JP2003322939A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Info

Publication number
JP2003322939A
JP2003322939A JP2002170609A JP2002170609A JP2003322939A JP 2003322939 A JP2003322939 A JP 2003322939A JP 2002170609 A JP2002170609 A JP 2002170609A JP 2002170609 A JP2002170609 A JP 2002170609A JP 2003322939 A JP2003322939 A JP 2003322939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silver halide
layer
ring
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002170609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003322939A5 (ja
Inventor
Akira Ikeda
顕 池田
Kiyoshi Takeuchi
潔 竹内
Masahiko Taniguchi
雅彦 谷口
Naoto Matsuda
直人 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002170609A priority Critical patent/JP2003322939A/ja
Publication of JP2003322939A publication Critical patent/JP2003322939A/ja
Publication of JP2003322939A5 publication Critical patent/JP2003322939A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光材料の保存性を損なうことなく、鮮鋭
性、処理依存性や撮影処理後の画像保存性が改良された
ハロゲン化銀感光材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、
緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀乳剤層
をそれぞれ少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料であって、前記の青感性ハロゲン化銀乳剤層
に下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種
含み、かつ少なくとも1種の還元性化合物を含有するハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 (式中、Qは−N=C−N(R1)−とともに5〜7員環
を形成する非金属原子群を表す。R1、R2は置換基を
表す。mは0〜5の整数を表す。mが2以上のとき複数
のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに
結合して環を形成してもよい。Xは水素原子または現像
主薬酸化体とのカップリング反応により離脱可能な基を
表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光吸収効率が高いイ
エロー色素を生成するイエローカプラーを含有し、感光
材料の処理依存性、保存性および撮影処理後の画像保存
性にも優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ズームレンズの使用やストロボレス撮影
などユーザーのあらゆる条件下においても露光不足に代
表されるような失敗を防ぐために近年のハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料はそのハロゲン化銀乳剤技術の進歩と
共に高感度化の一途をたどっている。
【0003】しかしながらハロゲン化銀乳剤の平板度を
更に上げたり、ハロゲン化銀乳剤自身の使用量を増やし
て高感度化を図ると下層の鮮鋭度の悪化や下層現像遅れ
などの弊害が顕著になるため、高感度化に際してはハロ
ゲン化銀乳剤量の低減化および薄層化の技術が不可欠と
なっていた。
【0004】ハロゲン化銀乳剤の低減化、薄層化を達成
する技術の一つとして発色色素の光吸収効率の向上があ
げられる。カラー写真ハロゲン化銀感光材料中の発色色
素の中でイエロー色素のモル吸光係数が最も低く、イエ
ロー色素の光吸収効率の向上が望まれていた。これまで
にも鋭意検討されたが、光吸収効率の向上に加えて感光
材料の保存性や撮影処理後の画像保存性まで満足するも
のは見出されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色素
の光吸収効率に優れたイエローカプラーと特定の保存性
改良剤との組み合わせによって、感光材料の保存性を損
なうことなく、鮮鋭性、処理依存性や撮影処理後の画像
保存性が改良されたハロゲン化銀感光材料を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハ
ロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀乳剤層をそれぞ
れ少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材
料であって、前記の青感性ハロゲン化銀乳剤層に下記一
般式(I)で表される化合物を少なくとも1種含み、か
つ少なくとも1種のラジカルスカベンジャーを含有する
ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料、
【0007】
【化4】
【0008】(式中、Qは−N=C−N(R1)−とと
もに5〜7員環を形成する非金属原子群を表す。R1は
置換基を表す。R2は置換基を表す。mは0以上5以下
の整数を表す。mが2以上のとき複数のR2はそれぞれ
同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成
してもよい。Xは水素原子または現像主薬酸化体とのカ
ップリング反応により離脱可能な基を表す。) (2)支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハ
ロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀乳剤層をそれぞ
れ少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材
料であって、前記の青感性ハロゲン化銀乳剤層に下記一
般式(II)で表される化合物を少なくとも1種含み、か
つ下記の一般式(B2)、一般式(B8)、および一般式
(B10)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種
を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
光材料、
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R1は置換基を表す。R2は置換
基を表す。mは0以上5以下の整数を表す。mが2以上
のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよ
く、互いに結合して環を形成してもよい。R3は置換基
を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上の
とき複数のR3はそれぞれ同じでも異なっていてもよ
く、互いに結合して環を形成してもよい。Xは水素原子
または現像主薬酸化体とのカップリング反応により離脱
可能な基を表す。)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、Rb2、RN2は水素原子、アルキル
基、アリール基、ヘテロ環基を表し、Y 8はヒドロキシ基
を除く置換基を表し、m8は1〜5の整数を表し、
Rb100、Rb101、Rb102は水素原子または置換基を表し、Z
10は環を形成し得る非金属原子団を表す。) (3)前記の一般式(B2)、一般式(B8)、および一
般式(B10)で表される化合物から選ばれる少なくとも
1種の化合物を前記の青感性ハロゲン化銀乳剤層中に含
有することを特徴とする(2)項に記載のハロゲン化銀
カラー写真感光材料、および (4)DIR(現像抑制剤放出)カプラーを少なくとも1
種含有することを特徴とする(2)または(3)項に記
載のハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供するもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 (色素形成カプラー)本発明に用いられる一般式(I)
で表される化合物(本明細書では色素形成カプラーとも
称す)を詳細に説明する。
【0014】
【化7】
【0015】式中、R1は水素原子以外の置換基を表
す。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アル
キル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含
む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロア
ルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテ
ロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボ
キシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオ
キシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモ
イルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリー
ルオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アルキルアミノ
基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカル
ボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ
基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカ
プト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チ
オ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリ
ールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ
環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、
ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル
基が挙げられる。なお、上述の置換基はさらに置換基で
置換されていてもよく、該置換基としては上述の基が挙
げられる。
【0016】好ましくはR1は、置換もしくは無置換の
アルキル基である。R1の総炭素数は1以上60以下が
好ましく、6以上50以下がより好ましく、11以上4
0以下がさらに好ましく16以上30以下が最も好まし
い。R1が置換アルキル基である場合の置換基としては
前述のR1の置換基として挙げた例が上げられる。好ま
しくはR1は、炭素数11以上の無置換アルキル基、も
しくは2位、3位あるいは4位にアルコキシ基またはア
リールオキシ基が置換したアルキル基であり、さらに好
ましくは、炭素数16以上の無置換アルキル基、もしく
は3位にアルコキシ基またはアリールオキシ基が置換し
たアルキル基であり、最も好ましくはC1633基、C18
37基、3−ラウリルオキシプロピル基、もしくは3−
(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル基であ
る。
【0017】一般式(I)においてQは−N=C−N
(R1)−とともに5〜7員環を形成する非金属原子群
を表す。好ましくは形成される5〜7員環は置換もしく
は無置換、単環もしくは縮合環のヘテロ環であり、より
好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫
黄原子から選択される。さらに好ましくは、Qは−C
(−R11)=C(−R12)−SO2−、もしくは−
C(−R11)=C(−R12)−CO−で表される基
を表す。なお、本発明において、この基の表記はこの式
で表わされる基の結合の向きを制限するものではない。
このうちQは−C(−R11)=C(−R12)−SO
2−で表される基がより好ましい。R11、R12は互
いに結合して−C=C−とともに5〜7員環を形成する
基、もしくはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表
す。形成される5員〜7員の環は飽和または不飽和環で
あり、該環は脂環、芳香環、ヘテロ環であってもよく、
例えば、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、シクロ
ペンタン環、シクロヘキサン環が挙げられる。また置換
基としては前述のR1の置換基として挙げた例が挙げら
れる。これらの各置換基や複数の置換基が互いに結合し
て形成した環は、更に置換基(前述のR1の置換基とし
て例示した基が挙げられる)で置換されてもよい。
【0018】一般式(I)において、R2は水素原子以
外の置換基を表す。この置換基の例としては前述のR1
の置換基の例として挙げたものが挙げられる。好ましく
はR2はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、
臭素原子)、アルキル基(例えばメチル、イソプロピ
ル)、アリール基(たとえばフェニル、ナフチル)、ア
ルコキシ基(例えばメトキシ、イソプロピルオキシ)、
アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ
基(例えばアセチルオキシ)、アミノ基(例えばジメチ
ルアミノ、モルホリノ)、アシルアミノ基(例えばアセ
トアミド)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホン
アミド、ベンゼンスルホンアミド)、アルコキシカルボ
ニル基(例えばメトキシカルボニル)、アリールオキシ
カルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、カルバ
モイル基(例えば、N−メチルカルバモイル、N,N−
ジエチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えばN
−メチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモ
イル)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニ
ル)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニ
ル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、ドデシルチ
オ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチル
チオ)、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基である。
なおR2が−CONH−基に対してオルト位にある場
合、好ましくはハロゲン原子、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ
基である。
【0019】一般式(I)において、mは0以上5以下
の整数を表す。mが2以上のとき複数のR2はそれぞれ
同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成
してもよい。
【0020】一般式(I)においてXは水素原子または
現像主薬酸化体とのカップリング反応により離脱可能な
基を表す。Xが現像主薬酸化体とのカップリング反応に
より離脱可能な基である場合の例としては窒素原子で離
脱する基、酸素原子で離脱する基、イオウ原子で離脱す
る基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)など
が挙げられる。
【0021】窒素原子で離脱する基としては、ヘテロ環
基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和も
しくは不飽和、芳香族(本明細書では4n+2個の環状
共役電子を有するものを意味する)もしくは非芳香族、
単環もしくは縮合環のヘテロ環基であり、より好ましく
は、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子か
ら選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子の
いずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有する5もしく
は6員のヘテロ環基であり、例えばスクシンイミド、マ
レインイミド、フタルイミド、ジグリコールイミド、ピ
ロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,4−トリ
アゾール、テトラゾール、インドール、ベンゾピラゾー
ル、ベンツイミダゾール、ベンゾトリアゾール、イミダ
ゾリン−2,4−ジオン、オキサゾリジン−2,4−ジ
オン、チアゾリジン−2−オン、ベンツイミダゾリン−
2−オン、ベンゾオキサゾリン−2−オン、ベンゾチア
ゾリン−2−オン、2−ピロリン−5−オン、2−イミ
ダゾリン−5−オン、インドリン−2,3−ジオン、
2,6−ジオキシプリンパラバン酸、1,2,4−トリ
アゾリジン−3,5−ジオン、2−ピリドン、4−ピリ
ドン、2−ピリミドン、6−ピリダゾン、2−ピラゾ
ン、2−アミノ−1,3,4−チアゾリジン−4−オ
ン)、カルボナミド基(例えばアセタミド、トリフルオ
ロアセタミド)、スルホンアミド基(例えばメタンスル
ホンアミド、ベンゼンスルホンアミド)、アリールアゾ
基(例えばフェニルアゾ、ナフチルアゾ)、カルバモイ
ルアミノ基(例えばN−メチルカルバモイルアゾ)など
が挙げられる。窒素原子で離脱する基のうち、好ましい
ものはヘテロ環基であり、さらに好ましいものは、環構
成原子として窒素原子を1、2、3または4個有する芳
香族ヘテロ環基、または下記一般式(L)で表されるヘ
テロ環基である。
【0022】
【化8】
【0023】式中、Lは−NC(=O)−と共に5〜6
員環の含窒素ヘテロ環を形成する残基を表す。これらの
例示は上記ヘテロ環基の説明の中で挙げており、これら
が更に好ましい。なかでも、Lは5員環の含窒素ヘテロ
環を形成する残基が好ましい。
【0024】酸素原子で離脱する基としては、アリール
オキシ基(例えばフェノキシ、1−ナフトキシ)、ヘテ
ロ環オキシ基(例えばピリジルオキシ、ピラゾリルオキ
シ)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ、ベンゾイル
オキシ)、アルコキシ基(例えばメトキシ、ドデシルオ
キシ)、カルバモイルオキシ基(例えばN,N−ジエチ
ルカルバモイルオキシ、モルホリノカルバモイルオキ
シ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えばフェ
ノキシカルボニルオキシ)、アルコキシカルボニルオキ
シ基(例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカル
ボニルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えば
メタンスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ
基(例えばベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホ
ニルオキシ)などが挙げられる。酸素原子で離脱する基
のうち、好ましいものはアリールオキシ基、アシルオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基である。
【0025】イオウ原子で離脱する基としては、アリー
ルチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)、ヘテ
ロ環チオ基(例えばテトラゾリルチオ、1,3,4−チ
アジアゾリルチオ、1,3,4−オキサゾリルチオ、ベ
ンツイミダゾリルチオ)、アルキルチオ基(例えばメチ
ルチオ、オクチルチオ、ヘキサデシルチオ)、アルキル
スルフィニル基(例えばメタンスルフィニル)、アリー
ルスルフィニル基(例えばベンゼンスルフィニル)、ア
リールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、ア
ルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)などが
挙げられる。イオウ原子で離脱する基のうち、好ましい
ものはアリールチオ基、ヘテロ環チオ基であり、ヘテロ
環チオ基がより好ましい。
【0026】Xは置換基により置換されていてもよく、
Xを置換する置換基の例としては前述のR1の置換基の
例として挙げたものが挙げられる。Xは、好ましくは窒
素原子で離脱する基、酸素原子で離脱する基、イオウ原
子で離脱する基であり、より好ましくは窒素原子で離脱
する基であり、更に好ましくは、窒素原子で離脱する基
で述べた好ましい基の順に好ましい。またXは写真性有
用基であってもよい。この写真性有用基としては、現像
抑制剤、脱銀促進剤、レドックス化合物、色素、カプラ
ー等、あるいはこれらの前駆体が挙げられる。
【0027】カプラーを感光材料中で不動化するため
に、Q、R1、X、あるいはR2の少なくとも1つは置
換基を含めた総炭素数が8以上50以下であることが好
ましく、より好ましくは総炭素数が10以上40以下で
ある。
【0028】次に本発明に用いられる一般式(II)で表
される化合物(本明細書では色素形成カプラーとも称
す)を詳細に説明する。
【0029】
【化9】
【0030】一般式(II)において、R1、R2、m、
Xは一般式(I)において述べたものと同じものを表
し、好ましい範囲も同様である。
【0031】一般式(II)において、R3は置換基を表
す。この置換基の例としては前述のR1の置換基の例と
して挙げたものが挙げられる。好ましくはR3はハロゲ
ン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ア
ルキル基(例えばメチル、イソプロピル)、アリール基
(たとえばフェニル、ナフチル)、アルコキシ基(例え
ばメトキシ、イソプロピルオキシ)、アリールオキシ基
(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ)、アミノ基(例えばジメチルアミノ、モルホ
リノ)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド)、スル
ホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼン
スルホンアミド)、アルコキシカルボニル基(例えばメ
トキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例
えばフェノキシカルボニル)、カルバモイル基(例え
ば、N−メチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバ
モイル)、スルファモイル基(例えばN−メチルスルフ
ァモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、アルキ
ルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、アリール
スルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、シアノ
基、カルボキシル基、スルホ基である。
【0032】nは0以上4以下の整数を表す。nが2以
上のとき複数のR3はそれぞれ同じでも異なっていても
よく、互いに結合して環を形成してもよい。
【0033】本発明において一般式(I)もしくは一般
式(II)で表されるカプラーのうち、好ましい具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なおカップリング位の水素原子が、カップリング位
に結合したC=N部の窒素上に移動した互変異性体も本
発明に含まれることとする。
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】なお、以降の説明において、以上に示され
た例示化合物(色素形成カプラーとも称す)を引用する
場合、それぞれの例示化合物に付された括弧書きの番号
(x)を用いて、「カプラー(x)」と表示することと
する。
【0045】以下に上記一般式(I)もしくは一般式
(II)で表される化合物の具体的な合成例を示す。 合成例1:カプラー(1)の合成 カプラー(1)は、下記に示すルートにより合成した。
【0046】
【化20】
【0047】40%メチルアミン水溶液38.8gとア
セトニトリル200mLの溶液に、氷冷下オルトニトロベ
ンゼンスルホニルクロライド44.3gを少量ずつ撹拌
しながら添加した。系の温度を室温まで昇温させ、さら
に1時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、有
機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、酢酸エ
チル、ヘキサン混合溶媒から晶析して28.6gの化合
物(A−1)を得た。
【0048】還元鉄44.8g、塩化アンモニウム4.
5gをイソプロパノール270mL、水45mLに分散し、
1時間加熱還流した。これに化合物(A−1)25.9
gを少量ずつ撹拌しながら添加した。さらに1時間加熱
還流した後、セライトを通して吸引ろ過した。濾液に酢
酸エチル、水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗
浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を減圧留去し、化合物(A−2)の油状物21.5gを
得た。
【0049】化合物(A−2)18.9g、イミノエー
テル(A−0)の塩酸塩39.1g、エチルアルコール
200mLの溶液を加熱還流下1日撹拌した。更にイミノ
エーテルの塩酸塩19.2gを加え加熱還流下さらに1
日撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を
希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチル、
ヘキサン混合溶媒から晶析して21.0gの化合物(A
−3)を得た。
【0050】化合物(A−3)5.6g、2−メトキシ
−5−テトラデシルオキシカルボニルアニリン7.2
g、m−ジクロルベンゼン20mLの溶液を加熱還流下6
時間撹拌した。冷却後ヘキサンを加えて晶析して8.8
gの化合物(A−4)を得た。
【0051】化合物(A−4)5.4gの塩化メチレン
110mLの溶液に、氷冷下、臭素0.45mLの塩化メチ
レン溶液10mLを滴下した。室温にて30分撹拌した
後、塩化メチレン、水を加えて分液し、有機層を飽和食
塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を減圧留去し、化合物(A−5)の粗製物を得た。
【0052】5,5−ジメチルオキサゾリジン−2,4
−ジオン3.5g、トリエチルアミン3.8mLをN,N-ジ
メチルアセトアミド110mLに溶解し、これに室温下、
先に合成した化合物(A−5)の粗製物すべてをアセト
ニトリル25mLに溶解したものを10分間で滴下し、室
温にて2時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液
し、有機層を0.1規定水酸化カリウム水溶液、希塩酸
水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより、アセトン、ヘキサン混合溶
媒を溶離液として用いて精製し、酢酸エチル、ヘキサン
混合溶媒から晶析してカプラー(1)4.7gを得た。
【0053】合成例2:カプラー(3)の合成 カプラー(3)は、下記に示すルートにより合成した。
【0054】
【化21】
【0055】3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキ
シ)プロピルアミン438g、トリエチルアミン210
mL、アセトニトリル1Lの溶液に、氷冷下オルトニトロ
ベンゼンスルホニルクロライド333gを少量ずつ撹拌
しながら添加した。系の温度を室温まで昇温させ、さら
に1時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、有
機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、酢酸エ
チル、ヘキサン混合溶媒から晶析して588gの化合物
(B−1)を得た。
【0056】還元鉄84.0g、塩化アンモニウム8.
4gをイソプロパノール540mL、水90mLに分散し、
1時間加熱還流した。これに化合物(B−1)119g
を少量ずつ撹拌しながら添加した。さらに2時間加熱還
流した後、セライトを通して吸引ろ過した。濾液に酢酸
エチル、水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄
した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を
減圧留去し、化合物(B−2)の油状物111gを得
た。
【0057】化合物(B−2)111g、イミノエーテ
ル(A−0)の塩酸塩68.4g、エチルアルコール1
50mLの溶液を加熱還流下1時間撹拌した。更にイミノ
エーテルの塩酸塩4.9gを加え加熱還流下さらに30
分撹拌した。冷却後吸引濾過し、濾液にp−キシレン1
00mLを加え、エタノールを留去しながら4時間加熱還
流した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により、酢酸エチル、ヘキサン混合溶媒を溶離液として
用いて精製し、メタノールから晶析して93.1gの化
合物(B−3)を得た。
【0058】化合物(B−3)40.7g、2−メトキ
シアニリン18.5g、p−キシレン10mLの溶液を加
熱還流下6時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液
し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エ
チル、ヘキサン混合溶媒を溶離液として用いて精製し、
油状の化合物(B−4)37.7gを得た。
【0059】化合物(B−4)24.8gの塩化メチレ
ン400mLの溶液に、氷冷下、臭素2.1mLの塩化メチ
レン溶液35mLを滴下した。氷冷下30分撹拌した後、
塩化メチレン、水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水
で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減
圧留去し、化合物(B−5)の粗製物を得た。
【0060】5,5−ジメチルオキサゾリジン−2,4
−ジオン15.5g、トリエチルアミン16.8mLをN,
N-ジメチルアセトアミド200mLに溶解し、これに室温
下、先に合成した化合物(B−5)の粗製物すべてをア
セトニトリル40mLに溶解したものを10分間で滴下
し、40℃まで昇温して30分撹拌した。酢酸エチル、
水を加えて分液し、有機層を0.1規定水酸化カリウム
水溶液、希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、ア
セトン、ヘキサン混合溶媒を溶離液として用いて精製
し、酢酸エチル、ヘキサン混合溶媒から晶析してカプラ
ー(3)23.4gを得た。
【0061】合成例3:カプラー(6)の合成 カプラー(6)は、下記に示すルートにより合成した。
【0062】
【化22】
【0063】ベンジルアミン21.4gとアセトニトリ
ル200mLの溶液に、氷冷下オルトニトロベンゼンスル
ホニルクロライド39.9gを少量ずつ撹拌しながら添
加した。系の温度を室温まで昇温させ、さらにトリエチ
ルアミン30mLを滴下し1時間撹拌した。酢酸エチル、
水を加えて分液し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗
浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を減圧留去し、酢酸エチル、ヘキサン混合溶媒から晶析
して31.2gの化合物(C−1)を得た。
【0064】還元鉄44.8g、塩化アンモニウム4.
5gをイソプロパノール270mL、水45mLに分散し、
1時間加熱還流した。これに化合物(C−1)29.2
gを少量ずつ撹拌しながら添加した。さらに1時間加熱
還流した後、セライトを通して吸引ろ過した。濾液に酢
酸エチル、水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で洗
浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を減圧留去し、化合物(C−2)の油状物25.5gを
得た。
【0065】化合物(C−2)19.7g、イミノエー
テル(A−0)の塩酸塩22.0g、エチルアルコール
200mLの溶液を加熱還流下4時間撹拌した。更にイミ
ノエーテルの塩酸塩19.7gを加え、加熱還流下4時
間撹拌した。更にp−トルエンスルホン酸一水和物13
gを加え、加熱還流下1時間撹拌した。酢酸エチル、水
を加えて分液し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄
した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を
減圧留去し、酢酸エチル、ヘキサン混合溶媒から晶析し
て3.2gの化合物(C−3)を得た。
【0066】化合物(C−3)2.9g、2−メトキシ
−5−テトラデシルオキシカルボニルアニリン2.9
g、o−ジクロルベンゼン20mLの溶液を加熱還流下6
時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層
を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチ
ル、ヘキサン混合溶媒を溶離液として用いて精製し、酢
酸エチル、ヘキサン混合溶媒から晶析して3.8gの化
合物(C−4)を得た。
【0067】化合物(C−4)3.4gの塩化メチレン
100mLの溶液に、氷冷下、臭素0.26mLの塩化メチ
レン溶液10mLを滴下した。室温にて30分撹拌した
後、塩化メチレン、水を加えて分液し、有機層を飽和食
塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を減圧留去し、化合物(C−5)の粗製物を得た。
【0068】1−ベンジル−5−エトキシヒダントイン
3.5g、トリエチルアミン2.1mLをN,N-ジメチルア
セトアミド100mLに溶解し、これに室温下、先に合成
した化合物(C−5)の粗製物すべてをアセトニトリル
20mLに溶解したものを30分間で滴下し、40℃にて
2時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、有機
層を0.1規定水酸化カリウム水溶液、希塩酸水、飽和
食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより、酢酸エチル、ヘキサン混合溶媒を溶
離液として用いて精製し、酢酸エチル、ヘキサン混合溶
媒から晶析してカプラー(6)3.0gを得た。
【0069】合成例4:カプラー(11)の合成 カプラー(11)は、下記に示すルートにより合成し
た。
【0070】
【化23】
【0071】化合物(D−0)(米国特許第3,841,880
号に記載のカプラーI)26.8g、炭酸カリウム1
6.6g、アセトン300mLの溶液にジメチル硫酸1
3.9gを滴下し加熱還流下2時間撹拌した。酢酸エチ
ル、水を加えて分液し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水
で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにより、アセトン、ヘキサン混合溶媒を溶
離液として用いて精製し、酢酸エチル、ヘキサン混合溶
媒から晶析して5.6gの化合物(D−1)を得た。こ
のとき副生成物として10.9gの化合物(A−3)が
得られた。このようにして合成した化合物(A−3)を
用いてカプラー(1)を合成しても良い。
【0072】化合物(D−1)5.4g、2−メトキシ
−5−テトラデシルオキシカルボニルアニリン7.3
g、o−ジクロルベンゼン50mLの溶液を加熱還流下6
時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層
を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。酢酸エチ
ル、メタノール混合溶媒から晶析し化合物(D−2)
9.1gを得た。
【0073】化合物(D−2)4.8gの塩化メチレン
100mLの溶液に、氷冷下、臭素0.4mLの塩化メチレ
ン溶液10mLを滴下した。氷冷下30分撹拌した後、塩
化メチレン、水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧
留去し、化合物(D−3)の粗製物を得た。
【0074】5−ブチルオキサゾリジン−2,4−ジオ
ン3.8g、トリエチルアミン3.4mLをN,N-ジメチル
アセトアミド100mLに溶解し、これに室温下、先に合
成した化合物(D−3)の粗製物すべてをN,N-ジメチル
アセトアミド50mLに溶解したものを30分間で滴下
し、室温にて1時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて
分液し、有機層を0.1規定水酸化カリウム水溶液、希
塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより、アセトン、テトラヒド
ロフラン、ヘキサン混合溶媒を溶離液として用いて精製
し、酢酸エチル、ヘキサン混合溶媒から晶析してカプラ
ー(11)2.1gを得た。
【0075】合成例5:カプラー(13)の合成 カプラー(13)は、下記に示すルートにより合成し
た。
【0076】
【化24】
【0077】無水イサト酸48.9gのアセトニトリル
溶液200mLに、ベンジルアミン32.2gを滴下し撹
拌した。系の温度を60℃まで昇温させ、さらに10分
間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、エ
ーテル、ヘキサン混合溶媒から晶析して54.6gの化
合物(E−1)を得た。
【0078】化合物(E−1)24.9g、イミノエー
テル(A−0)の塩酸塩21.6g、パラトルエンスル
ホン酸一水和物10.5gのエチルアルコール溶液20
0mLを加熱還流下3時間撹拌した。冷却後、イミノエー
テルの塩酸塩21.6gを加え加熱還流下さらに1時間
撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液し、有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、エー
テル、ヘキサン混合溶媒から晶析して33.6gの化合
物(E−2)を得た。
【0079】化合物(E−2)6.5g、2−クロロ−
5−ドデシルオキシカルボニルアニリン6.5gのp−
キシレン溶液50mLを加熱還流下2時間撹拌した。さら
にp−トルエンスルホン酸1水和物0.2gを添加し、
加熱還流下4時間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分
液し、有機層を1規定塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、酢
酸エチル、ヘキサン混合溶媒から晶析して6.7gの化
合物(E−3)を得た。
【0080】化合物(E−3)5.5gの塩化メチレン
溶液70mLに、氷冷下、臭素0.48mLの塩化メチレン
溶液15mLを滴下した。室温にて30分撹拌した後、塩
化メチレン、水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧
留去し、化合物(E−4)の粗製物を得た。
【0081】5,5−ジメチルオキサゾリジン−2,4
−ジオン3.5g、トリエチルアミン3.8mLをN,N-ジ
メチルアセトアミド50mLに溶解し、これに室温下、先
に合成した化合物(E−4)の粗製物すべてをN,N-ジメ
チルアセトアミド50mLに溶解したものを10分間で滴
下し、室温にて1時間撹拌した。酢酸エチル、水を加え
て分液し、有機層を1規定炭酸カリウム水溶液、1規定
塩酸水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル、ヘキサン
混合溶媒を溶離液として用いて精製し、アモルファス状
態のカプラー(13)4.0gを得た。
【0082】本発明においては一般式(I)又は(II)
で表されるイエローカプラーは他のイエローカプラーと
任意の割合で混合して使用することができるが、一般式
(I)又は(II)で表されるイエローカプラーの比率が
モル比で好ましくは10%以上、より好ましくは25%
以上、更に好ましくは50%以上、最も好ましくは75
%以上100%以下である。
【0083】本発明に用いられる一般式(I)又は(I
I)で表わされる化合物は青感性ハロゲン化銀乳剤層中
に含まれるDIRカプラー以外のイエローカプラー中
に、好ましくは50mol%以上、より好ましくは75mol%
以上、特に好ましくは90mol%以上、最も好ましくは1
00mol%含まれることである。また一般式(I)又は
(II)で表される化合物の使用量は1.5g/m2以下であ
ることが好ましく、1.0g/m2であることがより好まし
いが、特に好ましくは0.9g/m2以下である。
【0084】次に本発明に用いられる還元性化合物につ
いて説明する。本発明において還元性化合物とは、ヒド
ロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレ
ア類、ヒドロキシウレタン類、ヒドロキシセミカルバジ
ド類、レダクトン類(レダクトン誘導体を含む)、アニリ
ン類、フェノール類(クロマン-6-オール類、2,3-ジヒド
ロベンゾフラン-5-オール類、アミノフェノール類、ス
ルホンアミドフェノール類、およびハイドロキノン類、
カテコール類、レゾルシノール類、ベンゼントリオール
類、ビスフェノール類のようなポリフェノール類を含
む)、ヒドラジン類、ヒドラジド類、フェニドン類から
選ばれる化合物である。
【0085】ヒドロキシルアミン類とは一般式(B1)で表
され、ヒドロキサム酸類とは一般式(B2)で表され、ヒド
ロキシウレア類とは一般式(B3)で表され、ヒドロキシウ
レタン類とは一般式(B4)で表され、ヒドロキシセミカル
バジド類とは一般式(B5)で表され、レダクトン類とは一
般式(B6)で表され、アニリン類とは一般式(B7)で表さ
れ、フェノール類とは一般式(B8)、(B9)、(B10)で表さ
れ、ヒドラジン類とは一般式(B11)で表され、ヒドラジ
ド類とは一般式(B12)で表され、フェニドン類とは一般
式(B13)で表される化合物である。
【0086】
【化25】
【0087】一般式(B1)〜(B13)のいずれかにおいて、R
b1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、Rb70、Rb 71、Rb110、Rb111
Rb112、Rb113、Rb12、Rb13、RN1、RN2、RN3、RN4、RN5
は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表
し、RH3、RH5、R'H5、RH12、R'H12、RH13は水素原子、
アルキル基、アリール基、アシル基、アルキルスルホニ
ル基もしくはアリールスルホニル基を表し、このうちR
H3はさらにヒドロキシ基であってもよい。Rb100
Rb101、Rb102、Rb130、Rb131、Rb132、Rb133は水素原子
または置換基を表す。Y7、Y8はヒドロキシ基を除く置換
基を表し、Y9は置換基を表し、m7は0〜5の整数、m8
は1〜5の整数、m9は0〜4の整数を表す。Y7、Y8、Y
9はさらにベンゼン環に縮合するアリール基(例えばベン
ゼン縮合環)であってもよく、さらにこれが置換基を有
していてもよい。Z10は環を形成し得る非金属原子団を
表し、X12は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテ
ロ環基、アルコキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、
アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、または環状のア
ミノ基を含む)、カルバモイル基を表す。
【0088】一般式(B6)においてX6、X'6はそれぞれヒ
ドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルチ
オ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ
基、ヘテロ環アミノ基、または環状のアミノ基を含
む)、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、ウレイド基、アシルオキシ基、ア
シルチオ基、アルキルアミノカルボニルオキシ基、また
はアリールアミノカルボニルオキシ基を表す。Rb60、R
b61はアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基を表し、Rb60とRb61は互いに結合
して環状構造を形成していてもよい。Y6は酸素原子また
は硫黄原子を表す。
【0089】上記の一般式(B1)〜(B13)の各基の説明の
中で、アルキル基とは炭素数1〜30の、直鎖、分岐も
しくは環状の、置換もしくは無置換のアルキル基を意味
し、アリール基とはフェニル基やナフチル基のような、
単環もしくは縮合環の、置換もしくは無置換の芳香族炭
化水素環を表し、ヘテロ環基とはヘテロ原子を少なくと
も1つ含有する、芳香族もしくは非芳香族の、単環もし
くは縮合環の、置換もしくは無置換のヘテロ環基を意味
する。
【0090】また本発明において置換基とは、例えばハ
ロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、また
は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐、環状のアルキ
ル基で、ビシクロアルキル基や活性メチン基を含む)、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基
(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オ
キシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカ
ルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホ
ニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル
基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモ
イル基、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、
オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイ
ミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロ
キシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロ
ピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリー
ルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(ア
ルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ
基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、
【0091】アミノ基、(アルキル、アリール、または
ヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレ
イド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキ
シ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セ
ミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ
基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アル
キルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−ア
シルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、
ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子
を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ
基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ
基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、
またはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、また
はヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)ス
ルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル
基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−ア
シルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル
基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホス
フィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等
が挙げられる。なおここで活性メチン基とは2つの電子
求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求
引性基とはアシル基、アルコシキカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスル
ホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、
トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボン
イミドイル基(Carbonimidoyl基)を意味する。ここで
2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとって
いてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、
ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。
これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていて
もよい。
【0092】一般式(B1)〜一般式(B5)のいずれかにおい
てRN1、RN2、RN3、RN4、RN5は、好ましくは水素原子ま
たはアルキル基であり、ここでアルキル基として好まし
くは炭素数1〜12の、直鎖、分岐もしくは環状の、置
換もしくは無置換のアルキル基で、より好ましくは炭素
数1〜6の、直鎖もしくは分岐の、置換もしくは無置換
のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、ベン
ジル基などである。
【0093】一般式(B1)においてRb1は好ましくはアル
キル基またはヘテロ環基で、ここにアルキル基とは直
鎖、分岐もしくは環状の、置換もしくは無置換のアルキ
ル基で、好ましくは炭素数1〜30の、より好ましくは
炭素数1〜18のアルキル基である。ヘテロ環基とは5
員もしくは6員の単環または縮合環の、芳香族または非
芳香族のヘテロ環基で、置換基を有していてもよい。ヘ
テロ環基として好ましくは芳香族ヘテロ環基で、例えば
ピリジン環基、ピリミジン環基、トリアジン環基、チア
ゾール環基、ベンゾチアゾール環基、オキサゾール環
基、ベンゾオキサゾール環基、イミダゾール環基、ベン
ゾイミダゾール環基、ピラゾール環基、インダゾール環
基、インドール環基、プリン環基、キノリン環基、イソ
キノリン環基、キナゾリン環基などが挙げられ、特にト
リアジン環基、ベンゾチアゾール環基が好ましい。Rb1
で表されるアルキル基またはヘテロ環基が、その置換基
として-N(RN1)OH基をさらに1つもしくは2つ以上有す
る場合もまた一般式(B1)で表される化合物の好ましい例
の一つである。
【0094】一般式(B2)においてRb2は好ましくはアル
キル基、アリール基、またはヘテロ環基で、より好まし
くはアルキル基またはアリール基である。アルキル基の
好ましい範囲はRb1における説明と同じである。アリー
ル基として好ましくはフェニル基またはナフチル基で、
フェニル基が特に好ましく、置換基を有していてもよ
い。Rb2で表される基がその置換基として-CON(RN2)OH基
をさらに1つもしくは2つ以上有する場合もまた一般式
(B2)で表される化合物の好ましい例の一つである。
【0095】一般式(B3)においてRb3は好ましくはアル
キル基またはアリール基で、これらの好ましい範囲はR
b1およびRb2における説明と同じである。RH3は好ましく
は水素原子またはアルキル基、より好ましくは水素原子
である。Rb3で表される基がその置換基として-N(RH3)CO
N(RN3)OH基をさらに1つもしくは2つ以上有する場合も
また一般式(B3)で表される化合物の好ましい例の一つで
ある。またRb3とRN3とが結合して環構造(好ましくは5
員または6員の飽和のヘテロ環)を形成していてもよ
い。
【0096】一般式(B4)においてRb4は好ましくはアル
キル基で、その好ましい範囲はRb1における説明と同じ
である。Rb4で表される基がその置換基として-OCON
(RN4)OH基をさらに1つもしくは2つ以上有する場合も
また一般式(B4)で表される化合物の好ましい例の一つで
ある。一般式(B5)においてRb5は好ましくはアルキル基
またはアリール基、より好ましくはアリール基で、これ
らの好ましい範囲はRb1およびRb2における説明と同じで
ある。RH5、R'H5は好ましくは水素原子またはアルキル
基で、より好ましくは水素原子である。
【0097】一般式(B6)においてRb60、Rb61は、互いに
結合して環構造を形成する場合が好ましい。ここで形成
される環状構造は、5員〜7員の非芳香族の炭素環もし
くはヘテロ環で、単環でも縮合環であってもよい。環構
造の好ましい例を具体的に挙げれば、例えば2-シクロペ
ンテン-1-オン環、2,5-ジヒドロフラン-2-オン環、3-ピ
ロリン-2-オン環、4-ピラゾリン-3-オン環、2-シクロヘ
キセン-1-オン環、5,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-オン環、
5,6-ジヒドロ-2-ピリドン環、1,2-ジヒドロナフタレン-
2-オン環、クマリン環(ベンゾ-α-ピラン-2-オン環)、2
-キノロン環、1,4-ジヒドロナフタレン-1-オン環、クロ
モン環(ベンゾ-γ-ピラン-4-オン環)、4-キノロン環、
インデン-1-オン環、3-ピロリン-2,4-ジオン環、ウラシ
ル環、チオウラシル環、ジチオウラシル環などが挙げら
れ、より好ましくは2-シクロペンテン-1-オン環、2,5-
ジヒドロフラン-2-オン環、3-ピロリン-2-オン環、4-ピ
ラゾリン-3-オン環、1,2-ジヒドロナフタレン-2-オン
環、クマリン環(ベンゾ-α-ピラン-2-オン環)、2-キノ
ロン環、1,4-ジヒドロナフタレン-1-オン環、クロモン
環(ベンゾ-γ-ピラン-4-オン環)、4-キノロン環、イン
デン-1-オン環、ジチオウラシル環などであり、さらに
好ましくは2-シクロペンテン-1-オン環、2,5-ジヒドロ
フラン-2-オン環、3-ピロリン-2-オン環、インデン-1-
オン環、4-ピラゾリン-3-オン環である。
【0098】X6、X'6が環状のアミノ基を表す時、環状
のアミノ基とは窒素原子で結合する非芳香族の含窒素ヘ
テロ環基で、例えばピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペ
ラジノ基、モルホリノ基、1,4-チアジン-4-イル基、2,
3,5,6-テトラヒドロ-1,4-チアジン-4-イル基、インドリ
ル基などである。
【0099】X6、X'6として好ましくは、ヒドロキシ
基、メルカプト基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ
ールアミノ基、または環状のアミノ基を含む)、アシル
アミノ基、スルホンアミド基、またはアシルオキシ基、
アシルチオ基であり、より好ましくはヒドロキシ基、メ
ルカプト基、アミノ基、アルキルアミノ基、環状のアミ
ノ基、スルホンアミド基、アシルアミノ基、またはアシ
ルオキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、環状のアミノ基である。さら
にX6およびX'6のうち少なくとも1つはヒドロキシ基で
あることが好ましい。Y6は、好ましくは酸素原子を表
す。
【0100】一般式(B7)においてRb70、Rb71は好ましく
は水素原子、アルキル基またはアリール基で、より好ま
しくはアルキル基である。アルキル基の好ましい範囲は
Rb1における説明と同じである。Rb70、Rb71は互いに結
合して環状構造(例えばピロリジン環、ピペリジン環、
モルホリノ環、チオモルホリノ環など)を形成していて
もよい。Y7で表される置換基として好ましくはアルキル
基(その好ましい範囲はRb1における説明と同じ)、アル
コキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイ
ド基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、クロル原子、スルホ基または
その塩、カルボキシ基またはその塩などで、m7は好ま
しくは0〜2を表す。
【0101】一般式(B8)においてm8は1〜4が好まし
く、複数のY8は同じでも異なっていてもよい。m8が1
の時のY8、もしくはm8が2以上の時の複数のY8のうち
少なくとも1つは、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ
ールアミノ基を含む)、スルホンアミド基、もしくはア
シルアミノ基であることが好ましい。m8が2以上の
時、Y 8はスルホンアミド基、アシルアミノ基、ウレイド
基、アルキル基、アルキルチオ基、アシル基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基またはその
塩、カルボキシ基またはその塩、クロル原子などが好ま
しい。ここにY8で表される置換基として、ヒドロキシ基
のオルト位またはパラ位に、o'−(またはp'−)ヒドロ
キシフェニルメチル基が置換されている場合には、一般
にビスフェノール類と呼ばれる化合物群を表すが、この
場合もまた、一般式(B8)で表される化合物の好ましい例
の一つである。
【0102】一般式(B9)において2つのヒドロキシ基の
置換位置は、互いにオルト位(カテコール類)、メタ位
(レゾルシノール類)またはパラ位(ハイドロキノン類)で
あってよい。m9は1〜2が好ましく、複数のY9は同じ
でも異なっていてもよい。Y9で表される置換基として好
ましくは、クロル原子、アシルアミノ基、ウレイド基、
スルホンアミド基、アルキル基、アルキルチオ基、アル
コキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバ
モイル基、スルホ基またはその塩、カルボキシ基または
その塩、ヒドロキシ基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基などが挙げられる。Y9がベンゼン縮合環
を表し、その結果一般式(B9)が1,4-ナフトハイドロキノ
ン類を表す場合もまた好ましい。一般式(B9)がカテコー
ル類を表す時、Y9は特にスルホ基またはその塩、ヒドロ
キシ基が好ましい。
【0103】一般式(B10)においてRb100、Rb101、Rb102
が置換基を表す時、置換基の好ましい例は、Y9の好まし
い例と同じである。中でもアルキル基(特にメチル基)が
好ましい。Z10が形成する環構造として好ましくは、ク
ロマン環、2,3-ジヒドロベンゾフラン環であり、これら
の環構造は置換基を有していてもよく、またスピロ環を
形成していてもよい。
【0104】一般式(B11)においてRb110、Rb111
Rb112、Rb113として好ましくは、アルキル基、アリール
基、またはヘテロ環基で、これらの好ましい範囲はRb1
およびRb2における説明と同じである。中でもアルキル
基が好ましく、Rb110〜Rb113のうち2つのアルキル基が
結合して環状構造を形成していてもよい。ここに環状構
造とは5員または6員の非芳香族環で、ヘテロ環であっ
てもよく、例えばピロリジン環、ピペリジン環、モルホ
リノ環、チオモルホリノ環、ヘキサヒドロピリダジン環
などが挙げられる。
【0105】一般式(B12)においてRb12として好ましく
は、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基で、こ
れらの好ましい範囲はRb1およびRb2における説明と同じ
である。X12は好ましくはアルキル基、アリール基(特に
フェニル基)、ヘテロ環基、アルコキシ基、アミノ基(ア
ルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ
基、または環状のアミノ基を含む)であり、アルキル基
(特に炭素数1〜8のアルキル基が好ましい)、アリール
基(特にフェニル基が好ましい)、アミノ基(アルキルア
ミノ基、アリールアミノ基、または環状のアミノ基を含
む)がより好ましい。RH12、R'H12は好ましくは水素原子
またはアルキル基、より好ましくは水素原子である。
【0106】一般式(B13)においてRb13は好ましくはア
ルキル基またはアリール基であり、これらの好ましい範
囲はRb1およびRb2における説明と同じである。Rb130、R
b131、Rb132、Rb133は好ましくは水素原子、アルキル基
(特に炭素数1〜8が好ましい)、アリール基(特にフェ
ニル基が好ましい)である。RH13は水素原子またはアシ
ル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0107】本発明の還元性化合物は、その中にカプラ
ー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラ
スト基またはポリマー鎖が組み込まれているものでもよ
い。特にバラスト基が含まれているものは、本発明の還
元性化合物の好ましい例の一つである。ここでバラスト
基とは、炭素数6以上の、直鎖、分岐、もしくは環状の
アルキル基(またはアルキレン基)を部分構造として有す
る基を意味し、無置換でも置換されていてもよく、さら
にこのアルキル基(またはアルキレン基)は任意の連結基
によって、本発明の還元性化合物の任意の位置に結合さ
れ得る。ここに連結基とは、アルキレン基,アリーレン
基,ヘテロ環基,単結合,−O−,−NRN−,−S
−,−C(=O)−,−SO2−,−C(=S)−,−SO
−,−P(=O)−といった基の単独、もしくはこれらの
基の組み合わせからなる多価の連結基を表す。ここにR
Nは水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ
環基を表す。該連結基は、さらに任意の置換基を有して
いてもよい。
【0108】バラスト基としてさらに好ましくは、炭素
数8以上で炭素数24以下の、直鎖もしくは分岐のアル
キル基(またはアルキレン基)を部分構造として有する基
である。またポリマーとしては、例えば特開平1−10
0530号に記載のものが挙げられる。
【0109】本発明に用いられる還元性化合物は分子内
の何れかの位置に、ハロゲン化銀への吸着性基を少なく
とも1つ有していてもよい。本発明においてハロゲン化
銀への吸着性基とは、ハロゲン化銀に直接吸着する基、
またはハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体
的には、メルカプト基(またはその塩)、チオン基(−C
(=S)−)、スルフィド基、ジスルフィド基、カチオ
ン性基、若しくはエチニル基、又は窒素原子、硫黄原
子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくと
も1つの原子を含むヘテロ環基である。
【0110】吸着性基としてメルカプト基(またはその
塩)とは、メルカプト基(またはその塩)そのものを意味
すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメル
カプト基(またはその塩)の置換したヘテロ環基またはア
リール基またはアルキル基を表す。ここにヘテロ環基
は、5員〜7員の、単環もしくは縮合環の、芳香族また
は非芳香族のヘテロ環基で、例えばイミダゾール環基、
チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンゾイミダゾー
ル環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾオキサゾール環
基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジ
アゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジ
ン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン
環基、トリアジン環基等が挙げられる。また4級化され
た窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換
したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていても
よく、この様なヘテロ環基の例としてはイミダゾリウム
環基、ピラゾリウム環基、チアゾリウム環基、トリアゾ
リウム環基、テトラゾリウム環基、チアジアゾリウム環
基、ピリジニウム環基、ピリミジニウム環基、トリアジ
ニウム環基などが挙げられ、中でもトリアゾリウム環基
(例えば1,2,4-トリアゾリウム-3-チオレート環基)が好
ましい。アリール基としてはフェニル基またはナフチル
基が挙げられる。アルキル基としては炭素数1〜30の
直鎖または分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン
(Li+、Na+、K+、Mg2+、Ag+、Zn2+等)、アン
モニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環
基、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
【0111】吸着性基としてのメルカプト基はさらにま
た、互変異性化してチオン基となっていてもよく、具体
的にはチオアミド基(ここでは−C(=S)−NH−基)、
および該チオアミド基の部分構造を含む基、すなわち、
鎖状もしくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チ
オウレタン基、またはジチオカルバミン酸エステル基な
どが挙げられる。ここで環状の例としてはチアゾリジン
-2-チオン基、オキサゾリジン-2-チオン基、2-チオヒダ
ントイン基、ローダニン基、イソローダニン基、チオバ
ルビツール酸基、2-チオキソ-オキサゾリジン-4-オン基
などが挙げられる。
【0112】吸着性基としてチオン基とは、上述のメル
カプト基が互変異性化してチオン基となった場合を含
め、メルカプト基に互変異性化できない(チオン基のα
位に水素原子を持たない)、鎖状もしくは環状のチオア
ミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、またはジチ
オカルバミン酸エステル基も含まれる。
【0113】吸着性基として窒素原子、硫黄原子、セレ
ン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1つの
原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形
成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する
含窒素ヘテロ環基、または配位結合で銀イオンに配位し
得る、“−S−”基または“−Se−”基または“−T
e−”基または“=N−”基をヘテロ環の部分構造とし
て有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリア
ゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾー
ル基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、イミダ
ゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェ
ン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチオフェ
ン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チ
アジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、
セレノアゾール基、ベンゾセレノアゾール基、テルルア
ゾール基、ベンゾテルルアゾール基などが挙げられる。
好ましくは前者である。
【0114】吸着性基としてスルフィド基またはジスル
フィド基とは、“−S−”または“−S−S−”の部分
構造を有する基すべてが挙げられるが、好ましくはアル
キル(またはアルキレン)−X−アルキル(またはアルキ
レン)、アリール(またはアリーレン)−X−アルキル(ま
たはアルキレン)、アリール(またはアリーレン)−X−
アリール(またはアリーレン)の部分構造を有する基で、
ここにXは−S−基または−S−S−基を表す。さらに
これらのスルフィド基またはジスルフィド基は、環状構
造を形成していてもよく、環状構造を形成する場合の具
体例としてはチオラン環、1,3−ジチオラン環、1,
2−ジチオラン環、チアン環、ジチアン環、チオモルホ
リン環などを含む基が挙げられる。スルフィド基として
特に好ましくはアルキル(またはアルキレン)−S−アル
キル(またはアルキレン)の部分構造を有する基が、また
ジスルフィド基として特に好ましくは1,2−ジチオラ
ン環基が挙げられる。
【0115】吸着性基としてカチオン性基とは、4級化
された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニ
オ基または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環
基を含む基である。ここにアンモニオ基とは、トリアル
キルアンモニオ基、ジアルキルアリールアンモニオ基、
アルキルジアリールアンモニオ基などで、例えばベンジ
ルジメチルアンモニオ基、トリヘキシルアンモニオ基、
フェニルジエチルアンモニオ基などが挙げられる。4級
化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えば
ピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、イミ
ダゾリオ基などが挙げられる。好ましくはピリジニオ基
およびイミダゾリオ基であり、特に好ましくはピリジニ
オ基である。これら4級化された窒素原子を含む含窒素
ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよいが、ピリ
ジニオ基およびイミダゾリオ基の場合、置換基として好
ましくはアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、ク
ロル原子、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基な
どが挙げられ、ピリジニオ基の場合、置換基として特に
好ましくはフェニル基である。
【0116】吸着性基としてエチニル基とは、−C≡C
H基を意味し、該水素原子は置換されていてもよい。
【0117】上記の吸着性基は任意の置換基を有してい
てもよい。なお吸着性基の具体例としては、さらに特開
平11−95355号の明細書p4〜p7に記載されて
いるものが挙げられる。
【0118】吸着性基としてより好ましいものは、メル
カプト置換ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジア
ゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール
基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−
1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベン
ズチアゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリ
アゾリウム−3−チオレート基など)、ジメルカプト置
換ヘテロ環基(例えば2,4−ジメルカプトピリミジン
基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメ
ルカプト−1,2,4−トリアゾール基、2,5−ジメ
ルカプト−1,3−チアゾール基など)、またはイミノ
銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部
分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えばベンゾト
リアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基
など)である。
【0119】本発明に用いられる還元性化合物は、好ま
しくは一般式(B1)で表されるヒドロキシルアミン類、一
般式(B2)で表されるヒドロキサム酸類、一般式(B3)で表
されるヒドロキシウレア類、一般式(B5)で表されるヒド
ロキシセミカルバジド類、一般式(B8)、(B9)、(B10)で
表されるフェノール類(クロマン-6-オール類、ハイドロ
キノン類、カテコール類、レゾルシノール類、ビスフェ
ノール類などを含む)、一般式(B11)で表されるヒドラジ
ン類、一般式(B13)で表されるフェニドン類、一般式
(B6)で表されるレダクトン類(レダクトン誘導体を含む)
から選ばれる化合物であり、さらに好ましくはヒドロキ
シルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア
類、フェノール類、ヒドラジン類、レダクトン類から選
ばれる化合物である。
【0120】本発明に用いられる還元性化合物はその酸
化電位を、藤嶋昭著「電気化学測定法」(150-208頁、
技報堂出版)や日本化学会編著「実験化学講座」第4版
(9巻282-344頁、丸善)に記載の測定法を用いて測定
することができる。例えば回転ディスクボルタンメトリ
ーの技法で、具体的には試料をメタノール:pH6.5 ブ
リトン−ロビンソン緩衝液(Britton-Robinson buffe
r)=10%:90%(容量%)の溶液に溶解し、10
分間窒素ガスを通気した後、グラッシーカーボン製の回
転ディスク電極(RDE)を作用電極に用い、白金線を対
極に用い、飽和カロメル電極を参照電極に用いて、25
℃、1000回転/分、20mV/秒のスイープ速度で測
定できる。得られたボルタモグラムから半波電位
(E1/2)を求めることができる。
【0121】本発明に用いられる還元性化合物は上記測
定法で測定した場合、その酸化電位が約−0.3V〜約
1.0Vの範囲にあることが好ましい。より好ましくは
約−0.1V〜約0.8Vの範囲であり、特に好ましく
は約0〜約0.6Vの範囲である。以下に本発明の還元
性化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0122】
【化26】
【0123】
【化27】
【0124】
【化28】
【0125】
【化29】
【0126】
【化30】
【0127】
【化31】
【0128】
【化32】
【0129】
【化33】
【0130】
【化34】
【0131】
【化35】
【0132】本発明に用いられる還元性化合物のその他
の例としては、例えば特開2001−42466号に記
載の一般式(II)〜(VI)のいずれかで表される化合物
とその化合物例がそのまま挙げられる。またさらにそこ
に参照された文献・公報に記載の例がそのまま挙げられ
る。
【0133】本発明においては、本発明に用いられる還
元性化合物の中から1つの化合物を選択して用いてもよ
いが、同時に2つ以上の化合物を選択して用いることも
また好ましい。この場合、本発明に用いられる還元性化
合物から任意の2つ以上の化合物を選ぶことができる
が、この際、還元性化合物を吸着性基を有するもの、
バラスト基を有するもの、これらを共に持たないも
の(以下、本発明においては拡散性の還元性化合物と呼
ぶ)に分類すれば、これら3つの分類の中から2種類あ
るいは3種類の化合物を選択して用いることもでき、こ
れもまた本発明に用いられる還元性化合物の好ましい用
法の一つである。2種類以上の化合物を用いる場合、そ
れらは同一層に添加しても、別層に添加してもよく、ま
たそれぞれ添加方法が異なっていてもよい。
【0134】本発明に用いられる還元性化合物のうち
吸着性基を有するものについては、ハロゲン化銀乳剤層
に添加されることが好ましく、乳剤調製時に添加するこ
とがより好ましい。乳剤調製時に添加する場合、その工
程中のいかなる場合に添加することも可能であり、その
例を挙げると、ハロゲン化銀の粒子形成工程、脱塩工程
の開始前、脱塩工程、化学熟成の開始前、化学熟成の工
程、完成乳剤調製前の工程などを挙げることができる。
またこれらの工程中の複数回にわけて添加することもで
きる。また乳剤層に使用するのが好ましいが、乳剤層と
ともに隣接する保護層や中間層に添加しておき、塗布時
に拡散させてもよい。好ましい添加量は、上述した添加
法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感
光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-8〜5×10-2
ル、さらに好ましくは1×10-7〜1×10-3モルである。
【0135】本発明に用いられる還元性化合物のうち
拡散性の還元性化合物については、ハロゲン化銀乳剤層
に添加することも、それ以外の非感光性層に添加するこ
ともできる。乳剤層に使用するのが好ましいが、乳剤層
とともに隣接する保護層や中間層に添加しておき、塗布
時に拡散させてもよい。乳剤調製時に化学増感前、化学
増感中、または化学増感終了後に添加することもできる
が、塗布液を塗布する前または塗布時に添加することが
好ましい。好ましい添加量は上述した添加法や添加する
化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン
化銀1モル当たり、5×10-6〜5×10-2モル、さらに好
ましくは1×10-5〜1×10-3モルである。
【0136】本発明に用いられる還元性化合物のうち
バラスト基を有するものについては、ハロゲン化銀乳剤
層に添加することも、それ以外の非感光性層に添加する
こともできる。乳剤層に使用するのが好ましいが、乳剤
層とともに隣接する保護層や中間層に添加しておき、塗
布時に拡散させてもよい。乳剤調製時に添加してもよい
が、乳化分散により添加することがより好ましい。好ま
しい添加量は上述した添加法や添加する化合物種に大き
く依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当た
り、5×10-5〜5×10-1モル、さらに好ましくは1×10
-4〜1×10-1モルである。
【0137】本発明に用いられる一般式(I)と共に含
有する還元性化合物は、吸着性基を有するもの、バ
ラスト基を有するもの、拡散性の還元性化合物のそれ
ぞれ少なくとも1種ずつ含まれているのがさらに好まし
く、それぞれが複数含まれていても良い。
【0138】本発明に用いられる還元性化合物は、水、
メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒またはこれ
らの混合溶媒に溶解して添加することができる。この
際、酸または塩基によってpHを適当に調整してもよ
く、また界面活性剤を共存させてもよい。さらに乳化分
散物として高沸点有機溶媒に溶解させて添加することも
できる。また公知の分散法で固体分散物(微結晶分散
体)として添加してもよい。
【0139】本発明の感光材料は支持体上に少なくとも
1層の感光性層が設けられていればよい。典型的な例と
しては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感
光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性
層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料で
ある。該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何
れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光
性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性
層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて
上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異な
る感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上記
のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には
非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプラ
ー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよ
い。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤
層は、DE 1,121,470号あるいはGB 923,045号に記載され
ているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支
持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが
好ましい。また、特開昭57-112751号、同62-200350号、
同62-206541号、同62-206543号に記載されているように
支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に
高感度乳剤層を設置してもよい。
【0140】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL)/高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭
55-34932号公報に記載されているように、支持体から最
も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列す
ることもできる。また特開昭56-25738号、同62-63936号
に記載されているように、支持体から最も遠い側から青
感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもでき
る。
【0141】また特公昭49-15495号に記載されているよ
うに上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層
をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を
中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置
し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の
異なる3層から構成される配列が挙げられる。このよう
な感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭
59-202464号に記載されているように、同一感色性層中
において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度
乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。その
他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、ある
いは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に
配置されていてもよい。また、4層以上の場合にも、上
記の如く配列を変えてよい。
【0142】色再現性を改良するために、US 4,663,271
号、同4,705,744号、同4,707,436号、特開昭62-160448
号、同63-89850号の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主
感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(C
L)を主感光層に隣接もしくは近接して配置することが
好ましい。
【0143】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ
塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいの
は約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ
臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。
【0144】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以
下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。
【0145】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RD
と略す)No.17643 (1978年12月),22〜23頁,“I.乳
剤製造(Emulsion preparation and types)”、および
同No.18716 (1979年11月),648頁、同No.307105 (1989
年11月),863〜865頁、およびグラフキデ著「写真の物
理と化学」,ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chimi
e et Phisique Photographiques, Paul Montel, 196
7)、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス社
刊(G.F. Duffin, Photographic Emulsion Chemistry,F
ocal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造
と塗布」,フォーカルプレス社刊(V. L. Zelikman, et
al., Making and Coating Photographic Emulsion, Fo
cal Press,1964) などに記載された方法を用いて調製す
ることができる。US 3,574,628号、同3,655,394号およ
びGB 1,413,748号に記載された単分散乳剤も好ましい。
【0146】また、アスペクト比が約3以上であるよう
な平板状粒子も本発明に使用できる。特に、経時保存性
改良のために好ましくは、全投影面積の50%以上がア
スペクト比8以上のハロゲン化銀平板粒子で占められる
乳剤を用いることができる。アスペクト比の上限に特に
制限はないが、30以下が好ましい。平板状粒子は、ガ
トフ著,フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング(Gutoff, Photographic Science and E
ngineering),第14巻248〜257頁(1970年)、US 4,43
4,226号、同4,414,310号、同4,433,048号、同4,439,520
号およびGB 2,112,157号に記載の方法により簡単に調製
することができる。
【0147】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい。エピタキシャル接合によって組成
の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、例えば
ロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接
合されていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物
を用いてもよい。
【0148】上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭63-264740号に記載のコア/シェル型
内部潜像型乳剤であってもよく、この調製方法は特開昭
59-133542号に記載されている。この乳剤のシェルの厚
みは現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好まし
く、5〜20nmが特に好ましい。
【0149】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はRDNo.17643、同No.187
16および同No.307105に記載されており、その該当箇所
を後掲の表にまとめた。
【0150】本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。
【0151】US 4,082,553号に記載の粒子表面をかぶら
せたハロゲン化銀粒子、US 4,626,498号、特開昭59-214
852号に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒
子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/ま
たは実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用するこ
とが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲ
ン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問
わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化
銀粒子のことをいい、その調製法は、US 4,626,498号、
特開昭 59-214852号に記載されている。粒子内部がかぶ
らされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形
成するハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていても
よい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀と
しては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のい
ずれをも用いることができる。これらのかぶらされたハ
ロゲン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μ
m、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、粒子形状は規
則的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散性
(ハロゲン化銀粒子の質量または粒子数の少なくとも95
%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)で
あることが好ましい。
【0152】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀およ
び/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀
を0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲン
化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)が
0.01〜0.5μmが好ましく、0.02〜0.2μmがより好まし
い。
【0153】微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロ
ゲン化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子
の表面は、光学的に増感される必要はなく、また分光増
感も不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに
先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、
ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物ま
たは亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくこと
が好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コ
ロイド銀を含有させることができる。
【0154】本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g/m2
以下が好ましく、4.5g/m2以下が最も好ましい。
【0155】本発明に使用できる写真用添加剤もRDに
記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。
【0156】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜650頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 7.可塑剤、 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤 8.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 9.スタチック 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 10.マット剤 878〜879頁
【0157】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。 イエローカプラー:EP 502,424Aの式(I),(II)のいずれ
かで表わされるカプラー;EP 513,496Aの式(1),(2)のい
ずれかで表わされるカプラー(特に18頁のY-28);EP 56
8,037Aのクレーム1の式(I)で表わされるカプラー;US
5,066,576のカラム1の45〜55行の一般式(I)で表わされ
るカプラー;特開平4-274425号の段落0008の一般式(I)
で表わされるカプラー;EP 498,381A1の40頁のクレーム
1に記載のカプラー(特に18頁のD-35);EP 447,969A1の
4頁の式(Y)で表わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54
(41頁));US 4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)
〜(IV)のいずれかで表わされるカプラー(特にII-17,19
(カラム17),II-24(カラム19))。
【0158】マゼンタカプラー:特開平3-39737号(L-57
(11頁右下),L-68(12頁右下),L-77(13 頁右下);EP 456,
257のA-4 -63(134頁), A-4 -73,-75(139頁);EP 486,96
5のM-4,-6(26頁),M-7(27頁);EP 571,959AのM-45(19
頁);特開平5-204106号の(M-1)(6頁);特開平4-362631
号の段落0237のM-22。 シアンカプラー:特開平4-204843号のCX-1,3,4,5,11,1
2,14,15(14〜16頁);特開平4-43345号のC-7,10(35頁),3
4,35(37頁),(I-1),(I-17)(42〜43頁);特開平6-67385号
の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)のいずれかで表わさ
れるカプラー。ポリマーカプラー:特開平2-44345号のP
-1,P-5(11頁)。
【0159】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、
DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5頁
に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV)のいずれかで表わ
されるイエローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC
-86)、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラー
ExM-7(202頁)、EX-1(249頁)、EX-7(251頁)、US 4,833,0
69に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9(カラ
ム8)、CC-13(カラム10)、US 4,837,136の(2)(カラム
8)、WO92/11575のクレーム1の式(A)で表わされる無色
のマスキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が
好ましい。
【0160】写真性有用基を放出するカプラーとして
は、以下のものが挙げられる。 現像抑制剤放出化合物:EP 378,236A1の11頁に記載の式
(I),(II),(III),(IV)のいずれかで表わされる化合物(特
にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36頁),T-131(45頁),
T-144(51頁),T-158(58頁))、EP 436,938A2の7頁に記載
の式(I)で表わされる化合物(特にD-49(51頁))、EP 568,
037Aの式(1)で表わされる化合物(特に(23)(11頁))、EP
440,195A2の5〜6頁に記載の式(I),(II),(III)のいずれ
かで表わされる化合物(特に29頁のI-(1));漂白促進剤
放出化合物:EP 310,125A2の5頁の式(I),(I')のいずれ
かで表わされる化合物(特に61頁の(60),(61))及び特開
平6-59411号の請求項1の式(I)で表わされる化合物(特
に(7)(7頁);
【0161】リガンド放出化合物:US 4,555,478のクレ
ーム1に記載のLIG-Xで表わされる化合物(特にカラム12
の21〜41行目の化合物);ロイコ色素放出化合物:US 4,
749,641のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化
合物:US 4,774,181のクレーム1のCOUP-DYEで表わされ
る化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜11);現像促進
剤又はカブラセ剤放出化合物:US 4,656,123のカラム3
の式(1),(2),(3)のいずれかで表わされる化合物(特にカ
ラム25の(I-22))及びEP 450,637A2の75頁36〜38行目のE
xZK-2;離脱して初めて色素となる基を放出する化合
物:US 4,857,447のクレーム1の式(I)で表わされる化
合物(特にカラム25〜36のY-1〜Y-19)。
【0162】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒:特開昭62-215272号のP-3,
5,16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144
頁);油溶性有機化合物の含浸用ラテックス:US4,199,3
63に記載のラテックス;現像主薬酸化体スカベンジャ
ー:US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I)で表わさ
れる化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12)(カラム4〜5)、US
4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化合物1(カラ
ム3);ステイン防止剤:EP 298321Aの4頁30〜33行の式
(I)〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24 〜48頁);褪色防
止剤:EP 298321AのA-6,7,20,21,23,24,25,26,30,37,4
0,42,48,63,90,92,94,164(69〜118頁)、US5,122,444の
カラム25〜38のII-1〜III-23,特にIII-10、EP 471347A
の8〜12頁のI-1〜III-4,特にII-2、US 5,139,931のカラ
ム32〜40のA-1〜48,特にA-39,42;発色増強剤または混
色防止剤の使用量を低減させる素材:EP 411324Aの5〜2
4頁のI-1〜II-15,特にI-46;ホルマリンスカベンジャ
ー:EP 477932Aの24〜29頁のSCV-1〜28,特にSCV-8;硬
膜剤:特開平1-214845号の17頁のH-1,4,6,8,14、US 4,6
18,573のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)のいずれかで表
わされる化合物(H-1〜54)、特開平2-214852号の8頁右
下の式(6)で表わされる化合物(H-1〜76),特にH-14、US
3,325,287のクレーム1に記載の化合物;
【0163】現像抑制剤プレカーサー:特開昭62-16813
9号のP-24,37,39(6〜7頁)、US 5,019,492のクレーム1
に記載の化合物,特にカラム7の28,29;防腐剤、防黴
剤:US 4,923,790のカラム3〜15のI-1〜III-43,特にII-
1,9,10,18,III-25;安定剤、かぶり防止剤:US 4,923,7
93のカラム6〜16のI-1〜(14),特にI-1,60,(2),(13)、US
4,952,483のカラム25〜32の化合物1〜65,特に36;化
学増感剤:トリフェニルホスフィン セレニド、特開平
5-40324号の化合物50;染料:特開平3-156450号の15〜1
8頁のa-1〜b-20,特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27〜29頁
のV-1〜23,特にV-1、EP 445627Aの33〜55頁のF-I-1〜F-
II-43,特にF-I-11,F-II-8、EP 457153Aの17〜28頁のIII
-1〜36,特にIII-1,3、WO88/04794の8〜26のDye-1〜124
の微結晶分散体、EP 319999Aの6〜11頁の化合物1〜22,
特に化合物1、EP 519306Aの式(1)ないし(3)のいずれか
で表わされる化合物D-1〜87(3〜28頁)、US 4,268,622の
式(I)で表わされる化合物1〜22(カラム3〜10)、US 4,92
3,788の式(I)で表わされる化合物(1)〜(31)(カラム2〜
9);UV吸収剤:特開昭46-3335号の式(1)で表わされる化
合物(18b)〜(18r),101〜427(6〜9頁)、EP 520938Aの式
(I)で表わされる化合物(3)〜(66)(10〜44頁)及び式(II
I)で表わされる化合物HBT-1〜10(14頁)、EP 521823Aの
式(1)で表わされる化合物(1)〜(31)(カラム2〜9)。
【0164】本発明は、白黒印画紙、白黒ネガフィル
ム、レントゲンフィルム、一般用もしくは映画用のカラ
ーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー
反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムお
よびカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料
に適用することができる。また、特公平2-32615、実公
平3-39784号に記載されているレンズ付きフイルムユニ
ット用に好適である。本発明に使用できる適当な支持体
は、例えば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18716
の647頁右欄〜648頁左欄、および同No.307105の879頁に
記載されている。
【0165】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下であるこ
とが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μm以下が
更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。また膜膨潤
速度T1/2は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ま
しい。T1/2は、発色現像液で30℃、3分15秒処理した時
に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたとき、
膜厚がその1/2に到達するまでの時間と定義する。膜厚
は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚
を意味し、T1/2は、エー・グリーン(A.Green)らのフ
ォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリ
ング(Photogr.Sci.Eng.),19巻、2,124〜129頁に記載
の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより
測定できる。T1/2は、バインダーとしてのゼラチンに
硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変え
ることによって調整することができる。また、膨潤率は
150〜400%が好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件
下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)
/膜厚 により計算できる。
【0166】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性コロ
イド層(バック層と称す)を設けることが好ましい。こ
のバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、紫
外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダー、
可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させるこ
とが好ましい。このバック層の膨潤率は150〜500%が好
ましい。本発明の感光材料は、前述のRD.No.17643の2
8〜29頁、同No.18716の651左欄〜右欄、および同No.307
105の880〜881頁に記載された通常の方法によって現像
処理することができる。
【0167】次に、本発明に使用されるカラーネガフイ
ルム用の処理液について説明する。本発明に使用される
発色現像液には、特開平4-121739号の第9頁右上欄1行〜
第11頁左下欄4行に記載の化合物を使用することができ
る。特に迅速な処理を行う場合の発色現像主薬として
は、2-メチル-4-[N-エチル-N-(2-ヒドロキシエチル)ア
ミノ]アニリン、2-メチル-4-[N-エチル-N-(3-ヒドロキ
シプロピル)アミノ]アニリン、2-メチル-4-[N-エチル-N
-(4-ヒドロキシブチル)アミノ]アニリンが好ましい。こ
れらの発色現像主薬は発色現像液1リットル(「L」と
も表記する。)あたり0.01〜0.08モルの範囲で使用する
ことが好ましく、特には0.015〜0.06モル、更には0.02
〜0.05モルの範囲で使用することが好ましい。また発色
現像液の補充液には、この濃度の1.1〜3倍の発色現像主
薬を含有させておくことが好ましく、特に1.3〜2.5倍を
含有させておくことが好ましい。
【0168】発色現像液の保恒剤としては、ヒドロキシ
ルアミンが広範に使用できるが、より高い保恒性が必要
な場合は、アルキル基やヒドロキシアルキル基、スルホ
アルキル基、カルボキシアルキル基などの置換基を有す
るヒドロキシルアミン誘導体が好ましく、具体的にはN,
N-ジ(スルホエチル)ヒドロキルアミン、モノメチルヒド
ロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエ
チルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキルアミン、
N,N-ジ(カルボキシエチル)ヒドロキルアミンが好まし
い。上記の中でも、特にN,N-ジ(スルホエチル)ヒドロキ
ルアミンが好ましい。これらはヒドロキシルアミンと併
用してもよいが、好ましくはヒドロキシルアミンの代わ
りに、1種または2種以上使用することが好ましい。保
恒剤は1Lあたり0.02〜0.2モルの範囲で使用することが
好ましく、特に0.03〜0.15モル、更には0.04〜0.1モル
の範囲で使用することが好ましい。また補充液において
は、発色現像主薬の場合と同様に、母液(処理タンク
液)の1.1〜3倍の濃度で保恒剤を含有させておくことが
好ましい。
【0169】発色現像液には、発色現像主薬の酸化物の
タール化防止剤として亜硫酸塩が使用される。亜硫酸塩
は1Lあたり0.01〜0.05モルの範囲で使用するのが好ま
しく、特に0.02〜0.04モルの範囲が好ましい。補充液に
おいては、これらの1.1〜3倍の濃度で使用することが好
ましい。また、発色現像液のpHは9.8〜11.0の範囲が好
ましいが、特に10.0〜10.5が好ましく、また補充液にお
いては、これらの値から0.1〜1.0の範囲で高い値に設定
しておくことが好ましい。このようなpHを安定して維持
するには、炭酸塩、リン酸塩、スルホサリチル酸塩、ホ
ウ酸塩などの公知の緩衝剤が使用される。発色現像液の
補充量は、感光材料1m2あたり80〜1300mLが好ましい
が、環境汚濁負荷の低減の観点から、より少ない方が好
ましく、具体的には80〜600mL、更には80〜400mLが好ま
しい。
【0170】発色現像液中の臭化物イオン濃度は、通
常、1Lあたり0.01〜0.06モルであるが、感度を保持し
つつカブリを抑制してディスクリミネーションを向上さ
せ、かつ、粒状性を良化させる目的からは、1Lあたり
0.015〜0.03モルに設定することが好ましい。臭化物イ
オン濃度をこのような範囲に設定する場合に、補充液に
は下記の式で算出した臭化物イオンを含有させればよ
い。ただし、Cが負になる時は、補充液には臭化物イオ
ンを含有させないことが好ましい。 C=A−W/V C:発色現像補充液中の臭化物イオン濃度(モル/L) A:目標とする発色現像液中の臭化物イオン濃度(モル
/L) W:1m2の感光材料を発色現像した場合に、感光材料か
ら発色現像液に溶出する臭化物イオンの量(モル) V:1m2の感光材料に対する発色現像補充液の補充量
(L)。
【0171】また、補充量を低減した場合や、高い臭化
物イオン濃度に設定した場合、感度を高める方法とし
て、1-フェニル-3-ピラゾリドンや1-フェニル-2-メチル
-2-ヒドロキシメチル-3-ピラゾリドンに代表されるピラ
ゾリドン類や3,6-ジチア-1,8-オクタンジオールに代表
されるチオエーテル化合物などの現像促進剤を使用する
ことも好ましい。
【0172】本発明における漂白能を有する処理液に
は、特開平4-125558号の第4頁左下欄16行〜第7頁左下欄
6行に記載された化合物や処理条件を適用することがで
きる。漂白剤は酸化還元電位が150mV以上のものが好ま
しいが、その具体例としては特開平5-72694号、同5-173
312号に記載のものが好ましく、特に1,3-ジアミノプロ
パン四酢酸、特開平5-173312号第7頁の具体例1の化合
物の第二鉄錯塩が好ましい。
【0173】また、漂白剤の生分解性を向上させるに
は、特開平4-251845号、同4-268552、EP 588,289、同59
1,934、特開平6-208213号に記載の化合物第二鉄錯塩を
漂白剤として使用することが好ましい。これらの漂白剤
の濃度は、漂白能を有する液1Lあたり0.05〜0.3モルが
好ましく、特に環境への排出量を低減する目的から、0.
1モル〜0.15モルで設計することが好ましい。また、漂
白能を有する液が漂白液の場合は、1Lあたり0.2モル〜
1モルの臭化物を含有させることが好ましく、特に0.3
〜0.8モルを含有させることが好ましい。
【0174】漂白能を有する液の補充液には、基本的に
以下の式で算出される各成分の濃度を含有させる。これ
により、母液中の濃度を一定に維持することができる。 CR=CT×(V1+V2)/V1+CP CR :補充液中の成分の濃度 CT :母液(処理タンク液)中の成分の濃度 CP :処理中に消費された成分の濃度 V1 :1m2の感光材料に対する漂白能を有する補充液
の補充量(mL) V2 :1m2の感光材料による前浴からの持ち込み量
(mL)。
【0175】その他、漂白液にはpH緩衝剤を含有させる
ことが好ましく、特にコハク酸、マレイン酸、マロン
酸、グルタル酸、アジピン酸など、臭気の少ないジカル
ボン酸を含有させることが好ましい。また、特開昭53-9
5630号、RDNo.17129、US 3,893,858に記載の公知の漂
白促進剤を使用することも好ましい。漂白液には、感光
材料1m2あたり50〜1000mLの漂白補充液を補充すること
が好ましく、特には80〜500mL、さらには100〜300mLの
補充をすることが好ましい。さらに漂白液にはエアレー
ションを行なうことが好ましい。
【0176】定着能を有する処理液については、特開平
4-125558号の第7頁左下欄10行〜第8頁右下欄19行に記載
の化合物や処理条件を適用することができる。特に、定
着速度と保恒性を向上させるために、特開平6-301169号
の一般式(I)と(II)で表される化合物を、単独あるいは
併用して定着能を有する処理液に含有させることが好ま
しい。またp−トルエンスルフィン酸塩をはじめ、特開
平1-224762号に記載のスルフィン酸を使用することも、
保恒性の向上の上で好ましい。
【0177】漂白能を有する液や定着能を有する液に
は、脱銀性の向上の観点からカチオンとしてアンモニウ
ムを用いることが好ましいが、環境汚染低減の目的から
は、アンモニウムを減少或いはゼロにする方が好まし
い。漂白、漂白定着、定着工程においては、特開平1-30
9059号に記載のジェット撹拌を行なうことが特に好まし
い。
【0178】漂白定着また定着工程における補充液の補
充量は、感光材料1m2あたり100〜1000mLであり、好ま
しくは150〜700mL、特に好ましくは200〜600mLである。
漂白定着や定着工程には、各種の銀回収装置をインライ
ンやオフラインで設置して銀を回収することが好まし
い。インラインで設置することにより、液中の銀濃度を
低減して処理できる結果、補充量を減少させることがで
きる。また、オフラインで銀回収して残液を補充液とし
て再利用することも好ましい。漂白定着工程や定着工程
は複数の処理タンクで構成することができ、各タンクは
カスケード配管して多段向流方式にすることが好まし
い。現像機の大きさとのバランスから、一般には2タン
クカスケード構成が効率的であり、前段のタンクと後段
のタンクにおける処理時間の比は、0.5:1〜1:0.5の範
囲にすることが好ましく、特には0.8:1〜1:0.8の範囲
が好ましい。漂白定着液や定着液には、保恒性の向上の
観点から金属錯体になっていない遊離のキレート剤を存
在させることが好ましいが、これらのキレート剤として
は、漂白液に関して記載した生分解性キレート剤を使用
することが好ましい。
【0179】水洗および安定化工程に関しては、上記の
特開平4-125558号第12頁右下欄6行〜第13頁右下欄第16
行に記載の内容を好ましく適用することができる。特
に、安定液にはホルムアルデヒドに代わってEP 504,60
9、同519,190に記載のアゾリルメチルアミン類や特開平
4-362943号に記載のN-メチロールアゾール類を使用する
ことや、マゼンタカプラーを二当量化してホルムアルデ
ヒドなどの画像安定化剤を含まない界面活性剤の液にす
ることが、作業環境の保全の観点から好ましい。また、
感光材料に塗布された磁気記録層へのゴミの付着を軽減
するには、特開平6-289559号に記載の安定液が好ましく
使用できる。
【0180】水洗および安定液の補充量は、感光材料1
m2あたり80〜1000mLが好ましく、特には100〜500mL、さ
らには150〜300mLが、水洗または安定化機能の確保と環
境保全のための廃液減少の両面から好ましい範囲であ
る。このような補充量で行なう処理においては、バクテ
リアや黴の繁殖防止のために、チアベンダゾール、1,2-
ベンゾイソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチルイソ
チアゾリン-3-オンのような公知の防黴剤やゲンタマイ
シンのような抗生物質、イオン交換樹脂等によって脱イ
オン処理した水を用いることが好ましい。脱イオン水と
防菌剤や抗生物質は、併用することがより効果的であ
る。
【0181】また、水洗または安定液タンク内の液は、
特開平3-46652号、同3-53246号、同-355542号、同3-121
448号、同3-126030号に記載の逆浸透膜処理を行なって
補充量を減少させることも好ましく、この場合の逆浸透
膜は、低圧逆浸透膜であることが好ましい。
【0182】本発明における処理においては、発明協会
公開技報、公技番号94-4992に開示された処理液の蒸発
補正を実施することが特に好ましい。特に第2頁の(式
−1)に基づいて、現像機設置環境の温度及び湿度情報
を用いて補正する方法が好ましい。蒸発補正に使用する
水は、水洗の補充タンクから採取することが好ましく、
その場合は水洗補充水として脱イオン水を用いることが
好ましい。本発明に用いられる処理剤としては、上記公
開技報の第3頁右欄15行〜第4頁左欄32行に記載のものが
好ましい。また、これに用いる現像機としては、第3頁
右欄の第22行〜28行に記載のフイルムプロセサーが好ま
しい。本発明を実施するに好ましい処理剤、自動現像
機、蒸発補正方式の具体例については、上記の公開技報
の第5頁右欄11行〜第7頁右欄最終行までに記載されてい
る。
【0183】本発明に使用される処理剤の供給形態は、
使用液状態の濃度または濃縮された形の液剤、あるいは
顆粒、粉末、錠剤、ペースト状、乳液など、いかなる形
態でもよい。このような処理剤の例として、特開昭63-1
7453号には低酸素透過性の容器に収納した液剤、特開平
4-19655号、同4-230748号には真空包装した粉末あるい
は顆粒、同4-221951号には水溶性ポリマーを含有させた
顆粒、特開昭51-61837号、特開平6-102628号には錠剤、
特表昭57-500485号にはペースト状の処理剤が開示され
ており、いずれも好ましく使用できるが、使用時の簡便
性の面から、予め使用状態の濃度で調製してある液体を
使用することが好ましい。これらの処理剤を収納する容
器には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ール、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどが、
単独あるいは複合材料として使用される。これらは要求
される酸素透過性のレベルに合わせて選択される。発色
現像液などの酸化されやすい液に対しては、低酸素透過
性の素材が好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタ
レートやポリエチレンとナイロンの複合材料が好まし
い。これらの材料は500〜1500μmの厚さで、容器に使
用され、酸素透過性を20mL/m2・24hrs・atm以下にする
ことが好ましい。
【0184】次に本発明に使用されるカラー反転フイル
ム用の処理液について説明する。カラー反転フイルム用
の処理については、アズテック有限会社発行の公知技術
第6号(1991年4月1日)第1頁5行〜第10頁5行、及び第15
頁8行〜第24頁2行に詳細に記載されており、その内容は
いずれも好ましく適用することができる。カラー反転フ
イルムの処理においては、画像安定化剤は調整浴か最終
浴に含有される。このような画像安定化剤としては、ホ
ルマリンのほかにホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウ
ム、N-メチロールアゾール類があげられるが、作業環境
の観点からホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムかN-メ
チロールアゾール類が好ましく、N-メチロールアゾール
類としては、特にN-メチロールトリアゾールが好まし
い。また、カラーネガフイルムの処理において記載した
発色現像液、漂白液、定着液、水洗水などに関する内容
は、カラー反転フイルムの処理にも好ましく適用でき
る。上記の内容を含む好ましいカラー反転フイルムの処
理剤として、イーストマンコダック社のE−6処理剤
(商品名)及び富士写真フイルム(株)のCR−56処
理剤(商品名)をあげることができる。
【0185】次に、本発明に好ましく用いられる磁気記
録層について説明する。磁気記録層とは、磁性体粒子を
バインダー中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液
を支持体上に塗設したものである。本発明で用いられる
磁性体粒子は、γFe2O3などの強磁性酸化鉄、Co被着γF
e2O3、Co被着マグネタイト、Co含有マグネタイト、強磁
性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系の
Baフェライト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェラ
イトなどを使用できる。Co被着γFe2O3などのCo被着強
磁性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒状、球
状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積ではS
BETで20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上が特に好まし
い。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好ましくは3.0×104
〜3.0×105A/mであり、特に好ましくは4.0×104〜2.5×
105mA/mである。強磁性体粒子を、シリカおよび/また
はアルミナや有機素材による表面処理を施してもよい。
さらに、磁性体粒子は特開平6-161032号に記載された如
くその表面にシランカップリング剤又はチタンカップリ
ング剤で処理されてもよい。又特開平4-259911号、同5-
81652号に記載の表面に無機、有機物を被覆した磁性体
粒子も使用できる。
【0186】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4-219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分
解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体、糖誘
導体など)およびそれらの混合物を使用することができ
る。上記の樹脂のTgは-40℃〜300℃、質量平均分子量は
0.2万〜100万である。例えばビニル系共重合体、セルロ
ースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロ
ースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート
ブチレート、セルローストリプロピオネートなどのセル
ロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特にセル
ロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダー
は、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の架
橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシアネ
ート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、
4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
などのイソシアネート類、これらのイソシアネート類と
ポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリレンジイ
ソシアナート3molとトリメチロールプロパン1molの反応
生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮合により
生成したポリイソシアネートなどがあげられ、例えば特
開平6-59357号に記載されている。
【0187】前述の磁性体を上記バインダ−中に分散す
る方法は、特開平6-35092号に記載されている方法のよ
うに、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが
好ましく併用も好ましい。特開平5-088283号に記載の分
散剤や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録
層の厚みは0.1μm〜10μm、好ましくは0.2μm〜5μ
m、より好ましくは0.3μm〜3μmである。磁性体粒子
とバインダーの質量比は好ましくは0.5:100〜60:100か
らなり、より好ましくは1:100〜30:100である。磁性体
粒子の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01〜2g/
m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2である。磁気記録
層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.50が好ましく、0.03
〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。磁
気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によっ
て全面またはストライプ状に設けることができる。磁気
記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレー
ド、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、ト
ランスファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプ
レイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利用
でき、特開平5-341436号等に記載の塗布液が好ましい。
【0188】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感光材料については、US 5,336,589、同5,250,40
4、同5,229,259、同5,215,874、EP 466,130に記載され
ている。
【0189】次に本発明に用いられる支持体、好ましく
はポリエステル支持体について記すが、後述する感光材
料、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細につ
いては、公開技報、公技番号94-6023(発明協会;1994.3.
15.)に記載されている。本発明に用いられるポリエステ
ルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形
成され、芳香族ジカルボン酸として2,6-、1,5-、1,4-、
及び2,7-ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げられ
る。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサ
ンジメタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙げ
ることができる。特に好ましいのは2,6-ナフタレンジカ
ルボン酸を50モル%〜100モル%含むポリエステルであ
る。中でも特に好ましいのはポリエチレン-2,6-ナフタ
レートである。平均分子量の範囲は約5,000ないし200,0
00である。本発明のポリエステルのTgは50℃以上であ
り、さらに90℃以上が好ましい。
【0190】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理は
この温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しな
がら熱処理してもよい。この熱処理時間は、0.1時間以
上1500時間以下、さらに好ましくは0.5時間以上200時間
以下である。支持体の熱処理は、ロール状で実施しても
よく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。表
面に凹凸を付与し(例えばSnO2やSb2O5等の導電性無機
微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端部
にローレットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯
部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望ま
しい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バ
ック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後
のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止
剤塗布後である。このポリエステルには紫外線吸収剤を
練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三
菱化成製のDiaresin(商品名)、日本化薬製のKayaset
(商品名)等ポリエステル用として市販されている染料
または顔料を練り込むことにより目的を達成することが
可能である。
【0191】次に、本発明では支持体と感光材料構成層
を接着させるために、表面処理することが好ましい。薬
品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外
線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処
理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの
表面活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好まし
いのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロ
ー処理である。
【0192】次に下塗法について述べると、単層でもよ
く2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル
酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中
から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めと
して、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化
ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。
支持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロ
ルフェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤として
はクロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホル
ムアルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシア
ネート類、活性ハロゲン化合物(2,4-ジクロロ-6-ヒド
ロキシ-S-トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹
脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることができ
る。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリ
レート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤とし
て含有させてもよい。
【0193】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、Zn
O、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO 2、MgO、BaO、Mo
O3、V2O5の中から選ばれた少なくとも1種の体積抵抗率
が107Ω・cm以下、より好ましくは105Ω・cm以下である
粒子サイズ0.001〜1.0μm結晶性の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,Cなど)の微粒
子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合酸
化物の微粒子である。感光材料への含有量としては、5
〜500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg/m2であ
る。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバイン
ダーの量の比は1/300〜100/1が好ましく、より好ましく
は1/100〜100/5である。
【0194】本発明の感光材料には滑り性がある事が好
ましい。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用い
ることが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数
で0.25以下0.01以上である。この時の測定は直径5mmの
ステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表す
(25℃、60%R.H.)。この評価において相手材として感
光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。本発明
に使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサ
ン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸
と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシ
ロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエ
チルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリ
メチルフェニルシロキサン等を用いることができる。添
加層としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特
にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエ
ステルが好ましい。
【0195】本発明の感光材料にはマット剤が有る事が
好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちら
でもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好まし
い。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよ
く、好ましくは両者を併用することである。例えばポリ
メチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/
メタクリル酸=9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒
子などが好ましい。粒径としては0.8〜10μmが好まし
く、その粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の0.
9〜1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが
好ましい。又マット性を高めるために0.8μm以下の微
粒子を同時に添加することも好ましく例えばポリメチル
メタクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレー
ト/メタクリル酸=9/1(モル比)、0.3μm))、ポリ
スチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μ
m)が挙げられる。
【0196】次に本発明で用いられるフィルムパトロー
ネについて記す。本発明で使用されるパトローネの主材
料は金属でも合成プラスチックでもよい。好ましいプラ
スチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本発明
のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカ
ーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオ
ン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等
を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止され
たパトローネは特開平1-312537号、同1-312538号に記載
されている。特に25℃、25%R.H.での抵抗が1012Ω以下
が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を
付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込ん
だプラスチックを使って製作される。パトローネのサイ
ズは現在135サイズのままでもよいし、カメラの小型化
には、現在の135サイズの25mmのカートリッジの径を22m
m以下とすることも有効である。パトローネのケースの
容積は、30cm3以下好ましくは25cm3以下とすることが好
ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用され
るプラスチックの質量は5g〜15gが好ましい。
【0197】更に本発明で用いられる、スプールを回転
してフイルムを送り出すパトローネでもよい。またフイ
ルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸を
フイルム送り出し方向に回転させることによってフイル
ム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造
でもよい。これらはUS 4,834,306、同5,226,613に開示
されている。本発明に用いられる写真フイルムは現像前
のいわゆる生フイルムでもよいし、現像処理された写真
フイルムでもよい。又、生フイルムと現像済みの写真フ
ィルムが同じ新パトローネに収納されていてもよいし、
異なるパトローネでもよい。
【0198】本発明のカラー写真感光材料は、アドバン
スト・フォト・システム(以下、APシステムという)用
ネガフイルムとしても好適であり、富士写真フイルム
(株)(以下、富士フイルムという)製NEXIA A、NEXIA
F、NEXIA H(いずれも商品名、順にISO 200/100/400)
のようにフイルムをAPシステムフォーマットに加工し、
専用カートリッジに収納したものを挙げることができ
る。これらのAPシステム用カートリッジフイルムは、富
士フイルム製エピオンシリーズ(エピオン300Z(商品名)
等)等のAPシステム用カメラに装填して用いられる。ま
た、本発明のカラー写真感光材料は、富士フイルム製フ
ジカラー写ルンですスーパースリム(商品名)のような
レンズ付きフイルムにも好適である。
【0199】これらにより撮影されたフイルムは、ミニ
ラボシステムでは次のような工程を経てプリントされ
る。 (1)受付(露光済みカートリッジフイルムをお客様から
お預かり) (2)デタッチ工程(カートリッジから、フイルムを現像
工程用の中間カートリッジに移す) (3)フイルム現像 (4)リアタッチ工程(現像済みのネガフイルムを、もとの
カートリッジに戻す) (5)プリント(C/H/P3タイプのプリントとインデックス
プリントをカラーペーパー〔好ましくは富士フイルム製
SUPER FA8(商品名)〕に連続自動プリント) (6)照合・出荷(カートリッジとインデックスプリントを
IDナンバーで照合し、プリントとともに出荷)。
【0200】これらのシステムとしては、富士フイルム
ミニラボチャンピオンスーパーFA-298/FA-278/FA-258/F
A-238及び富士フイルムデジタルラボシステム フロンテ
ィア(いずれも商品名)が好ましい。ミニラボチャンピ
オンのフイルムプロセサーとしてはFP922AL/FP562B/FP5
62B,AL/FP362B/FP362B,AL(いずれも商品名)が挙げら
れ、推奨処理薬品はフジカラージャストイットCN-16L及
びCN-16Q(いずれも商品名)である。プリンタープロセ
サーとしては、PP3008AR/PP3008A/PP1828AR/PP1828A/PP
1258AR/PP1258A/PP728AR/PP728A(いずれも商品名)が
挙げられ、推奨処理薬品はフジカラージャストイットCP
-47L及びCP-40FAII(いずれも商品名)である。フロン
ティアシステムでは、スキャナー&イメージプロセサー
SP-1000及びレーザープリンター&ペーパープロセサーL
P-1000PもしくはレーザープリンターLP-1000W(いずれ
も商品名)が用いられる。デタッチ工程で用いるデタッ
チャー、リアタッチ工程で用いるリアタッチャーは、そ
れぞれ富士フイルムのDT200/DT100及びAT200/AT100(い
ずれも商品名)が好ましい。
【0201】APシステムは、富士フイルムのデジタルイ
メージワークステーションAladdin1000(商品名)を中
心とするフォトジョイシステムにより楽しむこともでき
る。例えば、Aladdin 1000(商品名)に現像済みAPシス
テムカートリッジフイルムを直接装填したり、ネガフイ
ルム、ポジフイルム、プリントの画像情報を、35mmフイ
ルムスキャナーFE-550(商品名)やフラットヘッドスキ
ャナーPE-550(商品名)を用いて入力し、得られたデジ
タル画像データを容易に加工・編集することができる。
そのデータは、光定着型感熱カラープリント方式による
デジタルカラープリンターNC-550AL(商品名)やレーザ
ー露光熱現像転写方式のピクトログラフィー3000(商品
名)によって、又はフイルムレコーダーを通して既存の
ラボ機器によりプリントとして出力することができる。
また、Aladdin 1000は、デジタル情報を直接フロッピー
(登録商標)ディスクやZipディスクに、もしくはCDラ
イターを介してCD-Rに出力することもできる。
【0202】一方、家庭では、現像済みAPシステムカー
トリッジフイルムを富士フイルム製フォトプレイヤーAP
-1(商品名)に装填するだけでTVで写真を楽しむことが
できるし、富士フイルム製フォトスキャナーAS-1(商品
名)に装填すれば、パソコンに画像情報を高速で連続的
に取り込むこともできる。また、フイルム、プリント又
は立体物をパソコンに入力するには、富士フイルム製フ
ォトビジョンFV-10/FV-5(商品名)が利用できる。更
に、フロッピー(登録商標)ディスク、Zipディスク、C
D-Rもしくはハードディスクに記録された画像情報は、
富士フイルムのアプリケーションソフトフォトファクト
リー(商品名)を用いてパソコン上で様々に加工して楽
しむことができる。パソコンから高画質なプリントを出
力するには、光定着型感熱カラープリント方式の富士フ
イルム製デジタルカラープリンターNC-2/NC-2D(商品
名)が好適である。現像済みのAPシステムカートリッジ
フイルムを収納するには、フジカラーポケットアルバム
AP-5ポップL、AP-1ポップL、AP-1ポップKG又はカートリ
ッジファイル16(いずれも商品名)が好ましい。
【0203】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。但し、本発明
はこの実施例に限定されるものではない。
【0204】実施例1 支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。 1)第1層及び下塗り層 厚さ90μmのポリエチレンナフタレート支持体につい
て、その各々の両面に、処理雰囲気圧力2.66×10
Pa、雰囲気気体中のH2O分圧75%、放電周波数3
0kHz、出力2500W、処理強度0.5kV・A・
分/m2でグロー放電処理を施した。この支持体上に、
第1層として下記組成の塗布液を特公昭58-4589号公報
に記載のバー塗布法を用いて、5mL/m2の塗布量で塗布
した。
【0205】 導電性微粒子分散液 50 質量部 (SnO2/Sb25粒子濃度10%の水分散液。1次粒子径0.005μm の2次凝集体でその平均粒径が0.05μm) ゼラチン 0.5 質量部 水 49 質量部 ポリグリセロールポリグリシジルエーテル 0.16 質量部 ポリ(重合度20)オキシエチレンソルビタンモノラウレート 0.1 質量部
【0206】さらに、第1層を塗設後、直径20cmの
ステンレス巻芯に巻付けて、110℃(PEN支持体の
Tg:119℃)で48時間加熱処理し熱履歴させてア
ニール処理をした後、支持体をはさみ第1層側と反対側
に乳剤用の下塗り層として下記組成の塗布液をバー塗布
法を用いて、10mL/m2の塗布量で塗布した。 ゼラチン 1.01 質量部 サリチル酸 0.30 質量部 レゾルシン 0.40 質量部 ポリ(重合度10)オキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.11 質量部 水 3.53 質量部 メタノール 84.57 質量部 n−プロパノール 10.08 質量部。
【0207】さらに、後述する第2、第3層を第1層の
上に順に塗設し、最後に、後述する組成のカラーネガ感
光材料を反対側に重層塗布することによりハロゲン化銀
乳剤層付き透明磁気記録媒体を作製した。
【0208】2)第2層(透明磁気記録層) 磁性体の分散 Co被着γ−Fe23磁性体(平均長軸長:0.25μ
m、SBET:39m2/g、Hc:6.56×104A/
m、σs:77.1Am2/kg、σr:37.4Am2
kg)1100質量部、水220質量部及びシランカッ
プリング剤〔3−(ポリ(重合度10)オキシエチニ
ル)オキシプロピルトリメトキシシラン〕165質量部
を添加して、オープンニーダーで3時間良く混練した。
この粗分散した粘性のある液を70℃で1昼夜乾燥し水
を除去した後、110℃で1時間加熱処理し、表面処理
をした磁気粒子を作製した。
【0209】さらに以下の処方で、再びオープンニーダ
ーにて4時間混練した。 上記表面処理済み磁気粒子 855 g ジアセチルセルロース 25.3 g メチルエチルケトン 136.3 g シクロヘキサノン 136.3 g
【0210】さらに、以下の処方で、サンドミル(1/
4Gのサンドミル)にて2000rpm、4時間微細分
散した。メディアは1mmΦのガラスビーズを用いた。 上記混練液 45 g ジアセチルセルロース 23.7 g メチルエチルケトン 127.7 g シクロヘキサノン 127.7 g さらに、以下の処方で、磁性体含有中間液を作製した。
【0211】 磁性体含有中間液の作製 上記磁性体微細分散液 674 g ジアセチルセルロース溶液 24280 g (固形分4.34%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) シクロヘキサノン 46 g これらを混合した後、ディスパーにて撹拌し、「磁性体
含有中間液」を作製した。
【0212】以下の処方で本発明のα−アルミナ研磨材
分散液を作製した。 (a)スミコランダムAA−1.5(商品名)(平均1次粒子径1.5μm, 比表面積1.3m2/g)粒子分散液の作製 スミコランダムAA−1.5 152g シランカップリング剤KBM903(商品名、信越シリコーン社製) 0.48g ジアセチルセルロース溶液 227.52g (固形分4.5%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロ
ヘキサノン=1/1)上記処方にて、セラミックコート
したサンドミル(1/4Gのサンドミル)を用いて80
0rpm、4時間微細分散した。メディアは1mmΦの
ジルコニアビーズを用いた。
【0213】(b)コロイダルシリカ粒子分散液(微小
粒子) 日産化学(株)製の「MEK−ST」(商品名)を使用
した。これは、メチルエチルケトンを分散媒とした、平
均1次粒子径0.015μmのコロイダルシリカの分散
液であり、固形分は30%である。
【0214】 第2層塗布液の作製 上記磁性体含有中間液 19053 g ジアセチルセルロース溶液 264 g (固形分4.5%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) コロイダルシリカ分散液「MEK −ST」[分散液b] 128 g (固形分30%) AA−1.5分散液[分散液a] 12 g ミリオネートMR−400(商品名、日本ポリウレタン(株)製) 希釈液 (固形分20%、希釈溶剤:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 203 g メチルエチルケトン 170 g シクロヘキサノン 170 g 上記を混合・撹拌した塗布液をワイヤーバーにて、塗布
量29.3mL/m2になるように塗布した。乾燥は110
℃で行った。乾燥後の磁性層としての厚みは1.0μm
だった。
【0215】3)第3層(高級脂肪酸エステル滑り剤含
有層) 滑り剤の分散原液の作製 下記のア液を100℃加温溶解し、イ液に添加後、高圧
ホモジナイザーで分散し、滑り剤の分散原液を作製し
た。 ア液 下記化合物 399 質量部 C613CH(OH)(CH2)10COOC50101 下記化合物 171 質量部 n−C50101O(CH2CH2O)16H シクロヘキサノン 830 質量部 イ液 シクロヘキサノン 8600 質量部
【0216】球状無機粒子分散液の作製 以下の処方にて、球状無機粒子分散液[c1]を作製し
た。 イソプロピルアルコール 93.54 質量部 シランカップリング剤KBM903(商品名、信越シリコーン社製) 化合物1−1:(CH3O)3Si−(CH23−NH2) 5.53 質量部 化合物1 2.93 質量部
【0217】
【化36】
【0218】 シーホスタKEP50 88.00 質量部 (商品名、非晶質球状シリカ、平均粒子径0.5μm、日本触媒(株)製) 上記処方にて10分間撹拌後、更に以下を追添する。 ジアセトンアルコール 252.93質量部 上記液を氷冷・攪拌しながら、超音波ホモジナイザー
「SONIFIER450(商品名、BRANSON
(株)製)」を用いて3時間分散し、球状無機粒子分散
液c1を完成させた。
【0219】球状有機高分子粒子分散液の作製 以下の処方にて、球状有機高分子粒子分散液[c2]を
作製した。 XC99−A8808(商品名、東芝シリコーン(株)製、球状架橋ポリシ ロキサン粒子、平均粒径0.9μm) 60質量部 メチルエチルケトン 120質量部 シクロヘキサノン 120質量部 (固形分20%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・攪拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(商品名、BRANSON(株)製)」
を用いて2時間分散し球状有機高分子粒子分散液c2を
完成させた。
【0220】第3層塗布液の作製 前述、滑り剤分散原液542gに下記を加え第3層塗布
液とした。 ジアセトンアルコール 5950 g シクロヘキサノン 176 g 酢酸エチル 1700 g 上記シーホスタKEP50分散液[c1] 53.1 g 上記球状有機高分子粒子分散液[c2] 300 g FC431 2.65 g (商品名、3M(株)製、固形分50%、溶剤:酢酸エチル) BYK310 5.3 g (商品名、BYKケミジャパン(株)製、固形分含量25%) 上記第3層塗布液を第2層の上に10.35mL/m2の塗
布量で塗布し、110℃で乾燥後、更に97℃で3分間
後乾燥した。
【0221】4)感光層の塗設次に、前記で得られたバ
ック層の反対側に、下記の組成の各層を重層塗布し、カ
ラーネガフィルムを作成した。 (感光層の組成)各成分に対応する数字は、g/m2
位で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については銀換
算の塗布量を示す。
【0222】 第1層(第1ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.122 0.07μmのヨウ臭化銀乳剤 銀 0.01 ゼラチン 0.919 ExM−1 0.066 ExC−1 0.002 ExC−3 0.002 Cpd−2 0.001 F−8 0.001 HBS−1 0.050 HBS−2 0.002
【0223】 第2層(第2ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.055 ゼラチン 0.425 ExF−1 0.002 F−8 0.001 固体分散染料 ExF−7 0.120 HBS−1 0.074
【0224】 第3層(中間層) ExC−2 0.050 Cpd−1 0.090 ポリエチルアクリレートラテックス 0.200 HBS−1 0.100 ゼラチン 0.700
【0225】 第4層(低感度赤感乳剤層) Em−D 銀 0.577 Em−P 銀 0.347 ExC−1 0.188 ExC−2 0.011 ExC−3 0.075 ExC−4 0.121 ExC−5 0.010 ExC−6 0.007 ExC−8 0.050 ExC−9 0.020 Cpd−2 0.025 Cpd−4 0.025 Cpd−7 0.014 UV−2 0.047 UV−3 0.086 UV−4 0.018 HBS−1 0.245 HBS−5 0.038 ゼラチン 0.994
【0226】 第5層(中感度赤感乳剤層) Em−B 銀 0.431 Em−C 銀 0.432 ExC−1 0.154 ExC−2 0.068 ExC−3 0.018 ExC−4 0.103 ExC−5 0.023 ExC−6 0.010 ExC−8 0.016 ExC−9 0.005 Cpd−2 0.036 Cpd−4 0.028 Cpd−7 0.021 HBS−1 0.129 ゼラチン 0.882
【0227】 第6層(高感度赤感乳剤層) Em−A 銀 1.108 ExC−1 0.180 ExC−3 0.035 ExC−6 0.029 ExC−8 0.110 ExC−9 0.020 ExM−5 0.101 Cpd−2 0.064 Cpd−4 0.077 Cpd−7 0.225 HBS−1 0.329 HBS−2 0.120 ゼラチン 1.245
【0228】 第7層(中間層) Cpd−1 0.094 Cpd−6 0.369 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.049 ポリエチルアクリレートラテックス 0.088 ゼラチン 0.886
【0229】 第8層(赤感層へ重層効果を与える層) Em−J 銀 0.153 Em−K 銀 0.153 Cpd−4 0.030 ExM−2 0.120 ExM−3 0.016 ExM−4 0.026 ExY−1 0.016 ExY−4 0.036 ExC−7 0.026 HBS−1 0.218 HBS−3 0.003 HBS−5 0.030 ゼラチン 0.610
【0230】 第9層(低感度緑感乳剤層) Em−H 銀 0.333 Em−G 銀 0.329 Em−I 銀 0.088 ExM−2 0.378 ExM−3 0.047 ExY−1 0.017 ExC−7 0.007 HBS−1 0.098 HBS−3 0.010 HBS−4 0.077 HBS−5 0.548 Cpd−5 0.010 ゼラチン 1.470
【0231】 第10層(中感度緑感乳剤層) Em−F 銀 0.457 ExM−2 0.032 ExM−3 0.029 ExM−4 0.029 ExY−3 0.007 ExC−6 0.010 ExC−7 0.012 ExC−8 0.010 HBS−1 0.065 HBS−3 0.002 HBS−4 0.020 HBS−5 0.020 Cpd−5 0.004 ゼラチン 0.446
【0232】 第11層(高感度緑感乳剤層) Em−E 銀 0.794 ExC−6 0.002 ExC−8 0.010 ExM−1 0.013 ExM−2 0.011 ExM−3 0.030 ExM−4 0.017 ExM−5 0.049 ExY−3 0.003 Cpd−3 0.004 Cpd−4 0.007 Cpd−5 0.010 HBS−1 0.148 HBS−3 0.003 HBS−4 0.020 HBS−5 0.037 ポリエチルアクリレートラテックス 0.099 ゼラチン 0.939
【0233】 第12層(イエローフィルター層) Cpd−1 0.094 固体分散染料ExF−2 0.070 固体分散染料ExF−5 0.010 油溶性染料ExF−6 0.010 HBS−1 0.049 ゼラチン 0.630
【0234】 第13層(低感度青感乳剤層) Em−O 銀 0.112 Em−M 銀 0.300 Em−N 銀 0.260 ExC−1 0.027 ExC−7 0.013 ExY−1 0.002 ExY−2 0.890 ExY−4 0.058 Cpd−2 0.100 Cpd−3 0.004 HBS−1 0.222 HBS−5 0.074 ゼラチン 1.553
【0235】 第14層(高感度青感乳剤層) Em−L 銀 0.714 ExY−2 0.211 ExY−4 0.068 Cpd−2 0.075 Cpd−3 0.001 HBS−1 0.124 ゼラチン 0.678
【0236】 第15層(第1保護層) 0.07μmのヨウ臭化銀乳剤 銀 0.301 UV−1 0.211 UV−2 0.132 UV−3 0.198 UV−4 0.026 F−11 0.009 S−1 0.086 HBS−1 0.175 HBS−4 0.050 ゼラチン 1.984
【0237】 第16層(第2保護層) H−1 0.400 B−1(直径1.7μm) 0.050 B−2(直径1.7μm) 0.150 B−3 0.050 S−1 0.200 ゼラチン 0.750
【0238】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために、W−1ないしW−11、B−4ないしB−6、
F−1ないしF−19及び、鉛塩、白金塩、イリジウム
塩、ロジウム塩が含有されている。
【0239】有機固体分散染料の分散物の調製 第12層のExF−2を次の方法で分散した。 ExF−2のウエットケーキ(17.6重量%の水を含む) 2.800kg オクチルフェニルジエトキシメタンスルホン酸ナトリウム (31重量%水溶液) 0.376kg F−15(7%水溶液) 0.011kg 水 4.020kg 計 7.210kg (NaOHでpH=7.2に調整)
【0240】上記組成のスラリーをディゾルバーで攪拌
して粗分散した後、アジテータミルLMK−4(商品
名)を用い、周速10m/s、吐出量0.6kg/mi
n、0.3mm径のジルコニアビーズ充填率80%で分
散液の吸光度比が0.29になるまで分散し、固体微粒
子分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.29μm
であった。同様にして、ExF−4およびExF−7の
固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径はそれぞれ、
0.28μm、0.49μmであった。ExF−5は欧
州特許第549,489Aの実施例1に記載の微小析出
(Microprecipitation)分散方法に
より分散した。平均粒径は0.06μmであった。
【0241】
【表1】
【0242】表1において、乳剤Em−A〜Em−Cは
分光増感色素1〜3を最適量添加され、最適に金増感、
硫黄増感、セレン増感されている。乳剤Em−E〜Em
−Gは分光増感色素4〜6を最適量添加され、最適に金
増感、硫黄増感、セレン増感されている。乳剤Em−J
は分光増感色素7、8を最適量添加され、最適に金増
感、硫黄増感、セレン増感されている。乳剤Em−Lは
分光増感色素9〜11を最適量添加され、最適に金増
感、硫黄増感、セレン増感されている。乳剤Em−Oは
分光増感色素10〜12を最適量添加され、最適に金増
感、硫黄増感されている。乳剤Em−D、Em−H、E
m−I、Em−K、Em−M、Em−Nは表2記載の分
光増感色素を最適量添加され、最適に金増感、硫黄増
感、セレン増感されている。
【0243】
【表2】
【0244】添加された増感色素を以下に示す。
【0245】
【化37】
【0246】
【化38】
【0247】
【化39】
【0248】
【化40】
【0249】
【化41】
【0250】
【化42】
【0251】
【化43】
【0252】
【化44】
【0253】
【化45】
【0254】
【化46】
【0255】
【化47】
【0256】
【化48】
【0257】
【化49】
【0258】平板状粒子の調製には特開平1−1584
26号記載の実施例に従い低分子量ゼラチンを使用して
いる。乳剤Em−A〜Em−KにはIr、Feを最適量
含有している。乳剤Em−L〜Em−Oは粒子調製時に
還元増感されている。平板状粒子には高圧電子顕微鏡を
用いると、特開平3−237450号に記載されている
ような転位線が観察される。乳剤Em−A〜Em−C、
Em−Jは特開平6−11782号記載の実施例に従い
ヨウドイオン放出剤を使用して転位導入している。乳剤
Em−Eは特開平10−43570号記載の磁気カップ
リング誘導型攪拌機を有する別チャンバーで添加直前に
調製したヨウ化銀微粒子を使用して転位導入している。
以下、各層に用いた化合物を示す。
【0259】
【化50】
【0260】
【化51】
【0261】
【化52】
【0262】
【化53】
【0263】
【化54】
【0264】
【化55】
【0265】
【化56】
【0266】
【化57】
【0267】
【化58】
【0268】
【化59】
【0269】上記のハロゲン化銀カラー写真感光材料を
試料101とする。現像は富士写真フイルム社製自動現
像機FP−360B(商品名)を用いて以下により行っ
た。尚、漂白浴のオーバーフロー液を後浴へ流さず、全
て廃液タンクへ排出するように改造を行った。このFP
−360Bは公開技法94−4992号(社団法人発明
協会発行)に記載の蒸発補正手段を搭載している。
【0270】処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分 5秒 37.8℃ 20mL 11.5L 漂 白 50秒 38.0℃ 5mL 5L 定着 (1) 50秒 38.0℃ ─ 5L 定着 (2) 50秒 38.0℃ 8mL 5L 水 洗 30秒 38.0℃ 17mL 3L 安定 (1) 20秒 38.0℃ ─ 3L 安定 (2) 20秒 38.0℃ 15mL 3L 乾 燥 1分30秒 60.0℃ *補充量は感光材料35mm幅1.1m当たり(24毎撮り1本相当)。 安定液及び定着液は(2)から(1)への向流方式であり、水
洗水のオーバーフロー液は全て定着浴(2)へ導入した。
尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液の定着工
程への持ち込み量、及び定着液の水洗工程への持ち込み
量は感光材料35mm幅1.1m当たりそれぞれ2.5mL、2.0mL、
2.0mLであった。また、クロスオーバーの時間はいずれ
も6秒であり、この時間は前工程の処理時間に包含され
る。
【0271】上記処理機の開口面積は発色現像液で10
0cm2、漂白液で120cm2、その他の処理液は約1
00cm2であった。以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 3.0 カテコール−3,5−ジスルホン酸ジナトリウム 0.3 0.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 39.0 39.0 ジナトリウム−N,N−ビス(2−スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン 1.5 2.0 臭化カリウム 1.3 0.3 沃化カリウム 1.3mg − 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン 0.05 − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニ リン硫酸塩 4.5 6.5 水を加えて 1.0L 1.0L pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.18
【0272】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 113 170 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 コハク酸 34 51 マレイン酸 28 42 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水で調整〕 4.6 4.0
【0273】(定着(1)タンク液) 上記漂白タンク液と下記定着タンク液の5対95(容量
比)混合液。 (pH6.8)
【0274】 (定着(2)) タンク液(g) 補充液(g) チオ硫酸アンモニウム水溶液(750g/L) 240mL 720mL イミダゾール 7 21 メタンチオスルホン酸アンモニウム 5 15 メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30 エチレンジアミン四酢酸 13 39 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.4 7.45
【0275】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B、商品名)と、OH型強塩基性アニオン交換樹
脂(同アンバーライトIR−400、商品名)を充填し
た混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウム
イオン濃度を3mg/L以下に処理し、続いて二塩化イ
ソシアヌール酸ナトリウム20mg/Lと硫酸ナトリウ
ム150mg/Lを添加した。この液のpHは6.5〜
7.5の範囲にあった。
【0276】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル(平均重合度10) 0.2 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン・ナトリウム 0.10 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0L pH 8.5
【0277】試料101から表3に示したように第13
層および第14層を置き換えた以外は同様にして試料1
02〜112を作製し、25℃相対湿度65%に7日間
保管した。これらの試料を使用して以下の性能を評価し
た結果を表4にまとめた。なお、表3中における構成A
とは試料101に対して第13層および第14層を以下
のように変更したことを意味する。 (構成A) 第13層(低感度青感乳剤層) Em−O 銀 0.090 Em−M 銀 0.256 Em−N 銀 0.192 ExC−1 0.027 ExC−7 0.013 ExY−1 0.002 ExY−2 0.695 ExY−4 0.058 HBS−1 0.222 HBS−5 0.074 ゼラチン 1.310 第14層(高感度青感乳剤層) Em−L 銀 0.600 ExY−2 0.165 ExY−4 0.068 HBS−1 0.124 ゼラチン 0.678
【0278】(評価1 感光材料のイエロー感度)上記
の試料を用い、富士フイルム(株)製ゼラチンフィルター
SC−39(商品名)を通して連続ウエッジで1/10
0露光後に、前述したカラー現像処理を行ない、センシ
トカーブを求めてイエロー濃度カブリ+0.2における
感度(S0.2Y)を評価した。数値は試料101に対する
感度差で記載した。数値が大きいほど感度が高く好まし
い。
【0279】(評価2 感光材料の保存性)未露光の試
料を50℃相対湿度80%の条件下に3日間保管した後
に評価1同様の露光、発色現像処理を行い、イエロー濃
度のかぶり変動(ΔFogY)を評価した。数値は試料10
1に対する相対値で記載した。数値が小さいほど保存か
ぶりが低く、好ましい。
【0280】(評価3 処理pH依存性)評価1同様の露
光をしたサンプルに評価1で実施した発色現像処理のp
Hを10.05±0.1ずつ変更した処理を実施し、も
とのpH=10.05で処理したセンシトカーブからの
マゼンタ、シアン、イエローの各々の階調変動率%(Δ
γm、Δγc、Δγy)を求めた。マゼンタ、シアン、イ
エローでバランスが悪いと市場の処理依存性でカラーバ
ランスが崩れてしまうため、バランスしていることが好
ましい。
【0281】(評価4 画像保存性(光堅牢性))評価
1同様の露光、発色現像処理した試料を蛍光灯2万lu
x照射下に3日置いた後での濃度1.5の点におけるイ
エロー濃度の減少率%(Δ光Y)で光に対する画像保存
性を評価した。数値が低いほど光堅牢であり、好まし
い。
【0282】(評価5 画像保存性(湿熱堅牢性))評
価1同様の露光、発色現像処理した試料を暗所60℃相
対湿度70%の条件下に1ヶ月置いた後での濃度1.5
の点におけるイエロー濃度の減少率%(Δ熱Y)で湿熱
条件下に対する画像保存性を評価した。数値が低いほど
湿熱堅牢であり、好ましい。
【0283】(評価6 鮮鋭度)上記の試料を用い、富
士フイルム(株)製ゼラチンフィルターSC−39(商品
名)を通して1/100露光でMTF評価用のパターンを
白色露光で書きこんだ後に前述したカラー現像処理を行
ない、マゼンタ濃度の鮮鋭度を試料101に対する相対
値で示した。数値が大きいほど鮮鋭度が高く好ましい。
【0284】表4より本発明の組み合わせによって感光
材料の保存性を損なうことなく、感度の向上、処理pH
依存性のバランス良化、画像保存性の向上および鮮鋭度
の改良を同時に達成できることが分かる。
【0285】
【表3】
【0286】
【表4】
【0287】実施例2 試料201の作製 下塗りを施した厚み205μmの三酢酸セルロースフィルム
支持体上に、下記の組成の各層より成る多層カラー感光
材料を作製し、試料201とした。数字はm2当りの添
加量を表わす。なお添加した化合物の効果は記載した用
途に限らない。各成分に対応する数字は、g/m2単位
で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については銀換算
の塗布量を示す。
【0288】第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 銀量 0.20g ゼラチン 2.20g 化合物Cpd−B 0.010g 紫外線吸収剤U−1 0.050g 紫外線吸収剤U−3 0.020g 紫外線吸収剤U−4 0.020g 紫外線吸収剤U−5 0.010g 紫外線吸収剤U−2 0.070g 化合物Cpd−F 0.20g 化合物Cpd−N 0.020g 化合物Cpd−O 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−6 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−8 0.020g 染料D−4 1.0mg 染料D−8 1.0mg 染料E−1の微結晶固体分散物 0.05g
【0289】第2層:中間層 ゼラチン 0.4g 化合物Cpd−F 0.050g 高沸点有機溶媒Oil−6 0.010g
【0290】第3層:感光性乳剤層 乳剤R 銀量 0.20g 乳剤S 銀量 0.10g ゼラチン 0.5g 化合物Cpd−M 0.030g 高沸点有機溶媒Oil−6 0.030g 染料D−7 4.0mg
【0291】第4層:中間層 ゼラチン 1.50g 化合物Cpd−M 0.10g 化合物Cpd−F 0.030g 化合物Cpd−D 0.010g 化合物Cpd−K 3.0mg 高沸点有機溶媒Oil−6 0.10g 高沸点有機溶媒Oil−3 0.010g
【0292】第5層:低感度赤感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.15g 乳剤B 銀量 0.10g 乳剤C 銀量 0.15g 黄色コロイド銀 銀量 1.0mg ゼラチン 0.60g カプラーC−1 0.15g カプラーC−2 7.0mg カプラーC−9 2.0mg 紫外線吸収剤U−2 3.0mg 化合物Cpd−D 1.0mg 化合物Cpd−J 2.0mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.040g
【0293】第6層:中感度赤感性乳剤層 乳剤C 銀量 0.20g 乳剤D 銀量 0.15g 内部を被らせた臭化銀乳剤(立方体、球相当平均粒子径
0.11μm)銀量 0.010g ゼラチン 0.60g カプラーC−1 0.15g カプラーC−2 7.0mg 化合物Cpd−D 1.5mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.045g 化合物Cpd−E 2.0mg
【0294】第7層:高感度赤感性乳剤層 乳剤E 銀量 0.15g 乳剤F 銀量 0.20g ゼラチン 1.50g カプラーC−1 0.70g カプラーC−2 0.025g カプラーC−3 0.020g カプラーC−8 3.0mg 紫外線吸収剤U−1 0.010g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.20g 高沸点有機溶媒Oil−9 0.030g 化合物Cpd−D 5.0mg 化合物Cpd−L 1.0mg 化合物Cpd−E 0.020g 添加物P−1 0.010g 添加物P−3 0.030g
【0295】第8層:中間層 ゼラチン 0.50g 添加物P−2 0.10g 染料D−5 0.020g 染料D−9 6.0mg 化合物Cpd−I 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−6 0.050g
【0296】第9層:中間層 黄色コロイド銀 銀量 0.010g ゼラチン 1.00g 添加物P−2 0.05g 化合物Cpd−A 0.050g 化合物Cpd−D 0.030g 化合物Cpd−M 0.10g 高沸点有機溶媒Oil−3 0.010g 高沸点有機溶媒Oil−6 0.10g
【0297】第10層:低感度緑感性乳剤層 乳剤G 銀量 0.15g 乳剤H 銀量 0.15g 乳剤I 銀量 0.15g ゼラチン 1.00g カプラーC−4 0.080g カプラーC−5 0.050g 化合物Cpd−B 0.010g 化合物Cpd−G 2.5mg 化合物Cpd−K 2.0mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−5 0.020g 添加剤P−1 5.0mg
【0298】第11層:中感度緑感性乳剤層 乳剤I 銀量 0.10g 乳剤J 銀量 0.20g ゼラチン 0.50g カプラーC−4 0.10g カプラーC−5 0.050g カプラーC−6 0.010g 化合物Cpd−B 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−5 0.020g
【0299】第12層:高感度緑感性乳剤層 乳剤K 銀量 0.40g 内部を被らせた臭化銀乳剤(立方体、球相当平均粒子径
0.11μm)銀量 5.0mg ゼラチン 1.20g カプラーC−4 0.60g カプラーC−5 0.30g カプラーC−7 0.050g 化合物Cpd−B 0.030g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−5 0.050g 添加剤P−1 0.020g
【0300】第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 2.0mg ゼラチン 1.0g 化合物Cpd−C 0.010g 化合物Cpd−M 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−6 0.020g 染料E−2の微結晶固体分散物 0.25g
【0301】第14層:感光性乳剤層 乳剤T 銀量 0.20g ゼラチン 0.40g カプラーC−1 5.0mg カプラーC−2 0.5mg 高沸点有機溶媒Oil−5 2.0mg 化合物Cpd−P 0.20g 染料D−6 4.0mg
【0302】第15層:低感度青感性乳剤層 乳剤L 銀量 0.10g 乳剤M 銀量 0.10g 乳剤N 銀量 0.10g ゼラチン 0.80g カプラーC−8 0.35g 化合物Cpd−B 0.015g 化合物Cpd−I 8.0mg 化合物Cpd−K 1.0mg 紫外線吸収剤U−5 0.015g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.015g 添加剤P−1 0.020g
【0303】第16層:中感度青感性乳剤層 乳剤N 銀量 0.10g 乳剤O 銀量 0.20g ゼラチン 0.80g カプラーC−8 0.40g 化合物Cpd−B 0.010g 化合物Cpd−E 0.015g 紫外線吸収剤U−5 0.015g 高沸点有機溶媒Oil−5 0.015g 添加剤P−1 0.020g
【0304】第17層:高感度青感性乳剤層 乳剤P 銀量 0.20g 乳剤Q 銀量 0.25g ゼラチン 2.00g カプラーC−8 1.30g カプラーC−3 0.20g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−5 0.030g 紫外線吸収剤U−2 0.030g 紫外線吸収剤U−5 0.030g 化合物Cpd−E 0.050g
【0305】第18層:第1保護層 ゼラチン 0.70g 紫外線吸収剤U−1 0.030g 紫外線吸収剤U−5 0.050g 紫外線吸収剤U−2 0.10g 化合物Cpd−B 0.030g 化合物Cpd−A 0.030g 化合物Cpd−H 0.20g 染料D−1 8.0mg 染料D−2 0.010g 染料D−3 0.010g 高沸点有機溶媒Oil−3 0.040g
【0306】第19層:第2保護層 コロイド銀 銀量 2.5mg 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、AgI含量 1
モル%)銀量 0.10g ゼラチン 0.80g 紫外線吸収剤U−2 0.030g 紫外線吸収剤U−5 0.030g 高沸点有機溶媒Oil−3 0.010g
【0307】第20層:第3保護層 ゼラチン 1.00g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5μm)0.10g メチルメタクリレートとメタクリル酸の6:4の共重合
体 (平均粒径1.5μm) 0.15g シリコーンオイルSO−1 0.20g 界面活性剤W−1 0.020g 界面活性剤W−2 0.040g
【0308】また、すべての乳剤層には上記組成物の他
に添加剤F−1〜F−9を添加した。さらに各層には上
記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化
用界面活性剤W−2、W−3、W−4を添加した。更に
防腐、防黴剤としてフェノール、1,2-ベンズイソチアゾ
リン-3-オン、2-フェノキシエタノール、フェネチルア
ルコール、p−安息香酸ブチルエステルを添加した。
【0309】
【表5】
【0310】
【表6】
【0311】
【表7】
【0312】
【表8】
【0313】
【表9】
【0314】
【化60】
【0315】
【化61】
【0316】
【化62】
【0317】
【化63】
【0318】
【化64】
【0319】
【化65】
【0320】
【化66】
【0321】
【化67】
【0322】
【化68】
【0323】
【化69】
【0324】
【化70】
【0325】
【化71】
【0326】
【化72】
【0327】
【化73】
【0328】
【化74】
【0329】
【化75】
【0330】
【化76】
【0331】
【化77】
【0332】有機固体分散染料の分散物の調製 (染料E−1の分散物の調製)染料E−1のウェットケ
ーキ(E−1の正味量として270g)にBASF社製P
luronic F88(商品名)(エチレンオキシド−プロピレ
ンオキシド ブロック共重合体)100gおよび水を加
えて攪拌し4000gとした。次に、アイメックス
(株)製ウルトラビスコミル(UVM−2(商品名))
に平均粒径0.5mmのジルコニアビースを1700mL充
填し、スラリーを通して周速約10m/sec、吐出量0.
5L/minで2時間粉砕した。ビーズを濾過して除き、水
を加えて染料濃度3%に希釈した後、安定化のために9
0℃で10時間加熱した。得られた染料微粒子の平均粒
径は0.30μmであり、粒径の分布の広さ(粒径標準
偏差×100/平均粒径)は20%であった。
【0333】(染料E−2の固体分散物の作製)水を3
0質量%含むE−2のウエットケーキ1400gに水及
びW−4を270g加えて攪拌し、E−2濃度40質量
%のスラリーとした。次に分砕機、アイメックス(株)
製ウルトラビスコミル(UVM−2)に平均粒径0.5
mmのジルコニアビーズを1700mL充填し、スラリー
を通して周速約10m/sec、吐出量0.5L/minで8時間
粉砕し、E−2の固体微粒子分散物を得た。これをイオ
ン交換水で、20質量%に希釈し、固体微粒子分散物を
得た。平均粒子サイズは、0.15μmであった。
【0334】次に、試料201の第15層〜第17層の
カプラーC−8を表10に示したカプラーに置き換え
た。置き換えにあたってはカプラーC−8に対してモル
比で0.9倍となるように置き換えた。更に第15層〜
第17層に、表10に示した化合物を添加した。添加量
は感光材料1m2あたりの添加量として表10に示した
量であり、第15、16、17層の各層のハロゲン化銀
乳剤量に比例するように配分し添加した。以上のように
して試料202〜212を作製した。
【0335】
【表10】
【0336】以上のように作製した試料201〜212
を、幅10.5cm長さ12.5cmに裁断し、それぞ
れ10枚ずつを1セットとして、乳剤面同士が接しない
ように全て同じ向きに重ね、温度25℃湿度55%に保
った環境化でポリエチレンラミネートされた遮光紙で密
封した。このようなセットを2つずつ作製し、1つは−
20℃で保管し、もう一つは50℃に温度調節された環
境で14日間保管した。その後、上記2セットを開封
し、それぞれ重なった状態の上(乳剤面が見える方を上
として)から5枚目を取り出し、連続的に濃度が変化し
ているウェッジを介して白色光で露光し、下記現像処理
Aを施し、濃度を測定した。現像後の試料のイエロー
(ステータスA)最大濃度、及びイエロー濃度1.0を
与える露光量(対数)を求めた。それぞれ、−20℃で
保管した場合を基準とし、50℃で14日間保管したと
きの変化を特性値として、表11に示した。
【0337】
【表11】
【0338】以上のように本発明の組み合わせは良好な
結果を与えた。なお、下記に示す現像処理工程を(現像
処理A)とした。評価にあたっては、試料201の未露
光のものと完全に爆光したものを1:1の比率で、補充
量がタンク容量の4倍になるまでランニング処理した後
に使用した。
【0339】 処理工程 時間 温度 タンク容量 補充量 第一現像 6分 38℃ 12L 2200mL/m2 第一水洗 2分 38℃ 4L 7500mL/m2 反 転 2分 38℃ 4L 1100mL/m2 発色現像 6分 38℃ 12L 2200mL/m2 前漂白 2分 38℃ 4L 1100mL/m2 漂 白 6分 38℃ 12L 220mL/m2 定 着 4分 38℃ 8L 1100mL/m2 第二水洗 4分 38℃ 8L 7500mL/m2 最終リンス 1分 25℃ 2L 1100mL/m2
【0340】各処理液の組成は以下の通りであった。 〔第一現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 1.5g 1.5g ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム塩 2.0g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 30g 30g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20g 20g 炭酸カリウム 15g 20g 重炭酸カリウム 12g 15g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン 1.5g 2.0g 臭化カリウム 2.5g 1.4g チオシアン酸カリウム 1.2g 1.2g ヨウ化カリウム 2.0mg − ジエチレングリコール 13g 15g 水を加えて 1000mL 1000mL pH 9.60 9.60 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0341】 〔反転液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸 タンク液 ・5ナトリウム塩 3.0g に同じ 塩化第一スズ・2水塩 1.0g 〃 水酸化ナトリウム 8g 〃 氷酢酸 15mL 〃 水を加えて 1000mL 〃 pH 6.00 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0342】 〔発色現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 2.0g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 7.0g 7.0g リン酸3ナトリウム・12水塩 30g 30g 臭化カリウム 1.0g − ヨウ化カリウム 90mg − 水酸化ナトリウム 8.0g 8.0g シトラジン酸 0.5g 0.5g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−アミ ノアニリン・3/2硫酸・1水塩 9.0g 9.0g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 0.6g 0.7g 水を加えて 1000mL 1000mL pH 11.80 12.00 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0343】 〔前漂白〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 8.0g 8.0g 亜硫酸ナトリウム 6.0g 8.0g 1−チオグリセロール 0.4g 0.4g ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物 30g 35g 水を加えて 1000mL 1000mL pH 6.30 6.10 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0344】 〔漂白液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 2.0g 4.0g エチレンジアミン4酢酸・Fe(III) ・アンモニウム・2水塩 120g 240g 臭化カリウム 100g 200g 硝酸アンモニウム 10g 20g 水を加えて 1000mL 1000mL pH 5.70 5.50 pHは硝酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0345】 〔定着液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 チオ硫酸アンモニウム 80g タンク液に同じ 亜硫酸ナトリウム 5.0g 〃 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 〃 水を加えて 1000mL 〃 pH 6.60 pHは酢酸又はアンモニア水で調整した。
【0346】 〔安定液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02g 0.03g ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル(平均重合度10) 0.3g 0.3g ポリマレイン酸(平均分子量2,000) 0.1g 0.15g 水を加えて 1000mL 1000mL pH 7.0 7.0
【0347】実施例3 実施例2における現像処理Aにおいて、各浴の補充量を
以下のように変更した以外同様の処理を、現像処理Bと
した。 処理工程 補充量 第一現像 1200mL/m2 第一水洗 3500mL/m2 反 転 700mL/m2 発色現像 1200mL/m2 前漂白 800mL/m2 漂 白 220mL/m2 定 着 1100mL/m2 第二水洗 4500mL/m2 最終リンス 1100mL/m2
【0348】現像処理Bにて、試料201〜212を、
実施例2に示したと同様に評価したところ、本発明の試
料は良好な結果を示した。
【0349】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀感光材料は、感光
材料の保存性を損なうことなく、鮮鋭性、処理依存性や
撮影処理後の画像保存性に優れ、しかも感度が高い。
フロントページの続き (72)発明者 谷口 雅彦 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 松田 直人 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H016 BD05 BE02 BF00 2H023 CD03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、
    緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀乳剤層
    をそれぞれ少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写
    真感光材料であって、前記の青感性ハロゲン化銀乳剤層
    に下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種
    含み、かつ少なくとも1種の還元性化合物を含有するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 (式中、Qは−N=C−N(R1)−とともに5〜7員
    環を形成する非金属原子群を表す。R1は置換基を表
    す。R2は置換基を表す。mは0以上5以下の整数を表
    す。mが2以上のとき複数のR2はそれぞれ同じでも異
    なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよ
    い。Xは水素原子または現像主薬酸化体とのカップリン
    グ反応により離脱可能な基を表す。)
  2. 【請求項2】 支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、
    緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀乳剤層
    をそれぞれ少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写
    真感光材料であって、前記の青感性ハロゲン化銀乳剤層
    に下記一般式(II)で表される化合物を少なくとも1種
    含み、かつ下記の一般式(B2)、一般式(B8)、およ
    び一般式(B10)で表される化合物から選ばれる少なく
    とも1種を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料。 【化2】 (式中、R1は置換基を表す。R2は置換基を表す。m
    は0以上5以下の整数を表す。mが2以上のとき複数の
    R2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結
    合して環を形成してもよい。R3は置換基を表す。nは
    0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のR
    3はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合
    して環を形成してもよい。Xは水素原子または現像主薬
    酸化体とのカップリング反応により離脱可能な基を表
    す。) 【化3】 (式中、Rb2、RN2は水素原子、アルキル基、アリール
    基、ヘテロ環基を表し、Y 8はヒドロキシ基を除く置換基
    を表し、m8は1〜5の整数を表し、Rb100、Rb101、R
    b102は水素原子または置換基を表し、Z10は環を形成し
    得る非金属原子団を表す。)
JP2002170609A 2002-03-01 2002-06-11 ハロゲン化銀カラー写真感光材料 Pending JP2003322939A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002170609A JP2003322939A (ja) 2002-03-01 2002-06-11 ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002-56655 2002-03-01
JP2002056655 2002-03-01
JP2002170609A JP2003322939A (ja) 2002-03-01 2002-06-11 ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003322939A true JP2003322939A (ja) 2003-11-14
JP2003322939A5 JP2003322939A5 (ja) 2005-09-08

Family

ID=29552232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002170609A Pending JP2003322939A (ja) 2002-03-01 2002-06-11 ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003322939A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6210871B1 (en) Silver halide color photographic light-sensitive material
US6107016A (en) Silver halide color photographic lightsensitive material
US6534257B2 (en) Silver halide photographic emulsion and silver halide photographic light-sensitive material containing the same
US20080063977A1 (en) Method of increasing speed of silver halide color photosensitive material
EP0724194B1 (en) Silver halide color photographic material
JP4037575B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2003114503A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2003322939A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
US5976775A (en) Silver halide color photographic light-sensitive material
JP4149837B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びこれを用いたカラー画像形成方法
JPH0968784A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP3969860B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3613482B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその包装体
JP4181387B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料のカラーネガ処理方法
US6280918B1 (en) Silver halide photographic lightsensitive material
US6902877B2 (en) Silver halide photographic emulsion
US6013426A (en) Silver halide color photographic light-sensitive material
JP3978051B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP3566465B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2002090959A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2004157266A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH09101590A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその包装体
JPH08272059A (ja) 多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料包装体
JP2006267836A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2001083671A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050323

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050322

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080603