JP4302867B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び新規なピロロトリアゾール化合物 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び新規なピロロトリアゾール化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP4302867B2
JP4302867B2 JP2000282530A JP2000282530A JP4302867B2 JP 4302867 B2 JP4302867 B2 JP 4302867B2 JP 2000282530 A JP2000282530 A JP 2000282530A JP 2000282530 A JP2000282530 A JP 2000282530A JP 4302867 B2 JP4302867 B2 JP 4302867B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
unsubstituted
general formula
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000282530A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001163887A5 (ja
JP2001163887A (ja
Inventor
桂一 立石
尚 御子柴
直人 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2000282530A priority Critical patent/JP4302867B2/ja
Publication of JP2001163887A publication Critical patent/JP2001163887A/ja
Publication of JP2001163887A5 publication Critical patent/JP2001163887A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4302867B2 publication Critical patent/JP4302867B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造のピロロトリアゾール化合物および該ピロロトリアゾールシアンカプラーの使用により色再現と色像の堅牢性を高め、各種ステインの発生を抑制し、処理安定性を高めたハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、露光されたハロゲン化銀を酸化剤として、酸化された芳香族第一級アミン系カラー現像主薬とカプラーが反応してインドフェノール、インドアニリン、インダミン、アゾメチン、フェノキサジン、フェナジンなどの色素ができ画像が形成されることは良く知られている。この写真方式においては、減色法が用いられており、イエロー、マゼンタ、シアン色素によって色画像が形成される。
【0003】
これらのうちシアン色素画像を形成するためには、従来フェノールまたはナフトール系カプラーが用いられている。しかしながらこれらのカプラーから形成される色素はイエローからマゼンタの領域において好ましくない吸収を持っているために、色再現性を悪化させる問題を有しており、これを解決することが望まれていた。
【0004】
特に近年画像情報をディジタル化し、画像処理を行った後その情報にもとづいてハロゲン化銀カラー写真感光材料に露光する、いわゆるデジタル写真に対する要求が高まりつつある。このような場合には特に形成色素が前記のような好ましくない吸収を持たない色再現域の広いハロゲン化銀カラー写真感光材料が望まれている。
【0005】
また、リバ−サルフイルムにおいて高い彩度や広い色再現域が望まれているが、重層効果を強調する方法では、処理依存性が悪化する等の欠点があり、色相に優れるカプラーによって高彩度・広色再現を実現することが要求されていた。
【0006】
この問題を解決する手段として、米国特許第4,728,598号、同4,873,183号、欧州特許出願公開第0249453A2号などに記載のヘテロ環化合物が提案されている。しかしこれらのカプラーは、カップリング活性が低かったり、色素の堅牢性が悪いなどの致命的欠点を有している。 これらの問題を克服したカプラーとして、米国特許第5,256,526号、欧州特許第0545300号に記載のピロロトリアゾールカプラーが提案されている。これらのカプラーは色相、カップリング活性という点で優れていたが、このカプラーを用いたカラー写真感光材料は、色像の堅牢性が十分ではなく、更なる改良が必要であることがわかった。また、漂白定着処理時に色素のロイコ化(一部の色素が還元により脱色する)による発色性低下を招く問題(いわゆるブリックス退色と称される)を有していた。また、各種のシアンステインが発生する問題を有していた。更に、従来公知のピロロトリアゾールシアンカプラーは、ホルマリンを用いる処理を行うと経時でマゼンタステインが発生するといった欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、1):ハロゲン化銀カラー写真感光材料カプラーの合成中間体として有用であり、また、有用な化学・医薬・農薬有機化合物中間体となりえる特定の構造の新規なピロロトリアゾール化合物を提供し、2):該ピロロトリアゾールシアンカプラーの使用により色再現性と色像の堅牢性に優れ、3):残存カラー現像主薬との反応で生じるシアンステインが低減され、ブリックス退色が少なく、マゼンタステイン発生が極めて少なく、処理安定性の向上したハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、色相に優れたピロロトリアゾール系カプラーについて2位の置換基及び離脱基を詳細に検討した所、従来知られていない全く新しい構造の下記一般式で表されるカプラーにより、上記課題を解決できることを見い出すに至った。即ち、以下の手段により達成された。
【0009】
(1) 支持体上の少なくとも一層に下記一般式(I)で表されるカプラーを含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0010】
一般式(I)
【化9】
Figure 0004302867
一般式(I)中、Xは水素原子または芳香族第一級アミンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応において離脱しうる基を表す。R1及びR2はそれぞれハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、かつ、R1とR2のσp値の和は、0.65以上である。G1及びG2は、窒素原子または一般式(II)で表される置換基を表す。ただし、G1、G2のいずれかは、窒素原子であり、他方は一般式(II)で表される置換基である。
【0011】
一般式(II)
【化10】
Figure 0004302867
一般式(II)中、R3は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、R4は水素原子または炭素原子で結合する置換基を表わす。R3とR4は互いに結合して環を形成してもよい。R5は置換基を表わす。nは0〜4の整数を表わす。R1、R2、R3、R4、R5またはXの基が2価の基になり、2量体以上の多量体や高分子鎖と結合して単重合体もしくは共重合体を形成してもよい。
【0012】
(2) 前記の一般式(I)で表されるカプラーが下記一般式(III)で表されることを特徴とする(1)記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0013】
一般式(III)
【化11】
Figure 0004302867
一般式(III)中、Xは水素原子または芳香族第一級アミンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応において離脱しうる基を表す。R1及びR2はそれぞれハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、かつ、R1とR2のσp値の和は、0.65以上である。R3は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表わし、R4は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基を表わす。R3とR4は互いに結合して環を形成してもよい。R11〜R14は各々独立に、水素原子または置換基を表わす。
【0014】
(3) 下記一般式(I)で表されるピロロトリアゾール化合物。
【0015】
一般式(I)
【化12】
Figure 0004302867
一般式(I)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜32のアルキルオキシ基、炭素数6〜32のアリールオキシ基、炭素数1〜32のアルキルチオ基、炭素数6〜32のアリールチオ基、炭素数2〜32のヘテロ環チオ基、炭素数2〜32のアルキルオキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜32のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜32のカルバモイルオキシ基、炭素数3〜32のヘテロ環カルボニルオキシ基、カップリング活性位に窒素原子で結合する5員もしくは6員の炭素数2〜32の含窒素ヘテロ環基を表す。R1及びR2はそれぞれハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、かつ、R1とR2のσp値の和は、0.65以上である。G1及びG2は、窒素原子または一般式(II)で表される置換基を表す。ただし、G1、G2のいずれかは、窒素原子であり、他方は一般式(II)で表される置換基である。
【0016】
一般式(II)
【化13】
Figure 0004302867
一般式(II)中、R3は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、R4は水素原子または炭素原子で結合する置換基を表わす。R3とR4は互いに結合して環を形成してもよい。R5は置換基を表わす。nは0〜4の整数を表わす。R1、R2、R3、R4、R5またはXの基が2価の基になり、2量体以上の多量体や高分子鎖と結合して単重合体もしくは共重合体を形成してもよい。
【0017】
(4) 前記の一般式(I)で表される化合物が下記一般式(III)で表されることを特徴とする(3)記載のピロロトリアゾール化合物。
【0018】
一般式(III)
【化14】
Figure 0004302867
一般式(III)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜32のアルキルオキシ基、炭素数6〜32のアリールオキシ基、炭素数1〜32のアルキルチオ基、炭素数6〜32のアリールチオ基、炭素数2〜32のヘテロ環チオ基、炭素数2〜32のアルキルオキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜32のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜32のカルバモイルオキシ基、炭素数3〜32のヘテロ環カルボニルオキシ基、カップリング活性位に窒素原子で結合する5員もしくは6員の炭素数2〜32の含窒素ヘテロ環基を表す。R1及びR2はそれぞれハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、かつ、R1とR2のσp値の和は、0.65以上である。R3は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表わし、R4は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基を表わす。R3とR4は互いに結合して環を形成してもよい。R11〜R14は各々独立に、水素原子または置換基を表わす。
【0019】
(5) 前記の一般式(I)で表される化合物が下記一般式(IV)で表されることを特徴とする(3)記載のピロロトリアゾール化合物。
【0020】
一般式(IV)
【化15】
Figure 0004302867
一般式(IV)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環カルボニルオキシ基を表す。R3は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表わし、R4は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表わす。R3とR4は互いに結合して環を形成してもよい。R11は、置換もしくは無置換のアシルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基を表わす。R12、R13、R14は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子またはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基を表わす。R21、R22、R23、R24、R25は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Zは、5〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群を表わし、この環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。
【0021】
(6) 前記の一般式(I)で表されるカプラーが下記一般式(V)で表されることを特徴とする(1)記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0022】
一般式(V)
【化16】
Figure 0004302867
一般式(V)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環カルボニルオキシ基を表す。R3は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表わし、R4は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表わす。R3とR4は互いに結合して環を形成してもよい。R11は、置換もしくは無置換のアシルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基を表わす。R12、R13、R14は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子またはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基を表わす。R21、R22、R23、R24、R25は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Zは、5〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群を表わし、この環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L. P. Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J. A. Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry 」第12版、1979年(Mc Graw-Hill) や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明の一般式(I)または(III)で表される化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。
【0024】
本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。また、本発明でいう「親油性」とは室温下での水に対する溶解度が10%以下のものである。
【0025】
本明細書中、複素環(ヘテロ環)とは環内にヘテロ原子を持つものであり、芳香族性を有するものをも含み、さらに置換基を有してもかまわない。ヘテロ原子としては、N、S、O、Pが挙げられる。本明細書中の置換基およびアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール及び複素環における有してもよい置換基としては、特に規定のない限り置換可能な基であればよく、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルフルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルスルフイニル基、アリールスルフイニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシアミノ基、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0026】
以下に本発明の一般式(I)で表されるシアンカプラーについて詳しく述べる。
【0027】
本発明のシアンカプラーは、Xが水素原子または芳香族第一級アミンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応において離脱しうる基を表すが、離脱しうる基の好ましくはハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホンアミド基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、カルバモイルアミノ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基、5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基、イミド基、アリールアゾ基などであり、これらの基は更に後述する一般式(I)のR1、R2で例示する置換基で置換されていてもよい。
【0028】
さらに詳しいXは、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキルオキシ基(例えば、エトキシ、ドデシルオキシ、メトキシエチルカルバモイルメトキシ、カルボキシプロピルオキシ、メタンスルホニルエトキシ、エトキシカルボニルメトキシ)、アリールオキシ基(例えば、4−メチルフェノキシ、4−クロロフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、3−エトキシカルボニルフェノキシ、3−アセチルアミノフェノキシ、2−カルボキシフェノキシ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシルアミノ基(例えば、ジクロルアセチルアミノ、ヘプタフルオロブチリルアミノ)、アルキルもしくはアリールスルホンアミド基(例えば、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、アルキルオキシカルボニルオキシ基(例えば、エトキシカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基(例えば、ドデシルチオ、1−カルボキシドデシルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、テトラゾリルチオ)、カルバモイルアミノ基(例えば、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、N−エチルカルバモイルオキシ、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ)、ヘテロ環カルボニルオキシ基(例えば、モルホリノカルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ)、5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)、イミド基(例えば、スクシンイミド、ヒダントイニル)、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ)などである。Xはこれら以外に炭素原子を介して結合した離脱基としてアルデヒド類又はケトン類で4当量カプラーを縮合して得られるビス型カプラーの形を取る場合もある。又、Xは現像抑制剤、現像促進剤など写真的有用基を含んでいてもよい。
【0029】
好ましいXは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜32のアルキルオキシ基、炭素数6〜32のアリールオキシ基、炭素数1〜32のアルキルチオ基、炭素数6〜32のアリールチオ基、炭素数2〜32のヘテロ環チオ基、炭素数2〜32のアルキルオキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜32のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜32のカルバモイルオキシ基、炭素数3〜32のヘテロ環カルボニルオキシ基、カップリング活性位に窒素原子で結合する5員もしくは6員の炭素数2〜32の含窒素ヘテロ環基である。より好ましいXは、水素原子、ハロゲン原子、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基であり、特に好ましいのは水素原子、ハロゲン原子、アリールチオ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基である。更に好ましいのは水素原子、ヘテロ環カルボニルオキシ基であり、中でも水素原子が最も好ましい。
【0030】
本発明のシアンカプラーは、R1とR2がいずれも0.20以上の電子吸引性基であり、且つR1とR2のσp値の和を0.65以上にすることでシアン画像として発色するものである。R1とR2のσp値の和としては、好ましくは0.70以上であり、上限としては2.0程度である。
【0031】
1及びR2はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基である。好ましくは、0.30以上の電子吸引性基である。上限としては1.0以下の電子吸引性基である。
【0032】
σp値が0.20以上の電子吸引性基であるR1及びR2の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。
【0033】
1及びR2のうち更に置換基を有することが可能な基は、以下に挙げたような置換基を更に有してもよい。ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基等を挙げることができる。
【0034】
さらに詳しいR1及びR2の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基(例えば、炭素数1〜32の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜32のアルケニル基、炭素数2〜32の直鎖または分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜32の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜32の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基で、詳しくは例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル、4−テトラデカンアミドフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−ドデシルエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド、2−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}デカンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ドデシルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、2−クロロ−5−テトラデカンアミノアニリノ、2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルアニリノ、N−アセチルアニリノ、2−クロロ−5−{2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ドデカンアミド}アニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、テトラデシルチオ、2−フェノキシエチルチオ、3−フェノキシプロピルチオ、3−(4−t−ブチルフェノキシ)プロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、3−ペンタデシルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−テトラデカンアミドフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メトキシ−5−t−ブチルベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル}カルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、ドデカンスルフィニル、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)を表す。
【0035】
なお、R1及びR2におけるアルキル部を有する基のアルキルとは、直鎖又は分岐鎖アルキル、シクロアルキルを意味する。また、置換されたアルキル基の中には、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニルが包含される。
【0036】
従って、アルキルオキシカルボニル基は直鎖又は分岐鎖アルキルオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルキニルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基及びシクロアルケノキシカルボニル基である。
【0037】
1及びR2を更に詳しく述べると、σp値が0.20以上の電子吸引性基としては、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−(4−n−ペンタデカンアミド)フェニルカルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル}カルバモイル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、iso−プロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、iso−ブチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキセノキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基(例えば、ジメチルホスホノ)、ジアリールホスホノ基(例えば、ジフェニルホスホノ)、ジアリールホスフイニル基(例えば、ジフェニルホスフイニル)、アルキルスルフイニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフイニル)、アリールスルフイニル基(例えば、3−ペンタデシルフェニルスルフイニル)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシルチオ基(例えば、アセチルチオ、ベンゾイルチオ)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、チオシアネート基、チオカルボニル基(例えば、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメタン、ヘプタフロロプロパン)、ハロゲン化アルキルオキシシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、ハロゲン化アルキルアミノ基(例えば、N,N−ジ−(トリフロロメチル)アミノ)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ、1,1,2,2−テトラフロロエチルチオ)、σp0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル)、ヘテロ環基(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ピロリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ)またはセレノシアネート基を表す。
【0038】
これらの置換基のうち更に置換基を有することが可能な基は、上述したように更に置換基を有してもよい。
【0039】
1及びR2の好ましいものとしては、炭素数2〜32のアシル基、炭素数2〜32のアシルオキシ基、炭素数1〜32のカルバモイル基、炭素数2〜32のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜32のアリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜32のアルキルスルフイニル基、炭素数6〜32のアリールスルフイニル基、炭素数1〜32のアルキルスルホニル基、炭素数6〜32のアリールスルホニル基、炭素数0〜32のスルファモイル基、炭素数1〜32のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜32のハロゲン化アルキルオキシ基、炭素数1〜32のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数7〜32のハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp0.20以上の他の電子吸引性基で置換された炭素数7〜32のアリール基、及び窒素原子、酸素原子、またはイオウ原子を有する5〜8員環で炭素数1〜36のヘテロ環基を挙げることができる。
【0040】
更に好ましくは、炭素数2〜32のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数6〜32のアリールスルホニル基、炭素数1〜32のカルバモイル基及び炭素数1〜32のハロゲン化アルキル基である。R1として最も好ましいものは、シアノ基である。R2 として特に好ましいものは炭素数2〜32のアルキルオキシカルボニル基であり、最も好ましいのは、分岐した炭素数4〜32のアルキルオキシカルボニル基(特にシクロアルキルオキシカルボニル基)である。
【0041】
本発明のシアンカプラーは、G1及びG2は、窒素原子または一般式(II)で表される置換基を表す。ただし、G1、G2のいずれかは、窒素原子であり、他方は一般式(II)で表される置換基である。
【0042】
一般式(II)
【化17】
Figure 0004302867
【0043】
一般式(II)中、R3は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、R4は水素原子または炭素原子で結合する置換基を表わす。R5は置換基を表わす。nは0〜4の整数を表わす。
【0044】
さらに詳しくは、R3はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、炭素数1〜32の直鎖、または分岐鎖アルキル基、炭素数7〜32のアラルキル基、炭素数2〜32のアルケニル基、炭素数2〜32のアルキニル基、炭素数3〜32のシクロアルキル基、炭素数3〜32のシクロアルケニル基で、詳しくは例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、アリール基としては、炭素数6〜36のものが好ましく、更に単環がより好ましい。具体例としては、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2−メチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル等が挙げられる。ヘテロ環基としては、窒素原子、酸素原子、またはイオウ原子を有する5〜8員環で炭素数1〜36のものが好ましい。更に好ましくは、窒素原子で結合した5員または6員環で、これらの環はベンゼン環またはヘテロ環と縮合環を形成していてもよい。具体例として、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペリジノ、ピロリジル、ピロリル、モルホリノ、ピラゾリジル、チアゾリジルなどが挙げられ、好ましくは、ピロリジルが挙げられる。
【0045】
これらの置換基のうち更に置換基を有することが可能な基は、上記R1及びR2で例示したような置換基で更に置換されていてもよい。
【0046】
好ましいR3は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基が挙げられる。
【0047】
4は、水素原子または炭素原子で結合する置換基を表す。炭素原子で結合する置換基としては、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリ−ル基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基等が挙げられる。
【0048】
更に詳しくは、R4は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、炭素数1〜32の直鎖、または分岐鎖アルキル基、炭素数7〜32のアラルキル基、炭素数2〜32のアルケニル基、炭素数2〜32のアルキニル基、炭素数3〜32のシクロアルキル基、炭素数3〜32のシクロアルケニル基で、詳しくは例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、アリール基としては、炭素数6〜36のものが好ましく、更に単環がより好ましい。具体例としては、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2−メチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、アシル基としては、炭素数2〜32のものが好ましく、具体例としてはアセチル、ピバロイル、オクタノイル、ベンゾイル等が挙げられる。アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基の例はR1及びR2を置換する基のところで述べた基が例として挙げられる。
【0049】
これらの置換基のうち更に置換基を有することが可能な基は、上記R1及びR2を置換する基で例示したような置換基で更に置換されていてもよい。
【0050】
好ましいR4は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリ−ル基が挙げられる。
【0051】
3とR4は、連結して窒素原子で結合した5員または6員環を形成してもよい。具体例として、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペリジル、ピペリジノ、ピロリジニル、ピロリル、モルホリル、モルホリノ、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニルなどが挙げられる。これらの環はベンゼン環またはヘテロ環と縮合環を形成していてもよい。
【0052】
3とR4は、環構造を形成するものの方が形成しないものより好ましい。その中でも窒素原子で結合した6員環を形成した基が好ましく、その中でもモルホリノ、アシル基で置換されたピペラジニル、ピペリジノ、カルボキシル基で置換されたピペリジノが好ましい。
【0053】
5はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基等を挙げることができる。
【0054】
5の具体例としてはR1及びR2を置換する基として前述した基を挙げることができる。
【0055】
これらの置換基のうち更に置換基を有することが可能な基は、上記R1及びR2を置換する基で例示したような置換基で更に置換されていてもよい。
【0056】
5として好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基(アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基)、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基を挙げることができる。
【0057】
5として更に好ましくは、ニトロ基(特に、ハロゲン化銀カラー写真感光材料カプラー中間体として有用)、置換または無置換の炭素数2〜32のアシルアミノ基、置換または無置換の炭素数1〜32のアルキルスルホニルアミノ基、置換または無置換の炭素数6〜40のアリールスルホニルアミノ基である。特に好ましくは、ニトロ基、置換基を有する炭素数6〜40のアリールスルホニルアミノ基である。アリールスルホニルアミノ基の有する置換基としては、炭素数1〜32のアルコキシ基、炭素数1〜32のアルキル基、炭素数1〜32のスルホニルアミノ基、炭素数1〜32のアシルアミノ基、ハロゲン原子が好ましい。
【0058】
nは、0〜4の整数を表すが、好ましくは1〜2であり、特に1が好ましい。
【0059】
一般式(I)で表されるシアンカプラーは、R1、R2、R3、R4、R5又はXの基が二価の基になり、二量体以上の多量体や高分子鎖と結合して単重合体若しくは共重合体を形成してもよい。二量体以上の多量体を形成する場合、モノマーであるカプラーは、同一であっても異なっていてもよい。高分子鎖と結合した単重合体若しくは共重合体とは、一般式(I)で表されるシアンカプラー残基を有する付加重合体エチレン型不飽和化合物の単独もしくは共重合体が典型例である。この場合、一般式(I)で表されるシアンカプラー残基を有するシアン発色繰り返し単位は重合体中に1種類以上含有されていてもよく、共重合成分として非発色性のエチレン型モノマーの1種または2種以上を含む共重合体であってもよい。一般式(I)で表されるシアンカプラー残基を有するシアン発色繰り返し単位は3〜1000が好ましく、10〜100がより好ましい。具体的には、下記一般式(P)で表される。
【0060】
一般式(P)
【化18】
Figure 0004302867
【0061】
式中Rは水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基または塩素原子を示し、Aは−CONH−、−COO −または置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、Bは置換もしくは無置換のアルキレン基、フェニレン基またはアラルキレン基を示し、Lは−CONH−、−NHCONH−、−NHCOO−、−NHCO−、−OCONH−、−NH−、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO2−、−NHSO2−または−SO2NH−を表す。a、b、cは0または1を示す。Qは一般式(III)で表される化合物のR1、R2、R3、R4、R11〜R14又はXより水素原子が離脱したシアンカプラー残基を示す。重合体としては一般式(III)のカプラーユニットで表されるシアン発色モノマーと芳香族一級アミン現像薬の酸化生成物とカップリングしない非発色性エチレン様モノマーの共重合体が好ましい。
【0062】
芳香族一級アミン現像薬の酸化生成物とカップリングしない非発色性エチレン型単量体としては、アクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)これらのアクリル酸類から誘導されるアミドもしくはエステル(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、n−ブチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレートおよびβ−ヒドロキシメタクリレート)、ビニルエステル(例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネートおよびビニルラウレート)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、芳香族ビニル化合物(例えばスチレンおよびその誘導体、例えばビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ビニルアセトフェノンおよびスルホスチレン)、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル(例えばビニルエチルエーテル)、マレイン酸エステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニリピリジンおよび2−および−4−ビニルピリジン等がある。
【0063】
特にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル類が好ましい。ここで使用する非発色性エチレン型モノマーは2種以上を一緒に使用することもできる。例えばメチルアクリレートとブチルアクリレート、ブチルアクリレートとスチレン、ブチルメタクリレートとメタクリル酸、メチルアクリレートとジアセトンアクリルアミドなどが使用できる。
【0064】
ポリマーカプラー分野で周知の如く前記一般式(I)に相当するビニル系単量体と共重合させるためのエチレン系不飽和単量体は形成される共重合体の物理的性質および/または化学的性質、例えば溶解度、写真コロイド組成物の結合剤、例えばゼラチンとの相溶性、その可撓性、熱安定性等が好影響を受けるように選択することができる。
【0065】
本発明のシアンカプラーをハロゲン化銀感光材料中、好ましくは赤感光性ハロゲン化銀乳剤層に含有させるには、いわゆる内型カプラーにすることが好ましく、そのためには、R1、R2、R3、R4、R5又はXの少なくとも1つの基が所謂バラスト基(好ましくは、総炭素数10以上)であることが好ましく、総炭素数10〜50であることがより好ましい。特にR3 、R4、R5においてバラスト基を有することが好ましい。
【0066】
本発明の一般式(I)で表されるシアンカプラーとして、特に好ましい組み合わせは、Xは水素原子、R1はシアノ基、R2は炭素数4〜32の分岐したアルキルオキシカルボニル基、G1は窒素原子、R3とR4は、環構造を形成するもの、特に6員のヘテロ環が好ましく、R5は、ニトロ基、置換または無置換の炭素数2〜32のアシルアミノ基、置換または無置換の炭素数1〜32のアルキルスルホニルアミノ基、置換または無置換の炭素数6〜40のアリールスルホニルアミノ基である。nは、特に1が好ましい。
【0067】
本発明の一般式(I)で表されるシアンカプラーとして、最も好ましい組み合わせは、Xは水素原子、R1はシアノ基、R2は炭素数6〜32のシクロアルキルオキシカルボニル基、G1は窒素原子、R3とR4は、環構造を形成するもの、特に6員のヘテロ環が好ましく、R5は、ニトロ基、置換または無置換の炭素数6〜40のアリールスルホニルアミノ基である。nは、特に1が好ましい。
【0068】
一般式(I)で表されるカプラーの中でも、一般式(III)で表される構造のカプラーが好ましい。
【0069】
一般式(III)
【化19】
Figure 0004302867
【0070】
以下に本発明の一般式(III)で表されるシアンカプラーについて詳しく述べる。一般式(III)中、X、R1、R2、R3、R4は、上記一般式(I)中のX、R1、R2、R3、R4と同義であり、好ましいX,、R1、R2、R3、R4の例も同じである。
【0071】
11〜R14は水素原子又は置換基を表し、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基等を挙げることができる。
【0072】
11〜R14の具体例は、上記一般式(I)中のR1及びR2を置換する基として前述した基を挙げることができる。
【0073】
11〜R14として好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換のアシルアミノ基、置換もしくは無置換のアニリノ基、置換もしくは無置換のウレイド基、置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニルアミノ基、置換もしくは無置換のスルホンアミド基(アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基)、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のスルホニル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換のアシルオキシ基、置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、置換もしくは無置換のイミド基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のスルフィニル基、置換もしくは無置換のホスホニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアシル基を挙げることができる。
【0074】
11として更に好ましくは、ニトロ基(特に、ハロゲン化銀カラー写真感光材料カプラー中間体として有用)、置換または無置換の炭素数2〜32のアシルアミノ基、置換または無置換の炭素数1〜32のアルキルスルホニルアミノ基、置換または無置換の炭素数6〜40のアリールスルホニルアミノ基である。特に好ましくは、ニトロ基、置換基を有する炭素数6〜40のアリールスルホニルアミノ基である。アリールスルホニルアミノ基の有する置換基としては、炭素数1〜32のアルコキシ基、炭素数1〜32のアルキル基、炭素数1〜32のスルホニルアミノ基、炭素数1〜32のアシルアミノ基、ハロゲン原子が好ましい。
【0075】
12〜R14として好ましくは、水素原子、置換基を有する炭素数6〜40アリールスルホニルアミノ基であり、その中で特に水素原子が好ましい。
【0076】
本発明の一般式(III)で表されるシアンカプラーとして、特に好ましい組み合わせは、Xは水素原子、R1はシアノ基、R2は炭素数4〜32の分岐したアルキルオキシカルボニル基、R3とR4は、環構造を形成するもの、特に6員のヘテロ環が好ましく、R11としては、置換もしくは無置換の炭素数2〜32のアシルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜32のアルキルスルホニルアミノ基、置換または無置換の炭素数6〜40のアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基である。R12〜R14は、水素原子、置換基を有する炭素数6〜32のアリールスルホニルアミノ基である。アリールスルホニルアミノ基の有する置換基としては、炭素数1〜32のアルコキシ基、炭素数1〜32のアルキル基、炭素数1〜32のスルホニルアミノ基、炭素数1〜32のアシルアミノ基、ハロゲン原子が好ましい。
【0077】
一般式(III)で表されるシアンカプラーは、更に好ましくは下記一般式(V)で表される構造である。
【0078】
一般式(V)
【化20】
Figure 0004302867
【0079】
一般式(V)中、X、R3、R4、R11、R12、R13、R14は、一般式(III)中のX、R3、R4、R11、R12、R13、R14と同義である。
【0080】
21、R22、R23、R24、R25は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または置換基を表す。置換基としては、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、更に好ましいものとしては以下に述べるものである。
【0081】
21、R22は、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基を表わし、例えば炭素数1〜36の、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、炭素数7〜36のアラルキル基、炭素数2〜36のアルケニル基、炭素数2〜36のアルキニル基、炭素数3〜36のシクロアルケニル基で、詳しくは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、トリデシル、シクロペンチル、シクロヘキシルを表わす。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基は、より好ましくは、炭素数の上限は12である。R21、R22は、更に好ましくは炭素数1〜8の無置換のアルキル基である。R23、R24、R25は、水素原子又は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基を表わす。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、先にR21、R22で挙げた基が挙げられる。R23、R24、R25は特に好ましくは水素原子である。
【0082】
Zは、5〜8員環を形成するのに必要な、非金属原子群を表わし、この環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。好ましい非金属原子としては、窒素原子、酸素原子、イオウ原子又は炭素原子が挙げられ、更に好ましくは、炭素原子である。
【0083】
Zで形成される環としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピペラジン環、オキサン環、チアン環等が挙げられ、これらの環は、前述した置換基で置換されていてもよい。
【0084】
Zで形成される環として好ましくは置換されてもよいシクロヘキサン環であり、特に好ましくは、4位が炭素数1〜24のアルキル基(前述の置換基で置換されていてもよい)で置換されたシクロヘキサン環である。
【0085】
本発明に用いられる一般式(V)で表されるシアンカプラーは、分子中に油溶化基をもち、高沸点有機溶媒に溶けやすく、またこのカプラー自身及びこのカプラーと発色用還元剤(現像剤)とが酸化カップリングして形成された色素が親水性コロイド層中で非拡散性であることが好ましい。
【0086】
本発明の一般式(V)で表されるシアンカプラーとして、特に好ましい組み合わせは、Xは水素原子、R21、R22は、t−ブチル、R23、R24、R25は、水素原子、Zはシクロヘキサン環を形成するものであり、シクロヘキサン環の4位は炭素数1〜8のアルキル基、R3とR4は、環構造を形成するもの(詳しくは、窒素原子で結合した6員環を形成した基が好ましく、例えばモルホリノ、アシル基で置換されたピペラジニル、カルボキシル基で置換されたピペリジノ等)、R11としては、置換もしくは無置換の炭素数1〜32のアルキルスルホニルアミノ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、R12〜R14として好ましくは、水素原子、置換基を有する炭素数6〜30のアリールスルホニルアミノ基である。アリールスルホニルアミノ基の有する置換基としては、炭素数1〜32のアルコキシ基、炭素数1〜32のアルキル基、炭素数1〜32のスルホニルアミノ基、炭素数1〜32のアシルアミノ基、ハロゲン原子が好ましい。
【0087】
以下に本発明の一般式(I)、(III)、(IV)で表されるピロロトリアゾール化合物について詳しく述べる。なお、一般式(I)、(III)、(IV)で表される化合物は、従来知られていない新規な構造の化合物であり、ハロゲン化銀カラー写真感光材料カプラーの合成中間体として有用であり、また、有用な化学・医薬・農薬有機化合物中間体となりえる化合物である。
【0088】
一般式(I)、(III)で表されるピロロトリアゾール化合物における一般式の規定は、Xの規定を除き、それぞれ一般式(I)、(III)で表される上述のシアンカプラーの規定と同義である。一般式(I)、(III)で表される化合物において、一般式中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜32のアルキルオキシ基、炭素数6〜32のアリールオキシ基、炭素数1〜32のアルキルチオ基、炭素数6〜32のアリールチオ基、炭素数2〜32のヘテロ環チオ基、炭素数2〜32のアルキルオキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜32のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜32のカルバモイルオキシ基、炭素数3〜32のヘテロ環カルボニルオキシ基、またはカップリング活性位に窒素原子で結合する5員もしくは6員の炭素数2〜32の含窒素ヘテロ環基を表す。
【0089】
また、一般式(I)で表されるピロロトリアゾール化合物において、X、R1、R2、G1、G2、R3、R4、R5、nの好ましいものの規定は、一般式(I)で表される上述のシアンカプラー中のX、R1、R2、G1、G2、R3、R4、R5、nの好ましいものの規定と同義である。同様に、一般式(III)で表されるピロロトリアゾール化合物において、X、R1、R2、R3、R4、R11、R12、R13、R14の好ましいものの規定は、一般式(III)で表される上述のシアンカプラー中のX、R1、R2、R3、R4、R11、R12、R13、R14の好ましいものの規定と同義である。
【0090】
一般式(IV)
【化21】
Figure 0004302867
【0091】
一般式(IV)中、X、R3、R4、R11、R12、R13、R14は、上記一般式(III)中のX、R3、R4、R11、R12、R13、R14と同義である。
【0092】
Z、R21、R22、R23、R24、R25は上記一般式(V)中のZ、R21、R22、R23、R24、R25と同義である。
【0093】
本発明の一般式(IV)で表されるピロロトリアゾール化合物として、特に好ましい組み合わせは、Xは水素原子、R21、R22は、t−ブチル、R23、R24、R25は、水素原子、Zはシクロヘキサン環を形成するものであり、シクロヘキサン環の4位は炭素数1〜8のアルキル基、R3とR4は、環構造を形成するもの(詳しくは、窒素原子で結合した6員環を形成した基が好ましく、例えばモルホリノ、アシル基で置換されたピペラジニル、カルボキシル基で置換されたピペリジノ等)、R11としては、置換もしくは無置換の炭素数1〜32のアルキルスルホニルアミノ基、置換または無置換の炭素数6〜30のアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、R12〜R14として好ましくは、水素原子、置換基を有する炭素数6〜30のアリールスルホニルアミノ基である。アリールスルホニルアミノ基の有する置換基としては、炭素数1〜32のアルコキシ基、炭素数1〜32のアルキル基、炭素数1〜32のスルホニルアミノ基、炭素数1〜32のアシルアミノ基、ハロゲン原子が好ましい。
【0094】
以下に本発明定義のシアンカプラーおよびピロロトリアゾール化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0095】
【化22】
Figure 0004302867
【0096】
【化23】
Figure 0004302867
【0097】
【化24】
Figure 0004302867
【0098】
【化25】
Figure 0004302867
【0099】
【化26】
Figure 0004302867
【0100】
【化27】
Figure 0004302867
【0101】
【化28】
Figure 0004302867
【0102】
【化29】
Figure 0004302867
【0103】
【化30】
Figure 0004302867
【0104】
【化31】
Figure 0004302867
【0105】
【化32】
Figure 0004302867
【0106】
【化33】
Figure 0004302867
【0107】
【化34】
Figure 0004302867
【0108】
【化35】
Figure 0004302867
【0109】
【化36】
Figure 0004302867
【0110】
【化37】
Figure 0004302867
【0111】
【化38】
Figure 0004302867
【0112】
【化39】
Figure 0004302867
【0113】
【化40】
Figure 0004302867
【0114】
【化41】
Figure 0004302867
【0115】
【化42】
Figure 0004302867
【0116】
一般式(V)で表わされる化合物は、以下に例示する方法にて合成する事ができる。
【0117】
以下に本発明のピロロトリアゾ−ル化合物の具体的合成例を示す。
【0118】
合成例1.(例示化合物6及び40の合成)
下記合成ル−トにより例示化合物例(6)及び(40)を合成した。
【0119】
【化43】
Figure 0004302867
【0120】
化合物(A)の合成:
4−クロロ−3−ニトロ−安息香酸202g(1mol)のトルエン500mLとN,N−ジメチルホルムアミド1mLの溶液に、10℃以下で塩化チオニル76.3mL(1.05mol)を滴下した。引き続き、反応液を昇温して還流温度にて90分攪拌した(反応液が懸濁液から均一液に変化した)。次に、トルエンを減圧にて蒸留して留去して、ワックス状固形物(A)を220g得た。
【0121】
化合物(B)の合成:
イミダゾ−ル136.2g(2mol)のアセトニトリル3000mL溶液に、5℃以下にて、化合物(A)220g(1mol)のアセトニトリル300mL溶液をゆっくり滴下し、引き続きヒドラジン1水和物150g(3mol)を、13℃以下で滴下した。反応液を15℃にて90分攪拌した後、析出物をろ過し水洗いを十分に行った後、得られた結晶を50℃で一晩乾燥して、化合物(B)を166g(収率77%)得た(融点:170〜172℃;dec.)。
【0122】
化合物(C)の合成:
化合物(α−HCl塩)146.7g(0.75mol)の酢酸エチル500mL溶液に、攪拌しながら室温にてトリエチルアミン104.6mL(0.75mol)をゆっくり滴下し、引き続き室温にて30分攪拌し、水500mLを加えて分液抽出を行い、有機層を食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、油状物(α)を119g得た。次に、化合物(B)161.7g(0.75mol)のトルエン1000mL溶液を室温にて攪拌しながら、油状物(α)119gを注入した。引き続き反応液を昇温して内温80℃に保ち、生成したエタノールを留去した。更に、内温を110℃まで昇温して、生成した水を3時間かけて留去した。その後、トルエンを減圧にて500mL留去した後内温を70〜75℃まで下げ、アセトニトリル500mLをゆっくり注入し、引き続き還流下1時間攪拌し、その後ゆうくりと時間かけて内温が室温になるまで徐冷した。更に、水冷にて30分攪拌した後に、析出した結晶をろ過し、冷アセトニトリルにて洗浄した後40℃にて一晩乾燥して、化合物(C)を163g(収率70%)得た(融点:152〜153℃)。
【0123】
化合物(D)の合成:
化合物(C)155.4g(0.5mol)のメタノール1600mL溶液に、氷冷下攪拌しながら水酸化ナトリウム粒状物100g(2.5mol)を10℃以下に保ちながらゆっくり分割添加した。引き続き、反応液を40℃まで昇温した後、40℃にて90分攪拌した。その後、反応液を内温30℃まで下げ、塩酸430mLと水2000mLと粉砕した氷1kgの溶液に、反応液をゆっくり注入して酸析した。更に、10℃で90分攪拌した後、結晶をろ過、水洗い後冷アセトニトリルにて洗浄し、40℃にて一晩乾燥して、化合物(D)を140g(収率99%)得た(融点:133〜152℃)。
【0124】
化合物(E)の合成:
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキサノール111g(0.49mol)、化合物(D)138.5g(0.49mol)の酢酸エチル1500mL溶液に、室温下撹拌しながら酢酸カリウム48.1g(0.49mol)を分割添加した。反応液を10℃以下に冷却し、無水酢酸236mL(2.5mol)を内温15℃以下を保ちながらゆっくり滴下した。引き続き、反応液を40〜45℃で90分撹拌した後、内温を5℃まで下げた。析出した結晶を濾過し、十分な水洗いにて無機物を洗浄除去後、最後に冷アセトニトリルにてかけ洗いを行ない、50℃にて一晩乾燥して、化合物(E)を206.4g(収率79%)得た(融点:178〜179℃)。
【0125】
化合物(F)の合成:
化合物(E)203g(0.38mol)のアセトニトリル600mL溶液に、室温下濃塩酸39.2mLをゆっくり滴下し、引き続き反応液を昇温して還流下2時間撹拌した。その後内温を40℃まで下げ、水600mLを滴下し室温にて、1時間撹拌した。析出した結晶を濾過し、水洗いをした後50℃にて一晩乾燥して化合物(F)を185.1g(収率99.2%)得た(融点:191〜195℃)。
【0126】
化合物(G)の合成:
化合物(F)181.7g(0.37mol)のアセトニトリル700mL溶液に、室温下1,3−ジブロモー5,5−ジメチルヒダントイン108.7g(0.38mol)を添加し、引き続きメタンスルホン酸0.44gを滴下した後反応液を昇温し、還流下90分撹拌した。内温を30℃まで下げた後にN,N―ジメチルホルムアミド370mLを注入し、更に水冷下20〜25℃で水酸化カリウム45.7g(0.82mol)の水150mL溶液を滴下した。次に反応液を60℃で90分撹拌した後、室温まで冷却後酢酸エチル1000mL、水1000mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、アセトニトリルで再結晶することにより、化合物(G)を178.3g(収率95.4%)得た(融点:195〜197℃)。
【0127】
化合物(H)の合成:
化合物(G)176.8g(0.35mol)のN,N−ジメチルホルムアミド370mLに、アクリロニトリル186g(3.5mol)を室温で注入し、引き続きDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)63.9g(O.42mol)を注入後、反応液を80℃で4時間撹拌した。次に反応液を室温まで冷却した後、アセトニトリル500mLを注入し、更に濃塩酸72.3mL、水1500mLを室温下ゆっくり滴下した。反応液を室温にて1時間撹拌した後析出した結晶を濾過、水洗いし、粗結晶をアセトニトリルで再結晶することにより、化合物(H)を133.3g(収率70.5%)得た(融点:265℃;dec.)。
【0128】
(例示化合物40の合成)
モルホリン43.7mL(0.5mol)、炭酸カリウム6.9g(0.05mol)のN,N−ジメチルアセトアミド65mL溶液を、撹拌しながら内温が100℃になるまで昇温して、化合物(H)27gのN,N−ジメチルアセトアミド35mL溶液を滴下し、引き続き110℃で90分撹拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル150mL、水500mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した後、アセトニトリルで再結晶することにより、例示化合物(40)を20.1g(収率68%)得た(融点:283〜284℃;dec.)。
【0129】
(例示化合物6の合成)
塩化アンモニウム2g、水40mL、イソプロピルアルコール200mL溶液を室温にて撹拌しながら、還元鉄20gを分割添加した。引き続き、反応液を還流下まで昇温した後、例示化合物(40)20gをゆっくり分割添加し、還流下30分撹拌した。次に、反応液を熱時セライト濾過し、濾液に酢酸エチル100mL、水500mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した後、アセトニトリルで再結晶することにより、中間体(−NH2誘導体)を17.7g得た。次に、化合物(β)12g、アセトニトリル150mLの溶液に50℃で得られた中間体9.2gを分割添加し、更にピリジン2mLを滴下した後還流下1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル150mL、水500mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した後、アセトニトリルで再結晶することにより、例示化合物(6)を9.8g得た(融点:215〜217℃)。
【0130】
合成例2.(例示化合物41の合成)
イソニペコチン酸エチル77.1mL(0.5mol)、炭酸カリウム6.9g(0.05mol)のN,N−ジメチルアセトアミド65mL溶液を、撹拌しながら内温が80℃になるまで昇温して、化合物(H)27gのN,N−ジメチルアセトアミド35mL溶液を滴下し、引き続き85℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル150mL、水500mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、アセトニトリルで再結晶することにより、例示化合物(41)を25.5g(収率77%)得た(融点:178〜180℃)。
【0131】
合成例3.(例示化合物42の合成)
ピロリジン41.7mL(0.5mol)、炭酸カリウム6.9g(0.05mol)のN,N−ジメチルアセトアミド65mL溶液を、撹拌しながら内温が75℃になるまで昇温して、化合物(H)27gのN,N−ジメチルアセトアミド35mL溶液を滴下し、引き続き85℃で90分撹拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル150mL、水500mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、アセトニトリルで再結晶することにより、例示化合物(42)を25.9g(収率90.1%)得た(融点:210〜215℃)。
【0132】
合成例4.(例示化合物43の合成)
ピペリジン49.4mL(0.5mol)、炭酸カリウム6.9g(0.05mol)のN,N−ジメチルアセトアミド65mL溶液を、撹拌しながら内温が80℃になるまで昇温して、化合物(H)27gのN,N−ジメチルアセトアミド35mL溶液を滴下し、引き続き85℃で90分撹拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル150mL、水500mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、アセトニトリルで再結晶することにより、例示化合物(43)を23.6g(収率80.1%)得た(融点:235〜240℃)。
【0133】
合成例5.(例示化合物44の合成)
無水ピペラジン43.1(0.5mol)、炭酸カリウム6.9g(0.05mol)のN,N−ジメチルアセトアミド65mL溶液を、撹拌しながら内温が80℃になるまで昇温して、化合物(H)27gのN,N−ジメチルアセトアミド35mL溶液を滴下し、引き続き90℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル150mL、水500mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、アセトニトリル/水で再結晶することにより、例示化合物(44)を25.1g(収率85%)得た(融点:233〜238℃;dec.)。
【0134】
合成例6.(例示化合物例47の合成)
例示化合物(44)8.85g(0.015mol)のN,N−ジメチルアセトアミド50mL溶液を、撹拌しながら内温が10℃で、ピバリン酸クロリド1.7mLを滴下し、引き続き室温でで30分撹拌した。反応液に、酢酸エチル100mL、水300mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、アセトニトリルで再結晶することにより、化合物(47)を9.3g(収率91.7%)得た。
【0135】
合成例7.(例示化合物7の合成)
塩化アンモニウム1g、水20mL、イソプロピルアルコール100mL溶液を室温にて撹拌しながら、還元鉄10gを分割添加した。引き続き、反応液を還流下まで昇温した後、例示化合物(47)8.8g(0.013mol)をゆっくり分割添加し、還流下30分撹拌した。次に、反応液を熱時セライト濾過し、濾液に酢酸エチル100mL、水300mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した後、アセトニトリルで再結晶することにより、中間体(−NH2誘導体)を6.7g得た。次に、上記合成例1で用いた化合物(β)9g、アセトニトリル100mLの溶液に50℃で得られた中間体6.7gを分割添加し、更にピリジン1.5mLを滴下した後還流下1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル100mL、水300mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した後、アセトニトリルで再結晶することにより、例示化合物(7)を6.3g得た(融点:216〜219℃)。
【0136】
合成例8.(例示化合物9の合成)
塩化アンモニウム2g、水40mL、イソプロピルアルコール200mL溶液を室温にて撹拌しながら、還元鉄20gを分割添加した。引き続き、反応液を還流下まで昇温した後、例示化合物(41)23gをゆっくり分割添加し、還流下30分撹拌した。次に、反応液を熱時セライト濾過し、濾液に酢酸エチル200mL、水500mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した後、アセトニトリルで再結晶することにより、中間体(−NH2誘導体)を17.2g得た。次に、5−(t−オクチル)−2−オクチルオキシベンゼンスルホニルクロリド15g、アセトニトリル150mLの溶液に50℃で得られた中間体17.2gを分割添加し、更にピリジン3mLを滴下した後還流下1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル150mL、水500mLを加え抽出した。酢酸エチル層を水、食塩水で洗浄後酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した後、アセトニトリルで再結晶することにより、例示化合物(9)を20.2g得た(融点:218〜219℃)。
【0137】
合成例9.(例示化合物33の合成)
例示化合物(9)20g、メタノ−ル100mLの溶液に、15℃以下で水酸化カリウム粒状11gを分割添加し、引き続き反応液を50℃で90分攪拌した。次に、反応液を室温まで冷却して、内温を10℃に冷却した塩酸25mLと水200mLの溶液に、反応液をゆっくり注入して晶析した。アセトニトリルで再結晶することにより、例示化合物(33)を16.1g得た(融点:252〜254℃;dec.)。
【0138】
本発明のシアンカプラーの好ましい塗設量は、0.01〜2g/m2の範囲で、好ましくは0.05〜1.0g/m2である。
【0139】
本発明の感光材料は、支持体上に少なくとも1層の感光性層が設けられていればよい。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57-112751 、同62- 200350、同62-206541 、62-206543 に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
【0140】
具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができる。
【0141】
また特公昭 55-34932公報に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもできる。また特開昭56-25738、同62-63936に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもできる。
【0142】
また特公昭49-15495に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59-202464に記載されているように、同一感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。
【0143】
その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0144】
色再現性を改良するために、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,436、特開昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。
【0145】
本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。
【0146】
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよい。
【0147】
ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。
【0148】
本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)No.17643 (1978年12月), 22 〜23頁, “I. 乳剤製造(Emulsion preparation and types)”、および同No.18716 (1979年11月),648頁、同No.307105(1989年11月),863 〜865 頁、およびグラフキデ著「写真の物理と化学」,ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chimie et Phisique Photographiques, Paul Montel, 1967) 、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.F. Duffin, Photographic Emulsion Chemistry,Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Zelikman, et al., Making and Coating Photographic Emulsion, Focal Press, 1964)などに記載された方法を用いて調製することができる。
【0149】
US 3,574,628、同 3,655,394およびGB 1,413,748に記載された単分散乳剤も好ましい。
また、アスペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutoff, Photographic Science and Engineering)、第14巻 248〜 257頁(1970年);US 4,434,226、同 4,414,310、同 4,433,048、同 4,439,520およびGB 2,112,157に記載の方法により簡単に調製することができる。
【0150】
結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。
【0151】
上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭63-264740に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよく、この調製方法は特開昭59-133542に記載されている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
【0152】
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このような工程で使用される添加剤はRDNo.17643、同No.18716および同No.307105に記載されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
【0153】
本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することができる。
【0154】
US 4,082,553に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、US 4,626,498、特開昭 59-214852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用することが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のことをいい、その調製法は、US 4,626,498、特開昭 59-214852に記載されている。粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていてもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、粒子形状は規則的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散性(ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であることが好ましい。
【0155】
本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感光せずに、その現像処理において実質的に現像されないハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされていないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)が0.01〜0.5μmが好ましく、0.02〜0.2μmがより好ましい。
【0156】
微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子の表面は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイド銀を含有させることができる。
【0157】
本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g/m2以下が好ましく、4.5g/m2以下が最も好ましい。
【0158】
本発明に使用できる写真用添加剤もRDに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0159】
Figure 0004302867
【0160】
本発明の感光材料には種々の色素形成カプラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に好ましい。
【0161】
イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わされるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされるカプラー (特に18頁のY-28); EP 568,037Aのクレーム1の式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576のカラム1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式(Y) で表わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41 頁)); US 4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わされるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II-24(カラム19))。
【0162】
マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-68(12 頁右下),L-77(13 頁右下); EP 456,257 の A-4 -63(134頁), A-4 -73,-75(139頁); EP 486,965 のM-4,-6(26 頁),M-7(27頁); EP 571,959AのM-45(19 頁);特開平5-204106の(M-1)(6 頁);特開平4-362631の段落0237のM-22。
【0163】
シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,14,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),34,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特開平6-67385 の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプラー。
【0164】
ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁)。
発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、DE 3,234,533に記載のものが好ましい。
【0165】
発色色素の不要吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202 頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,833,069に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマスキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ましい。
【0166】
写真性有用基を放出するカプラーとしては、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP 378,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で表わされる化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP 436,938A2の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合物(特にD-49(51 頁))、EP 568,037A の式(1) で表わされる化合物(特に(23)(11 頁))、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁のI-(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁の式(I),(I’)で表わされる化合物(特に61頁の(60),(61)) 及び特開平6-59411 の請求項1の式(I) で表わされる化合物(特に(7)(7 頁); リガンド放出化合物:US 4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表わされる化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロイコ色素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のクレーム1のCOUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US 4,656,123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされる化合物(特にカラム25の(I-22)) 及びEP 450,637A2の75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の式(I) で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜Y-19)。
【0167】
カプラー以外の添加剤としては、以下のものが好ましい。
【0168】
油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144 頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US 4,199,363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わされる化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12) (カラム4〜5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24 〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,24,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118 頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特にIII-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-46; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜76),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-24,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US 4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,793のカラム6 〜16のI-1 〜(14), 特にI-1,60,(2),(13), US 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36: 化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開平5-40324 の化合物50; 染料: 特開平3-156450の15〜18頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26のDye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ないし(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,268,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜10), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(66)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1 〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0169】
本発明は、一般用もしくは映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に適用することができる。また、特公平2-32615 、実公平3-39784 に記載されているレンズ付きフイルムユニット用に好適である。
【0170】
本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前述のRD.No.17643 の28頁、同No.18716の 647頁右欄から 648頁左欄、および同No.307105 の 879頁に記載されている。
【0171】
本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下であることが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μm以下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T1/2は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。T1/2は、発色現像液で30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたとき、膜厚がその1/2に到達するまでの時間と定義する。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、T1/2は、エー・グリーン(A.Green)らのフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング (Photogr.Sci.Eng.),19卷、2,124 〜129 頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより測定できる。T1/2は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって調整することができる。また、膨潤率は150〜400 %が好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚 により計算できる。
【0172】
本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μm の親水性コロイド層(バック層と称す)を設けることが好ましい。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率は150〜500%が好ましい。
【0173】
本発明の感光材料は、前述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.18716の 651左欄〜右欄、および同No.307105の880〜881頁に記載された通常の方法によって現像処理することができる。
【0174】
次に、本発明に使用されるカラーネガフイルム用の処理液について説明する。
【0175】
本発明に使用される発色現像液には、特開平4-121739の第9頁右上欄1行〜第11頁左下欄4行に記載の化合物を使用することができる。特に迅速な処理を行う場合の発色現像主薬としては、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)アミノ〕アニリンが好ましい。
【0176】
これらの発色現像主薬は発色現像液1リットル(以下、「L」とも表記する。)あたり0.01〜0.08モルの範囲で使用することが好ましく、特には 0.015〜0.06モル、更には0.02〜0.05モルの範囲で使用することが好ましい。また発色現像液の補充液には、この濃度の 1.1〜3倍の発色現像主薬を含有させておくことが好ましく、特に 1.3〜 2.5倍を含有させておくことが好ましい。
【0177】
発色現像液の保恒剤としては、ヒドロキシルアミンが広範に使用できるが、より高い保恒性が必要な場合は、アルキル基やヒドロキシアルキル基、スルホアルキル基、カルボキシアルキル基などの置換基を有するヒドロキシルアミン誘導体が好ましく、具体的にはN,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキルアミン、N,N−ジ(カルボキシエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。上記の中でも、特にN,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。これらはヒドロキシルアミンと併用してもよいが、好ましくはヒドロキシルアミンの代わりに、1種または2種以上使用することが好ましい。
【0178】
保恒剤は1Lあたり0.02〜 0.2モルの範囲で使用することが好ましく、特に0.03〜0.15モル、更には0.04〜 0.1モルの範囲で使用することが好ましい。また補充液においては、発色現像主薬の場合と同様に、母液(処理タンク液)の 1.1〜3倍の濃度で保恒剤を含有させておくことが好ましい。
【0179】
発色現像液には、発色現像主薬の酸化物のタール化防止剤として亜硫酸塩が使用される。亜硫酸塩は1Lあたり0.01〜0.05モルの範囲で使用するのが好ましく、特には0.02〜0.04モルの範囲が好ましい。補充液においては、これらの 1.1〜3倍の濃度で使用することが好ましい。
【0180】
また、発色現像液のpHは9.8〜11.0の範囲が好ましいが、特には10.0〜10.5が好ましく、また補充液においては、これらの値から0.1〜1.0の範囲で高い値に設定しておくことが好ましい。このようなpHを安定して維持するには、炭酸塩、リン酸塩、スルホサリチル酸塩、ホウ酸塩などの公知の緩衝剤が使用される。
【0181】
発色現像液の補充量は、感光材料1m2あたり80〜1300mLが好ましいが、環境汚濁負荷の低減の観点から、より少ない方が好ましく、具体的には80〜600mL、更には80〜400mLが好ましい。
【0182】
発色現像液中の臭化物イオン濃度は、通常、1Lあたり0.01〜0.06モルであるが、感度を保持しつつカブリを抑制してディスクリミネーションを向上させ、かつ、粒状性を良化させる目的からは、1Lあたり 0.015〜0.03モルに設定することが好ましい。臭化物イオン濃度をこのような範囲に設定する場合に、補充液には下記の式で算出した臭化物イオンを含有させればよい。ただし、Cが負になる時は、補充液には臭化物イオンを含有させないことが好ましい。
【0183】
C=A−W/V
C:発色現像補充液中の臭化物イオン濃度(モル/L)
A:目標とする発色現像液中の臭化物イオン濃度(モル/L)
W:1m2の感光材料を発色現像した場合に、感光材料から発色現像液に溶出する臭化物イオンの量(モル)
V:1m2の感光材料に対する発色現像補充液の補充量(L)。
【0184】
また、補充量を低減した場合や、高い臭化物イオン濃度に設定した場合、感度を高める方法として、1−フェニル−3−ピラゾリドンや1−フェニル−2−メチル−2−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンに代表されるピラゾリドン類や3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールに代表されるチオエーテル化合物などの現像促進剤を使用することも好ましい。
【0185】
本発明における漂白能を有する処理液には、特開平4-125558の第4頁左下欄16行〜第7頁左下欄6行に記載された化合物や処理条件を適用することができる。漂白剤は酸化還元電位が 150mV以上のものが好ましいが、その具体例としては特開平5-72694 、同5-173312に記載のものが好ましく、特に1,3−ジアミノプロパン四酢酸、特開平5-173312号第7頁の具体例1の化合物の第二鉄錯塩が好ましい。
【0186】
また、漂白剤の生分解性を向上させるには、特開平4-251845、同4-268552、EP 588,289、同 591,934、特開平6-208213に記載の化合物第二鉄錯塩を漂白剤として使用することが好ましい。これらの漂白剤の濃度は、漂白能を有する液1Lあたり0.05〜0.3モルが好ましく、特に環境への排出量を低減する目的から、0.1モル〜0.15モルで設計することが好ましい。また、漂白能を有する液が漂白液の場合は、1Lあたり0.2モル〜1モルの臭化物を含有させることが好ましく、特に0.3〜 0.8モルを含有させることが好ましい。
【0187】
漂白能を有する液の補充液には、基本的に以下の式で算出される各成分の濃度を含有させる。これにより、母液中の濃度を一定に維持することができる。
【0188】
CR=CT×(V1+V2)/V1+CP
CR :補充液中の成分の濃度
CT :母液(処理タンク液)中の成分の濃度
CP :処理中に消費された成分の濃度
V1 :1m2の感光材料に対する漂白能を有する補充液の補充量(mL)
V2 :1m2の感光材料による前浴からの持ち込み量(mL)。
【0189】
その他、漂白液にはpH緩衝剤を含有させることが好ましく、特にコハク酸、マレイン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸など、臭気の少ないジカルボン酸を含有させることが好ましい。また、特開昭53-95630、RDNo.17129、US 3,893,858に記載の公知の漂白促進剤を使用することも好ましい。
【0190】
漂白液には、感光材料1m2あたり50〜1000mLの漂白補充液を補充することが好ましく、特には80〜500mL、さらには100〜300mLの補充をすることが好ましい。さらに漂白液にはエアレーションを行なうことが好ましい。
【0191】
定着能を有する処理液については、特開平4-125558の第7頁左下欄10行〜第8頁右下欄19行に記載の化合物や処理条件を適用することができる。
特に、定着速度と保恒性を向上させるために、特開平6-301169の一般式(I)と(II)で表される化合物を、単独あるいは併用して定着能を有する処理液に含有させることが好ましい。またp−トルエンスルフィン酸塩をはじめ、特開平1-224762に記載のスルフィン酸を使用することも、保恒性の向上の上で好ましい。
【0192】
漂白能を有する液や定着能を有する液には、脱銀性の向上の観点からカチオンとしてアンモニウムを用いることが好ましいが、環境汚染低減の目的からは、アンモニウムを減少或いはゼロにする方が好ましい。
【0193】
漂白、漂白定着、定着工程においては、特開平1-309059に記載のジェット撹拌を行なうことが特に好ましい。
【0194】
漂白定着また定着工程における補充液の補充量は、感光材料1m2あたり100〜1000mLであり、好ましくは150〜700mL、特に好ましくは200〜600mLである。 漂白定着や定着工程には、各種の銀回収装置をインラインやオフラインで設置して銀を回収することが好ましい。インラインで設置することにより、液中の銀濃度を低減して処理できる結果、補充量を減少させることができる。また、オフラインで銀回収して残液を補充液として再利用することも好ましい。
【0195】
漂白定着工程や定着工程は複数の処理タンクで構成することができ、各タンクはカスケード配管して多段向流方式にすることが好ましい。現像機の大きさとのバランスから、一般には2タンクカスケード構成が効率的であり、前段のタンクと後段のタンクにおける処理時間の比は、0.5:1〜1:0.5の範囲にすることが好ましく、特には0.8:1〜1:0.8の範囲が好ましい。
【0196】
漂白定着液や定着液には、保恒性の向上の観点から金属錯体になっていない遊離のキレート剤を存在させることが好ましいが、これらのキレート剤としては、漂白液に関して記載した生分解性キレート剤を使用することが好ましい。
【0197】
水洗および安定化工程に関しては、上記の特開平4-125558、第12頁右下欄6行〜第13頁右下欄第16行に記載の内容を好ましく適用することができる。特に、安定液にはホルムアルデヒドに代わってEP 504,609、同 519,190に記載のアゾリルメチルアミン類や特開平4-362943に記載のN−メチロールアゾール類を使用することや、マゼンタカプラーを二当量化してホルムアルデヒドなどの画像安定化剤を含まない界面活性剤の液にすることが、作業環境の保全の観点から好ましい。また、感光材料に塗布された磁気記録層へのゴミの付着を軽減するには、特開平6-289559に記載の安定液が好ましく使用できる。
【0198】
水洗および安定液の補充量は、感光材料1m2あたり80〜1000mLが好ましく、特には 100〜500mL、さらには150〜300mLが、水洗または安定化機能の確保と環境保全のための廃液減少の両面から好ましい範囲である。このような補充量で行なう処理においては、バクテリアや黴の繁殖防止のために、チアベンダゾール、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3オン、5−クロロ−2−メチルイソチアゾリン−3−オンのような公知の防黴剤やゲンタマイシンのような抗生物質、イオン交換樹脂等によって脱イオン処理した水を用いることが好ましい。脱イオン水と防菌剤や抗生物質は、併用することがより効果的である。
【0199】
また、水洗または安定液タンク内の液は、特開平3-46652、同3-53246、同-355542、同3-121448、同3-126030に記載の逆浸透膜処理を行なって補充量を減少 させることも好ましく、この場合の逆浸透膜は、低圧逆浸透膜であることが好ましい。
【0200】
本発明における処理においては、発明協会公開技報、公技番号94-4992 に開示された処理液の蒸発補正を実施することが特に好ましい。特に第2頁の(式−1)に基づいて、現像機設置環境の温度及び湿度情報を用いて補正する方法が好ましい。蒸発補正に使用する水は、水洗の補充タンクから採取することが好ましく、その場合は水洗補充水として脱イオン水を用いることが好ましい。
【0201】
本発明に用いられる処理剤としては、上記公開技報の第3頁右欄15行から第4頁左欄32行に記載のものが好ましい。また、これに用いる現像機としては、第3頁右欄の第22行から28行に記載のフイルムプロセサーが好ましい。
【0202】
本発明を実施するに好ましい処理剤、自動現像機、蒸発補正方式の具体例については、上記の公開技報の第5頁右欄11行から第7頁右欄最終行までに記載されている。
【0203】
本発明に使用される処理剤の供給形態は、使用液状態の濃度または濃縮された形の液剤、あるいは顆粒、粉末、錠剤、ペースト状、乳液など、いかなる形態でもよい。このような処理剤の例として、特開昭63-17453には低酸素透過性の容器に収納した液剤、特開平4-19655 、同4-230748には真空包装した粉末あるいは顆粒、同4-221951には水溶性ポリマーを含有させた顆粒、特開昭51-61837、特開平6-102628には錠剤、特表昭57-500485 にはペースト状の処理剤が開示されており、いずれも好ましく使用できるが、使用時の簡便性の面から、予め使用状態の濃度で調製してある液体を使用することが好ましい。
【0204】
これらの処理剤を収納する容器には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどが、単独あるいは複合材料として使用される。これらは要求される酸素透過性のレベルに合わせて選択される。発色現像液などの酸化されやすい液に対しては、低酸素透過性の素材が好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンとナイロンの複合材料が好ましい。これらの材料は500〜1500μmの厚さで、容器に使用され、酸素透過性を20mL/m2・24hrs・atm以下にすることが好ましい。
【0205】
次に本発明に使用されるカラー反転フイルム用の処理液について説明する。
【0206】
カラー反転フイルム用の処理については、アズテック有限会社発行の公知技術第6号(1991年4月1日)第1頁5行〜第10頁5行、及び第15頁8行〜第24頁2行に詳細に記載されており、その内容はいずれも好ましく適用することができる。
【0207】
カラー反転フイルムの処理においては、画像安定化剤は調整浴か最終浴に含有される。このような画像安定化剤としては、ホルマリンのほかにホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム、N−メチロールアゾール類があげられるが、作業環境の観点からホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムかN−メチロールアゾール類が好ましく、N−メチロールアゾール類としては、特にN−メチロールトリアゾールが好ましい。また、カラーネガフイルムの処理において記載した発色現像液、漂白液、定着液、水洗水などに関する内容は、カラー反転フイルムの処理にも好ましく適用できる。
【0208】
上記の内容を含む好ましいカラー反転フイルムの処理剤として、イーストマンコダック社のE−6処理剤及び富士写真フイルム(株)のCR−56処理剤をあげることができる。
【0209】
(実施例1)
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するがこれに限定されるものではない。
【0210】
試料101の作製
下塗りを施した厚み127μの三酢酸セルロースフィルム支持体上に、下記の組成の各層より成る多層カラー感光材料を作製し、試料101とした。数字はm2当りの添加量を表わす。なお添加した化合物の効果は記載した用途に限らない。
【0211】
第1層:ハレーション防止層
黒色コロイド銀 0.15g
ゼラチン 2.00g
紫外線吸収剤U−1 0.15g
紫外線吸収剤U−3 0.040g
紫外線吸収剤U−4 0.20g
高沸点有機溶媒Oil−1 0.10g
染料D−4 1.0mg
染料D−8 2.5mg
染料E-1の微結晶固体分散物 0.10g。
【0212】
第2層:中間層
ゼラチン 0.30g
化合物Cpd−C 0.5mg
化合物Cpd−J 1.5mg
化合物Cpd−K 4.0mg
化合物Cpd−G 0.30g
紫外線吸収剤U−6 0.02g
高沸点有機溶媒Oil−3 0.010g
高沸点有機溶媒Oil−4 0.020g
高沸点有機溶媒Oil−5 2.0mg
高沸点有機溶媒Oil−7 2.0mg
高沸点有機溶媒Oil−8 5.0mg
染料D−7 2.5mg。
【0213】
第3層:中間層
黄色コロイド銀 銀量 0.010g
ゼラチン 0.30g
化合物Cpd−M 0.015g
化合物Cpd−F 0.10g
高沸点有機溶媒0il−3 0.050g。
【0214】
第4層:低感度赤感性乳剤層
乳剤A 銀量 0.18g
乳剤B 銀量 0.20g
乳剤C 銀量 0.20g
ゼラチン 0.60g
カプラーC−1 0.14g
カプラーC−2 0.070g
カプラーC−9 0.010g
化合物Cpd−C 5.0mg
化合物Cpd−I 0.020g
化合物Cpd−J 5.0mg
高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g
添加物P−1 0.10g。
【0215】
第5層:中感度赤感性乳剤層
乳剤C 銀量 0.25g
乳剤D 銀量 0.20g
ゼラチン 0.70g
カプラーC−1 0.20g
カプラーC−2 0.15g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g
添加物P−1 0.10g。
【0216】
第6層:高感度赤感性乳剤層
乳剤E 銀量 0.25g
乳剤F 銀量 0.25g
ゼラチン 1.30g
カプラーC−1 0.10g
カプラーC−2 0.050g
カプラーC−3 0.70g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g
化合物Cpd−F 0.10g
添加物P−1 0.10g。
【0217】
第7層:中間層
ゼラチン 0.60g
添加物P−2 0.30g
化合物Cpd−I 2.6mg
染料D−5 0.020g
染料D−6 0.010g
化合物Cpd−M 0.040g
化合物Cpd−O 3.0mg
化合物Cpd−P 2.5mg
化合物Cpd−F 0.30g
高沸点有機溶媒Oil−1 0.020g
高沸点有機溶媒Oil−6 0.050g。
【0218】
第8層:中間層
黄色コロイド銀 銀量 0.010g
ゼラチン 0.40g
添加物P−1 0.05g
化合物Cpd−A 0.10g
化合物Cpd−M 0.10g
高沸点有機溶媒Oil−6 0.10g。
【0219】
第9層:低感度緑感性乳剤層
乳剤G 銀量 0.25g
乳剤H 銀量 0.30g
乳剤I 銀量 0.25g
ゼラチン 1.00g
カプラーC−7 0.80g
カプラーC−8 0.50g
カプラーC−11 0.080g
化合物Cpd−B 0.030g
化合物Cpd−D 0.020g
化合物Cpd−E 0.020g
化合物Cpd−G 2.5mg
化合物Cpd−F 0.040g
化合物Cpd−K 2.0mg
化合物Cpd−L 0.020g
高沸点有機溶媒Oil−1 0.05g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g。
【0220】
第10層:中感度緑感性乳剤層
乳剤I 銀量 0.20g
乳剤J 銀量 0.20g
ゼラチン 0.50g
カプラーC−4 0.10g
カプラーC−11 0.070g
化合物Cpd−B 0.030g
化合物Cpd−D 0.020g
化合物Cpd−F 0.050g
化合物Cpd−G 2.0mg
高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g。
【0221】
第11層:高感度緑感性乳剤層
乳剤K 銀量 0.45g
ゼラチン 0.60g
カプラーC−4 0.20g
カプラーC−11 0.10g
化合物Cpd−B 0.080g
化合物Cpd−D 0.020g
化合物Cpd−F 0.040g
化合物Cpd−K 5.0mg
高沸点有機溶媒Oil−2 0.15g。
【0222】
第12層:中間層
ゼラチン 0.30g
化合物Cpd−M 0.05g
高沸点有機溶媒Oil−3 0.025g
高沸点有機溶媒Oil−6 0.025g。
【0223】
第13層:イエローフィルター層
黄色コロイド銀 銀量 5.0mg
ゼラチン 1.00g
化合物Cpd−C 0.010g
化合物Cpd−M 0.030g
化合物Cpd−L 0.010g
高沸点有機溶媒Oil−1 0.020g
染料E−2の微結晶固体分散物 0.030g
染料E−3の微結晶固体分散物 0.020g。
【0224】
第14層:中間層
ゼラチン 0.30g。
【0225】
第15層:低感度青感性乳剤層
乳剤L 銀量 0.20g
乳剤M 銀量 0.20g
ゼラチン 0.80g
カプラーC−5 0.20g
カプラーC−6 0.10g
カプラーC−10 0.13g
化合物Cpd−I 0.010g
化合物Cpd−M 0.010g。
【0226】
第16層:中感度青感性乳剤層
乳剤N 銀量 0.20g
乳剤O 銀量 0.20g
ゼラチン 0.90g
カプラーC−5 0.10g
カプラーC−6 0.10g
カプラーC−10 0.13g
化合物Cpd−N 2.0mg
化合物Cpd−K 2.0mg
高沸点有機溶媒Oil−2 0.050g。
【0227】
第17層:高感度青感性乳剤層
乳剤O 銀量 0.20g
乳剤P 銀量 0.25g
ゼラチン 1.20g
カプラーC−5 0.10g
カプラーC−6 0.10g
カプラーC−10 0.90g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g
化合物Cpd−N 5.0mg
化合物Cpd−Q 0.20g。
【0228】
第18層:第1保護層
ゼラチン 0.70g
紫外線吸収剤U−1 0.20g
紫外線吸収剤U−2 0.050g
紫外線吸収剤U−5 0.30g
化合物Cpd−O 5.0mg
化合物Cpd−A 0.030g
化合物Cpd−H 0.20g
染料D−1 0.10g
染料D−2 0.050g
染料D−3 0.07g
高沸点有機溶媒Oil−3 0.10g。
【0229】
第19層:第2保護層
Figure 0004302867
【0230】
第20層:第3保護層
Figure 0004302867
【0231】
また、すべての乳剤層には上記組成物の他に添加剤F−1〜F−10を添加した。さらに各層には上記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化用界面活性剤W−3、W−4、W−5、W−6を添加した。
【0232】
更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシエタノール、フェネチルアルコール、p−安息香酸ブチルエステルを添加した。
【0233】
【表1】
Figure 0004302867
【0234】
【表2】
Figure 0004302867
【0235】
【表3】
Figure 0004302867
【0236】
【化44】
Figure 0004302867
【0237】
【化45】
Figure 0004302867
【0238】
【化46】
Figure 0004302867
【0239】
【化47】
Figure 0004302867
【0240】
【化48】
Figure 0004302867
【0241】
【化49】
Figure 0004302867
【0242】
【化50】
Figure 0004302867
【0243】
【化51】
Figure 0004302867
【0244】
【化52】
Figure 0004302867
【0245】
【化53】
Figure 0004302867
【0246】
【化54】
Figure 0004302867
【0247】
【化55】
Figure 0004302867
【0248】
【化56】
Figure 0004302867
【0249】
【化57】
Figure 0004302867
【0250】
【化58】
Figure 0004302867
【0251】
【化59】
Figure 0004302867
【0252】
【化60】
Figure 0004302867
【0253】
【化61】
Figure 0004302867
【0254】
有機固体分散染料の分散物の調製
染料E−1を以下の方法で分散した。即ち、メタノールを30%含む染料のウェットケーキ1430gに水及びBASF社製Pluronic F88(エチレンオキシド−プロピレンオキシド ブロック共重合体)200gを加えて攪拌し、染料濃度6%のスラリーとした。次に、アイメックス(株)製ウルトラビスコミル(UVM−2)に平均粒径0.5mmのジルコニアビースを1700mL充填し、スラリーを通して周速約11m/sec 、吐出量0.5L/minで8時間粉砕した。ビーズを濾過して除き、水を加えて染料濃度3%に希釈した後、安定化のために90℃で12時間加熱した。得られた染料微粒子の平均粒径は0.58μmであり、粒径の分布の広さ(粒径標準偏差×100/平均粒径)は18%であった。
【0255】
同様にして、染料E−2、E−3の固体分散物を得た。平均粒径は0.50μmおよび0.54μmであった。
【0256】
試料101の第4層、第5層、第6層のカプラーを表4に示したとおりに置き換えて試料102〜117を作成した。カプラーの置き換えにあたっては、C−1、C−2、C−3に対し、本発明のカプラーまたは比較カプラーは0.5倍モルで置き換え、( )内に示した量(カプラーに対する重量比)の高沸点有機溶媒Oil−2を添加した(試料101に添加している高沸点有機溶媒Oil−2を除いた状態からの添加量)。(0)は、高沸点有機溶媒Oil−2を全く使用しなかったことを表す。また、別な種類の高沸点有機溶媒とした場合は表4に記載した。
【0257】
【表4】
Figure 0004302867
【0258】
本実施例では下記の現像処理Aを施した。処理にあたってはフジクロームRVP、RDPII、エクタクロームEPR、E100Sの50%を白色光で完全に露光したものをそれぞれ1:2:1:2の割合で、補充量がタンク容量の5倍になるまで通した後に使用した。
【0259】
処理工程 時間 温度 タンク容量 補充量
第一現像 6分 38℃ 12L 2200mL/m2
第一水洗 2分 38℃ 4L 7500mL/m2
反 転 2分 38℃ 4L 1100mL/m2
発色現像 6分 38℃ 12L 2200mL/m2
前漂白 2分 38℃ 4L 1100mL/m2
漂 白 6分 38℃ 12L 220mL/m2
定 着 4分 38℃ 8L 1100mL/m2
第二水洗 4分 38℃ 8L 7500mL/m2
最終リンス 1分 25℃ 2L 1100mL/m2
【0260】
各処理液の組成は以下の通りであった。
【0261】
Figure 0004302867
pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0262】
Figure 0004302867
pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0263】
Figure 0004302867
pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0264】
Figure 0004302867
pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0265】
Figure 0004302867
pHは硝酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0266】
Figure 0004302867
pHは酢酸又はアンモニア水で調整した。
【0267】
Figure 0004302867
【0268】
(試料の評価)
(色再現性の評価)
試料101〜117を135サイズに裁断、パトローネ形態に加工してカメラに装填し、反射濃度1.0の中性グレーチャートを撮影、上記の現像処理を施した。処理後のグレーバランスが合うようなフィルター条件をそれぞれの試料について求め、そのフィルターを介して緑、シアンの被写体を撮影した。撮影し、現像処理した結果を、富士写真フイルム株式会社足柄研究所にて画像評価に携わるもの10名で官能評価し、オリジナルの彩度がどの程度再現できているかを1人10点満点で採点し、合計した。
【0269】
(画像保存性の評価)
試料101〜117を連続的に濃度が変化しているウエッジを介して、色温度4800Kの白色光で露光IV、第2水洗の時間を1分とし、かつ補充量を処理する感光材料1m2あたり1000mLに減らした以外は同様にした現像処理工程Bを施した。処理後の試料の濃度を測定した後に、試料を60℃70%RHの条件下に40日間保存した後に再び濃度を測定した。画像保存性の評価として、Dmax部分のシアン濃度の減少について表5に示した。
【0270】
【表5】
Figure 0004302867
【0271】
表5に示したとおり、本発明のカプラーは色再現性に優れ、堅牢な画像を形成できるので好ましい。またブリックス褪色の試験を行なったところ、本発明のカプラーは、いずれもブリックス褪色せず、優れていた。
【0272】
(実施例2)
紙の両面をポリエチレン樹脂で被覆してなる支持体の表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに第一層〜第七層の写真構成層を順次塗設して、以下に示す層構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料の試料(201)を作製した。各層のゼラチン硬化剤としては、H−A、H−BおよびH−Cを用いた。
【0273】
また、各層にAb−1、Ab−2、Ab−3およびAb−4をそれぞれ全量が15.0mg/m2、60.0mg/m2、5.0mg/m2および10.0mg/m2となるように添加した。
【0274】
【化62】
Figure 0004302867
【0275】
各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には以下の分光増感色素及び晶相制御剤1をそれぞれ用いた。
【0276】
青感性乳剤層
【化63】
Figure 0004302867
【0277】
(増感色素AおよびCをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対してはそれぞれ0.42×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては0.50×10-4モル添加した。増感色素Bをハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤に対してはそれぞれ3.4×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては4.1×10-4モル添加した。)。
【0278】
緑感性乳剤層
【化64】
Figure 0004302867
【0279】
(増感色素Dをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては3.0×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては3.6×10-4モル、また、増感色素Eをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては4.0×10-5モル、小サイズ乳剤に対しては7.0×10-5モル、また、増感色素Fをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては2.0×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては2.8×10-4モル添加した。)。
【0280】
赤感性乳剤層
【化65】
Figure 0004302867
【0281】
(増感色素GおよびHを、ハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては8.0×10-5モル、小サイズ乳剤に対しては10.7×10-5モル添加した。)。
【0282】
さらに、以下の化合物Iを赤感性乳剤層にハロゲン化銀1モル当たり3.0×10-3モル添加した。
【0283】
【化66】
Figure 0004302867
【0284】
また、青感性乳剤層、緑感性乳剤層および赤感性乳剤層に対し、1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを、それぞれハロゲン化銀1モル当り3.3×10-4モル、1.0×10-3モルおよび5.9×10-4モル添加した。
【0285】
さらに、第二層、第四層、第六層および第七層にも、それぞれ0.2mg/m2、0.2mg/m2、0.6mg/m2、0.1mg/m2となるように添加した。
【0286】
また、青感性乳剤層および緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを、それぞれハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モル、2×10-4モル添加した。
【0287】
また、赤感性乳剤層にメタクリル酸とアクリル酸ブチルの共重合体ラテックス(重量比1:1、平均分子量200000〜400000)を0.05g/m2を添加した。
【0288】
また第二層、第四層および第六層にカテコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウムをそれぞれ6mg/m2、6mg/m2、18mg/m2となるように添加した。
【0289】
また、イラジエーション防止のために、以下の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加した。
【0290】
【化67】
Figure 0004302867
【0291】
(層構成)
以下に、各層の構成を示す。数字は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。
【0292】
支持体
ポリエチレン樹脂ラミネート紙
[第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO2;含有率16重量%、ZnO;含有率4重量%]と蛍光増白剤(4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリル)スチルベン。含有率0.03重量%)、青味染料(群青)を含む]。
【0293】
第一層(青感性乳剤層)
Figure 0004302867
【0294】
第二層(混色防止層)
ゼラチン 0.99
混色防止剤(Cpd−4) 0.09
混色防止剤(Cpd−19) 0.03
混色防止助剤(Cpd−5) 0.018
安定剤(Cpd−6) 0.13
混色防止剤(Cpd−7) 0.01
溶媒(Solv−1) 0.06
溶媒(Solv−2) 0.22
溶媒(Solv−6) 0.05。
【0295】
第三層(緑感性乳剤層)
Figure 0004302867
【0296】
第四層(混色防止層)
ゼラチン 0.71
混色防止剤(Cpd−4) 0.06
混色防止助剤(Cpd−5) 0.013
安定剤(Cpd−6) 0.10
混色防止剤(Cpd−7) 0.007
溶媒(Solv−1) 0.04
溶媒(Solv−2) 0.16。
【0297】
第五層(赤感性乳剤層)
Figure 0004302867
【0298】
第六層(紫外線吸収層)
ゼラチン 0.46
紫外線吸収剤(UV−B) 0.45
溶媒(Solv−7) 0.25。
【0299】
第七層(保護層)
ゼラチン 1.00
ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体
(変性度17%) 0.04
流動パラフィン 0.02
界面活性剤(Cpd−13) 0.01。
【0300】
【化68】
Figure 0004302867
【0301】
【化69】
Figure 0004302867
【0302】
【化70】
Figure 0004302867
【0303】
【化71】
Figure 0004302867
【0304】
【化72】
Figure 0004302867
【0305】
【化73】
Figure 0004302867
【0306】
【化74】
Figure 0004302867
【0307】
【化75】
Figure 0004302867
【0308】
【化76】
Figure 0004302867
【0309】
試料201の第5層のカプラーExC−2を等モルの表6に示したカプラーと置き換えた以外は試料201と同様にして、試料202〜210を作成した。
【0310】
【表6】
Figure 0004302867
【0311】
試料201〜210をイエロー、マゼンタ、シアン及びグレーの画像ができるような像様露光を与え、その後、処理A及び処理Bの2通りの処理を行ない、濃度を測定した。その後、試料を60℃70%RHの条件下で40日間保存し、その前後における濃度変化(処理直後のグレー画像中のシアン濃度2.0を与えた点の濃度変化)を測定した。後述の処理Aと処理Bの2通りについて求め、処理Bの濃度変化/処理Aの濃度変化を表6に示した。この値が1である場合は、処理A及び処理Bで画像の堅牢性に変化がないことを示し、1より大きい場合には、処理Bで画像の堅牢性が悪化したことを示す。
【0312】
表6からわかるように、本発明のカプラーは迅速処理(処理B)をした場合においても画像の堅牢性が悪化せず、好ましい結果を与えた。
【0313】
処理A
上記感光材料201及び208を127mm巾のロール状に加工し、富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタープロセッサー PP1258ARを用いて像様露光後下記処理工程にてカラー現像タンク容量の2倍補充するまで、連続処理(ランニングテスト)を行った(201:208=1:1)。このランニング液を用いた処理を処理Aとした。
【0314】
処理工程 温 度 時 間 補充量
カラー現像 38.5℃ 45秒 45mL
漂白定着 38.0℃ 45秒 35mL
リンス(1) 38.0℃ 20秒 −
リンス(2) 38.0℃ 20秒 −
リンス(3) **38.0℃ 20秒 −
リンス(4) **38.0℃ 30秒 121mL
*感光材料1m2当たりの補充量
**富士写真フイルム社製 リンスクリーニングシステムRC50Dをリンス(3)に装置し、リンス(3)からリンス液を取り出し、ポンプにより逆浸透膜モジュール(RC50D)へ送る。同槽で得られた透過水はリンス(4)に供給し、濃縮水はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュールへの透過水量は50〜300mL/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。
(リンスは(1)から(4)へのタンク向流方式とした。)。
【0315】
各処理液の組成は以下の通りである。
Figure 0004302867
【0316】
Figure 0004302867
【0317】
Figure 0004302867
【0318】
処理B
上記感光材料201および208を127mm巾のロール状に加工し、像様露光後下記処理工程にてカラー現像タンク容量の2倍補充するまで、連続処理(ランニングテスト)を行った(201:208=1:1)。このランニング液を用いた処理を処理Bとした。処理は処理工程時間短縮のため搬送速度を上げる様改造した富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタープロセッサー PP1258ARを用いた。
【0319】
処理工程 温度 時間 補充量
カラー現像 45.0℃ 12秒 45mL
漂白定着 40.0℃ 12秒 35mL
リンス(1) 40.0℃ 4秒 −
リンス(2) 40.0℃ 4秒 −
リンス(3)**40.0℃ 4秒 −
リンス(4)**40.0℃ 4秒 121mL
*感光材料1m2当たりの補充量
**富士写真フイルム社製 リンスクリーニングシステムRC50Dをリンス(3)に装置し、リンス(3)からリンス液を取り出し、ポンプにより逆浸透膜モジュール(RC50D)へ送る。同槽で得られた透過水はリンス(4)に供給し、濃縮水はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュールへの透過水量は50〜300ミリリットル/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。
(リンスは(1)から(4)へのタンク向流方式とした。)。
【0320】
各処理液の組成は以下の通りである。
【0321】
Figure 0004302867
【0322】
Figure 0004302867
【0323】
Figure 0004302867

Claims (13)

  1. 支持体上の少なくとも一層に下記一般式(III)で表されるカプラーを含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    一般式(III)
    Figure 0004302867
    一般式(III)中、Xは水素原子または芳香族第一級アミンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応において離脱しうる基を表す。R1及びR2はそれぞれハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、かつ、R1とR2のσp値の和は、0.65以上である。R3とR4連結して窒素原子で結合した5員または6員環を形成する。R11〜R14は各々独立に、水素原子または置換基を表わす。
  2. 前記R 3 とR 4 が連結して窒素原子で結合した6員環を形成する、請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  3. 3 とR 4 が連結して形成される前記5員または6員環が、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペリジル、ピペリジノ、ピロリジニル、ピロリル、モルホリル、モルホリノ、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリニルまたはピペラジニルである、請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 3 とR 4 が連結して形成される前記5員または6員環が、モルホリノ、アシル基で置換されたピペラジニル、ピペリジノ、カルボキシル基で置換されたピペリジノである、請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 3 とR 4 が連結して形成される前記5員または6員環が、モルホリノ、ピペラジニル、ピペリジノである、請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  6. 下記一般式(III)で表されるピロロトリアゾール化合物。
    一般式(III)
    Figure 0004302867
    一般式(III)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜32のアルキルオキシ基、炭素数6〜32のアリールオキシ基、炭素数1〜32のアルキルチオ基、炭素数6〜32のアリールチオ基、炭素数2〜32のヘテロ環チオ基、炭素数2〜32のアルキルオキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜32のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜32のカルバモイルオキシ基、炭素数3〜32のヘテロ環カルボニルオキシ基、カップリング活性位に窒素原子で結合する5員もしくは6員の炭素数2〜32の含窒素ヘテロ環基を表す。R1及びR2はそれぞれハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、かつ、R1とR2のσp値の和は、0.65以上である。R3とR4連結して窒素原子で結合した5員または6員環を形成する。R11〜R14は各々独立に、水素原子または置換基を表わす。
  7. 3 とR 4 が連結して形成される前記5員または6員環が、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペリジル、ピペリジノ、ピロリジニル、ピロリル、モルホリル、モルホリノ、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリニルまたはピペラジニルである、請求項6に記載のピロロトリアゾール化合物。
  8. 3 とR 4 が連結して形成される前記5員または6員環が、モルホリノ、アシル基で置換されたピペラジニル、ピペリジノ、カルボキシル基で置換されたピペリジノである、請求項6に記載のピロロトリアゾール化合物。
  9. 3 とR 4 が連結して形成される前記5員または6員環が、モルホリノ、ピペラジニル、ピペリジノである、請求項6に記載のピロロトリアゾール化合物。
  10. 前記R 11 またはR 14 がニトロ基である、請求項6に記載のピロロトリアゾール化合物。
  11. 11 またはR 14 の何れか一方が、ニトロ基、置換されたアリールスルホニルアミノ基、または置換されたアシルアミノ基であり、R 11 またはR 14 の他方が水素原子であり、R 12 およびR 13 が水素原子である、請求項6に記載のピロロトリアゾール化合物。
  12. 前記の一般式(III)で表される化合物が下記一般式(IV)で表されることを特徴とする請求項6記載のピロロトリアゾール化合物。
    一般式(IV)
    Figure 0004302867
    一般式(IV)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環カルボニルオキシ基を表す。R3とR4連結して窒素原子で結合した5員または6員環を形成する。R11は、置換もしくは無置換のアシルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基を表わす。R12、R13、R14は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子またはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基を表わす。R21、R22、R23、R24、R25は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Zは、5〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群を表わし、この環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。
  13. 前記の一般式(III)で表されるカプラーが下記一般式(V)で表されることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    一般式(V)
    Figure 0004302867
    一般式(V)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環カルボニルオキシ基を表す。R3とR4連結して窒素原子で結合した5員または6員環を形成する。R11は、置換もしくは無置換のアシルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基を表わす。R12、R13、R14は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子またはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基を表わす。R21、R22、R23、R24、R25は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Zは、5〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群を表わし、この環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。
JP2000282530A 1999-09-30 2000-09-18 ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び新規なピロロトリアゾール化合物 Expired - Fee Related JP4302867B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000282530A JP4302867B2 (ja) 1999-09-30 2000-09-18 ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び新規なピロロトリアゾール化合物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27983899 1999-09-30
JP11-279838 1999-09-30
JP2000282530A JP4302867B2 (ja) 1999-09-30 2000-09-18 ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び新規なピロロトリアゾール化合物

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001163887A JP2001163887A (ja) 2001-06-19
JP2001163887A5 JP2001163887A5 (ja) 2005-11-10
JP4302867B2 true JP4302867B2 (ja) 2009-07-29

Family

ID=26553505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000282530A Expired - Fee Related JP4302867B2 (ja) 1999-09-30 2000-09-18 ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び新規なピロロトリアゾール化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4302867B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001163887A (ja) 2001-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2678832B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2893100B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP4010824B2 (ja) 色素形成カプラー、ハロゲン化銀写真感光材料およびアゾメチン色素化合物
JP4189120B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
US6495697B1 (en) Silver halide color photographic lightsensitive material and novel pyrrolotriazole compound
JP2772880B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP4302867B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び新規なピロロトリアゾール化合物
JP3793328B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP3816810B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
EP0800113B1 (en) Silver halide color photographic light-sensitive material
JPS61177454A (ja) ハロゲン化銀カラ−写真感光材料
EP0606659B1 (en) Silver halide color photographic material and color image forming method
JP3761710B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2004046138A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
EP1363161B1 (en) Silver halide color photographic lightsensitive material
JP2879491B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH05204110A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH0588318A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびポジ画像の形成方法
JP2003107643A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH11282138A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH0990576A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH05289263A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH06175315A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH0566529A (ja) カラー画像の減力方法
JPH06148838A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050928

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050928

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090421

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090423

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees