。さらに、導電性ペースト19を塗布後の加熱炉での硬化において、酸化膜が生成されにくくするために窒素雰囲気で行うことが望ましい。これにより、本来出力電極8bを設けていた部分にも第1電極8aを設けることができ、集電効率を向上させることができると共に、タブ銅箔のハンダ付け強度を向上させることが可能となる。また、タブ銅箔を導電性接着剤を用いて第2電極8cに接続する場合でも、この接続部の電気抵抗を小さくすることができる。
<変形例4>
変形例4に係る実施形態は、第1電極8aを形成する第3ペースト18の金属成分が、主としてアルミニウムおよび銀から成る。なお、第3ペースト18の他の構成については上述した実施形態と同様であるので説明を省略する。また、第3ペースト18は、金属成分の組成を除いて、他の成分は、他の変形例と同様である。主たる金属成分がアルミニウムのみから成る第3ペースト18を用いた場合、第1電極8aの焼成において、第1電極8a表面に酸化膜が形成されることが考えられる。このとき、第1電極8aと第2電極8cとの接続部分でのコンタクト抵抗が増大し、太陽電池素子10の光電変換効率が低下しうる。これに対し第3ペースト18中に銀を添加することによって、焼成における表面酸化膜の形成が抑制され、第1電極8aと第2電極8cとの接続部分でのコンタクト抵抗を低減することができる。
さらに、第3ペースト18の金属成分は、銀の質量%がアルミニウムの質量%より大き
いことが望ましい。アルミニウムが存在することで良好なBSF層13を形成できるとともに、第1電極8aの表面での酸化膜形成を低減できる。
さらに、発明者らが繰り返し行ったテストの結果では、金属成分における銀は、70〜99.5質量%程度であり、アルミニウムは0.5〜30質量%程度であることがより望ましい。このように、良好なBSF形成に必要なアルミニウムを最低限度含ませたことによって、良好なBSF層13を形成できるとともに、第1電極8a表面の酸化膜形成をより低減できる。
<変形例5>
変形例5に係る実施形態は、出力電極8bを形成するための導電性ペースト(第2ペースト17)の金属成分が、主として銀とアルミニウムから成るものである。他の構成については上述した実施形態と同様であるので説明を省略する。なお、変形例5に係る第2ペースト17は、金属成分の組成を除いて、他の成分は、上述と同様である。
第2ペースト17に、銀の他にアルミニウムを添加することによって、第2ペースト17の焼成に伴い、出力電極8b直下の基板1の第1半導体層2にもBSF層が形成することができる。これにより、BSF層部分の少数キャリアの再結合を低減し、さらなる光電変換効率の向上を図ることができる。
また、変形例5に係る実施形態において、発明者らが繰り返し行ったテストの結果では、金属成分における銀は、85〜99.5質量%程度であり、アルミニウムは0.5〜15質量%程度であることがより望ましい。これにより、第2電極8b直下の基板1の第1半導体層2に良好なBSF層13を形成できるとともに、第2電極8bへのハンダ付けも可能になる。
さらに、<変形例4><変形例5>に示した、第1電極8aを形成するための導電性ペースト(第3ペースト18)と出力電極8bとを形成するための導電性ペーストを同一材料にすることが望ましい。これにより、スクリーン印刷法で、第3ペースト18と第2ペースト17とを同時に印刷することが可能になり、太陽電池素子10の製造工程における工数の削減を図ることができる。
1 :基板(半導体基板)
1a:第1主面(表主面)
1b:第2主面(裏主面)
2 :第1半導体層(p型半導体層)
3 :第2半導体層(n型半導体層)
4 :パッシベーション膜
5 :反射防止層
7 :表面電極
7a:バスバー電極
7b:フィンガー電極
7c:サブフィンガー電極
8 :裏面電極
8a:第1電極(貫通電極)
8b:出力電極
8c:第2電極(樹脂電極)
10 :太陽電池素子
10a:第1主面(表主面)
10b:第2主面(裏主面)
11 :第1酸化シリコン膜
12 :第2酸化シリコン膜
13 :BSF層
16 :第1ペースト
17 :第2ペースト
18 :第3ペースト
19 :導電性ペースト

Claims (10)

  1. 表主面および該表主面の反対側に位置する裏主面を有する半導体基板と、
    該半導体基板の前記裏主面に配置されている、金属酸化物から成るパッシベーション膜と、
    前記半導体基板の前記裏主面に電気的に接続され、前記パッシベーション膜の上に配置されている、導電性樹脂から成る樹脂電極と、を備えている、太陽電池素子。
  2. 前記パッシベーション膜を多数箇所で貫通して前記半導体基板に接している貫通電極をさらに備えており、該貫通電極が前記樹脂電極に接続されている、請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. 前記導電性樹脂が還元剤を含有している、請求項1または2に記載の太陽電池素子。
  4. 前記金属酸化物が酸性酸化物から成るとともに前記導電性樹脂が塩基性成分を含有しているか、または、前記金属酸化物が塩基性酸化物から成るとともに前記導電性樹脂が酸性成分を含有している、請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池素子。
  5. 前記樹脂電極は前記パッシベーション膜を覆っている、請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池素子。
  6. 前記導電性樹脂が熱硬化性樹脂である、請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電池素子。
  7. 前記導電性樹脂がハンダ付け可能な金属材料を含有している、請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池素子。
  8. 前記半導体基板と前記パッシベーション膜との間に、前記パッシベーション膜よりも薄い酸化シリコン膜をさらに備えている、請求項1乃至7のいずれかに記載の太陽電池素子。
  9. 前記パッシベーション膜と前記樹脂電極との間に、前記パッシベーション膜よりも薄い酸化シリコン膜をさらに備えている、請求項1乃至8のいずれかに記載の太陽電池素子。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の太陽電池素子の製造方法であって、前記半導体基板の前記裏主面の上において、前記パッシベーション膜を形成した後に、前記パッシベーション膜の上に導電性樹脂を配置して、該導電性樹脂を硬化させて前記樹脂電極を形成する、太陽電池素子の製造方法。
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