JP2016051767A - 太陽電池素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来よりも設備および製造工程を削減することができ、簡便な方法でシリコン基板に逆導電型層およびBSF層を形成することができる太陽電池素子の製造方法を提供すること。【解決手段】 成膜室内に、第1主面および第2主面を有するn型のシリコン基板の2枚に対して、第2主面同士を近接対向させた状態でシリコン基板を配置する基板配置工程と、成膜室内に、酸素を含み且つボロンを含まない第1ガスを供給しながら、シリコン基板を加熱して、第1主面および第2主面のそれぞれの側に酸化シリコンを有する酸化物層を形成する酸化物層形成工程と、成膜室内に、ボロンを含む第2ガスを供給しながら、シリコン基板を加熱して、第1主面側に形成した酸化物層の上に、ボロンを含有する第1ガラス層を形成する第1ガラス層形成工程と、第1ガラス層から第1主面にボロンを拡散させてp型領域を形成するp型領域形成工程とを有する。【選択図】 図7

Description

本発明はシリコン基板を用いた太陽電池素子の製造方法に関する。
一般的な太陽電池素子は、一導電型のシリコン基板の第1主面に逆導電型層が形成されたpn接合構造を有する。また、太陽電池素子は、例えば、第1主面と、それに対向する第2主面とのそれぞれに、光吸収によって生成されたキャリア(電子と正孔)を外部に取り出すための電極が形成される両面電極型構造を有する。シリコン基板の第2主面には、電界効果を利用して少数キャリアと多数キャリアとを分離して、キャリアの再結合を低減することで光電変換効率の向上に寄与するBSF(Back-Surface-Field)層が形成される。逆導電型層およびBSF層は、拡散等の方法を用いて、それぞれ異なる導電型のドーパントを注入することによって形成される。第1主面と第2主面にそれぞれ異なるドーパントを拡散するには、例えば、拡散抑制マスクを用いて、一方の面(例えば、第1主面)に第1のドーパントを拡散し、他方の面(例えば、第2主面)に第2のドーパントを拡散する方法がある(例えば、下記の特許文献1〜3を参照)。
特開2009−147070号公報 特開2011−29553号公報 特開2007−81300号公報
しかし、拡散抑制マスクを用いて第1主面と第2主面にそれぞれ異なるドーパントを拡散させる方法を用いると、拡散工程とは別に拡散抑制マスクを形成する工程、拡散抑制マスクを除去する工程などが必要となり、工程が煩雑となる。
そこで本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも設備および製造工程を削減することができ、簡便な方法でシリコン基板に逆導電型層およびBSF層を形成することができる太陽電池素子の製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の一態様に係る太陽電池素子の製造方法は、第1主面および該第1主面とは反対側に位置する第2主面を有するシリコン基板の前記第1主面に、ボロンを含有しているp型領域を形成する太陽電池素子の製造方法であって、n型領域を前記第1主面に有するシリコン基板を少なくとも2枚準備する基板準備工程と、成膜室内に、2枚の前記シリコン基板に対して、前記第2主面同士を近接対向させた状態で前記シリコン基板を配置する基板配置工程と、前記成膜室内に、酸素を含み且つボロンを含まない第1ガスを供給しながら、前記シリコン基板を加熱して、前記第1主面および前記第2主面のそれぞれの側に酸化シリコンを有する酸化物層を形成する酸化物層形成工程と、前記成膜室内に、ボロンを含む第2ガスを供給しながら、前記シリコン基板を加熱して、前記第1主面側に形成した前記酸化物層の上に、ボロンを含有する第1ガラス層を形成する第1ガラス層形成工程と、前記第1ガラス層から前記第1主面にボロンを拡散させて前記p型領域を形成するp型領域形成工程と、を有する。
上記構成の太陽電池素子の製造方法によれば、簡便な方法でシリコン基板に逆導電型層、BSF層を形成することができる。例えばn型シリコン基板の第1主面に、ボロンを含有しているp型領域を形成することができて、生産性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の第1主面の外観を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の第2主面の外観を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の図1におけるA−A’線における断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の製造方法に用いられる横型拡散炉等を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の第2主面の外観(変形例)を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の製造方法の他の例を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の製造方法の他の例を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の図6におけるX−X’線における断面模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は適宜変更し得る。
<<第1の実施形態>>
<太陽電池素子>
本発明の第1の実施形態の太陽電池素子10について、図1〜図5を参照しながら説明する。太陽電池素子10は、n型シリコン基板(以下、単にシリコン基板という)1の第1主面1aおよびその反対側に位置する第2主面1bを有している。また、太陽電池素子10は、n型の導電性を示す第1半導体領域(n型領域)3を有するシリコン基板1を備えている。そして、シリコン基板1の第1主面1aに、p型の導電性を示す第2半導体領域(p型領域)4が形成されたpn接合構造を有している。また、シリコン基板1の第2主面1bには、第3半導体領域(n型領域)5が形成されている。第1主面1aおよび第2主面1bのそれぞれには、光吸収によって生成されたキャリア(電子および正孔)を外部に取り出すための第1電極7と第2電極8とが形成される。
次に、太陽電池素子10の具体的な例について説明する。シリコン基板1としては、所定のドーパント元素を有するn型の単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板が好適に用いられる。シリコン基板1の比抵抗は0.2〜5Ω・cm程度であり、厚みは、例えば100〜250μm程度である。また、シリコン基板1の形状は、特に限定されるものではないが、平面視で四角形状であれば製法上および多数の太陽電池素子を配列して太陽電池モジュールを構成する際等の観点から好適である。シリコン基板1を作製するためには、例えば、リン(P)をドーパントとして添加するとよい。
第1半導体領域3およびpn接合を形成する第2半導体領域4は、第1半導体領域3(シリコン基板1)に対して逆の導電性を有する領域であり、シリコン基板1の第1主面1
a側に設けられている。第2半導体領域4を形成するためには、シリコン基板1における第1主面1a側にボロン(B)をドーパントとして添加すればよい。
第3半導体領域5は、シリコン基板1の第2主面1b側に内部電界を形成し、電界効果を利用して少数キャリアと多数キャリアとを分離して再結合を低減することで、光電変換効率の向上に寄与する。第3半導体領域5は、シリコン基板1の第1半導体領域3と同一の導電型を有しているが、第1半導体領域3よりも高い濃度の多数キャリアを有している。これは、第3半導体領域5には、第1半導体領域3にドープされているドーパント元素の濃度よりも高い濃度でドーパント元素が存在することを意味する。第3半導体領域5は、例えば、第2主面1b側にリンまたはヒ素などのドーパント元素を拡散させることによって、これらドーパント元素の濃度が1×1018〜5×1021atoms/cm程度となるように形成されるのが好適である。
反射防止層6は、第1主面1aにおける光の反射率を低減させることで、シリコン基板1に吸収される光の量を増大させる。そして、光吸収によって生成する電子正孔対を増大させる役割を果たすことで、太陽電池の変換効率の向上に寄与する。反射防止層6は、例えば、窒化シリコン膜、酸化チタン膜、酸化シリコン膜もしくは酸化アルミニウム膜、または、それらの積層膜からなる。反射防止層6の屈折率および厚みは、構成する材料によって適宜選択されて、発電に寄与する波長の入射光の反射率を低減できるように設定される。シリコン基板1上に形成する反射防止層6の屈折率は1.8〜2.3程度、厚みは50〜120nm程度が好ましい。また、反射防止層6は、シリコン基板1の界面および粒界でのキャリアの再結合による変換効率の低下を低減するパッシベーション膜としての効果を奏することもできる。
図1に示すように、第1電極7は、第1出力取出電極7aおよび第1集電電極7bを有する。第1出力取出電極7aは、第1集電電極7bで集電された電気エネルギーを配線材などを介して外部に取り出すための電極であり、その一部は、第1集電電極7bと接している。この第1出力取出電極7aは、例えば1〜3mm程度の幅を有している。
一方、第1集電電極7bは、シリコン基板1の第2半導体領域4と電気的に接続しており、p型の導電性を示す第2半導体領域4からキャリアを収集する機能を有する。第1集電電極7bの線幅は50〜200μm程度、厚みは10〜40μm程度であり、互いに1〜5mm程度の間隔を空けて複数設けられている。
第1電極7は、例えば銀粉末、ガラスフリットおよび有機ビヒクル等からなる銀ペーストを、スクリーン印刷等によって所望の形状に塗布した後、焼成することによって形成することができる。第1電極7の形成においては、まず、銀ペーストの焼成中に溶融したガラスフリットの成分が反射防止層6を溶融させる。さらに、溶融したガラスフリットの成分がシリコン基板1の最表面と反応した後に固着して第1電極7を形成する。そして、第1電極7と第2半導体領域4との電気的接続を形成するとともに、第1電極7とシリコン基板1との機械的な接着強度を有する。なお、銀ペーストにアルミニウム粉末を添加すると、アルミニウムはシリコン基板1に拡散して、第2半導体領域4の第1電極7と接触する領域のシート抵抗を低減したり、第2半導体領域4と第1電極7との間の接触抵抗を低減する等の効果がある。
また、第1電極7は、離間する第1集電電極7bと交差して、電気的に接続する線状の第1補助電極7cを有してもよい。これにより、第1集電電極7bの一部で断線が生じても、他の第1集電電極7bを通して第1出力取出電極7aに電流を流すことで電気抵抗の上昇を低減できる。
第2電極8は、図2に示すように第2出力取出電極8aおよび第2集電電極8bを有する。第2出力取出電極8aは、第2集電電極8bで集電された電気エネルギーを配線材などを介して外部に取り出すための電極であり、その一部は、第2集電電極8bと接している。この第2出力取出電極8aは、例えば1〜5mm程度の幅を有している。
一方、第2集電電極8bは、シリコン基板1の第3半導体領域5と電気的に接続しており、n型の導電性を示す第3半導体領域5からキャリアを収集する機能を有する。第2集電電極8bの線幅は50〜200μm程度であり、互いに1〜5mm程度の間隔を空けて複数設けられている。また、第2電極8は、離間する第2集電電極8bと交差して電気的に接続する線状の第2補助電極8cを有してもよい。
第2電極8の厚みは、10〜50μmである。第2電極8は、例えば銀粉末、ガラスフリットおよび有機ビヒクル等からなる銀ペーストをスクリーン印刷等によって、第2電極8の形状に塗布した後、焼成することによって形成することができる。
<太陽電池素子の製造方法>
本発明の第1の実施形態の太陽電池素子10の製造方法の一例について説明する。上述したように、本実施形態の太陽電池素子10は第1半導体領域3を有するシリコン基板1と、このシリコン基板1の第1主面1aに形成された第2半導体領域(p型領域)4を備えている。
本実施形態の太陽電池素子10の製造方法は、少なくとも基板準備工程と、基板配置工程と、酸化物層形成工程と、第1ガラス層形成工程と、p型領域形成工程とを含む。基板準備工程では、n型領域を第1主面1aに有するシリコン基板1を少なくとも2枚準備する。次に、基板配置工程では、成膜室31内に、2枚のシリコン基板1を、第2主面1b同士を近接対向させた状態で配置する。酸化物層形成工程では、成膜室31内に、酸素を含み且つボロンを含まない第1ガスを供給しながら、シリコン基板1を加熱して、第1主面1aおよび第2主面1bの上に酸化シリコンを有する酸化物層21を形成する。次に、第1ガラス層形成工程では、成膜室31内に、ボロンを含む第2ガスを供給しながら、シリコン基板1を加熱して、第1主面1a側に形成した酸化物層21の上に、ボロンを含有する第1ガラス層22を形成する。そして、p型領域形成工程では、第1ガラス層22から、第1主面1aにボロンが拡散した第2半導体領域4を形成する。なお、上記の「ボロンを含まない」とは、全く含まないか実質的に含まないことをいい、シリコン基板1にボロンが拡散していることを分析機器で確認できない程度をいうものとする。以下の説明において、「ボロンを含まない」も同様に定義される。
次に、太陽電池素子10のより具体的な製造方法について主に図3を参照しながら説明する。まず、基板準備工程として、第1半導体領域3を構成するシリコン基板1を少なくとも2枚以上準備する(ステップS1)。シリコン基板1としては、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板が用いられる。単結晶シリコン基板は、例えばCZ(チョクラルスキー)法、FZ(フローティングゾーン)法によって作製された単結晶シリコンインゴットを切断加工(スライス)して作られる。多結晶シリコン基板は、例えば鋳造法によって形成された多結晶シリコンインゴットを切断加工(スライス)して作られる。なお、以下では、n型単結晶シリコンを用いた例について説明する。
最初に、例えばCZ法によって円柱状の単結晶シリコンのインゴットを作製する。次いで、そのインゴットの端面を切断して矩形状の断面を有するブロックに加工した後、例えば100〜250μmの厚みにスライスしてシリコン基板1を作製する。その後、シリコン基板1の切断面の機械的ダメージ層および汚染層を除去するために、表面をNaOH、KOH、またはフッ硝酸(フッ酸と硝酸の混合液)などの溶液でエッチングする。そして、これにより、シリコン基板1の表面に微小な凹凸構造(テクスチャ)2が形成される(
ステップS2)。テクスチャの形成によって、第1主面1aにおける光の反射率が低減するので、太陽電池素子10の変換効率が向上する。
ダメージ層除去およびテクスチャ形成は、前述のように同時に行ってもよいし、異なるエッチング方法(例えば、ウェットエッチング法とドライエッチング法)を組み合わせて行ってもよい。テクスチャは、シリコン基板1の第1主面1aにのみに形成されればよいが、同時に第2主面1bに形成されてもよい。
シリコン基板1の結晶方位は特に制限はない。ただし、アルカリ液を用いたテクスチャエッチングでは、ミラー指数で(111)面のエッチング速度が(100)面より小さいので、主面が(100)面であるシリコン基板1をエッチングすると、(111)面をファセット面とする低反射表面に適したピラミッド構造を形成することができる。
次に、シリコン基板1における第1主面1a側の表層内に第2半導体領域4を形成する。
まず、基板配置工程として、成膜室31内に、2枚のシリコン基板1を、第2主面1b同士を近接対向させた状態でシリコン基板1を配置する。例えば、図5に示されるような横型拡散炉30を用いることができる。横型拡散炉30は、横向きの管状の成膜室31に配置されたシリコン基板1にドーパントを熱拡散させるものであって、成膜室31内を加熱するヒーター32が成膜室31の周囲に配置されている。また、2枚のシリコン基板1を重ね合わせた状態で保持することのできる溝を有したボート33を準備する。そして、第2主面1b同士を近接対向させた状態で2枚のシリコン基板1をボート33の溝内に配置する。第2主面1bは、接触していてもよく、1mm以下の範囲で近接対向していればよい。溝の幅は2枚のシリコン基板1の合計厚みとほぼ同等にすることで、第2主面1b同士が接触した状態でシリコン基板1を保持することができる。そして、複数のシリコン基板1は上述したようにボート33の各溝内に垂直に立てた状態で保持され、ボート33が成膜室31内に配置される。このように、第2主面1b同士を近接対向させた状態で2枚のシリコン基板1を配置する。これにより、近接対向させずにシリコン基板1を1枚ずつ配置した場合と比べて、ボロンが第2主面1bへ拡散することを低減することができる。成膜室31およびボート33は、主に構成する部材の材質として、例えば石英ガラスなどが好適に用いられる。なお、横型拡散炉30の成膜室31内には、ガスを供給する複数のガス供給口を有しているガス供給体34と、ガスを排出する複数のガス排出口を有しているガス排出体35とを備えている。
次に、酸化物層形成工程として、成膜室31内に、酸素を含み且つボロンを含まない第1ガスを供給しながら、シリコン基板1を加熱して、第1主面1aおよび第2主面1bの
上に酸化シリコンを有する酸化物層21を形成する(ステップS3)。例えば、マスフローコントローラなどで流量制御した第1ガスを、ガスボンベなどから構成されるガス供給装置36より供給して、ガス供給体34から成膜室31に供給する。なお、第1ガスは、酸素ガス以外に、例えば、窒素ガス等の不活性ガスであるキャリアガスを含んでも構わない。また、加熱する温度は酸化物層21が形成することのできる温度であればよく、例えば、800〜1100℃程度とする。また、加熱する時間は所望する酸化物層21の厚みが形成できる時間であればよい。酸化物層21を形成することにより、近接対向している第2主面1bへのボロンの拡散を低減することができる。
次に、第1ガラス層形成工程として、p型領域形成工程として、成膜室31内に、ボロンを含む第2ガスを供給しながら、シリコン基板1を加熱して、第1主面1a側に形成した酸化物層21の上に、ボロンを含有する第1ガラス層22を形成する。そして、p型領域形成工程として、第1ガラス層22から第1主面1aにボロンが拡散した第2半導体領
域4を形成する(ステップS4)。例えば、常温では液体である三臭化ボロン(BBr)をドーパント原料とする。恒温槽などで温度制御したドーパントガス供給装置37の三臭化ボロンに、マスフローコントローラなどで流量制御した酸素ガス、窒素ガスなどをガスボンベなどから構成されるキャリアガス供給装置36より供給する。そして、ドーパントガスである三臭化ボロン蒸気をキャリアガスとともに、つまり第2ガスを成膜室31に供給する。そして、シリコン基板1を温度800〜1100℃程度加熱することによって、ボロンシリケートガラス(BSG:boron silicate glass)からなる第1ガラス層22が形成される。その後、三臭化ボロンの供給を停止して、窒素等の不活性ガスおよび/または酸素を供給しながら所定時間熱処理する。これにより、ボロンを含有する第1ガラス層22からシリコン基板1にボロンが拡散し、シリコン基板1の第1主面1aに第2半導体領域4が形成される。このとき、加熱温度は800〜1100℃程度であればよい。第2半導体領域4は、例えば、0.1〜2μm程度の厚み、40〜150Ω/□程度のシート抵抗に形成される。また、シリコン基板1と第1ガラス層22との界面に、主としてSiBからなるボロンシリサイドのシリサイド層が形成される場合には、さらに、酸素を供給しながらボロンシリサイドを酸化させる酸化工程を実施してもよい。後の工程において、酸化されたボロンシリサイドは、第1ガラス層22と同時に除去することができるため、シリコン基板1の第1主面1aのボロンシリサイドの除去が容易になるので好適である。酸化工程の温度は800〜1000℃程度あればよい。なお、図3のステップS4は、第2半導体領域4形成後の図面であり、第1主面1aおよび側面の酸化物層21にもボロンが拡散し、酸化物層21はボロンを含有する。このことから、図面上において第1主面1aおよび側面の酸化物層21は第1ガラス層22として表記している。
上記方法を用いて第2半導体領域4を形成することによって、簡便な方法でシリコン基板1の第2主面1bにボロンが拡散することを低減しつつ、第1主面1aに第2半導体領域4を形成することができ、生産性を向上させることができる。
また、p型領域形成工程において、例えば、三臭化ボロンとして臭素を含む第2ガスを用いて、酸化物層21が形成されていないシリコン基板1にp型領域を形成する。これにより、理由は不明だが、2枚の近接対向させたシリコン基板1における第2主面1bの外周部表面のみにSi−Br結合が形成されやすくなる。第2主面1bの表面にSi−Br結合が形成されると、後述する第2ガラス層23の形成が阻害され、第2主面1bにおいて第2ガラス層23の膜厚がばらつく可能性がある。しかしながら、p型領域形成工程の前に酸化物層21形成工程を行うことによって、第2主面1bの表面にSi−O結合が形成される。そのため、Si−Br結合の形成を低減することができ、第2ガラス層23の膜厚のばらつきを低減することができる。よって、一般的にボロンの拡散に用いられる三臭化ボロンを使用することができ、臭素を含まない第2ガスを用いて第2半導体領域4を形成する必要がない。また、三臭化ボロンを使用することによって、近接対向させた状態における2枚のシリコン基板1間に三臭化ボロンは入り込みにくいことから、ボロンが第2主面1bに拡散することをさらに低減することができる。
また、酸化物層21の厚みは、近接対向している第2主面1bへのボロンの拡散を低減しつつ、第1主面1aへのボロンの拡散を行うことのできる厚みであればよく、2nm以上30nm以下が好ましい。上記範囲内であれば、近接対向している第2主面1bの外周において、ボロンが拡散される濃度を低くすることができる。そして、第2主面1bに第3半導体領域5を形成するときに、第3半導体領域5の濃度がシリコン基板1の中央部に比べて外周部で小さくなることを低減することができる。また、第1主面1aに拡散されるボロンの濃度が小さくなることを低減することができ、第1電極7との接触抵抗が高くならないようにできる。よって、キャリアを効率よく集電することができるので、太陽電池素子10の変換効率が低下しにくい。また、第2主面1bの外周部表面におけるSi−Br結合の形成を低減することができる。
また、基板準備工程において、第2主面1bに凹凸構造2が形成され、酸化物層21が形成されていないシリコン基板1を用いる。これにより、理由は不明だが、2枚の近接対向させたシリコン基板1における第2主面1bの外周部表面のみにSi−Br結合が形成されやすくなる。しかしながら、p型領域形成工程の前に酸化物層21形成工程を行うことによって、Si−Br結合の形成を低減することができ、第2ガラス層23の膜厚のばらつきを低減することができる。したがって、ウェットエッチング等によって第2主面1bに凹凸が形成された場合であっても、別途、第2主面1bを平坦に処理する必要がなく、生産性を向上させることができる。
次に、第2主面1bに第3半導体領域5(n型領域)を形成するn型領域形成工程について説明する(ステップS5)。第3半導体領域5は、ペースト状態にしたPをシリコン基板1の表面に塗布して熱拡散させる塗布熱拡散法、ガス状態にしたオキシ塩化リン(POCl)を拡散源とした気相熱拡散法などによって形成される。拡散温度は700〜1000℃程度であればよいが、先のボロン拡散時の拡散温度よりも低い方が望ましい。シリコン中のリンの拡散係数は、ボロンの拡散係数よりも小さいので、先に形成した第2半導体領域4のボロン濃度プロファイルを損なうことなく、第3半導体領域5へのリン拡散を行うことができる。この第3半導体領域5は0.1〜1μm程度の厚みで、40〜150Ω/□程度のシート抵抗に形成される。
ここで、気相熱拡散法を用いた場合について、詳細に説明する。成膜室31内に、リンを含む第3ガスを供給しながら、シリコン基板1を加熱して、第2主面1b側に形成した酸化物層21の上に、リンを含有する第2ガラス層23を形成して、第2主面1bに第3半導体領域5を形成する。例えば、常温では液体であるオキシ塩化リン(POCl)をドーパント原料とする。恒温槽などで温度制御したドーパントガス供給装置37のオキシ塩化リンに、マスフローコントローラなどで流量制御した酸素ガス、窒素ガスなどをガスボンベなどから構成されるキャリアガス供給装置36から供給する。そして、ドーパントガスであるオキシ塩化リン蒸気をキャリアガスとともに、つまり第3ガスを成膜室31に供給する。さらに、シリコン基板1を温度700〜1000℃程度加熱することによって、リンシリケートガラス(PSG:phosphorous silicate glass)からなる第2ガラス層23が形成される。その後、オキシ塩化リンの供給を停止して、窒素等の不活性ガスおよび/または酸素を供給しながら所定時間熱処理することによって、リンを含有する第2ガラス層23からシリコン基板1にリンが拡散し、シリコン基板1の第2主面1aに第3半導体領域5が形成される。なお、n型領域形成工程は、第1ガラス層22および酸化物層21を除去せずに行われる。第1ガラス層22はリンの拡散マスクとして機能するため、第1主面1aにリンが拡散することを低減することができる。酸化物層21は、リンの拡散濃度を低下させない範囲の膜厚に制御されるため、リンが第2主面1bにのみ拡散して第3半導体領域5が形成される。なお、図3のステップS5は、第3半導体領域5形成後の図面であり、第2主面1bの酸化物層21にもリンが拡散し、酸化物層21はリンを含有することから、図面上において第2主面1aの酸化物層21は第2ガラス層23として表記している。
また、n型領域形成工程において、成膜室31内に、2枚のシリコン基板1を、第2主面1b同士を近接対向させた状態でシリコン基板1を配置してリンを拡散させても構わない。近接対向させた状態における2枚のシリコン基板1間にオキシ塩化リンは入り込むことができ、リンが第2主面1bに拡散することできる。よって、成膜室31からシリコン基板1を取り出す必要がなく、n型領域形成工程を行うことができるため、生産性をさらに向上させることができる。なお、第2主面1bへのリンの拡散が不十分な場合は、第1主面1a同士を近接対向させた状態でシリコン基板1を配置してリンを拡散させても構わない。
次に、第1ガラス層22を除去する第1ガラス層除去工程が行われる。エッチング液としては、例えばフッ酸を用いることができ、フッ酸処理によって、第1ガラス層22を除去することができる。また、第2ガラス層23を除去する第2ガラス層除去工程を第1ガラス層除去工程と同時に行っても構わない(ステップS6)。例えば、フッ酸溶液にシリコン基板1を浸漬することによって、第1ガラス層22および第2ガラス層23を除去することができる。その後、シリコン基板1の外周部にレーザー加工などの方法で溝部(不図示)を形成してpn分離を行う。
次に、反射防止層6を形成する(ステップS7)。反射防止層6は、窒化シリコン、酸化チタン、酸化シリコンまたは酸化アルミニウムなどからなる膜を、PECVD(Plasma
enhanced chemical vapor deposition)法、熱CVD法、蒸着法またはスパッタリング
法などを用いて形成される。例えば、窒化シリコン膜からなる反射防止層6をPECVD法で形成する場合であれば、成膜室内を500℃程度としてシラン(SiH)とアンモニア(NH)との混合ガスを窒素(N)で希釈し、グロー放電分解でプラズマ化させて堆積させればよい。
次に、第1電極7と第2電極8を形成する(ステップS8)。第1電極7は銀を主成分とする導電成分、ガラスフリットおよび有機ビヒクルを含有する導電性ペーストを用いて作製される。導電ペーストにアルミニウム粉末を添加すると、第1電極7と第2半導体領域4との接触抵抗が低減できるのでよい。この導電性ペーストを、シリコン基板1の第1主面1aの電極形成位置に塗布する。その後、最高温度600〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することによって、シリコン基板1上に第1電極7が形成される。塗布法としてはスクリーン印刷法などを用いることができる。そしてこの塗布後、好ましくは所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させる。焼成過程では、ファイヤースルーによって、高温下においてガラスフリットと反射防止層6とが反応することで、第1電極7が第2半導体領域4と電気的、機械的に接続される。第1電極7は前述のように形成した下地電極層と、その上にめっき法によって形成しためっき電極層とから構成されていてもよい。
第2電極8は、銀を主成分とする導電成分、ガラスフリットおよび有機ビヒクルを含有する導電性ペーストを用いて作製される。この導電性ペーストを、シリコン基板1の第2主面1bの電極形成位置に塗布する。この塗布法としては、スクリーン印刷法などを用いることができる。
そして、シリコン基板1を焼成炉内にて最高温度が600〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することによって、第2電極8がシリコン基板1の第2主面1b側に形成される。
第1電極7と第2電極8はどちらを先に塗布してもよく、また、同時に焼成してもよいし、どちらかを先に塗布・焼成してから、もう一方を塗布・焼成してもよい。
本実施形態のように、n型シリコンを基板として使用する工程上の利点は以下の通りである。pn接合部を形成してから第3半導体領域5を形成することによって、第3半導体領域5の形成中における熱処理時に、第1ガラス層22内に第2半導体領域4の金属不純物をゲッタリングすることができるので、pn接合の品質が向上する。また、第3半導体領域5の形成時に、ボロンの再配列による活性化によって、好適なpn接合が形成される。
以上のように、第1の実施形態では、簡便な製造方法で品質に優れた太陽電池素子10を迅速に作製することができる。
<<第2の実施形態>>
<太陽電池素子>
次に、本発明の第2の実施形態であるバックコンタクト(以下、BC)構造の太陽電池素子10について図6〜図9を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態の太陽電池素子10と共通する部分については説明を省略する。
太陽電池素子10は、シリコン基板1の第1主面1aおよびその反対側に位置する第2主面1bを有している。なお、第1の実施形態においては、第1主面1aが受光面として用いられるが、第2の実施形態においては、第2主面1bが受光面として用いられる。また、太陽電池素子10は、第1主面1aにp型の導電性を示す第2半導体領域4(p型領域)およびn型の導電性を示す第3半導体領域5(n型領域)が形成される。また、第2主面1bにn型の導電性を示す第1半導体領域(n型領域)3を有している。第1主面1aには、光吸収によって生成されたキャリア(電子と正孔)を外部に取り出すため、第2半導体領域4の上に第1電極7が形成され、第3半導体領域5の上に第2電極8が形成される。図6に示すように、IBC(Interdigitated Back Contact)構造における太陽
電池素子10の電極は、第1電極7と第2電極8が櫛歯状に形成される。例えば、第1電極7と第2電極8の厚みは10〜40μm程度に形成される。
第1電極7と第2電極8は、例えば銀粉末、ガラスフリットおよび有機ビヒクル等からなる銀ペーストを、スクリーン印刷等によって所望の形状に塗布した後、焼成することによって形成することができる。なお、第1電極7の銀ペーストにアルミニウム粉末を添加すると、アルミニウムはシリコン基板1に拡散して、第2半導体領域4の第1電極7と接触する領域のシート抵抗を低減したり、第2半導体領域4と第1電極7との間の接触抵抗を低減したりする効果がある。
<太陽電池素子の製造方法>
本発明の第2の実施形態の太陽電池素子10の製造方法の一例について図7および図8を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態の太陽電池素子10と共通する部分については説明を省略する。
まず、第1半導体領域3を構成するシリコン基板1を準備する(ステップS11)。シリコン基板1は必要に応じて周囲がエッチングされてもよい。
次に、シリコン基板1の第2主面1bに微小な凹凸構造(テクスチャ)2を形成する(ステップS12)。凹凸構造2の形成は、表面をNaOH、KOH、またはフッ硝酸(フッ酸と硝酸の混合液)などの溶液を用いたウェットエッチング法やRIE(Reactive Ion
Etching)法などのドライエッチング法で行ってもよく、ウェットエッチング法とドライエッチング法を組み合わせて行ってもよい。
次に、シリコン基板1における第1主面1a側の表層内に第2半導体領域4を形成する。第1の実施形態において説明した方法と同様に、基板配置工程において、成膜室31内に、2枚のシリコン基板を、第2主面1b同士を近接対向させた状態でシリコン基板1を配置する。第2主面1bは、接触していてもよく、1mm以下の範囲で近接対向していればよい。次に、酸化物層形成工程において、成膜室31内に、酸素を含み且つボロンを含まない第1ガスを供給しながら、シリコン基板1を加熱して、第1主面1aおよび第2主面2bの上に酸化シリコンを有する酸化物層21を形成する(ステップS13)。次に、第1ガラス層形成工程において、成膜室31内に、ボロンを含む第2ガスを供給しながら
、シリコン基板1を加熱して、第1主面1a側に形成した酸化物層21の上に、ボロンを含有する第1ガラス層22を形成する。そして、p型領域形成工程において、第1主面1
aにボロンが拡散した第2半導体領域4を形成する(ステップS14)。よって、シリコン基板1の第1主面1aと側面に第2半導体領域4と第1ガラス層22が形成され、第2主面1bに酸化物層21が形成される。なお、図7のステップS14は、第2半導体領域4形成後の図面であり、第1主面1aおよび側面の酸化物層21にもボロンが拡散し、酸化物層21はボロンを含有することから、図面上において第1主面1aおよび側面の酸化物層21は第1ガラス層22として表記している。
上記方法を用いて第2半導体領域4を形成することにより、簡便な方法でシリコン基板1の第2主面1bにボロンが拡散することを低減しつつ、第1主面1aに第2半導体領域4を形成することができ、生産性を向上させることができる。
また、p型領域形成工程において、例えば、三臭化ボロンとして臭素を含む第2ガスを用いることにより、理由は不明だが、2枚の近接対向させたシリコン基板1における第2主面1bの外周部表面のみにSi−Br結合が形成されやすくなる。第2主面1bの表面にSi−Br結合が形成されると、第2ガラス層23の膜厚がばらつく可能性がある。しかしながら、p型領域形成工程の前に酸化物層形成工程を行うことによって、第2主面1bの表面にSi−O結合が形成される。そのため、Si−Br結合の形成を低減することができ、第2ガラス層23の膜厚のばらつきを低減することができる。よって、一般的にボロンの拡散に用いられる三臭化ボロンを使用することができ、臭素を含まない第2ガスを用いて第2半導体領域4を形成する必要がない。また、三臭化ボロンを使用することにより、近接対向させた状態における2枚のシリコン基板間に三臭化ボロンは拡散しにくいことから、ボロンが第2主面1bへ拡散することをさらに低減することができる。
また、酸化物層21の厚みは、近接対向している第2主面1bへのボロンの拡散を低減しつつ、第1主面1aへのボロンの拡散を行うことのできる厚みであればよく、2nm以上30nm以下が好ましい。上記範囲内であれば、近接対向している第2主面1bの外周において、ボロンが拡散される濃度を低くすることができる。そして、第2主面1bに第3半導体領域5を形成するときに、第3半導体領域5の濃度がシリコン基板1の中央部に比べて外周部で小さくなることを低減することができる。また、第1主面1aに拡散されるボロンの濃度が小さくなることを低減することができ、第1電極7との接触抵抗が高くならないようにできる。よって、キャリアを効率よく集電することができ、太陽電池素子10の変換効率が低下することを低減することができる。また、第2主面1bの外周部表面におけるSi−Br結合の形成を低減することができる。
また、基板準備工程において、第2主面1bに凹凸構造2が形成されているシリコン基板1を用いることにより、理由は不明だが、2枚の近接対向させたシリコン基板1における第2主面1bの外周部表面のみにSi−Br結合が形成されやすくなる。しかしながら、p型領域形成工程の前に酸化物層形成工程を行うことにより、Si−Br結合の形成を低減することができ、第2ガラス層23の膜厚のばらつきを低減することができる。
次に、第1主面1aに形成された第2半導体領域4と第1ガラス層22の一部を除去する(ステップS15)。まず、第1電極7が形成される位置とその周辺部にマスク24を形成する。マスク24は、スクリーン印刷法などを用いた塗布法などにより形成される。そして、マスク24が設けられていない第2半導体領域4および第1ガラス層22をNaOH、KOH、またはフッ硝酸(フッ酸と硝酸の混合液)などの溶液を使用したウェットエッチング法あるいはドライエッチング法により除去し、第1半導体領域3を露出させる。
次に、第2主面1aに第3半導体領域5(n型領域)を形成するための、第2ガラス層形成工程およびn型領域形成工程について説明する(ステップS16)。第3半導体
領域5は、ペースト状態にしたPをシリコン基板1の表面に塗布して熱拡散させる塗布熱拡散法、ガス状態にしたオキシ塩化リン(POCl)を拡散源とした気相熱拡散法などによって形成される。ここで、第2ガラス層形成工程において、気相熱拡散法を用いた場合、成膜室31内に、リンを含む第3ガスを供給しながら、シリコン基板1を加熱して、第2主面1b側に形成した酸化物層21の上に、リンを含有する第2ガラス層23を形成する。そして、n型領域形成工程において、第2ガラス層23からリンを拡散させて第2主面1bに第3半導体領域5を形成する。また、第1主面1aにおいて、マスク24が設けられていない領域、つまり、第1半導体領域3に第3半導体領域5が形成される。なお、図8のステップS16は、第3半導体領域5形成後の図面である。第2主面1bの酸化物層21にもリンが拡散し、酸化物層21はリンを含有することから、この図面では第2主面1aの酸化物層21は第2ガラス層23として表記している。
次に、第1ガラス層22、第2ガラス層23およびマスク24を除去する(ステップ17)。エッチング液としては、例えばフッ酸を用いることができ、フッ酸処理によって、第1ガラス層22、第2ガラス層23およびマスク24を除去することができる。その後、シリコン基板1の第1主面1aに形成された第2半導体領域4と第3半導体領域5の界面にレーザー加工などの方法で溝部(不図示)を形成してpn分離を行う。
次に、反射防止層6を形成する(ステップS18)。反射防止層6は、窒化シリコン、酸化チタン、酸化シリコンまたは酸化アルミニウムなどからなる膜を、PECVD(Plasma enhanced chemical vapor deposition)法、熱CVD法、蒸着法またはスパッタリン
グ法などを用いて形成される。
次に、第1電極7と第2電極8を形成する(ステップS19)。第1電極7および第2電極8は銀を主成分とする導電成分、ガラスフリットおよび有機ビヒクルを含有する導電性ペーストを塗布し、焼成することにより作製される。
上記製造方法によって、太陽電池素子10が作製される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。
例えば、第1実施形態の太陽電池素子の場合には、シリコン基板1の第2主面1bに、第2実施形態の太陽電池素子の場合には、シリコン基板1の第1主面1aに、パッシベーション層を設けてもよい。パッシベーション層は、例えば、窒化シリコン膜、酸化チタン膜、酸化シリコン膜もしくは酸化アルミニウム膜、または、それらの積層膜から形成される。パッシベーション層はキャリアの再結合による変換効率の低下を低減する効果を有する。
シリコン基板1の第2主面1b側の構造はPERC(Passivated Emitter and Rear Cell)構造、PERL(Passivated Emitter and Rear Loccaly-diffused)構造またはPERT(Passivated Emitter Rear Totally diffused)構造に用いられる第2主面1bの構造を用いることができる。本発明の太陽電池素子の製造方法は、このような裏面パッシベーション膜上に導電性ペーストを塗布・焼成して電極を形成する工程にも好適に使用できる。
シリコン基板1の第1電極7形成位置において、第2半導体領域4と同じ導電性であり、第2半導体領域4よりも高濃度にドーピングされた領域(選択エミッタ領域)を形成してもよい。このとき、選択エミッタ領域は第2半導体領域4よりもシート抵抗が低く形成される。選択エミッタ領域のシート抵抗を低く形成することによって、電極とのコンタク
ト抵抗を低減することができる。選択エミッタ領域の形成方法の例としては、第1ガラス層22が残存する状態で第1電極7の電極形状に合わせてシリコン基板1にレーザーを照射して、第1ガラス層22から第2半導体領域4へボロンが再拡散することによって形成することができる。
シリコン基板1の第2電極8の形成位置において、第3半導体領域5と同じ導電性であり、第3半導体領域5よりも高濃度にドーピングされた領域(選択エミッタ領域)を形成してもよい。このとき、選択エミッタ領域は第3半導体領域5よりもシート抵抗が低く形成される。選択エミッタ領域のシート抵抗を低く形成することによって、電極とのコンタクト抵抗を低減することができる。選択エミッタ領域の形成方法の例としては、第2ガラス層23が残存する状態で第2電極8の電極形状に合わせてシリコン基板1にレーザーを照射して、第2ガラス層23から第3半導体領域5へリンが再拡散することによって形成することができる。
以上のように、第2の実施形態でも、簡便な製造方法で品質に優れた太陽電池素子10を迅速に作製することができる。
1 :n型シリコン基板(シリコン基板)
1a :第1主面
1b :第2主面
2 :凹凸構造
3 :第1半導体領域
4 :第2半導体領域
5 :第3半導体領域
6 :反射防止層
7 :第1電極
7a :第1出力取出電極
7b :第1集電電極
7c :第1補助電極
8 :第2電極
8a :第2出力取出電極
8b :第2集電電極
8c :第2補助電極
10 :太陽電池素子
21 :酸化物層
22 :第1ガラス層
23 :第2ガラス層
24 :マスク
30 :横型拡散炉
31 :成膜室
32 :ヒーター
33 :ボート
34 :ガス供給体
35 :ガス排出体
36 :キャリアガス供給装置
37 :ドーパントガス供給装置

Claims (7)

  1. 第1主面および該第1主面とは反対側に位置する第2主面を有するシリコン基板の前記第1主面に、ボロンを含有しているp型領域を形成する太陽電池素子の製造方法であって、
    n型領域を前記第1主面に有する前記シリコン基板を少なくとも2枚準備する基板準備工程と、
    成膜室内に、2枚の前記シリコン基板に対して、前記第2主面同士を近接対向させた状態で前記シリコン基板を配置する基板配置工程と、
    前記成膜室内に、酸素を含み且つボロンを含まない第1ガスを供給しながら、前記シリコン基板を加熱して、前記第1主面および前記第2主面のそれぞれの側に酸化シリコンを有する酸化物層を形成する酸化物層形成工程と、
    前記成膜室内に、ボロンを含む第2ガスを供給しながら、前記シリコン基板を加熱して、前記第1主面側に形成した前記酸化物層の上に、ボロンを含有する第1ガラス層を形成する第1ガラス層形成工程と、
    前記第1ガラス層から前記第1主面にボロンを拡散させて前記p型領域を形成するp型領域形成工程と、
    を有する太陽電池素子の製造方法。
  2. 前記第1ガラス層形成工程において、前記第2ガスとして臭素をさらに含んでいるガスを用いる請求項1に記載の太陽電池素子の製造方法。
  3. 前記酸化物形成工程において、厚みが2nm以上30nm以下の酸化物層を形成する請求項1または2に記載の太陽電池素子の製造方法。
  4. 前記基板準備工程において、前記第2主面にテクスチャが形成されている前記シリコン基板を準備する請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池素子の製造方法。
  5. 前記p型領域形成工程後、前記成膜室内に、リンを含む第3ガスを供給しながら、前記シリコン基板を加熱して、前記第2主面側に形成した前記酸化物層の上に、リンを含有する第2ガラス層を形成する第2ガラス層形成工程と、前記第2ガラス層からリンを拡散させて前記第2主面にn型領域を形成するn型領域形成工程とをさらに有する請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池素子の製造方法。
  6. 前記p型領域形成工程後に、前記第1ガラス層を除去する第1ガラス層除去工程をさらに有する請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電池素子の製造方法。
  7. 前記n型領域形成工程後に、前記第2ガラス層を除去する第2ガラス層除去工程をさらに有する請求項5または6に記載の太陽電池素子の製造方法。
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