JP2010002905A - ハロゲン化銀感光材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体と、該支持体に近い方から、順に、キレート化剤を含有する第一中間層、青感性ハロゲン化銀乳剤層、第二中間層、赤感性ハロゲン化銀乳剤層、第三中間層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および保護層とを有するハロゲン化銀感光材料。
【選択図】なし
Description
そこで、特許文献1および2では、乳剤層または非乳剤層にキレート化剤を入れることにより、上記金属故障の問題を解決するための試みがなされている。そして、その具体的な実施例においては、特許文献1の段落番号[0171]および特許文献2の段落番号[0114]に記載されているように、低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(第3層)およびイエローフィルター層(第11層)に特定のアミノ化合物を含有させている。
即ち、映画用カラーポジ感光材料に代表されるプリント感光材料のように、イエローフィルター層を有さない層構成を有する感光材料の場合、キレート化剤を含有させる位置に大きな制約が生ずる。そのなかで、キレート化剤を赤感性ハロゲン化銀乳剤層のような感光性ハロゲン化銀乳剤層に含有させた場合、金属故障を抑えるのに必要な量のキレート化剤を含有させるとカブリの上昇が避けられず、ハロゲン化銀感光材料としての基本性能を低下させてしまうことが分かった。
また、高い分光吸光度を有する色素を生成するカプラーを用いた感光材料においては、上記の現象が顕著となった。
<1> 支持体と、該支持体に近い方から、順に、キレート化剤を含有する第一中間層、青感性ハロゲン化銀乳剤層、第二中間層、赤感性ハロゲン化銀乳剤層、第三中間層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および保護層とを有するハロゲン化銀感光材料。
<2> 前記第一中間層が、前記支持体に近い方から順に、下層およびハレーション防止層を含み、該下層および該ハレーション防止層の内の少なくとも一層が前記キレート化剤を含有する請求項1に記載のハロゲン化銀感光材料。
<3> 前記キレート化剤が下記一般式(I)で表される化合物である<1>または<2>に記載のハロゲン化銀感光材料。
一般式(I)
LxおよびLyはアルキレン基または置換アルキレン基を表す。
Yは、−O−または下記一般式(II)で示される基を表す。
一般式(II)
Xはカルボキシル基、そのアルカリ金属塩基、ホスホノ基、そのアルカリ金属塩基、スルホ基、そのアルカリ金属塩基、ヒドロキシ基または下記一般式(III)で示される基を表す。
一般式(III)
L1、L2、L3、L4およびL5は各々独立してアルキレン基を表す。
<4> 前記キレート化剤がEDTA、そのナトリウム塩、NTAまたはそのナトリウム塩である<1>〜<3>の何れかに記載のハロゲン化銀感光材料。
<5> 前記キレート化剤の量が、1.0×10−5mol/m2〜1.0×10−2mol/m2である<1>〜<4>の何れかに記載のハロゲン化銀感光材料。
<6> 前記青感性ハロゲン化銀乳剤層が一般式(IV)で表されるイエロー色素形成カプラーの少なくとも1種を含有する<1>〜<5>の何れかに記載のハロゲン化銀感光材料。
一般式(IV)
<7> 前記青感性ハロゲン化銀乳剤層が一般式(V)で表されるイエロー色素形成カプラーの少なくとも一種を含有する<1>〜<5>の何れかに記載のハロゲン化銀感光材料。
一般式(V)
<8> Xが5,5−ジメチルオキサゾリジン−2,4−ジオン−3−イル基である<6>または<7>に記載のハロゲン化銀感光材料。
<9> 全ハロゲン化銀乳剤層の銀換算量が0.5g/m2以上3.0g/m2以下である<1>〜<8>の何れかに記載のハロゲン化銀感光材料。
<10> 前記キレート化剤の含有量が、3.0×10−4mol/m2〜1.0×10−3mol/m2である<1>〜<4>および<6>〜<9>の何れかに記載のハロゲン化銀感光材料。
<11> 映画用カラーポジ感光材料である<1>〜<10>の何れかに記載のハロゲン化銀感光材料。
なお、以下の説明において、上記の「青感性ハロゲン化銀乳剤層」、「赤感性ハロゲン化銀乳剤層」および「緑感性ハロゲン化銀乳剤層」の各々を「単位感光性層」とも言う。単位感光性層は一層で構成されていても、二層〜三層で構成されていても良く、二層以上で構成されている場合には、互いの層が同一の組成でも、異なった組成、例えば互いの感度が異なる乳剤、で構成されていても良い。更に、保護層も一層で構成されていても、二層〜三層で構成されていても良く、二層以上で構成されている場合には、互いの層が同一の組成でも、異なった組成、例えばその中に添加される添加剤の量が相違する組成、で構成されても良い。更にまた、第一中間層〜第三中間層もそれぞれ一層で構成されていても、二層〜三層で構成されていても良い。特に第一中間層は支持体に近い方から、順に、下層およびハレーション防止層を含む層で構成することが優れた写真性能が得られる点で好ましい。
一般式(I)
LxおよびLyはアルキレン基または置換アルキレン基を表す。
Yは、−O−または下記一般式(II)で示される基を表す。
一般式(II)
Xはカルボキシル基、そのアルカリ金属塩基、ホスホノ基、そのアルカリ金属塩基、スルホ基、そのアルカリ金属塩基、ヒドロキシ基または下記一般式(III)で示される基を表す。
一般式(III)
L1、L2、L3、L4およびL5は各々独立してアルキレン基を表す。
上記の置換アルキレン基は、上記のアルキレン基の少なくとも一つの水素原子がヒドロキシ基で置換されたものが好ましい。具体的には、2−ヒドロキシ−1,3−トリメチレン基が挙げられる。
また、A1、A2、A3、A4およびA5は好ましくはカルボキシル基である。
本発明で使用されるキレート配位子の具体例のいくつかを以下に記載する。
キレート化剤は単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。キレート化剤の含有量は、金属故障を抑制できれば特に制限は無いが、1.0×10−5mol/m2〜1.0×10−2mol/m2が好ましい。前記上限値は、5.0×10−3mol/m2がより好ましく、2.0×10−3mol/m2がさらに好ましく、1.0×10−3mol/m2が特に好ましい。前記下限値は、5.0×10−5mol/m2がより好ましく、2.0×10−4mol/m2がさらに好ましく、3.0×10−4mol/m2が特に好ましい。
本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することができる。
シアンカプラー:特開平4−204843号公報のCX−1, 3, 4, 5, 11, 12, 14, 15(14〜16頁);特開平4−43345号公報のC−7, 10(35頁), 34, 35(37頁), (I−1), (I−17)(42〜43頁);特開平6−67385号公報の請求項1の一般式(Ia)又は(Ib)で表されるカプラー。ポリマーカプラー:特開平2−44345号公報のP−1, P−5(11頁)。
一般式(IV)
R2の総炭素数は0以上60以下が好ましく、0以上50以下がより好ましく、0以上40以下がさらに好ましい。
より好ましくはR2はt−アルキル基であり、さらに好ましくはt−ブチル基であり、最も好ましくはR2は−SR4のパラの位置でt−ブチル基である。
一般式(IV)においてR4は1級のアルキル基を表わし、置換基を有していても良い。この置換基の例としては前述のR1の置換基の例として挙げたものが挙げられる。置換基を含めたR4の好ましい炭素数としては3以上30以下であり、より好ましくは3以上20以下であり、さらに好ましくは6以上12以下である。好ましい置換基としてはアルキル基、アリール基が挙げられ、さらに好ましくはアルキル基である。最も好ましくはR4は2-エチルヘキシル基である。
本明細書において、「1級のアルキル基」とは、アルキル基の炭素骨格において式(IV)のSと結合する炭素を中心炭素とした場合に、該中心炭素が少なくとも2個の水素原子を有しているものを指す。
窒素原子で離脱する基としては、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、アリール(本明細書では4n+2個の環状共役電子を有するものを意味する)もしくは非アリール、単環もしくは縮合環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有する5もしくは6員のヘテロ環基であり、例えばスクシンイミド、マレインイミド、フタルイミド、ジグリコールイミド、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、インドール、ベンゾピラゾール、ベンツイミダゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾリジン−2,4−ジオン、オキサゾリジン−2,4−ジオン、チアゾリジン−2−オン、ベンツイミダゾリン−2−オン、ベンゾオキサゾリン−2−オン、ベンゾチアゾリン−2−オン、2−ピロリン−5−オン、2−イミダゾリン−5−オン、インドリン−2,3−ジオン、2,6−ジオキシプリン、パラバン酸、1,2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオン、2−ピリドン、4−ピリドン、2−ピリミドン、6−ピリダゾン、2−ピラゾン、2−アミノ−1,3,4−チアゾリジン−4−オン)、カルボナミド基(例えばアセタミド、トリフルオロアセタミド)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド)、アリールアゾ基(例えばフェニルアゾ、ナフチルアゾ)、カルバモイルアミノ基(例えばN−メチルカルバモイルアミノ)などが挙げられる。
一般式(L)
これらの例示は上記ヘテロ環基の説明の中で挙げており、これらが更に好ましい。なかでも、Lは5員環の含窒素ヘテロ環を形成する残基が好ましい。
酸素原子で離脱する基のうち、好ましいものはアリールオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロ環オキシ基である。
イオウ原子で離脱する基のうち、好ましいものはアリールチオ基、ヘテロ環チオ基であり、ヘテロ環チオ基がより好ましい。
Xは、好ましくは窒素原子で離脱する基、酸素原子で離脱する基、イオウ原子で離脱する基であり、より好ましくは窒素原子で離脱する基であり、更に好ましくは、窒素原子で離脱する基で述べた好ましい基の順に好ましい。最も好ましくは、Xは5,5−ジメチルオキサゾリジン−2,4−ジオン−3−イル基である。
一般式(V)
nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR3はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。
漂白促進剤放出化合物:欧州特許EP310,125A2号明細書の5頁の一般式(I)、(I’)で表される化合物(特に61頁の(60),(61))及び特開平6−59411号公報の請求項1の一般式(I)で表される化合物(特に段落0022の(7));
リガンド放出化合物:米国特許第4,555,478号明細書のクレーム1に記載のLIG−Xで表される化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物);
ロイコ色素放出化合物;米国特許第4,749,641号明細書のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:米国特許第4,774,181号明細書のクレーム1のCOUP−DYEで表される化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜11);
現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:米国特許第4,656,123号明細書のカラム3の一般式(1)、(2)、(3)で表される化合物(特にカラム25の(I−22))及び欧州特許EP450,637A2号明細書の75頁36〜38行目のExZK−2;離脱して初めて色素となる基を放出する化合物:米国特許第4,857,447号のクレーム1の一般式(I)で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY−1〜Y−19)。
油溶性有機化合物の含浸用ラテックス:米国特許第4,199,363号明細書に記載のラテックス;
現像主薬酸化体スカベンジャー:米国特許第4,978,606号明細書のカラム2の54〜62行の一般式(I)で表される化合物(特にI−(1),(2),(6),(12)(カラム4〜5))、米国特許第4,923,787号明細書のカラム2の5〜10行の式(特に化合物1(カラム3));
ステイン防止剤:欧州特許EP298321A号明細書の4頁30〜33行の一般式(I)〜(III)、特にI−47, 72, III−1, 27 (24〜48頁);褪色防止剤:欧州特許EP298321A号明細書のA−6, 7, 20, 21, 23, 24, 25, 26, 30, 37, 40, 42, 48, 63, 90, 92, 94, 164(69〜118頁), 米国特許第5,122,444号明細書のカラム25〜38のII−1〜III−23, 特にIII−10, 欧州特許EP471347A号明細書の8〜12頁のI−1〜III−4,特にII−2, 米国特許第5,139,931号明細書のカラム32〜40のA−1〜48、特にA−39, 42;
発色増強剤又は混色防止剤の使用量を低減させる素材:欧州特許EP411324A号明細書の5〜24頁のI−1〜II−15,特にI−46;
ホルマリンスカベンジャー:欧州特許EP477932A号明細書の24〜29頁のSCV−1〜28、特にSCV−8;
現像抑制剤プレカーサー:特開昭62−168139号公報のP−24, 37, 39(6〜7頁);米国特許第5,019,492号明細書のクレーム1に記載の化合物、特にカラム7の28〜29;
防腐剤、防黴剤:米国特許第4,923,790号明細書のカラム3〜15のI−1〜III−43、特にII−1,9,10,18,III−25;
安定剤、カブリ防止剤:米国特許第4,923,793号明細書のカラム6〜16のI−1〜(14),特にI−1,60,(2),(13)、米国特許第4,952,483号明細書のカラム25〜32の化合物1〜65、特に36;
化学増感剤:トリフェニルホスフィンセレニド, 特開平5−40324号公報の化合物50;
染料:特開平3−156450号公報の15〜18頁のa−1〜b−20、特にa−1, 12, 18, 27, 35, 36, b−5, 27〜29頁のV−1〜23、特にV−1、欧州特許EP445627A号明細書の33〜55頁のF−I−1〜F−II−43、特にF−I−11,F−II−8、欧州特許EP457153A号明細書の17〜28頁のIII−1〜36、特にIII−1,3、欧州特許EP319999A号明細書の6〜11頁の化合物1〜22、特に化合物1、欧州特許EP519306A号明細書の一般式(1)〜(3)で表される化合物D−1〜87(3〜28頁)、米国特許第4,268,622号明細書の一般式(I)で表される化合物1〜22(カラム3〜10)、米国特許第4,923,788号明細書の一般式(I)で表される化合物(1)〜(31)(カラム2〜9);特開2005−121744号公報の一般式(II)で表される化合物(II−1)〜(II−29);
UV吸収剤:特開昭46−3335号公報の一般式(1)で表される化合物(18b)〜(18r),101〜427(6〜9頁)、欧州特許EP520938A号明細書の一般式(I)で表される化合物(3)〜(66)(10〜44頁)及び一般式(III)で表される化合物HBT−1〜HBT−10(14頁)、欧州特許EP521823号明細書の一般式(1)で表される化合物(1)〜(31)(カラム2〜9)。
添加剤種類 RD17643 RD18716 RD308119
1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 996頁
2 感度上昇剤 同 上
3 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄〜 996右〜 998右
強色増感剤 649頁右欄
4 増 白 剤 24頁 998右
5 カブリ防止剤 24〜25頁 649頁右欄 998右〜1000右
および安定剤
6 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄〜 1003左〜1003右
フィルター染料 650頁左欄
紫外線吸収剤
7 ステイン防止剤 25頁右欄 650左〜右欄 1002右
8 色素画像安定剤 25頁 1002右
9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 1004右〜1005左
10 バインダー 26頁 同 上 1003右〜1004右
11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 1006左〜1006右
12 塗布助剤、 26〜27頁 同 上 1005左〜1006左
表面活性剤
13 スタチック 27頁 同 上 1006右〜1007左
防止剤
14 マット剤 1008左〜1009左
下層としては、ゼラチンを構成成分とするものが好ましく、必要に応じ、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カブリ防止剤などの種々の写真有用素材を含有させることも好ましい態様である。
ハレーション防止層は、少なくとも一種のアンチハレーション能を有する非感光性親水性コロイド層が使用される。アンチハレーション能を有する非感光性親水性コロイド層中にはコロイド銀およびハレーション防止染料の内の少なくとも一つが含有される。映画用カラーポジ感光材料においては、サウンドトラックを銀像で形成する必要があることから、染料が好ましく用いられる。ハレーション防止に使用される染料はハレーション防止に有効かつその他の写真性能に実質的に悪影響を及ぼさないものであれば、いかなる染料でも構わない。水溶性染料であっても染料の固体微粒子分散物であっても構わないが、本発明の効果の点で、染料の固体微粒子分散物が好ましい。
これに対して、キレート化剤を青感性ハロゲン化銀乳剤層用塗布液に含有させた場合には、この塗布液中でキレート化剤と乳剤中の感光性ハロゲン化銀粒子とが反応してしまい、カブリ等の写真特性を却って悪化させてしまう原因となる。また、支持体表面から遠い位置にある第三中間層塗布液にキレート化剤を含有させた場合には、支持体表面を汚染している鉄粉とキレート化剤とが鉄キレートを生成するまでに時間を要してしまい、鉄キレートが生成するまでの時間内に鉄粉と感光性ハロゲン化銀(例えば、青感性ハロゲン化銀乳剤層用塗布液中のハロゲン化銀粒子)とが反応してしまい、スポットが発生してしまう。従って、キレート化剤を第一中間層に含有させておくことが極めて重要である。
本発明の映画用ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、映画用ポジ感光材料の標準的な処理工程で処理出来る。
従来の映画用ポジ感光材料の標準的な処理工程(乾燥以外)
(1)発色現像浴
(2)停止浴
(3)水洗浴
(4)第一定着浴
(5)水洗浴
(6)漂白促進浴
(7)漂白浴
(8)水洗浴
(9)サウンド現像(塗り付け現像)
(10)水洗
(11)第二定着浴
(12)水洗浴
(13)安定浴
また、上記(7)の漂白浴に用いる処理液の種類によっては、上記(6)の漂白促進浴による処理工程を省略することも可能である。
さらに、上記(9)のサウンド現像を必要としない場合には、上記(4)の第一定着浴、上記(5)の水洗浴、上記(9)のサウンド現像、および上記(10)の水洗の各処理工程を省略することも好ましい態様である。
実施例1
[支持体の準備]
二軸延伸した後、両面にコロナ放電処理を施した厚さ120μのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)に乳剤層塗設側はスチレン/ブタジエン共重合体とゼラチンとからなる下塗りを施し、乳剤塗設面と反対側に、アンチモン含有酸化スズ微粒子、ポリメタクリレート樹脂からなるマット剤、コロイダルシリカからなるマット剤を含有するアクリル樹脂層を塗設した。
(青感層乳剤BH−1の調製)
攪拌した脱イオンゼラチンを含む脱イオン水に、硫酸を添加してpH=2.0に調節して、BASF製Pluronic(登録商標)31R1の1%水溶液(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり3.0cc)を添加し、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合する方法で、高塩化銀立方体粒子を調製した。この調製の過程において、硝酸銀の添加が80%の時点から90%の時点にかけて、K4[Fe(CN)6](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.4×10−5モル)およびK2[IrCl5(5−methylthiazole)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり4.2×10−9モル)を添加した。硝酸銀の添加が90%の時点から100%の時点にかけて、臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀全量に対して0.5モル%)およびK2[IrCl5(H2O)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり3.6×10−6モル)を添加した。硝酸銀の添加が92%の時点から94%の時点にかけて、沃化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀全量に対して0.20モル%)を激しく攪拌しながら添加した。得られた乳剤粒子は、辺長0.60μm、変動係数8.0%の単分散立方体沃臭塩化銀粒子であった。この乳剤に沈降脱塩処理を施した後、脱イオンゼラチン、BASF製Pluronic(登録商標)31R1の1%水溶液(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり3.9cc)、下記化合物Ab−1で表される防腐剤(化学増感後の完成乳剤1kgあたり0.05g)、下記化合物Ab−2で表される防腐剤(化学増感後の完成乳剤1kgあたり0.05g)、下記化合物Ab−3で表される防腐剤(化学増感後の完成乳剤1kgあたり5.0g)、および硝酸カルシウム(化学増感後の完成乳剤1kgあたり2.8g)を添加し再分散を行った。乳剤粒子のハロゲン組成(%)は、Cl/Br/I=99.3/0.5/0.2であった。
乳剤BH−1の調製において、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合する工程の温度および添加速度を変更した以外は同様にして高塩化銀立方体粒子を調製した。得られた乳剤粒子は辺長0.43μm、変動係数9.5%の単分散立方体沃臭塩化銀粒子であった。この乳剤を乳剤BH−1と同様に沈降脱塩処理を施して再分散した後、添加する各種化合物の量を、ハロゲン化銀粒子の単位表面積当たりの量が乳剤BH−1と同じになるように変更した以外は同様にして乳剤BM−1を調製した。完成乳剤は1kgあたり、金属銀換算で99g相当のハロゲン化銀と68gのゼラチンを含有する。
攪拌したアルカリ処理脱イオンゼラチンを含む脱イオン水に、硫酸を添加してpH=2.0に調節して、BASF製Pluronic(登録商標)31R1の1%水溶液(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり3.0cc)を添加し、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合する方法で、高塩化銀立方体粒子を調製した。この調製の過程において、硝酸銀の添加が70%の時点から85%の時点にかけて、K4[Fe(CN)6](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.3×10−5モル)、K2[IrCl5(5−methylthiazole)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり4.0×10−9モル)、およびK3[RhBr5(H2O)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.2×10−8モル)を添加した。硝酸銀の添加が85%の時点から100%の時点にかけて、臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀全量に対して0.5モル%)およびK2[IrCl5(H2O)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり7.7×10−6モル)を添加した。硝酸銀の添加が92%の時点から94%の時点にかけて、沃化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀全量に対して0.33モル%)を激しく攪拌しながら添加した。得られた乳剤粒子は、辺長0.33μm、変動係数10.0%の単分散立方体沃臭塩化銀粒子であった。この乳剤に沈降脱塩処理を施した後、アルカリ処理脱イオンゼラチン、BASF製Pluronic(登録商標)31R1の1%水溶液(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり3.8cc)を添加し、と、化合物Ab−1(化学増感後の完成乳剤1kgあたり0.05g)、化合物Ab−2(化学増感後の完成乳剤1kgあたり0.05g)、化合物Ab−3(化学増感後の完成乳剤1kgあたり5.0g)、および硝酸カルシウム(化学増感後の完成乳剤1kgあたり2.8g)を添加し再分散を行った。乳剤粒子のハロゲン組成(%)は、Cl/Br/I=99.17/0.5/0.33であった。
攪拌したアルカリ処理ゼラチンを含む脱イオン水に、硫酸を添加してpH=2.5に調節して、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合する方法で、高塩化銀立方体粒子を調製した。この調製の過程において、硝酸銀の添加が0%の時点から50%の時点にかけて、臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀全量に対して32.5モル%)を添加した。硝酸銀の添加が50%の時点から100%の時点にかけて、K4[Fe(CN)6](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.7×10−5モル)、K2[IrCl5(5−methylthiazole)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.8×10−7モル)、および臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀全量に対して17.5モル%)を添加した。硝酸銀の添加終了後に、BASF製Pluronic(登録商標)31R1の1%水溶液(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり10.6cc)、および日本製紙ケミカル(株)製RNA−F3の2%水溶液(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり20.6cc)を添加した。得られた乳剤粒子は、辺長0.23μm、変動係数11.0%の単分散立方体塩臭化銀粒子であった。この乳剤に沈降脱塩処理を施した後、アルカリ処理ゼラチンを添加し再分散を行った。乳剤粒子のハロゲン組成(%)は、Cl/Br/I=75/25/0であった。
乳剤RH−1の調製において、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合する工程の温度および添加速度を変更し、硝酸銀の添加が0%の時点から50%の時点にかけてK2[IrCl6](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり2.3×10−7モル)を新たに添加した以外は同様にして高塩化銀立方体粒子を調製した。硝酸銀の添加終了後に添加する、日本製紙ケミカル(株)製RNA−F3の2%水溶液の添加量を、出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり27.6ccに変更した。得られた乳剤粒子は辺長0.14μm、変動係数12.5%の単分散立方体塩臭化銀粒子であった。この乳剤を乳剤RH−1と同様に沈降脱塩処理を施して再分散した。乳剤粒子のハロゲン組成(%)は、Cl/Br/I=75/25/0であった。
乳剤RM−1の調製において、硝酸銀の添加が0%の時点から50%の時点にかけて添加する、K2[IrCl6]の添加量を、出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり2.9×10−7モルに変更した以外は同様にして高塩化銀立方体粒子を調製した。得られた乳剤粒子は辺長0.14μm、変動係数12.5%の単分散立方体塩臭化銀粒子であった。この乳剤を乳剤RH−1と同様に沈降脱塩処理を施して再分散した。乳剤粒子のハロゲン組成(%)は、Cl/Br/I=75/25/0であった。前記C−5で表される化合物の添加量をハロゲン化銀1モルあたり7.6×10−5モルに変更して、化学増感の時間を20分短くした以外は乳剤RM−1と同様に化学増感および分光増感を施した。最後に、化合物Ab−1(化学増感後の完成乳剤1kgあたり0.05g)、および化合物Ab−3(化学増感後の完成乳剤1kgあたり9.6g)を添加した。こうして得られた乳剤を乳剤RL−1とした。完成乳剤は1kgあたり、金属銀換算で87g相当のハロゲン化銀と73gのゼラチンを含有する。
攪拌したアルカリ処理脱イオンゼラチンを含む脱イオン水に、硫酸を添加してpH=3.0に調節して、N,N−ジメチルイミダゾリジン−2−チオンの0.5%水溶液(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり7.2×10−5モル)を添加し、BASF製Pluronic(登録商標)31R1の1%水溶液(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり4.7cc)を添加し、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合する方法で、高塩化銀立方体粒子を調製した。この調製の過程において、硝酸銀の添加が0%の時点から50%の時点にかけて、K2[IrCl5(5−methylthiazole)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり2.4×10−8モル)、硝酸銀の添加が50%の時点から100%の時点にかけて、K4[Fe(CN)6](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり3.0×10−5モル)を添加した。硝酸銀の添加終了後に、日本製紙ケミカル(株)製RNA−F3の2%水溶液(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり23.0cc)を添加した。この後、下記S−4で表される増感色素(ハロゲン化銀1モルあたり5.0×10−4モル)を添加して分光増感した。最後に、前記C−4で表される化合物(ハロゲン化銀1モルあたり2.0×10−4モル)を添加した。得られた乳剤粒子は、辺長0.18μm、変動係数11.9%の単分散立方体塩化銀粒子であった。この乳剤に沈降脱塩処理を施した後、アルカリ処理脱イオンゼラチンおよび硝酸カルシウム(化学増感後の完成乳剤1kgあたり0.84g)を添加し再分散を行った。乳剤粒子のハロゲン組成(%)は、Cl/Br/I=100/0/0であった。
乳剤GH−1の調製において、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合する工程の添加速度を変更し、硝酸銀の添加が0%の時点から50%の時点にかけて添加する、K2[IrCl5(5−methylthiazole)]の添加量を、出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.5×10−7モルに変更し、硝酸銀の添加が50%の時点から100%の時点にかけて添加する、K4[Fe(CN)6]の添加量を、出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.3×10−5モルに変更した以外は同様にして粒子を形成した。硝酸銀の添加終了後に添加する、日本製紙ケミカル(株)製RNA−F3の2%水溶液の添加量を、出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり31.2cc)に変更し、前記S−4で表される増感色素の添加量を、ハロゲン化銀1モルあたり5.2×10−4モルに変更し、前記C−4で表される化合物の添加量を、ハロゲン化銀1モルあたり2.4×10−4モル)に変更して、高塩化銀立方体粒子を調製した。得られた乳剤粒子は辺長0.13μm、変動係数13.7%の単分散立方体塩臭化銀粒子であった。この乳剤を乳剤GH−1と同様に沈降脱塩処理を施して再分散した。乳剤粒子のハロゲン組成(%)は、Cl/Br/I=100/0/0であった。
乳剤GH−1の調製において、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合する工程の添加速度を変更し、硝酸銀の添加が0%の時点から50%の時点にかけてK2[IrCl6](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり9.5×10−8モル)を新たに添加し、硝酸銀の添加が0%の時点から50%の時点にかけて添加する、K2[IrCl5(5−methylthiazole)]の添加量を、出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり3.8×10−7モルに変更し、硝酸銀の添加が50%の時点から100%の時点にかけて添加する、K4[Fe(CN)6]の添加量を、出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり6.3×10−6モルに変更した以外は同様にして粒子を形成した。硝酸銀の添加終了後に添加する、日本製紙ケミカル(株)製RNA−F3の2%水溶液の添加量を、出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり33.8cc)に変更し、前記S−4で表される増感色素の添加量を、ハロゲン化銀1モルあたり5.5×10−4モルに変更し、前記C−4で表される化合物の添加量を、ハロゲン化銀1モルあたり6.5×10−4モル)に変更して、高塩化銀立方体粒子を調製した。得られた乳剤粒子は辺長0.11μm、変動係数15.1%の単分散立方体塩臭化銀粒子であった。この乳剤を乳剤GH−1と同様に沈降脱塩処理を施して再分散した。乳剤粒子のハロゲン組成(%)は、Cl/Br/I=100/0/0であった。
下記化合物(D−1)のメタノールウェットケーキを化合物の正味量が240gになるように秤量し、分散助剤として下記化合物(Pm−1)を48g秤量し、水を加えて4000gとした。’流通式サンドグラインダーミル(UVM−2)’(アイメックスK.K製)にジルコニアビーズ(0.5mm径)を1.7リットル充填し、吐出量0.5リットル/min、周速10m/sで2時間粉砕した。その後、分散物を化合物濃度が3質量%となるように希釈し、下記構造式で表される化合物(Pm−1)を染料に対し質量比で3%添加した(分散物Aと称する)。この分散物の平均粒子サイズは0.45μmであった。
さらに、同様な方法で下記化合物(D−2)を5質量%含む分散物(分散物Bと称する)を得た。
支持体上に、下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー写真感光材料である試料100を作製した。
イエローカプラー(ExY−1)72.2g、添加物(Cpd−44)0.4g、添加物(Cpd−45)0.8g、添加物(Cpd−46)0.1g、添加物(Cpd−58)0.4g、および下記化合物(SR−2)2.0gを溶媒(Solv−21)29ml、溶媒(Solv−24)3mlおよび酢酸エチル150mlに溶解し、この溶液を、下記化合物(SR−1)の20%水溶液15mlを含む10%ゼラチン水溶液1000gに乳化分散させて、乳化分散物Y−1を調整した。一方、前述した塩臭化銀乳剤BH−1、BM−1,およびBL−1を用いて、前記乳化分散物Y−1とこの塩臭化銀乳剤とを混合溶解し、後記組成となるように第3層塗布液を調製した。第1層〜第2層および第4層〜第8層用の塗布液も第3層塗布液と同様な方法で調製した。
以下に各層の組成を示す。数字は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤塗布量は銀換算塗布量を表す。また、ゼラチン硬膜剤として、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。
支持体
・前記ポリエチレンテレフタレートフィルム
・ゼラチン 0.25
・(Cpd−59) 0.003
第2層(ハレーション防止層(非感光性親水性コロイド層))
・ゼラチン 1.83
・上記分散物A(染料塗布量として) 0.10
・上記分散物B(染料塗布量として) 0.03
・乳剤BH−1、乳剤BM−1、および乳剤BL−1の10:15:75混合物(銀モル比)
0.44
・ゼラチン 3.12
・イエローカプラー(ExY−1) 1.33
・(Cpd−41) 0.0006
・(Cpd−42) 0.01
・(Cpd−44) 0.007
・(Cpd−45) 0.015
・(Cpd−46) 0.002
・(Cpd−54) 0.08
・(Cpd−58) 0.007
・(Cpd−65) 0.02
・(SR−1) 0.06
・(SR−2) 0.04
・溶媒(Solv−21) 0.53
・溶媒(Solv−24) 0.05
・ゼラチン 0.74
・(Cpd−49) 0.02
・(Cpd−43) 0.05
・(Cpd−53) 0.006
・(Cpd−61) 0.02
・(Cpd−62) 0.03
・(SR−1) 0.009
・溶媒(Solv−21) 0.12
・溶媒(Solv−23) 0.05
・溶媒(Solv−24) 0.002
・乳剤RH−1、乳剤RM−1および乳剤RL−1の10:30:60混合物(銀モル比)
0.35
・ゼラチン 2.88
・シアンカプラー(ExC’) 0.83
・(Cpd−47) 0.14
・(Cpd−48) 0.05
・(Cpd−50) 0.03
・(Cpd−51) 0.04
・(Cpd−53) 0.02
・(Cpd−57) 0.02
・(Cpd−58) 0.01
・(Cpd−59) 0.0003
・(Cpd−60) 0.02
・(SR−1) 0.03
・(SR−2) 0.03
・溶媒(Solv−21) 0.50
・溶媒(Solv−22) 0.25
・溶媒(Solv−23) 0.02
・ゼラチン 0.57
・(Cpd−49) 0.02
・(Cpd−43) 0.05
・(Cpd−53) 0.005
・(Cpd−62) 0.03
・(Cpd−63) 0.02
・(Cpd−64) 0.002
・(SR−1) 0.007
・溶媒(Solv−21) 0.09
・溶媒(Solv−23) 0.04
・溶媒(Solv−24) 0.002
・乳剤GH−1、乳剤GM−1、および乳剤GL−1の15:30:55混合物(銀モル比)
0.46
・ゼラチン 1.67
・マゼンタカプラー(ExM’) 0.73
・(Cpd−49) 0.013
・(Cpd−52) 0.001
・(SR−1) 0.02
・(SR−2) 0.02
・溶媒(Solv−21) 0.15
・ゼラチン 0.97
・アクリル樹脂(平均粒径2μ) 0.002
・(Cpd−55) 0.005
・(Cpd−56) 0.08
・(SR−2) 0.03
ここで使用した化合物を以下に示す。
試料101の構成層中に、キレート化剤としてEDTA・2NaまたはNTA・3Naを表1に示すように添加して、試料102〜115を作製した。更に、試料101の第3層の色素形成カプラー群を、特開2007−199703号公報の実施例に開示されている公知の色素形成カプラー群(ExY−2)に等モル置換した試料116を作製し、キレート化剤EDTA・2Naを表1に示すように添加して、試料117〜120を作製した。
前記のように作製した試料100〜120を、塗布完成直後から25℃60%RHの環境下で30日間保管した後、各試料から試験片を採取して評価に供した。
常法によりセンシトメトリーを行なった。感光計(富士写真フイルム(株)製FW型、光源の色温度3200K)を用い、連続的に露光量変調を加える光学楔を介して、1/100秒でセンシトメトリー用露光を与えた。露光は、マゼンタ濃度1.0の露光量においてイエロー濃度およびシアン濃度が1.0±0.05を満たすように、フィルターを用いて色温度を調節し、未露光部〜最大濃度までが評価できる適切な露光量とした。露光された試料は、露光の30分経過後に後述の現像処理を施した。
ECP−2Dプロセス <工程>
使用した各処理液の組成を下記の表3に示す。各薬品の量は各処理液1リットル当たりの値を示す。
現像処理後の試験片を常法によりステイタスA濃度測定して、特性曲線(D−logE曲線)を得た。
これから、最低濃度(Dmin)および最大濃度(Dmax)を求めて、イエロー濃度に対する結果を表4に記す。Dminは望小特性であり、Dmaxは望大特性である。
各試験片を未露光のまま、前記の現像処理を行ない、スポットカブリの数を計測した。試料101の計測数を100とした相対値を、表4に示す。スポットカブリの数が少ないほど好ましい。
試験片を60℃30%RHの環境下で3日間経時させて保存試験の短期強制評価として、前記の写真性能の評価と同様にセンシトメトリーを行ない、最低濃度(Dmin)を求めた。評価結果は、60℃30%RH3日間の経時によるDmin変化(前述の写真性評価に対する)を求め、ΔDminで示す。
ΔDminは望小特性であり、0が最も望ましい。
Claims (11)
- 支持体と、該支持体に近い方から、順に、キレート化剤を含有する第一中間層、青感性ハロゲン化銀乳剤層、第二中間層、赤感性ハロゲン化銀乳剤層、第三中間層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および保護層とを有するハロゲン化銀感光材料。
- 前記第一中間層が、前記支持体に近い方から順に、下層およびハレーション防止層を含み、該下層および該ハレーション防止層の内の少なくとも一層が前記キレート化剤を含有する請求項1に記載のハロゲン化銀感光材料。
- 前記キレート化剤が下記一般式(I)で表される化合物である請求項1または請求項2に記載のハロゲン化銀感光材料。
一般式(I)
式中、
LxおよびLyはアルキレン基または置換アルキレン基を表す。
Yは、−O−または下記一般式(II)で示される基を表す。
一般式(II)
mは0または1の整数を表す。
Xはカルボキシル基、そのアルカリ金属塩基、ホスホノ基、そのアルカリ金属塩基、、スルホ基、そのアルカリ金属塩基、ヒドロキシ基または下記一般式(III)で示される基を表す。
一般式(III)
A1、A2、A3、A4およびA5は各々独立してカルボキシル基、そのアルカリ金属塩基、ホスホノ基、そのアルカリ金属塩基、スルホ基、そのアルカリ金属塩基またはヒドロキシ基を表す。
L1、L2、L3、L4およびL5は各々独立してアルキレン基を表す。 - 前記キレート化剤がEDTA、そのナトリウム塩、NTAまたはそのナトリウム塩である請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のハロゲン化銀感光材料。
- 前記キレート化剤の含有量が、1.0×10−5mol/m2〜1.0×10−2mol/m2である請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のハロゲン化銀感光材料。
- 前記青感性ハロゲン化銀乳剤層が一般式(IV)で表されるイエロー色素形成カプラーの少なくとも一種を含有する請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のハロゲン化銀感光材料。
一般式(IV)
一般式(IV)中、Qは−N=C−N((CH2)3−O−R1)−とともに5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R1は炭素数4以上8以下のアルキル基を表す。R2は置換基を表す。R4は1級のアルキル基を表す。mは0以上4以下の整数を表す。mが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。Xは水素原子または現像主薬酸化体とのカップリング反応により離脱可能な基を表す。 - Xが5,5−ジメチルオキサゾリジン−2,4−ジオン−3−イル基である請求項6または請求項7に記載のハロゲン化銀感光材料。
- 全ハロゲン化銀乳剤層の銀換算量が0.5g/m2以上3.0g/m2以下である請求項1〜請求項8の何れか一項に記載のハロゲン化銀感光材料。
- 前記キレート化剤の量が、3.0×10−4mol/m2〜1.0×10−3mol/m2である請求項1〜請求項4および請求項6〜請求項9の何れか一項に記載のハロゲン化銀感光材料。
- 映画用カラーポジ感光材料である請求項1〜請求項10の何れか一項に記載のハロゲン化銀感光材料。
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