JP5477233B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生産性がよく、信頼性の高い、高効率な太陽電池を製造する方法に関し、更に詳述すると、スクリーン印刷法を利用して得られる、高アスペクト比で、低抵抗の電極を有する太陽電池の製造方法に関する。
従来の技術を用いて作製された太陽電池について図1〜図3を示して説明する。図1は太陽電池セルの表面(受光面)側の平面図、図2は裏面(非受光面)側の平面図、図3は図1のIII−III線に沿う断面図である。一般的な太陽電池セルには、図1に示すように、半導体基板10の受光面側に集電用のフィンガー電極12と、そこから電流を集めるために形成されたバスバーと呼ばれる太い電極(バスバー電極)13と、図2に示すように、裏面側にバスバー電極14が、銀などを含む導電性ペーストを塗布して、焼成することにより形成されている。また、図3に示すように、太陽電池1には、シリコンなどのP型半導体基板11の表面に、N型となるドーパントを拡散してN型拡散層15を形成することによりPN接合が形成されている。N型拡散層15の上には、SiNx膜のような反射防止膜16が形成されている。P型半導体基板の裏面側には、アルミニウムペーストが塗布され、焼成することによりバックサーフィスフィールド(BSF)層17と、アルミニウム電極18が形成されている。更に、上述したように、表裏面にバスバー電極13,14がそれぞれ形成されている。
そして、この種の太陽電池を製造する際、電極形成の方法としては、蒸着法、メッキ法、印刷法、描画法等が挙げられる。図1中の表面フィンガー電極12は、形成が容易で低コストである等の理由のため、一般的には、以下に示すような印刷・焼成法で形成される。すなわち、表面電極材料には、一般に銀粉末を配合した導電性ペーストが用いられ、スクリーン印刷法等によりこの導電性ペーストを塗布した後、焼成炉中で高温焼結して表面電極を形成するものである。この電極の形成方法による場合、通常、銀粉末、ガラスフリット、有機ビヒクル及び有機溶媒を主成分とする導電性ペーストが用いられている。
このような方法により形成された表面フィンガー電極12と、シリコン基板11とのコンタクト抵抗(接触抵抗)及び電極の配線抵抗は、太陽電池の変換効率に大きな影響を及ぼし、高効率(低セル直列抵抗、高フィルファクターFF(曲線因子))を得るためには、コンタクト抵抗と表面フィンガー電極12の配線抵抗の値が十分に低いことが要求される。また、受光面においては、できるだけ多くの光を取り込めるように電極面積を小さくしなければならない。高フィルファクターを維持したまま飽和電流密度(Jsc)を向上させるためには、線幅を細く、断面積を大きくする、つまり高アスペクト比の電極を形成しなくてはならない。
高アスペクト比の電極を形成する手法としては、セルに溝を作ってペーストを充填する方法(特許文献1:特開2006−54374号公報)や、インクジェット法による印刷手法などが報告されている。後者のインクジェット法は、圧力をかけて細いノズルから液滴を噴射する仕組みのため、細線を形成するには適した手法であるが、高さを稼ぐことは難しい。一方、スクリーン印刷法は、コスト面や作業面において量産化に優れ、チクソ性の高い導電性ペーストを用いることで、転写されたあとも形状を保ち、高アスペクト比の電極を形成することができる。
太陽電池の電極は、基板又は配線材料との接着強度を保つこと、また、上述したように、配線抵抗をできる限り小さくすることが重要である。これを効果的に実現するために、例えば、多層構造の電極において、第一層目電極に酸化亜鉛等の酸化物を配合した導電性ペーストを用いて良好なオーミックコンタクト性を確保し、第二層目電極に低抵抗かつ半田濡れ性の良い導電性ペーストを用いる手法がある(特許文献2:特開2008−42095号公報)。このように、スクリーン印刷法は、他の印刷手法に比べ、安価で、高アスペクト比の電極を形成するには適した手法である。
しかしながら、複数回繰り返し印刷を行うと、スクリーンメッシュ起因の凹凸が発生し、印刷面の平坦性が確保できなくなる、印刷位置の精度の問題により電極ずれによる線幅太りが起こる、更には工程数が増えるために生産性が著しく低下するなどの問題があった。
特開2006−54374号公報 特開2008−42095号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、高いアスペクト比を有し、抵抗率の低い電極を形成することによって、変換効率の高い太陽電池を低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、半導体基板上に基礎電極を形成した後、この基礎電極の一部又は全部の直上にスクリーン製版を用いて導電性ペーストを印刷し、上記基礎電極上に上層電極を積層形成することにより集電電極を得るに際し、上記スクリーン製版として、スクリーンに上記上層電極の形状に対応する開口部を有するように感光乳剤の硬化物からなるマスク層を形成すると共に、スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さを上記基礎電極の高さよりも大きく形成したものを用いることで、スクリーンメッシュが電極表面に押しつけられることで生じる電極表面の凹凸を防止できるため、高アスペクト比で、低抵抗な電極を形成でき、変換効率の高い太陽電池を製造できることを見出し、本発明をなすに至った。
なお、本発明において、基礎電極とは、その上に重ねて電極ペーストを塗布し、この電極ペーストと共に焼成したときに一体となって集電電極になり得るものをいい、これには、後述する通り、蒸着、めっき等により得られる電極や、導電性ペーストを塗布、乾燥しただけで未焼成のもの、更にこれを焼成した電極も含まれる。また、乳剤とは、感光性樹脂組成物の水溶液であって、通常、スクリーンメッシュ上に塗布後硬化させて硬化膜を形成させる。
即ち、本発明は、下記の太陽電池の製造方法を提供する。
請求項1:
半導体基板上に導電性ペーストをスクリーン印刷して基礎電極を形成した後、この基礎電極の一部又は全部の直上にスクリーン製版を用いて該スクリーン製版の開口部が基礎電極に覆い被さるようにして導電性ペーストを印刷し、上記基礎電極上に上層電極を積層形成することにより集電電極を得る工程を含む太陽電池の製造方法であって、
上記スクリーン製版として、スクリーンに上記上層電極の形状に対応すると共に、その開口幅が基礎電極の線幅以下である開口部を有するように感光乳剤の硬化物からなるマスク層を形成すると共に、スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さを上記基礎電極の高さよりも10〜35μm厚く形成したスクリーン製版を用いることを特徴とする太陽電池の製造方法。
請求項
スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さが15〜100μmである請求項1記載の太陽電池の製造方法。
請求項
スクリーン製版が少なくとも1つの細長い開口部を有する請求項1又は2に記載の太陽電池の製造方法。
請求項
スクリーン製版の開口部の開口幅が20〜150μmである請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
本発明によれば、形成される電極は高アスペクト比を有し、断面積が大きく、低抵抗の電極となり、高い変換効率を有する太陽電池を製造することが可能となる。しかも、従来の多層印刷工程に比べて印刷回数が減少するので、低コストで実施することができる。
一般的な太陽電池の表面(受光面)形状を示す概略平面図である。 一般的な太陽電池の裏面(非受光面)形状を示す概略平面図である。 図1のIII−III線に沿う概略断面図である。 基礎電極の概略断面図である。 本発明で使用されるスクリーン製版の概略断面図である。 本発明で使用されるスクリーン製版を用いて形成された集電電極の概略断面図である。 従来のスクリーン製版の概略断面図である。 従来のスクリーン製版を用いて形成された集電電極の概略断面図である。
本発明の太陽電池の製造方法の一例を図面を参照して以下に述べる。ただし、本発明はこの方法で作製された太陽電池に限られるものではない。
図3に示すように、半導体基板として高純度シリコンに、ホウ素、ガリウムのようなIII族元素をドープし、比抵抗0.1〜5Ω・cmとしたアズカット単結晶{100}P型シリコン基板11表面のスライスダメージを、濃度5〜60質量%の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような高濃度のアルカリ、又はふっ酸と硝酸の混酸などを用いてエッチングする。単結晶シリコン基板は、CZ法、FZ法のいずれの方法によって作製されてもよい。
引き続き、基板表面にテクスチャと呼ばれる微小な凹凸形成を行う(図示せず)。テクスチャは太陽電池の反射率を低下させるための有効な方法である。テクスチャは、加熱した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ溶液(濃度1〜10質量%、温度60〜100℃)中に10〜30分程度浸漬することで容易に作製される。上記溶液中に、所定量の2−プロパノールを溶解させ、反応を促進させることが多い。
テクスチャ形成後、塩酸、硫酸、硝酸、ふっ酸等又はこれらの混合液の酸性水溶液中で洗浄する。経済的及び効率的見地から、塩酸中での洗浄が好ましい。清浄度を向上するため、塩酸溶液中に、0.5〜5質量%の過酸化水素を混合し、60〜90℃に加温して洗浄してもよい。
この基板上に、オキシ塩化リンを用いた気相拡散法によりエミッタ層(N型拡散層)15を形成する。一般的なシリコン太陽電池は、PN接合を受光面にのみ形成する必要があり、これを達成するために基板同士を2枚重ね合わせた状態で拡散したり、拡散前に裏面にSiO2膜やSiNx膜などを拡散マスクとして形成して、裏面にPN接合ができないような工夫を施す必要がある。拡散後、表面にできたガラスをふっ酸などで除去する。
次に、受光面の反射防止膜16の形成を行う。製膜にはプラズマCVD装置を用い、SiNx膜等を約100nm製膜する。反応ガスとして、モノシラン(SiH4)及びアンモニア(NH3)を混合して用いることが多いが、アンモニアの代わりに窒素を用いることも可能であり、また、プロセス圧力の調整、反応ガスの希釈、更には、基板に多結晶シリコンを用いた場合には、基板のバルクパッシベーション効果を促進するため、反応ガスに水素を混合することもある。
次いで、裏面電極をスクリーン印刷法で形成する。例えば、上記基板の裏面に、銀粉末とガラスフリットを有機物バインダーで混合したペーストをバスバー状14にスクリーン印刷した後、アルミニウム粉末を有機物バインダで混合したペーストをバスバー以外の領域18にスクリーン印刷する。印刷後、5〜30分間、700〜800℃の温度で焼成して、裏面電極が形成される。裏面電極形成は印刷法による方が好ましいが、蒸着法、スパッタリング法等で作製することも可能である。
続いて、反射防止膜上に表面の集電電極(図1中のフィンガー電極12及び/又はバスバー電極13)を形成するが、まず、図4に示すように、蒸着、めっき、印刷等の方法で、反射防止膜の上に基礎電極20(第一層目の電極)を形成する。印刷法は凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、孔版印刷、無版印刷の5種類に分類される。凸版印刷は描線部が凸状に形成され、凹版印刷は描線部が凹状に形成された版上にインキを充填し被印刷物へ転写する方法である。平版印刷は、描線部を化学的処理により親油性とした版にインキを載せ、被印刷物に転写する方法である。孔版印刷は、微細な孔を開けた版の上から圧力をかけ、通過したインキが被印刷物に転写する手法である。例としてスクリーン印刷法が挙げられる。無版印刷は版などを用いず、直接描線する方法である。例として、インクを微滴化し、被印刷物に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット法がある。
蒸着法、めっき法で形成する場合、後工程を必要とせず、それだけで電極として機能することができる。一方、上記の印刷法で形成する場合は、銀ペースト等を塗布、乾燥しただけのものを用いることもできるし、これを更に高温で焼結することで電極としての機能をもたせたものも用いることができる。蒸着法、めっき法は、仕組み上、高純度の金属で電極を形成できるため、配線抵抗を低下させることができるし、インクジェット法などは細線を形成することができるため好ましい。生産性の面ではスクリーン印刷法などが優れているため望ましい。スクリーン印刷に用いる導電性ペーストとしては、銀粉末、ガラスフリット、有機ビヒクル、及び有機溶媒を含むものを挙げることができ、例えばDupont社製PV145等の市販品を用いることができる。基礎電極は櫛歯状であることが望ましく、集電用のバスバー電極はあってもなくても良い。
この場合、図4に示すように、基礎電極20の線幅Aは、発電損失をできる限り少なくするという点から、20〜150μm、特に50〜100μmの細線が好ましく、高さBは配線抵抗を小さくするという点から10〜100μm、特に30〜70μmが好ましい。なお、電極の幅及び高さは、レーザー顕微鏡を用いて測定することができるが、BBR(バスバー間抵抗)を4短針法で測定し、線幅と抵抗から高さを逆算することもできるし、SEMによって測定することもできる。本発明においては、電極の高さは、レーザー顕微鏡によって測定した値である。
次に、上記形成した基礎電極20の一部又は全部の直上にスクリーン製版を用いて導電性ペーストを印刷して上記基礎電極と重ねて上層電極(第二層目の電極)を形成する。導電性ペーストとしては、銀粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルと、有機溶媒等を含むものが挙げられ、このような導電性ペーストとしては、Dupont社製PV145等の市販品を用いることができる。
スクリーン製版には、図5に示すように、上層電極の形状に対応する開口幅aの開口部(パターン)31が形成されたマスク層32を有するスクリーン30が張設されている。本発明においては、スクリーン製版として、厚さ(紗厚)cのスクリーン30に感光乳剤を塗布した後これを硬化させ、厚さdのマスク層32をスクリーン下面とマスク層下面との間の厚さbが既設の基礎電極の高さBより大きくなるように形成したスクリーン製版を用いて上層電極を設ける。
この場合、図7に示すように、スクリーン下面とマスク層下面との厚さb’が基礎電極20の高さBより小さいスクリーン製版を用いて印刷すると、図8に示すように、上層電極34にスクリーンメッシュ起因の凹凸が発生し、印刷面の平坦性が確保できなくなってしまう。高アスペクト比の電極を形成するために繰り返し印刷を行う場合には、なおさら上記スクリーンメッシュ起因の凹凸が顕著になる。印刷を繰り返すほど位置の精度が問題となり、電極ずれによる線幅太りが生じたり、歩留りの著しい低下を招いたりする。しかし、図5に示す本発明のスクリーン製版を用いれば、スクリーン下面とマスク層下面との厚さbが既設の基礎電極の高さBより大きいために、図6に示すように、スクリーンメッシュが電極に接触することなく上層電極33を形成でき、しかも乳剤の硬化物からなるマスク層に充填されるペースト量が多いので、1回あたりの塗布量が増加して印刷回数を最小限に抑えることができる。つまり、本発明のスクリーン製版は、平坦かつ高アスペクト比の電極を形成でき、太陽電池製造工程数が減少して生産性を著しく向上させることができる。
ここで、本発明で用いられる乳剤とは、上述したように、感光性樹脂組成物の水溶液であって、通常、ビニルアルコール型の感光性樹脂を次のような置換基で修飾したものが用いられる。一般的にはSBQ基(スチルバゾリウム基)は露光感度が高く、ジアゾ基は耐溶剤性が高く有用である。このような乳剤としては、市販品を用いればよい。
スクリーン製版は、ステンレススチール製等のメッシュの裏側に乳剤をコーティングし、これを硬化させた硬化物を有する構造である。電極パターンに合わせて、開口とすべき部分を露光して硬化物を溶かすが、この製造方法の場合には、スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さb(μm)が開口幅a(μm)と同程度でないと形成することは困難である。また、厚さbが厚すぎると、導電性ペーストの充填量が増えるので版離れが悪くなったり、ペーストが均等に吐出されなくなったり、基板側に転写しきれずに開口に残ったりする場合がある。一方、薄すぎると乳剤の硬化物に穴が開きやすくなる場合がある。以上のような理由からも、スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さbは10〜100μmが望ましく、より好ましくは15〜50μmである。また、印刷面の平坦性を保持するために、基礎電極の高さよりも、5〜50μm、特に10〜30μm厚い方が好ましい。なお、本発明において、上記厚さbはプロテック社製、膜厚計MG500CTNにより測定した値である。
本発明のスクリーン製版の開口部パターンは、基礎電極と同じでもよいし、異なっていてもよい。例えば、バスバー電極を省けばコスト削減になる。開口部の形状は、細い櫛歯状等の形状とすることができる。本発明の目的は、高アスペクト比の電極を形成することであるので、基礎電極線幅より用いるスクリーン製版の開口部線幅が太らないように、パターンの線幅の開口は基礎電極と同じかそれよりも細い方が好ましい。具体的に、開口部パターンの線幅は、20〜150μm、特に50〜100μmであることが望ましい。なぜなら、メッシュ線径(通常、15〜50μm)より細い開口幅のパターンを作っても、開口がメッシュで遮られるためにペーストが均等に吐出されなくなり、断線が発生してしまうためである。一方、開口150μmを超えるとシャドーロスが大きくなり太陽電池の特性が低下する場合がある。
上記の工程により形成された電極は、焼結することで電極としての機能を果たすが、焼結の有無によらず上記の工程を2〜10回、特に2〜5回繰り返し行うことで、更に高アスペクト比の電極を形成することが可能となる。この場合も同様に、スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さが既設電極厚みよりも薄いときには、繰り返し印刷を行うと、スクリーンメッシュ起因の凹凸が発生し、印刷面の平坦性が確保できなくなったり、印刷位置の精度の問題により電極ずれによる線幅太りが起こったり、更には工程数が増えるために、生産性が著しく低下するなどの問題があるため好ましくない。これら問題は、本発明における、既設電極の高さよりもスクリーン下面とマスク層下面との間の厚さの厚いスクリーン製版を用いて印刷することで回避可能である。
電極の印刷が終了した後、700〜800℃で5〜30分間の熱処理により焼結させる。裏面電極及び受光面電極の焼成は別々に行ってもよいし、一度に行うことも可能である。
なお、本発明は、P型基板に限定されるものではない。N型基板においても有用な方法であり、公知の製造方法により作製することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1、比較例1]
以下の工程を半導体基板10枚について行い、太陽電池10枚を作製した。
まず、図3に示すように、15cm角、厚さ250μm、比抵抗2Ω・cmの、ホウ素ドープ{100}p型アズカットシリコン基板11を用意し、濃水酸化カリウム水溶液によりダメージ層を除去し、テクスチャを形成後、オキシ塩化リン雰囲気下850℃で熱処理してエミッタ層15を形成した。次いで、基板表面のリンガラスを除去して、反射防止膜16を形成した。裏面に、銀粉末とガラスフリットを有機物バインダで混合したペーストをバスバー状14にスクリーン印刷した後、アルミニウム粉末を有機物バインダで混合したペーストをバスバー以外の領域18にスクリーン印刷した。有機溶媒を乾燥して裏面電極を形成した半導体基板を作製した。
この裏面電極を形成する工程まで行った半導体基板上に、表面(受光面)のバスバー電極13を以下のようにして形成した。
まず、銀粉末、ガラスフリット、有機ビヒクル及び有機溶媒を主成分とし、添加物としてZnOを含有した導電性ペースト(Dupont社製、商品名:PV145)を、櫛歯状パターンを有するスクリーン製版を用いて、半導体基板上に形成された反射防止膜16上に塗布し、150℃のクリーンオーブンで有機溶媒の乾燥を行って、基礎電極を形成した(図4中の20)。
乾燥後の基礎電極の電極高さBは、レーザー顕微鏡で測定したところ、15μmであり、線幅Aは120μmであった(表1)。
Figure 0005477233
次に、この基礎電極(既設電極)上に印刷するための、本発明によるスクリーン製版(条件1)及び従来のスクリーン製版(条件2)を以下のように設計した。条件1は、図5に示す、開口幅aが基礎電極幅Aより小さく、スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さbは基礎電極の高さBより高い、本発明の製版であり、条件2は、図7に示す、開口幅aが基礎電極幅Aより小さく、スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さb’は基礎電極の厚み(高さ)Bと同じか、それより薄い(低い)従来型の製版である。電極パターンは基礎電極と同じ櫛歯状とした。
Figure 0005477233
上記と同じ導電性ペーストを、基礎電極20上に塗布した。150℃のクリーンオーブンで有機溶媒の乾燥を行って、図6及び図8に示すように、最表層の電極層となる第二電極層33及び34をそれぞれ形成した。このように電極各層を形成した半導体基板について、最高温度を750℃と設定した近赤外線炉内で5分にわたって加熱し、電極全体の焼成を行った。
このように作製した太陽電池10枚について、レーザー顕微鏡による電極形状観察とソーラーシュミレーター(25℃の雰囲気の中、照射強度:1kW/m2、スペクトル:AM1.5グローバル)による評価を行った。実施例1及び比較例1の結果平均を表3に示す。
印刷後の電極高さC及びC’は基礎電極高さBに比べて、それぞれ条件1では41μm増加し、条件2で10μm増加した。
Jsc(短絡電流)は同等であり、乳剤を厚くしても線幅太りなどの問題は発生しないことが分かった。一方、電極高さが増して断面積が増加したため、条件1は条件2に比べて1.5%もFFが向上した。変換効率は条件2に比べて条件1が0.5%向上した。
従来の版を用いて印刷を行うと(比較例1)、基礎電極高さに比べて乳剤の厚さが小さいため電極が押し付けられるので、でき上がった電極断面形状を顕微鏡で観察すると、図8に示すように表面に凹凸が見られた。このような印刷むらがあるため、実施例1(条件1)に比べてFFが低い。一方、実施例1(条件1)は、スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さが基礎電極に比べて大きいので、製版は既設の基礎電極に覆い被さるようにして印刷できるため、図6に示すような凹凸のない電極を形成することができた。また、乳剤が厚くなったことで、導電性ペーストがより多く充填されるため、結果として電極高さCが従来のスクリーン製版を使用したとき(図8中のC’)に比べて31μm高くなった。電極断面積が増加して配線抵抗が低くなったことで、FFが向上した。
Figure 0005477233
従来法では繰り返し印刷する必要があったが、本発明のスクリーン製版を用いれば、同じ工程数で、高アスペクト比の電極を形成することができる。
1 太陽電池
10 半導体基板
11 シリコン基板(P型)
12 フィンガー電極
13 バスバー電極
14 バスバー電極
15 エミッタ層(N型拡散層)
16 反射防止膜
17 BSF層
18 アルミニウム電極
20 基礎電極
30 スクリーンメッシュ
31 開口部
32、32’ マスク層(乳剤の硬化物)
33、34 上層電極(第二電極層)
A 基礎電極の線幅
B 基礎電極の高さ
C、C’ 集電電極の高さ
a 開口幅
b、b’ スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さ
c、c’ 紗厚
d、d’ マスク層の厚さ(スクリーン厚)

Claims (4)

  1. 半導体基板上に導電性ペーストをスクリーン印刷して基礎電極を形成した後、この基礎電極の一部又は全部の直上にスクリーン製版を用いて該スクリーン製版の開口部が基礎電極に覆い被さるようにして導電性ペーストを印刷し、上記基礎電極上に上層電極を積層形成することにより集電電極を得る工程を含む太陽電池の製造方法であって、
    上記スクリーン製版として、スクリーンに上記上層電極の形状に対応すると共に、その開口幅が基礎電極の線幅以下である開口部を有するように感光乳剤の硬化物からなるマスク層を形成すると共に、スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さを上記基礎電極の高さよりも10〜35μm厚く形成したスクリーン製版を用いることを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. スクリーン下面とマスク層下面との間の厚さが15〜100μmである請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  3. スクリーン製版が少なくとも1つの細長い開口部を有する請求項1又は2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. スクリーン製版の開口部の開口幅が20〜150μmである請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
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