JP6571409B2 - 太陽電池素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池素子およびその製造方法に関する。
一般的な結晶系太陽電池素子は、シリコンからなる半導体基板が用いられている。そして、太陽電池素子の光電変換効率の低下をもたらす少数キャリアの再結合損失を低減するために、半導体基板の表面にはパッシベーション膜が設けられる。半導体基板のp型領域上に設けられるパッシベーション膜の材料として、負の固定電荷を持った酸化アルミニウムを用いる。これにより、少数キャリアの再結合損失を低減し、良好な光電変換効率を実現し得ることが知られている(例えば、下記の特許文献1〜3を参照)。
ところが、酸化アルミニウムは水分が浸透することによって変質しやすく、パッシベーション効果が低下することがある。このため、パッシベーション膜の上にプラズマ励起CVD(PECVD)法等によって酸化シリコンなどの保護膜を形成することが行われている(例えば、下記の特許文献4〜5を参照)。
特開2004−193350号公報 特開2009−164544号公報 特表2012−530361号公報 特開2012−253356号公報 国際公開第2011/033826号
しかしながら、酸化シリコンなどから成る保護膜は正の固定電荷を持つ。このため、保護膜が酸化アルミニウムの負の固定電荷の効果を弱めて、充分なパッシベーション効果を得られないことがある。
そこで、本発明はパッシベーション効果に優れた太陽電池素子およびその製造方法を提供することを一つの目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る太陽電池素子は、一方主面にp型半導体領域を有するシリコン基板と、前記p型半導体領域の上に配置された、酸化アルミニウムを含んでいるパッシベーション膜と、該パッシベーション膜の上に配置された、酸化シリコンおよび酸化アルミニウムの混合物を有する第1保護膜と、前記パッシベーション膜および前記第1保護膜のそれぞれを貫通して、前記シリコン基板の前記p型半導体領域に接続する複数の導体と、を備えており、前記第1保護膜は酸化シリコンの母相中に酸化アルミニウムが一様に存在している。
また、本発明の一態様に係る太陽電池素子の製造方法は、一方主面にp型半導体領域を有するシリコン基板を備えている太陽電池素子の製造方法であって、前記シリコン基板の前記p型半導体領域の上に、酸化アルミニウムを含んでいるパッシベーション膜を配置する工程と、酸素を含む雰囲気中で、前記シリコン基板の表面に到達するレーザービームを前記パッシベーション膜の複数箇所に照射して、前記パッシベーション膜に複数の孔部を形成し、前記パッシベーション膜の上に、酸化シリコンおよび酸化アルミニウムの混合物を有する第1保護膜を配置する工程と、前記パッシベーション膜の前記孔部内および前記レーザービームの照射で露出した前記シリコン基板の前記表面の上に導体を配置する工程とを備えている。
上記の太陽電池素子およびその製造方法によれば、パッシベーション膜のパッシベーション効果に優れた太陽電池素子を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の第1主面側の外観を示す平面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の第2主面側の外観を示す平面図である。 図3は、図1におけるIII−III線で切断した断面を示す断面図である。 図4は、図3のM1部における拡大断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る太陽電池素子のコンタクト部近傍の保護膜の状態を模式的に示す断面図である。 図6(a)〜(e)は、それぞれ本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の製造方法の工程の一例を模式的に示す断面図である。 図7(a)〜(c)は、それぞれ本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の製造方法の工程の一例を模式的に示す断面図である。 図8は、他の実施形態に係る太陽電池素子の図3のM2部における拡大断面図である。
以下、本発明に係る太陽電池素子およびその製造方法の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面は模式的に示したものである。
<太陽電池素子>
本実施形態に係る太陽電池素子10を図1乃至図3に示す。太陽電池素子10は、図3に示すように、主に光が入射する受光面である第1主面10aと、この第1主面10aの反対側に位置する主面(裏面)である第2主面10bと、側面10cとを有する。また、太陽電池素子10は、半導体基板としてシリコン基板1を備えており、シリコン基板1においても第1主面1aと、この第1主面1aの反対側に位置する第2主面1bと、側面1cとを有する。シリコン基板1は、一導電型(例えばp型)半導体領域である第1半導体層2と、第1半導体層2における第1主面10a側に設けられた逆導電型(例えばn型)半導体領域である第2半導体層3とを有する。さらに、太陽電池素子10は、半導体基板1に形成されたBSF(Back Surface Field)層4、反射防止膜5、第1電極6、第2電極7、第3電極8、コンタクト部8a、パッシベーション膜9および第1保護膜11を備えている。ここで、コンタクト部8aはパッシベーション膜9および第1保護膜11のそれぞれを貫通していて、シリコン基板1に接続している導体である。
シリコン基板1は、例えば単結晶または多結晶のシリコン基板である。また、シリコン基板1は、第1半導体層2と、該第1半導体層2の第1主面1a側に設けられた第2半導体層3とを備えている。
以下、シリコン基板1として、p型多結晶または単結晶のシリコン基板を用いて、第1半導体層2としてp型半導体を用いる例について説明する。シリコン基板1の厚みは、例えば100〜250μm程度である。シリコン基板1の形状は、特に限定されないが、平
面視で略四角形状であれば太陽電池素子10から太陽電池モジュールを製造する際、素子間の隙間を小さくできるのでよい。多結晶のシリコン基板1からなる第1半導体層2をp型にする場合、ドーパント元素として、ボロン、ガリウム等の不純物を含有させる。
第2半導体層3は、第1半導体層2上に積層されている。これにより、第2半導体層3は、第1半導体層2との界面にpn接合部が形成されている。第2半導体層3は、第1半導体層2に対して逆の導電型(本実施形態ではn型)の半導体層であり、第1半導体層2の第1主面1a側に設けられている。第1半導体層2がp型の導電型のシリコン基板1では、例えば、第2半導体層3は第1主面1a側にドーパントとしてリン等の不純物を拡散させることによって形成できる。
図3に示すように、シリコン基板1の第1主面1a側には、照射された光の反射率を低減するための微細な凹凸構造(テクスチャ)が設けられていてもよい。テクスチャの凸部の高さは0.1〜10μm程度であり、隣接する凸部同士の間隔は0.1〜20μm程度である。テクスチャは、例えば、凹部が略球面状であってもよいし、凸部がピラミッド形状であってもよい。なお、上述した「凸部の高さ」とは、例えば図3において、凹部の底面を通る直線を基準線とし、該基準線に垂直な方向において、該基準線から凸部の頂面までの距離のことである。また、「凸部同士の間隔」とは、前記基準線に平行な方向における、隣接する凸部の頂面の中心同士の間の距離のことである。
反射防止膜5は、太陽電池素子10の第1主面10aに照射された光の反射率を低減する機能を有する。反射防止膜5は、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウムまたは窒化シリコン層等からなる。反射防止膜5の屈折率および厚みは、太陽光のうち、シリコン基板1に吸収されて発電に寄与し得る波長範囲の光に対して、低反射条件を実現できる屈折率および厚みを適宜採用すればよい。例えば、反射防止膜5の屈折率は1.8〜2.5程度とし、厚みは20〜120nm程度とすることができる。
BSF層4は、シリコン基板1の第2主面1b側に配置されており、第1半導体層2と同一の導電型(本実施形態ではp型)であればよい。そして、BSF層4が含有するドーパントの濃度は、第1半導体層2が含有するドーパントの濃度よりも高い。BSF層4は、シリコン基板1の第2主面1b側において内部電界を形成する。これにより、シリコン基板1における第2主面1bの表面近傍で少数キャリアの再結合が生じにくくなり、太陽電池素子10の光電変換効率が低下しにくい。BSF層4は、例えば、シリコン基板1の第2主面1b側に、ボロンまたはアルミニウムなどのドーパント元素を拡散させることによって形成できる。第1半導体層2およびBSF層4が含有するドーパント元素の濃度は、それぞれ5×1015〜1×1017atoms/cm、1×1018〜5×1021atoms/cm程度である。BSF層4は、後述する導体であるコンタクト部8aとシリコン基板1との接触部分に存在させるとよい。
第1電極6は、シリコン基板1の第1主面1a側に設けられた電極である。また、第1電極6は、図1に示すように、第1出力取出電極6aと、複数の線状の第1集電電極6bとを有する。第1出力取出電極6aは、発電によって得られた電気を外部に取り出すための電極であり、例えば、短手方向の長さ(以下、幅という)が0.5〜2.5mm程度である。第1出力取出電極6aの少なくとも一部は、第1集電電極6bと交差して電気的に接続されている。第1集電電極6bは、シリコン基板1から発電された電気を集めるための電極である。また、第1集電電極6bは複数の線状であって、これらの幅は、例えば50〜200μm程度である。このように、第1集電電極6bの幅は、第1出力取出電極6aの幅よりも小さい。また、第1集電電極6bは、互いに1〜3mm程度の間隔を空けて複数設けられている。第1電極6の厚みは、10〜40μm程度である。このような第1電極6は、例えば、銀を主成分とする第1金属ペーストをスクリーン印刷等によって所望の形状に塗布した後、焼成することによって形成できる。なお、本実施形態において、主成分とは、全体の成分に対する含有質量が50質量%以上であることを示す。
第2電極7および第3電極8は、図2および図3に示すように、シリコン基板1の第2主面1b側に設けられた電極である。第2電極7は、太陽電池素子10による発電によって得られた電気を外部に取り出すための電極である。第2電極7は、パッシベーション膜9または第1保護膜11の上、またはパッシベーション膜9および第1保護膜11を貫通してシリコン基板1上に形成される。第2電極7の形状は、図2に示すようにドット状(または島状)に直線状に配置されていてもよいし、帯状(または線状)であってもよい。第2電極7の厚みは10〜30μm程度であり、その幅は1.3〜7mm程度である。また、第2電極7は主成分として銀を含んでいる。このような第2電極7は、例えば、銀を主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷等によって所望の形状に塗布した後、焼成することによって形成できる。
図2および図3に示すように、第3電極8は、シリコン基板1の第2主面1bにおいて、シリコン基板1から発電された電気を集めるための電極であり、第2電極7に電気的に接続するように設けられている。このとき、第2電極7の少なくとも一部が、第3電極8に接続していればよい。また、第3電極8の一部は、パッシベーション膜9および第1保護膜11を貫通する多数のスルーホール12を充填することによってコンタクト部8aを形成し、シリコン基板1の第1半導体層2に接続されている。第3電極8は、シリコン基板1の端部から0.3〜2mm程度の外周部を除いて、第1保護膜11の略全面を覆うように形成されている。また第3電極8の厚みは15〜50μm程度であり、第3電極8、コンタクト部8aは主成分としてアルミニウムを含んでおり、例えばアルミニウムを主成分とする金属ペーストを所望の形状にスクリーン印刷法で塗布した後、焼成することによって形成できる。
パッシベーション膜9は、シリコン基板1のp型半導体領域である少なくとも第1半導体層2上の略全面に形成され、少数キャリアの再結合を低減する機能を有する。パッシベーション膜9として、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法などで形成した酸化アルミニウムを含む膜が好適に用いられる。パッシベーション膜9の厚みは、10〜200nm程度である。パッシベーション膜9として、酸化アルミニウムのように強い負の固定電荷を有する膜を用いることで、電界効果によって少数キャリア(この場合は電子)がシリコン基板1とパッシベーション膜9との界面から遠ざけられる。これにより、少数キャリアの再結合がさらに低減できる。
スルーホール12は、この作製時にパッシベーション膜9を貫通してシリコン基板1の第1半導体層2を露出させるための孔である。スルーホール12内にはコンタクト部8aが配置される。スルーホール12は、例えばレーザービームの照射によって、直径約30〜150μm程度の円柱形状で、1cm当たり100〜500個程度、均一に分布するように形成される。
第1保護膜11は、耐湿性などの信頼性に優れた太陽電池素子1を得るために、酸化アルミニウムを含むパッシベーション膜9上に配置される。さらに、本実施形態の第1保護膜11は、酸化シリコンおよび酸化アルミニウムを有する混合物を含んでいる。ここで、第1保護膜11は単層膜であり、例えば酸化シリコン膜と酸化アルミニウム膜との積層構造は含まない。また、第1保護膜11は酸化シリコンの母相中に酸化アルミニウムが一様に存在していることが望ましい。ここで、「一様」とは、パッシベーション膜9側からの酸化アルミニウムの拡散によって、第1保護膜11におけるパッシベーション膜9側に酸化アルミニウムが偏って含まれている場合は除く。また、第1保護膜11におけるパッシベーション膜9が無い側に酸化アルミニウムがほとんど存在していない場合も「一様」と
はいえないものとする。酸化シリコンは、正の固定電荷を有するため、酸化アルミニウムを含むパッシベーション膜9上に酸化シリコン膜のみが配置された場合、酸化アルミニウムの負の固定電荷を弱めてパッシベーション膜9のパッシベーション効果を低減させる。これに対して、本実施形態では、第1保護膜11が、酸化シリコンおよび酸化アルミニウムを有する混合物を有することによって、第1保護膜11に負の固定電荷を有する酸化アルミニウムが酸化シリコンの正の固定電荷を弱めることができて、パッシベーション膜9のパッシベーション効果を高めることができる。 さらに、第1保護膜11が酸化アルミ
ニウムを含むので、第1保護膜11の熱膨張係数を、シリコン基板1の熱膨張係数に近づけることができる。これにより、パッシベーション膜9と第1保護膜11との密着性を向上させることができる。なお、酸化アルミニウムの熱膨張係数は7〜8×10−6/℃程度、シリコンの熱膨張係数は3.9×10−6/℃程度、酸化シリコンの熱膨張係数は0.3〜0.6×10−6/℃程度である。
また、第1保護膜11は、耐湿性などの信頼性を向上させるために、酸化アルミニウムよりも酸化シリコンを多く含むことが好ましい。第1保護膜11が酸化シリコンおよび酸化アルミニウムの混合物を含むことは、例えば二次イオン質量分析法(SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry))などによって確認が可能である。
酸化シリコンおよび酸化アルミニウムの混合物を含んでいる第1保護膜11の形成は、次のように行う。図3および図4に示すように、酸素を含む雰囲気(例えば大気)中で、シリコン基板1の表面に到達するレーザービームをパッシベーション膜9に照射して、パッシベーション膜9にスルーホール12を作製する。それと同時に、シリコン基板1の第1半導体層2の一部もレーザービーム照射によって除去して、コンタクト部8aと当接する部分のシリコン基板1の表面の一部を凹状部にする。レーザービーム照射の熱によって、パッシベーション膜9の酸化アルミニウムが気化すると共に、シリコン基板1の第1半導体層2の一部も気化して、気化したシリコンが酸素雰囲気で酸化して酸化シリコンとなる。なお、酸化アルミニウムおよびシリコンが気化するように、レーザービームの出力等を適宜調整するとよい。酸化アルミニウムとシリコンが酸化した酸化シリコンとが、第2主面1b側のパッシベーション膜9上に堆積して、少なくとも酸化アルミニウムおよび酸化シリコンの混合物を有する第1保護膜11がパッシベーション膜9の上に膜形成される。この第1保護膜11の膜厚は1〜10nm程度である。また、第1保護膜11はパッシベーション膜9とコンタクト部8aとの間に形成されてもよい。パッシベーション膜9の側面にも第1保護膜11が形成されることによって、さらに耐湿性などの信頼性に優れた太陽電池素子1を得ることができる。なお、上記と同じ方法を用いることによって、パッシベーション膜9の側面にも酸化アルミニウムと酸化シリコンの混合物から成る第1保護膜11が形成される。
さらに、コンタクト部8aが当接するシリコン基板1の表面を凹状部にすることによって、コンタクト部8aがシリコン基板1の内部にまで形成される。これにより、コンタクト部8aとシリコン基板1とが接触する面積が増大して、両者の接触抵抗が低下するので、太陽電池素子の光電変換効率を向上させることができる。
また、図4に示すシリコン基板1の凹状部の深さdは、発明者らが繰り返し行ったテストの結果では、3〜10μm程度が好適である。シリコン基板1の凹状部の深さdが3〜10μmであれば、第1保護膜11が薄くなりすぎず、保護膜として十分機能できる。また、凹状部の作製の際に、レーザービームの強度が強くなりすぎず、スルーホール12の周辺に位置するシリコン基板1の部位にマイクロクラックなどが生じにくく、完成した太陽電池素子10の強度が低下しにくい。
また、上述のようにレーザービーム照射を用いてパッシベーション膜9にスルーホール12を作製すると同時に、シリコン基板1の第1半導体層2の一部も除去することによっ
て第1保護膜11が形成できる。コンタクト部8aの周辺部に、少なくとも酸化アルミニウムおよび酸化シリコンを有する混合物が堆積しやすくなる。そして、図5に示すように隣接する2つのコンタクト部8aの間において、第1保護膜11を2つのコンタクト部8aの周囲にある第1領域14がコンタクト部8a同士の間の中央に位置する第2領域15よりも厚くすることができる。例えば、第1領域14は第2領域15よりも最大で1〜2μm程度高い。なお、第1領域14の長さはスルーホール12の直径の約10%(3〜15μm)程度である。この構造によれば、アルミニウムを主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷によってスルーホール12内にコンタクト部8aを形成するときに、金属ペーストがスルーホール12内に充填しやすくなる。この点について詳細に述べる。スルーホール12の周辺部を厚くすることによって、スルーホール12の上部とスルーホール12との形状が漏斗状になる。第3電極8を形成する際に、アルミニウムを主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷する。この場合に、スクリーン製版を介してプリントスキージなどで金属ペーストに対して圧力をかけてシリコン基板1に押しつけていく。スルーホール12の上部とスルーホール12との形状が漏斗状であるので、スルーホール12の上部の金属ペーストに加えられた圧力がスルーホール12部分で増幅して、金属ペーストがスルーホール12内に充填しやすくなる。このため、スルーホール12内に空隙部が残存しにくくなって、コンタクト部8aの電気抵抗が増大しにくい。ひいては、太陽電池素子10の光電変換効率への悪影響を低減できる。
<太陽電池素子の製造方法>
次に、太陽電池素子10の製造方法の各工程について説明する。
まず、図6(a)に示すようにシリコン基板1を用意する。シリコン基板1は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンでよい。シリコン基板1は、例えば、既存のCZ(チョクラルスキー)法または鋳造法などによって作製できる。以下では、シリコン基板1として、p型の多結晶シリコン基板を用いた例について説明する。例えば、鋳造法によって多結晶シリコンのインゴットを作製する。例えばボロンをドーパント元素として添加することで、インゴットの電気抵抗率を1〜5Ω・cm程度とすればよい。次いで、そのインゴットを例えば1辺約150〜160mm角の正方形状で、厚さ100〜200μm程度の厚みにスライスしてシリコン基板1を作製する。その後、シリコン基板1の切断面の機械的ダメージ層および汚染層を除去するために、シリコン基板1の表面をNaOHもしくはKOHの水溶液またはフッ酸と硝酸との混合溶液でごく微量エッチングしてもよい。
また、図6(b)に示すように、シリコン基板1の第1主面1aに、表面の光の反射を低減するためにテクスチャを形成してもよい。テクスチャの形成方法としては、NaOH等のアルカリ溶液もしくはフッ酸と硝酸の混合溶液を使用したウエットエッチング方法、またはRIE(Reactive Ion Etching)法等を使用したドライエッチング方法を用いることができる。
次に、図6(c)に示すように、テクスチャを有するシリコン基板1の第1主面1aに、n型の第2半導体層3を形成する。第2半導体層3は、ペースト状にしたPをシリコン基板1の表面に塗布して熱拡散させる塗布熱拡散法、ガス状にしたPOCl(オキシ塩化リン)を拡散源とした気相熱拡散法などによって形成される。この第2半導体層3は0.1〜2μm程度の厚み、40〜200Ω/□程度のシート抵抗値を有するように形成される。例えば、気相熱拡散法では、POCl等から成る拡散ガスを有する雰囲気中で600〜800℃程度の温度において、基板1を5〜30分程度熱処理して、リン珪酸ガラス(PSG)をシリコン基板1の表面に形成する。その後、アルゴンまたは窒素等の不活性ガス雰囲気中で800〜900℃程度の高い温度において、シリコン基板1を10〜40分間程度熱処理する。これにより、PSGからシリコン基板1にリンが拡散して、シリコン基板1の第1主面1a側に第2半導体層3が形成される。
上記の第2半導体層3の形成工程において、第2主面1b側にも第2半導体層3が形成された場合には、第2主面1b側に形成された第2半導体層3のみをエッチング除去する。これにより、第2主面1b側にp型の第1半導体層2を露出させる。例えば、フッ酸と硝酸の混合溶液にシリコン基板1における第2主面1b側のみを浸して、第2主面1b側に形成された第2半導体層3を除去する。その後、第2半導体層3を形成する際にシリコン基板1の第1主面1a側に付着したPSGをフッ酸にてエッチングして除去する。このとき、シリコン基板1の側面1cに形成された第2半導体層3も併せて除去してもよい。
以上により、第1主面1a側にn型半導体層である第2半導体層3が配置されて、表面にテクスチャが形成された多結晶のシリコン基板1を準備できる。
次に、パッシベーション膜9の形成を行う。図6(d)に示すように、第1半導体層2の第2主面1b上に、酸化アルミニウムから成るパッシベーション膜9を形成する。パッシベーション膜9の形成方法としては、例えば、ALD法、PECVD法などを用いることができる。特に、ALD法はシリコン基板1の表面のカバーレッジに優れているのでよい。このため、ALD法で作製したパッシベーション膜9はパッシベーション効果をより大きくすることができる。
ALD法によるパッシベーション膜9の形成では、まず、成膜装置のチャンバー内に上記第2半導体層3が形成されたシリコン基板1を載置する。そして、シリコン基板1を100〜250℃の温度域で加熱した状態で、以下に示す工程A〜Dを複数回繰り返す。これにより、シリコン基板1の上に酸化アルミニウムからなる、所望の厚さのパッシベーション膜9を形成する。工程A〜Dの内容は次の通りである。
[工程A]酸化アルミニウムを形成するためのトリメチルアルミニウム(TMA)等のアルミニウム原料が、Arガスまたは窒素ガス等のキャリアガスとともに、シリコン基板1上に供給される。これにより、シリコン基板1の全周囲にアルミニウム原料が吸着される。TMAが供給される時間は、例えば15〜3000m秒程度であればよい。
なお、工程Aの開始時には、シリコン基板1の表面はOH基で終端されているとよい。シリコン基板1の表面をSi−O−Hの構造にすることによって、シリコン基板1の表面と、形成された酸化アルミニウム膜との界面に共有結合が形成されやすくなる。これにより、シリコン基板1の表面と、酸化アルミニウム膜との接合強度を向上させることができ、太陽電池素子10の信頼性をより向上させることができる。このSi−O−Hの構造は、例えば、シリコン基板1を希フッ酸で処理した後に純水で洗浄することによって形成することができる。
[工程B]窒素ガスによって成膜装置のチャンバー内の浄化が行われ、チャンバー内のアルミニウム原料が除去される。さらに、シリコン基板1に物理吸着および化学吸着したアルミニウム原料のうち、原子層レベルで化学吸着した成分以外のアルミニウム原料が除去される。窒素ガスによってチャンバー内が浄化される時間は、例えば1〜数十秒程度であればよい。
[工程C]水またはオゾンガス等の酸化剤が、成膜装置のチャンバー内に供給されることで、TMAに含まれるアルキル基が除去されてOH基で置換される。これにより、シリコン基板1の上に酸化アルミニウムの原子層が形成される。なお、酸化剤がチャンバー内に供給される時間は、好適には500〜1500m秒程度であればよい。また、チャンバー内に酸化剤ととともにHが供給されることで、形成された酸化アルミニウム膜中に水素原子がより含有され易くなる。
[工程D]窒素ガスによって成膜装置のチャンバー内の浄化が行われ、チャンバー内の酸化剤が除去される。このとき、例えば、シリコン基板1上における原子層レベルの酸化アルミニウムの形成時において反応に寄与しなかった酸化剤等が除去される。なお、窒素ガスによってチャンバー内が浄化される時間は、例えば1〜数十秒程度であればよい。
以後、工程A〜Dの一連の工程を複数回繰り返すことで、所望の膜厚(例えば10〜200nm程度)の酸化アルミニウム膜が形成される。
ここでは、アルミニウム原料としてTMAを用いて酸化アルミニウムを形成する場合を示したが、アルミニウム原料として他の原料を用いても構わないことはいうまでもない。例えば、原料供給温度(−20〜120℃の範囲内が好適例である)において、ガス供給源として適当な蒸気圧(例えば100Pa以上)を有し、チャンバー内に気体状態で供給できる材料であればよい。アルミニウム原料としては、例えばトリエチルアルミニウム(TEA)等を用いることができる。また、気体状態で供給できる材料は、窒素ガス、炭酸ガス等をキャリアガスとして希釈して供給してもよい。原料ガスおよびキャリアガスのガス種並びにそれらの混合比を調整することによって、形成される膜中の構成元素の含有量を最適に調整することもできる。また、ALD法を用いることによって、基板1の側面1cを含む基板1の全周囲にもパッシベーション膜9を形成できる。この場合には、基板1の第2主面1b上のパッシベーション膜9に耐酸レジストを塗布した後、フッ酸などで不要なパッシベーション膜9をエッチングによって除去してもよい。
次に、図6(e)に示すように、基板1の第1主面1a側に窒化シリコン膜から成る反射防止膜5を形成する。反射防止膜5は、例えばPECVD法またはスパッタリング法を用いて形成される。PECVD法を用いる場合であれば、事前にシリコン基板1を成膜中の温度よりも高い温度で加熱しておく。その後、シラン(SiH)とアンモニア(NH)との混合ガスを窒素(N)で希釈し、反応圧力を50〜200Pa程度にして、グロー放電分解でプラズマ化させて、加熱したシリコン基板1に窒化シリコン膜堆積させる。これにより、シリコン基板1の上に反射防止膜5が形成される。このときの成膜温度は、350〜650℃程度とする。また、グロー放電に必要な高周波電源の周波数としては10〜500kHzの周波数を使用する。また、ガス流量は反応室の大きさ等によって適宜決定される。例えば、ガスの流量としては、150〜6000ml/min(sccm)の範囲とするとよく、シランの流量F1とアンモニアの流量F2との流量比F2/F1は0.5〜15であればよい。
次に、図7(a)に示すように、酸素を含む雰囲気中で、シリコン基板1の表面(第2主面1b)に到達する例えばレーザービームをパッシベーション膜9の複数箇所に照射して、パッシベーション膜9に複数の孔部であるスルーホール12を形成する。このとき、スルーホール12はシリコン基板1の表面(第2主面1b)に凹状部を形成する。使用するレーザービームは、Qスイッチ付きNd:YAG(ネオジムをドープしたイットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザービーム(波長1064nm)、またはNd:YAGレーザーの第2高調波(SHG、波長532nm)などを用いることができる。
例えばQスイッチ付きNd:YAGレーザーの第2高調波を用いた場合では、発振周波数10kHz、出力8〜11W、ビーム径約100μm程度の条件が好適である。これにより、パッシベーション膜9にスルーホール12が形成されると同時に、シリコン基板1の第1半導体層2の一部も同時に除去されるので、シリコン基板1の表面形状を凹状にすることが可能となる。さらに、レーザービーム照射の熱によって、パッシベーション膜9の酸化アルミニウムが気化すると同時にシリコン基板1の第1半導体層2の一部も気化したシリコンが酸化して酸化シリコンとなり、酸化アルミニウムおよび酸化シリコンが、第
2主面1b側のパッシベーション膜9上に堆積して、少なくとも酸化アルミニウムおよび酸化シリコンの混合物を有する第1保護膜11が形成される。
スルートホール12は、平面視して円形状または直線状に設けられ、円形状に設ける場合は、直径約30〜150μm程度で、1cm当たり100〜500個程度、均一に分布するように形成する。
次に、図7(b),(c)に示すように、電極形成工程を行う。第1電極6(第1出力取出電極6a、第1集電電極6b)と、第2電極7および第3電極8とを以下のようにして形成する。
まず図7(b)に示すように、第1電極6は第1ペースト17を用いて形成する。第1ペースト17は、導電性成分の主成分に例えば、銀および銅の少なくとも一方を含むものとする。この場合には、導電性ペースト中に銀などの金属粉末(例えば、粒径0.05〜20μm程度、好ましくは0.1〜5μm程度の粉末)を導電性ペースト総質量の70〜85質量%程度含有させる。また、導電性ペーストは、ガラスフリットおよび有機ビヒクルを混練したものを用いる。有機ビヒクルは、例えば、バインダーとして使用される樹脂成分を有機溶媒に添加して得られる。バインダーとしては、エチルセルロース等のセルロース系樹脂のほか、アクリル樹脂またはアルキッド樹脂等が使用できる。有機溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ターピネオールまたはジエチレングリコールモノブチルエーテル等が使用できる。有機ビヒクルの含有質量は、導電性ペースト総質量の5〜20質量%程度含有していればよい。また、ガラスフリットの成分は、ガラス材料として例えば鉛系ガラスを用いることができる。ガラスフリットは、導電性ペースト総質量の2〜15質量%程度含有させればよい。まず、この第1ペースト17を、スクリーン印刷を用いて、基板1の第1主面1aに塗布する。この塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させる。
また、第2主面10b側電極である第2電極7は、主成分として銀(または銀および銅)から成る金属粉末、有機ビヒクルおよびガラスフリット等を含有する導電性ペースト(第2ペースト18)を用いて作製される。第2ペースト18の成分は、第1ペースト17と同様でもよい。第2ペースト18の塗布法としては、例えばスクリーン印刷法などを用いることができる。この塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させる。
さらに、図7(c)に示すように、第3電極8とコンタクト部8aは第3ペースト19を用いて形成する。第3ペースト19は、主成分としてアルミニウムを含むものを用いる。この場合、導電性ペースト中にアルミニウム粉末(例えば、粒径0.05〜20μm程度、好ましくは0.1〜5μm程度のもの)を導電性ペースト総質量の65〜80質量%程度含有させるとともに、ガラスフリットおよび有機ビヒクルを混練したものを用いる。有機ビヒクルは、例えばバインダーとして使用される樹脂成分を有機溶媒に添加して得られる。バインダーとしては、エチルセルロース等のセルロース系樹脂のほか、アクリル樹脂またはアルキッド樹脂等が使用される。有機溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ターピネオールまたはジエチレングリコールモノブチルエーテル等が使用される。有機ビヒクルは、導電性ペースト総質量の0.05〜10質量%程度含有していればよい。また、ガラスフリットは、例えば非鉛系ガラスも用いることができる。ガラスフリットは、導電性ペースト中に2〜15質量%程度含有させればよい。この第3ペースト19は、すでに塗布された第2ペースト18の外周部に重畳すると共に、シリコン基板1の端部から0.3〜2mm程度の外周部を除いて、第1保護膜11の略全面を覆うように塗布する。塗布法としては、スクリーン印刷法などを用いることができる。この第3ペースト19の塗布によって、スルーホール12の内部にも第3ペースト19が充填される。この塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させてもよい。
その後、第1ペースト17、第2ペースト18および第3ペースト19が塗布された基板1を、焼成炉内にて最高温度が約700〜900℃、最高温度で0.1秒〜数十秒間程度維持して焼成を行う。これにより、各導電性ペーストが焼結して、図3に示すように、第1電極6と第2電極7、第3電極8、コンタクト部8aが形成される。この焼成によって、第1ペースト17は反射防止膜5をファイアースルーしてシリコン基板1の第1主面1aのn型の第2半導体層3と接続され、第1電極6が形成される。また、第3ペースト19もスルーホール12の端部において、第2主面1bのp型の第1半導体層2と接続され、第3電極8が形成される。また、コンタクト部8aの形成に伴い、BSF層4も形成される。さらに、第2ペースト18も焼成され、第2電極7が形成される。ただし、第1保護膜11上にある第2ペースト18および第3ペースト19は、第1保護膜11によってブロックされるので、パッシベーション膜9にほとんど影響が無い。
なお、本実施形態は上述した内容に限定されない。例えば、パッシベーション膜9の形成は、反射防止膜5の形成の後に行ってもよく、また反射防止膜5の上または下にパッシベーション膜9があってもよい。また、パッシベーション膜9は少なくとも酸化アルミニウムを含んでいればよく、例えば酸化アルミニウムと酸化シリコンとの積層膜などでもよい。さらに、電極形成工程の焼成は、成分が類似した第1電極6と第2電極7との形成のための第1ペースト、第2ペーストの焼成を行った後、第3電極8形成のための第3ペーストの焼成を別途行ってもよい。
<他の実施形態>
次に、他の実施形態について説明する。上述の実施形態と共通する部分については説明を省略する。
本実施形態における太陽電池素子10は、図8に示すように、パッシベーション膜9と第1保護膜11との間に配置された第2保護膜20をさらに備えている。第2保護膜20をさらに備えることで、パッシベーション膜9の保護をより確実にできる。この場合、パッシベーション膜9上に第2保護膜20を形成後、上述の実施形態で説明したスルーホール12を形成することで、第1保護膜11を形成すればよい。第2保護膜20は、窒化シリコンおよび酸化シリコンの少なくとも一方を含んでいることが望ましい。窒化シリコンおよび酸化シリコンは、スパッタリング法、ALD法またはPECVD法などの第1保護膜11とは異なった方法で成膜することができる。このため、第1保護膜11にピンホールまたは薄い部分ができた場合でも、第2保護膜20がこの部位を補い、パッシベーション膜9の保護をより確実にできる。特に、第2保護膜20が窒化シリコンから成る場合には、熱膨張係数をシリコン基板1に近づけることができるのでパッシベーション膜9との密着性をよくすることができる。なお、窒化シリコンの熱膨張係数は2.6×10−6/℃程度である。
なお、第2保護膜20が酸化シリコンから成る場合は、例えば、カバーレッジに優れたALD法を用いて形成するとよい。第2保護膜20をALD法で作製すれば、パッシベーション膜9をALD法で作製した後に、同一チャンバーを用いて簡便に作製できるのでよい。ALD法による原料ガスとしては、例えば、ビスジエチルアミノシラン(BDEAS)またはN,N,N’,N’,テトラエチルシランジアミンガス等のシリコン原料と、オゾン(O)または水蒸気などとを用いて成膜できる。
ここで、第2保護膜20が窒化シリコンまたは酸化シリコンから成る場合、第2保護膜20の膜厚は、パッシベーション膜9よりも薄くするとよい。これにより、パッシベーション膜9を形成する酸化アルミニウムの負の固定電荷が、窒化シリコンおよび酸化シリコンの正の固定電荷に比べて優勢になるので、パッシベーション膜9のパッシベーション効果を低下させにくい。この場合の第2保護膜20の膜厚は8〜190nm程度でよい。
1 :シリコン基板
1a :第1主面
1b :第2主面
1c :側面
2 :第1半導体層(p型半導体領域)
3 :第2半導体層(n型半導体領域)
4 :BSF層
5 :反射防止膜
6 :第1電極
6a :第1出力取出電極
6b :第1集電電極
7 :第2電極
8 :第3電極
8a :コンタクト部
9 :パッシベーション膜
10 :太陽電池素子
10a:第1主面
10b:第2主面
10c:側面
11 :第1保護膜
12 :スルーホール
14 :周囲部
15 :中央部
17 :第1ペースト
18 :第2ペースト
19 :第3ペースト
20 :第2保護膜

Claims (8)

  1. 一方主面にp型半導体領域を有するシリコン基板と、前記p型半導体領域の上に配置された、酸化アルミニウムを含んでいるパッシベーション膜と、該パッシベーション膜の上に配置された、酸化シリコンおよび酸化アルミニウムの混合物を有する第1保護膜と、前記パッシベーション膜および前記第1保護膜のそれぞれを貫通して、前記シリコン基板に接続する複数の導体のコンタクト部とを備えており、前記第1保護膜は酸化シリコンの母相中に酸化アルミニウムが一様に存在している太陽電池素子。
  2. 前記コンタクト部の一端部が前記シリコン基板に設けた凹状部に配置されている、請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. 前記パッシベーション膜と前記第1保護膜との間に第2保護膜が配置されている、請求項1または2に記載の太陽電池素子。
  4. 前記第2保護膜は窒化シリコンおよび酸化シリコンの少なくとも一方を含んでいる、請求項に記載の太陽電池素子。
  5. 前記第1保護膜は、隣接する2つの前記コンタクト部の間において、各コンタクト部の周囲に位置する第1領域隣接する2つの前記コンタクト部間の中央に位置する第2領域よりも厚い、請求項1乃至のいずれかに記載の太陽電池素子。
  6. 一方主面にp型半導体領域を有するシリコン基板を備えている太陽電池素子の製造方法であって、前記シリコン基板の前記p型半導体領域の上に、酸化アルミニウムを含んでいるパッシベーション膜を配置する工程と、酸素を含む雰囲気中で、前記シリコン基板の表面に到達するレーザービームを前記パッシベーション膜の複数箇所に照射して、前記パッシベーション膜に複数の孔部を形成し、前記パッシベーション膜の上に、酸化シリコンおよび酸化アルミニウムの混合物を有する第1保護膜を配置する工程と、前記パッシベーション膜の前記孔部内および前記レーザービームの照射で露出した前記シリコン基板の前記表面の上に導体のコンタクト部を配置する工程とを備えている太陽電池素子の製造方法。
  7. 前記第1保護膜を形成する工程は、前記レーザービームの照射によって、前記シリコン基板に複数の凹状部を形成する、請求項に記載の太陽電池素子の製造方法。
  8. 前記コンタクト部を配置する工程は、前記シリコン基板の前記凹状部に前記コンタクト部の一端部を配置する、請求項に記載の太陽電池素子の製造方法。
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