JP3793328B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料に関し、さらに詳しくは発色性、迅速処理に優れたカラー写真感光材料において、特に処理液の管理が必ずしも十分でなく、補充量、pH、温度等が適正範囲から外れたような場合においても、著しい画像の劣化がなく、且つ、色再現性、画像安定性が改良されたカラー写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、露光されたハロゲン化銀を酸化剤として、酸化された芳香族第一級アミン系カラー現像主薬とカプラーが反応して、インドフェノール、インドアニリン、インダミン、アゾメチン、フェノキサジン、フェナジン等の色素ができ、画像が形成されることはよく知られている。この写真方式においては、減色法が用いられており、イエロー、マゼンタ、シアン色素によって色画像が形成される。
これらのうち、シアン色素画像を形成するためには、従来、フェノール、又はナフトール系カプラーが用いられている。しかしながら、これらのカプラーから形成される色素は、イエローからマゼンタの領域において好ましくない吸収を持っているために、色再現性を悪化させる問題を有しており、これを解決することが切に望まれている。
【0003】
この問題を解決する手段として、米国特許第4,728,598号、同4,873,183号、欧州特許出願公開第0249453A2号等に記載のヘテロ環化合物が提案されている。しかしこれらのカプラーは、カップリング活性が低かったり、色素の堅牢性が悪い等の致命的欠点を有している。
これらの問題を克服したカプラーとして、米国特許第5,256,526号、欧州特許第0545300号に記載のピロロトリアゾールカプラーが提案されている。これらのカプラーは、色相、カップリング活性と言う点で優れている。しかしながら生成色素画像の堅牢性は必ずしも充分ではなく、特に低発色濃度部での光堅牢性が従来のカプラーより劣っており改良が望まれていた。さらに、白地の白色度が経時後も、より高いことが望まれていた。
【0004】
一方で、処理工程の分野では、市場ニーズに応えるため迅速化、低補充化が進められている。迅速処理を行うためにはカプラーが高活性であることが重要であり、この観点でバラスト基を直鎖アルキルにする、解離性基を導入する、pKaを下げる等の工夫をしたカプラー開発が進められてきた。しかし、このようなカプラーの高活性化は同時に好ましくないカブリやステインを増大させる原因となる。感材への負荷が大きくなる低補充処理では高活性化と、カブリおよびステインの抑制との両立が特に重要な課題となっている。
更にラボにおいては必ずしも十分な処理液管理が行われておらず、補充量、pH設定等が適正値よりずれて処理されるケースがある。
このような処理では上記のカブリやステインの他、処理混色などが悪化し、カラー写真の仕上がり品質に大きな影響が出ているのが実態である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は発色性、迅速処理性の改良された高活性のカプラーを使用したハロゲン化銀カラー写真感光材料に対して、低補充で管理状態が必ずしも良好でない処理を施しても、カブリやステインが少なく、且つ色再現性、画像安定性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することにある。
【0006】
本発明の前記目的は、以下の構成(1)〜(12)のハロゲン化銀カラー写真感光材料により達成された。
即ち、
(1)支持体上にイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層およびシアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の各層を少なくとも一層ずつ有し、かつ、感光性のない非発色性の親水性コロイド層を少なくとも一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該シアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層にpKaが8.7以下のシアン色素形成カプラーの少なくとも一種を含有し、かつ、該非発色性の親水性コロイド層に下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0007】
【化4】
Figure 0003793328
【0008】
一般式(I)中1、R2は各々独立に、水素原子、無置換アルキル基、下記置換基で置換されたアルキル基またはアリール基を表す。R3、R4は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R5はアリール基を表す。ただし、R1、R2、R3、R4およびR5の炭素数の合計は13以下になることはない。
置換基:ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイルアミノ基およびアルコキシカルボニルアミノ基からなる群から選択される基
(2)前記一般式(I)において、1)R 1 が炭素数12〜24の無置換の直鎖もしくは分岐アルキル基、またはアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換された炭素数12〜36のアルキル基であるか、または2)R 5 が炭素数12〜30のアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基およびアシルアミノ基からなる群から選択される置換基で置換されたアリール基であることを特徴とする(1)項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(3)前記1)におけるR 1 の炭素数が14〜20であることを特徴とする(2)項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)または(III)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0009】
【化5】
Figure 0003793328
【0010】
一般式(II)中、Ra、Rbは、各々独立に、アリール基、無置換アルキル基または前記置換基で置換されたアルキル基を表す。R3、R4は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R5はアリール基を表す。
一般式(III)中、R3、R4、R5は、各々独立に一般式(II)のものと同義である。Rc
無置換アルキル基、前記置換基で置換されたアルキル基またはアリール基を表す。
(5)前記一般式( II) または (III) で表される化合物の分子量が350以上であることを特徴とする(4)項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(6)前記一般式(I)で表される化合物が前記一般式 (III) で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(7)前記一般式 (III) において、R が無置換アルキル基または前記置換基で置換されたアルキル基であり、R 、R がともに水素原子であり、かつR が置換または無置換アリール基であることを特徴とする(4)〜(6)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(8)前記一般式 (III) において、R が無置換アルキル基であり、かつR が無置換アリール基であることを特徴とする(7)項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(9)前記シアン色素形成カプラーが下記一般式(IV)で表される化合物より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする(1)〜8のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0011】
【化6】
Figure 0003793328
【0012】
一般式(IV)中、Za、Zbはそれぞれ−C(R8)=または、−N=を表す。ただしZa、Zbのいずれかは、−N=であり、他方は−C(R8)=である。R6およびR7は、それぞれハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引基を表し、且つR6とR7のσp値の和は0.65以上である。R8は水素原子または置換基を表す。Xは水素原子、または芳香族第一級アミンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応において離脱しうる基を表す。R6、R7、R8または、Xの基が2価の基になり、2量体以上の多量体や高分子鎖と結合して単重合体もしくは共重合体を形成しても良い。
(10)前記シアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に、更に前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(11)前記シアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に、更に前記一般式(III) で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(12)前記イエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または前記マゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層に更に一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする(1)〜(11)のいずれか1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp 値について若干説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年 L.P. Hammett により提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp 値とσm 値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange's Handbook of Chemistry 」第12版、1979年(Mc Graw-Hill) や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σp により限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明の一般式(IV)で表される化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp 値を使用する。本発明においては今後、σp 値をこのような意味で使用する。また、本発明でいう「親油性」とは室温下での水に対する溶解度が10%以下のものである。
【0014】
本明細書中、脂肪族とは、直鎖、分岐又は環状で飽和であっても不飽和であってもよく、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、またはシクロアルケニルを表し、これらはさらに置換基を有していても良い。また、芳香族とはアリールを表し、これはさらに置換基を有していても良く、複素環(ヘテロ環)とは環内にヘテロ原子を持つものであり、芳香族基であるものをも含み、さらに置換基を有してもかまわない。本明細書中の置換基およびこれらの脂肪族、芳香族及び複素環における有してもよい置換基としては、特に規定のない限り置換可能な基であればよく、例えば脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、複素環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、脂肪族カルバモイル基、芳香族カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基、脂肪族フルファモイル基、芳香族スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、芳香族スルホンアミド基、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基、脂肪族スルフイニル基、芳香族スルフイニル基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシアミノ基、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0015】
以下に本発明の一般式(I)で表される化合物について詳しく説明する。
一般式(I)で表される化合物において、R1 またはR2 がアルキル基である場合、それぞれ置換基を含めた炭素数の和は1〜30の範囲が好ましく、より好ましくは1〜20の範囲である。R1 またはR2 がアリール基である場合、それぞれ置換基を含めた炭素数の和は好ましくは6〜30である。R3 またはR4 がアルキル基である場合、それぞれ置換基を含めた炭素数の和は1〜24の範囲が好ましく、より好ましくは、1〜18の範囲である。またR3 またはR4 がアリール基である場合には、それぞれ置換基を含む炭素数の和は好ましくは6〜24の範囲である。
【0016】
炭素数の範囲は置換基を含めて6〜30である。
1〜R4でアルキル基に置換可能な基は特に限定されないが、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基が好ましく、特にハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ基、アシルアミノ基がより好ましい。またアルキル基に置換可能な基には不飽和結合が含まれていてもよい。
ただし、R 1 、R におけるアルキル基の置換基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、およびアルコキシカルボニルアミノ基からなる群から選択される基であり、特にハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ基およびアシルアミノ基からなる群から選択される基が好ましい。
【0017】
1 〜R4 がアリール基である場合においても、置換可能な基は上記アルキル基の置換基の例と同じものが可能であるが、好ましい基としてはアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基である。
【0018】
5 の好ましい炭素数の範囲は6〜30の範囲で、より好ましくは6〜24の範囲である。R5 に置換可能な基はR1 〜R4 のアリール基に置換可能な基と同じもので、好ましい基も同じものである。
一般式(I)の化合物は油滴中に固定し、親水性コロイド中に分散して使用される。そのため化合物に親油性を持たせることが必要である。R1 〜R5 のいずれか少なくとも1つに親油性の基(油溶化基)が導入されていることが好ましく、R1 〜R5 の炭素数の合計は少なくとも14以上であることが必要である。炭素数の合計は、好ましくは16〜40の範囲であり、さらに好ましくは、18〜36の範囲である。
【0019】
5 の好ましい炭素数の範囲は6〜30の範囲で、より好ましくは6〜24の範囲である。R5 に置換可能な基はR1 〜R4 のアリール基に置換可能な基と同じもので、好ましい基も同じものである。
一般式(I)の化合物は油滴中に固定し、親水性コロイド中に分散して使用される。そのため化合物に親油性を持たせることが必要である。R1 〜R5 のいずれか少なくとも1つに親油性の基(油溶化基)が導入されていることが好ましく、R1 〜R5 の炭素数の合計は少なくとも14以上であることが必要である。炭素数の合計は、好ましくは16〜40の範囲であり、さらに好ましくは、18〜36の範囲である。
【0020】
油溶化基を導入する基として好ましいのはR1 またはR5 である。
油溶化基がR1 に導入される場合、油溶化基としては炭素数12〜24の無置換の直鎖または分岐アルキル基や、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基またはアルコキシカルボニル基で置換された炭素数12〜36のアルキル基が好ましく、炭素数14〜20のアルキル基が特に好ましい。このときR5 は置換基を有していても、いなくてもよいが、無置換であることがより好ましい。
油溶化基がR5 に導入される場合、油溶化基としては炭素数12〜30のアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基が好ましく、炭素数が12〜24のアルコキシ基が特に好ましい。
3 、R4 は好ましくは水素原子である。
一般式(I)の化合物のうち、保存性の観点で前記の一般式(II)または一般式(III) で表される化合物が好ましい。
【0021】
次に一般式(II)で表される化合物について詳しく説明する。Ra 、Rb は各々独立に置換もしくは無置換のアリール基または置換基の炭素数も含めた炭素数の合計が1〜30の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
a 、Rb がアリール基のときのアリール基を置換する置換基は式(I)におけるR1 の説明で述べた置換基であり、その具体例もR1 の説明で述べたものが挙げられる。
その中でも、更に好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基である。
最も好ましくは、アルキル基(炭素数1〜10)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(炭素数1〜10)である。Ra 、Rb がアリール基であるとき、アリール基は無置換の方が、置換基を有するものより好ましい。
a 、Rb がアルキル基であるとき、その置換基の炭素数も含めた炭素数の合計は、1〜30である。無置換のアルキル基は直鎖でも分岐であっても良い。直鎖アルキルとしては、炭素数1〜26(例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−オクタデシル、n−エイコシル)のものが好ましく、分岐アルキルとしては、炭素数3〜26(例えばi−プロピル、t−ブチル、2−エチルヘキシル)が好ましい。
a 、Rb が置換アルキルであるときの置換基は式(I)のR1 の説明で述べた置換基であり、置換基の炭素数も含めた炭素数の合計は、1から20が好ましい。その具体例もR1 の説明で述べたものを挙げることができ、その具体例としては、エトキシメチル、アセトキシメチル、ステアロイルオキシメチル、p−フェノキシメチル、1−ニトロフェノキシメチル、1−クロロオクチルなどが挙げられる。
【0022】
3 、R4 は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。R3 、R4 が置換アルキル基もしくは置換アリール基であるときの置換基は、式(I)のR1 の説明で述べた置換基であり、その具体例もR1 の説明で述べたものが挙げられる。
3 またはR4 がアルキル基であるとき、炭素数は1〜20が好ましい。置換基を有しているアルキル基よりも無置換のアルキル基の方が好ましい。
3 またはR4 がアリール基であるとき炭素数は6〜20が好ましい。R3 またはR4 は少なくとも一つが水素原子であるものが好ましく、最も好ましくは、R3 、R4 ともに水素原子である。
【0023】
5 は置換もしくは無置換のアリール基であり、アリール基に置換する置換基は、式(I)のR1 で説明した置換基である。置換基の具体例も式(I)の説明で述べたものを挙げることができる。
置換基は好ましくは、アルキル基(炭素数1〜20、例えばメチル、エチル、i−プロピル、t−ブチル、n−オクチル)、アルコキシ基(炭素数1〜20、例えばメトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、n−テトラデシルオキシ、n−ヘキサデシルオキシ、n−オクタデシルオキシ)、アシルアミノ基(炭素数1〜20、例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ、ステアロイルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ(炭素数2〜20、例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、オクチルオキシカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ(炭素数1〜20、例えばジメチルアミノカルボニルアミノ、ジオクチルアミノカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基(炭素数1〜20、例えばメタンスルホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ、ブタンスルホニルアミノ、オクタンスルホニルアミノ)、アリールスルホニルアミノ(炭素数6〜20、例えばベンゼンスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ、ドデシルベンゼンスルホニルアミノ)である。
【0024】
式(II)の化合物は、耐拡散性の観点でRa 、Rb 、R3 、R4 、R5 の少なくとも一つにいわゆるバラスト基を有することが好ましい。分子量は200以上が好ましく、更に250以上が好ましく、300以上が更に好ましく、350以上が最も好ましい。
式(III) の化合物について詳細に説明する。式(III) のR3 、R4 、R5 は式(II)のものと同義である。その具体例、好ましい例についても同様である。Rc は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
c がアルキル基、アリール基のときの置換基は、式(I)のR1 の説明で述べた置換基である。その具体例もR1 の説明のところで述べたものを挙げることができる。
c は、好ましくはアルキル基(炭素数1〜20、例えばメチル、エチル、i−プロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、i−オクタデシル、2−エチルヘキシル、2−メトキシエチル、2−クロロエチル)、アリール基(炭素数6〜20、例えばフェニル、ナフチル、p−クロロフェニル、m−メトキシフェニル、o−メチルフェニル)である。
【0025】
式(III) の化合物は、耐拡散性の観点でRc 、R3 、R4 、R5 の少なくとも一つにいわゆるバラスト基を有することが好ましい。分子量は200以上が好ましく、更に250以上が好ましく、300以上が更に好ましく、350以上が最も好ましい。
本発明の一般式(II)、(III) で表されるフェニドン化合物のうち、非感光性層に添加する場合は、より好ましいものは一般式(II)で表される化合物である。また感光性層に添加する場合は、一般式(III) で表される化合物がより好ましい。
一般式(III) で表される化合物の中でも、Rc がアルキル基であり、R3 、R4 が共に水素原子であり、R5 が置換または無置換アリール基であるものが好ましい。
その中でも、R5 のアリール基が無置換であるか、または置換基がアルコキシ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基であるものが好ましく、無置換またはアルコキシ基で置換したものは更に好ましい。
c は、無置換のアルキル基が、置換基を有するアルキル基より好ましい。
一般式(III) で表される化合物の最も好ましいのは、Rc が無置換アルキル基であり、R3 、R4 が水素原子であり、R5 が無置換アリール基であるものである。
本発明の一般式(II)又は(III) で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0026】
【化7】
Figure 0003793328
【0027】
【化8】
Figure 0003793328
【0028】
【化9】
Figure 0003793328
【0029】
【化10】
Figure 0003793328
【0030】
【化11】
Figure 0003793328
【0031】
【化12】
Figure 0003793328
【0032】
一般式(II)および(III) で表される化合物の合成法を説明する。
本発明の一般式(II)で表される化合物は以下の合成法に従って合成することができる。
【0033】
【化13】
Figure 0003793328
【0034】
化合物(III)−Aとヒドラジンとを縮環させて一般式(III)で表される化合物を合成する。化合物(III)−A中、Rd はアルキル基またはアリール基であり、Rc 、R3 、R4 は一般式(II)のRc 、R3 、R4 と同義である。ヒドラジンのR5 は一般式(III)のR5 と同義である。
本反応は、適当な溶媒中一当量以上の塩基を作用させることが好ましい。ヒドラジンの塩を用いるときは、ヒドラジンを遊離させるために2当量以上の塩基を用いることが好ましい。塩基としては、アルコキシドが好ましく、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウムメトキシドなどがその例として挙げられる。溶媒としては、n−ブタノール、t−ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドなどが例として挙げられる。
反応温度は一般に−20℃〜180℃で行えるが、好ましくは0℃〜120℃であり、更に好ましくは30℃〜90℃である。
反応時間は一般に5分から24時間が適当であるが、好ましくは30分から6時間であり、更に好ましくは1時間から3時間である。
ヒドラジンと化合物(III)−Aとの使用比率は、モル比で2:1〜1:2が好ましい。更に好ましくは、1.2:1〜1:1.2である。
【0035】
一般式(II)−Aとヒドラジンとを反応させて一般式(II)で表される化合物を合成する。一般式(II)−A中、Ra 、Rb 、R3 、R4 は一般式(II)のRa 、Rb 、R3 、R4 と同義である。L1 、L2 は求核反応において離脱する基である。
1 は好ましくはハロゲン原子、または縮合剤によって活性化された酸素原子である。L2 は好ましくは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子である。
反応温度は一般に−20℃〜180℃で行えるが、好ましくは0℃〜120℃であり、更に好ましくは30℃〜90℃である。
反応時間は一般に5分から24時間が適当であるが、好ましくは1時間から6時間である。
化合物(II)−Bから(II)の反応は、L2 がヒドロキシル基であるときは酸性条件が好ましい。
2 がハロゲン原子であるときは中性、酸性、アルカリ性のいずれの条件で反応を行ってもよい。
【0036】
化合物(52)の合成
下記ルートにより例示化合物52を合成した。
【0037】
【化14】
Figure 0003793328
【0038】
(1)第1工程
こはく酸メチル256g(1.94mol)とメタノール800mlを室温下で撹拌し、これにナトリウムメチラート(28重量%)375g(1.94mol)を滴下した。ついで、1−ブロモヘキサデカン592g(1.94mol)を滴下した。3時間還流後、メタノールを留去し、反応液を1N塩酸水へ注いだ。ヘキサンで抽出し、食塩水で洗浄し、乾燥後溶媒を留去し、中間体Aを511g(1.43mol)得た(収率73.7%)。
【0039】
(2)第2工程
中間体A 511g(1.43mol)とメタノール800mlを35℃で撹拌下に、これに水酸化カリウム(85%)94.6g(1.43mol)をメタノール800mlに溶解した溶液を滴下した。40℃で2時間反応後、濃塩酸130mlを水500mlに溶解した溶液を更に滴下した。析出した結晶を濾取し、水およびn−へキサンで洗浄し、中間体Bを得た。中間体Bは乾燥せず次工程に用いた。
【0040】
(3)第3工程
中間体B 全量(1.43mol)とメタノール1.0リットルを混合し、20℃で撹拌下にジエチルアミン115g(1.57mol)を滴下した。その後、更に35%ホリマリン水溶液135g(1.57mol)を滴下し、20℃で24時間反応させた。析出した結晶を濾取し、水およびメタノールにて洗浄後、乾燥し、中間体Cを396g(1.28mol)得た(収率89.5%)。
【0041】
(4)第4工程
フェニルヒドラジン145g(1.34mol)とトルエン1.5リットルを140℃で撹拌し、ディーンシュターク脱水器を用いて内温が100℃になるまで溶媒を留去した。続いてナトリウムメチラート(28重量%)272g(1.41mol)を滴下し、メタノールを留去した後、中間体C396g(1.28mol)のトルエン400ml溶液を滴下した。
30分間還流した後、氷冷し、濃塩酸150mlを加え、更に酢酸エチル200mlを加えた。不溶物を濾取して除き、溶液を冷却した。析出した結晶を濾取した後、水およびn−へキサンで洗浄し、乾燥し、化合物(51)393g(1.02mol)を得た(収率79.7%)。
他の化合物も同様に合成できる。
【0042】
本発明の一般式(I)で表される化合物を用いた効果は、pKaが8.7以下の高活性なシアンカプラーを用いたときに顕著に見られるシアンカブリ、シアンステイン、処理混色等の問題を他の写真性能に大きく影響することなく改良するもので、シアンカプラーのpKaが8.7以下のカプラーとの組み合わせで共通に見られる効果である。
従って本発明において適用されるカプラーの構造は特に限定されず、pKaが8.7以下のシアンカプラーであればよい。その効果の点ではシアンカプラーのpKaが8.0以下の場合に特に大きく、pKaが7.5以下では更に大きな効果が見られ、特に好ましい。
カプラーのpKaはTHF/水=6/4混合溶媒系でのpH滴定カーブにより、ちょうど半分だけ中和された点のpHを求めることで容易に測定することができる。
【0043】
また、以下に詳しく説明する一般式(IV)で表されるカプラーにおいては、その分子吸光係数が大きい特性ゆえにシアンカブリ、シアンステイン、処理混色がよい重大な問題となり、本発明の一般式(I)の化合物と組み合わせて使用する意義が極めて大きい。
一般式(IV)で表されるカプラーの他でも、分子吸光係数が30000以上のカプラーとの組み合わせは好ましく、分子吸光係数が40000以上のカプラーとの組み合わせがより好ましい。また、一般式(IV)のカプラーも含めて、分子吸光係数が50000以上のカプラーとの組み合わせが特に好ましい。
【0044】
以下に本発明の一般式(IV)で表されるシアンカプラーについて詳しく述べる。Za 及びZb はそれぞれ−C(R8 ) =又は−N=を表す。但し、Za 及びZb の何れか一方は−N=であり、他方は−C(R8 ) =である。
【0045】
8 は水素原子又は置換基を表し、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基等を挙げることができる。これらの基はR8 で例示したような置換基で更に置換されていてもよい。
【0046】
さらに詳しくは、R8 は水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(例えば、炭素数1〜32の直鎖、または分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基で、詳しくは例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル、4−テトラデカンアミドフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−ドデシルエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド、2−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}デカンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ドデシルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、2−クロロ−5−テトラデカンアミノアニリノ、2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルアニリノ、N−アセチルアニリノ、2−クロロ−5−{2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ドデカンアミド}アニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、テトラデシルチオ、2−フェノキシエチルチオ、3−フェノキシプロピルチオ、3−(4−t−ブチルフェノキシ)プロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、3−ペンタデシルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−テトラデカンアミドフェニルチオ)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メトキシ−5−t−ブチルベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル}カルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、ドデカンスルフィニル、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)を表す。
【0047】
8 として好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基を挙げることができる。
【0048】
更に好ましくはアルキル基、アリール基であり、凝集性の点からより好ましくは、少なくとも一つの置換基を有するアルキル基、アリール基であり、更に好ましくは、少なくとも一つのアルキル基、アルコキシ基、スルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルアミド基又はスルホンアミド基を置換基として有するアルキル基若しくはアリール基である。特に好ましくは、少なくとも一つのアルキル基、アシルアミド基又はスルホンアミド基を置換基として有するアルキル基若しくはアリール基である。アリール基においてこれらの置換基を有する際には少なくともオルト位又はパラ位に有することがより好ましい。
【0049】
本発明のシアンカプラーは、R6 とR7 がいずれも0.20以上の電子吸引性基であり、且つR6 とR7 のσp 値の和が0.65以上にすることでシアン画像として発色するものである。R6 とR7 のσp 値の和としては、好ましくは0.70以上であり、上限としては2.0程度である。
【0050】
6 及びR7 はハメットの置換基定数σp 値が0.20以上の電子吸引性基である。好ましくは、0.30以上の電子吸引性基である。上限としては1.0以下の電子吸引性基である。
【0051】
σp 値が0.20以上の電子吸引性基であるR6 及びR7 の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp 値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、複素環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうち更に置換基を有することが可能な基は、R8 で挙げたような置換基を更に有してもよい。
【0052】
6 及びR7 を更に詳しく述べると、σp 値が0.20以上の電子吸引性基としては、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−(4−n−ペンタデカンアミド)フェニルカルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル}カルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、iso-プロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、iso-ブチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基(例えば、ジメチルホスホノ)、ジアリールホスホノ基(例えば、ジフェニルホスホノ)、ジアリールホスフイニル基(例えば、ジフェニルホスフイニル)、アルキルスルフイニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフイニル)、アリールスルフイニル基(例えば、3−ペンタデシルフェニルスルフイニル)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシルチオ基(例えば、アセチルチオ、ベンゾイルチオ)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、チオシアネート基、チオカルボニル基(例えば、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメタン、ヘプタフロロプロパン)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、ハロゲン化アルキルアミノ基(例えば、N,N−ジ−(トリフロロメチル)アミノ)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ、1,1,2,2−テトラフロロエチルチオ)、σp 0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル)、複素環基(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ピロリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ)またはセレノシアネート基を表す。これらの置換基のうち更に置換基を有することが可能な基は、R8 で挙げたような置換基を更に有してもよい。
【0053】
6 及びR7 の好ましいものとしては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフイニル基、アリールスルフイニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルキルオキシ基、ハロゲン化アルキルチオ基、ハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp 0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、及び複素環基を挙げることができる。更に好ましくは、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、アリールスルホニル基、カルバモイル基及びハロゲン化アルキル基である。R6 として最も好ましいものは、シアノ基である。R7 として特に好ましいものは、アルコキシカルボニル基であり、最も好ましいのは、分岐したアルコキシカルボニル基(特にシクロアルコキシカルボニル基)である。
【0054】
Xは水素原子または芳香族第一級アミンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応において離脱しうる基を表すが、離脱しうる基を詳しく述べればハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホンアミド基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル、アリールもしくはヘテロ環チオ基、カルバモイルアミノ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基、5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基、イミド基、アリールアゾ基などがあり、これらの基は更にR8 の置換基として許容された基で置換されていてもよい。
【0055】
さらに詳しくはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えば、エトキシ、ドデシルオキシ、メトキシエチルカルバモイルメトキシ、カルボキシプロピルオキシ、メタンスルホニルエトキシ、エトキシカルボニルメトキシ)、アリールオキシ基(例えば、4−メチルフェノキシ、4−クロロフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、3−エトキシカルボニルフェノキシ、3−アセチルアミノフェノキシ、2−カルボキシフェノキシ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシルアミノ基(例えば、ジクロルアセチルアミノ、ヘプタフルオロブチリルアミノ)、アルキルもしくはアリールスルホンアミド基(例えば、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、エトキシカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、アルキル、アリールもしくはヘテロ環チオ基(例えば、ドデシルチオ、1−カルボキシドデシルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、テトラゾリルチオ)、カルバモイルアミノ基(例えば、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、N−エチルカルバモイルオキシ、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ)、ヘテロ環カルボニルオキシ基(例えば、モルホリノカルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ)、5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)、イミド基(例えば、スクシンイミド、ヒダントイニル)、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ)などである。Xはこれら以外に炭素原子を介して結合した離脱基としてアルデヒド類又はケトン類で4当量カプラーを縮合して得られるビス型カプラーの形を取る場合もある。又、Xは現像抑制剤、現像促進剤など写真的有用基を含んでいてもよい。
【0056】
好ましいXは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基、カップリング活性位に窒素原子で結合する5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基である。より好ましいXは、ハロゲン原子、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基であり、特に好ましいのはカルバモイルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基である。
【0057】
一般式(IV)で表されるシアンカプラーは、R6 、R7 、R8 又はXの基が二価の基になり、二量体以上の多量体や高分子鎖と結合して単重合体若しくは共重合体を形成してもよい。高分子鎖と結合して単重合体若しくは共重合体とは一般式(IV)で表されるシアンカプラー残基を有する付加重合体エチレン型不飽和化合物の単独もしくは共重合体が典型例である。この場合、一般式(IV)で表されるシアンカプラー残基を有するシアン発色繰り返し単位は重合体中に1種類以上含有されていてもよく、共重合成分として非発色性のエチレン型モノマーの1種または2種以上を含む共重合体であってもよい。一般式(IV)で表されるシアンカプラー残基を有するシアン発色繰り返し単位は好ましくは下記一般式(P)で表される。
【0058】
【化15】
Figure 0003793328
【0059】
式中Rは水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基または塩素原子を示し、Aは−CONH−、−COO −または置換もしくは無置換のフェニレン基を示し、Bは置換もしくは無置換のアルキレン基、フェニレン基またはアラルキレン基を示し、Lは−CONH−、−NHCONH−、−NHCOO −、−NHCO−、−OCONH −、−NH−、−COO −、−OCO −、−CO−、−O−、−S−、−SO2 −、−NHSO2 −または−SO2NH −を表す。a、b、cは0または1を示す。Qは一般式(IV)で表される化合物のR6 、R7 、R8 又はXより水素原子が離脱したシアンカプラー残基を示す。重合体としては一般式(IV)のカプラーユニットで表されるシアン発色モノマーと芳香族一級アミン現像薬の酸化生成物とカップリングしない非発色性エチレン様モノマーの共重合体が好ましい。
【0060】
芳香族一級アミン現像薬の酸化生成物とカップリングしない非発色性エチレン型単量体としては、アクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)これらのアクリル酸類から誘導されるアミドもしくはエステル(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、n−ブチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレートおよびβ−ヒドロキシメタクリレート)、ビニルエステル(例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネートおよびビニルラウレート)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、芳香族ビニル化合物(例えばスチレンおよびその誘導体、例えばビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ビニルアセトフェノンおよびスルホスチレン)、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル(例えばビニルエチルエーテル)、マレイン酸エステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニリピリジンおよび2−および−4−ビニルピリジン等がある。
【0061】
特にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル類が好ましい。ここで使用する非発色性エチレン型モノマーは2種以上を一緒に使用することもできる。例えばメチルアクリレートとブチルアクリレート、ブチルアクリレートとスチレン、ブチルメタクリレートとメタクリル酸、メチルアクリレートとジアセトンアクリルアミドなどが使用できる。
【0062】
ポリマーカプラー分野で周知の如く前記一般式(IV)に相当するビニル系単量体と共重合させるためのエチレン系不飽和単量体は形成される共重合体の物理的性質および/または化学的性質、例えば溶解度、写真コロイド組成物の結合剤、例えばゼラチンとの相溶性、その可撓性、熱安定性等が好影響を受けるように選択することができる。
【0063】
本発明のシアンカプラーをハロゲン化銀感光材料中、好ましくは赤感光性ハロゲン化銀乳剤層に含有させるには、いわゆる内型カプラーにすることが好ましく、そのためには、R6 、R7 、R8 、Xの少なくとも1つの基が所謂バラスト基(好ましくは、総炭素数10以上)であることが好ましく、総炭素数10〜50であることがより好ましい。特にR8 においてバラスト基を有することが好ましい。
一般式(IV)で表されるシアンカプラーは、更に好ましくは下記一般式(V)で表される構造の化合物である。
【0064】
【化16】
Figure 0003793328
【0065】
式中、R11、R12、R13、R14、R15は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または置換基を表す。置換基としては、置換もしくは無置換の脂肪族基、または置換若しくは無置換のアリール基が好ましく、更に好ましいものとしては以下に述べるものである。
11、R12は、好ましくは脂肪族基を表わし、例えば炭素数1〜36の、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルケニル基で、詳しくは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、トリデシル、シクロペンチル、シクロヘキシルを表わす。脂肪族基は、より好ましくは、炭素数1〜12である。R13、R14、R15は、水素原子又は、脂肪族基を表わす。脂肪族基としては、先にR11、R12で挙げた基が挙げられる。R13、R14、R15は特に好ましくは水素原子である。
【0066】
Zは、5〜8員環を形成するのに必要な、非金属原子群を表わし、この環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。好ましい非金属原子としては、窒素原子、酸素原子、イオウ原子又は炭素原子が挙げられ、更に好ましくは、炭素原子である。
Zで形成される環としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピペラジン環、オキサン環、チアン環等が挙げられ、これらの環は、前述したR8 で表わされるような置換基で置換されていてもよい。
Zで形成される環として好ましくは置換されてもよいシクロヘキサン環であり、特に好ましくは、4位が炭素数1〜24のアルキル基(前述のR8 で表わされるような置換基で置換されていてもよい)で置換されたシクロヘキサン環である。
【0067】
式(V)のR8 は、式(IV)のR8 と同義であり、特に好ましくはアルキル基またはアリール基であり、より好ましくは、置換したアリール基である。炭素数の観点からは、アルキル基の場合は、好ましくは、1〜36個であり、アリール基の場合は、好ましくは、6〜36個である。
アリール基の中でも、カプラー母核との結合位のオルト位にアルコキシ基が置換しているものは、カプラー由来の色素の光堅牢性が低いので好ましくない。
その点で、アリール基の置換基は、置換又は、無置換のアルキル基が好ましく、中でも、無置換のアルキル基が最も好ましい。特に、炭素数1〜30個の無置換アルキル基が好ましい。
【0068】
2 は、水素原子、または、置換基を表わす。置換基は、酸化カップリング反応時にX2 −C(=O)O−基の離脱を促進する基が好ましい。X2 は、その中でも、ヘテロ環、置換又は無置換のアミノ基、もしくは、アリール基が好ましい。ヘテロ環としては、窒素原子、酸素原子、またはイオウ原子を有する5〜8員環で炭素数1〜36のものが好ましい。更に好ましくは、窒素原子で結合した5員または6員環で、そのうち6員環が特に好ましい。これらの環はベンゼン環またはヘテロ環と縮合環を形成していてもよい。具体例として、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ラクタム化合物、ピペリジン、ピロリジン、ピロール、モルホリン、ピラゾリジン、チアゾリジン、ピラゾリンなどが挙げられ、好ましくは、モルホリン、ピペリジンが挙げられ、特にモルホリンが好ましい。
置換アミノ基の置換基としては、脂肪族基、アリール基若しくはヘテロ環基が挙げられる。脂肪族基としては、先に挙げたR8 の置換基が挙げられ、更にこれらは、シアノ基、アルコキシ基(例えばメトキシ)、アルコキシカルボニル基(例えばエトキシカルボニル)、塩素原子、水酸基、カルボキシル基などで置換されていても良い。置換アミノ基としては、1置換よりも2置換の方が好ましい。置換基としてはアルキル基が好ましい。
【0069】
アリール基としては、炭素数6〜36のものが好ましく、更に単環がより好ましい。具体例としては、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2−メチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル等が挙げられる。
本発明に用いられる一般式(V)で表されるシアンカプラーは、分子中に油溶化基をもち、高沸点有機溶媒に溶けやすく、またこのカプラー自身及びこのカプラーと発色用還元剤(現像剤)とが酸化カップリングして形成された色素が親水性コロイド層中で非拡散性であることが好ましい。
一般式(V)で表わされるカプラーは、R8 が一般式(V)で表わされるカプラー残基を含有していて二量体以上の多量体を形成していたり、R8 が高分子鎖を含有していて単重合体若しくは共重合体を形成していてもよい。高分子鎖を含有している単重合体若しくは共重合体とは一般式(V)で表わされるカプラー残基を有する付加重合体エチレン型不飽和化合物の単独もしくは共重合体が典型例である。この場合、一般式(V)で表わされるカプラー残基を有するシアン発色繰り返し単位は重合体中に1種類以上含有されていてもよく、共重合成分としてアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル類の如き芳香族一級アミン現像薬の酸化生成物とカップリングしない非発色性のエチレン型モノマーの1種または2種以上を含む共重合体であってもよい。
以下に本発明定義のシアンカプラーの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0070】
【化17】
Figure 0003793328
【0071】
【化18】
Figure 0003793328
【0072】
【化19】
Figure 0003793328
【0073】
【化20】
Figure 0003793328
【0074】
【化21】
Figure 0003793328
【0075】
【化22】
Figure 0003793328
【0076】
【化23】
Figure 0003793328
【0077】
【化24】
Figure 0003793328
【0078】
【化25】
Figure 0003793328
【0079】
【化26】
Figure 0003793328
【0080】
【化27】
Figure 0003793328
【0081】
【化28】
Figure 0003793328
【0082】
【化29】
Figure 0003793328
【0083】
【化30】
Figure 0003793328
【0084】
【化31】
Figure 0003793328
【0085】
一般式(IV)で表わされる化合物は、公知の方法、例えば、特開平5−150423号、同5−255333号、同5−202004号、同7−48376号に記載の方法にて合成する事ができる。
以下に一般式(IV)で表される化合物の具体的合成例を示す。
合成例1.例示化合物(1)の合成
下記ルートにより例示化合物(1)を合成した。
【0086】
【化32】
Figure 0003793328
【0087】
化合物(b)の合成
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキサノール、17g(75mmol)のアセトニトリル200ml溶液に、0℃にて無水トリフルオロ酢酸、10.6ml(75mmol)を滴下し引き続き、化合物(a)、15.6g(60.4mmol)をゆっくり添加した。反応液を室温にて2時間撹拌した後、水300ml、酢酸エチル300mlを加え、抽出した。有機層を重曹水、水、食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、アセトニトリルで再結晶する事により、(b)を19.6g得た。
化合物(c)の合成
19.6gの(b)の酢酸エチル200ml溶液に、ピリジン5mlを加え、ブロミンを水冷下、滴下した。1時間撹拌した後、水300ml、酢酸エチル300mlを加え、抽出した。抽出後、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、残査にアセトニトリルを加え、再結晶した。(c)を18.0g得た。
【0088】
化合物(e)の合成
シアノ酢酸メチル2.2gのジメチルアセトアミド20ml溶液に、0℃にて水素化ナトリウム0.8gをゆっくり加え、室温にて30分撹拌した。(溶液S)
ジメチルアセトアミド50mlに溶解した10.0gの(c)を、氷冷下、(溶液S)にゆっくり滴下した。1時間撹拌した後、反応液に、水20mlに溶解した水酸化ナトリウム4g、メタノール20mlを添加し、反応温度を50℃に保ち、1時間撹拌した。反応後、酢酸エチルを200ml加え、塩酸水にて、中和した。水洗浄した後、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下、溶媒を留去し、粗化合物(e)を得た。
【0089】
例示化合物(1)の合成
得られた粗化合物(e)8.0gをジメチルアセトアミド40ml、ピリジン6mlに溶解し、0℃にて、モルホリノカルバモイルクロリドを4.3g添加した。室温にて2時間撹拌した後、希塩酸水200mlに注加し、酢酸エチル200mlで抽出した。有機相を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下、溶媒を留去し、残査にヘキサンを加え、晶析する事により、例示化合物(1)を6.0g得た。融点は、256℃〜257℃。
【0090】
合成例2.例示化合物(25)の合成
化合物(1)の合成において、モルホリノカルバモイルクロリドの代わりにジアリルカルバモイルクロリドを4.5g添加し、室温にて、2時間撹拌した。反応後、希塩酸水200mlに注加し、酢酸エチル200mlで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下、溶媒を留去し、残査にヘキサンを加え、晶析する事により目的の例示化合物を5.5g得た。融点は、219℃〜220℃。
他の化合物も同様に合成できる。
【0091】
本発明において、一般式(I)、(II) 、または(III)で表される化合物は非感光性親水性コロイド層中に高沸点有機溶媒、混色防止剤、紫外線吸収剤、あるいはポリマー分散剤等の有機化合物といっしょに界面活性剤等の分散助剤とともに分散して使用することができる。その使用量は塗設されるシアンカプラーに対して0.1モル%〜200モル%の範囲で、好ましくは1〜100モル%、より好ましくは5〜50モル%の範囲である。
本発明の一般式(I)、(II) または(III)で表される化合物は非感光性コロイド層の他にシアン発色層にも同時に使用することが好ましい。この場合シアン発色層での使用量はシアンカプラーに対して1〜100モル%の範囲で好ましくは5〜50モル%の範囲である。上記以外の層にも一般式(I)、(II) または(III)の化合物を併用することも好ましく行えるが、この場合トータルの使用量はシアンカプラーに対して1〜200モル%の範囲で、より好ましくは5〜100モル%、更に好ましくは10〜50モル%の範囲である。
【0092】
本発明のシアンカプラーの好ましい塗設量はシアンカプラーのモル吸光係数により異なるが、0.01〜1g/m2 の範囲で、好ましくは0.05〜0.5g/m2 である。
使用するシアンカプラーが一般式(IV) で表されるカプラーである場合には、好ましい使用量は0.01〜0.6g/m2 の範囲で、より好ましくは0.05〜0.4g/m2 、更に好ましくは0.1〜0.3g/m2 の範囲である。
シアンカプラーとハロゲン化銀の使用量の比はカプラーの当量性により異なり2当量カプラーではAg/カプラー比が1.5〜8、4当量カプラーでは3〜16の範囲である。本発明においてはpKaの低い2当量カプラーが好ましく、この場合Ag/カプラー比は1.5〜8の範囲、好ましくは2〜6、より好ましくは3〜5の範囲である。
【0093】
前記のシアンカプラー等をハロゲン化銀感光材料に導入するには、後述する高沸点有機溶媒を用いる水中油滴分散方法やラテックス分散方法など公知の分散方法を用いることが出来る。
水中油滴分散方法においてはシアンカプラーやその他の写真有用化合物を高沸点有機溶媒中に溶解させ、親水性コロイド中、好ましくはゼラチン水溶液中に、界面活性剤等の分散剤と共に超音波、コロイドミル、ホモジナイザー、マントンゴーリン、高速ディゾルバー等の公知の装置により微粒子状に乳化分散することができる。
また、カプラーを溶解する際に更に補助溶媒を用いることが出来る。ここで言う補助溶媒とは、乳化分散時に有効な有機溶媒で、塗布時の乾燥工程後には実質上感光材料から除去されるものをいい、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルのごとき低級アルコールのアセテート、プロピオン酸エチル、2級ブチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、メチルカルビトールプロピオネートやシクロヘキサノン等が挙げられる。
【0094】
更には必要に応じ、水と完全に混和する有機溶媒、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン、テトラヒドロフランやジメチルホルムアミド等を一部併用する事が出来る。またこれらの有機溶媒は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、乳化分散物状態での保存時の経時安定性改良、乳剤と混合した塗布用最終組成物での写真性能変化抑制・経時安定性改良等の観点から必要に応じて乳化分散物から、減圧蒸留、ヌードル水洗あるいは限外ろ過などの方法により補助溶媒の全て又は一部を除去することができる。
この様にして得られる親油性微粒子分散物の平均粒子サイズは、0.04〜0.50μmが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.30μmであり、最も好ましくは0.08〜0.20μmである。平均粒子サイズは、コールターサブミクロン粒子アナライザーmodel N4(コールターエレクトロニクス社)等を用いて測定できる。
【0095】
高沸点有機溶媒を用いる水中油滴分散方法において、全使用シアンカプラー重量に対する高沸点有機溶媒の重量比は任意にとり得るが、好ましくは0.1以上10.0以下であり、更に好ましくは0.3以上7.0以下、最も好ましくは0.5以上5.0以下である。また、高沸点有機溶媒を全く使用しないで用いることも可能である。
【0096】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、カラーネガフィルム、カラーポジフィルム、カラー反転フィルム、カラー反転印画紙、カラー印画紙等に用いられるが、中でもカラー印画紙として用いるのが好ましい。
本発明で用いられる写真用支持体としては、透過型支持体や反射型支持体を用いることができる。透過型支持体としては、セルローストリアセテートフィルムやポリエチレンテレフタレートなどの透過フィルム、更には2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)とエチレングリコール(EG)とのポリエステルやNDCAとテレフタル酸とEGとのポリエステル等に磁性層などの情報記録層を設けたものが好ましく用いられる。反射型支持体としては特に複数のポリエチレン層やポリエステル層でラミネートされ、このような耐水性樹脂層(ラミネート層)の少なくとも一層に酸化チタン等の白色顔料を含有する反射支持体が好ましい。
【0097】
更に前記の耐水性樹脂層中には蛍光増白剤を含有するのが好ましい。また、蛍光増白剤は感材の親水性コロイド層中に分散してもよい。蛍光増白剤として、好ましくは、ベンゾオキサゾール系、クマリン系、ピラゾリン系が用いる事ができる、更に好ましくは、ベンゾオキサゾリルナフタレン系及びベンゾオキサゾリルスチルベン系の蛍光増白剤である。使用量は、特に限定されないが、好ましくは1〜100mg/m2である。耐水性樹脂に混合する場合の混合比は、好ましくは樹脂に対して0.0005〜3重量%であり、更に好ましくは0.001〜0.5重量%である。
反射型支持体としては、透過型支持体、または上記のような反射型支持体上に、白色顔料を含有する親水性コロイド層を塗設したものでもよい。
また、反射型支持体は、鏡面反射性または第2種拡散反射性の金属表面をもつ支持体であってもよい。
【0098】
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤としては、塩(沃)化銀、塩(沃)臭化銀、(沃)臭化銀乳剤等が用いられるが、迅速処理性の観点から、塩化銀含有率が95モル%以上の塩化銀または塩臭化銀乳剤が好ましく、更には塩化銀含有率が98モル%以上のハロゲン化銀乳剤が好ましい。このようなハロゲン化銀乳剤の中でも、塩化銀粒子の表面に臭化銀局在相を有するものが、高感度が得られ、しかも写真性能の安定化が図れることから特に好ましい。
【0099】
前記の反射型支持体はハロゲン化銀乳剤、更にはハロゲン化銀粒子中にドープされる異種金属イオン種、ハロゲン化銀乳剤の保存安定剤またはカブリ防止剤、化学増感法(増感剤)、分光増感法(分光増感剤)、シアン、マゼンタ、イエローカプラーおよびその乳化分散法、色像保存性改良剤(ステイン防止剤や褪色防止剤)、染料(着色層)、ゼラチン種、感材の層構成や感材の被膜pHなどについては、表1〜2の特許に記載のものが本発明に好ましく適用できる。
【0100】
【表1】
Figure 0003793328
【0101】
【表2】
Figure 0003793328
【0102】
本発明において使用されたシアン、マゼンタおよびイエローカプラーとしては、その他、特開昭62−215272号の第91頁右上欄4行目〜121頁左上欄6行目、特開平2−33144号の第3頁右上欄14行目〜18頁左上欄末行目と第30頁右上欄6行目〜35頁右下欄11行目やEP0355、660A2号の第4頁15行目〜27行目、5頁30行目〜28頁末行目、45頁29行目〜31行目、47頁23行目〜63頁50行目に記載のカプラーも有用である。
【0103】
本発明に用いうる防菌・防黴剤としては特開昭63−271247号に記載のものが有用である。感光材料を構成する写真層に用いられる親水性コロイドとしては、ゼラチンが好ましく、特に鉄、銅、亜鉛、マンガン等の不純物として含有される重金属は、好ましくは5ppm 以下、更に好ましくは3ppm 以下である。
【0104】
本発明の感光材料は、通常のネガプリンターを用いたプリントシステムに使用される以外に、陰極線(CRT)を用いた走査露光方式にも適している。
陰極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の調整も容易である。
画像露光に用いる陰極線管には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種、あるいは2種以上が混合されて用いられる。スペクトル領域は、上記の赤、緑、青に限定されず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。
【0105】
感光材料が異なる分光感度分布を有する複数の感光性層を持ち、陰極線管も複数のスペクトル領域の発光を示す蛍光体を有する場合には、複数の色を一度に露光、即ち陰極線管に複数の色の画像信号を入力して管面から発光させてもよい。各色ごとの画像信号を順次入力して各色の発光を順次行わせ、その色以外の色をカットするフィルムを通して露光する方法(面順次露光)を採っても良く、一般には、面順次露光の方が、高解像度の陰極線管を用いることができるため、高画質化のためには好ましい。
【0106】
本発明の感光材料は、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光方式に好ましく使用される。システムをコンパクトで、安価なものにするために半導体レーザー、半導体レーザーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特にコンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置を設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、露光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用することが好ましい。
【0107】
このような走査露光光源を使用する場合、本発明の感光材料の分光感度極大波長は、使用する走査露光用光源の波長により任意に設定することができる。半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるいは半導体レーザーと非線形光学結晶を組合わせて得られるSHG光源では、レーザーの発振波長を半分にできるので、青色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の分光感度極大は通常の青、緑、赤の3つの波長領域に持たせることが可能である。
このような走査露光における露光時間は、画素密度を400dpi とした場合の画素サイズを露光する時間として定義すると、好ましい露光時間としては10-4秒以下、更に好ましくは10-6秒以下である。
【0108】
本発明に適用できる好ましい走査露光方式については、前記の表に掲示した特許に詳しく記載されている。
また本発明の感光材料を処理するには、特開平2−207250号の第26頁右下欄1行目〜34頁右上欄9行目、及び特開平4−97355号の第5頁左上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材や処理方法が好ましく適用できる。また、この現像液に使用する保恒剤としては、前記の表に掲示した特許に記載の化合物が好ましく用いられる。
【0109】
本発明の感光材料を露光後、現像する方式としては、従来のアルカリ剤と現像主薬を含む現像液で現像する方法、現像主薬を感光材料に内蔵し現像主薬を含まないアルカリ液などのアクチベーター液で現像する方法などの湿式方式のほか、処理液を用いない熱現像方式などを用いることができる。特に、アクチベーター方法は、現像主薬を処理液に含まないため、処理液の管理や取扱いが容易であり、また廃液処理時の負荷が少なく環境保全上の点からも好ましい方法である。
アクチベーター方法において、感光材料中に内蔵される現像主薬またはその前駆体としては、例えば、特開平8−234388号、特願平7−334190号、同7−334192号、同7−334197号、同7−344396号に記載されたヒドラジン型化合物が好ましい。
【0110】
また、感光材料の塗布銀量を低減し、過酸化水素を用いた画像増幅処理(補力処理)する現像方法も好ましく用いられる。特に、この方法をアクチベーター方法に用いることは好ましい。具体的には、特開平8−297354号、特願平7−334202号に記載された過酸化水素を含むアクチベーター液を用いた画像形成方法が好ましく用いられる。
アクチベーター方法において、アクチベーター液で処理後、通常脱銀処理されるが、低銀量の感光材料を用いた画像増幅処理方法では、脱銀処理を省略し、水洗または安定化処理といった簡易な方法を行うことができる。また、感光材料から画像情報をスキャナー等で読み取る方式では、撮影用感光材料などの様に高銀量の感光材料を用いた場合でも、脱銀処理を不要とする処理形態を採用することができる。
【0111】
本発明で用いられるアクチベーター液、脱銀液(漂白/定着液)、水洗および安定化液の処理素材や処理方法は公知のものを用いることができる。好ましくは、リサーチ・ディスクロージャー Item 36544(1994年9月)第536頁〜第541頁、特開平8−234388号に記載されたものを用いることができる。
【0112】
実施例1
紙の両面をポリエチレンテレフタレート樹脂で被覆してなる支持体の表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに第一層〜第七層の写真構成層を順次塗設して、以下に示す層構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料の試料(001)を作成した。各写真構成層用の塗布液は、以下のようにして調製した。
【0113】
第五層塗布液調製
シアンカプラー(C−1)140g、色像安定剤(Cpd−1)120g、色像安定剤(Cpd−8)50g、溶媒(Solv−10)420g、溶媒(Solv−6)280gおよび酢酸エチル360mlに溶解し、この液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム300mlを含む10%ゼラチン水溶液1000gに乳化分散させて乳化分散物Cを調製した。
一方、塩臭化銀乳剤C(立方体、平均粒子サイズ0.50μmの大サイズ乳剤Cと0.41μmの小サイズ乳剤Cとの1:4混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数は、それぞれ0.09と0.11。各サイズ乳剤とも臭化銀0.8モル%を、塩化銀を基体とする粒子表面の一部に局在含有させた)を調製した。この乳剤には下記に示す青感性増感色素GおよびHが、銀1モル当り、大サイズ乳剤Cに対してはそれぞれ6.0×10-5モル、また小サイズ乳剤Cに対してはそれぞれ9.0×10-5モル添加されている。また、この乳剤の化学熟成は硫黄増感剤と金増感剤が添加して最適に行われた。
前記乳化分散物Cとこの塩臭化銀乳剤Cとを混合溶解し、後記組成となるように第五層塗布液を調製した。乳剤塗布量は銀量換算塗布量を示す。
【0114】
第一層〜第四層および第六層〜第七層用の塗布液も第五層塗布液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。
また、各層にCpd−12、Cpd−13、Cpd−14およびCpd−15をそれぞれ全量が15.0mg/m2 、60.0mg/m2 、5.0mg/m2 および10.0mg/m2 となるように添加した。
各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には以下の分光増感色素をそれぞれ用いた。
青感性乳剤層
【0115】
【化33】
Figure 0003793328
【0116】
(ハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対してはそれぞれ1.4×10-4モル、小サイズ乳剤に対してはそれぞれ1.7×10-4モル添加した。)
緑感性乳剤層
【0117】
【化34】
Figure 0003793328
【0118】
(増感色素Dをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては3.0×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては3.6×10-4モル、また、増感色素Eをハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては4.0×10-5モル、小サイズ乳剤に対しては7.0×10-5モル、また、増感色素Fをハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤に対しては2.0×10-4モル、小サイズ乳剤に対しては2.8×10-4モル添加した。)
赤感性乳剤層
【0119】
【化35】
Figure 0003793328
【0120】
(ハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対してはそれぞれ6.0×10-5モル、小サイズ乳剤に対してはそれぞれ9.0×10-5モル添加した。)
さらに、以下の化合物を赤感性乳剤層にハロゲン化銀1モル当たり2.6×10-3モル添加した。)
【0121】
【化36】
Figure 0003793328
【0122】
また、青感性乳剤層、緑感性乳剤層および赤感性乳剤層に対し、1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを、それぞれハロゲン化銀1モル当り3.3×10-4モル、1.0×10-3モルおよび5.9×10-4モル添加した。
さらに、第二層、第四層、第六層および第七層にも、それぞれ0.2mg/m2 、0.2mg/m2 、0.6mg/m2 、0.1mg/m2 となるように添加した。
また、青感性乳剤層および緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを、それぞれハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モル、2×10-4モル添加した。
また、イラジエーション防止のために、乳剤層に以下の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加した。
【0123】
【化37】
Figure 0003793328
【0124】
(層構成)
以下に、各層の構成を示す。数字は塗布量(g/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。
支持体
ポリエチレンテレフタレート樹脂ラミネート紙
[第一層側のポリエチレンテレフタレート樹脂に白色顔料(TiO2 ;含有率16重量%、ZnO;含有率4重量%)と青味染料(群青)を含む]
Figure 0003793328
【0125】
Figure 0003793328
【0126】
Figure 0003793328
【0127】
Figure 0003793328
【0128】
Figure 0003793328
【0129】
Figure 0003793328
【0130】
【化38】
Figure 0003793328
【0131】
【化39】
Figure 0003793328
【0132】
【化40】
Figure 0003793328
【0133】
【化41】
Figure 0003793328
【0134】
【化42】
Figure 0003793328
【0135】
【化43】
Figure 0003793328
【0136】
【化44】
Figure 0003793328
【0137】
【化45】
Figure 0003793328
【0138】
【化46】
Figure 0003793328
【0139】
以上のように作製したハロゲン化銀カラー写真感光材料001に対して、第五層のシアンカプラーを表3に記載のカプラーに置き換え、さらに第二および第四層に表3に記載した添加剤をシアンカプラーに対してトータルで20モル%になるように添加した試料002〜020を作製した。このとき各サンプルのシアン発色層の最大発色濃度が約2.5になるようにシアンカプラーの塗設量を調整した。シアンカプラー以外の化合物の組成は試料001とまったく同一にした。
【0140】
【表3】
Figure 0003793328
【0141】
【化47】
Figure 0003793328
【0142】
【化48】
Figure 0003793328
【0143】
試料(001)を127mm巾のロール状に加工し、富士写真フイルム(株)製プリンタープロセサーPP1820Vを用いて像様露光、および下記処理工程にてカラー現像のタンク容量の2倍補充するまで、連続処理を行った。
処理工程 温 度 時 間 補充量*
カラー現像 38.5℃ 45秒 73ミリリットル
漂白定着 35℃ 45秒 60ミリリットル**
リンス(1) 35℃ 30秒
リンス(2) 35℃ 30秒
リンス(3) 35℃ 30秒 360ミリリットル
乾 燥 80℃ 60秒
*感光材料1m2 当りの補充量
**上記60ミリリットルに加えて、リンス(1)より感光材料1m2 当たり120ミリリットルを流し込んだ。
(リンスは(3)から(1)への3タンク向流方式とした)
【0144】
各処理液の組成は以下の通りである。
Figure 0003793328
【0145】
Figure 0003793328
【0146】
[リンス液](タンク液と補充液は同じ)
塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g
脱イオン水(導電率5μs/cm以下) 1000ミリリットル
pH 6.5
【0147】
上記のランニング液で試料001〜020を露光せずに、白地サンプルを作製し、赤色光濃度を測定した。次に補充が不十分の処理液をシュミレートするため補充量を1/3にして更に2ラウンドのランニングを行い、1日放置した後、再び未露光の試料を処理し、白地の赤色光濃度を測定した。このときの白地の赤色光濃度の変化分をC−ステインとして評価し結果を表3に示した。
【0148】
表3よりpKaが8.7以上の比較カプラーC−1、C−2等では顕著なC−ステインの上昇は見られないが、pKaが8.7以上のカプラー例えばC−5、C−6では顕著なシアンステインの上昇が見られ、このC−ステインは、第二、第四層に化合物55を添加することで大幅に低減できることが分る。
【0149】
また、pKaの高いカプラーC−3、C−4ではかなりのC−ステインが認められるものの、本発明の化合物55を添加してもC−ステインが改良されることはない。本発明の一般式(I)の化合物が有効なステインとは別のメカニズムで生じているステインであると推定される。一般式(I)の化合物のステイン改良効果はステインの発生が著しいpKa8以下のシアンカプラーで特に顕著である。
以上のように、pKaが8.7以下のシアンカプラーに対して本発明の一般式(I)の化合物を使用することにより顕著なC−ステイン改良効果を得ることができる。
実施例2
紙の両面をポリエチレンで被覆してなる支持体の表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに実施例1と同様の方法で第一層〜第七層の写真構成層を順次塗設して、以下に示す層構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料の試料(101)を作製した。
【0150】
各層のゼラチン硬膜剤、防腐剤、分光増感色素、強色増感剤、メルカプトテトラゾール類、テトラザインデン類、イラジエーション防止剤として実施例1と同じ化合物を同量で用いた。
(層構成)
以下に、各層の構成を示す。数字は、塗布量(g/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。
支持体
ポリエチレンラミネート紙
[第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2 ;含有率15重量%)と青味染料(群青)を含む]
第一層(青感性乳剤層)
前記塩臭化銀乳剤A 0.26
ゼラチン 1.35
イエローカプラー(ExY) 0.62
色像安定剤(Cpd−1) 0.04
色像安定剤(Cpd−2) 0.02
色像安定剤(Cpd−3) 0.09
色像安定剤(Cpd−5) 0.01
色像安定剤(Cpd−16) 0.04
溶媒(Solv−1) 0.22
【0151】
第二層(混色防止層)
ゼラチン 0.99
混色防止剤(Cpd−4) 0.09
色像安定剤(Cpd−7) 0.13
溶媒(Solv−1) 0.06
溶媒(Solv−2) 0.22
溶媒(Solv−7) 0.02
【0152】
第三層(緑感性乳剤層)
前記塩臭化銀乳剤B 0.14
ゼラチン 1.36
マゼンタカプラー(ExM) 0.15
紫外線吸収剤(UV−3) 0.14
色像安定剤(Cpd−2) 0.013
色像安定剤(Cpd−5) 0.013
色像安定剤(Cpd−7) 0.09
色像安定剤(Cpd−8) 0.02
溶媒(Solv−4) 0.22
溶媒(Solv−5) 0.11
溶媒(Solv−3) 0.20
【0153】
第四層(混色防止層)
ゼラチン 0.71
混色防止剤(Cpd−4) 0.06
色像安定剤(Cpd−7) 0.10
溶媒(Solv−1) 0.04
溶媒(Solv−2) 0.16
溶媒(Solv−7) 0.015
【0154】
第五層(赤感性乳剤層)
前記塩臭化銀乳剤C 0.18
ゼラチン 1.20
シアンカプラー(ExC−1) 0.03
シアンカプラー(ExC−2) 0.25
色像安定剤(Cpd−17) 0.02
色像安定剤(Cpd−18) 0.04
色像安定剤(Cpd−19) 0.08
色像安定剤(Cpd−20) 0.08
色像安定剤(Cpd−8) 0.03
色像安定剤(Cpd−7) 0.08
溶媒(Solv−9) 0.01
溶媒(Solv−3) 0.20
【0155】
第六層(紫外線吸収層)
ゼラチン 0.88
紫外線吸収剤(UV−4) 0.45
溶媒(Solv−10) 0.25
第七層(保護層)
ゼラチン 1.01
ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.04
流動パラフィン 0.02
界面活性剤(Cpd−11) 0.01
【0156】
【化49】
Figure 0003793328
【0157】
【化50】
Figure 0003793328
【0158】
【化51】
Figure 0003793328
【0159】
次に、試料101のシアンカプラーのうちExC−2を本発明のシアンカプラー(1)0.13g/m2に置き換え、更にハロゲン化銀乳剤を銀換算で0.13g/m2に変更した他は試料101と全く同様にして試料111を作製した。更に試料101および111に対して第二、第四層にそれぞれ各層のCpd−4に対して10モル%の量に当たる一般式(I)で表される化合物を添加した試料102〜104、および112〜114および116を作製した。
に示した上記以外の試料106〜109、118〜120は試料111のシアンカプラー(1)に対して等モルになるようにシアンカプラーを置き換えて作製した。
【0160】
<ランニングテストA>
上記感光材料101を127mm巾のロール状に加工し、富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタープロセッサー PP1258ARを用いて像様露光、及び下記処理工程にてカラー現像タンク容量の2倍補充するまで、連続処理(ランニングテスト)を行った(ランニングテスト液A)。
処理工程 温 度 時 間 補充量*
カラー現像 38.5℃ 45秒 45ミリリットル
漂白定着 38.0℃ 45秒 35ミリリットル
リンス(1) 38.0℃ 20秒 −
リンス(2) 38.0℃ 20秒 −
リンス(3) **38.0℃ 20秒 −
リンス(4) **38.0℃ 30秒 121ミリリットル
*感光材料1m2 当たりの補充量
**富士写真フイルム社製 リンスクリーニングシステムRC50Dをリンス(3)に装置し、リンス(3)からリンス液を取り出し、ポンプにより逆浸透膜モジュール(RC50D)へ送る。同槽で得られた透過水はリンス(4)に供給し、濃縮水はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュールへの透過水量は50〜300ミリリットル/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。
(リンスは(1)から(4)へのタンク向流方式とした。)
【0161】
各処理液の組成は以下の通りである。
Figure 0003793328
【0162】
Figure 0003793328
【0163】
Figure 0003793328
【0164】
<ランニングテストB>
次にランニングテストAにおいて補充量を1/3としたランニングテストBを行った(ランニングテスト液B)。
【0165】
試料101〜120をセンシトメトリー用の光学ウェッジを通して赤色光で露光し上記ランニングテスト液Aで処理した。処理後の試料を赤色光で濃度測定し、試料101を基準とした相対感度、最小濃度(Dmin )、最大濃度(Dmax )を求め、表4に示した。
次に上記と同様に露光した各試料をランニングテスト液Bで処理し、最小濃度を求め、ランニングテスト液Aでの最小濃度との差を、C−ステインとして表4に記載した。
更にランニングテスト液Aで処理した試料のXe光照射(10万ルックス、明室5時間/暗室1時間の間欠照射3週間)での画像安定性、100℃保存3週間での画像安定性(濃度2.0、1.5、1.0、0.5の4点での色像残存率の平均値)を評価し、結果を表4に示した。
【0166】
【表4】
Figure 0003793328
【0167】
表4より、本発明の好ましい構造を有するシアンカプラー27および1においては、第二層および第四層に本発明の一般式(I)で表される化合物を使用しない場合に見られたC−ステインの発生が本発明の一般式(I)の化合物を非感光性層に使用することで著しく抑制され、比較カプラーExC−1とExC−2との混合物と同等もしくはそれ以下のステインレベルに改良することができることが明白である。
また一般式(I)で表される化合物は本発明のカプラーに対しては著しい感度の低下、Dmax の低下を起こさず、光堅牢性を改良するという効果も有している。
上記の効果はpKaが8.0以下であるシアンカプラー1で特に顕著であり、この種のカプラーと一般式(I)の化合物とはより好ましい組み合わせであると言うことができる。
【0168】
実施例3
実施例2の試料111に対して第二層、第四層および第五層の添加剤を表5に記載したように変更した他は試料111と全く同様にして試料201〜215を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
各試料の添加剤の使用量は第二、第四層ではCpd−4に対して8mol%、第五層では本発明のシアンカプラーに対して24mol%の使用量とした。
混色については緑色光で露光した試料を前記ランニング液Aで処理したサンプルで緑色光発色濃度2.2を与える露光量のときの赤色光濃度を求め、試料211での値を基準(0.00)としたときの相対的な濃度差で評価した。数値が大きいほどマゼンタ発色部にシアン色が混入し色純度が低下していることを示す。
【0169】
【表5】
Figure 0003793328
【0170】
表5より本発明のカプラーと一般式(I)の化合物とを併用することにより混色、C−ステインを改良することができることが明らかである。
このとき一般式(I)の化合物を非感光層二、四層に添加した場合にC−ステインが大幅に改良され、第五層に添加した場合に処理混色が大幅に改良される。このように一般式(I)の化合物は使用する層により、その効果が異なり、各層に併せて添加することがより好ましい。このことは一般式(I)の化合物がメカニズムの異なるいくつかの効果を併せ持つことを示唆しているが、このような事実はこれまでの知見からはまったく予想外であった。
【0171】
実施例4
実施例2の試料111に対して一般式(I)の化合物を表6に示したように添加した試料301〜308を作製し、実施例2と同様の評価を行った。各試料の一般式(I)の化合物の添加量はいずれも本発明のシアンカプラーに対して15mol%とした。
【0172】
【表6】
Figure 0003793328
【0173】
この場合も実施例2と同様にC−ステインが改良されることが分かった。
一般式(I)の化合物を第五層でのみ使用するとC−ステインは低減するもののM−ステイン、Y−ステインはわずかながら上昇する。しかし、第二、第四層にも併せて一般式(I)の化合物を使用すれば、C−ステインを更に効果的に抑制できると同時にM−ステインとY−ステインも抑えることができる。更に第一層、第三層にも併せて一般式(I)の化合物を使用することで、M−ステイン、Y−ステインをより効果的に抑制することができる。
【0174】
実施例5
実施例2の試料111に対して各層の一般式(I)の化合物を表7に示したように変更した試料を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
【0175】
【表7】
Figure 0003793328
【0176】
この場合にも実施例2と同様に一般式(I)の化合物により本発明のシアンカプラーのC−ステインと処理混色が効果的に抑制できることが分る。
【0177】
【発明の効果】
以上のように本発明の一般式(I)で表される化合物はpKaが8.7より低いカプラーに対してC−ステイン、混色を改良することができる。特に一般式(IV) のカプラーでは感度低下とDmax 低下を引き起こすことなく光堅牢性を改良することができる。

Claims (12)

  1. 支持体上にイエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層およびシアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の各層を少なくとも一層ずつ有し、かつ、感光性のない非発色性の親水性コロイド層を少なくとも一層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該シアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層にpKaが8.7以下のシアン色素形成カプラーの少なくとも一種を含有し、かつ、該非発色性の親水性コロイド層に下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    Figure 0003793328
    一般式(I)中1、R2は各々独立に、水素原子、無置換アルキル基、下記置換基で置換されたアルキル基またはアリール基を表す。R3、R4は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R5はアリール基を表す。ただし、R1、R2、R3、R4およびR5の炭素数の合計は13以下になることはない。
    置換基:ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイルアミノ基およびアルコキシカルボニルアミノ基からなる群から選択される基。
  2. 前記一般式(I)において、1)R 1 が炭素数12〜24の無置換の直鎖もしくは分岐アルキル基、またはアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換された炭素数12〜36のアルキル基であるか、または2)R 5 が炭素数12〜30のアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基およびアシルアミノ基からなる群から選択される置換基で置換されたアリール基であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  3. 前記1)におけるR 1 の炭素数が14〜20であることを特徴とする請求項2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)または(III)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    Figure 0003793328
    一般式(II)中、Ra、Rbは、各々独立に、アリール基、無置換アルキル基または前記置換基で置換されたアルキル基を表す。R3、R4は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R5はアリール基を表す。
    一般式(III)中、R3、R4、R5は、各々独立に一般式(II)のものと同義である。Rc無置換アルキル基、前記置換基で置換されたアルキル基またはアリール基を表す。
  5. 前記一般式( II) または (III) で表される化合物の分子量が350以上であることを特徴とする請求項4に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  6. 前記一般式(I)で表される化合物が前記一般式 (III) で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  7. 前記一般式 (III) において、R が無置換アルキル基または前記置換基で置換されたアルキル基であり、R 、R がともに水素原子であり、かつR が置換または無置換アリール基であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  8. 前記一般式 (III) において、R が無置換アルキル基であり、かつR が無置換アリール基であることを特徴とする請求項7に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  9. 前記シアン色素形成カプラーが下記一般式(IV)で表される化合物より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    Figure 0003793328
    一般式(IV)中、Za、Zbはそれぞれ−C(R8)=または、−N=を表す。ただしZa、Zbのいずれかは、−N=であり、他方は−C(R8)=である。R6およびR7は、それぞれハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引基を表し、且つR6とR7のσp値の和は0.65以上である。R8は水素原子または置換基を表す。Xは水素原子、または芳香族第一級アミンカラー現像主薬の酸化体とのカップリング反応において離脱しうる基を表す。R6、R7、R8または、Xの基が2価の基になり、2量体以上の多量体や高分子鎖と結合して単重合体もしくは共重合体を形成しても良い。
  10. 前記シアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に、更に前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  11. 前記シアン発色感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に、更に前記一般式(III) で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  12. 前記イエロー発色感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または前記マゼンタ発色感光性ハロゲン化銀乳剤層に更に一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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